(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記排出ユニットは、前記排出路において前記排出方向に直交する幅方向に長い形状に形成されており、その長手方向の一方の側面に板金材料からなるブラケットを介して前記排出ローラーを駆動させるモーターが取り付けられており、
前記補強フレームは、前記第1プレート及び前記第2プレートそれぞれに連接し、前記モーターを覆った状態で前記排出ユニットとともに前記装置本体に固定される第3プレートを有し、
前記ブラケットは、前記第3プレートに連接されている請求項3に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。以下の説明では、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が平坦面に設置された状態(
図1に示す状態)を基準として上下方向6を定義する。また、
図1の紙面の手前側(正面側)を前として前後方向7を定義する。また、画像形成装置10を手前側(正面側)から見て左右方向8を定義する。
【0013】
[画像形成装置10]
図1及び
図2に画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置10は、プリンター及びファクシミリなどの各機能を備えた複合機である。画像形成装置10は、入力された画像をトナーなどの印刷材料を用いて、パルプなどの植物繊維で構成された印刷用紙(シート部材の一例)に印刷する。印刷用紙は、絶縁体(不導体或いは不良導体ともいう。)であり、電気の伝導率が小さい。なお、画像形成装置10は複合機に限られず、印刷機能を備えたものであればよく、プリンターやファクシミリ、複写機などの画像形成装置であってもよい。また、カラー画像を形成するものであってもよく、単一色の画像を形成するものであってもよい。
【0014】
画像形成装置10は、不図示のネットワーク通信部を介して外部から入力された画像データに基づいて、印刷用紙に画像を印刷する。
図2に示すように、画像形成装置10は、電子写真方式の画像形成部18と、定着部19と、給紙装置15と、LSU(Laser Scanner Unit)34と、排出ユニット60と、排紙積載部21と、を備えている。これらは、画像形成装置10の外枠のカバーや内部フレームを構成する筐体14(装置本体の一例)の内部に設けられている。
【0015】
図2に示すように、給紙装置15は、画像形成装置10の最下部に設けられている。給紙装置15は、給紙トレイ50と、ピックアップローラー51と、給紙ローラー52とを備えている。給紙トレイ50は、画像形成部18によって画像が形成される印刷用紙を積載する。給紙トレイ50は、筐体14に支持されている。ピックアップローラー51及び給紙ローラー52は、給紙トレイ50の正面側の上側に設けられている。画像形成装置10に対して印刷用紙の給送動作を開始する指示が入力されると、搬送用モーター(不図示)によってピックアップローラー51が回転駆動されて、給紙トレイ50から印刷用紙が給送される。ピックアップローラー51によって給送された印刷用紙は、給紙ローラー52によって給送方向下流側へ搬送される。
【0016】
画像形成部18は、外部から入力された画像データに基づいて、A判サイズ(例えばA5サイズ、A4サイズ、A3サイズ)やB判サイズ(例えばB5サイズ、B4サイズ)などの規定サイズの印刷用紙に画像を形成する。画像形成部18は、トナーなどの印刷材料を用いて印刷用紙にトナー像を転写する。具体的には、画像形成部18は、
図2(A)に示すように、感光体ドラム31と、帯電部32と、現像部33と、転写部35と、クリーニング部36と、を備えている。画像形成動作が開始されると、帯電部32によって感光体ドラム31の表面が一様の電位に帯電される。また、LSU34から感光体ドラム31に対して画像データに応じたレーザー光が走査される。これにより、感光体ドラム31に静電潜像が形成される。現像部33と感光体ドラム31との間に所定の電位差の電界が形成されている。前記電位差によって、現像部33に収容されているトナーが静電潜像に付着されて、感光体ドラム31にトナー像が形成される。感光体ドラム31と転写部35との間に所定の電位差の電界が形成されている。前記電位差によって、給紙トレイ50から給送された印刷用紙に感光体ドラム31上のトナー像が転写される。トナー像が転写された印刷用紙は、定着部19に搬送される。
【0017】
定着部19は、画像形成部18の後方側に設けられている。定着部19は、印刷用紙に転写されたトナー像を熱によってその印刷用紙に定着させる。定着部19は、加熱ローラー41と加圧ローラー42とを備える。加熱ローラー41は、定着動作時にIHヒーターなどの加熱手段によって加熱される。加圧ローラー42は、弾性部材によって加熱ローラー41側へ付勢されている。印刷用紙が定着部19を通過する際に定着部19によって印刷用紙が押圧されつつ、トナーが加熱溶融されて印刷用紙に付着する。これにより、トナー像が印刷用紙に定着して、印刷用紙に画像が形成される。このとき、印刷用紙が高温に加熱される。
【0018】
定着部19よりも後方に搬送路28が設けられている。搬送路28は、図示しない一対のガイド部材によって形成されている。搬送路28は、後方へ延びてから画像形成装置10の後背面に沿って上方へ湾曲した形状に形成されている。搬送路28の終端は、排出ユニット60の内部に形成された後述の排出路61に接続されている。搬送路28の終端付近には、従動ローラー38が回転可能に設けられている。この従動ローラー38は、排出ユニット60が備える後述の搬送ローラー39に圧接される。
【0019】
図2に示すように、排紙積載部21は、画像形成装置10の上面に設けられている。また、
図3に示すように、排出ユニット60は、筐体14の後方側の上部に取り付けられている。排出ユニット60は、筐体14に取り付けられることにより、画像形成装置10と一体となる。
【0020】
[排出ユニット60]
排出ユニット60は、定着部19によって画像が定着された画像形成後の印刷用紙を排紙積載部21へ排出する。
図3及び
図4に示すように、排出ユニット60は、一方向に長い形状に形成されている。具体的には、排出ユニット60は、印刷用紙が排出される排出方向の直交する幅方向(画像形成装置10の左右方向8に一致する方向)に長い形状に形成されている。ここで、
図3は、画像形成装置10から外枠のカバーや給紙装置15などを取り外した状態を示す。
図3に示すように、筐体14は、左右方向8に隔てられた一対の板状のサイドフレーム14A,14Bを有している。サイドフレーム14A,14Bは、導電性材料で構成されており、具体的には金属板で構成されている。排出ユニット60は、その長手方向の端部がサイドフレーム14A,14Bに支持されている。なお、サイドフレーム14Aは、アース線によって接地されている。つまり、サイドフレーム14Aの電位は、接地電位とされている。このように接地電位とされたサイドフレーム14Aは、本発明の基準電位部に相当する。
【0021】
図4及び
図5に示すように、排出ユニット60は、一対のガイド部材71,72と、一対の排出ローラー対77(77A,77B)と、搬送ローラー39と、押圧部材74と、排出用モーター64(
図7参照)と、を備えている。また、排出ユニット60には、補強フレーム80が装着されている。なお、
図5では、排出ユニット60及び補強フレーム80の左右方向8の両端部の図示を省略している。
【0022】
図5に示すように、一対のガイド部材71,72は、排出ユニット60の長手方向(画像形成装置10の左右方向8に一致する方向)へ長い形状に形成されている。一対のガイド部材71,72によって、排出ユニット60内の排出路61が形成されている。
図2(A)及び
図5に示すように、排出ユニット60の前面62(前方側の側面)の上部に用紙排出口22(シート排出口の一例)が設けられている。また、排出ユニット60の下部に搬送路28からの印刷用紙を受け入れる受入口25が設けられている。用紙排出口22から受入口25に至る湾曲形状の経路が排出路61である。受入口25に搬送された印刷用紙は、排出路61によって用紙排出口22に案内される。排出路61よりも後方側(外側)に外側ガイド部材71が配置されており、前方側(内側)に内側ガイド部材72が配置されている。つまり、外側ガイド部材71と内側ガイド部材72とによって前後方向7又は上下方向6に挟まれた空隙が排出ユニット60の内部に形成されており、その空隙が排出路61である。
【0023】
図5に示すように、排出路61は、湾曲形状に形成されている。具体的には、排出路61は、用紙排出口22から後方斜め下方へ延びて、その後に下方へ湾曲して概ね鉛直方向に沿って延びて受入口25に至っている。外側ガイド部材71には、排出路61の外側のガイド面を構成する湾曲状のガイドリブ71Aが複数設けられている。このガイドリブ71Aは、外側ガイド部材71の内面に立設している。内側ガイド部材72は、上下方向6に延びる形状に形成されている。内側ガイド部材72には、排出路61の内側のガイド面を構成するガイドリブ72Aが複数設けられている。ガイドリブ72Aは、内側ガイド部材72の内面に立設している。
【0024】
外側ガイド部材71及び内側ガイド部材72は、いずれも、絶縁体である。具体的には、電気の伝導率が小さい合成樹脂を材料として構成された樹脂成型品である。外側ガイド部材71及び内側ガイド部材72は、補強フレーム80とともに排出ユニット60の筐体を構成する。外側ガイド部材71の上部71Bが排出ユニット60の筐体の上側部分を構成し、外側ガイド部材71の後背部71Cが排出ユニット60の筐体の背面側部分を構成する。また、内側ガイド部材72の前面部72Bが排出ユニット60の筐体の前面側部分を構成する。
【0025】
図4に示すように、内側ガイド部材72の左右方向8の両端部に被支持部67,68が形成されている。被支持部67は内側ガイド部材72の左端部に一体に形成されており、被支持部68は内側ガイド部材72の右端部に一体に形成されている。外側ガイド部材71は、図示しない固定具によって、被支持部67,68に固定されている。また、被支持部67,68は、排出ユニット60に用いられる各種部品を取り付けるための取付座の役割と、排出ユニット60が筐体14に取り付けられて固定されるための取付座の役割とを担う。本実施形態では、被支持部67に排出用モーター64が取り付けられる。
図6及び
図7に示すように、被支持部67,68には、筐体14への取り付けに用いられる複数の円筒状のボス69(69A,69B)が形成されている。被支持部67のボス69Aは、被支持部67の側面から左方向へ突出しており、その内部にネジ穴が形成されている。また、被支持部68のボス69Bは、被支持部68の側面から右方向へ突出しており、その内部にネジ穴が形成されている。ボス69の個数は、筐体14に対する取り付け強度などに応じて定められる。本実施形態では、被支持部67に二つのボス69Aが形成されており、被支持部68に二つのボス69Bが形成されている。なお、排出用モーター64の取付機構、及び筐体14に対する排出ユニット60の取付機構については後述する。
【0026】
一対の排出ローラー対77は、排出路61内の印刷用紙を用紙排出口22から外部へ排出する。排出ローラー対77は、用紙排出口22の近傍に設けられており、具体的には、用紙排出口22よりも印刷用紙の搬送方向の上流側に設けられている。
図3に示すように、本実施形態では、排出ローラー対77は、左右方向8へ所定間隔を隔てて複数設けられており、具体的には、4つの排出ローラー対77が左右方向8に並んで配置されている。
【0027】
排出ローラー対77は、互いに圧接された駆動ローラー77A及び従動ローラー77Bにより構成される。駆動ローラー77A及び従動ローラー77Bは、排出路61を挟んで互いに対向するように配置されている。駆動ローラー77Aは、内側ガイド部材72の上端部72Bに回転可能に支持されている。駆動ローラー77Aには、排出用モーター64(
図7参照)からギヤなどの不図示の伝達機構を介して回転駆動力が伝達される。前記回転駆動力が伝達されると、駆動ローラー77Aは、入力される回転駆動力に応じた回転方向へ回転する。従動ローラー77Bは、外側ガイド部材71の上部71Bに回転可能に支持されている。従動ローラー77Bは、コイルバネなどの弾性部材(不図示)によって駆動ローラー77A側へ付勢されている。これにより、従動ローラー77Bは、常時、適度な弾性付勢力で駆動ローラー77Aの表面に圧接されている。したがって、駆動ローラー77Aが回転駆動されると、接触摩擦によって従動ローラー77Bが従動する。
【0028】
搬送ローラー39は、搬送路28から搬送される印刷用紙を排出路61へ向けて搬送する。搬送ローラー39は、内側ガイド部材72の下端部72Cに回転可能に支持されている。搬送ローラー39は、排出用モーター64(
図7参照)からギヤなどの不図示の伝達機構を介して回転駆動力が伝達される。排出ユニット60が筐体14に取り付けられた状態で、搬送ローラー39と従動ローラー38とが圧接される。したがって、搬送ローラー39が回転駆動されると、接触摩擦によって従動ローラー38が従動する。搬送ローラー39と従動ローラー38とのニップ部に印刷用紙が到達すると、印刷用紙が前記ニップ部に挟持されつつ搬送される。
【0029】
図5に示すように、外側ガイド部材71に押圧部材74が設けられている。押圧部材74は、外側ガイド部材71の上部71Bに取り付けられている。押圧部材74は、用紙排出口22よりも印刷用紙の排出方向の上流側で上部71Bに取り付けられている。押圧部材74は、外側ガイド部材71の上部71Bから排出路61へ向けて突出している。言い換えると、押圧部材74は、上部71Bから排出路61において印刷用紙が搬送される排出方向に交差する方向へ突出している。このため、排出路61を搬送される印刷用紙に対して、押圧部材74は接触することができる。排出路61へ突出した押圧部材74の突出部75は、排出路61を通る印刷用紙の上面に接触して押圧する。これにより、押圧部材74は、印刷用紙を湾曲状に変形させて、印刷用紙に腰を付ける。本実施形態では、3つの押圧部材74が設けられており、各押圧部材74は、画像形成装置10を前方から見て、4つの駆動ローラー77Aそれぞれの間隔の中央に対応する位置に配置されている。これら複数の押圧部材74に押圧されることにより、印刷用紙は波状に湾曲される。
【0030】
押圧部材74は、外側ガイド部材71の上部71Bから排出路61側へ離反する方向(離反方向)へ変位可能なように、上部71Bに支持されている。前記離反方向は、
図5における下方向である。外側ガイド部材71の上側表面に開口65が形成されている。開口65は、外側ガイド部材71の上部71Bを上下方向6に貫通する。押圧部材74は、開口65に一部が埋没した状態で取り付けられている。押圧部材74は、開口65から排出路61側へ挿通される突出部75を有しており、その突出部75が開口65に挿通されて排出路61に突出している。突出部75は、上下方向6へ変位可能なように外側ガイド部材71の上部71Bに支持されている。
【0031】
押圧部材74は、2つのアーム76を有する。各アーム76は、印刷用紙に接触される突出部75に設けられている。2つのアーム76は、突出部75の前後方向7の両端部それぞれから上方へ延びている。各アーム76に下向きの鉤状のフック76Aが形成されている。各アーム76及びアーム76の基端部が開口65に埋没されている。外側ガイド部材71の上部71Bには、前後方向7に隔てられた一対の支持プレート53,54が設けられている。支持プレート53は開口65の後方側の縁部から上方へ延びており、支持プレート54は開口65の前方側の縁部から上方へ延びている。各支持プレート53,54には、前後方向7に貫通する貫通孔55が形成されている。貫通孔55は、上下方向6に長い長孔である。貫通孔55にフック76Aが挿通されることにより、押圧部材74が開口65から上下方向6へ変位可能に支持される。なお、押圧部材74は、貫通孔55の上下方向6の長さを限度に、上下方向6へ変位可能である。つまり、押圧部材74の変位量は貫通孔55の上下方向6の長さによって決定される。また、排出路61への突出部75の突出量は、印刷用紙を湾曲させる度合いに応じて決定される。
【0032】
押圧部材74は、バネなどの弾性部材56によって下方へ弾性付勢されている。弾性部材56によって弾性付勢されることにより、搬送される印刷用紙を押しつける力が押圧部材74に生じる。具体的には、複数の押圧部材74それぞれは、外側ガイド部材71の上部71Bから下方へ離れる方向へ弾性部材56によって付勢されている。
図5に示すように、押圧部材74の突出部75の上面(前記離反方向とは反対側の面)に弾性部材56の下方の一端が支持されている。突出部75の上面には、弾性部材56の下方の一端を外嵌するように保持する円筒状の支持部75Aが設けられている。弾性部材56の下方の一端が支持部75Aに挿入されることによって、弾性部材56の下側端部が支持される。
【0033】
本実施形態では、弾性部材56として、導電性を有する金属ワイヤーからなるコイルバネ、或いは導電性を有する金属板からなる板バネが用いられる。なお、弾性部材56は、押圧部材74を下方へ弾性付勢するものであればバネに限られない。また、導電性を有するものであれば、金属材料で構成されたものに限られない。
【0034】
[補強フレーム80]
補強フレーム80は、排出ユニット60の剛性を上げて強度を強くするためのものである。補強フレーム80は、板金材料で構成されている。
図3及び
図4に示すように、補強フレーム80は、排出ユニット60の背面側から外側ガイド部材71を覆うように配置される。本実施形態では、
図5に示すように、補強フレーム80は、外側ガイド部材71において押圧部材74が取り付けられた部分、つまり、外側ガイド部材71の上部71Bにおいて押圧部材74の取り付け位置に対応する上面を覆っている。上述したように、押圧部材74に弾性部材56が設けられているため、上部71Bが補強フレーム80で覆われた状態で、弾性部材56の上方の端部が補強フレーム80の内面に当接して支持される。この状態で、押圧部材74は、弾性部材56を介して補強フレーム80に間接的に接触する。また、弾性部材56は導電性を有しており、押圧部材74及び補強フレーム80も導電性を有している。したがって、弾性部材56が押圧部材74及び補強フレーム80それぞれと接触することにより、押圧部材74は、補強フレーム80との間で電荷の移動が可能な状態となる。そのため、押圧部材74に帯電した電荷は、弾性部材56を通じて補強フレーム80に移動可能である。
【0035】
補強フレーム80は、外側ガイド部材71を外側(
図5における後方側)から覆った状態で、内側ガイド部材72とともに筐体14のサイドフレーム14A,14Bに固定される。これにより、補強フレーム80は、排出ユニット60を補強する。上述したように、サイドフレーム14Aは導電性を有しており、また、アース線によって接地されている。そのため、補強フレーム80がサイドフレーム14A,14Bに固定されるときに電気的に接触するため、押圧部材74から補強フレーム80に移動した電荷はサイドフレーム14Aから大地に移動する。これにより、押圧部材74の帯電が防止される。
【0036】
以下、補強フレーム80について詳述する。
図6乃至
図8に示すように、補強フレーム80は、排出ユニット60と同様に左右方向8に長い形状に形成されている。補強フレーム80は、一枚の板金材料が切断及び屈曲加工されて形成される。本実施形態の補強フレーム80は、ベースプレート82(第2プレートの一例)と、アッパープレート81(第1プレートの一例)と、サイドプレート83(第3プレートの一例)とによって構成されている。補強フレーム80は、これらの各プレート81〜83が一体に形成されている。
【0037】
アッパープレート81は、排出ユニット60が筐体14に装着された状態で、左右方向8へ延びる細長い板部材である。
図4及び
図5に示すように、アッパープレート81は、外側ガイド部材71の上部71Bの上面を覆っている。また、
図5に示すように、アッパープレート81が、上部71Bにおいて押圧部材74の取り付け位置に対応する上面を覆っている。このアッパープレート81に弾性部材56の上側の端部が支持される。
【0038】
ベースプレート82は、アッパープレート81の後端部に連接しており、アッパープレート81の後端部から鉛直下方へ延びる板部材である。
図6及び
図7に示すように、ベースプレート82は、外側ガイド部材71の後背面(後方側の側面)を覆うことができるように、外側ガイド部材71の後背面と概ね同面積の大きさに形成されている。ベースプレート82は、左右方向8へ延びる3本の補強リブ82Aが形成されており、ベースプレート82自体の剛性が強化されている。
【0039】
サイドプレート83は、補強フレーム80の左右方向8の両端部それぞれに形成されている。補強フレーム80の左端部にサイドプレート83Aが形成されており、右端部にサイドプレート83Bが形成されている。サイドプレート83A,83Bは、いずれも、アッパープレート81及びベースプレート82それぞれに連接している。サイドプレート83Aは、サイドプレート83Bよりも大きく形成されている。サイドプレート83Aは、被支持部67に排出用モーター64が取り付けられた状態で、排出用モーター64を覆う。本実施形態では、サイドプレート83Aは、排出用モーター64を覆った状態で、排出ユニット60の被支持部67とともに筐体14のサイドフレーム14Aに固定される。また、サイドプレート83Bは、被支持部68を覆った状態で被支持部68とともに筐体14のサイドフレーム14Bに固定される。
【0040】
サイドプレート83Aには、被支持部67の二つのボス69Aに対応する位置に二つの貫通穴84Aが形成されている。また、サイドプレート83Bには、被支持部68の二つのボス69Bに対応する位置に二つの貫通穴84Bが形成されている。
【0041】
図9に示すように、被支持部68とともにサイドプレート83Bがサイドフレーム14Bに取り付けられる。ここで、
図9には、補強フレーム80及び排出ユニット60が筐体14に取り付けられた状態が示されている。サイドフレーム14Bには、被支持部68及びサイドプレート83Bを取り付けるための取付穴44Bが形成されている。取付穴44Bは、サイドフレーム14Bに2箇所形成されている。各取付穴44Bにボス69Bが挿通される。なお、被支持部67は、サイドプレート83Aとともにサイドフレーム14Aに取り付けられる。そのため、サイドフレーム14Aにも、取付穴44Bと同様に、被支持部67及びサイドプレート83Aを取り付けるための取付穴(不図示)が形成されている。
【0042】
図10に示すように、排出ユニット60の長手方向の一方の側面に排出用モーター64が取り付けられている。ここで、
図10は、補強フレーム80及び排出ユニット60が筐体14に取り付けられた状態における補強フレーム80と排出ユニット60との位置関係を示している。また、
図10には、排出ユニット60の左端部側が部分的に示されている。
図10では、説明の便宜上、サイドプレート83Aの図示が部分的に省略されており、省略された部分が破線で示されている。
図10に示すように、被支持部67の側面に排出用モーター64が取り付けられている。排出用モーター64は、被支持部67の側面にブラケット87を介して取り付けられている。ブラケット87は、板金材料で構成されており、排出用モーター64を固定するためのネジ穴や、ブラケット87を被支持部67に固定するための取付穴などが形成されている。ブラケット87は、ネジなどの固定具によって被支持部67に固定されている。そして、そのブラケット87に排出用モーター64がネジなどの固定具によって固定されている。これにより、排出用モーター64が、ブラケット87を介して被支持部67に固定される。本実施形態では、補強フレーム80及び排出ユニット60が筐体14に取り付けられた状態で、サイドプレート83Aは、被支持部67の側面を排出モーター64の外側から覆っている。
【0043】
なお、
図10に示すように、ブラケット87は、排出用モーター64に比べて大きく形成されており、また、排出モーター64はブラケット87の表面に面接触するように取り付けられている。このため、排出用モーター64が回転したときに生じる熱は、ブラケット87に伝達される。そして、後述するように、ブラケット87とサイドプレート83Aとが連接しているため、ブラケット87に伝達した熱はサイドプレート83Aに伝わる。これにより、排出用モーター64の熱が分散されるため、効率の良い放熱が実現できる。
【0044】
図7に示すように、サイドプレート83Aには、段差部88が設けられている。段差部88は、サイドプレート83Aの後端部から右側へ垂直に延びる第1段差面88Aと、第1段差面88Aから後方へ垂直に延びてベースプレート82の左端部に接合する第2段差面88Bとを有する。第2段差面88Bとサイドプレート83Aとの間隔は、ブラケット87と排出用モーター64の外側表面との間隔と概ね同じである。本実施形態では、
図10に示されるように、補強フレーム80及び排出ユニット60が筐体14に取り付けられた状態で、ブラケット87は、サイドプレート83Aに連接されている。具体的には、ブラケット87は、サイドプレート83Aの第2段差面88Bに連接される。ブラケット87にはネジ穴87が形成されており、第2段差面88Bには貫通穴89が形成されている。補強フレーム80及び排出ユニット60が筐体14に取り付けられる際に、ブラケット87に対してサイドプレート83Aが合わせられ、このときに第2段差面88Bがブラケット87の表面に面接触する。この状態で、ネジなどの固定部を用いて貫通穴89とネジ穴87とを締結する。これにより、ブラケット87と、サイドプレート83Aとが面接触した状態で連接する。このため、ブラケット87からサイドプレート83Aへ熱伝達が可能となり、また、電荷の移動が可能となる。
【0045】
このように構成された補強フレーム80及び排出ユニット60は、次の要領で筐体14のサイドフレーム14A,14Bに取り付けられる。まず、排出ユニット60に補強フレーム80が仮固定される。具体的には、補強フレーム80のサイドプレート83A,83Bが広げられた状態で補強フレーム80が排出ユニット60の後背面に装着される。このとき、被支持部67のボス69Aがサイドプレート83Aの貫通穴84Aに挿通され、被支持部68のボス69Bがサイドプレート83Bの貫通穴84Bに挿通される。次に、補強フレーム80が仮固定された状態で、排出ユニット60の両端部がサイドフレーム14A,14Bに固定される。具体的には、被支持部67,68それぞれのボス69A,69Bが、対応するサイドフレーム14A,14Bの取付穴に挿通される。その後、サイドフレーム14A,14Bの外側からネジなどの固定具がボス69A,69Bに締結される。これにより、補強フレーム80及び排出ユニット60がサイドフレーム14A,14Bに固定される。
【0046】
上述したように、補強フレーム80及び排出ユニット60が構成されているため、これらが筐体14に取り付けられた状態で、押圧部材74に帯電した電荷を移動させて、押圧部材74の帯電量を下げることができる。これにより、押圧部材74における放電が防止される。また、排出路61を搬送する印刷用紙に静電気が帯電していた場合でも、印刷用紙が押圧部材74に到達して接触することにより、押圧部材74の接触部分に帯電していた電荷を押圧部材74から弾性部材56、補強フレーム80、サイドフレーム14Aを通じて大地に移動させることができる。これにより、印刷用紙の帯電量を低下させることができる。また、補強フレーム80は、アッパープレート81、ベースプレート82、サイドプレート83によって排出ユニット60を囲むように覆うため、排出ユニット60の剛性を上げて強度を強くすることができる。また、仮に、用紙排出口22の近傍で静電気の放電が生じたとして、板金からなる補強フレーム80が設けられているため、電磁シールドの役割を果たすことにより、補強フレーム80の外側への静電気の放電による電波ノイズの放射を防ぐことができる。すなわち、本実施形態の画像形成装置10によれば、排出ユニット60の剛性を向上させつつ、用紙排出口22付近における静電気の帯電量を低下させることができ、ひいては、静電気の放電に起因するノイズ障害を防止することができる。
【0047】
また、内部ガイド部材72の被支持部67にブラケット87を介して排出用モーター64が取り付けられており、更にその外側に補強フレーム80のサイドプレート83Aが設けられている。そのため、排出用モーター64で生じた熱をサイドプレート
83Aを通じて効果的に放熱することができる。また、ブラケット87とサイドプレート83Aが連接されているため、排出用モーター64に溜まった静電気も大地に移動させることができる。
【0048】
また、上述の実施形態では、定着部19から搬送路28及び排出路61を経て印刷用紙が用紙排出口22から排出される。そのため、定着部19の加熱ローラー41で生じた熱は、周辺の空気と共に上昇して、搬送路28及び排出路61を通る。このとき、ガイド部材71,72を介して間接的に、或いは直接的に補強フレーム80にも熱が伝達されることにより、高い放熱効果を得ることができ、排出路61周辺の高温化を防止することができる。
【0049】
なお、上述の実施形態では、弾性部材56を介して押圧部材74と補強フレーム80とを間接的に接触させることとしたが、押圧部材74を補強フレーム80に直接接触させるようにしてもよい。
【0050】
また、上述の実施形態では、押圧部材74が導電性を有するものとしたが、本発明はこれに限られない。押圧部材74が導電性を有しないものであってもよい。この場合、押圧部材74に帯電した電荷の移動は期待できないが、押圧部材74の周辺で静電気の放電が生じた場合に、その放電による電波ノイズを補強フレーム80で遮蔽することができる。