特許第6237346号(P6237346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237346
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】直流−直流変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   H02M3/155 F
   H02M3/155 W
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-40796(P2014-40796)
(22)【出願日】2014年3月3日
(65)【公開番号】特開2015-167434(P2015-167434A)
(43)【公開日】2015年9月24日
【審査請求日】2016年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161562
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 朗
(72)【発明者】
【氏名】有田 康彦
【審査官】 神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−038921(JP,A)
【文献】 特開2003−289666(JP,A)
【文献】 特開2013−198267(JP,A)
【文献】 特開2013−099209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のダイオード,第1の半導体スイッチ,第2の半導体スイッチ,第2のダイオードが順に直列接続された第1のスイッチ回路と、
第3のダイオード,第3の半導体スイッチ,第4の半導体スイッチ,第4のダイオードが順に直列接続された第2のスイッチ回路と、
第1のコンデンサと第2のコンデンサとが直列接続された第1のコンデンサ回路と、
第3のコンデンサと第4のコンデンサとが直列接続された第2のコンデンサ回路と、
第1のインダクターと第2のインダクターと、
を備え、
前記第1のスイッチ回路と前記第2のスイッチ回路と前記第1のコンデンサ回路と前記第2のコンデンサ回路とが並列に接続されるとともに、前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチの接続点と、前記第3の半導体スイッチと前記第4の半導体スイッチの接続点と、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサの接続点と、前記第3のコンデンサと前記第4のコンデンサの接続点とがそれぞれ接続され、
前記第1のインダクターの一端が、直流電源の高電位端子に接続され、
前記第1のインダクターの他端が、前記第1のダイオードと前記第1の半導体スイッチの接続点と、前記第3のダイオードと前記第3の半導体スイッチの接続点とに接続され、
前記第2のインダクターの一端が、直流電源の低電位端子に接続され、
前記第2のインダクターの他端が、前記第2の半導体スイッチと前記第2のダイオードの接続点と、前記第4の半導体スイッチと前記第4のダイオードの接続点とに接続され、
前記第1の半導体スイッチ,前記第2の半導体スイッチ,前記第3の半導体スイッチ,前記第4の半導体スイッチは、順方向電圧が正の温度特性を有し、
前記第1のダイオード前記第2のダイオード,前記第3のダイオード,前記第4のダイオードは、順方向電圧が正の温度特性を有する、
ことを特徴とする直流−直流変換回路。
【請求項2】
第1のダイオード,第1の半導体スイッチ,第2の半導体スイッチ,第2のダイオードが順に直列接続された第1のスイッチ回路と、
第3のダイオード,第3の半導体スイッチ,第4の半導体スイッチ,第4のダイオードが順に直列接続された第2のスイッチ回路と、
第1のコンデンサと第2のコンデンサとが直列接続された第1のコンデンサ回路と、
第3のコンデンサと第4のコンデンサとが直列接続された第2のコンデンサ回路と、
第1のインダクターと第2のインダクターと、
を備え、
前記第1のスイッチ回路と前記第2のスイッチ回路と前記第1のコンデンサ回路と前記第2のコンデンサ回路とが並列に接続されるとともに、前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチの接続点と、前記第3の半導体スイッチと前記第4の半導体スイッチの接続点と、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサの接続点と、前記第3のコンデンサと前記第4のコンデンサの接続点とがそれぞれ接続され、
前記第1のインダクターの一端が、前記第2のインダクターの一端と直流電源の高電位端子とに接続され、
前記第1のインダクターの他端が、前記第1のダイオードと前記第1の半導体スイッチの接続点に接続され、
前記第2のインダクターの他端が、前記第3のダイオードと前記第3の半導体スイッチの接続点に接続され、
前記直流電源の低電位端子が、前記第2の半導体スイッチと前記第2のダイオードの接続点と、前記第4の半導体スイッチと前記第4のダイオードの接続点とに接続され、
前記第2の半導体スイッチと前記第4の半導体スイッチとは、順方向電圧が正の温度特性を有し、
前記第2のダイオードと前記第4のダイオードとは、順方向電圧が正の温度特性を有する、
ことを特徴とする直流−直流変換回路。
【請求項3】
第1のダイオード,第1の半導体スイッチ,第2の半導体スイッチ,第2のダイオードが順に直列接続された第1のスイッチ回路と、
第3のダイオード,第3の半導体スイッチ,第4の半導体スイッチ,第4のダイオードが順に直列接続された第2のスイッチ回路と、
第1のコンデンサと第2のコンデンサとが直列接続された第1のコンデンサ回路と、
第3のコンデンサと第4のコンデンサとが直列接続された第2のコンデンサ回路と、
第1のインダクターと第2のインダクターと、
を備え、
前記第1のスイッチ回路と前記第2のスイッチ回路と前記第1のコンデンサ回路と前記第2のコンデンサ回路とが並列に接続されるとともに、前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチの接続点と、前記第3の半導体スイッチと前記第4の半導体スイッチの接続点と、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサの接続点と、前記第3のコンデンサと前記第4のコンデンサの接続点とがそれぞれ接続され、
前記第1のダイオードと前記第1の半導体スイッチの接続点と、前記第3のダイオードと前記第3の半導体スイッチの接続点とが、直流電源の高電位端子に接続され、
前記直流電源の低電位端子が、前記第1のインダクターの一端と前記第2のインダクターの一端とに接続され、
前記第1のインダクターの他端が、前記第2のダイオードと前記第2の半導体スイッチの接続点に接続され、
前記第2のインダクターの他端が、前記第4のダイオードと前記第4の半導体スイッチの接続点に接続され、
前記第1の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチとは、順方向電圧が正の温度特性を有し、
前記第1のダイオードと前記第3のダイオードとは、順方向電圧が正の温度特性を有する、
ことを特徴とする直流−直流変換回路。
【請求項4】
前記第1の半導体スイッチと前記の半導体スイッチは、共通の制御装置からの同じ信号により駆動され、
前記第2の半導体スイッチと前記第4の半導体スイッチとは、前記制御装置からの同じ信号により駆動される、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の直流−直流変換装置。
【請求項5】
前記順方向電圧が正の温度特性を有する半導体スイッチはMOSFETであり、前記順方向電圧が正の温度特性を有するダイオードはワイドバンドギャップ半導体構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の直流−直流変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流入力電源から前記直流入力電源の電圧より高い直流出力電圧を得る直流−直流変換装置に関し、大容量化のために並列接続する場合の回路構成と半導体部品の適用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図6に、特許文献1又は2に記載された昇圧チョッパ回路図を示す。第1のダイオードD1と第1の半導体スイッチS1(この図ではMOSFET)を直列接続した第1のスイッチ直列回路と、第1のスイッチ直列回路と並列接続した第1のコンデンサC1と、第2のスイッチ素子S2(この図ではMOSFET)と第2のダイオードD2とを直列接続した第2のスイッチ直列回路と、第2のスイッチ直列回路と並列接続した第2のコンデンサC2と、から構成され、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2とが直列接続される。
第1のスイッチ直列回路の直列接続点と第2のスイッチ直列回路の直列接続点とをそれぞれ入力端子とし、第1のダイオードD1と第1のコンデンサC1との接続点を直流出力の正極端子、第2のダイオードD2と第2のコンデンサC2との接続点を直流出力の負極端子、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2との直列接続点を直流出力の中間極端子とする。直流出力の正極端子と負極端子との間には負荷LDが接続される。また、直流電源BATの正極端子BPと第1のスイッチ直列回路の直列接続点との間にはインダクターL1が、直流電源BATの負極端子BNと第2のスイッチ直列回路の直列接続点との間にはインダクターL2が、それぞれ接続される。
図7に、図6に示した昇圧チョッパの動作を説明する。動作モードとしては4種類あるが、図7には3種類を示している。図7(a)は半導体S1とS2をオンさせ、直流電源BATからインダクターL1とL2にエネルギーを蓄積するモード(第1のモード)で、直流電源の正極端子BP→インダクターL1→半導体スイッチS1→半導体スイッチS2→インダクターL2→直流電源の負極端子BNの経路で、電流I1が流れ上昇する。
図7(b)は図7(a)のモードから半導体スイッチS1をオフした時のモード(第2のモード)で、直流電源の正極端子BP→インダクターL1→ダイオードD1→コンデンサC1→半導体スイッチS2→インダクターL2→直流電源の負極端子BNの経路で、電流I2が流れ、インダクターL1、L2の電流は減少し、コンデンサC1の電圧が上昇する。
図7(c)は図7(a)のモードから半導体スイッチS2をオフした時のモード(第3のモード)で、直流電源の正極端子BP→インダクターL1→半導体スイッチS1→コンデンサC2→ダイオードD2→インダクターL2→直流電源の負極端子BNの経路で、電流I3が流れ、インダクターL1、L2の電流は減少し、コンデンサC2の電圧が上昇する。
図7に記載を省略したモード(第4のモード)は、図7(a)のモードから半導体スイッチS1及びS2をオフした時のモードで、直流電源の正極端子BP→インダクターL1→ダイオードD1→コンデンサC1→コンデンサC2→ダイオードD2→インダクターL2→直流電源の負極端子BNの経路で、電流が流れ、インダクターL1、L2の電流は減少し、コンデンサC2、C1の電圧が上昇する。これらの4種類のモードを組合せて、コンデンサC1、C2の電圧を均等にしながら、直流電源の電圧より高い出力電圧を生成する。
図8は、図7に記載の昇圧チョッパ回路を2台並列接続して、容量を増大させた時の回路構成例で、特許文献1に記載されている。直流入力側では、直流電源BATの正極端子BPを1台目のインダクターL11の端子と2台目のインダクターL21の端子に、直流電源BATの負極端子BNを1台目のインダクターL12の端子と2台目のインダクターL22の端子に、各々接続する。直流出力側では、1台目のコンデンサ11の正極端子Pと2台目のコンデンサ21の正極端子Pとを、1台目のコンデンサ11と12の接続点Mと2台目のコンデンサ21と22の接続点Mとを、1台目のコンデンサC12の負極端子Nと2台目のコンデンサC22の負極端子Nとを、各々接続した構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−38921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、図6に示した昇圧チョッパ回路の直流入力と直流出力を2台並列接続すれば、2倍の電流を流すことができるので、並列接続数を増加させれば、より大容量の直流−直流変換装置を実現できる。
このように、図6に示した昇圧チョッパ回路を並列接続すると、昇圧用のインダクターの使用数が昇圧チョッパ回路の並列接続数の2倍の数だけ必要となる。この結果、装置の構成が複雑になると共に、装置が高価になる問題が生じる。
従って、本発明の課題は、インダクターの使用数を減少させ、小型低価格の大容量直流−直流変換装置を実現できるチョッパ並列接続技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するための第1の実施形態は、第1のスイッチ回路と第2のスイッチ回路と第1のコンデンサ回路と第2のコンデンサ回路と第1のインダクターと第2のインダクターとを含む直流−直流変換装置である。
第1のスイッチ回路は第1のダイオード,第1の半導体スイッチ,第2の半導体スイッチ,第2のダイオードが順に直列接続された回路であり、第2のスイッチ回路は第3のダイオード,第3の半導体スイッチ,第4の半導体スイッチ,第4のダイオードが順に直列接続された回路である。また、第1のコンデンサ回路は第1のコンデンサと第2のコンデンサとが直列接続された回路であり、第2のコンデンサ回路は第3のコンデンサと第4のコンデンサとが直列接続された回路である。
第1のスイッチ回路と第2のスイッチ回路と第1のコンデンサ回路と第2のコンデンサ回路は、それぞれの両端が並列に接続される。さらに、第1の半導体スイッチと第2の半導体スイッチの接続点と、第3の半導体スイッチと第4の半導体スイッチの接続点と、第1のコンデンサと第2のコンデンサの接続点と、第3のコンデンサと第4のコンデンサの接続点とがそれぞれ接続される。
そして、第1のインダクターの一端が直流電源の高電位端子に接続され、第1のインダクターの他端が第1のダイオードと第1の半導体スイッチの接続点と第3のダイオードと第3の半導体スイッチの接続点とに接続される。また、第2のインダクターの一端が直流電源の低電位端子に接続され、第2のインダクターの他端が第2の半導体スイッチと第2のダイオードの接続点と第4の半導体スイッチと第4のダイオードの接続点とに接続される。
さらに、第1の半導体スイッチ,第2の半導体スイッチ,第3の半導体スイッチ,第4の半導体スイッチが順方向電圧が正の温度特性を有し、第1のダイオード,第2のダイオード,第3のダイオード,第4のダイオードが順方向電圧が正の温度特性を有する。
【0006】
第2の実施形態に係る直流−直流変換装置は、第1の実施形態に係る直流−直流変換装置と同様に、第1のスイッチ回路と第2のスイッチ回路と第1のコンデンサ回路と第2のコンデンサ回路と第1のインダクターと第2のインダクターとを備える。
そして、第1のインダクターの一端が第2のインダクターの一端と直流電源の高電位端子とに接続され、第1のインダクターの他端が第1のダイオードと第1の半導体スイッチの接続点に接続される。また、第2のインダクターの他端が第3のダイオードと第3の半導体スイッチの接続点に接続される。さらに、直流電源の低電位端子が、第2の半導体スイッチと第2のダイオードの接続点と、第4の半導体スイッチと第4のダイオードの接続点とに接続される。
そして、第2の半導体スイッチと第4の半導体スイッチとが順方向電圧が正の温度特性を有し、第2のダイオードと第4のダイオードとが順方向電圧が正の温度特性を有する。
【0007】
第3の実施形態係る直流−直流変換装置は、第1の実施形態に係る直流−直流変換装置と同様に、第1のスイッチ回路と第2のスイッチ回路と第1のコンデンサ回路と第2のコンデンサ回路と第1のインダクターと第2のインダクターとを備える。
そして、第1のダイオードと第1の半導体スイッチの接続点と、第3のダイオードと第3の半導体スイッチの接続点とが、直流電源の高電位端子に接続され、直流電源の低電位端子が、前記第1のインダクターの一端と前記第2のインダクターの一端とに接続される。さらに、第1のインダクターの他端が第2のダイオードと第2の半導体スイッチの接続点に接続され、第2のインダクターの他端が第4のダイオードと第4の半導体スイッチの接続点に接続される。
そして、第1の半導体スイッチと第3の半導体スイッチとが順方向電圧が正の温度特性を有し、第1のダイオードと第3のダイオードとが順方向電圧が正の温度特性を有する。
【0008】
上記第1〜第3の実施形態において、第1の半導体スイッチと第3の半導体スイッチとは共通の制御装置からの同じ信号により駆動され、第2の半導体スイッチと第4の半導体スイッチとは制御装置からの同じ信号により駆動される。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、並列接続される複数台の変換回路の中で、直接並列接続されるダイオードをワイドバンドギャップ半導体で構成し、電流のアンバランスを改善し、インダクターの使用数を従来回路の半数以下に低減できる変換回路を提供している。
この結果、インダクターの使用数が減少した昇圧チョッパ回路の並列接続が可能となり、小型低価格の直流−直流変換装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施例を示す回路図である。
図2】本発明の第2の実施例を示す回路図である。
図3】本発明の第3の実施例を示す回路図である。
図4】ダイオードの順電圧降下特性図である。
図5】MOSFETの順方向電圧特性図である。
図6】従来の昇圧チョッパ回路図を示す。
図7】従来の昇圧チョッパ回路の動作説明図である。
図8】従来の昇圧チョッパ回路の並列接続回路である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の要点は、第1のダイオードと第1の半導体スイッチとを直列接続した第1のスイッチ直列回路と、前記第1のスイッチ直列回路と並列接続した第1のコンデンサと、第2の半導体スイッチと第2のダイオードとを直列接続した第2のスイッチ直列回路と、前記第2のスイッチ直列回路と並列接続した第2のコンデンサと、から構成され、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとが直列接続され、前記第1のスイッチ直列回路の直列接続点と前記第2のスイッチ直列回路の直列接続点とをそれぞれ入力端子とし、前記第1のダイオードと前記第1のコンデンサとの接続点を直流出力の正極端子とし、前記第2のダイオードと前記第2のコンデンサとの接続点を直流出力の負極端子とし、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの直列接続点を直流出力の中間極端子とする変換回路を複数台用いて、それぞれ並列接続して容量を拡大する場合に、複数台のそれぞれの半導体装置の中の直接並列接続されるダイオードをワイドバンドギャップ半導体で構成し、インダクターの使用数を減少させる点である。
【実施例1】
【0012】
図1に、本発明の第1の実施例を示す。ダイオードとしてはワイドバンドギャップ半導体を用いた素子を、半導体スイッチとしてはMOSFETを用いた実施例である。2台の変換回路を並列接続し、直流電源BATと2台の変換回路との間にインダクターL1とL2を接続する構成である。1台目の変換回路は。第1のダイオードD11と第1の半導体スイッチS11とを直列接続した第1のスイッチ直列回路と、前記第1のスイッチ直列回路と並列接続した第1のコンデンサC11と、第2の半導体スイッチS12と第2のダイオードD12とを直列接続した第2のスイッチ直列回路と、前記第2のスイッチ直列回路と並列接続した第2のコンデンサC12と、から構成される。
2台目の変換回路は。第1のダイオードD21と第1の半導体スイッチS21とを直列接続した第1のスイッチ直列回路と、前記第1のスイッチ直列回路と並列接続した第1のコンデンサC21と、第2の半導体スイッチS22と第2のダイオードD22とを直列接続した第2のスイッチ直列回路と、前記第2のスイッチ直列回路と並列接続した第2のコンデンサC22と、から構成される。ここでGD11、GD12、GD21、GD22は、制御装置CNTからの信号をMOSFET駆動用の信号に変換するゲート駆動回路である。
それぞれの変換回路で前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとは直列接続され、前記第1のスイッチ直列回路の直列接続点と前記第2のスイッチ直列回路の直列接続点とをそれぞれ入力端子とし、前記第1のダイオードと前記第1のコンデンサとの接続点を直流出力の正極端子とし、前記第2のダイオードと前記第2のコンデンサとの接続点を直流出力の負極端子とし、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの直列接続点を直流出力の中間極端子とする。2台のそれぞれの変換回路の前記入力端子同士及び前記出力端子同士を、それぞれ並列接続し、直流電源の一端と前記入力端子の一方の端子との間に第1のインダクターを、前記直流電源の他端と前記入力端子の他方の端子との間に第2のインダクターを、各々接続する。また、各変換回路の第1の半導体スイッチ(S11とS21)と第2の半導体スイッチ(S12とS22)には制御装置CNTからそれぞれ同じ信号が供給される。
このように構成することにより、各変換回路の第1のダイオード同士(D11とD21)、第1の半導体スイッチ同士(S11とS21)、第2の半導体スイッチ同士(S12とS22)、第2のダイオード同士(D12とD22)は、それぞれ直接並列接続された構成となる。ここで、各変換回路の第1のダイオード(D11とD21)と第2のダイオード(D12とD22)は、ワイドバンドギャップ半導体で構成する。
変換回路を複数台並列接続するときの課題は、並列接続された半導体素子に流れる電流をバランスさせることである。図4にダイオードの順方向電圧特性を示す。温度変化に対する順方向電圧特性はSi(シリコン)ダイオード(VシリーズPND)は実使用領域では負特性、SiC(炭化珪素)ダイオードは正特性であることがわかる。従って、並列接続では電流が増加して温度が上昇するとSi(シリコン)ダイオードでは順方向電圧が低下して電流を抑制できない。一方SiC(炭化珪素)ダイオードでは電流が増加して温度が上昇すると、順方向電圧が増加して電流を抑制する。従って、ダイオードD11、D12、D21、D22として、SiC(炭化珪素)ダイオードを用いることにより、並列接続される構成のダイオードD11とD21、D12とD22に流れる電流をバランスさせることが可能となる。
一方、MOSFETの順方向電圧特性は、図5に示すように正の温度特性であり、電流が増加した素子の電流を抑制する方向に働くため、電流をバランスさせることができる。
以上のように、本実施例では、従来回路で4個必要であったインダクターを2個に減少させることができる回路構成であるが、半導体素子が直接並列接続される構成となるため、ダイオードとしてSiC(炭化珪素)半導体を用いることにより並列接続されるダイオードの電流をバランスさせるようにしている。これらの結果、インダクターの使用数が減少した昇圧チョッパ回路の並列接続が可能となり、小型低価格の直流−直流変換装置を実現できる。また、変換装置を2台用いた実施例を示したが、複数台用いた場合も使用するインダクターは2台で済むため、大容量化に対して小型低価格化の効果は大きくなる。
【実施例2】
【0013】
図2に、本発明の第2の実施例を示す。ダイオードとしては一部にワイドバンドギャップ半導体を用いた素子を、半導体スイッチとしてはMOSFETを用い、2台の変換回路を各変換回路の直流入力に1個のインダクターを用いて並列接続する構成である。1台目の変換回路は。第1のダイオードD11と第1の半導体スイッチS11とを直列接続した第1のスイッチ直列回路と、前記第1のスイッチ直列回路と並列接続した第1のコンデンサC11と、第2の半導体スイッチS12と第2のダイオードD12とを直列接続した第2のスイッチ直列回路と、前記第2のスイッチ直列回路と並列接続した第2のコンデンサC12と、から構成される。
2台目の変換回路は、第1のダイオードD21と第1の半導体スイッチS21とを直列接続した第1のスイッチ直列回路と、前記第1のスイッチ直列回路と並列接続した第1のコンデンサC21と、第2の半導体スイッチS22と第2のダイオードD22とを直列接続した第2のスイッチ直列回路と、前記第2のスイッチ直列回路と並列接続した第2のコンデンサC22と、から構成される。
それぞれの変換回路で前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとは直列接続され、前記第1のスイッチ直列回路の直列接続点と前記第2のスイッチ直列回路の直列接続点とをそれぞれ入力端子とし、前記第1のダイオードと前記第1のコンデンサとの接続点を直流出力の正極端子とし、前記第2のダイオードと前記第2のコンデンサとの接続点を直流出力の負極端子とし、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの直列接続点を直流出力の中間極端子とする。2台のそれぞれの変換回路の入力端子の中で、第1のスイッチ直列回路の直列接続点はインダクターL1とインダクターL2を介して、第2のスイッチ直列回路の直列接続点同士は直接、及び出力端子同士は直接、それぞれ並列接続する。
また、インダクターL1とL2の接続点は直流電源BATの正極端子BPに、第2のスイッチ直列回路の直列接続点同士の接続点は直流電源BATの負極BNに、各々接続する。また、各変換回路の第1の半導体スイッチ(S11とS21)と第2の半導体スイッチ(S12とS22)には制御装置CNTからそれぞれ同じ信号が供給される。
ここで、各変換回路の第2のダイオード(D12とD22)は、ワイドバンドギャップ半導体(ここではSiC)で構成する。
変換回路を複数台並列接続するときの課題は、並列接続された半導体素子に流れる電流をバランスさせることである。ここで、ダイオードD12とD22は直接並列接続される構成であるが、ワイドバンドギャップ半導体で構成しているため、電流をバランスさせることが可能となる。
一方、MOSFETS12とS22は直接並列接続される構成であるが、順方向電圧特性は正の温度特性であり、電流が増加した素子は電流を抑制する方向に働くため、電流をバランスさせることができる。
以上のように、本実施例では、従来回路で4個必要であったインダクターを2個に減少させることができる回路構成であるが、半導体素子が直接並列接続される構成となるため、直接並列接続されるダイオードとしてSiC(炭化珪素)半導体を用いることにより並列接続されるダイオードの電流をバランスさせるようにしている。これらの結果、インダクターの使用数が減少した昇圧チョッパ回路の並列接続が可能となり、小型低価格の直流−直流変換装置を実現できる。また、変換装置を2台用いた実施例を示したが、複数台用いた場合も使用するインダクターは変換装置の台数と同じ数で済むため、大容量化に対して小型低価格化が図れる。
【実施例3】
【0014】
図3に、本発明の第3の実施例を示す。第2の実施例におけるリアクトルの接続位置を変更した構成である。この構成ではダイオードD11とD21が直接並列接続されるため、ダイオードとしてSiC(炭化珪素)半導体を用いることにより並列接続されるダイオードの電流をバランスさせるようにしている。動作原理、効果は第2の実施例と同じであるので、説明は省略する。
尚、上記実施例には半導体スイッチとしてMOSFETを用いた例を示したが、MOSFETとしてSiC(炭化珪素)半導体を用いても実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、直流入力電圧よりも高い直流出力電圧を得る昇圧型の直流−直流変換回路で、昇圧比の大きな用途でのメリットが大であり、車両用補助電源、無停電電源装置、系統連系用変換装置などへの適用が可能である。
【符号の説明】
【0016】
D1、D2、D11、D12、D21、D22・・・ダイオード
S1、S2、S11、S12、S21、S22・・・MOSFET
L1、L2、L11、L12、L21、L22・・・インダクター
BAT・・・直流電源 LD・・・負荷
C1、C2、C11、C12、C21、C22・・・コンデンサ
CNT・・・制御装置
GD11、GD12、GD21、GD22・・・ゲート駆動回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8