(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態に係る掃除システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0015】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る掃除システム10の正面図である。掃除システム10は掃除機12を備えている。掃除機12は、使用者が取っ手14をつかんで使用するコードレス型の掃除機である。掃除機12は本体16を備えている。本体16の下面には第1接点18が設けられている。
図2は、本体16の断面図である。本体16は、電動送風機16Aと、電動送風機16Aに電力を供給する充電池16Bとを備えている。
【0016】
図1の説明に戻る。本体16には、延長管20を介して吸込み部22が接続されている。吸込み部22は塵埃を吸い込む部分である。
【0017】
掃除システム10は、充電台50を備えている。充電台50は、電源プラグ52に接続され、掃除機12と接したときに前述の充電池16Bを充電するものである。充電台50には空気清浄機54と、空気清浄機54の運転状態を操作する空気清浄機操作部55が設けられている。充電台50の上面には第2接点56が設けられている。第2接点56と前述の第1接点18は、掃除機12が充電台50に固定された(接した)ときに接触する。
【0018】
図3は、掃除機12が充電台50に固定された掃除システムを示す斜視図である。第1接点18と第2接点56は接触している。掃除機12の取っ手14には、使用者による掃除機12の操作に用いられる操作部60が設けられている。操作部60の下方には、掃除機12の運転状態を示す表示部62が設けられている。
【0019】
図4は、掃除システム10のブロック図である。掃除機12には掃除機制御部100が設けられている。掃除機制御部100の基本的機能は、操作部60の操作に応じて電動送風機16Aを制御することである。充電台50には、充電台制御部110が設けられている。充電台制御部110の基本的機能は、空気清浄機操作部55の操作に応じて空気清浄機54を制御することである。なお、掃除機制御部100と充電台制御部110は例えばマイコンで形成される。
【0020】
充電台50にはDC発生器112が設けられている。DC発生器112は、電源プラグ52がコンセントに接続された際に商用電源を直流電源に変換し、充電台制御部110に電力を供給する。
【0021】
掃除システム10の動作について説明する。まず、掃除機12が充電台50の予め定められた場所に固定されると、充電台制御部110から掃除機制御部100を介して充電池16Bへ電力供給され、充電池16Bが充電される。このとき、第1接点18と第2接点56が接触している。第1接点18と第2接点56は接触検知部102を構成している。なお、第1接点18と第2接点56を経由して充電池16Bを充電してもよい。
【0022】
次いで、使用者が掃除をするために掃除機12を充電台50から取り外すと、第1接点18と第2接点56が離れる。その後、使用者が掃除を終了し掃除機12を充電台50に固定する(取り付ける)と、第1接点18と第2接点56が接触する。充電台制御部110は、第1接点18と第2接点56が離れ、その後第1接点18と第2接点56が接触したことを検知すると、空気清浄機54を作動させる。つまり、使用者が掃除機12による掃除を終えて掃除機12を充電台50に戻すと、充電台制御部110が空気清浄機54を作動させる。
【0023】
掃除終了後は、床などの被掃除面から舞い上がった塵埃、及び掃除機12の排気口から出た塵埃などの微細塵が空間に浮遊している。実施の形態1に係る掃除システム10によれば、掃除終了後に空気清浄機54を作動させるので、当該微細塵を空気清浄機54で捕集することができる。
【0024】
本発明の実施の形態1では、掃除機12と充電台50の接触の有無を検知するための接触検知部102として掃除機12に設けられた第1接点18と充電台50に設けられた第2接点56を用いたが、接触検知部は他の構成としてもよい。例えば、接触検知部として、周知の接触センサを用いてもよい。また、接触検知部は、掃除機12又は充電台50のいずれか一方にのみ設けてもよい。
【0025】
このように、本発明の実施の形態1に係る掃除システム10は、接触検知部102により掃除機12が充電台50から取り外されその後掃除機12が充電台50に接触したことが検知されたときに、充電台制御部110が空気清浄機54を作動させる。
【0026】
ところで、充電台制御部110は、掃除機12が充電台50から取り外されたことを接触検知部102が検知したときに、空気清浄機54を弱運転させ、掃除機12が充電台50に接触したことを接触検知部102が検知したときに、空気清浄機54を強運転させることが好ましい。掃除機12による掃除中に空気清浄機54を弱運転させることで微細塵を減少させることができるので、掃除後に空気清浄機54を強運転することで早期に空気を清浄化できる。
【0027】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る掃除システムに適宜応用してもよい。また、以下の実施の形態に係る掃除システムについては、実施の形態1に係る掃除システムと共通点が多いので、実施の形態1の掃除システムとの相違点を中心に説明する。
【0028】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係る掃除システム200のブロック図である。掃除システム200は、距離検知部202を備えている。距離検知部202は、掃除機12に設けられた送信部204と、充電台50に設けられた受信部206を備えている。距離検知部202は、送信部204から出された超音波などの信号を受信部206によって受信することで、掃除機12と充電台50の距離を検知するものである。そして、充電台制御部110は、距離検知部202の検知した掃除機12と充電台50の距離が短いほど空気清浄機54へ供給する電力を高める。
【0029】
掃除システム200によれば、充電台50の近くで掃除機12が作動し充電台50の周りに多くの微細塵が浮遊しているときに、空気清浄機54で多くの微細塵を捕集することができる。そして、充電台50から遠い場所で掃除機12が作動している場合は充電台50の周りの微細塵は多くないので、省エネルギのために空気清浄機54への供給電力を低下させる。
【0030】
図6は、変形例に係る掃除システム250のブロック図である。掃除システム250の充電台50は、人感センサ252を備えている。充電台制御部110は、人感センサ252によって人を検知したときに、人感センサ252によって人を検知しないときと比較して空気清浄機54へ供給する電力を高める。これにより人が通ったことにより生じた微細塵を空気清浄機54で効率的に捕集することができる。
【0031】
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係る掃除システム300のブロック図である。掃除機12には振動検知部302が設けられている。振動検知部302は例えば加速度センサにより掃除機12の振動を検知するものである。電動送風機16Aを制御する掃除機制御部100は、振動検知部302に接続されている。接触検知部102として、掃除機12に第1接点18が設けられ、充電台50に第2接点56が設けられている。
【0032】
振動検知部302は、基本的な掃除動作として掃除機12を前後に動かしたときの加速度を検出した振動波形の周期が長い振動(掃除振動)と、例えば人が掃除機12をポンポンと軽くたたいたときの加速度を検出した振動波形の周期が短い振動(制御振動)を区別して検知できる。掃除振動は、
図8に破線で示すように長い周期で、プラス方向とマイナス方向に同じように大きく振れた振動として検知される。一方、制御振動は
図8に実線で示すように短い周期で、特定方向にのみ(本実施の形態ではプラス方向)に大きく振れた振動として検知される。
【0033】
掃除システム300は、使用者が外部から掃除機12を前後に動かしたり、軽くたたいたりすることで、振動検知部302に振動を検知させて掃除機12を作動させ、掃除機12が充電台50に固定された状態で掃除機12を軽くたたくことで、振動検知部302に振動を検知させて、掃除機12又は空気清浄機54を作動させるものである。具体的には、掃除機制御部100は、接触検知部102が掃除機12と充電台50の接触を検知せず、かつ振動検知部302が外部から掃除機12へ及ぼされた振動を検知したときに、電動送風機16Aを作動させる。つまり、掃除機12が充電台50から離れた状態で掃除機12を前後に動かしたり、軽くたたいたりすると電動送風機16Aが作動し掃除を開始できる。なお、電動送風機16Aが作動してから、掃除機12を所定の時間前後に動かさなかったり、使用者が再度掃除機をたたいたりしたときに、掃除機制御部100が電動送風機16Aを停止させることが好ましい。
【0034】
充電台制御部110は、接触検知部102が掃除機12と充電台50の接触を検知し、かつ振動検知部302が外部から掃除機12へ及ぼされた振動を検知したときに、空気清浄機54を作動させる。つまり、掃除機12が充電台50に固定された状態で掃除機12をたたくと空気清浄機54を作動させることができる。なお、使用者が再度掃除機12をたたいたときに、充電台制御部110が空気清浄機54を停止させることが好ましい。
【0035】
ところで、掃除機12が充電台50に固定された状態で掃除機12をたたいて空気清浄機54を作動させるときには、使用者が掃除機を軽くたたくことによる振動(制御振動)のみを制御に反映させなければならない。このときには振動検知部302でほぼ特定方向だけの加速度が短い周期で検出されたときに制御を行うようにする。
【0036】
上記のとおり、掃除システム300は、使用者が掃除機12を前後に動かしたり、軽くたたいたりすることで、掃除機12を作動させる。また、掃除機12が充電台50に固定された状態で掃除機12を軽くたたくことで空気清浄機54を作動させるので、使用者は非常に容易にこれらを操作できる。また、実施の形態1で説明した操作部を省略することができる。
【0037】
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4に係る掃除システム350のブロック図である。掃除機12には第1接点18が設けられていて、充電台50には第2接点56が設けられている。第2接点56と前述の第1接点18は、掃除機12が充電台50に固定された(接した)ときに接触する。第1接点18と第2接点56は接触検知部102を構成している。掃除機制御部100は、電動送風機16Aと表示部62を制御する。掃除機制御部100は、掃除機12が充電台50から取り外されて作動しているとき(掃除機12の作動中)は掃除機12の運転状態を表示部62に表示させ、接触検知部102が掃除機12と充電台50の接触を検知し、かつ掃除機12が作動せず空気清浄機54が作動しているときは空気清浄機54の運転状態を表示部62に表示させる。掃除機12の運転状態として、例えば掃除機が発生させる吸引力の強さなどを表示する。空気清浄機54の運転状態として、例えば空気清浄機54の吸気量、又は空気の清浄度などを表示する。
【0038】
表示部62は、
図3に示す位置に設けても良いが、操作部60よりも上方に設けて使用者に見やすいようにすることが好ましい。
【0039】
本発明に係る掃除システムは、
図3に示すように縦置きタイプであるので、充電台50に設けた表示部で空気清浄機54の運転状態を表示すると、使用者から見づらい。しかし、実施の形態4に係る掃除システム350では、掃除機12の表示部62に空気清浄機54の運転状態を表示するので、使用者が見やすい。また、充電台50の表示部を省略できる。
【0040】
図10は、変形例に係る掃除システム400のブロック図である。充電台50には空気清浄機54の目詰まりを検知する目詰まり検知部402が設けられている。掃除機制御部100は、目詰まり検知部402が空気清浄機54の目詰まりを検知したときは、その旨を表示部62に表示させる。
【0041】
本発明の実施の形態4では、表示部62に様々な情報を表示するが、これらの情報を音声で報知してもよい。例えば、掃除機12の運転状態、空気清浄機54の運転状態、及び空気清浄機54の目詰まりを音声で報知することにすれば、表示部を省略できる。
【0042】
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5に係る掃除システム450のブロック図である。接触検知部102(第1接点18と第2接点56)が掃除機12と充電台50の接触を検知しないときは、操作部60の操作が、電動送風機16Aの運転状態に反映される。つまり、掃除機12を使用しているときは、掃除機制御部100が操作部60の操作に応じて電動送風機16Aの運転状態を制御する。
【0043】
他方、接触検知部102が掃除機12と充電台50の接触を検知したときは、操作部60の操作が、空気清浄機54の運転状態に反映される。つまり、掃除機12を使用していないときは、掃除機制御部100は操作部60の操作情報を充電台制御部110に伝送する。これを受けた充電台制御部110が、当該操作情報に応じて、空気清浄機54の運転状態を制御する。
【0044】
掃除システム450によれば、掃除機12に設けた操作部60によって、電動送風機16A及び空気清浄機54を制御するので、充電台50の操作部を省略できる。また、使用者は、1つの操作部60で電動送風機16Aと空気清浄機54を操作できるので便利である。
【0045】
実施の形態6.
図12は、本発明の実施の形態6に係る掃除システム500のブロック図である。掃除機12が充電台50に固定されている場合には、充電台制御部110が、空気清浄機54を作動させつつ、充電池16Bを充電する状況が考えられる。この状況では、空気清浄機54の消費電力に応じて充電池16Bを充電する電力を調整することが好ましい。
【0046】
そこで、実施の形態6に係る充電台制御部110は、空気清浄機54の消費電力が大きいほど、充電池16Bを充電する電力を低下させる。従って、空気清浄機54の所望の運転状態を維持しつつ、充電池16Bを充電できる。なお、ここまでで説明した各実施の形態に係る掃除システムの特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。