特許第6237541号(P6237541)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237541
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/44 20060101AFI20171120BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B65H3/44 340Z
   G03G15/00 401
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-175544(P2014-175544)
(22)【出願日】2014年8月29日
(65)【公開番号】特開2016-50072(P2016-50072A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】中谷 貴宣
【審査官】 山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−176048(JP,A)
【文献】 特開2004−091058(JP,A)
【文献】 特開2004−345757(JP,A)
【文献】 特開平11−157684(JP,A)
【文献】 実開昭57−205155(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00 − 3/68
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙に印字を行う記録部と、該記録部に記録紙を給紙する複数台の給紙カセットとを備えた画像形成装置であって、
印字を行うサイズの記録紙が収納されている給紙カセットを特定する給紙カセット特定手段と、
連続印字を行う場合、前記給紙カセット特定手段によって複数台の給紙カセットが特定されると、特定された複数の給紙カセットの中から前記記録部への記録紙の給紙に用いる給紙カセットを選択し、選択した給紙カセットから給紙を行わせる給紙カセット選択手段とを具備し、
前記給紙カセット選択手段は、同じ給紙カセットを連続して選択することなく、選択する給紙カセットを分散させ
複数台の給紙カセットのそれぞれに、給紙中の給紙カセットと、次回給紙を行う給紙カセットとを通知する表示手段を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記録紙に印字を行う記録部と、該記録部に記録紙を給紙する複数台の給紙カセットとを備えた画像形成装置であって、
印字を行うサイズの記録紙が収納されている給紙カセットを特定する給紙カセット特定手段と、
連続印字を行う場合、前記給紙カセット特定手段によって複数台の給紙カセットが特定されると、特定された複数の給紙カセットの中から前記記録部への記録紙の給紙に用いる給紙カセットを選択し、選択した給紙カセットから給紙を行わせる給紙カセット選択手段とを具備し、
前記給紙カセット選択手段は、同じ給紙カセットを連続して選択することなく、選択する給紙カセットを分散させ
複数台の給紙カセットのそれぞれに異なる音が割り当てられており、給紙を行う給紙カセット毎に割り当てられた音を出力する音声出力手段を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記給紙カセット選択手段は、1枚目の印字には、前記記録部に記録紙を給紙する給送距離が最も短い給紙カセットを選択することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数段の給紙カセットを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数段の給紙カセットを備え、給紙カセットからの給紙による連続コピー中にペーパーエンドになったとき、他の給紙カセットに切り替えて給紙するリミットレス給紙を行う画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−252945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、記録紙がなくなるまで同一の給紙カセットから給紙が行われる。そして、給紙が行われる給紙カセットにおいて、記録紙を取り出すピックアップローラーや、ピックアップローラーにより取り出された記録紙を下流側に給送する給紙ローラーへの回転力の伝達を制御する給紙クラッチのオン/オフが連続して行われることになる。この給紙クラッチのオン/オフ間隔は、給紙速度(枚/分)が速いほど、短くなる。従って、給紙速度(枚/分)が速い装置の場合、複数段の給紙カセットの内、特定の給紙カセット(給紙クラッチ)に大きな負荷が集中してしまい、給紙不良が発生してしまったり、給紙カセットの寿命が早くきてしまったりするという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来技術の問題を解決し、給紙不良の発生を防止することができ、給紙カセットの寿命を延ばすことができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、記録紙に印字を行う記録部と、該記録部に記録紙を給紙する複数台の給紙カセットとを備えた画像形成装置であって、印字を行うサイズの記録紙が収納されている給紙カセットを特定する給紙カセット特定手段と、連続印字を行う場合、前記給紙カセット特定手段によって複数台の給紙カセットが特定されると、特定された複数の給紙カセットの中から前記記録部への記録紙の給紙に用いる給紙カセットを選択し、選択した給紙カセットから給紙を行わせる給紙カセット選択手段とを具備し、前記給紙カセット選択手段は、同じ給紙カセットを連続して選択することなく、選択する給紙カセットを分散させ、複数台の給紙カセットのそれぞれに、給紙中の給紙カセットと、次回給紙を行う給紙カセットとを通知する表示手段を具備することを特微とする。
また、本発明の画像形成装置は、記録紙に印字を行う記録部と、該記録部に記録紙を給紙する複数台の給紙カセットとを備えた画像形成装置であって、印字を行うサイズの記録紙が収納されている給紙カセットを特定する給紙カセット特定手段と、連続印字を行う場合、前記給紙カセット特定手段によって複数台の給紙カセットが特定されると、特定された複数の給紙カセットの中から前記記録部への記録紙の給紙に用いる給紙カセットを選択し、選択した給紙カセットから給紙を行わせる給紙カセット選択手段とを具備し、前記給紙カセット選択手段は、同じ給紙カセットを連続して選択することなく、選択する給紙カセットを分散させ、複数台の給紙カセットのそれぞれに異なる音が割り当てられており、給紙を行う給紙カセット毎に割り当てられた音を出力する音声出力手段を具備することを特微とする。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記給紙カセット選択手段は、1枚目の印字には、前記記録部に記録紙を給紙する給送距離が最も短い給紙カセットを選択しても良い
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、記録紙の給紙に用いる給紙カセットを分散して、特定の給紙カセットへの負荷の集中を防止することで、給紙不良の発生を防止することができ、給紙カセットの寿命を延ばすことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る画像形成装置の実施の形態の構成例を示す概略断面図である。
図2図1に示す給紙カセットの構成を示す概略断面図である。
図3図1に示す画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】本発明に係る画像形成装置の実施の形態による印字動作を説明するフローチャートである。
図5】本発明に係る画像形成装置の実施の形態による印字動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本実施の形態の画像形成装置1は、複写機であり、図1を参照すると、原稿読取部10と、原稿給送部20と、記録部30とを備えている。原稿読取部10は、記録部30の上部に配設され、原稿給送部20は、原稿読取部10の上部に配設されている。また、画像形成装置1の前面側には、画像形成装置1の設定や動作指示を行うタッチパネル装置2が配設されている。なお、本実施の形態では、画像形成装置1を複写機として説明するが、画像形成装置1は、スキャナー装置、プリンター装置、MFP(Multifunction Peripheral)等であっても良い。
【0010】
原稿読取部10は、スキャナー11と、プラテンガラス12と、原稿読取スリット13とを備える。スキャナー11は、露光ランプやLED等の発光手段と、CCD(Charge Coupled Device)センサー等の読み取り手段とを備え、原稿給送部20による原稿MSの搬送方向に移動可能に構成されている。プラテンガラス12は、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット13は、原稿給送部20による原稿MSの搬送方向と直交方向に形成されたスリットを有する。
【0011】
プラテンガラス12に載置された原稿MSを読み取る場合には、スキャナー11は、プラテンガラス12に対向する位置に移動され、プラテンガラス12に載置された原稿MSを走査しながら原稿MSを読み取って画像データーを取得し、取得した画像データーを記録部30に出力する。また、原稿給送部20により搬送された原稿MSを読み取る場合には、スキャナー11は、原稿読取スリット13と対向する位置に移動され、原稿読取スリット13を介し、原稿給送部20による原稿MSの搬送動作と同期して原稿MSを読み取って画像データーを取得し、取得した画像データーを記録部30に出力する。
【0012】
原稿給送部20は、原稿載置部21と、原稿排出部22と、原稿搬送機構23とを備えている。原稿載置部21に載置された原稿MSは、原稿搬送機構23によって、1枚ずつ順に繰り出されて、原稿読取部10の原稿読取スリット13に対向する位置へ搬送され、その後、原稿排出部22に排出される。なお、原稿給送部20は、可倒式に構成され、原稿給送部20を上方に持ち上げることで、プラテンガラス12の上面を開放させることができる。
【0013】
記録部30は、感光体ドラム31と、帯電部32、露光部33と、現像部34と、転写部35と、クリーニング部36と、定着部37とを備えている。露光部33は、レーザー装置やミラー等を備えた光学ユニットであり、画像データーに基づいてレーザー光を出力して、帯電部32によって帯電された感光体ドラム31を露光し、感光体ドラム31の表面に静電潜像を形成する。現像部34は、トナーを用いて感光体ドラム31に形成された静電潜像を現像する現像ユニットであり、静電潜像に基づいたトナー像を感光体ドラム31上に形成させる。転写部35は、現像部34によって感光体ドラム31上に形成されたトナー像を記録紙Pに転写させる。定着部37は、転写部35によってトナー像が転写された記録紙Pを加熱してトナー像を記録紙Pに定着させる。
【0014】
記録部30の下部には、記録部30に記録紙Pを供給する給紙部40が配設されている。給紙部40は、ユーザーのニーズに応じて、記録紙Pを収納する給紙カセット50の段数を選択できるように構成されている。本実施の形態では、給紙部40として4段の給紙カセット50を備えている。記録部30の下部に最上段の給紙カセット50aが配置され、以下、給紙カセット50b、50c、50dが上から順番に配置されている。
【0015】
給紙カセット50は、図2に示すように、複数枚の記録紙Pを積載する昇降板51と、昇降板51を昇降させる昇降機構52とを備えている。昇降板51は、記録紙Pの給送方向上流側に位置する上流側端部51aが回動可能に支持されている。そして、モータ(図示せず)等の動力によって動作する昇降機構52で昇降板51を回動させることで、昇降板51を昇降させて給紙位置と退避位置との間で変位させる。なお、図2には、昇降板51が給紙位置に押し上げられている状態が示されている。
【0016】
また、給紙カセット50は、昇降板51に積載された複数枚の記録紙Pを取り出すピックアップローラー53と、ピックアップローラー53の給送方向下流側に設けられた給紙ローラー54と、給紙ローラー54の下方に設けられた捌きローラー55と、給紙ローラー54の給送方向下流側に設けられた搬送ローラー56と、ピックアップローラー53及び給紙ローラー54にモータ(図示せず)の回転力を伝達する給紙クラッチ57と、を備えている。
【0017】
給紙ローラー54は、ピックアップローラー53により取り出された記録紙Pを搬送ローラー56へと給送する。給紙ローラー54記録紙Pを下流へ搬送する方向に回転するのに対して、捌きローラー55は、それとは逆に、記録紙Pを上流へと送り返す方向に回転する。従って、ピックアップローラー53により取り出された記録紙Pが何枚か重なっていた場合でも、捌きローラー55により、最上層の記録紙P以外が搬送ローラー56方向に給紙されるのを防止できる。これにより、最上層の記録紙Pのみが給紙ローラー54により搬送ローラー56へと搬送される。
【0018】
搬送ローラー56は、給紙ローラー54や下段に位置する給紙カセット50の搬送ローラー56から給送されてきた記録紙Pを、記録部30(最上段場合)もしくは上段に位置する給紙カセット50の搬送ローラー56へと搬送する。そして、搬送ローラー56は、記録部30に設けられたモータ(図示せず)等の動力に連動して回転駆動され、記録部30における記録紙Pの搬送速度と同じ速度で、記録紙Pを搬送する。なお、記録部30に搬送された記録紙Pは、レジストローラー38によって所定のタイミングで転写部35に搬送され、記録部30によって記録が施される。そして、記録が施された記録紙Pは、排出ローラー39に導かれ、排出トレイ3に出力される。
【0019】
給紙クラッチ57は、電磁クラッチであり、ピックアップローラー53及び給紙ローラー54に、モータ(図示しない)の回転力の伝達又は伝達の遮断を行う。
【0020】
次に、画像形成装置1のハードウェア構成例について図3を参照して説明する。
タッチパネル装置2、原稿読取部10、原稿給送部20、記録部30及び給紙部40は、本体制御部60に接続され、本体制御部60によって動作制御される。また、本体制御部60には、記憶部61と、画像処理部62と、が接続されている。
【0021】
本体制御部60は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。本体制御部60は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、タッチパネル装置2から入力された所定の指示情報に応じて装置全体の制御を行う。
【0022】
記憶部61は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段であり、原稿読取部10によって原稿を読み取ることで取得された画像データーが記憶される。
【0023】
画像処理部62は、画像データーに対して所定の画像処理を行う手段であり、例えば、拡大縮小処理や、濃度調整、階調調整等の画像改善処理が行われる。
【0024】
給紙部40の給紙カセット50a、50b、50c、50dには、カセット制御部70a、70b、70c、70dがそれぞれ設けられている。カセット制御部70a、70b、70c、70dは、マイクロコントローラ(microcontroller)等で構成され、本体制御部60の指示に基づいて、給紙クラッチ57をオン制御し、給紙を開始させる機能を有している。そして、カセット制御部70a、70b、70c、70dは、図示しないセンサーによって記録紙Pの搬送ローラー56への到達を検出すると、給紙クラッチ57をオフ制御する。これにより、記録紙Pは、搬送ローラー56によって記録部30に搬送される。また、カセット制御部70a、70b、70c、70dは、図示しないセンサーによって給紙カセット50a、50b、50c、50dに収納された記録紙Pのサイズを検出して本体制御部60に通知する機能と、図示しないセンサーによって給紙カセット50a、50b、50c、50dに収納された記録紙Pのペーパーエンドを検出して本体制御部60に通知する機能とを有している。
【0025】
次に、本実施の形態の画像形成装置1による印字方法に図4及び図5を参照して詳細に説明する。
本体制御部60は、タッチパネル装置2や図示しないネットワークを介して印字指示を受け付けると、印字を行うサイズの記録紙Pが収納されている給紙カセット50を給紙部40の給紙カセット50a、50b、50c、50dの中から特定する(ステップS1)。そして、本体制御部60は、ステップS1で特定された給紙カセット50があるか否かを判断すると共に(ステップS2)、ステップS1で特定された給紙カセット50が1台か否かを判断すると共に(ステップS3)。ステップS2で特定された給紙カセット50がない場合には、本体制御部60は、タッチパネル装置2にエラー表示させ(ステップS4)、印字動作を終了させる。また、ステップS3で特定された給紙カセット50が1台である場合には、ステップS1で特定された1台の給紙カセット50から給紙を行って印字動作を実行させる(ステップS5)。
【0026】
ステップS3で特定された給紙カセット50が複数台である場合には、本体制御部60は、まず、ステップS1で特定された給紙カセット50の内、最も上段に位置、すなわち記録部30に記録紙Pを給紙する給送距離が最も短い給紙カセット50を選択して給紙を行わせる(ステップS6)。そして、変数nに1をセットし(ステップS7)、記録部30によってn枚目の印字処理を実行させる(ステップS8)。図5(a)に示すように、印字を行う記録紙Pのサイズが「A4」で、給紙カセット50a、50c、50dに「A4」サイズの記録紙Pが収納されている場合、1枚目の印字では、ステップS6で最も上段に位置する給紙カセット50aから給紙が行われる。これにより、ファーストプリントタイムを最短にすることができる。
【0027】
次に、本体制御部60は、変数nが印字枚数Nに到達したか否かを判断する(ステップS9)。ステップS9で変数nが印字枚数Nに到達していない場合には、本体制御部60は、ステップS1で特定された給紙カセット50の中から、n枚目の印字処理の際に給紙を行った給紙カセット50とは異なる給紙カセット50を選択し、選択した給紙カセット50から給紙を行わせる(ステップS10)。そして、変数nをインクリメントし(ステップS11)、ステップS8に戻り、記録部30によってn枚目の印字処理を実行させる。ステップS10では、例えば、図5(b)に示すように、n枚目の印字処理の際に給紙を行った給紙カセット50aとは異なる給紙カセット50cが選択され、給紙カセット50cから給紙が行われる。なお、ステップS10において選択する給紙カセット50は、予め順番を設定(例えば、給紙カセット50a−50c−50dの順番)しておいても良く、その都度ランダムに選択するようにしても良い。また、ステップS9の判断とステップS10の選択動作とは、ステップS8の印字処理と並行して行われ、ステップS10で搬送距離が長い給紙カセット50を選択した場合には、ステップS8の印字処理とステップS10の給紙動作とが並行して行われる。従って、例えば、1段目の給紙カセット50aの給紙速度が遅く20(枚/分)の性能しかない場合でも、1段目の給紙の間隔で別の給紙カセット50から給紙することにより、40(枚/分)相当の性能を持たせることができる。
【0028】
これにより、給紙を行う給紙カセット50は、ステップS1で特定された複数の給紙カセット50a、50c、50dに分散される。そして、ステップS5で変数nが印字枚数Nに到達すると、印字動作が終了される。従って、特定の給紙カセット50に大きな負荷の集中が集中することがない。すなわち、特定の給紙カセット50における短い間隔で連続した給紙クラッチ57の動作を少なくすることができる。これにより、給紙不良の発生を防止することができ、給紙カセット50の寿命を延ばすことができる。
【0029】
なお、ステップS10では、給紙を行った給紙カセット50とは異なる給紙カセット50が選択されるため、給紙を行った給紙カセット50でペーパーエンドが検出されても、他の給紙カセット50から給紙が行われるため、ペーパーエンドによって印字速度が低下することがない。そして、ペーパーエンドが検出された給紙カセット50は、次回のステップS10での選択から除外される。
【0030】
また、給紙カセット50にLED等の表示部を設けて、給紙中の給紙カセット50と、次回給紙を行う給紙カセット50との表示部を点灯させ、どの給紙カセット50から給紙を行うのかを通知するように構成しても良い。この場合、給紙中の給紙カセット50と、次回給紙を行う給紙カセット50との表示部を、色や点滅等で区別して点灯すると、ユーザーは、給紙を行う給紙カセット50の移り変わりを容易に視認することができる。
【0031】
さらに、本体制御部60にスピーカー等の音声出力部を接続させ、給紙行う給紙カセット50毎に異なる音を出力するようにしても良い。例えば、給紙カセット50a、50b、50c、50dのそれぞれに異なる「ド」、「レ」、「ミ」、「ファ」等の音を割り当て、搬送ローラー56に給送した記録紙Pが到達すると、割り当てられた音を出力させる。これにより、ユーザーは、給紙を行う給紙カセット50の移り変わりを音によって容易に認識することができる。
【0032】
以上説明したように本実施の形態は、記録紙Pに印字を行う記録部30と、記録部30に記録紙Pを給紙する複数台の給紙カセット50a、50b、50c、50dとを備えた画像形成装置1であって、印字を行うサイズの記録紙Pが収納されている給紙カセット50を特定する給紙カセット特定手段として機能すると共に、連続印字を行う場合、給紙カセット特定手段によって複数台の給紙カセット50が特定されると、特定された複数台の給紙カセット50の中から記録部30への記録紙Pの給紙に用いる給紙カセット50を選択し、選択した給紙カセット50から給紙を行わせる給紙カセット選択手段として機能する本体制御部60を備えている。そして、給紙カセット選択手段として機能する本体制御部60は、同じ給紙カセットを連続して選択することなく、選択する給紙カセットを分散させるように構成されている。
この構成により、記録紙Pの給紙に用いる給紙カセット50を分散して、特定の給紙カセット50への負荷の集中を防止することができる。これにより、給紙不良の発生を防止することができ、給紙カセットの寿命を延ばすことができる。
【0033】
さらに、本実施の形態において、本体制御部60(給紙カセット選択手段)は、1枚目の印字には、前記記録部に記録紙Pを給紙する給送距離が最も短い給紙カセットを選択する。
この構成により、ファーストプリントタイムを最短にすることができる。
【0034】
さらに、本実施の形態において、複数台の給紙カセットのそれぞれに、給紙中の給紙カセット50と、次回給紙を行う給紙カセット50とを通知する表示手段を備えている。
この構成により、ユーザーは、給紙を行う給紙カセット50の移り変わりを容易に視認することができる。
【0035】
さらに、本実施の形態において、複数台の給紙カセット50a、50b、50c、50dのそれぞれに異なる音が割り当てられており、給紙行う給紙カセット50毎に割り当てられた音を出力する音声出力手段を備えている。
この構成により、ユーザーは、給紙を行う給紙カセット50の移り変わりを音によって容易に認識することができる。
【0036】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【符号の説明】
【0037】
1 画像形成装置
2 タッチパネル装置
3 排出トレイ
10 原稿読取部
11 スキャナー
12 プラテンガラス
13 原稿読取スリット
20 原稿給送部
21 原稿載置部
22 原稿排出部
23 原稿搬送機構
30 記録部
31 感光体ドラム
32 帯電部
33 露光部
34 現像部
35 転写部
36 クリーニング部
37 定着部
38 レジストローラー
39 排出ローラー
40 給紙部
50、50a、50b、50c、50d 給紙カセット
51 昇降板
52 昇降機構
53 ピックアップローラー
54 給紙ローラー
55 捌きローラー
56 搬送ローラー
57 給紙クラッチ
60 本体制御部
61 記憶部
62 画像処理部
70a、70b、70c、70d カセット制御部
図1
図2
図3
図4
図5