(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記像担持体ユニット及び前記現像装置は、異なる色に対応してそれぞれ複数個設けられており、前記現像装置移動機構は、複数の前記現像装置を前記現像位置または前記離間位置のいずれかに同時に配置可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記像担持体ユニット及び前記現像装置は、前記ユニット支持フレームに対する装着状態を個別に保持するとともに保持を解除可能なロック機構を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。画像形成装置100は、本実施形態では、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエローおよびブラック)に対応する4つの感光体ドラム1a、1b、1cおよび1dを並列配置して画像形成を行う、4連タンデム型のカラープリンターで構成されている。
【0014】
画像形成装置100の装置本体内には、4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、
図1では左側から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエローおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックの画像を順次形成する。
【0015】
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する上記した感光体ドラム1a〜1dがそれぞれ配設されており、さらに
図1において反時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次転写された後、二次転写ローラー9において用紙P上に一度に転写され、さらに、定着装置13において用紙P上に定着された後、画像形成装置100より排出される。感光体ドラム1a〜1dを
図1において時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0016】
トナー像が転写される用紙Pは、画像形成装置100内の下部に配置された用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、主に継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。中間転写ベルト8および二次転写ローラー9は、ベルト駆動モーター(図示せず)により感光体ドラム1a〜1dと同一線速で回転駆動される。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
【0017】
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲および下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2cおよび2dと、各感光体ドラム1a〜1dに対して画像データに基づく露光を行う露光ユニット5と、感光体ドラム1a〜1d上に形成される静電潜像をトナーで現像する現像装置3a、3b、3cおよび3dと、感光体ドラム1a〜1d上でトナー像の転写後に残留した現像剤(トナー)を回収、除去するクリーニング装置7a、7b、7cおよび7dとが設けられている。
【0018】
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット5によって画像データに基づいて光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラー(現像剤担持体)を備え、それぞれマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。
【0019】
なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはコンテナ4a〜4dから各現像装置3a〜3dに現像剤が補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a〜3dにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット5の露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0020】
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧を付与することにより、感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。一次転写ローラー6a〜6dは、一次転写駆動モーター(図示せず)により感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8と同一線速で回転駆動される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング装置7a〜7dにより除去される。
【0021】
中間転写ベルト8は、従動ローラー10及び駆動ローラー11に掛け渡されており、上記ベルト駆動モーターによる駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回り方向に回転を開始すると、用紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9と中間転写ベルト8のニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、ニップ部において用紙P上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着装置13へと搬送される。
【0022】
定着装置13に搬送された用紙Pは、定着ローラー対13aのニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱および加圧されてトナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。用紙Pの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
【0023】
一方、用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着装置13を通過した用紙Pの一部を一旦排出ローラー対15から装置外部にまで突出させる。その後、用紙Pは排出ローラー対15を逆回転させることにより分岐部14で反転搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ローラー9に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が二次転写ローラー9により用紙Pの画像が形成されていない面に転写され、定着装置13に搬送されてトナー像が定着された後、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
【0024】
次に、上述した画像形成部Paの詳細について説明する。なお、画像形成部Pb〜Pdについては、基本的に画像形成部Paと同様の構成であるため、その詳細な説明を省略する。
図2は、
図1における画像形成部Pa付近を拡大して示す断面図である。感光体ドラム1aの周囲には、ドラム回転方向(
図2の時計回り方向)に沿って、上述した帯電装置2a、現像装置3a、一次転写ローラー6a、クリーニング装置7aが配設されている。このうち、一次転写ローラー6aは、中間転写ベルト8を挟んで感光体ドラム1aと対向する位置に配置されている。
【0025】
また、感光体ドラム1aと、帯電装置2aと、クリーニング装置7aとはユニット化されている。なお、各画像形成部Pa〜Pdにおいて、感光体ドラム1a〜1dと、帯電装置2a〜2dと、クリーニング装置7a〜7dとから成るユニットを、以下ではドラムユニット40a〜40dと称する。
【0026】
帯電装置2aは、感光体ドラム1aに接触してドラム表面に帯電バイアスを印加する帯電ローラー21と、帯電ローラー21をクリーニングするための帯電クリーニングローラー23とを有している。現像装置3aは、攪拌搬送スクリュー25a、供給搬送スクリュー25bから成る2本の攪拌搬送部材と、磁気ローラー27とを有し、磁気ローラー27の表面に担持された二成分現像剤(磁気ブラシ)を感光体ドラム1a表面に接触させて静電潜像をトナー像に現像する。
【0027】
クリーニング装置7aは、摺擦ローラー(研磨部材)30、クリーニングブレード31、および回収スパイラル33を有している。摺擦ローラー30は、感光体ドラム1aに所定の圧力で圧接されており、ドラムクリーニングモーター(図示せず)により感光体ドラム1aとの当接面において同一方向に回転駆動されるが、その線速は感光体ドラム1aの線速よりも速く(ここでは1.2倍)制御されている。摺擦ローラー30としては、例えば金属シャフトの周囲にローラー体としてEPDMゴム製でアスカーC硬度が55°の発泡体層を形成した構造が挙げられる。ローラー体の材質としてはEPDMゴムに限定されず、他の材質のゴムや発泡ゴム体であっても良く、アスカーC硬度が10〜90°の範囲のものが好適に使用される。
【0028】
なお、アスカーCとは、日本ゴム協会標準規格に規定されたデュロメーター(スプリング式硬度計)の一つで、硬さを測定するための測定器のことである。アスカーC硬度とは、上記の測定器で測定された硬度を指し、数値が大きいほど硬い材料であることを示す。
【0029】
感光体ドラム1a表面の、摺擦ローラー30との当接面よりも回転方向下流側には、クリーニングブレード31が感光体ドラム1aに当接した状態で固定されている。クリーニングブレード31としては、例えばJIS硬度が78°のポリウレタンゴム製のブレードが用いられ、その当接点において感光体接線方向に対し所定の角度で取り付けられている。なお、クリーニングブレード31の材質および硬度、寸法、感光体ドラム1aへの食い込み量および圧接力等は、感光体ドラム1aの仕様に応じて適宜設定される。なお、JIS硬度とは、日本工業規格(JIS;Japanese Industrial Standards )で規定された硬度を指す。
【0030】
摺擦ローラー30およびクリーニングブレード31によって感光体ドラム1a表面から除去された残留トナーは、回収スパイラル33の回転に伴ってクリーニング装置7a(
図2参照)の外部に排出される。本発明に用いられるトナーとしては、トナー粒子表面にシリカ、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等から選択される研磨剤が埋め込まれて表面に一部突出するように保持されたものや、研磨剤がトナー表面に静電的に付着しているものが用いられる。
【0031】
このように摺擦ローラー30を感光体ドラム1aに対し速度差を持って回転させることで研磨剤を含む残留トナーによって感光体ドラム1aの表面を研磨し、摺擦ローラー30およびクリーニングブレード31によってドラム表面の水分や放電生成物等を残留トナーと共に除去する。
【0032】
なお、画像形成装置100の本体内部のレイアウトは、感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8の回転方向や、用紙Pの搬送経路を適切に設定できるのであれば、適宜変更可能である。例えば、感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8の回転方向を、本実施形態とは逆にするとともに、ドラムユニット40a〜40dと現像装置3a〜3dとの位置関係を、本実施形態とは逆にし、これに合わせて用紙Pの搬送経路を設定することも勿論可能である。
【0033】
図3は、現像装置3aを画像形成装置100への挿入方向上流側から見た外観斜視図である。なお、現像装置3b〜3dについては、基本的に現像装置3aと同様の構成であるため説明を省略する。現像装置3aは、上述した2本の攪拌搬送スクリュー25(
図2参照)、磁気ローラー27を現像容器50の内部に有しており、磁気ローラー27の外周面の一部が現像容器50から露出している。現像容器50には現像ホルダー105aの現像剤補給路106(
図7参照)と接続される現像剤補給口50aが形成されている。この現像剤補給口50aを介して対応する色(ここではマゼンタ)のトナーを含む現像剤が現像装置3aの内部に供給され、静電潜像の現像に供される。また、現像装置3aの背面側には現像装置3a内の余剰の現像剤を排出する現像剤排出部50eが形成されている。現像剤排出部50eから排出された現像剤は、現像剤回収機構110(
図9参照)を介して現像剤回収容器(図示せず)に搬送される。現像剤排出部50eの詳細な構成については後述する。
【0034】
現像装置3aの前面側には、現像装置3aを画像形成装置100内へ挿入したときユニット支持フレーム103(
図7参照)と係合する係合爪35と、係合爪35の係合を解除するロック解除レバー37とが設けられている。係合爪35及びロック解除レバー37は、現像装置3aを装着状態で保持するとともに保持を解除可能なロック機構を構成する。また、現像装置3aの前面側の右下部には、ユニット支持フレーム103の第1揺動支点99a(
図7参照)に回転可能に嵌合する軸受部39が設けられている。
【0035】
図4は、現像装置3aに隣接して配置されるドラムユニット40aを画像形成装置100への挿入方向上流側から見た外観斜視図である。なお、ドラムユニット40b〜40dについては、基本的にドラムユニット40aと同様の構成であるため説明を省略する。ドラムユニット40aの前面及び後面からは、感光体ドラム1aの回転軸であるドラム軸1a
1が突出している。ドラムユニット40aの前面から突出するドラム軸1a
1は、画像形成装置100の前面側の開閉カバー(図示せず)の内側に配置されたリテーナー85の軸受孔87a(
図8参照)に嵌合する。一方、ドラムユニット40aの後面から突出するドラム軸1a
1(
図4では不図示)は、画像形成装置100の背面側フレーム102(
図6参照)の軸受孔に嵌合する。
【0036】
ドラムユニット40aの後面には回収スパイラル33(
図2参照)の軸方向に連続してトナー排出部41が突設されている。クリーニング装置7aにより感光体ドラム1aの表面から回収された廃棄トナーは、回収スパイラル33の回転によってトナー排出部41から排出され、現像剤回収機構110(
図9参照)を介して現像剤回収容器(図示せず)に搬送される。
【0037】
さらに、ドラムユニット40aの前面には、ドラムユニット40aを画像形成装置100内へ挿入したときユニット支持フレーム103(
図7参照)と係合する係合爪(図示せず)の係合を解除するロック解除レバー47とが設けられている。係合爪及びロック解除レバー47は、ドラムユニット40aを装着状態で保持するとともに保持を解除可能なロック機構を構成する。
【0038】
次に、現像装置3a〜3dの攪拌部について詳述する。
図5は、現像装置3a〜3dの攪拌部を示す平面断面図である。現像容器50の内部には、仕切壁50bによって、攪拌搬送室50cと、供給搬送室50dと、現像剤通過路70a、70bが形成され、その他に、現像剤補給口50aと、現像剤排出部50eとが形成されている。なお、攪拌搬送室50cにおいて、
図5の左側を上流側、
図5の右側を下流側とし、また、供給搬送室50dにおいて、
図5の右側を上流側、
図5の左側を下流側とする。従って、現像剤通過路70a、70bは、供給搬送室50dを基準として、上流側及び下流側と呼称している。
【0039】
仕切壁50bは、現像容器50の長手方向に延びて攪拌搬送室50cと供給搬送室50dを並列させるように仕切っている。仕切壁50bの長手方向の右側端部は、現像容器50の内壁部とともに上流側の現像剤通過路70aを形成し、一方、仕切壁50bの長手方向の左側端部は、現像容器50の内壁部とともに下流側の現像剤通過路70bを形成している。そして現像剤は、攪拌搬送室50c、現像剤通過路70a、供給搬送室50d、及び現像剤通過路70b内を循環することが可能である。
【0040】
現像剤補給口50aは、現像容器50の上部に設けられたコンテナ4a〜4d(
図1参照)から現像ホルダー105aの現像剤補給路106(
図7参照)を介して新たな現像剤を現像容器50内に補給するための開口であり、攪拌搬送室50cの上流側(
図5の左側)に配置される。
【0041】
現像剤排出部50eは、現像剤の補給によって、攪拌搬送室50c、供給搬送室50d内で余剰となった現像剤を排出するための開口であり、供給搬送室50dの下流側で供給搬送室50dの長手方向に連続して設けられる。
【0042】
攪拌搬送室50c内には攪拌搬送スクリュー25aが配設され、供給搬送室50d内には供給搬送スクリュー25bが配設されている。攪拌搬送スクリュー25aは、回転軸71aと、回転軸71aに一体に設けられ、回転軸71aの軸方向に一定のピッチで螺旋状に形成される螺旋羽根73aとを有する。供給搬送スクリュー25bは、回転軸71bと、回転軸71bに一体に設けられ、回転軸71bの軸方向に一定のピッチで螺旋状に形成される螺旋羽根73bとを有する。また、供給搬送スクリュー25bの螺旋羽根73bは、攪拌搬送スクリュー25aの螺旋羽根73aと同じピッチで逆方向を向く(逆位相の)羽根で螺旋状に形成される。攪拌搬送スクリュー25a、供給搬送スクリュー25bの回転軸71a、71bは、現像容器50の長手方向両端側の壁部に回転可能に軸支されている。
【0043】
また、供給搬送スクリュー25bの回転軸71bには、螺旋羽根73bとともに、規制部75及び排出羽根77が一体に配設されている。
【0044】
規制部75は、供給搬送室50d内で下流側に搬送された現像剤を塞き止め、且つ、所定量以上になった現像剤を現像剤排出部50eに搬送するためのものである。規制部75は、螺旋羽根43bと逆方向を向く(逆位相の)羽根で螺旋状に形成され、且つ、螺旋羽根73bの外径と略同じで螺旋羽根73bのピッチより小さく設定されている。また、現像容器50の内壁部と規制部75の外周縁との間には所定量の隙間が形成されている。この隙間から余剰の現像剤が現像剤排出部50eに排出されることになる。
【0045】
回転軸71bは現像剤排出部50e内まで延びている。現像剤排出部50e内の回転軸71bには排出羽根77が設けられている。排出羽根77は、螺旋羽根73bと同じ方向を向く螺旋状の羽根からなるが、螺旋羽根73bよりピッチが小さく、また羽根の外径が小さくなっている。従って、回転軸71bが回転すると、排出羽根77も回転し、規制部75を乗り越えて現像剤排出部50e内に搬送された余剰現像剤は、
図5の左側に送られて、現像容器50の外部に排出されるようになっている。なお、排出羽根77、規制部75、及び螺旋羽根73bは合成樹脂によって回転軸71bと一体に成型される。
【0046】
現像容器50の外壁には、歯車61〜64が配設されている。歯車61、62は回転軸71aに固着され、歯車64は回転軸71bに固着され、歯車63は、現像容器50に回転可能に保持されて、歯車62、64に噛合している。
【0047】
新たに現像剤を補給していない現像時には、モーター等の駆動源によって、歯車61が回転すると、攪拌搬送スクリュー25aが回転し、攪拌搬送室50c内の現像剤は矢印P方向に搬送され、現像剤通過路70aを通って供給搬送室50d内に搬送される。更に、攪拌搬送スクリュー25aの駆動力が歯車62〜64を介して供給搬送スクリュー25bに伝達され、供給搬送スクリュー25bが回転すると、供給搬送室50d内の現像剤は矢印Q方向に搬送される。従って、現像剤はその嵩高を大きく変動させながら攪拌搬送室50cから上流側の現像剤通過路70aを通って供給搬送室50d内に搬送され、規制部75を乗り越えることなく、下流側の現像剤通過路70bを通って攪拌搬送室50cに搬送される。
【0048】
このように、現像剤は攪拌搬送室50cから、現像剤通過路70a、供給搬送室50d、及び現像剤通過路70bと循環しながら攪拌されて、攪拌された現像剤が磁気ローラー27(
図2参照)に供給される。
【0049】
次に、現像剤補給口50aから新たな現像剤が補給される場合について説明する。現像によってトナーが消費されると、現像剤補給口50aから攪拌搬送室50c内にキャリアを含む現像剤が補給される。
【0050】
補給された現像剤は、現像時と同様に、攪拌搬送スクリュー25aによって、攪拌搬送室50c内を矢印P方向に搬送され、その後、上流側の現像剤通過路70aを通って供給搬送室50d内に搬送される。更に、供給搬送室50d内の現像剤は、供給搬送スクリュー25bによって矢印Q方向に搬送される。供給搬送スクリュー25bの回転にともなって規制部75が回転すると、規制部75によって、螺旋羽根73bの現像剤搬送方向(矢印Q方向)とは逆方向の搬送力が現像剤に付与される。この規制部75によって現像剤が塞き止められて嵩高となり、余剰の現像剤が規制部75を乗り越えて、現像剤排出部50eを介して現像容器50の外部に排出される。
【0051】
図6は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100において、現像装置3a〜3d及びドラムユニット40a〜40dが画像形成装置100内に装着された状態を示す斜視図、
図7は、第1実施形態の画像形成装置100に用いられる現像装置3a〜3d及びドラムユニット40a〜40dを支持するユニット支持フレーム103の斜視図、
図8は、第1実施形態の画像形成装置100においてリテーナー85を開放した状態における現像装置3a〜3d及びドラムユニット40a〜40dとリテーナー85との連結部分の拡大斜視図である。
【0052】
現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dは、前面側フレーム101と背面側フレーム102に橋渡し状に連結されたユニット支持フレーム103に着脱可能に支持されている。以下、現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dを画像形成装置100本体に装着する方向(矢印Z1方向)を第1の方向、現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dを画像形成装置100本体から引き出す方向(矢印Z2方向)を第2の方向と称する。
【0053】
リテーナー85は、下端部に設けられたヒンジ部86a〜86eを支点として、前面側フレーム101に対し上下方向に回動可能に支持されており、前面側フレーム101に形成された開口部101aを開閉する。リテーナー85には、ドラム軸1a
1、1b
1、1c
1、1d
1の一端の位置決めを行う位置決め板87が保持されている。ヒンジ部86a〜86eを支点としてリテーナー85を回動させることにより、位置決め板87の軸受孔87a〜87dに対してドラム軸1a
1、1b
1、1c
1、1d
1を相対的に挿抜させる。
【0054】
リテーナー85の表面側中央部には取っ手部85aが設けられており、リテーナー85の裏面側両端部には位置決め凸部85bが設けられている。位置決め凸部85bは、前面側フレーム101の位置決め穴101bに嵌め込まれ、画像形成装置100本体に対するリテーナー85の位置決めを行う。
【0055】
前面側フレーム101の開口部101a近傍にはロックピン101cが設けられている。ロックピン101cは、リテーナー85の両側端に設けられた係合穴部85c内のフック89(
図11参照)に係合する係合部材である。フック89は、図示しないバネによりロックピン101cと係合する回動方向に付勢されている。なお、フック89が固定される回動軸89a(
図11参照)は、リテーナー85の回動軸(ヒンジ部86a〜86eを通る軸)と平行に設けられている。
【0056】
取っ手部85aは、フック89の回動軸89aと連動するように設けられており、取っ手部85aを把持することで、シャフト89aが回転してフック89が揺動し、フック89とロックピン101cとの係合が解除され、リテーナー85を回動可能となる。
【0057】
ユニット支持フレーム103には、現像装置3a〜3dの底面を支持する4つの台座部97が画像形成装置100の前後方向(矢印Z1−Z2方向)に沿って設けられている。また、各台座部97に支持された各現像装置3a〜3dの長手方向と直交する方向の一端(
図7の左端)を昇降させるローラー接離カム98が設けられている。ローラー接離カム98は、各台座部97において画像形成装置100の前後方向の2箇所に一対ずつ設けられており、一対のローラー接離カム98はカムシャフト(図示せず)により連結されて同方向に同時に回転する。
【0058】
また、ユニット支持フレーム103には、現像装置3a〜3dの前端部(画像形成装置100への挿入方向上流側の端部)に形成された軸受部39が回転可能に係合する第1揺動支点99a、現像装置3a〜3dの後端部(画像形成装置100への挿入方向下流側の端部)が連結される現像ホルダー105a〜105dが設けられている。現像ホルダー105a〜105dは第2揺動支点99bにおいてユニット支持フレーム103に揺動可能に支持されている。この構成により、現像ホルダー105a〜105dに連結された各現像装置3a〜3dは、ローラー接離カム98の回動によって長手方向と直交する方向の一端(
図7の左端)に設けられた第1揺動支点99a、及び第2揺動支点99bを支点として現像ホルダー105a〜105dと共に揺動可能となっている。
【0059】
現像ホルダー105a〜105dには、コンテナ4a〜4d(
図1参照)から現像装置3a〜3dに現像剤を補給する現像剤補給路106や、現像装置3a〜3dの現像剤排出部50eを現像剤回収機構の第2連結部111b(
図9参照)に案内するガイド穴(図示せず)が形成されている。
【0060】
図9は、現像装置3a〜3d及びドラムユニット40a〜40dが連結される現像剤回収機構110の正面図である。現像剤回収機構110は、内部に搬送スクリュー(図示せず)が配置された搬送経路111と、搬送経路111を介して搬送されてきた現像剤が貯留される現像剤回収容器(図示せず)とを有している。また、搬送経路111には各ドラムユニット40a〜40dのトナー排出部41(
図4参照)が連結される4つの第1連結部111aと、各現像装置3a〜3dの現像剤排出部50e(
図3、
図5参照)が連結される4つの第2連結部111bと、現像剤回収容器に連結される第3連結部111cとが形成されている。現像剤回収機構110は、各現像装置3a〜3d及びドラムユニット40a〜40dを挟んで前面側フレーム101と反対側に配置される背面側フレーム102(
図6参照)に支持されている。
【0061】
現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dが画像形成装置100内部に装着された
図6の状態では、ドラムユニット40a〜40dのトナー排出部41は現像剤回収機構110の第1連結部111aに連結されている。また、現像装置3a〜3dの現像剤排出部50eは現像剤回収機構90の第2連結部111bに連結されている。
【0062】
このとき、トナー排出部41に設けられたシャッター部材(図示せず)が第1連結部111aに圧接されることにより移動し、第1連結部91a内でトナー排出口(図示せず)が開放される。また、現像剤排出部50eに設けられたシャッター部材(図示せず)が第2連結部111bに圧接されることにより移動し、第2連結部111b内で現像剤排出口(図示せず)が開放される。
【0063】
また、第2連結部111bは、後述する現像装置3a〜3dの着脱時における揺動を考慮して、内径が現像剤排出部50eの外径よりも大きく形成されており、内周面にはシール部材113が設けられている。これにより、現像ホルダー105a〜105dと共に現像装置3a〜3dが揺動したときに第2連結部111b及び現像剤排出部50eに負荷が掛からず、また第2連結部111bからの現像剤漏れを防止できるようになっている。
【0064】
図10〜
図12は、第1実施形態の画像形成装置100におけるリテーナー85が開口部101aを開放した状態から開口部101aを閉鎖した状態までのリテーナー85及びドラムユニットの側面断面図、
図13は、
図7におけるヒンジ部86d周辺の拡大図、
図14及び
図15は、それぞれリテーナー85が開口部101aを閉鎖した状態、及び開放した状態にあるときの現像装置3d、ドラムユニット40dの正面断面図である。
【0065】
図10に示すように、リテーナー85の裏面側(位置決め板87が装着される側)には、複数のコイルバネ90と、コイルバネ90に内挿されるガイドピン91が設けられている。位置決め板87とガイドピン91との間には所定の隙間(遊び)が設けられており、ガイドピン91の先端には位置決め板87の脱落を防止する抜け止め部材(図示せず)が設けられている。即ち、位置決め板87はリテーナー85に対しガイドピン91に沿って近接または離間する方向に摺動可能に保持されている。
【0066】
また、位置決め板87は、コイルバネ90によってリテーナー85から離間する方向(
図10の上方向)に付勢されている。なお、リテーナー85から位置決め板87が離れる方向に位置決め板87を付勢できるのであれば、コイルバネ90に限定されるわけではなく、例えば板バネであってもよいし、ゴム状の弾性体であってもよい。
【0067】
上記の構成により、位置決め板87は、多少の変位が可能な状態でリテーナー85に保持される。つまり、位置決め板87はリテーナー85に完全に固定されるわけではなく、リテーナー85に対し多少のぐらつき(変位)が生じるように保持される。なお、位置決め板87の変位には、ドラム軸1d
1に対する位置決め板87の平行移動も含まれるし、ドラム軸1d
1に対する位置決め板87の傾きの変化も含まれる。
【0068】
図13に示すように、ヒンジ部86dには、第1ギア93と、第1ギア93に噛み合う第2ギア95が配置されている。第1ギア93及び第2ギア95は、45°の角度でギア歯が形成されたハスバギアであり、第2ギア95は第1ギア93に対し回転軸が直交する方向に噛み合っている。なお、ハスバギアに代えて、第1ギア93及び第2ギア95を互いに回転軸が直交する方向に噛み合うカサ歯ギアで構成することもできる。
【0069】
第1ギア93は、リテーナー85の回動に伴い回転軸93aを中心としてリテーナー85の回動方向(矢印A方向)に回動する。第2ギア95は、回転軸95aを中心として第1ギア93の回転方向と直交する方向(矢印B方向)に回転する。
【0070】
また、
図14に示すように、第2ギア95の回転軸95aにはローラー接離カム98が付設されている。現像装置3dは、リテーナー85を閉鎖した
図7の状態では、ローラー接離カム98とユニット支持フレーム103の台座部97とで磁気ローラー27の軸方向から見た現像容器50の底面の2箇所を支持されている。このとき、磁気ローラー27はドラムユニット40dの感光体ドラム1dに近接した状態に保持されている。
【0071】
次に、必要に応じて
図1〜
図8を参照しながら、
図10〜
図12を用いて第1実施形態の画像形成装置100に対する現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dの着脱動作について説明する。なお、
図10〜
図12はドラムユニット40aのドラム軸1d
1を通る断面を示しており、現像装置3d、ドラムユニット40dの着脱動作を例に挙げて説明するが、現像装置3a〜3c、ドラムユニット40a〜40cの着脱動作についても全く同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0072】
現像装置3d、ドラムユニット40dを画像形成装置100本体から取り外す場合、先ず、画像形成装置100本体の図示しないフロントカバーを開いた後、
図7の状態から取っ手部85aを把持してフック89とロックピン101cとの係合を解除し、リテーナー85を下方向に回動させる。これにより、軸受孔87a〜87dへのドラム軸1a
1〜1d
1の嵌め込み、及び前面側フレーム101の位置決め穴101bへの位置決め凸部85bの嵌め込みも解除される。そして、
図8に示すように、前面側フレーム101の開口部101aが開放されて現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dへのアクセスが可能となる。
【0073】
また、リテーナー85の回動に伴い、第1ギア93及び第2ギア95も所定方向に回転するため、第2ギア95の回転軸95aに付設されたローラー接離カム98も、
図14に示した起立状態から
図15に示す水平状態に回動する。その結果、現像装置3dは台座部97によって磁気ローラー27の軸方向から見た現像容器50の底面の1箇所のみが支持された状態となり、現像装置3dが前側の第1揺動支点99a及び現像ホルダー105dに設けられた後側の第2揺動支点99b(
図7参照)を支点として反時計回り方向に揺動する。これにより、現像装置3dは磁気ローラー27が感光体ドラム1dから退避した位置(離間位置)に配置される。
【0074】
このように、リテーナー85を開放するだけで現像装置3dの磁気ローラー27を感光体ドラム1dから退避させることができるため、現像装置3dまたはドラムユニット40dの引き出し操作によって磁気ローラー27と感光体ドラム1dとが接触せず、感光体ドラム1dや磁気ローラー27の表面を傷付けるおそれがなくなる。従って、現像装置3d、ドラムユニット40dを任意の順序で取り出して交換することが可能となる。
【0075】
例えばドラムユニット40dを取り外す場合は、ロック解除レバー47を押し上げてドラムユニット40dの前側下方に設けられた係合爪とユニット支持フレーム103との係合を解除し、ドラムユニット40dを第2の方向(矢印Z2方向)へ引き出す。また、現像装置3dを取り外す場合は、ロック解除レバー37を押し上げて現像装置3dの前側下方に設けられた係合爪35(
図3参照)とユニット支持フレーム103との係合を解除し、現像装置3dと現像ホルダー105dとの連結を解除した後、現像装置3dを第2の方向(矢印Z2方向)へ引き出す。他のドラムユニット40a〜40c、及び現像装置3a〜3cについても同様に交換可能となる。
【0076】
ドラムユニット40a〜40dの第2の方向への引き出し操作により、ドラムユニット40a〜40dのトナー排出部41と現像剤回収機構90の第1連結部91aとの連結が解除され、トナー排出部41のシャッター部材には第1連結部91aからの圧接力が作用しなくなる。その結果、シャッター部材は、トナー排出部41と第1連結部91aとの連結が解除されると同時に付勢部材(バネ等)の付勢力によってトナー排出口を閉鎖する方向に移動する。
【0077】
同様に、現像装置3a〜3dの第2の方向への引き出し操作により、現像装置3a〜3dの現像剤排出部50eと現像剤回収機構90の第2連結部91bとの連結が解除され、現像剤排出部50eのシャッター部材には第2連結部91bからの圧接力が作用しなくなる。その結果、シャッター部材は、現像剤排出部50eと第2連結部91bとの連結が解除されると同時に付勢部材(バネ等)の付勢力によって現像剤排出口を閉鎖する方向に移動する。
【0078】
なお、各現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dの第1の方向(矢印Z1方向)の下流側の端部には、背面側フレーム102に設けられた本体側コネクターに連結されるユニット側コネクター(いずれも図示せず)が付設されている。本体側コネクターとユニット側コネクターは各現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dと画像形成装置100本体とを電気的に接続するドロワーコネクターを構成する。ドラムユニット40a〜40d、現像装置3a〜3dの第2の方向への引き出し操作により、ドロワーコネクターの連結も解除される。
【0079】
一方、現像装置3d、ドラムユニット40dを画像形成装置100本体に装着する場合は、先ず、第1の方向(矢印Z1方向)に現像装置3d、ドラムユニット40dを挿入する。そして、現像装置3dを現像ホルダー105dに連結されるまで完全に挿入したとき、係合爪35がユニット支持フレーム103と係合することで現像装置3dが装着状態で保持される。また、ドラムユニット40dを完全に挿入したとき、係合爪45がユニット支持フレーム103と係合することでドラムユニット40dが装着状態で保持される。
【0080】
ドラムユニット40a〜40dの第1の方向への挿入操作により、ドラムユニット40a〜40dのトナー排出部41と現像剤回収機構90の第1連結部91aとが連結され、トナー排出部41のシャッター部材は、コイルバネの付勢力に抗してトナー排出口を開放する方向に移動する。
【0081】
同様に、現像装置3a〜3dの第1の方向への挿入操作により、現像装置3a〜3dの現像剤排出部50eと現像剤回収機構90の第2連結部91bとが連結され、現像剤排出部50eのシャッター部材は、コイルバネの付勢力に抗して現像剤排出口を開放する方向に移動する。また、補給口シャッター51が現像剤補給口50a(いずれも
図3参照)を開放する方向に移動する。
【0082】
なお、リテーナー85が開放された状態では、ローラー接離カム98が
図15に示した水平状態となっている。そのため、第1の方向に挿入されて台座部97に支持された現像装置3a〜3dは離間位置に配置されている。しかし、
図15に示した離間位置は、
図14に示した現像位置から磁気ローラー27が感光体ドラム1dから僅かに(約2mm)退避した位置であるため、現像剤排出部50eの位置も現像位置から僅かに移動するだけである。従って、現像剤排出部50eはシール部材113を弾性変形させながら第2連結部111bに挿入される。
【0083】
そして、ドラムユニット40a〜40d及び現像装置3a〜3dの挿入と同時に、本体側コネクターとユニット側コネクターとが連結され、各現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dと画像形成装置100本体とが電気的に接続される。
【0084】
図10の状態からリテーナー85を閉方向(上方向)に回動させていくと、
図11に示すように、フック89の先端がロックピン101cに当接し、ドラム軸1d
1が軸受孔87dに対向する。このとき、ドラム軸1d
1と軸受孔87dの位置が多少ずれている場合はドラム軸1d
1が軸受孔87dの周縁に接触する。しかし、上述したように位置決め板87はリテーナー85に変位可能な状態で保持されている。そのため、軸受孔87dの周縁がドラム軸1d
1に押されることで、コイルバネ90が圧縮されて位置決め板87が揺動し、軸受孔87dへのドラム軸1d
1の挿入が円滑に行われる。
【0085】
そして、
図11の状態からリテーナー85をさらに閉方向に回動させると、フック89がロックピン101cに係合し、リテーナー85が閉状態に保持される。また、位置決め部材87はコイルバネ90によって前面側フレーム101に押圧され、ドラム軸1d
1の位置決めが完了する。さらに、コイルバネ90及び位置決め板87を介して感光体ドラム1a〜1dがグランドに接地される。
【0086】
また、リテーナー85の閉方向への回動に伴い、ローラー接離カム98が水平状態から起立状態へ回動するため、現像装置3dは再びローラー接離カム98と台座部97とで現像容器50の底面の2箇所を支持された状態となり、磁気ローラー27は感光体ドラム1dに対し徐々に接近していく。そして、
図12に示すようにリテーナー85を完全に閉じたとき、現像装置3dは磁気ローラー27が感光体ドラム1dに対し所定距離まで接近した位置(現像位置)に配置され、感光体ドラム1d上の静電潜像を現像可能となる。これにより、
図7の状態に戻る。
【0087】
本実施形態の構成によれば、リテーナー85の開放動作によって現像装置3a〜3dの磁気ローラー27がドラムユニット40a〜40dの感光体ドラム1a〜1dから離間するため、感光体ドラム1a〜1dまたは磁気ローラー27を傷付けることなく現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dを任意の順序で着脱することができる。従って、ドラムユニット40a〜40d、現像装置3a〜3dのメンテナンス作業や交換作業を円滑に行うことができる。また、磁気ローラー27を感光体ドラム1a〜1dから退避させる機構を現像装置3a〜3dに設ける必要がないため、現像装置3a〜3dの構成を簡素化することができる。
【0088】
さらに、現像装置3a〜3dの着脱時に必ず開閉操作されるリテーナー85の回動に連動して、現像装置3a〜3dが現像位置または離間位置に配置されるため、現像装置3a〜3dを取り外す前に離間位置に移動し忘れたり、現像装置3a〜3dを装着した後に現像位置に移動し忘れたりするおそれもなくなる。
【0089】
また、位置決め板87はリテーナー85に対して所定の変位が可能な状態で保持されているため、軸受孔87a〜87dへのドラム軸1a
1〜1d
1の挿入を円滑に行うことができる。
【0090】
さらに、ドラムユニット40a〜40d、現像装置3a〜3dと現像剤回収機構90との連結、または連結解除に伴い、トナー排出部41、現像剤排出部50eが、それぞれシャッター部材によって開閉されるため、トナー排出部41、現像剤排出部50eからのトナー或いは現像剤の漏出を確実に防止することができる。また、現像装置3a〜3dと現像ホルダー105a〜105dとの連結、または連結解除に伴い、現像剤補給口50aが、補給口シャッター51によって開閉されるため、現像剤補給口50aからの現像剤の漏出も確実に防止することができる。
【0091】
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置100について説明する。
図16は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置100に用いられるユニット支持フレーム103の斜視図であり、
図17は、第2実施形態の画像形成装置100に用いられるカム駆動レバーユニット120の斜視図である。
【0092】
図16に示すように、ユニット支持フレーム103の前端部(前面側フレーム101側の端部)の4箇所に付設された第2アイドルギア133a〜133d(
図20参照)と、第2アイドルギア133a〜133dに噛み合うカム回転ギア135a〜135dとを有する。カム回転ギア135a〜135d及び第2アイドルギア133a〜133dは、ローラー接離カム98に回動力を伝達する第2ギア機構を構成する。ユニット支持フレーム103の他の部分の構成については第1実施形態と同様である。なお、
図16ではローラー接離カム98が起立した状態を示している。
【0093】
図17に示すように、カム駆動レバーユニット120は、ユニットフレーム121の5箇所に揺動可能に付設された現像押圧レバー123a〜123eと、現像押圧レバー123a〜123dの揺動軸に固定されたカム駆動ギア125a〜125d(
図20参照)と、カム駆動ギア125a〜125dに噛み合う第1アイドルギア127a〜127d(
図20参照)とを有する。カム駆動ギア125a〜125d及び第1アイドルギア127a〜127dは、現像押圧レバー123a〜123dの回動力が入力される第1ギア機構を構成する。
【0094】
以下、本実施形態の画像形成装置100におけるユニット支持フレーム103周辺の組み立て手順について説明する。先ず、
図19に示すように、前面側フレーム101及び背面側フレーム102(
図6参照)の間にユニット支持フレーム103を橋渡し状に固定する。
【0095】
次に、
図19に示すように、前面側フレーム101の下部にカム駆動レバーユニット120を取り付ける。このとき、ユニットフレーム121の4箇所の第1アイドルギア127a〜127dが、前面側フレーム101に形成された4箇所の開口穴115a〜115d(
図18参照)に挿入される。
【0096】
図20は、前面側フレーム101の下部にカム駆動レバーユニット120を取り付けた状態での、現像押圧レバー123a付近の構成を示す側面断面図である。なお、現像押圧レバー123b〜123d付近の構成についても
図20と同様であるため説明を省略する。
図20に示すように、開口穴115aに挿入された第1アイドルギア127aはユニット支持フレーム103の第2アイドルギア133aに対向配置される。この状態では第1アイドルギア127aと第2アイドルギア133aは離間している。また、ユニット支持フレーム103の4対(8箇所)のローラー接離カム98、カム駆動レバーユニット120の4箇所の現像押圧レバー123a〜123dレバーは、それぞれ同一の位相(自重で倒れた状態)となっている。
【0097】
図19及び
図20の状態から、カム駆動レバーユニット120を下方向(
図20の矢印方向)に回動させて、
図21に示すようにユニットフレーム121を前面側フレーム101に固定する。
図22は、前面側フレーム101にユニットフレーム121を固定した状態を示す、現像押圧レバー123a付近の側面断面図である。
図22に示すように、第1アイドルギア127aは第2アイドルギア133aと噛み合う位置に配置されている。
【0098】
なお、ここでは図示しないが、現像押圧レバー123b〜123dに対応する第1アイドルギア127b〜127dも、それぞれ第2アイドルギア133b〜133dと噛み合う位置に配置されている。そして、現像押圧レバー123b〜123eにリテーナー85(
図8参照)を固定することでユニット支持フレーム103周辺の組み立てが完了する。
【0099】
現像押圧レバー123a〜123eにリテーナー85を固定した状態(開放状態)では、ローラー接離カム98は水平状態に配置されている。そのため、
図15に示したように、現像装置3dは台座部97によって磁気ローラー27の軸方向から見た現像容器50の底面の1箇所のみが支持された状態となっており、現像装置3dは磁気ローラー27が感光体ドラム1dから退避した位置(離間位置)に配置されている。
【0100】
その後、リテーナー85を閉方向に回動させると、リテーナー85に固定された現像押圧レバー123a〜123dも上方向に回動する。これにより、カム駆動ギア125a〜125d、第1アイドルギア127a〜127d、第2アイドルギア133a〜133d、カム回転ギア135a〜135dが所定角度だけ回転するため、水平状態に倒伏していた4箇所のローラー接離カム98も水平状態から起立状態(
図16参照)へ回動する。その結果、現像装置3a〜3dはローラー接離カム98と台座部97(
図14参照)とで現像容器50の底面の2箇所を支持された状態となり、磁気ローラー27は感光体ドラム1a〜1dに対し徐々に接近していく。そして、リテーナー85を完全に閉じたとき、現像装置3a〜3dは磁気ローラー27が感光体ドラム1a〜1dに対し所定距離まで接近した位置(現像位置)に配置される。
【0101】
本実施形態の構成によれば、ユニット支持フレーム103にカム駆動レバーユニット120を取り付けるだけで、4箇所の連結部分においてローラー接離カム98と現像押圧レバー123a〜123dとが同一の位相となるように同時に組み立てることができる。従って、感光体ドラム1a〜1dに対する磁気ローラー27の押圧離間を行うためのギアの位相合わせを4箇所の連結部分において一括で行うことができ、別個に行う必要がないため、画像形成装置100の組み立て時間が格段に短縮される。
【0102】
なお、ここでは第1アイドルギア127a〜127d、第2アイドルギア133a〜133dを介してカム駆動レバーユニット120側のカム駆動ギア125a〜125dとユニット支持フレーム103側のカム回転ギア135a〜135dとを駆動連結する構成としたが、第1アイドルギア127a〜127d、第2アイドルギア133a〜133dのいずれか一方を省略しても良い。また、第1アイドルギア127a〜127d及び第2アイドルギア133a〜133dの両方を省略して、カム駆動ギア125a〜125dとカム回転ギア135a〜135dとを直接連結することもできる。
【0103】
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記各実施形態では、磁性キャリアとトナーとを含む新たな現像剤を補給するとともに、現像剤排出部50eから余剰の現像剤を排出する現像装置3a〜3dを用いているが、現像剤排出部50eを有さずトナーのみが補給される現像装置を用いることもできる。この場合、現像剤排出部50eと現像剤回収機構90とを連結する第2連結部91bは不要となる。
【0104】
また、上記各実施形態では、磁気ローラー27の外周面に形成された磁気ブラシを用いて感光体ドラム1a〜1d上の静電潜像を現像する二成分現像方式の現像装置3a〜3dを用いているが、これに限らず、現像装置3a〜3dとして、磁気ローラー27と感光体ドラム1a〜1dとの間に、磁気ローラー27に形成された磁気ブラシによりトナー層が形成される現像ローラーを備え、現像ローラー上のトナーを感光体ドラム1a〜1dに飛翔させる現像方式の現像装置を用いても良い。或いは、磁性一成分現像剤を用いる現像装置を用いても良い。
【0105】
また本発明は、
図1に示したようなカラープリンターに限らず、モノクロプリンター、モノクロ及びカラー複写機、デジタル複合機(コピー、ファクシミリ、スキャナー等の諸機能を併せ持つもので、MFP(Multi Function Peripheral)とも呼ばれる)等の他の画像形成装置にも適用可能である。