特許第6237400号(P6237400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6237400発電装置、制御装置、制御方法、発電システム、電力変換装置及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237400
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】発電装置、制御装置、制御方法、発電システム、電力変換装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/70 20060101AFI20171120BHJP
   H02M 5/293 20060101ALI20171120BHJP
   H02P 9/00 20060101ALI20171120BHJP
   H02J 3/18 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G05F1/70 J
   H02M5/293 Z
   H02P9/00 F
   H02J3/18 128
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-65642(P2014-65642)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-191247(P2015-191247A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2016年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】藤井 順二
(72)【発明者】
【氏名】田中 貴志
(72)【発明者】
【氏名】武田 弘太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉永 亘
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/111416(WO,A1)
【文献】 特開昭57−199022(JP,A)
【文献】 特開2013−110884(JP,A)
【文献】 特開平06−253447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/70
H02J 3/18
H02M 5/293
H02P 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電要素と、
前記発電要素及び電力系統の間で電力変換を行う電力変換装置とを備え、
前記電力変換装置は、
互いに直列に接続された複数のマトリクスコンバータと、
前記マトリクスコンバータ及び電力系統の間で電力を導く送電経路と、
前記送電経路及び中性点の間に架け渡された調相用のインダクタと、を有し、
前記送電経路は、主変圧器と、前記マトリクスコンバータ及び前記主変圧器を接続する第1送電線と、前記電力系統及び前記主変圧器を接続する第2送電線とを有し、
前記調相用のインダクタは、前記マトリクスコンバータごとに設けられ、前記第1送電線及び前記中性点の間に架け渡されている、発電装置。
【請求項2】
発電要素と、
前記発電要素及び電力系統の間で電力変換を行う電力変換装置とを備え、
前記電力変換装置は、
マトリクスコンバータと、
前記マトリクスコンバータ及び電力系統の間で電力を導く送電経路と、
前記送電経路及び中性点の間に架け渡された調相用のインダクタと、を有し、
前記送電経路は、主変圧器と、前記マトリクスコンバータ及び前記主変圧器を接続する第1送電線と、前記電力系統及び前記主変圧器を接続する第2送電線とを有し、
前記主変圧器は、前記第1送電線に接続された第1コイルと、前記第2送電線に接続された第2コイルと、前記第1コイル及び前記第2コイルを通る磁束を囲むように巻かれた第3コイルとを有し、
前記調相用のインダクタは、前記第3コイル及び前記中性点の間に架け渡されている、発電装置。
【請求項3】
前記調相用のインダクタ及び送電経路の間に介在する副変圧器を更に備える、請求項1記載の発電装置。
【請求項4】
発電要素が風力用発電機である、請求項1〜のいずれか一項記載の発電装置。
【請求項5】
前記送電経路及び前記中性点の間において、前記調相用のインダクタに対して直列に設けられ、前記調相用のインダクタを含む調相用の経路を導通状態又は遮断状態に切り替える開閉器を更に備える、請求項1〜のいずれか一項記載の発電装置。
【請求項6】
発電要素及び電力系統の間で電力変換を行うようにマトリクスコンバータを制御する発電制御部と、
前記マトリクスコンバータ及び電力系統の間で電力を導く送電経路及び中性点の間に架け渡された調相用のインダクタを含む調相用の経路を、前記発電要素の発電量が上昇するのに応じて遮断状態にし、前記発電要素の発電量が下降するのに応じて導通状態にするように開閉器を制御する調相切替部と、を備える制御装置。
【請求項7】
発電要素及び電力系統の間で電力変換を行うようにマトリクスコンバータを制御すること、
前記マトリクスコンバータ及び電力系統の間で電力を導く送電経路及び中性点の間に架け渡された調相用のインダクタを含む調相用の経路を、前記発電要素の発電量が上昇するのに応じて遮断状態にし、前記発電要素の発電量が下降するのに応じて前記調相用の経路を導通状態にするように開閉器を制御することを含む制御方法。
【請求項8】
発電要素と、
前記発電要素及び電力系統の間で電力変換を行う電力変換装置と、
制御装置と、を備え、
前記電力変換装置は、
マトリクスコンバータと、
前記マトリクスコンバータを電力系統に接続する送電経路及び中性点の間に架け渡された調相用のインダクタと、
前記送電経路及び前記中性点の間において、前記調相用のインダクタに対して直列に設けられ、前記調相用のインダクタを含む調相用の経路を導通状態又は遮断状態に切り替える開閉器と、を有し、
前記制御装置は、
前記発電要素及び前記電力系統の間で電力変換を行うようにマトリクスコンバータを制御する発電制御部と、
発電量が上昇するのに応じて前記調相用の経路を前記遮断状態にし、発電量が下降するのに応じて前記調相用の経路を前記導通状態にするように前記開閉器を制御する調相切替部と、を備える発電システム。
【請求項9】
互いに直列に接続された複数のマトリクスコンバータと、
前記マトリクスコンバータ及び電力系統の間で電力を導く送電経路と、
前記送電経路及び中性点の間に架け渡された調相用のインダクタと、を備え、
前記送電経路は、主変圧器と、前記マトリクスコンバータ及び前記主変圧器を接続する第1送電線と、前記電力系統及び前記主変圧器を接続する第2送電線とを有し、
前記調相用のインダクタは、前記マトリクスコンバータごとに設けられ、前記第1送電線及び前記中性点の間に架け渡されている、電力変換装置。
【請求項10】
マトリクスコンバータと、
前記マトリクスコンバータ及び電力系統の間で電力を導く送電経路と、
前記送電経路及び中性点の間に架け渡された調相用のインダクタと、を備え、
前記送電経路は、主変圧器と、前記マトリクスコンバータ及び前記主変圧器を接続する第1送電線と、前記電力系統及び前記主変圧器を接続する第2送電線とを有し、
前記主変圧器は、前記第1送電線に接続された第1コイルと、前記第2送電線に接続された第2コイルと、前記第1コイル及び前記第2コイルを通る磁束を囲むように巻かれた第3コイルとを有し、
前記調相用のインダクタは、前記第3コイル及び前記中性点の間に架け渡されている、電力変換装置。
【請求項11】
マトリクスコンバータと、
前記マトリクスコンバータを電力系統に接続する送電経路及び中性点の間に架け渡された調相用のインダクタと、
前記送電経路及び前記中性点の間において、前記調相用のインダクタに対して直列に設けられ、前記調相用のインダクタを含む調相用の経路を導通状態又は遮断状態に切り替える開閉器と、
発電要素及び前記電力系統の間で電力変換を行うようにマトリクスコンバータを制御することと、発電量が上昇するのに応じて前記調相用の経路を前記遮断状態にし、発電量が下降するのに応じて前記調相用の経路を前記導通状態にするように前記開閉器を制御することとを実行するように構成された制御装置と、を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発電装置、制御装置、制御方法及び発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電要素及び電力変換装置を有する発電装置が広く用いられている。電力変換装置は、発電要素及び電力系統の間で電力変換を行う。特許文献1には、マトリクスコンバータを電力変換装置に用いた発電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2012/111115号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発電装置には、電力系統に応じて力率を適切に調整することが求められる。マトリクスコンバータを用いた発電装置についても、力率をより適切に調整可能であることが望ましい。
【0005】
本開示は、マトリクスコンバータを用いつつ、力率をより適切に調整可能な発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る発電装置は、マトリクスコンバータと、マトリクスコンバータ及び電力系統の間で電力を導く送電経路と、送電経路及び中性点の間に架け渡された調相用のインダクタと、を備える。
【0007】
本開示に係る制御装置は、上記発電装置を制御する装置であって、発電要素及び電力系統の間で電力変換を行うようにマトリクスコンバータを制御する発電制御部と、発電量が上昇するのに応じて調相用の経路を遮断状態にし、発電量が下降するのに応じて調相用の経路を導通状態にするように開閉器を制御する調相切替部と、を備える。
【0008】
本開示に係る制御方法は、上記発電装置を制御する方法であって、発電要素及び電力系統の間で電力変換を行うようにマトリクスコンバータを制御すること、発電量が上昇するのに応じて調相用の経路を遮断状態にし、発電量が下降するのに応じて調相用の経路を導通状態にするように開閉器を制御することを含む。
【0009】
本開示に係る発電システムは、マトリクスコンバータと、マトリクスコンバータを電力系統に接続する送電経路及び中性点の間に架け渡された調相用のインダクタと、送電経路及び中性点の間において、調相用のインダクタに対して直列に設けられ、調相用のインダクタを含む調相用の経路を導通状態又は遮断状態に切り替える開閉器と、発電要素及び電力系統の間で電力変換を行うようにマトリクスコンバータを制御する発電制御部と、発電量が上昇するのに応じて調相用の経路を遮断状態にし、発電量が下降するのに応じて調相用の経路を導通状態にするように開閉器を制御する調相切替部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、マトリクスコンバータを用いつつ、力率をより適切に調整可能な発電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】風力発電装置の概略構成を示す模式図である。
図2】電力変換装置の概略構成を示す模式図である。
図3】マトリクスコンバータの概略構成を示す模式図である。
図4】制御装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図5】制御装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図6】制御方法の手順を示すフローチャートである。
図7】発電装置の変形例を示す模式図である。
図8】発電装置の他の変形例を示す模式図である。
図9】発電装置の他の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
〔発電システム〕
図1に示すように、発電システム1は、発電装置2と、制御装置100とを備える。発電装置2は風力発電装置であり、塔体3と、ナセル5と、ブレード6と、発電機7と、電力変換装置10とを有する。なお、発電装置2は風力発電装置に限られず、例えば太陽光発電装置であってもよい。
【0014】
塔体3はナセル5を支持すると共に、電力変換装置10、送電経路20及び制御装置100を収容する。ナセル5は発電機7を収容する。ブレード6はナセル5の外側に回転自在に設けられており、風力によって回転する。発電機7(発電要素)は例えば同期発電機又は誘導発電機等であり、ブレード6の回転により駆動されてR相、S相及びT相の3相の交流電力を生じる。すなわち、発電機7は風力により駆動される風力用発電機である。
【0015】
電力変換装置10は、発電機7の出力電力を電力系統8に合わせて変換する。図2に示すように、電力変換装置10は、R相ユニット11と、S相ユニット12と、T相ユニット13とを有する。R相ユニット11は、発電機7のR相と中性点P1との間に設けられている。S相ユニット12は、発電機7のS相及び中性点P1との間に設けられている。T相ユニット13は、発電機7のT相と中性点P1との間に設けられている。
【0016】
R相ユニット11、S相ユニット12及びT相ユニット13は、それぞれ3つのマトリクスコンバータ30を有する。R相ユニット11の3つのマトリクスコンバータ30は、互いに直列に接続された状態で、発電機7のR相と中性点P1との間に架け渡されている。すなわち、直列に接続された3つのマトリクスコンバータ30の一端が発電機7のR相に接続され、他端が中性点P1に接続されている。S相ユニット12の3つのマトリクスコンバータ30は、互いに直列に接続された状態で、発電機7のS相と中性点P1との間に架け渡されている。T相ユニット13の3つのマトリクスコンバータ30は、互いに直列に接続された状態で、発電機7のT相と中性点P1との間に架け渡されている。
【0017】
送電経路20は、主変圧器21と、第1送電線24と、第2送電線25とを有し、マトリクスコンバータ30及び電力系統8の間で電力を導く。主変圧器21は三相変圧器である。第1送電線24はマトリクスコンバータ30の端子33,34,35及び主変圧器21を接続する。第2送電線25は電力系統8及び主変圧器21を接続する。主変圧器21は、第1送電線24に接続された第1コイル22と、第2送電線25に接続された第2コイル23とを有する。主変圧器21は、電力系統8側が高電圧側となるように構成されている。
【0018】
図3に示すように、マトリクスコンバータ30は、コンバータ本体40と、フィルタ50と、スナバ回路60と、端子31〜35とを有する。コンバータ本体40は、双方向スイッチ41〜46を有する。
【0019】
双方向スイッチ41,42は、互いに直列に接続された状態で、端子31及び端子32の間に架け渡されている。双方向スイッチ41,42同士の接続部は、フィルタ50を介して端子33に接続されている。
【0020】
双方向スイッチ43,44も、互いに直列に接続された状態で、端子31及び端子32の間に架け渡されている。双方向スイッチ43,44同士の接続部は、フィルタ50を介して端子34に接続されている。
【0021】
双方向スイッチ45,46も、互いに直列に接続された状態で、端子31及び端子32の間に架け渡されている。双方向スイッチ45,46同士の接続部は、フィルタ50を介して端子35に接続されている。
【0022】
双方向スイッチ41〜46は、例えば、互いに逆向きで並列接続された2つのスイッチング素子により構成される。スイッチング素子としては、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチが挙げられる。双方向スイッチ41〜46のスイッチング(スイッチング素子のON/OFF切り替え)により、端子31,32と端子33,34,35との間で電力変換が行われる。
【0023】
フィルタ50は、コンデンサ51,52,53と、インダクタ54,55,56とを有する。コンデンサ51は、双方向スイッチ41,42同士の接続部と中性点P2との間に介在する。コンデンサ52は、双方向スイッチ43,44同士の接続部と中性点P2との間に介在する。コンデンサ53は、双方向スイッチ45,46同士の接続部と中性点P2との間に介在する。インダクタ54は、双方向スイッチ41,42同士の接続部と端子33との間に介在する。インダクタ55は、双方向スイッチ43,44同士の接続部と端子34との間に介在する。インダクタ56は、双方向スイッチ45,46同士の接続部と端子35との間に介在する。
【0024】
スナバ回路60は、整流回路61,62と、コンデンサ63と、放電回路64とを有する。整流回路61,62は、コンバータ本体40の端子間に生じるサージ電流を直流電流に変換してコンデンサ63に蓄積する。放電回路64は、コンデンサ63に蓄積された電荷を放電指令に応じて放電する。放電回路64は、例えばIGBT等のスイッチング素子と抵抗とによって構成される。
【0025】
最も発電機7側に位置するマトリクスコンバータ30の端子31は、発電機7に接続され、他のマトリクスコンバータ30の端子31は発電機7側に隣接するマトリクスコンバータ30に接続される(図2参照)。最も中性点P1側に位置するマトリクスコンバータ30の端子32は、中性点P1に接続され、他のマトリクスコンバータ30の端子32は中性点P1側に隣接するマトリクスコンバータ30に接続される。端子33,34,35は、第1送電線24により主変圧器21の第1コイル22に接続される。
【0026】
端子33を第1コイル22に接続する第1送電線24と、中性点P3との間には調相用のインダクタ71が掛け渡されている。端子34を第1コイル22に接続する第1送電線24と、中性点P3との間には調相用のインダクタ72が掛け渡されている。端子35を第1コイル22に接続する第1送電線24と、中性点P3との間には調相用のインダクタ73が掛け渡されている。すなわち、発電装置2は、送電経路20及び中性点P3の間に架け渡された調相用のインダクタ71,72,73を備える。インダクタ71,72,73は、マトリクスコンバータ30ごとに設けられ、第1送電線24及び中性点P3の間に架け渡されている。
【0027】
発電装置2は、開閉器74,75,76を更に備える。開閉器74は、第1送電線24及び中性点P3の間において、インダクタ71に対して直列に設けられている。開閉器74は、インダクタ71を含む経路R1(調相用の経路)を導通状態又は遮断状態に切り替えるように開閉する。開閉器75は、第1送電線24及び中性点P3の間において、インダクタ72に対して直列に設けられている。開閉器75は、インダクタ72を含む経路R2(調相用の経路)を導通状態又は遮断状態に切り替えるように開閉する。開閉器76は、第1送電線24及び中性点P3の間において、インダクタ73に対して直列に設けられている。開閉器76は、インダクタ73を含む経路R3(調相用の経路)を導通状態又は遮断状態に切り替えるように開閉する。
【0028】
〔制御装置〕
制御装置100は例えば単一又は複数のコンピュータにより構成され、図4に示すように、プロセッサ111と、メモリー112と、ストレージ113と、コンソール114と、入出力部115と、これらを接続するバス116とを有する。プロセッサ111は、メモリー112及びストレージ113の少なくとも一方と協働してプログラムを実行し、その実行結果に応じて、コンソール114及び入出力部115の少なくとも一方を介したデータの入出力を行う。これにより、制御装置100の様々な機能が実現される。
【0029】
図5は、制御装置100により実現される個々の機能を仮想的な構成要素(以下、「機能ブロック」という。)として示したものである。これらの機能ブロックは、制御装置100の機能を便宜上複数のブロックに区切ったものに過ぎず、制御装置100を構成するハードウェアがこのようなブロックに分かれていることを意味するものではない。また、各機能ブロックは、必ずしもプログラムの実行により実現されていなくてよく、所定の動作に特化した回路素子(例えば論理IC)により実現されていてもよい。ハードウェア上において、制御装置100は電力変換装置10と一体化されていてもよい。
【0030】
図5に示すように、制御装置100は、機能ブロックとして、発電指令取得部121と、発電制御部122と、発電状態取得部123と、調相切替部124と、設定取得部125とを有する。
【0031】
発電指令取得部121は、発電開始指令、発電停止指令及び発電量の目標値等を取得する。なお、「発電量」は、電力変換装置10から電力系統8への出力電力を意味する。発電制御部122は、発電機7及び電力系統8の間で電力変換を行うようにマトリクスコンバータ30を制御する。
【0032】
発電状態取得部123は、発電量を示す情報を発電制御部122から取得する。発電状態取得部123が取得する情報は、発電量の上昇又は下降を示す情報であればどのようなものであってもよく、例えばブレード6近傍における風速、ブレード6(発電機7)の回転数又は発電機7の出力電力等であってもよい。
【0033】
調相切替部124は、発電量が上昇するのに応じて経路R1,R2,R3を遮断状態にし、発電量が下降するのに応じて経路R1,R2,R3を導通状態にするように開閉器74,75,76を制御する。例えば、調相切替部124は、発電状態取得部123により取得された値が閾値を上回っているときに経路R1,R2,R3を遮断状態にし、発電状態取得部123により取得された値が閾値を上回っていないときに経路R1,R2,R3を導通状態にするように、開閉器74,75,76を制御する。
【0034】
設定取得部125は、調相切替部124に対する設定を取得する。例えば、設定取得部125は、経路R1,R2,R3を常時導通状態とするか、発電量に応じて導通状態及び遮断状態の切り替えを行うかの設定を取得する。
【0035】
〔制御方法〕
制御装置100は、以下に説明する制御方法を実行する。図6に示すように、制御装置100は、発電指令取得部121により発電開始指令が取得されるのに応じ、経路R1,R2,R3を導通状態にするように開閉器74,75,76を制御する(ステップS1)。すなわち制御装置100は、調相切替部124により開閉器74,75,76を閉じる制御を行う。
【0036】
次に、制御装置100は、発電機7及び電力系統8の間で電力変換を行うようにマトリクスコンバータ30を制御することを開始する(ステップS2)。制御装置100は、発電制御部122によりマトリクスコンバータ30を制御する。発電制御部122は、発電指令取得部121により取得された目標値に発電量が近付くようにマトリクスコンバータ30を制御する。
【0037】
次に、制御装置100は、設定取得部125により取得された設定を確認する(ステップS3)。発電量に応じて導通状態及び遮断状態の切り替えを行う設定が確認された場合、制御装置100は、発電量が閾値Bを上回っているかどうかを確認する(ステップS4)。
【0038】
発電量が閾値Bを上回っていることが確認された場合、制御装置100は、経路R1,R2,R3が導通状態であるかどうかを確認する(ステップS5)。
【0039】
経路R1,R2,R3が導通状態であることが確認された場合、制御装置100は、経路R1,R2,R3を遮断状態とするように開閉器74,75,76を制御する(ステップS6)。すなわち制御装置100は、調相切替部124により開閉器74,75,76を開く制御を行う。ステップS5において、経路R1,R2,R3が導通状態でないことが確認された場合、制御装置100はステップS6を実行しない。
【0040】
ステップS3において、経路R1,R2,R3を常時導通状態とする設定が確認された場合、又はステップS4において発電量に関する計測値が閾値Bを上回っていないことが確認された場合に、制御装置100は、経路R1,R2,R3が導通状態であるかどうかを確認する(ステップS7)。
【0041】
経路R1,R2,R3が導通状態でないことが確認された場合、制御装置100は、経路R1,R2,R3を導通状態とするように開閉器74,75,76を制御する(ステップS8)。すなわち制御装置100は、調相切替部124により開閉器74,75,76を閉じる制御を行う。ステップS7において、経路R1,R2,R3が導通状態であることが確認された場合、制御装置100はステップS8を実行しない。
【0042】
ステップS6,S8により、発電量が上昇するのに応じて経路R1,R2,R3を遮断状態にし、発電量が下降するのに応じて調相用の経路を導通状態にするように開閉器74,75,76が制御される。
【0043】
次に、制御装置100は、発電指令取得部121により発電停止指令が取得されたかどうかを確認する(ステップS9)。発電停止指令が取得されていないことが確認された場合、制御装置100は、制御手順をステップS3に戻す。発電停止指令の取得が確認された場合、制御装置100は、発電制御部122によるマトリクスコンバータ30の制御を停止する(ステップS10)。
【0044】
以上に説明したように、マトリクスコンバータ30における電力系統8側にはフィルタ50が設けられる。このため、マトリクスコンバータ30及び電力系統8の間においては電流の位相が電圧の位相に比べて進み、力率が低下する傾向がある。マトリクスコンバータ30の制御により、上記力率を高めることは可能であるが、発電量が少ない状況では上記力率を十分に高められない場合がある。
【0045】
発電装置2によれば、送電経路20及び中性点P3の間に調相用のインダクタ71,72,73が掛け渡されるので、上記電流の位相の進みが抑制される。このため、発電量が少ない場合であっても、上記力率を十分に高めることができる。従って、マトリクスコンバータ30を用いつつ、力率をより適切に調整できる。
【0046】
発電装置2は、互いに直列に接続された複数のマトリクスコンバータ30を備える。送電経路20は、主変圧器21と、マトリクスコンバータ30及び主変圧器21を接続する第1送電線24と、電力系統8及び主変圧器21を接続する第2送電線25とを有し、インダクタ71,72,73は、マトリクスコンバータ30ごとに設けられ、第1送電線24及び中性点P3の間に架け渡されている。第1送電線24の電圧は第2送電線25の電圧に比べて低いので、第2送電線25及び中性点P3の間にインダクタ71,72,73を配置するのに比べ、調相用のインダクタを配置する作業が容易である。
【0047】
発電装置2の発電要素は風力用発電機である。風力発電装置は、例えば海上等、メンテナンス作業が困難な場所に設置される場合が多い。これに対し、発電装置2の電力変換にマトリクスコンバータ30を用いると、コンバータ・インバータを用いるのに比べ装置のメンテナンス頻度を低くできる傾向がある。従って、発電要素を風力用発電機としたことで、マトリクスコンバータ30の採用が更に有益なものとなっている。
【0048】
制御装置100は、発電機7及び電力系統8の間で電力変換を行うようにマトリクスコンバータ30を制御する発電制御部122と、発電量が上昇するのに応じて経路R1,R2,R3を遮断状態にし、発電量が下降するのに応じて経路R1,R2,R3を導通状態にするように開閉器74,75,76を制御する調相切替部124と、を備える。
【0049】
制御装置100による制御方法は、発電機7及び電力系統8の間で電力変換を行うようにマトリクスコンバータ30を制御すること、発電量が上昇するのに応じて経路R1,R2,R3を遮断状態にし、発電量が下降するのに応じて経路R1,R2,R3を導通状態にするように開閉器74,75,76を制御することを含む。発電量が少なく力率を高めにくい状況に限定して経路R1,R2,R3を導通状態とすることで、インダクタ71,72,73における消費電力を削減できる。
【0050】
なお、インダクタ71,72,73は、図7に示すように、第2送電線25及び中性点P3の間に架け渡されていてもよい。この場合、第1送電線24及び中性点P3の間にインダクタ71,72,73を配置するのに比べ、インダクタ71,72,73の数を削減できる。
【0051】
主変圧器21は、図8に示すように、第1コイル22及び第2コイル23を通る磁束を囲むように巻かれた第3コイル26を更に備えていてもよく、インダクタ71,72,73は第3コイル26及び中性点P3の間に架け渡されていてもよい。この場合、第2送電線25及び中性点P3の間にインダクタ71,72,73を配置するのに比べ、インダクタ71,72,73に印加される電圧を低くできる。第1送電線24及び中性点P3の間にインダクタ71,72,73を配置するのに比べ、インダクタ71,72,73の数を削減できる。従って、インダクタ71,72,73の配置作業の容易さと、インダクタ71,72,73の数の削減との両立を図ることができる。
【0052】
発電装置2は、インダクタ71,72,73と送電経路20との間に介在する副変圧器27を更に備えていてもよい。図9は、副変圧器27を介し、インダクタ71,72,73を第2送電線25に接続した構成を示している。副変圧器27を介在させることにより、インダクタ71,72,73に印加される電圧を低くすることができる。
【0053】
副変圧器27として、補機(例えば冷却ポンプ、冷却ファン等)用の変圧器を用いてもよい。この場合、インダクタ71,72,73専用の副変圧器27を設けることなく、インダクタ71,72,73に印加される電圧を低くすることができる。
【0054】
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、第1送電線24及び中性点P3の間に架け渡される調相用のインダクタ71,72,73と、第2送電線25及び中性点P3の間に架け渡されるインダクタ71,72,73と、第3コイル26及び中性点P3の間に架け渡されるインダクタ71,72,73の一部又は全てを組み合わせて採用してもよい。開閉器74,75,76は必須ではない。発電装置2の発電要素は風力用発電機に限られず、例えば太陽電池であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…発電システム、2…発電装置、7…発電機(発電要素)、8…電力系統、10…電力変換装置、20…送電経路、21…主変圧器、22…第1コイル、23…第2コイル、24…第1送電線、25…第2送電線、26…第3コイル、27…副変圧器、30…マトリクスコンバータ、71,72,73…調相用のインダクタ、74,75,76…開閉器、100…制御装置、122…発電制御部、124…調相切替部、P3…中性点、R1,R2,R3…調相用の経路。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9