(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237479
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】電池モジュール及び電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 2/10 20060101AFI20171120BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20171120BHJP
H01M 10/6555 20140101ALI20171120BHJP
【FI】
H01M2/10 E
H01M10/613
H01M10/6555
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-116858(P2014-116858)
(22)【出願日】2014年6月5日
(65)【公開番号】特開2015-230843(P2015-230843A)
(43)【公開日】2015年12月21日
【審査請求日】2016年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大石 英史
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇行
(72)【発明者】
【氏名】守作 直人
【審査官】
松本 陶子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−049990(JP,A)
【文献】
特開2015−172997(JP,A)
【文献】
特開2009−026703(JP,A)
【文献】
特開2014−010952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 10/613
H01M 10/6555
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並設された複数の電池セルと前記複数の電池セルのうち少なくとも一つの電池セルに並設され、前記電池セルで発生した熱を放熱する伝熱プレートとを有する電池体と、
前記電池セルの並設方向の両側に設けられるとともに前記電池体を挟んでいる第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートと、
前記第1のエンドプレートと、前記電池体との間に設けられ、前記電池セルの膨張を弾性変形により吸収する弾性部材と、
各エンドプレートに互いに近付く方向に荷重を加えている加圧部材と、を備え、被固定部材に固定される電池モジュールであって、
前記伝熱プレートは、前記電池セルに前記並設方向に隣り合い、前記電池セルで発生した熱が伝達される吸熱部と、前記吸熱部から前記電池セルの並設方向のうち前記第2のエンドプレート側にのみ向けて延設されるとともに前記被固定部材に接して、前記電池セルから前記吸熱部に伝達された熱を前記被固定部材に伝達する放熱部とを有する電池モジュール。
【請求項2】
前記伝熱プレートは、前記吸熱部と前記放熱部とを連結する連結部を備え、
前記連結部は、前記被固定部材から離間するように湾曲している請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記弾性部材と前記弾性部材に隣り合う電池セルとの間には前記伝熱プレートが設けられている請求項1又は請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電池モジュールを前記被固定部材に固定した電池パックであって、
前記被固定部材は、前記電池モジュールが取り付けられる壁部材と、前記壁部材と前記放熱部との間に設けられた熱伝導部材とを含む電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池セルを並設した電池モジュール及び電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電池セルを並設した電池モジュールにおいては、電池セルと、電池セルが発する熱を放熱する伝熱プレートとを並設して、伝熱プレートによって放熱を行っている。例えば、特許文献1に記載の電池モジュールでは、一対のエンドプレート間に電池セル群が配置されている。電池セル群を構成する電池セルの間には、L字状に屈曲された伝熱プレートが配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2013/145917号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電池セルは、使用に伴い膨張する。電池セルが膨張すると、伝熱プレートは電池セルから加圧されることで変形するおそれがある。伝熱プレートが変形すると、電池セルと伝熱プレートとの接触面積が小さくなり、電池セルに対する放熱性が低下するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、電池セルに対する放熱性の低下を抑制することができる電池モジュール及び電池パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電池モジュールは、並設された複数の電池セルと前記複数の電池セルのうち少なくとも一つの電池セルに並設され、前記電池セルで発生した熱を放熱する伝熱プレートとを有する電池体と、前記電池セルの並設方向の両側に設けられるとともに前記電池体を挟んでいる第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートと、前記第1のエンドプレートと、前記電池体との間に設けられ、前記電池セルの膨張を弾性変形により吸収する弾性部材と、各エンドプレートに互いに近付く方向に荷重を加えている加圧部材と、を備え、被固定部材に固定される電池モジュールであって、前記伝熱プレートは、前記電池セルに前記並設方向に隣り合い、前記電池セルで発生した熱が伝達される吸熱部と、前記吸熱部から前記電池セルの並設方向のうち前記第2のエンドプレート側に
のみ向けて延設されるとともに前記被固定部材に接して、前記電池セルから前記吸熱部に伝達された熱を前記被固定部材に伝達する放熱部とを有する。
【0007】
これによれば、放熱部の延設方向の端部(以下、「先端」という)が弾性部材とは反対側を向く。電池セルが膨張すると、隣り合う電池セル同士は互いに押し合い、電池セルの並設方向に向けた力が作用する。この力が弾性部材に加わることで、弾性部材が弾性変形する。弾性部材が弾性変形すると、電池セル及び伝熱プレートは、第1のエンドプレート(弾性部材)に向けて移動する。このとき、放熱部の先端が弾性部材を向いていないため、伝熱プレートが弾性部材に向けて移動しても放熱部の先端が被固定部材に引っ掛かりにくい。このため、放熱部の先端が被固定部材に引っ掛かることで、吸熱部に電池セルからの荷重が集中することが抑制され、伝熱プレートの吸熱部が変形することが抑制される。このため、吸熱部が変形することで、伝熱プレートの吸熱部と電池セルとの接触面積が小さくなることが抑制され、電池セルに対する放熱性が低下しにくい。
【0008】
上記電池モジュールについて、前記伝熱プレートは、前記吸熱部と前記放熱部とを連結する連結部を備え、前記連結部は、前記被固定部材から離間するように湾曲していることが好ましい。
【0009】
これによれば、伝熱プレートが弾性部材に向けて移動するときに、連結部が被固定部材に引っ掛かることが抑制される。
上記電池モジュールについて、前記弾性部材と前記弾性部材に隣り合う電池セルとの間には前記伝熱プレートが設けられていることが好ましい。
【0010】
これによれば、弾性部材と隣り合う電池セルが弾性部材と接触することが抑制される。弾性部材は、伝熱プレートよりも熱伝導率が低いため、電池セルと弾性部材との間に伝熱プレートを設けることで、電池セルで発生した熱を放熱しやすい。
【0011】
上記課題を解決する電池パックは、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電池モジュールを前記被固定部材に固定した電池パックであって、前記被固定部材は、前記電池モジュールが取り付けられる壁部材と、前記壁部材と前記放熱部との間に設けられた熱伝導部材とを含む。
【0012】
これによれば、放熱部から被固定部材に熱が伝達しやすく、電池セルで発生した熱を被固定部材に放熱しやすい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電池セルに対する放熱性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】実施形態のエンドプレート、電池セル、電池ホルダ及び伝熱プレートを示す斜視図。
【
図4】実施形態の弾性部材が弾性変形した状態の電池モジュールを示す断面図。
【
図5】実施形態の電池モジュールの一部を拡大して示す断面図。
【
図6】(a)は比較例の電池モジュールの一部を拡大して示す断面図、(b)は比較例の電池モジュールの電池セルが移動したときの伝熱プレートの状態を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、電池パック及び電池モジュールの一実施形態について説明する。
図1及び
図3に示すように、電池パックBPは、放熱体としての筐体64を有しており、筐体64には電池モジュール10が収容されている。電池モジュール10は、電池体11と、電池体11を挟持する第1のエンドプレート12及び第2のエンドプレート13とを有している。電池体11は、並設された複数の電池セル20と、電池セル20と交互に並設された伝熱プレート30とを有している。電池セル20は、例えば、リチウムイオン電池などの二次電池であり、角型電池である。各電池セル20は、それぞれ個別の電池ホルダ40に保持されている。
【0016】
図2に示すように、電池セル20は、ケース21の内部に電極組立体22を有している。電極組立体22は、正負の電極の間にセパレータを介在させたものである。ケース21は、有底矩形箱状の本体23と、本体23の開口部を閉塞する蓋部24とを有している。
【0017】
伝熱プレート30は、1枚の金属製の板材をL字状に屈曲させたものである。伝熱プレート30は、矩形平板状の吸熱部31と、吸熱部31の一端から吸熱部31の厚み方向に向けて屈曲する矩形平板状の放熱部32とを有している。吸熱部31と放熱部32とは、連結部33によって連結されている。この連結部33は、板材を折り曲げ加工することによって吸熱部31と放熱部32との間に形成される円弧状に湾曲した湾曲部である。
【0018】
エンドプレート12,13は、板材を屈曲させたものであり、電池体11を挟持する板状の挟持部14と、筐体64に電池モジュール10を固定するための板状の固定部15とを有している。本実施形態において、挟持部14は矩形状であり、固定部15は挟持部14の長手方向の一端から挟持部14の厚み方向に延びている。挟持部14の短手方向の両端部には、それぞれ、挟持部14の短手方向に向けて突出する板状の挿通部18が設けられている。挿通部18には、厚み方向に貫通する挿通孔18aが設けられている。
【0019】
電池ホルダ40は、矩形平板状の第1の被覆壁41を有している。第1の被覆壁41の長手方向両端には、第1の被覆壁41の厚み方向に延びる矩形平板状の第2の被覆壁42及び第3の被覆壁43が設けられている。第1の被覆壁41、第2の被覆壁42及び第3の被覆壁43に囲まれる領域は、電池セル20が収容される収容部Sとなる。第2の被覆壁42の長手方向第1端部42a(第1の被覆壁41が設けられる端部とは反対側の端部)と、第3の被覆壁43の長手方向第1端部43a(第1の被覆壁41が設けられる端部とは反対側の端部)には、各被覆壁42,43の短手方向第1端部42b,43bの間で延びる矩形平板状の第4の被覆壁44が設けられている。第4の被覆壁44は、厚み方向が各被覆壁42,43の短手方向と一致し、長手方向が第2の被覆壁42と第3の被覆壁43の対向方向に一致する。そして、第4の被覆壁44の厚み方向及び長手方向に直交する方向が、第4の被覆壁44の短手方向となる。
【0020】
また、第4の被覆壁44の長手方向両端における第4の被覆壁44の短手方向の一端面上には、U字状をなすとともに、第4の被覆壁44の厚み方向に開口する端子収容部45がそれぞれ設けられており、各端子収容部45は、第2の被覆壁42及び第3の被覆壁43に連設されている。
【0021】
第4の被覆壁44の短手方向の一端面上には、端子収容部45と隣り合って四角柱状の挿通部46が設けられている。挿通部46の軸は、各被覆壁42,43の短手方向に延びている。挿通部46には、挿通孔46aが挿通部46の軸方向に貫通して設けられている。
【0022】
第2の被覆壁42の長手方向第1端部42a及び第3の被覆壁43の長手方向第1端部43aには、各被覆壁42,43と連設され、各被覆壁42,43の長手方向に延びる矩形平板状の突出壁47が設けられている。
【0023】
第2の被覆壁42の長手方向第2端部42c及び第3の被覆壁43の長手方向第2端部43cには、四角柱状の挿通部49が設けられている。挿通部49の軸は、各被覆壁42,43の短手方向に延びている。挿通部49には、挿通孔49aが挿通部49の軸方向に貫通して設けられている。
【0024】
図3に示すように、伝熱プレート30の吸熱部31は、電池セル20と密着した状態で設けられている。伝熱プレート30の放熱部32は、第2の被覆壁42の厚み方向の面のうち、収容部S側の面とは反対側の面を覆っている。伝熱プレート30の連結部33は第1のエンドプレート12側に位置しており、伝熱プレート30の放熱部32の先端34(放熱部32における吸熱部31からの延設方向の端部)は第2のエンドプレート13側に位置している。すなわち、放熱部32は、吸熱部31から第2のエンドプレート13に向けて延設されている。
【0025】
電池体11は、電池セル20の並設方向のうち、第1のエンドプレート12側の端に伝熱プレート30が位置しており、第2のエンドプレート13側の端に電池セル20が位置している。第1のエンドプレート12と、電池体11との間には、弾性部材51が設けられている。本実施形態において、電池体11の第1のエンドプレート12側の端には伝熱プレート30が設けられているため、弾性部材51と、弾性部材51に隣り合う電池セル20との間には伝熱プレート30が設けられている。弾性部材51は、板状であり、厚み方向が電池セル20の並設方向と一致している。弾性部材51としては、ゴムや、ゴムスポンジなどが用いられる。
【0026】
そして、第2のエンドプレート13の挿通部18には、第1のエンドプレート12の挿通部18に向けてボルト61が挿通されている。ボルト61は、第2のエンドプレート13の挿通孔18a、電池ホルダ40の挿通孔46a,49a及び第1のエンドプレート12の挿通孔18aを挿通して、第1のエンドプレート12の挿通孔18aを挿通した位置でナット62に螺合されている。これにより、第1のエンドプレート12及び第2のエンドプレート13には、互いに近付く方向に拘束荷重が加わっている。この拘束荷重は、電池セル20及び弾性部材51に付与されている。したがって、ボルト61及びナット62が加圧部材として機能している。
【0027】
上記のように構成された電池モジュール10は、各エンドプレート12,13の固定部15に挿通された固定ボルト63が壁部材としての筐体64の壁部66に螺合されることで筐体64に取り付けられている。このとき、電池モジュール10は、放熱部32が筐体64の壁部66に接するように取り付けられる。筐体64の壁部66と放熱部32との間には、熱伝導部材(TIM:thermal interface material)65が設けられている。放熱部32は、熱伝導部材65と密着しており、熱伝導部材65を介して筐体64の壁部66と接している。本実施形態では、筐体64と、熱伝導部材65によって被固定部材が構成されている。連結部33は吸熱部31に向けて円弧状に湾曲しているため、熱伝導部材65から離間している。
【0028】
次に、本実施形態の電池モジュール10の作用について説明する。
電池セル20が充放電されると、電池セル20で発生した熱は、吸熱部31に伝達される。吸熱部31に伝達された熱は、放熱部32に伝達され、放熱部32に伝達された熱は、筐体64に伝達される。これにより伝熱プレート30によって電池セル20で発生した熱が放熱される。
【0029】
図4に示すように、電池セル20の電極には、使用に伴って被膜が形成されていき、使用期間が長くなるにつれて電池セル20が膨張していく。電池セル20が膨張すると、隣り合う電池セル20同士は伝熱プレート30を介して互いに押し合う。すると、各電池セル20には並設方向の両側に向けた力が作用する。弾性部材51は、この力によって厚み方向(電池セル20の並設方向)に弾性変形し、収縮する。したがって、弾性部材51は、電池セル20の膨張を弾性変形によって吸収している。
【0030】
第1のエンドプレート12と電池体11との間に弾性部材51が設けられ、第2のエンドプレート13と電池体11との間には弾性部材51が設けられていないため、弾性部材51が弾性変形することで電池セル20及び伝熱プレート30は、第1のエンドプレート12(弾性部材51)に向けて移動する。
【0031】
図5に示すように、伝熱プレート30が移動するときには、放熱部32の先端34が移動方向を向いていない。このため、放熱部32の先端34が熱伝導部材65に引っ掛かることが抑制されている。また、連結部33は、熱伝導部材65から離間しているため、連結部33が熱伝導部材65に引っ掛かかることも抑制され、吸熱部31に電池セル20からの荷重が集中することが抑制されている。
【0032】
図6(a)に示すように、伝熱プレート30の移動方向に放熱部32の先端34が向いていると、伝熱プレート30が移動したときに放熱部32の先端34が熱伝導部材65に引っ掛かりやすい。すると、熱伝導部材65が損傷するおそれがあり、放熱部32から筐体64への熱伝達を阻害するおそれがある。
【0033】
また、
図6(b)に示すように、伝熱プレート30の先端34が熱伝導部材65に引っ掛かった状態で伝熱プレート30に電池セル20からの荷重が加わると、伝熱プレート30の移動が規制された状態で電池セル20からの荷重が加わるため、電池セル20からの荷重が吸熱部31に集中する。すると、伝熱プレート30の連結部33を基点として吸熱部31が屈曲する。なお、図では説明の便宜上誇張して表現したが、実際には吸熱部31は電池セル20と隣り合っているため、電池セル20によって吸熱部31の屈曲が規制されて僅かに屈曲する程度である。しかしながら、この僅かな屈曲によって電池セル20と吸熱部31との接触面積が小さくなり、電池セル20と吸熱部31との密着度が低下し、電池セル20で発生した熱が吸熱部31に伝達されにくくなる。
【0034】
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)伝熱プレート30の放熱部32は、吸熱部31から第2のエンドプレート13に向けて延びているため、放熱部32の先端34は、第2のエンドプレート13を向いている。弾性部材51は、第1のエンドプレート12と電池体11との間に設けられているため、電池セル20が膨張したときの伝熱プレート30の移動方向は第1のエンドプレート12側となる。このため、伝熱プレート30が移動するときには、放熱部32の先端34が移動方向を向いていないため、放熱部32の先端34が熱伝導部材65に引っ掛かりにくい。このため、放熱部32の先端34が引っ掛かることで、吸熱部31に電池セル20からの荷重が集中することが抑制され、伝熱プレート30の吸熱部31の変形を抑制することができる。このため、電池セル20と伝熱プレート30の吸熱部31との接触面積が小さくなることが抑制され、電池セル20に対する放熱性が低下しにくい。
【0035】
(2)吸熱部31と放熱部32とは、連結部33によって連結されている。連結部33は、熱伝導部材65と接触していないため、伝熱プレート30が移動したときに連結部33が熱伝導部材65に引っ掛かりにくい。したがって、電池セル20に対する放熱性が低下しにくい。
【0036】
(3)放熱部32と筐体64との間には、熱伝導部材65が設けられているため、電池セル20から放熱部32に伝達された熱が筐体64に伝達されやすい。
(4)弾性部材51と、弾性部材51に隣り合う電池セル20との間には伝熱プレート30が設けられている。弾性部材51は、伝熱プレート30に比べて熱伝導率が低く、弾性部材51が電池セル20に接していると、電池セル20で発生した熱が弾性部材51に伝達されにくい。弾性部材51と電池セル20との間に伝熱プレート30を設けることで、電池セル20で発生した熱は伝熱プレート30に伝達されるため、電池セル20に対する放熱性が低下しにくい。
【0037】
なお、実施形態は以下のように変更してもよい。
○吸熱部31と放熱部32とは、連結部33を介さずに、繋がれていてもよい。例えば、板状の吸熱部31と放熱部32とを溶接して、吸熱部31と放熱部32とが直接繋がれていてもよい。
【0038】
○放熱部32は、筐体64に直接接していてもよい。すなわち、熱伝導部材65が設けられていなくてもよい。
○弾性部材51と、弾性部材51に隣り合う電池セル20との間には伝熱プレート30が設けられていなくてもよい。すなわち、弾性部材51と電池セル20とが直接接していてもよい。
【0039】
○伝熱プレート30は、電池セル複数個おきに設けられるなど、電池セル20と交互に設けられていなくてもよい。
○伝熱プレート30は単数であってもよい。
【0040】
○伝熱プレート30の吸熱部31と放熱部32とは、板状であればよく円板状や多角板状であってもよい。
○加圧部材は、第1のエンドプレート12から第2のエンドプレート13まで延びてそれぞれのエンドプレート12,13に固定される金属製のバンドであってもよい。
【0041】
○壁部材は、産業車両に搭載されるカウンタウェイトなどでもよい。
【符号の説明】
【0042】
BP…電池パック、10…電池モジュール、11…電池体、12…第1のエンドプレート、13…第2のエンドプレート、20…電池セル、30…伝熱プレート、31…吸熱部、32…放熱部、33…連結部、34…先端、40…電池ホルダ、51…弾性部材、61…ボルト、62…ナット、64…筐体、65…熱伝導部材、66…壁部。