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特許6237592画像形成システム、画像形成装置および情報更新プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237592
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】画像形成システム、画像形成装置および情報更新プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20171120BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20171120BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20171120BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20171120BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H04N1/00 107Z
   G06F3/12 331
   B41J29/38 Z
   B41J29/00 Z
   G03G21/00 396
   G03G21/00 388
   H04N1/00 C
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-240957(P2014-240957)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-103735(P2016-103735A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2016年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】櫻本 賢太郎
【審査官】 宮島 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−280212(JP,A)
【文献】 特開2003−216542(JP,A)
【文献】 特開2009−171050(JP,A)
【文献】 特開2009−33706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00 − 29/70
G03G 15/00
G03G 21/00
G03G 21/14
G06F 3/09 − 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像形成装置と、
複数の第2の画像形成装置とを備え、
前記第1の画像形成装置は、
前記第2の画像形成装置における特定の種類の情報の状態を特定の状態にするための指示データを生成する指示データ生成手段と、
前記指示データ生成手段によって生成された前記指示データを前記複数の第2の画像形成装置に送信する指示データ送信手段とを備え、
前記指示データ生成手段は、前記複数の第2の画像形成装置における前記特定の種類の情報の状態に基づいて前記特定の状態を決定し、
前記第2の画像形成装置は、前記指示データ送信手段によって送信されてきた前記指示データに応じて前記第2の画像形成装置における情報を更新する情報更新手段を備え
前記指示データ生成手段は、特定の利用者によって変化させられた前記特定の種類の情報の状態のみに基づいて前記特定の状態を決定することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記指示データ生成手段は、前記第1の画像形成装置における前記特定の種類の情報の状態と、前記複数の第2の画像形成装置における前記特定の種類の情報の状態とに基づいて前記特定の状態を決定し、
前記第1の画像形成装置は、前記第1の画像形成装置における前記特定の種類の情報の状態を、前記指示データ生成手段によって決定された前記特定の状態にする状態更新手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記指示データ生成手段は、複数の前記特定の種類の情報のうち最新の情報に基づいて前記特定の状態を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記第1の画像形成装置は、前記特定の種類を受け付ける情報種類受付手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記第1の画像形成装置は、前記第2の画像形成装置の識別情報を受け付ける装置識別情報受付手段を備え、
前記指示データ送信手段は、前記装置識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報によって特定される前記第2の画像形成装置に前記指示データを送信することを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記第1の画像形成装置は、前記指示データの送信のタイミングを受け付けるタイミング受付手段を備え、
前記指示データ送信手段は、前記タイミング受付手段によって受け付けられたタイミングで前記指示データを送信することを特徴とする請求項1から請求項5までの何れかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記指示データ送信手段は、情報を暗号化して送信するプロトコルによって前記指示データを送信することを特徴とする請求項1から請求項6までの何れかに記載の画像形成システム。
【請求項8】
他の画像形成装置における特定の種類の情報の状態を特定の状態にするための指示データを生成する指示データ生成手段と、
前記指示データ生成手段によって生成された前記指示データを複数の前記他の画像形成装置に送信する指示データ送信手段とを備え、
前記指示データ生成手段は、前記複数の他の画像形成装置における前記特定の種類の情報の状態に基づいて前記特定の状態を決定し、
前記指示データ生成手段は、特定の利用者によって変化させられた前記特定の種類の情報の状態のみに基づいて前記特定の状態を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置によって実行される情報更新プログラムであって、
他の画像形成装置における特定の種類の情報の状態を特定の状態にするための指示データを生成する指示データ生成手段、および、
前記指示データ生成手段によって生成された前記指示データを複数の前記他の画像形成装置に送信する指示データ送信手段として前記画像形成装置を機能させ、
前記指示データ生成手段は、前記複数の他の画像形成装置における前記特定の種類の情報の状態に基づいて前記特定の状態を決定し、
前記指示データ生成手段は、特定の利用者によって変化させられた前記特定の種類の情報の状態のみに基づいて前記特定の状態を決定することを特徴とする情報更新プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像形成装置を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナーによって読み取られた情報を画像形成装置に反映させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−272933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法においては、画像形成装置の情報を変更するためにスキャナーを使用する必要があるので、例えば、多数の画像形成装置を新規に導入する場合や、多数の画像形成装置を入れ替える場合に、新たな多数の画像形成装置に同一の情報を反映させるとき、新たな多数の画像形成装置のそれぞれにおいてスキャナーを使用する必要があり、作業のための時間および労力が大量に必要であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、多数の画像形成装置に同一の情報を反映させるために必要な時間および労力を抑えることができる画像形成システム、画像形成装置および情報更新プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成システムは、第1の画像形成装置と、複数の第2の画像形成装置とを備え、前記第1の画像形成装置は、前記第2の画像形成装置における特定の種類の情報の状態を特定の状態にするための指示データを生成する指示データ生成手段と、前記指示データ生成手段によって生成された前記指示データを前記複数の第2の画像形成装置に送信する指示データ送信手段とを備え、前記指示データ生成手段は、前記複数の第2の画像形成装置における前記特定の種類の情報の状態に基づいて前記特定の状態を決定し、前記第2の画像形成装置は、前記指示データ送信手段によって送信されてきた前記指示データに応じて前記第2の画像形成装置における情報を更新する情報更新手段を備えることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の画像形成システムは、複数の第2の画像形成装置における特定の種類の情報の状態を、これらの状態に基づいて決定した特定の状態に揃えるので、多数の画像形成装置に同一の情報を反映させるために必要な時間および労力を抑えることができる。
【0008】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記指示データ生成手段は、前記第1の画像形成装置における前記特定の種類の情報の状態と、前記複数の第2の画像形成装置における前記特定の種類の情報の状態とに基づいて前記特定の状態を決定し、前記第1の画像形成装置は、前記第1の画像形成装置における前記特定の種類の情報の状態を、前記指示データ生成手段によって決定された前記特定の状態にする状態更新手段を備えても良い。
【0009】
この構成により、本発明の画像形成システムは、複数の第2の画像形成装置における特定の種類の情報の状態だけでなく、第1の画像形成装置における特定の種類の情報の状態も、特定の状態に揃えるので、第1の画像形成装置を含む多数の画像形成装置に同一の情報を反映させるために必要な時間および労力を抑えることができる。
【0010】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記指示データ生成手段は、特定の利用者によって変化させられた前記特定の種類の情報の状態のみに基づいて前記特定の状態を決定しても良い。
【0011】
この構成により、本発明の画像形成システムは、特定の利用者以外の者によって変化させられた状態を多数の画像形成装置への同一の情報の反映時に反映させないので、多数の画像形成装置における情報の状態が特定の利用者以外の者によって変化させられることを抑えることができる。
【0012】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記指示データ生成手段は、複数の前記特定の種類の情報のうち最新の情報に基づいて前記特定の状態を決定しても良い。
【0013】
この構成により、本発明の画像形成システムは、複数の特定の種類の情報のうち最新の情報に基づいて特定の状態を決定するので、多数の画像形成装置に適切な情報を反映させることができる。
【0014】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記第1の画像形成装置は、前記特定の種類を受け付ける情報種類受付手段を備えても良い。
【0015】
この構成により、本発明の画像形成システムは、どのような種類の情報の更新を実行するかを利用者に選択させることができるので、利便性を向上することができる。
【0016】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記第1の画像形成装置は、前記第2の画像形成装置の識別情報を受け付ける装置識別情報受付手段を備え、前記指示データ送信手段は、前記装置識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報によって特定される前記第2の画像形成装置に前記指示データを送信しても良い。
【0017】
この構成により、本発明の画像形成システムは、特定の種類の情報の状態を特定の状態に揃える第2の画像形成装置を利用者に選択させることができるので、利便性を向上することができる。
【0018】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記第1の画像形成装置は、前記指示データの送信のタイミングを受け付けるタイミング受付手段を備え、前記指示データ送信手段は、前記タイミング受付手段によって受け付けられたタイミングで前記指示データを送信しても良い。
【0019】
この構成により、本発明の画像形成システムは、複数の第2の画像形成装置における特定の種類の情報の状態を特定の状態に揃えるタイミングを利用者に選択させることができるので、利便性を向上することができる。
【0020】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記指示データ送信手段は、情報を暗号化して送信するプロトコルによって前記指示データを送信しても良い。
【0021】
この構成により、本発明の画像形成システムは、複数の第2の画像形成装置における特定の種類の情報の状態を特定の状態に揃える場合であっても、第2の画像形成装置における特定の種類の情報の状態が指示データから第三者に漏れることを防止することができる。
【0022】
本発明の画像形成装置は、他の画像形成装置における特定の種類の情報の状態を特定の状態にするための指示データを生成する指示データ生成手段と、前記指示データ生成手段によって生成された前記指示データを複数の前記他の画像形成装置に送信する指示データ送信手段とを備え、前記指示データ生成手段は、前記複数の他の画像形成装置における前記特定の種類の情報の状態に基づいて前記特定の状態を決定することを特徴とする。
【0023】
この構成により、本発明の画像形成装置は、複数の他の画像形成装置における特定の種類の情報の状態を、これらの状態に基づいて決定した特定の状態に揃えるので、多数の画像形成装置に同一の情報を反映させるために必要な時間および労力を抑えることができる。
【0024】
本発明の情報更新プログラムは、画像形成装置によって実行される情報更新プログラムであって、他の画像形成装置における特定の種類の情報の状態を特定の状態にするための指示データを生成する指示データ生成手段、および、前記指示データ生成手段によって生成された前記指示データを複数の前記他の画像形成装置に送信する指示データ送信手段として前記画像形成装置を機能させ、前記指示データ生成手段は、前記複数の他の画像形成装置における前記特定の種類の情報の状態に基づいて前記特定の状態を決定することを特徴とする。
【0025】
この構成により、本発明の情報更新プログラムは、複数の他の画像形成装置における特定の種類の情報の状態を、これらの状態に基づいて決定した特定の状態に揃えるので、多数の画像形成装置に同一の情報を反映させるために必要な時間および労力を抑えることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の画像形成システム、画像形成装置および情報更新プログラムは、多数の画像形成装置に同一の情報を反映させるために必要な時間および労力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムのブロック図である。
図2図1に示すMFPのうち親機としてのMFPのブロック図である。
図3図1に示すMFPのうち子機としてのMFPのブロック図である。
図4】更新指示データを送信する場合の図2に示すMFPの動作のフローチャートである。
図5図4に示す動作の続きのフローチャートである。
図6】情報の状態を返信する場合の図3に示すMFPの動作のフローチャートである。
図7】情報の更新を実行する場合の図3に示すMFPの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0029】
まず、本実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
【0031】
図1に示すように、画像形成システム10は、画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)20、30および40を含む複数のMFPを備えている。複数のMFPは、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。
【0032】
MFP20は、MFP30、40など、他のMFPの親機として機能する。MFP30、40など、MFP20以外のMFPは、MFP20の子機として機能する。
【0033】
図2は、MFP20のブロック図である。
【0034】
図2に示すように、MFP20は、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部21と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー23と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター24と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を実行するファックスデバイスであるファックス通信部25と、ネットワーク11(図1参照。)経由でMFP30、40(図1参照。)など、外部の装置と通信を実行する通信デバイスである通信部26と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部27と、MFP20全体を制御する制御部28とを備えている。
【0035】
記憶部27は、ファックス通信部25を利用したファックス送信や、通信部26を利用した電子メール送信などに使用するアドレス帳など、MFP20の利用者が設定することが可能なMFP20の設定情報としての通常設定情報27aを記憶することができる。
【0036】
記憶部27は、MFP20のメンテナンス関係の情報など、MFP20の利用者のうち特定の利用者のみが設定することが可能なMFP20の設定情報としての特定設定情報27bを記憶することができる。
【0037】
記憶部27は、文章や画像など、プリンター24による印刷の対象、ファックス通信部25によるファックス送信の対象、または、通信部26による送信の対象となる各種のファイル27cを記憶することができる。
【0038】
記憶部27は、MFPにおける情報を更新するための情報更新プログラムとしての親機用情報更新プログラム27dを記憶している。親機用情報更新プログラム27dは、MFP20の製造段階でMFP20にインストールされていても良いし、SDカード、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの記憶媒体からMFP20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク11上からMFP20に追加でインストールされても良い。
【0039】
記憶部27は、MFPにおける情報の種類のうち更新の対象になる特定の種類を示す更新対象情報種類特定情報27eを記憶することができる。例えば、更新対象情報種類特定情報27eによって特定される種類は、通常設定情報27aのアドレス帳など、MFPにおける情報の種類の一部であっても良い。また、更新対象情報種類特定情報27eによって特定される種類は、MFPにおける情報の種類の全部であっても良い。
【0040】
記憶部27は、更新の対象になるMFPの識別情報を示す更新対象MFP特定情報27fを記憶することができる。
【0041】
記憶部27は、MFPにおける情報の更新の実行を指示する指示データとしての更新指示データの送信のタイミング(以下「更新タイミング」と言う。)を示す更新タイミング特定情報27gを記憶することができる。例えば、更新タイミングは、毎日午前0時など、事前に指定されている任意の時間であっても良い。また、更新タイミングは、MFPにおける情報の更新のために操作部21の図示していない特定のボタンが押された時点であっても良い。
【0042】
記憶部27は、MFPにおける情報の更新の対象の利用者の識別情報を示す対象利用者特定情報27hを記憶することができる。
【0043】
制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられる主記憶デバイスとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部27に記憶されているプログラムを実行する。
【0044】
制御部28は、記憶部27に記憶されている親機用情報更新プログラム27dを実行することによって、MFP30、40など、子機における特定の種類の情報の状態を特定の状態にするための更新指示データを生成する指示データ生成手段28a、指示データ生成手段28aによって生成された更新指示データを複数の子機に送信する指示データ送信手段28b、MFP20における特定の種類の情報の状態を、指示データ生成手段28aによって決定された特定の状態にする状態更新手段28c、MFPにおける情報の種類のうち更新の対象になる特定の種類を受け付ける情報種類受付手段28d、更新の対象になるMFPの識別情報を受け付ける装置識別情報受付手段28e、更新タイミングを受け付けるタイミング受付手段28f、および、MFPにおける情報の更新の対象の利用者の識別情報を受け付ける利用者識別情報受付手段28gとして機能する。
【0045】
図3は、MFP30のブロック図である。
【0046】
図3に示すように、MFP30は、MFP20(図2参照。)と同様に、操作部31、表示部32、スキャナー33、プリンター34、ファックス通信部35、通信部36、記憶部37および制御部38を備えている。
【0047】
記憶部37は、記憶部27(図2参照。)と同様に、通常設定情報37a、特定設定情報37bおよび各種のファイル37cを記憶することができる。
【0048】
記憶部37は、MFPにおける情報を更新するための子機用情報更新プログラム37dを記憶している。子機用情報更新プログラム37dは、MFP30の製造段階でMFP30にインストールされていても良いし、SDカード、USBメモリーなどの記憶媒体からMFP30に追加でインストールされても良いし、ネットワーク11(図1参照。)上からMFP30に追加でインストールされても良い。
【0049】
制御部38は、記憶部37に記憶されている子機用情報更新プログラム37dを実行することによって、MFP20によって送信されてきた更新指示データに応じてMFP30における情報を更新する情報更新手段38aとして機能する。
【0050】
なお、画像形成システム10に含まれるMFPのうち、MFP40など、MFP30以外の子機については、MFP30と同様であるので、説明を省略する。
【0051】
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
【0052】
まず、記憶部27に更新対象情報種類特定情報27eが記憶される場合のMFP20の動作について説明する。
【0053】
MFP20の情報種類受付手段28dは、MFPにおける情報の種類のうち更新の対象になる特定の種類を操作部21または通信部26を介して受け付けると、受け付けた種類を示す更新対象情報種類特定情報27eを記憶部27に記憶させる。
【0054】
次に、記憶部27に更新対象MFP特定情報27fが記憶される場合のMFP20の動作について説明する。
【0055】
MFP20の装置識別情報受付手段28eは、更新の対象になるMFPの識別情報を操作部21または通信部26を介して受け付けると、受け付けた識別情報を示す更新対象MFP特定情報27fを記憶部27に記憶させる。
【0056】
次に、記憶部27に更新タイミング特定情報27gが記憶される場合のMFP20の動作について説明する。
【0057】
MFP20のタイミング受付手段28fは、更新タイミングを操作部21または通信部26を介して受け付けると、受け付けた更新タイミングを示す更新タイミング特定情報27gを記憶部27に記憶させる。ここで、タイミング受付手段28fは、例えば、選択肢の中から更新タイミングを選択させることによって受け付けることができる。
【0058】
次に、記憶部27に対象利用者特定情報27hが記憶される場合のMFP20の動作について説明する。
【0059】
MFP20の利用者識別情報受付手段28gは、MFPにおける情報の更新の対象の利用者の識別情報を操作部21または通信部26を介して受け付けると、受け付けた識別情報を示す対象利用者特定情報27hを記憶部27に記憶させる。
【0060】
次に、MFP20における情報が変化させられる場合のMFP20の動作について説明する。
【0061】
MFP20の制御部28は、MFP20における情報、すなわち、通常設定情報27a、特定設定情報27bおよび各種のファイル27cのうち何れかの変更が操作部21または通信部26を介して指示されると、指示に応じてMFP20における情報を変更する。
【0062】
なお、以上においては、MFP20における情報が変化させられる場合のMFP20の動作について説明したが、MFP30、40など、MFP20以外のMFPについても同様である。
【0063】
次に、MFPにおける情報の一括更新を実行する場合の画像形成システム10の動作について説明する。
【0064】
図4は、更新指示データを送信する場合のMFP20の動作のフローチャートである。図5は、図4に示す動作の続きのフローチャートである。
【0065】
MFP20は、図4および図5に示す動作を常時繰り返す。
【0066】
図4および図5に示すように、指示データ生成手段28aは、現時点が更新タイミング特定情報27gによって示されている更新タイミングであるか否かを判断する(S101)。
【0067】
指示データ生成手段28aは、更新タイミングではないとS101において判断すると、図4および図5に示す動作を終了する。
【0068】
指示データ生成手段28aは、更新タイミングであるとS101において判断すると、子機における情報のうち更新対象情報種類特定情報27eによって特定される種類の情報の状態を確認するための指示としての状態確認指示を、更新対象MFP特定情報27fによって特定されるMFPに通信部26を介して送信する(S102)。ここで、指示データ生成手段28aは、SSL(Secure Sockets Layer)によって情報が暗号化されるIPP(Internet Printing Protocol)としてのIPPsなど、情報を暗号化して送信するプロトコルによって状態確認指示を送信する。
【0069】
図6は、情報の状態を返信する場合のMFP30の動作のフローチャートである。
【0070】
MFP30の制御部38は、通信部36を介してMFP20から状態確認指示を受信すると、子機用情報更新プログラム37dを実行することによって、図6に示す動作を実行する。
【0071】
図6に示すように、制御部38は、MFP30における情報のうち状態確認指示によって特定される種類の情報に前回の返信時から変化が生じているか否かを判断する(S131)。
【0072】
制御部38は、変化が生じているとS131において判断すると、MFP30において状態確認指示によって特定される種類の情報の状態のうち、前回の返信時から生じている変化を示す状態データを生成する(S132)。ここで、状態データは、情報の状態の変化毎に、状態を変化させた利用者と、状態が変化させられた時期とが対応付けられているデータである。
【0073】
制御部38は、変化が生じていないとS131において判断すると、状態データとして無変化データを生成する(S133)。
【0074】
制御部38は、S132またはS133の処理の後、S132またはS133によって生成された状態データを、親機としてのMFP20に通信部36を介して送信する(S134)。ここで、制御部38は、IPPsなど、情報を暗号化して送信するプロトコルによって状態データを送信する。
【0075】
制御部38は、S134の処理の後、図6に示す動作を終了する。
【0076】
以上においては、MFP30による状態の返信について説明したが、MFP40など、他の子機についても同様である。
【0077】
図4および図5に示すように、指示データ生成手段28aは、S102の処理の後、S102において状態確認指示を送信した全てのMFPから状態データの返信があったと判断するまで、S102において状態確認指示を送信した全てのMFPから状態データの返信があったか否かを判断する(S103)。
【0078】
指示データ生成手段28aは、S102において状態確認指示を送信した全てのMFPから状態データの返信があったとS103において判断すると、更新処理において情報の更新を実行しないことを指示する無更新データを更新指示データとして生成する(S104)。
【0079】
次いで、指示データ生成手段28aは、MFP20における情報のうち更新対象情報種類特定情報27eによって特定される種類の情報に前回の更新指示データの送信時から変化が生じているか否かを判断する(S105)。
【0080】
指示データ生成手段28aは、変化が生じているとS105において判断すると、MFP20における情報のうち更新対象情報種類特定情報27eによって特定される種類の情報を変化させた未対象の利用者の1人を対象にする(S106)。
【0081】
次いで、指示データ生成手段28aは、対象の利用者が対象利用者特定情報27hによって特定される利用者であるか否かを判断する(S107)。
【0082】
指示データ生成手段28aは、対象利用者特定情報27hによって特定される利用者であるとS107において判断すると、MFP20において更新対象情報種類特定情報27eによって特定される種類の情報のうち、対象の利用者によって変化させられた情報を更新指示データに反映させることによって、更新指示データを更新する(S108)。ここで、指示データ生成手段28aは、更新指示データを更新する場合に、MFP20において変化させられた時期を情報の種類毎に更新指示データに含める。なお、更新指示データは、S108の処理の直前まで無更新データであった場合、S108の処理によって無更新データではなくなる。
【0083】
指示データ生成手段28aは、対象利用者特定情報27hによって特定される利用者ではないとS107において判断するか、S108の処理を実行すると、MFP20における情報のうち更新対象情報種類特定情報27eによって特定される種類の情報を変化させた未対象の利用者が存在するか否かを判断する(S109)。
【0084】
指示データ生成手段28aは、未対象の利用者が存在するとS109において判断すると、S106の処理を実行する。
【0085】
指示データ生成手段28aは、変化が生じていないとS105において判断するか、未対象の利用者が存在しないとS109において判断すると、状態データの返信があった未対象の子機の1つを対象にする(S110)。
【0086】
次いで、指示データ生成手段28aは、対象の子機から返信された状態データが無変化データであるか否かを判断する(S111)。
【0087】
指示データ生成手段28aは、無変化データではないとS111において判断すると、対象の子機における情報のうち更新対象情報種類特定情報27eによって特定される種類の情報を変化させた未対象の利用者の1人を、対象の子機の状態データに基づいて対象にする(S112)。
【0088】
次いで、指示データ生成手段28aは、対象の利用者が対象利用者特定情報27hによって特定される利用者であるか否かを判断する(S113)。
【0089】
指示データ生成手段28aは、対象利用者特定情報27hによって特定される利用者であるとS113において判断すると、対象の子機における情報のうち対象の利用者によって変化させられた未対象の情報の1つを、対象の子機の状態データに基づいて対象にする(S114)。
【0090】
次いで、指示データ生成手段28aは、対象の情報が変化されられた時期が、現在の更新指示データにおける対応する情報に関連付けられた時期よりも新しいか否かを、対象の子機の状態データに基づいて判断する(S115)。ここで、指示データ生成手段28aは、現在の更新指示データにおいて、対象の情報に対応する情報が存在しない場合、対象の情報が変化されられた時期が新しいとS115において判断する。
【0091】
指示データ生成手段28aは、対象の情報が変化されられた時期が新しいとS115において判断すると、更新指示データに対象の情報を反映させることによって、更新指示データを更新する(S116)。ここで、指示データ生成手段28aは、更新指示データに対象の情報を反映させる場合に、対象の情報が対象の子機において変化させられた時期を情報の種類毎に更新指示データに含める。なお、更新指示データは、S116の処理の直前まで無更新データであった場合、S116の処理によって無更新データではなくなる。
【0092】
指示データ生成手段28aは、対象の情報が変化されられた時期が新しくはないとS115において判断するか、S116の処理を実行すると、対象の子機における情報のうち対象の利用者によって変化させられた未対象の情報が存在するか否かを判断する(S117)。
【0093】
指示データ生成手段28aは、未対象の情報が存在するとS117において判断すると、S114の処理を実行する。
【0094】
指示データ生成手段28aは、対象利用者特定情報27hによって特定される利用者ではないとS113において判断するか、未対象の情報が存在しないとS117において判断すると、対象の子機における情報のうち更新対象情報種類特定情報27eによって特定される種類の情報を変化させた未対象の利用者が存在するか否かを、対象の子機の状態データに基づいて判断する(S118)。
【0095】
指示データ生成手段28aは、未対象の利用者が存在するとS118において判断すると、S112の処理を実行する。
【0096】
指示データ生成手段28aは、無変化データであるとS111において判断するか、未対象の利用者が存在しないとS118において判断すると、状態データの返信があった未対象の子機が存在するか否かを判断する(S119)。
【0097】
指示データ生成手段28aは、状態データの返信があった未対象の子機が存在するとS119において判断すると、S110の処理を実行する。
【0098】
状態更新手段28cは、状態データの返信があった未対象の子機が存在しないとS119において判断されると、MFP20における特定の種類の情報の状態を、更新指示データに基づいて更新する(S120)。ここで、状態更新手段28cは、S104において生成された更新指示データがS108およびS116の何れにおいても更新されていない場合、すなわち、更新指示データが無更新データである場合、MFP20における特定の種類の情報の状態を更新しない。一方、状態更新手段28cは、S104において生成された更新指示データがS108およびS116の少なくとも一方において更新されている場合、MFP20における特定の種類の情報の状態を、更新指示データにおいて示されている状態、すなわち、指示データ生成手段28aによって決定された特定の状態にする。
【0099】
次いで、指示データ送信手段28bは、更新対象MFP特定情報27fによって特定されるMFPに更新指示データを通信部26を介して送信する(S121)。ここで、指示データ送信手段28bは、IPPsなど、情報を暗号化して送信するプロトコルによって更新指示データを送信する。
【0100】
指示データ送信手段28bは、S121の処理の後、図4および図5に示す動作を終了する。
【0101】
図7は、情報の更新を実行する場合のMFP30の動作のフローチャートである。
【0102】
MFP30の情報更新手段38aは、通信部36を介してMFP20から更新指示データを受信すると、図7に示す動作を実行する。
【0103】
図7に示すように、情報更新手段38aは、MFP20から送信されてきて通信部36を介して受信した更新指示データが無更新データであるか否かを判断する(S161)。
【0104】
情報更新手段38aは、無更新データではないとS161において判断すると、更新指示データにおいて指示されている情報の状態を取得する(S162)。
【0105】
次いで、情報更新手段38aは、更新処理において情報の更新を実行することを決定する(S163)。
【0106】
情報更新手段38aは、無更新データであるとS161において判断すると、更新処理において情報の更新を実行しないことを決定する(S164)。
【0107】
情報更新手段38aは、S163またはS164の処理の後、MFP30における情報の更新処理を実行する(S165)。ここで、情報更新手段38aは、更新処理において情報の更新を実行することがS163において決定されている場合、MFP30における情報のうち更新指示データにおいて特定される種類の情報の状態を、S162において取得した状態に変更する。また、情報更新手段38aは、更新処理において情報の更新を実行しないことがS163において決定されている場合、MFP30における情報の更新を実行しない。
【0108】
情報更新手段38aは、S165の処理の後、図7に示す動作を終了する。
【0109】
以上においては、MFP30による更新処理の実行について説明したが、MFP40など、他の子機についても同様である。
【0110】
以上に説明したように、画像形成システム10は、複数の子機における特定の種類の情報の状態を、これらの状態に基づいて決定した(S116)特定の状態に揃える(S121)ので、多数のMFPに同一の情報を反映させるために必要な時間および労力を抑えることができる。
【0111】
なお、画像形成システム10は、複数の子機における特定の種類の情報の状態を特定の状態に揃える(S121)ので、複数の子機のそれぞれにおいて特定の種類の情報の状態が異なる状態にされていたとしても、更新タイミングにおいて揃えられる。
【0112】
画像形成システム10は、複数の子機における特定の種類の情報の状態だけでなく、親機としてのMFP20における特定の種類の情報の状態も、特定の状態に揃える(S120およびS121)ので、親機を含む多数のMFPに同一の情報を反映させるために必要な時間および労力を抑えることができる。
【0113】
なお、画像形成システム10は、複数の子機における特定の種類の情報の状態だけでなく、MFP20における特定の種類の情報の状態も、特定の状態に揃える(S120およびS121)ので、複数の子機およびMFP20のそれぞれにおいて特定の種類の情報の状態が異なる状態にされていたとしても、更新タイミングにおいて揃えられる。
【0114】
画像形成システム10は、特定の利用者によって変化させられた特定の種類の情報の状態のみに基づいて特定の状態を決定する(S107でYESおよびS108、または、S113でYESおよびS116)。この構成により、画像形成システム10は、特定の利用者以外の者によって変化させられた状態を更新タイミングにおいて反映させないので、多数のMFPにおける情報の状態が特定の利用者以外の者によって変化させられることを抑えることができる。また、画像形成システム10は、特定の利用者以外の者によって変化させられた状態を、特定の利用者以外の者によって状態が変化させられたMFP以外のMFPに更新タイミングにおいて反映させないだけでなく、特定の利用者以外の者によって状態が変化させられたMFP自体においても更新タイミングにおいて反映させない。例えば、更新対象MFP特定情報27fによって特定されるMFP30において特定の利用者以外の者によってアドレス帳が変更された場合、更新対象MFP特定情報27fによって特定される何れかのMFPにおいて特定の利用者によって同一の変更がされていない限り、MFP30におけるこの変更は、更新タイミングにおいて元に戻される。
【0115】
画像形成システム10は、複数の特定の種類の情報のうち最新の情報に基づいて特定の状態を決定する(S115でYESおよびS116)ので、多数のMFPに適切な情報を反映させることができる。
【0116】
なお、MFP20は、本実施の形態において、状態確認指示を送信した全ての子機から状態データの返信があった後、これらの子機のそれぞれから返信された状態データに基づいた更新指示データの更新を開始している。しかしながら、MFP20は、状態確認指示を送信した全ての子機から状態データの返信がある前に、子機から返信された状態データに基づいた更新指示データの更新の開始を実行しても良い。
【0117】
画像形成システム10は、どのような種類の情報の更新を実行するかを利用者に選択させることができるので、利便性を向上することができる。
【0118】
画像形成システム10は、特定の種類の情報の状態を特定の状態に揃える子機を利用者に選択させることができるので、利便性を向上することができる。
【0119】
画像形成システム10は、複数の子機における特定の種類の情報の状態を特定の状態に揃えるタイミングを利用者に選択させることができるので、利便性を向上することができる。
【0120】
MFP20は、情報を暗号化して送信するプロトコルによって更新指示データを送信する。この構成により、画像形成システム10は、複数の子機における特定の種類の情報の状態を特定の状態に揃える場合であっても、子機における特定の種類の情報の状態が更新指示データから第三者に漏れることを防止することができる。
【0121】
本発明の「第1の画像形成装置」は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【0122】
同様に、本発明の「第2の画像形成装置」は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0123】
10 画像形成システム
20 MFP(第1の画像形成装置、画像形成装置)
27a 通常設定情報(第1の画像形成装置における情報)
27b 特定設定情報(第1の画像形成装置における情報)
27c ファイル(第1の画像形成装置における情報)
27d 親機用情報更新プログラム(情報更新プログラム)
28a 指示データ生成手段
28b 指示データ送信手段
28c 状態更新手段
28d 情報種類受付手段
28e 装置識別情報受付手段
28f タイミング受付手段
30 MFP(第2の画像形成装置、他の画像形成装置)
37a 通常設定情報(第2の画像形成装置における情報)
37b 特定設定情報(第2の画像形成装置における情報)
37c ファイル(第2の画像形成装置における情報)
38a 情報更新手段
40 MFP(第2の画像形成装置、他の画像形成装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7