特許第6237550号(P6237550)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6237550画像形成装置および画像形成装置用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237550
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】画像形成装置および画像形成装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20171120BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20171120BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20171120BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20171120BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   G06F3/12 303
   G06F3/12 308
   G06F3/12 343
   G06F3/12 344
   G06F3/12 353
   G06F3/12 356
   G06F3/12 380
   H04N1/00 C
   H04N1/00 107Z
   B41J21/00 Z
   B41J5/30 Z
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-189599(P2014-189599)
(22)【出願日】2014年9月18日
(65)【公開番号】特開2016-60102(P2016-60102A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】横澤 祐樹
【審査官】 牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−003592(JP,A)
【文献】 特開2010−009191(JP,A)
【文献】 特開2010−023469(JP,A)
【文献】 特開2004−282143(JP,A)
【文献】 特開2011−100340(JP,A)
【文献】 特開2013−251769(JP,A)
【文献】 特開2004−153330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 5/30
B41J 21/00
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信を行う通信デバイスと、
印刷を行う印刷デバイスと、
複数のダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルが前記通信デバイスによって受信された場合に前記圧縮ファイルを解凍する圧縮ファイル解凍手段と、
前記圧縮ファイル解凍手段によって解凍された前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいた印刷を前記印刷デバイスに実行させる印刷実行手段と
前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいた印刷が前記印刷実行手段によって実行される前に前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいたプレビューを実行するプレビュー実行手段とを備え
前記プレビュー実行手段は、前記プレビューの設定を示すプレビュー用ヘッダーデータが前記圧縮ファイルに含まれる場合に、前記プレビュー用ヘッダーデータにおける設定に基づいて前記プレビューを実行し、
前記プレビュー実行手段は、前記プレビュー用ヘッダーデータにおける設定に含まれている表示先に前記プレビューの画像を表示させ、
前記印刷実行手段は、前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データのうち前記プレビューにおいて選択されたダイレクト印刷用データのみに基づいた印刷を前記印刷デバイスに実行させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷実行手段は、前記印刷デバイスによる印刷の設定を示す印刷用ヘッダーデータが前記圧縮ファイルに含まれる場合に、前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいた印刷を前記印刷用ヘッダーデータにおける設定に基づいて前記印刷デバイスに実行させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
通信を行う通信デバイスと、印刷を行う印刷デバイスとを備える画像形成装置によって実行される画像形成装置用プログラムであって、
複数のダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルが前記通信デバイスによって受信された場合に前記圧縮ファイルを解凍する圧縮ファイル解凍手段、
前記圧縮ファイル解凍手段によって解凍された前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいた印刷を前記印刷デバイスに実行させる印刷実行手段、および、
前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいた印刷が前記印刷実行手段によって実行される前に前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいたプレビューを実行するプレビュー実行手段として前記画像形成装置を機能させ、
前記プレビュー実行手段は、前記プレビューの設定を示すプレビュー用ヘッダーデータが前記圧縮ファイルに含まれる場合に、前記プレビュー用ヘッダーデータにおける設定に基づいて前記プレビューを実行し、
前記プレビュー実行手段は、前記プレビュー用ヘッダーデータにおける設定に含まれている表示先に前記プレビューの画像を表示させ、
前記印刷実行手段は、前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データのうち前記プレビューにおいて選択されたダイレクト印刷用データのみに基づいた印刷を前記印刷デバイスに実行させることを特徴とする画像形成装置用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルに基づいた印刷を実行する画像形成装置、画像形成装置用プログラムおよび印刷用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の印刷用データを含む圧縮ファイルに基づいた印刷がPC(Personal Computer)などのコンピューターに対して指示された場合に、コンピューターにおいて解凍した圧縮ファイル内の印刷用データを1つずつコンピューターから画像形成装置に送信し、画像形成装置においてコンピューターから受信した印刷用データに基づいて順次印刷を実行するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−140070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムおいては、圧縮ファイル内の印刷用データを1つずつコンピューターから画像形成装置に送信する必要があるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、1つのファイルを受信することによって複数の印刷用データに基づいた印刷を実行することができる画像形成装置、画像形成装置用プログラムおよび印刷用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、通信を行う通信デバイスと、印刷を行う印刷デバイスと、複数のダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルが前記通信デバイスによって受信された場合に前記圧縮ファイルを解凍する圧縮ファイル解凍手段と、前記圧縮ファイル解凍手段によって解凍された前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいた印刷を前記印刷デバイスに実行させる印刷実行手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の画像形成装置は、受信した圧縮ファイルを解凍し、解凍した圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷を実行するので、1つの圧縮ファイルを受信することによって複数のダイレクト印刷用データに基づいた印刷を実行することができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置は、前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいた印刷が前記印刷実行手段によって実行される前に前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいたプレビューを実行するプレビュー実行手段を備え、前記印刷実行手段は、前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データのうち前記プレビューにおいて選択されたダイレクト印刷用データのみに基づいた印刷を前記印刷デバイスに実行させても良い。
【0009】
この構成により、本発明の画像形成装置は、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいたプレビューを実行するので、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データのうち実際に印刷に使用されるダイレクト印刷用データを利用者に選択させることができる。
【0010】
また、本発明の画像形成装置において、前記プレビュー実行手段は、前記プレビューの設定を示すプレビュー用ヘッダーデータが前記圧縮ファイルに含まれる場合に、前記プレビュー用ヘッダーデータにおける設定に基づいて前記プレビューを実行しても良い。
【0011】
この構成により、本発明の画像形成装置は、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいたプレビューを圧縮ファイルのプレビュー用ヘッダーデータにおける設定に基づいて実行するので、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいたプレビューの設定の指定を容易化することができる。
【0012】
また、本発明の画像形成装置において、前記プレビュー実行手段は、前記プレビュー用ヘッダーデータにおける設定に含まれている表示先に前記プレビューの画像を表示させても良い。
【0013】
この構成により、本発明の画像形成装置は、圧縮ファイルのプレビュー用ヘッダーデータにおける設定に含まれている表示先、すなわち、利用者が指定した表示先にプレビューの画像を表示させることができる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置において、前記印刷実行手段は、前記印刷デバイスによる印刷の設定を示す印刷用ヘッダーデータが前記圧縮ファイルに含まれる場合に、前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいた印刷を前記印刷用ヘッダーデータにおける設定に基づいて前記印刷デバイスに実行させても良い。
【0015】
この構成により、本発明の画像形成装置は、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷を圧縮ファイルの印刷用ヘッダーデータにおける設定に基づいて実行するので、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷の設定の指定を容易化することができる。
【0016】
本発明の画像形成装置用プログラムは、通信を行う通信デバイスと、印刷を行う印刷デバイスとを備える画像形成装置によって実行される画像形成装置用プログラムであって、複数のダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルが前記通信デバイスによって受信された場合に前記圧縮ファイルを解凍する圧縮ファイル解凍手段、および、前記圧縮ファイル解凍手段によって解凍された前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいた印刷を前記印刷デバイスに実行させる印刷実行手段として前記画像形成装置を機能させることを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明の画像形成装置用プログラムは、受信した圧縮ファイルを解凍し、解凍した圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷を実行するので、1つの圧縮ファイルを受信することによって複数のダイレクト印刷用データに基づいた印刷を実行することができる。
【0018】
本発明の印刷用プログラムは、複数のダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルを画像形成装置に送信する圧縮ファイル送信手段、および、前記圧縮ファイル内の前記ダイレクト印刷用データに基づいたプレビューの設定を示すプレビュー用ヘッダーデータを前記圧縮ファイルに生成するプレビュー用ヘッダーデータ生成手段としてコンピューターを機能させることを特徴とする。
【0019】
この構成により、本発明の印刷用プログラムは、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいて画像形成装置によって実行されるプレビューの設定を、圧縮ファイルのプレビュー用ヘッダーデータによって実現するので、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいて画像形成装置によって実行されるプレビューの設定の指定を容易化することができる。
【0020】
本発明の印刷用プログラムは、複数のダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルを画像形成装置に送信する圧縮ファイル送信手段、および、前記画像形成装置による印刷の設定を示す印刷用ヘッダーデータを前記圧縮ファイルに生成する印刷用ヘッダーデータ生成手段としてコンピューターを機能させることを特徴とする。
【0021】
この構成により、本発明の印刷用プログラムは、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいて画像形成装置によって実行される印刷の設定を、圧縮ファイルの印刷用ヘッダーデータによって実現するので、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいて画像形成装置によって実行される印刷の設定の指定を容易化することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の画像形成装置、画像形成装置用プログラムおよび印刷用プログラムは、1つのファイルを受信することによって複数の印刷用データに基づいた印刷を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施の形態に係る印刷システムのブロック図である。
図2図1に示すMFPのブロック図である。
図3図1に示すコンピューターのブロック図である。
図4図3に示すコンピューターによる送信対象のZIPファイルの一例を示す図である。
図5】MFPにZIPファイルを送信する場合の図3に示すコンピューターの動作のフローチャートである。
図6図3に示す表示部に表示される印刷設定画面の一例を示す図である。
図7】印刷を実行する場合の図2に示すMFPの動作のフローチャートである。
図8図7に示す動作の続きの動作のフローチャートである。
図9】プレビューの実行後に印刷を実行する場合の図2に示すMFPの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
まず、本実施の形態に係る印刷システムの構成について説明する。
【0026】
図1は、本実施の形態に係る印刷システム10のブロック図である。
【0027】
図1に示すように、印刷システム10は、画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)20と、MFP20によってダイレクト印刷されるダイレクト印刷用データなどの印刷用データをMFP20に送信するためのコンピューター30とを備えている。MFP20と、コンピューター30とは、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク11を介して通信可能に接続されている。
【0028】
ここで、ダイレクト印刷用データの一例としては、例えば、「PDF(Portable Document Format)ファイル」、「XPS(XML(Extensible Markup Language) Paper Specification)ファイル」、「Microsoft Office(登録商標)ドキュメントファイル」などの電子文書データがある。「Microsoft Officeドキュメントファイル」の一例としては、「Microsoft Wordファイル(以下、単に「Wordファイル」と言う。)」、「Microsoft Excel(登録商標)ファイル(以下、単に「Excelファイル」と言う。)」などのドキュメントファイルがある。また、ダイレクト印刷用データの一例としては、例えば、「TIFF(Tagged Image File Format)ファイル」、「JPEG(Joint Photographic Experts Group)ファイル」などの画像データがある。
【0029】
図2は、MFP20のブロック図である。
【0030】
図2に示すように、MFP20は、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部21と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー23と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター24と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部25と、ネットワーク11(図1参照。)経由でコンピューター30(図1参照。)など、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部26と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部27と、MFP20全体を制御する制御部28とを備えている。
【0031】
記憶部27は、MFP20の動作を制御するための画像形成装置用プログラム27aを記憶している。画像形成装置用プログラム27aは、MFP20の製造段階でMFP20にインストールされていても良いし、SDカード、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの記憶媒体からMFP20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク11上からMFP20に追加でインストールされても良い。
【0032】
制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部27に記憶されているプログラムを実行する。
【0033】
制御部28は、記憶部27に記憶されている画像形成装置用プログラム27aを実行することによって、通信部26によって圧縮ファイルが受信された場合に圧縮ファイルを解凍する圧縮ファイル解凍手段28a、プリンター24に印刷を実行させる印刷実行手段28b、および、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいたプレビューを実行するプレビュー実行手段28cとして機能する。
【0034】
印刷実行手段28bは、MFP20が解釈可能な内容にコンピューター30のプリンタードライバーによって変換された一般的な印刷データに基づいた印刷に対応している。また、印刷実行手段28bは、PDFファイル、XPSファイル、Wordファイル、Excelファイル、TIFFファイル、JPEGファイルなど、一部のファイル形式のデータについては、ダイレクト印刷にも対応している。
【0035】
図3は、コンピューター30のブロック図である。
【0036】
図3に示すように、コンピューター30は、種々の操作が入力されるマウスやキーボードなどの入力デバイスである操作部31と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部32と、ネットワーク11(図1参照。)経由でMFP20(図1参照。)など、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部33と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているHDDなどの記憶デバイスである記憶部34と、コンピューター30全体を制御する制御部35とを備えている。コンピューター30は、例えばPC、携帯機器などの電子機器によって構成されている。
【0037】
記憶部34は、MFP20を制御するための印刷用プログラム34aを記憶している。印刷用プログラム34aは、コンピューター30の製造段階でコンピューター30にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリーなどの記憶媒体からコンピューター30に追加でインストールされても良いし、ネットワーク11上からコンピューター30に追加でインストールされても良い。
【0038】
制御部35は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部34に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0039】
制御部35は、記憶部34に記憶されている印刷用プログラム34aを実行することによって、複数のダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルをMFP20に送信する圧縮ファイル送信手段35a、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいたプレビューの設定を示すプレビュー用ヘッダーデータを圧縮ファイルに生成するプレビュー用ヘッダーデータ生成手段35b、および、MFP20による印刷の設定を示す印刷用ヘッダーデータを圧縮ファイルに生成する印刷用ヘッダーデータ生成手段35cとして機能する。
【0040】
次に、印刷システム10の動作について説明する。
【0041】
まず、MFP20に圧縮ファイルを送信する場合のコンピューター30の動作について説明する。
【0042】
利用者は、例えば図4に示すようなZIPファイル40をMFP20に送信する処理の開始をコンピューター30の操作部31を介してコンピューター30に指示する。
【0043】
図4は、コンピューター30による送信対象のZIPファイル40の一例を示す図である。
【0044】
図4に示すように、ZIPファイル40は、PDFファイル41と、XPSファイル42と、Wordファイル43と、Excelファイル44とを含む圧縮ファイルである。
【0045】
利用者がZIPファイル40をMFP20に送信する処理の開始をコンピューター30の操作部31を介してコンピューター30に指示すると、コンピューター30の制御部35は、記憶部27に記憶されている画像形成装置用プログラム27aを実行することによって、図5に示す動作を開始する。
【0046】
図5は、MFP20にZIPファイル40を送信する場合のコンピューター30の動作のフローチャートである。
【0047】
図5に示すように、コンピューター30の制御部35は、図6に示す印刷設定画面50を表示部32に表示する(S101)。
【0048】
図6は、表示部32に表示される印刷設定画面50の一例を示す図である。
【0049】
図6に示す印刷設定画面50は、ZIPファイル40内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷の枚数を指定するためのドロップダウンリスト51と、ZIPファイル40内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷の給紙元を指定するためのドロップダウンリスト52と、ZIPファイル40内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷を両面印刷および片面印刷の何れで行うかを指定するためのドロップダウンリスト53と、ZIPファイル40内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷の排出先を指定するためのドロップダウンリスト54と、ZIPファイル40内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷の結果を表示することを指定するための領域55aと、ZIPファイル40内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷の結果を表示しないことを指定するための領域55bと、ZIPファイル40内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷の結果の表示先を指定するためのドロップダウンリスト56とを含んでいる。
【0050】
なお、印刷設定画面50においては、ドロップダウンリスト51〜54に示すような印刷枚数、給紙元、両面設定、排出先以外にも一般的な印刷の設定を行うことが可能である。制御部35は、MFP20から通知されたMFP20の性能に応じた設定の項目を印刷設定画面50に表示する。また、制御部35は、印刷設定画面50における各設定において指定可能な値を、MFP20の性能に応じて決定する。
【0051】
領域55aおよび領域55bは、何れか一方のみが選択可能である。制御部35は、領域55aおよび領域55bのうち選択されている方を反転表示する。
【0052】
制御部35は、領域55aが選択されている場合にのみ、ドロップダウンリスト56を表示する。ドロップダウンリスト56において選択可能な値としては、ZIPファイル40内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷の結果を利用者が視認することが可能な表示デバイスを備えている装置を示すものであれば良く、例えば、MFP20を示す「MFP」と、コンピューター30を示す「ホストコンピューター」とがある。制御部35は、MFP20が表示デバイスを備えていることがMFP20から通知されていない場合、ドロップダウンリスト56において選択可能な値に「MFP」を含めない。
【0053】
利用者は、コンピューター30の操作部31を介して印刷設定画面50における各設定の内容を変更することができる。
【0054】
図5に示すように、制御部35は、MFP20へのZIPファイル40の送信の実行を指示する操作(以下「送信実行操作」と言う。)が操作部31を介して入力されたと判断するまで、送信実行操作が操作部31を介して入力されたか否かを判断する(S102)。
【0055】
制御部35のプレビュー用ヘッダーデータ生成手段35bは、送信実行操作が入力されたとS102において判断すると、領域55a、領域55bおよびドロップダウンリスト56によるプレビューの設定を示すプレビュー用ヘッダーデータをZIPファイル40に生成する(S103)。すなわち、プレビュー用ヘッダーデータ生成手段35bは、プレビュー用ヘッダーデータをZIPファイル40の先頭に付ける。ここで、プレビュー用ヘッダーデータは、MFP20が解釈可能なコマンド群である。領域55aが選択されていた場合、プレビュー用ヘッダーデータには、プレビューの実行が設定される。一方、領域55bが選択されていた場合、プレビュー用ヘッダーデータには、プレビューが実行されないことが設定される。また、プレビュー用ヘッダーデータには、ドロップダウンリスト56によって選択された表示先がプレビューの画像の表示先として設定される。
【0056】
制御部35の印刷用ヘッダーデータ生成手段35cは、S103の処理の後、ドロップダウンリスト51〜54による印刷の設定を示す印刷用ヘッダーデータをZIPファイル40に生成する(S104)。すなわち、印刷用ヘッダーデータ生成手段35cは、印刷用ヘッダーデータをZIPファイル40の先頭に付ける。ここで、印刷用ヘッダーデータは、MFP20が解釈可能なコマンド群である。
【0057】
制御部35の圧縮ファイル送信手段35aは、S104の処理の後、S103およびS104においてヘッダーデータが付けられたZIPファイル40を通信部33を介してMFP20に送信して(S105)、図5に示す動作を終了する。
【0058】
なお、コンピューター30は、以上に説明したように複数のダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルを利用者の指示に応じてMFP20に送信することができるだけでなく、ダイレクト印刷用データそのものを圧縮ファイルに含めずに利用者の指示に応じてMFP20に送信することもできる。また、コンピューター30は、ダイレクト印刷用データではなく、MFP20が解釈可能な内容にプリンタードライバーによって変換された一般的な印刷データを利用者の指示に応じてMFP20に送信することもできる。
【0059】
次に、印刷を実行する場合のMFP20の動作について説明する。
【0060】
MFP20は、通信部26を介してデータを受信すると、図7に示す動作を実行する。
【0061】
なお、MFP20は、データを受信する場合、コンピューター30と通信を行ってデータを受信することもできるが、MFP20自身に付与されている電子メールアドレス宛てに送信されてきた電子メールの添付ファイルとしてデータを受信することもできる。複数のダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルは、MFP20とコンピューター30とが通信を行っている状態でコンピューター30からMFP20に送信される場合には上述したようにヘッダーデータを含むことが可能であるが、電子メールの添付ファイルとして送信される場合にはヘッダーデータを含んでいない可能性が高い。
【0062】
図7は、印刷を実行する場合のMFP20の動作のフローチャートである。図8は、図7に示す動作の続きの動作のフローチャートである。
【0063】
図7および図8に示すように、MFP20の印刷実行手段28bは、通信部26を介して受信したデータ(以下「対象データ」と言う。)にヘッダーデータが含まれるか否かを判断する(S131)。
【0064】
印刷実行手段28bは、ヘッダーデータが含まれるとS131において判断すると、ヘッダーデータとして印刷用ヘッダーデータが対象データに含まれるか否かを判断する(S132)。
【0065】
印刷実行手段28bは、印刷用ヘッダーデータが含まれるとS132において判断すると、対象データに含まれる印刷用ヘッダーデータにおける設定を取得する(S133)。
【0066】
印刷実行手段28bは、印刷用ヘッダーデータが含まれないとS132において判断するか、S133の処理が終了すると、ヘッダーデータとしてプレビュー用ヘッダーデータが対象データに含まれるか否かを判断する(S134)。
【0067】
印刷実行手段28bは、プレビュー用ヘッダーデータが含まれるとS134において判断すると、対象データに含まれるプレビュー用ヘッダーデータにおける設定を取得する(S135)。
【0068】
印刷実行手段28bは、ヘッダーデータが含まれないとS131において判断するか、プレビュー用ヘッダーデータが含まれないとS134において判断するか、S135の処理が終了すると、対象データがZIPファイルであるか否かを判断する(S136)。ここで、印刷実行手段28bは、対象データの先頭文字列がZIPファイルの先頭文字列である「0x 50 4B 03 04」である場合に、対象データがZIPファイルであると判断する。一方、印刷実行手段28bは、対象データの先頭文字列がZIPファイルの先頭文字列である「0x 50 4B 03 04」ではない場合に、対象データがZIPファイルではないと判断する。
【0069】
印刷実行手段28bは、ZIPファイルではないとS136において判断すると、対象データに基づいて公知の一般的な印刷処理を実行する(S137)。すなわち、印刷実行手段28bは、対象データに基づいて描画データを生成し、生成した描画データに基づいてプリンター24に印刷を実行させる。印刷実行手段28bは、S137の処理の後、図7および図8に示す動作を終了する。
【0070】
圧縮ファイル解凍手段28aは、ZIPファイルであるとS136において判断されると、対象データを解凍する(S138)。
【0071】
次いで、印刷実行手段28bは、S138において解凍された対象データ内に拡張子が「.ppml」であるファイルが存在するか否かを判断する(S139)。拡張子が「.ppml」であるファイルが存在する場合、対象ファイルは、ダイレクト印刷用データを含むZIPファイルではなく、PPML(Personalized Print Markup Language)データである。PPMLデータは、印刷するページ毎に同一のレイアウトで印刷内容を差し替えるバリアブル印刷(Variable Data Printing)に特化した印刷データであって、ZIP形式で圧縮されたデータである。PPMLデータは、解凍された場合、拡張子が「.ppml」であるファイルが1階層下に存在する。
【0072】
印刷実行手段28bは、拡張子が「.ppml」であるファイルが存在するとS139において判断すると、対象データをPPMLデータとして印刷処理を実行する(S140)。すなわち、印刷実行手段28bは、対象データとしてのPPMLに基づいて描画データを生成し、生成した描画データに基づいてプリンター24に印刷を実行させる。印刷実行手段28bは、S140の処理の後、図7および図8に示す動作を終了する。
【0073】
印刷実行手段28bは、拡張子が「.ppml」であるファイルが存在しないとS139において判断すると、S138において解凍された対象データ内に名称が「[Content_Types].xml」であるファイルが存在するか否かを判断する(S141)。名称が「[Content_Types].xml」であるファイルが存在する場合、対象ファイルは、ダイレクト印刷用データを含むZIPファイルではなく、XPSファイルである。XPSファイルは、ZIP形式で圧縮されたデータである。XPSファイルは、解凍された場合、名称が「[Content_Types].xml」であるファイルが1階層下に存在する。
【0074】
印刷実行手段28bは、名称が「[Content_Types].xml」であるファイルが存在するとS141において判断すると、対象データをXPSファイルとして印刷処理を実行する(S142)。すなわち、印刷実行手段28bは、対象データとしてのXPSファイルに基づいて描画データを生成し、生成した描画データに基づいてプリンター24に印刷を実行させる。印刷実行手段28bは、S137の処理の後、図7および図8に示す動作を終了する。
【0075】
印刷実行手段28bは、名称が「[Content_Types].xml」であるファイルが存在しないとS141において判断すると、対象データ内のダイレクト印刷用データのそれぞれに基づいて描画データを生成する(S161)。なお、S161の処理においては、S133において取得された設定が適用される。例えば、対象データ内にダイレクト印刷用データとしてのXPSファイルが含まれる場合、そのXPSファイルにはPrint ticketなどにおいて個別に印刷の設定が付けられることが可能であるが、個別に付けられた設定よりも、S133において取得された設定が優先して適用される。
【0076】
次いで、プレビュー実行手段28cは、S135において取得された設定にプレビューの実行が含まれているか否かを判断する(S162)。
【0077】
印刷実行手段28bは、プレビューの実行が含まれていないとS162において判断されると、S161において生成された全ての描画データのそれぞれに基づいてプリンター24によって印刷を実行させて(S163)、図7および図8に示す動作を終了する。
【0078】
プレビュー実行手段28cは、プレビューの実行が含まれているとS162において判断すると、S161において生成された全ての描画データのそれぞれのサムネイル画像を生成する(S164)。
【0079】
次いで、プレビュー実行手段28cは、S164において生成したサムネイル画像によってプレビューを実行する(S165)。ここで、プレビュー実行手段28cは、S135において取得された設定に含まれている表示先に、S164において生成したサムネイル画像、すなわち、プレビューの画像を表示させる。例えば、S135において取得された設定に含まれている表示先が「MFP」である場合には、プレビュー実行手段28cは、S164において生成したサムネイル画像を表示部22に表示する。また、S135において取得された設定に含まれている表示先が「ホストコンピューター」である場合には、プレビュー実行手段28cは、S164において生成したサムネイル画像を通信部26を介して対象データの送信元に送信する。したがって、対象データの送信元がコンピューター30である場合、コンピューター30の制御部35は、MFP20から送信されてきたサムネイル画像を表示部32に表示する。
【0080】
印刷実行手段28bは、S165の処理の後、S161において生成された全ての描画データを記憶部27に記憶して(S166)、図7および図8に示す動作を終了する。
【0081】
次に、プレビューの実行後に印刷を実行する場合のMFP20の動作について説明する。
【0082】
MFP20は、S165におけるプレビューの実行後に、図9に示す動作を実行する。
【0083】
図9は、プレビューの実行後に印刷を実行する場合のMFP20の動作のフローチャートである。
【0084】
図9に示すように、プレビュー実行手段28cは、対象データ内のダイレクト印刷用データにおいて、プレビューの画像、すなわち、サムネイル画像によって選択されたダイレクト印刷用データが存在すると判断するまで、対象データ内のダイレクト印刷用データにおいてサムネイル画像によって選択されたダイレクト印刷用データが存在するか否かを判断する(S191)。
【0085】
なお、利用者は、サムネイル画像が表示部22に表示されている場合、印刷の実行を希望する画像のサムネイル画像を操作部21を介して選択することができる。そして、プレビュー実行手段28cは、操作部21を介してサムネイル画像が選択されると、選択されたサムネイル画像に対応するダイレクト印刷用データを、サムネイル画像によって選択されたダイレクト印刷用データとして判断する。
【0086】
また、利用者は、サムネイル画像がコンピューター30の表示部32に表示されている場合、印刷の実行を希望する画像のサムネイル画像をコンピューター30の操作部31を介して選択することができる。コンピューター30の制御部35は、操作部31を介してサムネイル画像が選択されると、選択されたサムネイル画像の識別情報を通信部33を介してMFP20に通知する。そして、MFP20のプレビュー実行手段28cは、通信部26を介してコンピューター30からサムネイル画像の識別情報が通知されると、通知された識別情報が付与されているサムネイル画像に対応するダイレクト印刷用データを、サムネイル画像によって選択されたダイレクト印刷用データとして判断する。
【0087】
印刷実行手段28bは、対象データ内のダイレクト印刷用データにおいてサムネイル画像によって選択されたダイレクト印刷用データが存在するとS191において判断されると、選択されたダイレクト印刷用データに対応する描画データを記憶部27から呼び出す(S192)。
【0088】
次いで、印刷実行手段28bは、S192において呼び出された描画データに基づいてプリンター24によって印刷を実行させて(S193)、図9に示す動作を終了する。
【0089】
以上に説明したように、MFP20は、受信した圧縮ファイルを解凍し(S138)、解凍した圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷を実行する(S163またはS193)ので、1つの圧縮ファイルを受信することによって複数のダイレクト印刷用データに基づいた印刷を実行することができる。したがって、MFP20は、1つのファイルに圧縮された複数のダイレクト印刷用データをコンピューター30からの一度の送信で印刷可能とすることができる。
【0090】
MFP20は、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいたプレビューを実行する(S165)ので、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データのうち実際に印刷に使用されるダイレクト印刷用データを利用者に選択させることができる。したがって、MFP20は、ダイレクト印刷用データに基づいた印刷を実際に記録媒体に実行する前に、ダイレクト印刷用データに基づいた描画処理済みの内容を利用者に確認させることができる。
【0091】
MFP20は、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいたプレビューを実行する(S165)ので、「圧縮ファイルを解凍する専用のソフトウェア」と、「ダイレクト印刷用データに基づいて描画データを生成し、生成した描画データに基づいた表示を行う専用のソフトウェア」とをコンピューター30が備えていなくても良い。特に、コンピューター30が携帯機器である場合には、これらのソフトウェアを標準で備えていない可能性が高く、新たにインストールすることが難しいときもあるので、有用である。
【0092】
MFP20は、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいたプレビューを圧縮ファイルのプレビュー用ヘッダーデータにおける設定に基づいて実行する(S162、S164およびS165)ので、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいたプレビューの設定の指定を容易化することができる。また、コンピューター30は、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいてMFP20によって実行されるプレビューの設定を、圧縮ファイルのプレビュー用ヘッダーデータによって実現するので、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいてMFP20によって実行されるプレビューの設定の指定を容易化することができる。
【0093】
MFP20は、圧縮ファイルのプレビュー用ヘッダーデータにおける設定に含まれている表示先、すなわち、利用者が指定した表示先にプレビューの画像を表示させることができる。
【0094】
MFP20は、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷を圧縮ファイルの印刷用ヘッダーデータにおける設定に基づいて実行する(S161)ので、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいた印刷の設定の指定を容易化することができる。また、コンピューター30は、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいてMFP20によって実行される印刷の設定を、圧縮ファイルの印刷用ヘッダーデータによって実現するので、圧縮ファイル内のダイレクト印刷用データに基づいてMFP20によって実行される印刷の設定の指定を容易化することができる。
【0095】
なお、MFP20は、複数のダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルとしてのZIPファイルと、PPMLデータ、XPSファイルなどのZIP形式で圧縮されたデータとを、ZIP形式で圧縮されたデータに含まれる特有のファイルの名称に基づいて区別して認識し(S139およびS141)、それぞれに適した処理を実行する(S140、S142およびS161〜S166)ことができる。MFP20は、ZIP形式で圧縮されたデータに含まれる特有のファイルの名称を検出するための条件が追加されることによって、PPMLデータおよびXPSファイル以外にも、ZIP形式で圧縮された特有のデータに対応することができる。
【0096】
MFP20は、MFP20自身が対応していないダイレクト印刷用データを受信したり、MFP20自身が対応していないダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルを受信したりした場合に、MFP20自身が対応していないダイレクト印刷用データについては印刷ができないことを示すエラーレポートを出力しても良い。エラーレポートの出力方法としては、例えば、プリンター24による印刷や、表示部22による表示がある。また、MFP20は、プレビューを実行する場合に、MFP20自身が対応していないダイレクト印刷用データについてはプレビューの画像を表示しない。
【0097】
なお、プレビューの実行の設定は、本実施の形態において、プレビュー用ヘッダーデータにおいて明示されている。しかしながら、プレビューの実行の設定は、プレビュー用ヘッダーデータにおいて明示されていなくても良い。すなわち、プレビュー用ヘッダーデータが圧縮ファイルに付けられていること自体がプレビューの実行の設定を示していても良い。この場合、プレビュー用ヘッダーデータが圧縮ファイルに付けられていなければ、プレビューの実行が設定されていないことを示していることになる。
【0098】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、複数のダイレクト印刷用データを含む圧縮ファイルに基づいた印刷を実行する画像形成装置であれば、プリンター専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【0099】
以上においては、圧縮方式としてZIPについて説明している。しかしながら、本発明は、ZIPと同様に、ZIP以外の圧縮方式に対応することができる。
【符号の説明】
【0100】
20 MFP(画像形成装置)
24 プリンター(印刷デバイス)
26 通信部(通信デバイス)
27a 画像形成装置用プログラム
28a 圧縮ファイル解凍手段
28b 印刷実行手段
28c プレビュー実行手段
30 コンピューター
34a 印刷用プログラム
35a 圧縮ファイル送信手段
35b プレビュー用ヘッダーデータ生成手段
35c 印刷用ヘッダーデータ生成手段
40 ZIPファイル(圧縮ファイル)
41 PDFファイル(ダイレクト印刷用データ)
42 XPSファイル(ダイレクト印刷用データ)
43 Wordファイル(ダイレクト印刷用データ)
44 Excelファイル(ダイレクト印刷用データ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9