特許第6237390号(P6237390)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237390
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】センターピラーウエザストリップ
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/06 20060101AFI20171120BHJP
   B60J 10/84 20160101ALI20171120BHJP
   B60J 10/24 20160101ALI20171120BHJP
【FI】
   B60R13/06
   B60J10/84
   B60J10/24
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-63358(P2014-63358)
(22)【出願日】2014年3月26日
(65)【公開番号】特開2015-182720(P2015-182720A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097076
【弁理士】
【氏名又は名称】糟谷 敬彦
(72)【発明者】
【氏名】祖父江 弘
(72)【発明者】
【氏名】野尻 昌利
【審査官】 岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−144816(JP,U)
【文献】 実開平05−044650(JP,U)
【文献】 特開平06−297958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/06
B60J 10/24
B60J 10/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車体のセンターピラーに取付けられるセンターピラーウエザストリップにおいて、
該センターピラーウエザストリップは、上記センターピラーに取付けられる取付基部と、該取付基部から車体のフロント方向の斜め上方に延出する前側連結部と、上記取付基部から車体のリヤ方向に延出する後側連結部と、上記前側連結部と上記後側連結部の先端に連結して車外側に凸に湾曲して形成される中空シール部を有し、
上記前側連結部と上記中空シール部の連結部分から上記中空シール部の延長方向に前側シールリップを延設し、該前側シールリップは、上記センターピラー側に凸に湾曲して形成され、フロントドアが開いているときは、上記前側シールリップの先端と上記センターピラーの間に間隙を有し、上記前側連結部は、フロントドアが閉じているときは撓んで、上記前側シールリップが上記センターピラーに当接することを特徴とするセンターピラーウエザストリップ。
【請求項2】
上記取付基部から斜め上方に平板状に延出する上記前側連結部と上記センターピラーの表面とのなす角度が5〜45度である請求項1に記載のセンターピラーウエザストリップ。
【請求項3】
上記後側連結部と上記中空シール部の連結部分から上記中空シール部の延長方向に後側シールリップを延設し、該後側シールリップと上記中空シール部との連結部分に上記後側シールリップの変形の影響を上記中空シール部に伝達しない変形分断部を形成した請求項1又は請求項2に記載のセンターピラーウエザストリップ。
【請求項4】
上記後側連結部の上記後側シールリップと上記中空シール部との連結部分から離れた上記後側連結部の下面から後側シールリップを延設した請求項1又は請求項2に記載のセンターピラーウエザストリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体のセンターピラーに取付けられるセンターピラーウエザストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図4に示すように、自動車の車体のセンターピラー4には、フロントドア2の後端2aとリヤドア3の前端3aの間の隙間をシールするセンターピラーウエザストリップ110が取り付けられている。
このセンターピラーウエザストリップ110は、センターピラー4に取付けられる取付基部111と、取付基部111から車外方向に中空状に形成された中空シール部118を有している。
【0003】
フロントドア2が閉まる時の後端2aの軌跡は、図4の矢印Xで示す方向から閉まり、リヤドア3が閉まる時の前端3aの軌跡は、図4の矢印Yで示す方向から閉まる。そして、フロントドア2の後端2aとリヤドア3の前端3aがそれぞれ中空シール部118に当接してシールしている。
【0004】
このようにフロントドア2とリヤドア3の動きが異なり、フロントドア2とリヤドア3が別々に閉まる時に、フロントドア2の後端2aとリヤドア3の前端3aの間の隙間からセンターピラーウエザストリップ110の中空シール部118が飛び出すと見栄えが良くないため、中空シール部118の肉厚を大きくしている(例えば、特許文献1参照。)。
そのため、フロントドア2とリヤドア3がそれぞれ閉まる時に、中空シール部118の剛性が大きくなり、撓みにくくなるため、ドアの閉まり荷重が大きくなり、好ましくなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−258639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、ドアの閉まり荷重が小さく、シール性に優れたセンターピラーウエザストリップを提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車の車体のセンターピラーに取付けられるセンターピラーウエザストリップにおいて、
センターピラーウエザストリップは、センターピラーに取付けられる取付基部と、取付基部から車体のフロント方向の斜め上方に延出する前側連結部と、取付基部から車体のリヤ方向に延出する後側連結部と、前側連結部と後側連結部の先端に連結して車外側に凸に湾曲して形成される中空シール部を有し、
前側連結部と中空シール部の連結部分から中空シール部の延長方向に前側シールリップを延設し、前側シールリップは、センターピラー側に凸に湾曲して形成され、フロントドアが開いているときは、前側シールリップの先端とセンターピラーの間に間隙を有し、前側連結部は、フロントドアが閉じているときは撓んで、前側シールリップがセンターピラーに当接することを特徴とするセンターピラーウエザストリップである。
【0008】
請求項1の本発明では、自動車の車体のセンターピラーに取付けられるセンターピラーウエザストリップにおいて、センターピラーウエザストリップは、センターピラーに取付けられる取付基部を有する。このため、取付基部で中空シール部を保持して、取付基部をセンターピラーに取付けると中空シール部をフロントドアとリヤドアとの間の隙間に向けることができる。
【0009】
取付基部から車体のフロント方向の斜め上方に延出する前側連結部と、取付基部から車体のリヤ方向に延出する後側連結部を有する。このため、中空シール部を前側連結部と後側連結部で保持して中空状のシール部を形成することができる。前側連結部が車体のフロント方向の斜め上方に延出するため、中空シール部にフロントドアの後端が当接したときに、前側連結部がセンターピラーの方向に撓むことができ、フロントドアの後端への中空シール部の反力が小さく、フロントドアのドアの閉まり荷重を小さくすることができる。
【0010】
前側連結部と後側連結部の先端に連結して車外側に凸に湾曲して形成される中空シール部を有するため、センターピラーにおけるフロントドアの後端とリヤドアの先端との間の隙間を湾曲した中空シール部が確実に塞ぐことができる。
【0011】
前側連結部と中空シール部の連結部分から中空シール部の延長方向に前側シールリップを延設されているため、前側シールリップの先端がセンターピラーに当接することができ、センターピラーウエザストリップとセンターピラーの間のシール性を向上させることができる。
前側シールリップは、センターピラー側に凸に湾曲して形成されるため、フロントドアが閉じて、後端がセンターピラーウエザストリップの中空シール部に当接したときに、前側シールリップの下面側が湾曲面を有し、センターピラーの表面を滑動することができ、前側連結部と中空シール部が撓みやすくなり、フロントドアのドアの閉まり荷重を小さくすることができる。
フロントドアが開いているときは、前側シールリップの先端とセンターピラーの間に間隙を有するため、フロントドアが閉じて、後端がセンターピラーウエザストリップの中空シール部に当接したときに、前側連結部がその間隙の寸法は容易に撓むことができ、中空シール部のフロントドアの後端への反力が小さく、フロントドアのドアの閉まり荷重を小さくすることができる。
前側連結部は、フロントドアが閉じているときは撓んで、前側シールリップがセンターピラーに当接するため、中空シール部に押されて、前側連結部が撓みやすく、フロントドアのドアの閉まり荷重を小さくすることができる。
【0014】
請求項2の本発明は、取付基部から斜め上方に平板状に延出する前側連結部とセンターピラーの表面とのなす角度が5〜45度であるセンターピラーウエザストリップである。
【0015】
請求項2の本発明では、取付基部から斜め上方に平板状に延出する前側連結部とセンターピラーの表面とのなす角度が5〜45度であるため、フロントドアが閉じて、フロントドアの後端がセンターピラーウエザストリップの中空シール部に当接したときに、前側連結部が撓みやすく、フロントドアのドアの閉まり荷重を小さくすることができる。前側連結部とセンターピラーとのなす角度が5度未満の場合には、前側連結部の撓む余地が少なく、前側連結部とセンターピラーとのなす角度が45度を超える場合には、前側連結部が突っ張るようになり、前側連結部が撓みにくくなり、フロントドアのドアの閉まり荷重を小さくすることができにくくなる。
【0016】
請求項3の本発明は、後側連結部と中空シール部の連結部分から中空シール部の延長方向に後側シールリップを延設し、後側シールリップと中空シール部との連結部分に後側シールリップの変形の影響を中空シール部に伝達しない変形分断部を形成したセンターピラーウエザストリップである。
【0017】
請求項3の本発明では、後側連結部と中空シール部の連結部分から中空シール部の延長方向に後側シールリップを延設したため、センターピラーウエザストリップとセンターピラーの間のシール性を向上させることができる。
後側シールリップと中空シール部との連結部分に後側シールリップの変形の影響を中空シール部に伝達しない変形分断部を形成した。このため、車体の振動等で後側シールリップが振動しても、中空シール部にその振動を伝達することがなく、中空シール部のシール性を確保することができる。また、リヤドアの前端に当接するときに中空シール部の変形が後側シールリップに伝達されることがなく、後側シールリップがセンターピラーから浮き上がることがなく、後側シールリップのシール性を確保することができる。
【0018】
請求項4の本発明は、後側連結部の後側シールリップと中空シール部との連結部分から離れた後側連結部の下面から後側シールリップを延設したセンターピラーウエザストリップである。
【0019】
請求項4の本発明では、後側連結部の後側シールリップと中空シール部との連結部分から離れた後側連結部の下面から後側シールリップを延設したため、リヤドアの前端が中空シール部に当接するときに中空シール部の変形が後側シールリップに伝達されることがなく、後側シールリップのシール性を確保することができる。
【発明の効果】
【0020】
前側連結部と中空シール部の連結部分から中空シール部の延長方向に前側シールリップを延設されているため、センターピラーウエザストリップとセンターピラーの間のシール性を向上させることができる。前側シールリップは、センターピラー側に凸に湾曲して形成されるため、フロントドアの後端がセンターピラーウエザストリップの中空シール部に当接したときに、センターピラーの表面を滑動することができ、前側連結部と中空シール部が撓みやすくなり、フロントドアのドアの閉まり荷重を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるセンターピラーウエザストリップの断面図であり、図3のA−A線に沿った断面図である。
図2】本発明の第2の実施の形態におけるセンターピラーウエザストリップの断面図であり、図3のA−A線に沿った断面図である。
図3】自動車の側面図である。
図4】従来のセンターピラーウエザストリップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、自動車の車体1のセンターピラー4に取付けられ、フロントドア2とリヤドア3の間をシールするセンターピラーウエザストリップ10に関するものである。本発明の実施の形態を、図1図3に基づき説明する。本発明の第1の実施の形態をまず説明し、その後、第2の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示すものである。図3は、自動車の側面図である。図3に示すように、自動車の車体1の側面の中央付近にはセンターピラー4が設けられて、フロントドア2の後端2aとリヤドア3の前端3aの間の隙間がセンターピラー4の部分に生じている。その隙間をシールするためにセンターピラーウエザストリップ10がセンターピラー4に取付けられている。
【0024】
本発明の第1の実施の形態のセンターピラーウエザストリップ10は、図1に示すように、センターピラー4に取付けられる取付基部11と、取付基部11から車体1のフロント方向の斜め上方に延出する前側連結部14と、取付基部11から車体1のリヤ方向に延出する後側連結部16と、前側連結部14と後側連結部16の先端に連結して車外側に凸に湾曲して形成される中空シール部18を有する。
【0025】
取付基部11は、平板上に形成され、取付基部11の底面のフロント側とリヤ側の2か所からセンターピラー4に当接する取付基部脚部12が形成されている。取付基部脚部12により取付基部11は安定してセンターピラー4に取付けられることができる。取付基部11をセンターピラー4に取付けるには、取付基部11とセンターピラー4にクリップ取付孔11aを設けてクリップ(図示せず)で取付けるか、または、取付基部11の底面を両面接着テープで接着して取付けることができる。
【0026】
取付基部11のフロント側先端には取付基部リップ13を形成することができる。取付基部リップ13は、その先端がセンターピラー4に当接して、取付基部11とセンターピラー4の間のシール性を向上させることができる。
第1の実施の形態では、取付基部11、取付基部脚部12及び取付基部リップ13、前側連結部14及び後側連結部16は、ソリッド材で形成される。ソリッド材としては、EPDMゴム等を使用することができる。なお、取付基部リップ13、前側連結部14及び後側連結部16は、スポンジ材で形成することもできる。
【0027】
後述する前側連結部14と後側連結部16の先端に連結して、中空シール部18は、断面円弧状に車外側に凸に湾曲して形成される。中空シール部18には、センターピラー4におけるフロントドア2の後端2aとリヤドア3の前端3aが当接して、フロントドア2の後端2aとリヤドア3の前端3aとの間の隙間を中空シール部18が確実に塞ぐことができる。
【0028】
中空シール部18は、円弧状の中空形状であるため、上記の隙間を塞ぐことができるとともに、フロントドア2の後端2aとリヤドア3の前端3aの当接により容易に撓むことができ、シール性を確保することができる。また、中空シール部18は、後述する前側シールリップ15及び後側シールリップ17と同様にEPDM等のゴムのスポンジ材で形成することができる。
【0029】
前側連結部14は、取付基部11から車体1のフロント方向の斜め上方に延出するように形成される。第1の実施の形態では、前側連結部14は、取付基部11と一体的に形成され、ソリッド材で形成される。ソリッド材としては、EPDMゴム又はオレフィン系熱可塑性エラストマー等を使用することができる。
【0030】
前側連結部14とセンターピラー4とのなす角度は、5〜45度であることが好ましい。この場合は、前側連結部14の先端側は、センターピラー4との間に後述する間隙Zを有しているため、フロントドア2が閉じて、フロントドア2の後端2aがセンターピラーウエザストリップ10の中空シール部18に当接したときに、中空シール部18に押されて、前側連結部14が撓みやすく、フロントドア2のドアの閉まり荷重を小さくすることができる。
【0031】
前側連結部14とセンターピラー4とのなす角度が5度未満の場合には、センターピラー4との間に隙間が少なくなり、前側連結部14の撓む余地が少なくなり、前側連結部14が撓みにくくなる。
前側連結部14とセンターピラー4とのなす角度が45度を超える場合には、前側連結部14がセンターピラー4に対して角度が大きくなり、前側連結部14が突っ張るようになり、中空シール部18に押されても撓みにくくなり、フロントドア2のドアの閉まり荷重を小さくすることができにくくなる。
【0032】
フロントドア2が開いて、中空シール部18に当接していないときは、前側シールリップ15の先端とセンターピラー4の間に間隙(図1にZで示す)を有する。フロントドア2が閉じて、フロントドア2の後端2aがセンターピラーウエザストリップ10の中空シール部18に当接したときに、中空シール部18が押されて、前側連結部14がたわみ、図1に2点鎖線で示すように、前側連結部14がその間隙の寸法の分は容易に撓むことができ、フロントドア2のドアの閉まり荷重を小さくすることができる。
上記の隙間は、0.6〜0.8mm程度設けることができる。
【0033】
前側連結部14と中空シール部18の連結部分から中空シール部18の延長方向に前側シールリップ15が延設されている。前側シールリップ15は、フロントドア2が閉まった時に、中空シール部18に押されて間隙Zの距離を動き、センターピラー4に当接するため、センターピラーウエザストリップ10とセンターピラー4の間のシール性を向上させることができる。
【0034】
前側シールリップ15は、センターピラー4側(図1における上方)に凸に湾曲して形成される。このため、フロントドア2が閉じて、フロントドア2の後端2aがセンターピラーウエザストリップ10の中空シール部18に当接したときに、前側シールリップ15の先端が湾曲面を有しているため、センターピラー4の表面を滑動することができ、前側連結部14と中空シール部18が撓みやすくなり、フロントドア2のドアの閉まり荷重を小さくすることができる。
【0035】
後側連結部16と中空シール部18の連結部分あるいは、取付基部11のリヤ側の先端から後側シールリップ17が延設されている。後側シールリップ17は、上方(図1における上方)に凸に形成されている。取付基部11をセンターピラー4に取付けると、後側シールリップ17の先端は、センターピラー4に当接して、センターピラーウエザストリップ10とセンターピラー4の間のシール性を向上させることができる。
【0036】
次に、図2に基づき、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態とは、後側連結部16と後側シールリップ17の形状が異なり他の部分は、第1の実施の形態と同様である。そのため、異なる部分を説明し、同様な部分の説明を省略する。
【0037】
後側連結部16を取付基部11のリヤ側先端から斜め上方に延設し、後側連結部16と中空シール部18を連結し、後側連結部16と中空シール部18の連結部分から中空シール部18の延長方向に後側シールリップ17を延設した。このため、後側シールリップ17の先端がセンターピラー4に当接して、センターピラーウエザストリップ10とセンターピラー4の間のシール性を向上させることができる。
第2の実施の形態では、中空シール部18、後側連結部16、後側シールリップ17及び前側連結部14は、スポンジ材で形成される。後側シールリップ17及び前側連結部14は、ソリッド材で形成されることもできる。
【0038】
後側シールリップ17と中空シール部18との連結部分に後側シールリップの変形の影響を中空シール部に伝達しない変形分断部19を形成した。変形分断部19は、本実施の形態では、後側シールリップ17と中空シール部18との連結部分を薄肉に形成した凹部として形成している。図2における点線で記載した後側シールリップ17の如く、中空シール部18と後側連結部16の連結部分から離して、後側シールリップ17を形成して、話した部分を変形分断部19とすることもできる。
【0039】
変形分断部19を形成したことにより、車体の振動等で後側シールリップ17が振動しても、中空シール部18にその振動を伝達することがなく、中空シール部18のシール性を確保することができる。また、リヤドア3の前端3aに当接するときに、中空シール部18の変形が後側シールリップ17に伝達されることがなく、後側シールリップ17がセンターピラー4から浮き上がることもなく、後側シールリップ17のシール性を確保することができる。
【0040】
上述の通り、後側連結部16と中空シール部18との連結部分から離れた後側連結部16の下面から後側シールリップ17を延設することができる。この場合には、リヤドア3の前端3aが中空シール部18に当接するときに、中空シール部18の変形が後側シールリップ17に伝達されることがなく、後側シールリップ17のシール性を確保することができる。
【0041】
次に、フロントドア2の後端2aとリヤドア3の前端3aの動きとセンターピラーウエザストリップ10の働きについて説明する。
フロントドア2が閉まる時は、フロントドア2の後端2aは、図1及び図2の点線2bに示すような軌跡を通り、センターピラーウエザストリップ10の中空シール部18に当接する。
【0042】
その時、センターピラーウエザストリップ10は、図1に点線で示すように変形する。即ち、中空シール部18はフロントドア2の後端2aに押されて撓むとともに、前側連結部14を押して、前側連結部14は、センターピラー4方向に撓む。そうすると、前側シールリップ15は、センターピラー4との間の隙間Zの距離を容易に撓むことができるため、フロントドア2は閉まりやすくなる。
【0043】
さらに、前側シールリップ15がセンターピラー4に当接するとともに、前側シールリップ15が湾曲して形成されているため、前側シールリップ15の先端がセンターピラー4の表面を滑って移動する。このため、中空シール部18が容易に撓むことができ、中空シール部18のフロントドア2の後端2aに対する反力が小さくなり、フロントドア2の閉まり荷重を低減することができる。
また、中空シール部18は、フロントドア2の後端2aと当接して撓むため、フロントドア2の後端2aとの間のシール性を確保することができるとともに、フロントドア2の後端2aとリヤドア3の前端3aの間から飛び出すこともない。
【0044】
リヤドア3が閉まる時は、リヤドア3の前端3aは、図1及び図2の点線3bに示すような軌跡を通り、センターピラーウエザストリップ10の中空シール部18に当接する。
その時、センターピラーウエザストリップ10は、図1に点線で示すように変形する。即ち、中空シール部18はリヤドア3の前端3aに押されて撓むとともに、
後側連結部16を押して、後側連結部16は、センターピラー4方向に撓む。そうすると、後側シールリップ17は、センターピラー4と当接して容易に撓むことができるため、リヤドア3は閉まりやすくなる。
【0045】
このとき、図2に示すように、第2の実施の形態では、上記のように、後側シールリップ17と中空シール部18との連結部分に後側シールリップの変形の影響を中空シール部に伝達しない変形分断部19を形成したため、車体の振動等で後側シールリップ17が振動しても、中空シール部18にその振動を伝達することがなく、中空シール部18のシール性を確保することができる。また、リヤドア3の前端3aに当接するときに、中空シール部18の変形が後側シールリップ17に伝達されることがなく、後側シールリップ17のシール性を確保することができる。
【0046】
さらに、変形分断部19を形成したため、中空シール部18が容易に撓むことができ、リヤドア3の閉まり荷重を低減することができる。また、中空シール部18は、リヤドア3の前端3aと当接して撓むため、リヤドア3の前端3aとの間のシール性を確保することができるとともに、リヤドア3の前端3aとリヤドア3の前端3aの間から飛び出すこともない。
【符号の説明】
【0047】
2 フロントドア
3 リヤドア
4 センターピラー
10 センターピラーウエザストリップ
11 取付基部
14 前側連結部
15 前側シールリップ
16 後側連結部
17 後側シールリップ
18 中空シール部
19 変形分断部
図1
図2
図3
図4