(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記方向変更前の前記車両の位置からみて前記交差点の右側及び左側のうち前記方向変更側の反対側にあるランドマークの相対位置を前記位置測定部が測定することが、前記位置測定部により相対位置が測定された前記物体のいずれかにより阻害される可能性があるか否かを判断する阻害可能性判断部を更に備え、
前記ランドマーク選択部は、前記阻害可能性があると判断され且つ前記車両が方向変更を行うと推定された場合に、前記方向変更前の前記車両の位置からみて前記交差点の右側及び左側のうち前記方向変更側にあるランドマークの組合せのみを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
前記方向変更前の前記車両の位置からみて前記交差点の右側及び左側のうち前記方向変更側の反対側にあるランドマークと前記車両との間に前記後続車が位置する可能性があるか否かを判断する阻害可能性判断部を更に備え、
前記ランドマーク選択部は、前記阻害可能性があると判断され且つ前記車両が方向変更を行うと推定された場合に、前記方向変更前の前記車両の位置からみて前記交差点の右側及び左側のうち前記方向変更側にあるランドマークの組合せのみを選択する、
ことを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
前記方向変更前の前記車両の位置からみて前記交差点の右側及び左側のうち前記方向変更側の反対側にあるランドマークと前記車両との間に前記対向車が位置する可能性があるか否かを判断する阻害可能性判断部を更に備え、
前記ランドマーク選択部は、前記阻害可能性があると判断され且つ前記車両が方向変更を行うと推定された場合に、前記方向変更前の前記車両の位置からみて前記交差点の右側及び左側のうち前記方向変更側にあるランドマークの組合せのみを選択する、
ことを特徴とする請求項5に記載の位置検出装置。
前記ランドマーク選択部は、前記車両が右折すると推定された場合に右折前の前記車両の位置からみて前記交差点の右側にあるランドマークの組合せのみを選択し、前記車両が左折すると推定された場合に左折前の前記車両の位置からみて前記交差点の左側にあるランドマークの組合せのみを選択することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の位置検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(構成)
図1は、本発明に係る位置検出装置を備える車両の構成例を示す図である。本発明に係る位置検出装置は、例えば車両1に搭載され、車両1の地図上の現在位置を検出するために使用される。車両検出装置により検出された車両1の現在位置は、例えば、車両1に搭載されたナビゲーション装置において車両1の現在位置から所望の目的地までの経路計算のために使用したり、又は車両1の自動運転に使用することができる。また、車両検出装置により検出された車両1の現在位置は、例えば車両1が走行車線の中央付近を継続して走行するよう操作力を制御する運転支援に使用することができる。なお、本発明に係る位置検出装置の使用用途はこれに限定されない。本発明に係る位置検出装置は、車両1の現在位置の検出に広く使用することができる。
【0009】
車両1は、車輪2と、車速センサ3と、ステアリングホイール4と、操舵角センサ5と、位置測定部6と、ヨーレートセンサ7と、ウィンカスイッチ8と、コントローラ10と、地図情報記憶部20と、ナビゲーション装置30を備える。
車速センサ3は、車輪2の車輪速を検出し、車輪速に基づいて車両1の自車速度を算出する。車速センサ3は、算出した車速情報をコントローラ10へ出力する。車速センサ3は、例えば車輪速パルスを計測するロータリエンコーダなどのパルス発生器を備えていてよい。
【0010】
操舵角センサ5は、ステアリングホイール4の操舵角を検出し、検出した操舵角情報をコントローラ10へ出力する。操舵角センサ5は、ステアリング軸などに設けられる。操舵角センサ5は、操向輪の転舵角を操舵角情報として検出してもよい。
位置測定部6は、車両1周囲の物体の表面を走査して車両1から物体表面上の走査点までの距離を測定し且つ走査点までの方向を取得することにより、車両1に対する走査点の相対位置を測定する。位置測定部6は、例えば、車両1に搭載されたレーザレンジファインダを備えてよい。
【0011】
図2は、位置測定部6による走査点の位置の測定の説明図である。
図2において、y軸方向は車両1の横方向でありx軸方向は車両1の前後方向である。
図4においても同様である。位置測定部6が車両1に搭載される場合、例えば位置測定部6は、物体50の表面上の走査点60の相対位置を、車両1の位置を原点とする相対座標系における走査点60までの距離r1と方向θ1によって定まる位置として測定してよい。
【0012】
位置測定部6は、方向θ1として車両1の前後方向に対する走査点60の水平角を取得してよい。例えば位置測定部6は、方向θ1として車両1を原点とし前後方向を基準とする走査点60の方位を取得してよい。以下の説明において位置測定部6により測定された相対位置を「測定位置情報」と表記することがある。また、以下の説明において車両1に対する相対位置を単に「相対位置」と表記することがある。位置測定部6は、測定位置情報をコントローラ10へ出力する。
【0013】
図1を参照する。ヨーレートセンサ7は、車両1のヨーレート(車体が旋回する方向への回転角の変化速度)を検出し、検出したヨーレート情報をコントローラ10へ出力する。ウィンカスイッチ8は、方向指示器(ウィンカ)の作動状態を検出する。このウィンカスイッチ8は、例えば常開接点の検出回路を介して左方向スイッチのON/OFF、及び右方向スイッチのON/OFFに応じた電圧信号をコントローラ10に入力する。
【0014】
地図情報記憶部20には、地理的目印の地図上の位置情報が記憶されている。以下の説明において、地図情報記憶部20に位置情報が記憶された地理的目印を「ランドマーク」と表記することがある。例えばランドマークは、道路脇に設置される電柱、信号柱、標識柱、照明柱などであってよい。例えばランドマークは、案内板や建物などの立体物等であってもよい。
【0015】
地図情報記憶部20に記憶されている地図上の位置情報は、地上の固定点を原点とする絶対座標系上の絶対位置によって表現されている。以下の説明において、地図情報記憶部20に記憶されている地図上の位置、すなわち絶対座標系上の絶対位置を「絶対位置」と表記することがある。
さらに、地図情報記憶部20には、停止線、横断歩道、横断歩道予告、および進行方向別通行区分等の路面表示の絶対位置が記憶されていてもよい。また、地図情報記憶部20には、交差点内のいずれかの地点の絶対位置や交差点のコーナーの絶対位置が記憶されていてもよい。これら路面表示及び交差点のコーナーがランドマークとして利用されてもよい。
【0016】
ナビゲーション装置30は、コントローラ10により後述のように算出される車両1の現在位置及び道路地図情報に基づいて、車両1の進行方向、車両1周辺の道路形状情報、現在位置に応じた道路地図情報、交差点情報等を表示する。また、ナビゲーション装置30は、設定された目的地点までの経路を計算し、目的地点までの経路案内を表示する。なお、ナビゲーション装置30は、道路地図情報として地図情報記憶部20に記憶される地図上の位置情報を利用してもよい。地図情報記憶部20は、ナビゲーション装置30に内蔵されていてもよい。
【0017】
コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等のCPU周辺部品とを含む電子制御ユニットである。コントローラ10は、位置測定部6から出力された測定位置情報に基づいてランドマークの相対位置を特定する。コントローラ10は、地図情報記憶部20からランドマークの絶対位置を読み出す。コントローラ10は、特定されたランドマークの相対位置と読み出されたランドマークの絶対位置とに基づいて、車両1の現在の絶対位置を算出する。
【0018】
以下、コントローラ10による処理を詳細に説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る位置検出装置の機能構成を示す図である。位置検出装置40は、前述の位置測定部6及び地図情報記憶部20と、相対位置検出部41と、車両位置推定部42を備える。相対位置検出部41及び車両位置推定部42による後述の処理は、コントローラ10により実行される。
【0019】
位置測定部6は、測定位置情報を相対位置検出部41と車両位置推定部42へ出力する。相対位置検出部41は、位置測定部6から受信した測定位置情報に基づいて車両1に対するランドマークの相対位置を検出する。
図4は、車両1に対するランドマークの相対位置の測定の一例の説明図である。
図4の中のプロット点は、位置測定部6により測定された走査点を示す。
【0020】
相対位置検出部41は、測定位置情報にセグメンテーション処理を施す。セグメンテーション処理において相対位置検出部41は、離間距離が短い走査点同士を連結してセグメント61、62及び63を検出し、検出されたセグメントを物体として認識する。そして、相対位置検出部41は、物体の大きさが所定値S以下の物体をランドマークと判断する。例えば相対位置検出部41は、セグメントに属する走査点のうち最も距離が離れた点間の距離を物体の大きさとして算出してよい。例えば所定値Sは0.5mであってよい。
【0021】
図4の例では、セグメント61、62及び63の大きさは、それぞれL1、L2及びL3であり、大きさL1及びL2は所定値S以下であり、大きさL3は所定値Sより大きいと想定する。相対位置検出部41は、セグメント61及び62がランドマークであると判断し、セグメント63はランドマークでないと判断する。
相対位置検出部41は、セグメント61として検出されたランドマークの相対位置を、セグメント61に属する走査点の測定位置情報に基づいて検出する。例えば、相対位置検出部41は、ランドマークが円筒状であると仮定して、セグメントが形成する円弧の中心をランドマークの相対位置として算出してよい。例えば、相対位置検出部41は、セグメントに属する走査点の測定位置の平均座標をランドマークの相対位置として算出してよい。
図4の例では、セグメント61として検出されたランドマークの相対位置は、ランドマークまでの距離r1と方向θ1によって定まる位置として検出される。
【0022】
同様に、相対位置検出部41は、セグメント62として検出されたランドマークの相対位置を、セグメント62に属する走査点の測定位置情報に基づいて検出する。
図4の例では、セグメント62として検出されたランドマークの相対位置は、ランドマークまでの距離r2と方向θ2によって定まる位置として検出される。相対位置検出部41は、検出したランドマークの相対位置を車両位置推定部42に出力する。
【0023】
図3を参照する。車両位置推定部42は、位置測定部6から車両1の周囲の物体の測定位置情報を受信する。車両位置推定部42は、相対位置検出部41からランドマークの相対位置を受信する。車両位置推定部42は、地図情報記憶部20からランドマークの絶対位置を読み出す。車両位置推定部42は、これら測定位置情報、ランドマークの相対位置及びランドマークの絶対位置に基づいて、車両1の絶対位置を推定する。
【0024】
車両位置推定部42は、移動量算出部43と、位置算出部44と、交差点判断部45と、右左折推定部46と、他車両検出部47と、阻害可能性判断部48と、ランドマーク選択部49を備える。移動量算出部43、位置算出部44、交差点判断部45、右左折推定部46、他車両検出部47、阻害可能性判断部48及びランドマーク選択部49による後述の処理は、コントローラ10により実行される。
【0025】
車速センサ3は、車両1の車速情報を移動量算出部43へ出力する。ヨーレートセンサ7は、車両1のヨーレート情報を移動量算出部43へ出力する。移動量算出部43は、受信した車速情報及びヨーレート情報に基づいて、時刻t−1から時刻tまでの間の車両1の移動量(dx,dy,dφ)を算出する。時刻tは、直近の位置測定部6の測定時刻であり、時刻t−1は、時刻tより前の位置測定部6の測定時刻である。例えば、位置測定部6の測定間隔がTmであり、時刻tは時刻t−1より時間Tmだけ遅れた時刻であってよい。
【0026】
dx及びdyは、それぞれ車両1の前後方向及び横方向における並進移動量を示す。dφは、車体が旋回する方向への回転量を示す。移動量算出部43は、算出した移動量を位置算出部44へ出力する。移動量算出部43は、車両1の車速及び操舵角センサ5が検出したステアリングホイール4の操舵角に基づいてヨーレートを算出してもよい。移動量算出部43は、算出したヨーレートに基づいて車両1の回転量dφを算出してもよい。
【0027】
位置算出部44は、既に算出済みの時刻t−1における車両1の絶対位置(Xt−1,Yt−1)及び前後方向の向き(Φt−1)に基づいて、時刻tにおける車両1の仮の絶対位置(Xtt,Ytt)及び仮の前後方向の向き(Φtt)を算出する。まだ時刻t−1における車両1の絶対位置及び前後方向の向きが算出されていない場合には、他の測位手段による測定値を使用してよい。他の測位手段は、例えばGPS(Global Positioning System)などであってよい。以下の説明において、車両1の前後方向の向きを単に「車両1の向き」と表記することがある。
【0028】
図5は、車両1の仮の絶対位置(Xtt,Ytt)及び仮の向き(Φtt)の算出方法の説明図である。例えば位置算出部44は、移動量算出部43から移動量(dx,dy,dφ)を受信する。位置算出部44は、時刻t−1における絶対位置(Xt−1,Yt−1)及び向き(Φt−1)を移動量(dx,dy,dφ)により修正し、時刻tにおける仮の絶対位置(Xtt,Ytt)及び仮の向き(Φtt)を算出する。位置算出部44は、車両1の仮の絶対位置(Xtt,Ytt)を交差点判断部45へ出力する。また、位置算出部44は、車両1の仮の絶対位置(Xtt,Ytt)及び仮の向き(Φtt)をランドマーク選択部49へ出力する。
【0029】
図3を参照する。交差点判断部45は、車両1の仮の絶対位置(Xtt,Ytt)が交差点から所定の範囲内にあるか否かを判断する。車両1が交差点から所定の範囲内にある場合に、交差点判断部45は車両1が交差点内にあると判断する。
図6は、車両1が交差点内に進入した状態の説明図である。参照符号70は交差点を示す。参照符号71、72、73及び74は、十字路である交差点70の4つのコーナーを示す。参照符号75は交差点70の直前の停止線を示す。参照符号76は交差点70内のいずれかの地点を示す。なお、以下の説明は、車両1が左側通行する場合を想定する。
【0030】
例えば交差点判断部45は、交差点70のコーナー71〜74を結んだ領域を所定の範囲内とし、この領域内に車両1があるか否かを判断してよい。すなわち、交差点判断部45は、車両1がコーナー71〜74を結んだ領域内にある場合に、車両1が交差点70内にあると判断してよい。
図6のハッチングされた領域がコーナー71〜74を結んだ領域である。このとき、交差点判断部45は、地図情報記憶部20からコーナー71〜74の絶対位置を読み出す。交差点判断部45は、コーナー71〜74の絶対位置を結んだ領域内に車両1の仮の絶対位置(Xtt,Ytt)があるか否かを判断することにより、車両1が交差点70内にあると判断してよい。
【0031】
例えば交差点判断部45は、交差点70直前の停止線75を越えた場合に車両1が交差点70から所定の範囲内にあると判断してよい。例えば、交差点判断部45は、停止線より内側の領域を所定の領域として、この領域内に車両1があるか否かを判断してよい。このとき、交差点判断部45は、地図情報記憶部20から停止線75の位置と交差点70内のいずれかの地点76の絶対位置を読み出す。交差点判断部45は、停止線75よりも車両1の仮の絶対位置(Xtt,Ytt)が交差点70内の地点76に近い場合に、車両1が停止線75を越えたと判断してよい。例えば交差点判断部45は、交差点70内のいずれかの地点76から所定距離の範囲内を所定の範囲内としてもよい。交差点判断部45は、車両1が交差点70内にあるか否か判断結果を右左折推定部46に出力する。
【0032】
図3を参照する。車両1が交差点70内にあると交差点判断部45が判断した場合、右左折推定部46は、車両1が右折するか、左折するか又は直進するかを推定する。例えば右左折推定部46は、ナビゲーション装置30が計算した目的地までの経路を示す経路情報をナビゲーション装置30から読み込んでよい。ナビゲーション装置30は、経路情報を記憶する経路情報記憶部31を備えていてよい。右左折推定部46は、経路情報記憶部31から読み込んだ経路情報に従って、車両1が交差点70で右折するか、左折するか又は直進するかを推定してよい。以下の説明において、車両1の右折及び左折を総称して「方向変更」と表記することがある。
【0033】
例えば右左折推定部46は、ウィンカスイッチ8から、左方向スイッチのON/OFF及び右方向スイッチのON/OFFに応じた電圧信号を受信してよい。右左折推定部46は、受信された電圧信号からウィンカスイッチ8の作動状態、つまり左方向スイッチのON/OFF及び右方向スイッチのON/OFFを判断する。右左折推定部46は、左方向スイッチのON/OFF及び右方向スイッチのON/OFFに基づいて、車両1が交差点70で右折するか、左折するか又は直進するかを推定してよい。
【0034】
例えば右左折推定部46は、操舵角センサ5から、ステアリングホイール4の操舵角情報や操向輪の転舵角の情報を受信してよい。右左折推定部46は、受信された操舵角情報や転舵角の情報に基づいて車両1が交差点70で右折するか、左折するか又は直進するかを推定してよい。右左折推定部46は、車両1の右折、左折又は直進の推定結果を、阻害可能性判断部48及びランドマーク選択部49に出力する。
【0035】
他車両検出部47は、位置測定部6から車両1の周囲の物体の測定位置情報を受信する。他車両検出部47は、測定位置情報に基づいて車両1の後続車の位置及び速度、及び/又は、対向車の位置及び速度を検出する。例えば、他車両検出部47は、測定位置情報にセグメンテーション処理を施し、検出されたセグメントを物体として認識する。他車両検出部47は、認識された物体の大きさが予め設定された所定の範囲内である場合に、認識された物体を他車両として検出する。例えば所定の範囲は、想定される車両の大きさの範囲に応じて適宜設定される。
【0036】
他車両検出部47は、検出された他車両が後続車であるか否かを判断する。例えば他車両検出部47は、車両1の後方で検出された他車両の相対速度が所定速度未満の場合に他車両を後続車と判断してよい。また、他車両検出部47は、検出された他車両が対向車であるか否かを判断する。例えば他車両検出部47は、検出された他車両が車両1の前方から車両1に接近する場合に、他車両を対向車と判断してよい。
【0037】
他車両検出部47は、後続車の速度Vf及び後続車が交差点70内に侵入するまでの距離Lfを算出する。例えば他車両検出部47は、
図6のハッチングされた領域と後続車との離間距離を距離Lfとして算出してよい。同様に、他車両検出部47は、対向車の速度Vo及び対向車が交差点70内に侵入するまでの距離Loを算出する。他車両検出部47は、後続車及び対向車の速度Vf及びVo、並びに後続車及び対向車が交差点70内に侵入するまでの距離Lf及びLoを阻害可能性判断部48へ出力する。
【0038】
阻害可能性判断部48は、他車両検出部47から、後続車及び対向車の速度Vf及びVo、並びに後続車及び対向車が交差点70内に侵入するまでの距離Lf及びLoを受信する。阻害可能性判断部48は、右左折推定部46から、車両1の右折、左折又は直進の推定結果を受信する。
車両1が右折すると推定された場合に、阻害可能性判断部48は、右折前の車両1の位置からみて交差点70の左側のランドマークの相対位置を位置測定部6が測定することが、位置測定部6が相対位置を測定した物体により阻害される可能性の有無を判断する。以下の説明において、右折前又は左折前の車両1の位置からみて交差点70の左側のランドマークを単に「左側ランドマーク」と表記する。右折前又は左折前の車両1の位置からみて交差点70の右側のランドマークを単に「右側ランドマーク」と表記する。また、方向変更前の車両1の位置からみて交差点70の右側及び左側のうち車両1の方向変更側のランドマークを「方向変更側ランドマーク」と表記することがある。例えば、車両1が左折する場合、方向変更側ランドマークは左側ランドマークであり、交差点70の右側及び左側のうち車両1の方向変更側の反対側のランドマークは右側ランドマークである。例えば、車両1が右折する場合、方向変更側ランドマークは右側ランドマークであり、交差点70の右側及び左側のうち車両1の方向変更側の反対側のランドマークは左側ランドマークである。
【0039】
例えば阻害可能性判断部48は、後続車があるとき、位置測定部6による左側ランドマークの相対位置の測定が後続車により阻害される可能性があると判断してよい。また、例えば阻害可能性判断部48は、車両1と左側ランドマークとの間に後続車が位置する可能性があるか否かを判断する。車両1と左側ランドマークとの間に後続車が位置する可能性がある場合に、阻害可能性判断部48は、位置測定部6による左側ランドマークの相対位置の測定が後続車により阻害される可能性があると判断してよい。
【0040】
例えば、車両1が交差点70を通過するのに要する予定時間をTとする。後続車の速度Vf及び後続車が交差点70内に侵入するまでの距離LfがT>Lf/Vfを満足する場合、阻害可能性判断部48は、この後続車が車両1と左側ランドマークとの間に位置する可能性があると判断する。速度Vf及び距離LfがT≦Lf/Vfを満足する場合、阻害可能性判断部48は、この後続車が車両1と左側ランドマークとの間に位置する可能性がないと判断する。
【0041】
例えば車両1が自動運転されている場合のように車両1の走行速度と交差点70を通過する際の経路長が既知である場合には、阻害可能性判断部48は、これら走行速度及び経路長に基づいて予定時間Tを設定してよい。また、例えば予定時間Tは予め設定された固定値であってもよい。予定時間Tは例えば5秒であってよい。
同様に、車両1が左折すると推定された場合に、阻害可能性判断部48は、位置測定部6による右側ランドマークの相対位置の測定が、位置測定部6が相対位置を測定した物体により阻害される可能性の有無を判断する。例えば阻害可能性判断部48は、対向車があるとき、位置測定部6による右側ランドマークの相対位置の測定が対向車により阻害される可能性があると判断してよい。
【0042】
また、例えば阻害可能性判断部48は、車両1と右側ランドマークとの間に対向車が位置する可能性があるか否かを判断する。車両1と右側ランドマークとの間に対向車が位置する可能性がある場合に、阻害可能性判断部48は、位置測定部6による右側ランドマークの相対位置の測定が対向車により阻害される可能性があると判断してよい。例えば、対向車の速度Vo及び対向車が交差点70内に侵入するまでの距離LoがT>Lo/Voを満足する場合、阻害可能性判断部48は、この対向車が車両1と右側ランドマークとの間に位置する可能性があると判断する。速度Vo及び距離LoがT≦Lo/Voを満足する場合、阻害可能性判断部48は、この対向車が車両1と右側ランドマークとの間に位置する可能性がないと判断する。阻害可能性判断部48は、ランドマークの相対位置の測定の阻害可能性の判断結果をランドマーク選択部49へ出力する。
【0043】
ランドマーク選択部49は、右左折推定部46から、車両1の右折、左折又は直進の推定結果を受信する。ランドマーク選択部49は、阻害可能性判断部48から、ランドマークの相対位置の測定の阻害可能性の判断結果を受信する。ランドマーク選択部49は、位置算出部44から車両1の仮の絶対位置(Xtt,Ytt)及び向き(Φtt)を受信する。ランドマーク選択部49は、地図情報記憶部20から、絶対位置(Xtt,Ytt)の周辺のランドマークの絶対位置を受信する。ランドマーク選択部49は、車両1の右折、左折又は直進の推定結果及び阻害可能性の判断結果に基づいて、地図情報記憶部20から絶対位置を読み込んだランドマークの中から、車両1の絶対位置の算出に使用するランドマークを選択する。
【0044】
車両1が交差点から所定の範囲内に存在しない場合には、右左折推定部46から右折、左折又は直進の推定結果が出力されない。このとき、ランドマーク選択部49は、車両1の走行路の右側及び左側にあるランドマークの中から、車両1の絶対位置の算出に使用するランドマークの組合せを選択する。また、右左折推定部46により車両1が直進すると推定された場合にも、ランドマーク選択部49は、車両1の走行路の右側及び左側にあるランドマークの中から、車両1の絶対位置の算出に使用するランドマークの組合せを選択してよい。また、右左折推定部46により車両1が直進すると推定された場合、ランドマーク選択部49は、右側ランドマーク及び左側ランドマークの中から車両1の位置算出に使用するランドマークの組合せを選択してもよい。
【0045】
車両1が右折すると推定され且つ左側ランドマークの相対位置の測定が阻害される可能性がある場合、ランドマーク選択部49は、右側ランドマークの組合せのみを車両1の位置算出に使用するランドマークとして選択する。車両1が右折すると推定され且つ左側ランドマークの相対位置の測定が阻害される可能性がない場合、ランドマーク選択部49は、右側ランドマーク及び左側ランドマークの中から車両1の位置算出に使用するランドマークの組合せを選択する。
【0046】
以下、左側ランドマークの相対位置の測定を阻害する物体が後続車である例について説明する。
図7は、車両1が右折し且つ後続車がない場合のランドマークの選択の説明図である。参照符号81、82、83及び84はランドマークを示す。ランドマーク81及び82は、右折前又は左折前の車両1の位置からみて交差点70の左側にある左側ランドマークである。ランドマーク83及び84は、右折前又は左折前の車両1の位置からみて交差点70の右側にある右側ランドマークである。
図8、
図9及び
図10についても同様である。
【0047】
車両1が右折すると推定され且つ後続車がない場合には、ランドマーク選択部49は、右側ランドマーク83及び84並びに左側ランドマーク81及び82のうちのいずれかから車両1の位置算出に使用するランドマークの組合せを選択する。例えばランドマーク選択部49はランドマーク82及び83を選択してよい。車両1からランドマーク82及び83までの方向の差が比較的大きいため、車両1の算出位置の精度が向上するからである。同様の理由により、例えばランドマーク選択部49はランドマーク81及び84を選択してもよい。
【0048】
図8は、車両1が右折し且つ後続車がある場合のランドマークの選択の説明図である。車両1が右折すると推定され且つ後続車90がある場合には、後続車90が車両1と左側ランドマーク81又は82との間の見通しを遮る恐れがある。一方で、後続車90が車両1と右側ランドマーク83又は84との間を遮る恐れはない。このため、ランドマーク選択部49は、右側ランドマーク83及び84の組合せのみを車両1の位置算出に使用するランドマークとして選択する。
【0049】
またはランドマーク選択部49は、車両1が右折すると推定され且つ後続車90が車両1と左側ランドマーク81又は82の間にある可能性がある場合、右側ランドマーク83及び84の組合せのみを車両1の位置算出に使うランドマークとして選択してもよい。
一方で、車両1が左折すると推定され且つ右側ランドマークの相対位置の測定が阻害される可能性がある場合、ランドマーク選択部49は、左側ランドマークの組合せのみを車両1の位置算出に使用するランドマークとして選択する。車両1が左折すると推定され且つ右側ランドマークの相対位置の測定が阻害される可能性がない場合、ランドマーク選択部49は、右側ランドマーク及び左側ランドマークの中から車両1の位置算出に使用するランドマークの組合せを選択する。
【0050】
以下、右側ランドマークの相対位置の測定を阻害する物体が対向車である例について説明する。
図9は、車両1が左折し且つ対向車がない場合のランドマークの選択の説明図である。車両1が左折すると推定され且つ対向車がない場合には、ランドマーク選択部49は、右側ランドマーク83及び84並びに左側ランドマーク81及び82のうちのいずれかから車両1の位置算出に使用するランドマークの組合せを選択する。例えばランドマーク選択部49はランドマーク81及び84を選択してよい。また例えば、ランドマーク選択部49はランドマーク82及び83を選択してもよい。
【0051】
図10は、車両1が左折し且つ対向車がある場合のランドマークの選択の説明図である。車両1が左折すると推定され且つ対向車91がある場合には、対向車91が車両1と右側ランドマーク83又は84との間の見通しを遮る恐れがある。一方で、対向車91が車両1と左側ランドマーク81又は82との間を遮る恐れはない。このため、ランドマーク選択部49は、左側ランドマーク81及び82の組合せのみを車両1の位置算出に使用するランドマークとして選択する。
【0052】
またはランドマーク選択部49は、車両1が左折すると推定され且つ対向車91が車両1と右側ランドマーク83又は84の間にある可能性がある場合に、右側ランドマーク83及び84の組合せのみを車両1の位置算出に使うランドマークとして選択してもよい。なお、車両1が直進する場合は、ランドマーク選択部49は、右側ランドマーク83及び84並びに左側ランドマーク81及び82のうちのいずれかから車両1の位置算出に使用するランドマークの組合せを選択してよい。ランドマーク選択部49は、選択されたランドマークの絶対位置を位置算出部44へ出力する。
【0053】
図3を参照する。位置算出部44は、ランドマーク選択部49から、車両1の位置算出に使用するランドマークの絶対位置を受信する。位置算出部44は、相対位置検出部41から、車両1に対するランドマークの相対位置を受信する。位置算出部44は、ランドマーク選択部49から受信したランドマークの絶対位置と、相対位置検出部41から受信したランドマークの相対位置に基づいて、時刻tにおける車両1の絶対位置及び車両1の向きを算出する。
【0054】
図11は、車両1の絶対位置の算出処理の一例の説明図である。ランドマーク選択部49により選択されたランドマークの絶対位置をPm1及びPm2とする。また、Pm1の座標を(Xm1,Ym1)とし、Pm2の座標を(Xm2,Ym2)とする。位置算出部44は、車両1の絶対位置及び向きが仮の絶対位置(Xtt,Ytt)及び仮の向き(φtt)であると仮定して、相対位置検出部41から受信したランドマークの相対位置を絶対位置へ変換する。
【0055】
そして、位置算出部44は、相対位置検出部41から受信したランドマークの中から、ランドマーク選択部49により選択されたランドマークに最も近いランドマークを選択する。相対位置検出部41から受信したランドマークのうち、絶対位置Pm1及びPm2のランドマークに最も近いランドマークの絶対位置をそれぞれPd1及びPd2とする。Pd1の座標を(Xd1,Yd1)とし、Pd2の座標を(Xd2,Yd2)とする。また、絶対位置Pm1とPd1との間の誤差をD1とし、絶対位置Pm2とPd2との間の誤差をD2とする。
【0056】
位置算出部44は、地図情報記憶部20から読み込んだ絶対位置Pm1及びPm2と、相対位置検出部41から受信した相対位置から変換して得た絶対位置Pd1及びPd2との間の誤差Eを次式(1)に基づいて算出する。
【0058】
次式(1)において、Nは、車両1の選択されたランドマークの総数を示す。
図9の例ではN=2である。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。円筒状物標の中心位置の相対位置の総数は2個より多くてもよい。
位置算出部44は、誤差Eが最小となるような車両1の仮の絶対位置(Xtt,Ytt)及び仮の向き(φtt)を、時刻tにおける車両1の絶対位置及び向きとして算出する。例えば位置算出部44は、誤差Eを最小にする最適化計算によって時刻tにおける車両1の絶対位置及び向きを算出してよい。位置算出部44は、誤差Eを最小にするのに代えて、誤差Eが所定値未満となるような車両1の仮の絶対位置(Xtt,Ytt)及び仮の向き(φtt)を算出してもよい。
【0059】
(動作)
次に、本発明の実施形態に係る位置検出装置の動作について説明する。
図12は、位置検出装置40の動作の一例の説明図である。
図10に記載されたステップS10〜S21は、車両1のイグニッションスイッチ(図示せず)がオフに切り替わるまで反復実行される。
ステップS10において移動量算出部43は、時刻t−1から時刻tまでの間の車両1の移動量(dx,dy,dφ)を算出する。位置算出部44は、時刻t−1における車両1の絶対位置(Xt−1,Yt−1)及び向き(Φt−1)に基づいて、時刻tにおける車両1の仮の絶対位置(Xtt,Ytt)及び仮の向き(Φtt)を算出する。交差点判断部45は、仮の絶対位置(Xtt,Ytt)に基づいて、車両1が交差点にあるか否かを判断する。車両1が交差点にない場合に(ステップS10:N)動作はステップS10へ戻る。車両1が交差点にある場合に(ステップS10:Y)動作はステップS11へ進む。
【0060】
ステップS11において右左折推定部46は、車両1が交差点70で右折するか、左折するか又は直進するかを推定する。ステップS12においてランドマーク選択部49は、右左折推定部46の推定結果が直進であるか否かを判断する。推定結果が直進である場合に(ステップS12:Y)動作はステップS10へ戻る。推定結果が直進でない場合に(ステップS12:N)動作はステップS13へ進む。ステップS13において位置測定部6は、車両1周囲の物体の表面を走査して物体表面の走査点の測定位置情報を取得する。
【0061】
ステップS14においてランドマーク選択部49は、車両1が交差点70を通過する間の車両1の絶対位置の算出に使用するランドマークが既に選択済みであるか否かを判断する。ランドマークが選択済みである場合に(ステップS14:Y)動作はステップS18へ進む。ランドマークが選択済みでない場合に(ステップS14:N)動作はステップS15へ進む。
【0062】
ステップS15において他車両検出部47は、ステップS13で検出した測定位置情報に基づいて車両1の後続車の位置及び速度、及び/又は、対向車の位置及び速度を検出する。
ステップS16では、後続車によって阻害される可能性の有無に応じて車両1の位置測定に使用するランドマークを選択するための第1選択処理が実行される。
図13の(a)は、
図12に示す第1選択処理S16の説明図である。ステップS30において阻害可能性判断部48は、ランドマークの相対位置の測定が後続車によって阻害される可能性の有無を判断する。可能性がある場合に(ステップS30:Y)動作はステップS31へ進む。可能性がない場合に(ステップS30:N)動作はステップS32へ進む。
【0063】
ステップS31においてランドマーク選択部49は、方向変更側ランドマークの組合せのみを選択する。その後、動作は
図12のステップS17へ進む。一方、ステップS32においてランドマーク選択部49は、右側ランドマーク及び左側ランドマークの中からランドマークの組合せを選択する。その後、動作は
図12のステップS17へ進む。
図12を参照する。ステップS17では、対向車によって阻害される可能性の有無に応じて車両1の位置測定に使用するランドマークを選択するための第2選択処理が実行される。
図13の(b)は、
図12に示す第2選択処理S17の説明図である。ステップS40において阻害可能性判断部48は、右側ランドマークの相対位置の測定が、対向車により阻害される可能性の有無を判断する。可能性がある場合に(ステップS40:Y)動作はステップS41へ進む。可能性がない場合に(ステップS40:N)動作はステップS42へ進む。
【0064】
ステップS41においてランドマーク選択部49は、車両の方向変更側ランドマークの組合せのみを選択する。その後、動作は
図12のステップS18へ進む。一方、ステップS42においてランドマーク選択部49は、右側ランドマーク及び左側ランドマークの中からランドマークの組合せを選択する。その後、動作は
図12のステップS18へ進む。
図12を参照する。ステップS18において相対位置検出部41は、測定位置情報に基づいてランドマークの相対位置を検出する。ステップS19において位置算出部44は、ステップS16又はステップS17で選択されたランドマークの絶対位置と、ステップS18で検出されたランドマークの相対位置に基づいて、時刻tにおける車両1の絶対位置及び車両1の向きを算出する。
【0065】
ステップS20において交差点判断部45は、車両1が交差点を通過したか否かを判断する。例えば交差点判断部45は、ステップS19で算出された車両1の位置が、
図6のハッチングされた領域を出た場合に交差点を通過したと判断してよい。車両1が交差点を通過した場合に(ステップS20:Y)、ランドマーク選択部49はステップS16又はS17で選択されたランドマークをリセットする。すなわちランドマーク選択部49は、ランドマークの選択状態を取り消す。その後、動作はステップS21へ進む。車両1が交差点を通過していない場合に(ステップS20:N)動作はステップS13へ戻る。
【0066】
ステップS21において位置検出装置40は、車両1のイグニッションスイッチ(IGN)がオフであるであるか否かを判断する。イグニッションスイッチ(IGN)がオフでない場合(ステップS21:N)に動作はステップS10に戻る。イグニッションスイッチがオフである場合(ステップS21:Y)に位置検出装置40の動作が終了する。
地図情報記憶部20は、位置記憶部に対応する。車速センサ3、ヨーレートセンサ7、移動量算出部43及び位置算出部44は、位置算出部に対応する。右左折推定部46は、方向変更推定部に対応する。
【0067】
(実施形態の効果)
(1)実施形態に係る位置検出装置40は、右折及び左折の少なくともひとつである方向変更を車両1が行うと推定された場合、交差点の右側及び左側のうち車両1の方向変更側にあるランドマークの組合せのみを選択して車両1の絶対位置の算出に使用する。このため、交差点70で車両1が方向変更を行う際に、車両1からの見通しが他の車両によって遮られにくいランドマークを使用して車両1の位置を算出することができる。このため、後続車及び対向車の有無に関わらずランドマークを継続して認識することが容易になる。
【0068】
(2)実施形態に係る位置検出装置40は、交差点の右側及び左側のうち方向変更側の反対側にあるランドマークの相対位置を位置測定部が測定することが、位置測定部により相対位置が測定された物体により阻害される可能性があるか否かを判断する。位置検出装置40は、測定が阻害される可能性があり且つ車両1が方向変更すると推定される場合に、方向変更側ランドマークの組合せのみを選択して車両1の絶対位置の算出に使用する。このため、車両1の方向変更側の反対側のランドマークの見通しが遮られる可能性がある場合に、車両1からの見通しが遮られにくい方向変更側ランドマークを使用して車両1の位置を算出することができる。
【0069】
(3)実施形態に係る位置検出装置40は、後続車が検出され且つ車両1が方向変更を行うと推定される場合に、方向変更側ランドマークの組合せのみを選択して車両1の絶対位置の算出に使用する。このため、車両1の方向変更側の反対側のランドマークの見通しが後続車により遮られる可能性がある場合に、車両1からの見通しが後続車に遮られにくい方向変更側ランドマークを使用して車両1の位置を算出することができる。
【0070】
(4)実施形態に係る位置検出装置40は、交差点の右側及び左側のうち方向変更側の反対側にあるランドマークと車両1との間に後続車がある可能性があり且つ車両1が方向変更を行うと推定される場合に、方向変更側ランドマークの組合せのみを選択して車両1の絶対位置の算出に使用する。このため、車両1の方向変更側の反対側のランドマークの見通しが後続車により遮られる可能性がある場合に、車両1からの見通しが後続車に遮られにくい方向変更側ランドマークを使用して車両1の位置を算出することができる。
【0071】
(5)実施形態に係る位置検出装置40は、対向車が検出され且つ車両1が方向変更を行うと推定される場合に、方向変更側ランドマークの組合せのみを選択して車両1の絶対位置の算出に使用する。このため、車両1の方向変更側の反対側のランドマークの見通しが対向車により遮られる可能性がある場合に、車両1からの見通しが対向車に遮られにくい方向変更側ランドマークを使用して車両1の位置を算出することができる。
【0072】
(6)実施形態に係る位置検出装置40は、交差点の右側及び左側のうち方向変更側の反対側にあるランドマークと車両1との間に対向車がある可能性があり且つ車両1が方向変更を行うと推定される場合に、方向変更側ランドマークの組合せのみを選択して車両1の絶対位置の算出に使用する。このため、車両1の方向変更側の反対側のランドマークの見通しが対向車により遮られる可能性がある場合に、車両1からの見通しが対向車に遮られにくい方向変更側ランドマークを使用して車両1の位置を算出することができる。
【0073】
(7)実施形態に係る位置検出装置40は、車両1が右折すると推定された場合に右側ランドマークの組合せのみを選択し、車両1が左折すると推定された場合に左折ランドマークの組合せのみを選択して、車両1の絶対位置の算出に使用する。このため、車両1が右折する場合及び左折する場合において、車両1からの見通しが他の車両によって遮られにくいランドマークを使用して車両1の位置を算出することができる。
【0074】
(8)実施形態に係る位置検出装置40は、車両1が交差点70から所定の範囲内に存在しない場合に、車両1の走行路の右側及び左側にあるランドマークの中からランドマークの組合せを選択して車両1の絶対位置の算出に使用する。このため、交差点以外のカーブや直進路などにおける車両1の位置算出に使用するランドマークの選択肢を、交差点で右左折する場合の選択肢よりも広くできる。これにより、より広い選択肢の中からより好適なランドマークを選択することができる。このため、車両1の位置の算出精度を向上させることができる。
【0075】
(変形例)
ランドマーク選択部49は、車両1が右折すると推定された場合に対向車や後続車に関わらず右側ランドマークの組合せのみを選択して車両1の絶対位置の算出に使用してもよい。ランドマーク選択部49は、車両1が左折すると推定された場合に対向車や後続車に関わらず左側ランドマークの組合せのみを選択して車両1の絶対位置の算出に使用してもよい。
【0076】
位置検出装置40は、交通規則が右側通行を採用している場合にも使用することができる。このときランドマーク選択部49は、対向車や後続車が検出され且つ車両1が右折すると推定される場合に、右側ランドマークの組合せのみを選択して車両1の絶対位置の算出に使用する。ランドマーク選択部49は、対向車や後続車が検出されず且つ車両1が右折すると推定される場合に、右側ランドマークと左側ランドマークの中からランドマークの組合せを選択して車両1の絶対位置の算出に使用する。また、ランドマーク選択部49は、車両1と左側ランドマークとの間に対向車や後続車がある可能性があり且つ車両1が右折すると推定される場合に、右側ランドマークの組合せのみを選択して車両1の絶対位置の算出に使用してもよい。ランドマーク選択部49は、車両1と左側ランドマークとの間に対向車や後続車がある可能性がなく且つ車両1が右折すると推定される場合に、右側ランドマークと左側ランドマークの中からランドマークの組合せを選択して車両1の絶対位置の算出に使用してもよい。また、ランドマーク選択部49は、対向車や後続車が検出され且つ車両1が左折すると推定される場合に、左側ランドマークの組合せのみを選択して車両1の絶対位置の算出に使用する。ランドマーク選択部49は、対向車や後続車が検出されず且つ車両1が左折すると推定される場合に、右側ランドマークと左側ランドマークの中からランドマークの組合せを選択して車両1の絶対位置の算出に使用する。また、ランドマーク選択部49は、車両1と右側ランドマークとの間に対向車や後続車がある可能性があり且つ車両1が左折すると推定される場合に、左側ランドマークの組合せのみを選択して車両1の絶対位置の算出に使用しよもよい。ランドマーク選択部49は、車両1と右側ランドマークとの間に対向車や後続車がある可能性がなく且つ車両1が左折すると推定される場合に、右側ランドマークと左側ランドマークの中からランドマークの組合せを選択して車両1の絶対位置の算出に使用してもよい。
【0077】
また、右左折推定部46は、車両1が右折するか否かのみを推定してもよい。ランドマーク選択部49は、車両1が右折すると推定される場合に右側ランドマークの組合せのみを車両1の位置算出に使用するランドマークとして選択する。ランドマーク選択部49は、車両1が右折しないと推定される場合、右側ランドマーク及び左側ランドマーク中から車両1の位置算出に使用するランドマークの組合せを選択してもよい。
【0078】
また、右左折推定部46は、車両1が左折するか否かのみを推定してもよい。ランドマーク選択部49は、車両1が左折すると推定される場合に左側ランドマークの組合せのみを車両1の位置算出に使用するランドマークとして選択する。ランドマーク選択部49は、車両1が左折しないと推定される場合、右側ランドマーク及び左側ランドマークの中から車両1の位置算出に使用するランドマークの組合せを選択してもよい。
【0079】
また、ランドマーク選択部49は、相対位置検出部41により相対位置が検出されたランドマークの中から、車両1の位置算出に使用するランドマークの組合せを選択してもよい。この場合、例えば、ランドマーク選択部49は、相対位置検出部41からランドマークの相対位置を受信する。位置算出部44から車両1の仮の絶対位置(Xtt,Ytt)を受信する。ランドマーク選択部49は、地図情報記憶部20から、交差点内のいずれかの地点の絶対位置を受信する。ランドマーク選択部49は、車両1の仮の絶対位置に基づいてランドマークの相対位置を絶対位置に変換する。
【0080】
ランドマーク選択部49は、変換後の絶対位置と、車両1の仮の絶対位置と、交差点内の地点の絶対位置に基づいて、相対位置検出部41により相対位置が検出されたランドマークが右側ランドマーク及び左側ランドマークのいずれであるかを判断する。ランドマーク選択部49は、車両1が右折すると推定される場合に右側ランドマークの組合せのみを車両1の位置算出に使用するランドマークとして選択する。ランドマーク選択部49は、車両1が左折すると推定される場合に左側ランドマークの組合せのみを車両1の位置算出に使用するランドマークとして選択する。
【0081】
この場合、位置算出部44は、地図情報記憶部20に記憶されているランドマークの絶対座標の中から、ランドマーク選択部49により選択されたランドマークの絶対位置Pd1及びPd2に最も近い絶対座標Pm1及びPm2を読み出してよい。位置算出部44は、ランドマーク選択部49により選択されたランドマークの絶対位置Pd1及びPd2と地図情報記憶部20から読み出したランドマークの絶対位置Pm1及びPm2に基づいて車両1の絶対位置及び向きを算出してよい。
【0082】
位置算出部44は、車両1の絶対位置を算出する際に、相対位置検出部41から受信したランドマークの相対位置の平均座標を算出してもよい。また、位置算出部44は、ランドマーク選択部49から受信したランドマークの絶対位置の平均座標を算出してもよい。位置算出部44は、絶対位置の平均座標のX座標値及びY座標値から、相対位置の平均座標のX座標値及びY座標値を差し引いて、車両1の絶対位置を算出してもよい。このような算出方法によればより簡易に車両1の絶対位置を算出できる。
【0083】
図12のステップS20で交差点判断部45は、地図情報記憶部20に記憶されたランドマークの位置情報とステップS19で算出した車両1の位置及び向きに基づき、車両1の進行方向の所定範囲内に2個以上のランドマークがあるか否かを判断してよい。車両1の進行方向の所定範囲内に2個以上のランドマークがある場合に、交差点判断部45は、車両1が交差点を通過したと判断してよい。このような判断方法によっても車両1が交差点を通過したか否かを判断できる。
【0084】
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。