特許第6237612号(P6237612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237612
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】画像形成装置、像担持体の研磨方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20171120BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20171120BHJP
   G03G 9/08 20060101ALI20171120BHJP
   G03G 5/08 20060101ALI20171120BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G03G21/00
   G03G21/14
   G03G9/08 374
   G03G5/08 301
   G03G15/16
   G03G21/00 345
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-260341(P2014-260341)
(22)【出願日】2014年12月24日
(65)【公開番号】特開2016-122046(P2016-122046A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2016年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】猪谷 広佳
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−112820(JP,A)
【文献】 特開2008−224819(JP,A)
【文献】 特開2003−005581(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0220364(US,A1)
【文献】 特開2010−243529(JP,A)
【文献】 特開2009−229533(JP,A)
【文献】 特開2008−070709(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0069618(US,A1)
【文献】 米国特許第05854962(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 5/08
G03G 9/08
G03G 15/16
G03G 21/14
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体に接触して設けられ、前記像担持体から前記トナー像が転写される被転写部材と、
前記被転写部材における前記像担持体との接触面に研磨剤を塗布する研磨剤塗布部と、
予め定められた一又は複数のタイミングで前記研磨剤塗布部を用いて前記研磨剤を前記被転写部材の前記接触面に塗布すると共に前記被転写部材及び前記像担持体各々を駆動する研磨処理を実行する処理実行部と、
前記研磨処理の累積実行回数に応じて前記研磨剤塗布部により塗布される前記研磨剤の塗布量を徐々に減少させる塗布量制御部と、
を備え
前記研磨剤が、ビッカース硬度500kg/mm2以上であって体積抵抗率10Ω・cm以上20Ω・cm以下の酸化チタンを含む画像形成装置。
【請求項2】
前記被転写部材が弾性層を有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記タイミングは、前記画像形成装置で実行される印刷処理の実行時以外における予め定められたタイミングである請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記処理実行部により前記研磨処理が実行される場合に、前記被転写部材の前記接触面の移動速度と前記像担持体の像担持面の移動速度との間の速度差を前記画像形成装置で実行される印刷処理の実行時よりも大きくする速度制御部を更に備える請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記トナー像は、前記研磨剤を含むトナーによって前記像担持体に形成される請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記像担持体の表面層がアモルファスシリコンで形成されている請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に接触して設けられ、前記像担持体から前記トナー像が転写される被転写部材と、前記被転写部材における前記像担持体との接触面に研磨剤を塗布する研磨剤塗布部とを備え、前記研磨剤が、ビッカース硬度500kg/mm2以上であって体積抵抗率10Ω・cm以上20Ω・cm以下の酸化チタンを含む画像形成装置で実行される像担持体の研磨方法であって、
予め定められた一又は複数のタイミングで前記研磨剤塗布部を用いて前記研磨剤を前記被転写部材の前記接触面に塗布すると共に前記被転写部材及び前記像担持体各々を駆動する研磨処理を実行する第1ステップと、
前記研磨処理の累積実行回数に応じて前記研磨剤塗布部により塗布される前記研磨剤の塗布量を徐々に減少させる第2ステップと、
を含む像担持体の研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式で画像を形成可能な画像形成装置、及び像担持体の研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式で画像を形成可能なプリンターのような画像形成装置では、感光体ドラムなどの像担持体の表面が帯電ローラーなどの帯電部材により帯電される。そして、帯電された像担持体の表面に画像データに対応する光が照射されて、像担持体上に画像データに対応する静電潜像が形成される。ここで、帯電部材による像担持体の帯電の際に発生する放電により生成される放電生成物が像担持体の表面に付着することがある。像担持体の表面に付着した放電生成物は、トナーが像担持体の表面に恒常的に付着して前記トナーにより画像形成が妨げられるダッシュと呼ばれる現象や、像担持体の表面の電気抵抗が低下して静電潜像の形成が妨げられる像流れと呼ばれる現象の原因となる。これに対し、像担持体に形成されたトナー像が転写される転写位置で像担持体の表面を研磨する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−88563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成装置において、像担持体に付着した放電生成物を除去するために、像担持体からトナー像が転写される中間転写ベルトなどの被転写部材で像担持体を研磨することが考えられる。更に、被転写部材における像担持体との接触面に研磨剤を塗布して研磨効果を高めることが考えられる。しかしながら、被転写部材に研磨剤を塗布する場合には、画像形成装置の長期的な使用に伴い被転写部材における前記研磨剤の蓄積量が飽和して前記研磨剤がトナー像に混入し、画質が低下することがある。
【0005】
本発明の目的は、被転写部材に塗布される研磨剤による画質の低下を抑制可能な画像形成装置及び像担持体の研磨方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、像担持体と、被転写部材と、研磨剤塗布部と、処理実行部と、塗布量制御部とを備える。前記像担持体は、トナー像を担持する。前記被転写部材は、前記像担持体に接触して設けられ、前記像担持体から前記トナー像が転写される。前記研磨剤塗布部は、前記被転写部材における前記像担持体との接触面に研磨剤を塗布する。前記処理実行部は、予め定められた一又は複数のタイミングで前記研磨剤塗布部を用いて前記研磨剤を前記被転写部材の前記接触面に塗布すると共に前記被転写部材及び前記像担持体各々を駆動する研磨処理を実行する。前記塗布量制御部は、前記研磨処理の累積実行回数に応じて前記研磨剤塗布部により塗布される前記研磨剤の塗布量を徐々に減少させる。
【0007】
本発明の他の局面に係る像担持体の研磨方法は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に接触して設けられ、前記像担持体から前記トナー像が転写される被転写部材と、前記被転写部材における前記像担持体との接触面に研磨剤を塗布する研磨剤塗布部とを備える画像形成装置で実行され、以下の第1ステップ及び第2ステップを含む。前記第1ステップは、予め定められた一又は複数のタイミングで前記研磨剤塗布部を用いて前記研磨剤を前記被転写部材の前記接触面に塗布すると共に前記被転写部材及び前記像担持体各々を駆動する研磨処理を実行する。前記第2ステップは、前記研磨処理の累積実行回数に応じて前記研磨剤塗布部により塗布される前記研磨剤の塗布量を徐々に減少させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被転写部材に塗布される研磨剤による画質の低下を抑制可能な画像形成装置及び像担持体の研磨方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像形成ユニットの構成を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の中間転写装置の構成を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される研磨制御処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置を用いた実験結果を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置を用いた実験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0011】
[画像形成装置10の概略構成]
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の概略構成について説明する。ここで、図1は画像形成装置10の構成を示す断面模式図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、画像形成装置10は、ADF1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、及び操作表示部6を備える。画像形成装置10は、画像データに基づいて画像を形成するプリント機能と共に、スキャン機能、ファクシミリ機能、又はコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。また、本発明は、プリンター装置、ファクシミリ装置、及びコピー機などの画像形成装置に適用可能である。
【0013】
ADF1は、不図示の原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備え、画像読取部2によって読み取られる原稿を搬送する自動原稿搬送装置である。画像読取部2は、不図示の原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備え、原稿から画像データを読み取ることが可能である。
【0014】
制御部5は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部であり、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部5は、前記ROMに予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUを用いて実行することにより画像形成装置10を統括的に制御する。なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、画像形成装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0015】
操作表示部6は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0016】
次に、図1図3、及び図4を参照しつつ、画像形成部3について説明する。ここで、図3は画像形成ユニット31の構成を示す断面模式図である。また、図4は中間転写装置36の構成を示す断面模式図である。
【0017】
画像形成部3は、画像読取部2で読み取られた画像データに基づいて電子写真方式でカラー又はモノクロの画像を形成する画像形成処理(印刷処理)を実行することが可能である。また、画像形成部3は、外部のパーソナルコンピューター等の情報処理装置から入力された画像データに基づいて前記印刷処理を実行することも可能である。
【0018】
具体的に、画像形成部3は、図1に示すように、複数の画像形成ユニット31〜34、光走査装置(LSU)35、中間転写装置36、二次転写ローラー37、定着装置38、及び排紙トレイ39を備える。画像形成ユニット31はC(シアン)、画像形成ユニット32はM(マゼンタ)、画像形成ユニット33はY(イエロー)、画像形成ユニット34はK(ブラック)に対応する電子写真方式の画像形成ユニットである。画像形成ユニット31〜34は、中間転写装置36によるトナー像の搬送方向36Aに沿って、搬送方向36Aの上流側からシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に併設される。
【0019】
画像形成ユニット31は、図3に示すように、感光体ドラム311、帯電ローラー312、現像装置313、一次転写ローラー314、及びドラム清掃部315を備える。また、画像形成ユニット32〜34各々も、画像形成ユニット31と同様の構成を備える。ここに、画像形成ユニット31〜34が備える感光体ドラム311、感光体ドラム321、感光体ドラム331、及び感光体ドラム341(図4参照)が、本発明における像担持体の一例である。
【0020】
そして、画像形成部3では、給紙部4から供給されるシートに以下の手順でカラー画像が形成され、画像形成後の前記シートが排紙トレイ39に排出される。なお、前記シートは、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシート材料である。
【0021】
まず、画像形成ユニット31において、帯電ローラー312によって感光体ドラム311の表面が所定の電位に一様に帯電される。次に、光走査装置35により感光体ドラム311の表面に画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム311の表面に画像データに対応する静電潜像が形成される。
【0022】
そして、感光体ドラム311上の静電潜像は現像装置313によってシアンのトナー像として現像(可視像化)される。具体的に、現像装置313の現像ローラー313Aから感光体ドラム311に対してトナーが供給されることで、感光体ドラム311上の静電潜像がトナー像として現像される。なお、現像装置313の内部では、トナーとキャリアを含む現像剤が攪拌スクリュー313Bによる攪拌で摩擦帯電されて磁気ローラー313Cに送られ、磁気ローラー313Cから現像剤中のトナーが現像ローラー313Aに送られる。また、現像装置313には、画像形成部3に着脱可能なトナーコンテナ313D(図1参照)からシアンのトナーが補給される。
【0023】
続いて、感光体ドラム311に形成されたシアンのトナー像は、一次転写ローラー314により中間転写装置36の中間転写ベルト361に転写される。
【0024】
次に、画像形成ユニット32〜34においても、画像形成ユニット31と同様の処理手順で、画像形成ユニット32〜34が備える感光体ドラム321、感光体ドラム331、及び感光体ドラム341各々に各色のトナー像が形成されて、中間転写装置36の中間転写ベルト361にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に重ねて転写される。
【0025】
ここで、中間転写装置36は、図4に示すように、中間転写ベルト361、駆動ローラー362、張架ローラー363、ベルト清掃部364を備える。中間転写ベルト361は、感光体ドラム311〜341に形成されたトナー像が転写される無端状のベルト部材である。中間転写ベルト361は、画像形成ユニット31〜34の感光体ドラム311〜341及び一次転写ローラー314〜344に接触した状態で、駆動ローラー362及び張架ローラー363に張架される。そして、中間転写ベルト361は、不図示の動力源から供給される駆動力により駆動ローラー362が回転駆動されることで、搬送方向36Aに沿って走行する。これにより、感光体ドラム311〜341各々から重ねて転写されたトナー像が、二次転写ローラー37によるシートへの二次転写位置まで搬送される。ここに、中間転写ベルト361が、本発明における被転写部材の一例である。
【0026】
そして、中間転写ベルト361に転写されたトナー像は、二次転写ローラー37により給紙部4から供給されるシートに転写される。その後、前記トナー像が転写された前記シートは、定着装置38により前記トナー像が溶融定着されることで画像が形成され、排紙トレイ39に排出される。一方、中間転写ベルト361の表面に残存したトナーは、ベルト清掃部364で除去される。例えば、ベルト清掃部364は、ブレード状のクリーニング部材を備え、中間転写ベルト361の表面を清掃する。
【0027】
ところで、画像形成ユニット31において、帯電ローラー312による感光体ドラム311の帯電の際に発生する放電により生成される放電生成物が感光体ドラム311の表面に付着することがある。感光体ドラム311の表面に付着した放電生成物は、トナーが感光体ドラム311の表面に恒常的に付着して前記トナーにより画像形成が妨げられるダッシュと呼ばれる現象や、感光体ドラム311の表面の電気抵抗が低下して静電潜像の形成が妨げられる像流れと呼ばれる現象の原因となる。画像形成ユニット32〜34についても同様である。
【0028】
これに対し、画像形成装置10では、現像装置313に収納される現像剤に含まれるトナーに研磨剤が外添されていると共に、前記研磨剤が外添されたトナーを用いて感光体ドラム311の表面を研磨する構成が採用されている。例えば、前記研磨剤には酸化チタンが用いられる。
【0029】
具体的に、画像形成ユニット31のドラム清掃部315は、図3に示すように、クリーニングブレード315A、及び研磨ローラー315Bを備える。
【0030】
クリーニングブレード315Aは、感光体ドラム311の表面に残存したトナーを除去する。なお、クリーニングブレード315Aによって除去されたトナーの一部は研磨ローラー315Bに供給され、残部は不図示の搬送スクリューによって不図示のトナー回収容器まで搬送される。
【0031】
ここで、画像形成装置10では、感光体ドラム311の表面層がアモルファスシリコンにより形成されている。これにより、感光体ドラム311について高い耐久性を得ることが可能である反面、感光体ドラム311の表面に付着した放電生成物をクリーニングブレード315Aにより除去することは困難となる。そこで、画像形成装置10では、感光体ドラム311の表面に付着した放電生成物を除去するために、研磨ローラー315Bが設けられている。
【0032】
研磨ローラー315Bは、感光体ドラム311の表面を研磨する。具体的に、研磨ローラー315Bは、感光体ドラム311の表面に残存するトナー及びクリーニングブレード315Aによって除去されたトナーを用いて感光体ドラム311の表面を研磨する。これにより、クリーニングブレード315Aによっては除去が困難な感光体ドラム311の表面に付着した放電生成物が研磨により除去される。
【0033】
なお、前記研磨剤は、ビッカース硬度500kg/mm以上であって、1000kg/mm以下であることが望ましい。即ち、前記研磨剤がビッカース硬度500kg/mm未満である場合には、感光体ドラム311の表面の研磨時に要求される研磨能力を十分に得ることができない。一方、前記研磨剤がビッカース硬度1000kg/mmを超える場合には、感光体ドラム311の表面層を傷付けてしまうおそれが生じる。
【0034】
また、画像形成装置10では、感光体ドラム311〜341に形成されたトナー像が転写される転写位置P1〜P4(図4参照)において感光体ドラム311〜341各々の表面を研磨する構成が採用されている。
【0035】
具体的に、画像形成部3の中間転写装置36は、図4に示すように、研磨剤塗布部365を備える。
【0036】
研磨剤塗布部365は、複数の感光体ドラム311〜341のうち、中間転写ベルト361によるトナー像の搬送方向36Aにおける最上流に配置された感光体ドラム311より搬送方向36Aにおける上流側に配置され、中間転写ベルト361における感光体ドラム311〜341との接触面に、前記研磨剤を塗布する。
【0037】
例えば、研磨剤塗布部365は、図4に示すように、供給部365A、及び塗布ブラシ365Bを含む塗布部365Cを備える。供給部365Aは、制御部5から送信される制御信号に応じて不図示のホッパーを回転させることで、供給部365Aの内部に収納される前記研磨剤を塗布部365Cに供給する。塗布部365Cは、制御部5から送信される制御信号に応じて塗布ブラシ365Bを前記接触面に接触させる。これにより、供給部365Aから供給された前記研磨剤が塗布ブラシ365Bによって中間転写ベルト361の前記接触面に塗布される。なお、塗布ブラシ365Bは、中間転写ベルト361の走行に従動して回転するものであってもよく、不図示の動力源から供給される駆動力により回転するものであってもよい。
【0038】
ここで、中間転写ベルト361に塗布される前記研磨剤及びトナーに外添される前記研磨剤が同種のものである場合には、中間転写ベルト361から感光体ドラム311〜341に移転した前記研磨剤が画像形成ユニット31〜34における画像形成過程に影響を与えるおそれがない。そのため、中間転写ベルト361に塗布される前記研磨剤及びトナーに外添される前記研磨剤は同種のものであることが好ましい。
【0039】
一方、制御部5は、図2に示すように、処理実行部51及び速度制御部52を含む。具体的に、制御部5は、前記CPUを用いて前記ROMに記憶されている前記制御プログラムを実行することにより、処理実行部51及び速度制御部52として機能する。また、制御部5が電子回路である場合、処理実行部51及び速度制御部52は、制御部5が備えるモジュールとして構成される。
【0040】
処理実行部51は、予め定められた一又は複数のタイミングで、研磨剤塗布部365を用いて前記研磨剤を中間転写ベルト361の前記接触面に塗布すると共に、中間転写ベルト361及び感光体ドラム311〜341各々を駆動する研磨処理を実行する。
【0041】
具体的に、処理実行部51は、研磨剤塗布部365を制御して、供給部365Aに前記研磨剤を供給させると共に塗布部365Cに塗布ブラシ365Bを中間転写ベルト361の前記接触面に接触させる。また、処理実行部51は、画像形成ユニット31〜34及び中間転写装置36を制御して、画像形成ユニット31〜34に感光体ドラム311〜341を回転駆動させると共に、中間転写装置36に駆動ローラー362を回転駆動させる。これにより、中間転写ベルト361と感光体ドラム311〜341各々とが接触する転写位置P1〜P4において、前記研磨剤が塗布された中間転写ベルト361の前記接触面により感光体ドラム311〜341各々の表面が研磨される。従って、感光体ドラム311〜341各々の表面に付着した放電生成物が研磨により除去される。
【0042】
ここで、画像形成装置10では、弾性層を有する中間転写ベルト361が用いられている。例えば、中間転写ベルト361は、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の樹脂を用いて形成された基材層と、クロロブレンゴム等の合成ゴムを用いて形成された弾性層と、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂を用いて形成された表層とを有する。これにより、前記研磨処理の実行回数の増加に応じて中間転写ベルト361の前記接触面に前記研磨剤が徐々に蓄積する。従って、中間転写ベルト361の研磨能力を向上させることが可能である。
【0043】
なお、前記タイミングは、画像形成装置10で実行される前記印刷処理の実行時以外における予め定められたタイミングである。例えば、前記タイミングは、画像形成装置10の電源が投入された場合、画像形成装置10が省電力モードから復帰した場合、予め設定された特定期間が経過した場合、予め設定された特定枚数が印刷された場合、又は操作表示部6に対して予め定められた操作入力が行われた場合等である。
【0044】
速度制御部52は、処理実行部51により前記研磨処理が実行される場合に、中間転写ベルト361の搬送速度と感光体ドラム311〜341各々のトナー像担持面の移動速度との間の速度差を、画像形成装置10で実行される前記印刷処理の実行時よりも大きくする。
【0045】
例えば、画像形成装置10で前記印刷処理が実行される場合に、制御部5は、前記ROMに予め記憶された中間転写ベルト361の搬送速度の初期設定値を読み出して前記RAMの予め定められた記憶領域に記憶させることで、中間転写ベルト361の搬送速度を設定する。なお、画像形成装置10では、中間転写ベルト361の搬送速度の初期設定値は、感光体ドラム311〜341の回転速度以上の速度に設定されている。
【0046】
一方、速度制御部52は、処理実行部51により前記研磨処理が実行される場合に、前記ROMから中間転写ベルト361の搬送速度の初期設定値を読み出して、読み出した初期設定値に対して予め設定された速度加算値を加算する。そして、速度制御部52は、加算後の中間転写ベルト361の搬送速度の設定値を前記RAMの前記記憶領域に記憶させることで、中間転写ベルト361の搬送速度を前記印刷処理が実行される場合より速く設定する。これにより、中間転写ベルト361による感光体ドラム311〜341各々の表面の研磨効果を向上させることが可能である。
【0047】
ところで、前記研磨処理において、中間転写ベルト361によるトナー像の搬送方向36Aの上流側に配置された感光体ドラム311と下流側に配置された感光体ドラム341とで、前記研磨剤の供給量に差が生じることが考えられる。これに対し、画像形成装置10では、以下に説明するように、中間転写ベルト361によるトナー像の搬送方向36Aの上流側に配置された感光体ドラム311と下流側に配置された感光体ドラム341との間に生じる研磨効果の差を解消することが可能である。
【0048】
具体的に、画像形成装置10では、研磨剤塗布部365が、中間転写ベルト361の前記接触面に、帯電ローラー312〜342により帯電される感光体ドラム311〜341の帯電極性と逆極性に帯電された前記研磨剤を塗布する。より具体的に、研磨剤塗布部365の塗布ブラシ365Bは、前記研磨剤を中間転写ベルト361の前記接触面に塗布すると共に、前記研磨剤を摩擦帯電させる。
【0049】
例えば、画像形成装置10では、帯電ローラー312〜342により感光体ドラム311〜341が正極性に帯電される。そして、研磨剤塗布部365の塗布ブラシ365Bは、前記研磨剤を中間転写ベルト361の前記接触面に塗布する際に、前記研磨剤を負極性に摩擦帯電させる。例えば、塗布ブラシ365Bは、前記研磨剤を摩擦帯電によって負極性に帯電させるナイロン系の素材で形成されている。
【0050】
なお、前記研磨剤は、体積抵抗率10Ω・cm以上20Ω・cm以下であることが望ましい。即ち、前記研磨剤が体積抵抗率10Ω・cm未満である場合には、塗布ブラシ365Bとの間の摩擦帯電で前記研磨剤に電荷が蓄積されないことが考えられる。一方、前記研磨剤が体積抵抗率20Ω・cmを超える場合には、感光体ドラム311とクリーニングブレード315Aとの間において、前記研磨剤が摩擦帯電により過大な電荷を蓄積して、感光体ドラム311の表面にピンホールが開いてしまうことが考えられる。
【0051】
一方、制御部5は、図2に示すように、帯電電圧制御部53、転写電流制御部54、及び塗布量制御部55を更に含む。具体的に、制御部5は、前記CPUを用いて前記ROMに記憶されている前記制御プログラムを実行することにより、帯電電圧制御部53、転写電流制御部54、及び塗布量制御部55として機能する。また、制御部5が電子回路である場合、帯電電圧制御部53、転写電流制御部54、及び塗布量制御部55は、制御部5が備えるモジュールとして構成される。
【0052】
帯電電圧制御部53は、処理実行部51により前記研磨処理が実行される場合に、帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧を、搬送方向36Aにおける上流側に配置された帯電ローラー312から下流側に配置された帯電ローラー342の順に高くする。
【0053】
具体的に、帯電電圧制御部53は、帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧に含まれる交流成分及び直流成分のうち前記直流成分を変動させて、帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧を搬送方向36Aにおける上流側に配置された帯電ローラー312から下流側に配置された帯電ローラー342の順に高くする。これにより、感光体ドラム311〜341各々の表面における放電生成物の発生が抑制される。
【0054】
例えば、画像形成装置10では、帯電ローラー312〜342各々に同じ値の直流成分及び交流成分の電圧が印加されるように、帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧の初期設定値が前記ROMに予め記憶されている。帯電電圧制御部53は、処理実行部51により前記研磨処理が実行される場合に、前記ROMから帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧の初期設定値を読み出して、読み出した初期設定値のうちの直流成分に対して予め設定された補正値に基づく演算処理を実行する。例えば、帯電電圧制御部53は、帯電ローラー312に印加される電圧の初期設定値の直流成分に対して、前記補正値を減算する。また、帯電電圧制御部53は、帯電ローラー322に印加される電圧の初期設定値の直流成分に対して、前記補正値の2分の1の値を減算する。また、帯電電圧制御部53は、帯電ローラー332に印加される電圧の初期設定値の直流成分に対して、前記補正値の2分の1の値を加算する。また、帯電電圧制御部53は、帯電ローラー342に印加される電圧の初期設定値の直流成分に対して、前記補正値を加算する。そして、帯電電圧制御部53は、前記演算処理後の帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧の設定値を前記RAMの前記記憶領域に記憶させることで、帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧を設定する。
【0055】
転写電流制御部54は、処理実行部51により前記研磨処理が実行される場合に、一次転写ローラー314〜344各々に流れる電流を、搬送方向36Aにおける上流側に配置された一次転写ローラー314から下流側に配置された一次転写ローラー344の順に多くする。
【0056】
例えば、画像形成装置10では、一次転写ローラー314〜344において、搬送方向36Aにおける上流側に配置された一次転写ローラー314から下流側に配置された一次転写ローラー344の順に流れる電流が多くなるように、一次転写ローラー314〜344各々に流れる電流の初期設定値が前記ROMに予め記憶されている。そして、転写電流制御部54は、処理実行部51により前記研磨処理が実行される場合に、前記ROMに記憶された一次転写ローラー314〜344各々に流れる電流の初期設定値を読み出して前記RAMの予め定められた記憶領域に記憶させることで、一次転写ローラー314〜344各々に流れる電流を設定する。なお、転写電流制御部54が、処理実行部51により前記研磨処理が実行される場合に、前記ROMから読み出した一次転写ローラー314〜344各々に流れる電流の初期設定値に対して所定の演算処理を実行してもよい。
【0057】
ところで、画像形成装置10において、画像形成装置10の長期的な使用に伴い中間転写ベルト361における前記研磨剤の蓄積量が飽和して前記研磨剤がトナー像に混入し、画質が低下することが考えられる。これに対し、画像形成装置10では、制御部5が塗布量制御部55として機能する。
【0058】
具体的に、塗布量制御部55は、前記研磨処理の累積実行回数に応じて、研磨剤塗布部365により塗布される前記研磨剤の塗布量を徐々に減少させる。例えば、画像形成装置10では、制御部5が、処理実行部51により前記研磨処理が実行されるごとに、前記EEPROM等の記憶部に記憶される前記研磨処理の累積実行回数を更新する。また、画像形成装置10では、制御部5の前記ROMに、前記研磨処理の累積実行回数と研磨剤塗布部365の供給部365Aから供給される前記研磨剤の供給量とが対応付けられたテーブルデータが予め記憶されている。そして、塗布量制御部55は、前記EEPROMに記憶された前記研磨処理の累積実行回数及び前記ROMに記憶された前記テーブルデータに基づいて前記研磨剤の供給量を取得し、取得された供給量の前記研磨剤が供給されるように研磨剤塗布部365の供給部365Aを制御する。なお、前記EEPROMに記憶される前記研磨処理の累積実行回数は、中間転写装置36の交換時等に、操作表示部6での操作入力に応じてリセットされる。
【0059】
[研磨制御処理]
以下、図5を参照しつつ、画像形成装置10において制御部5が前記制御プログラムに従って実行する研磨制御処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップS1、S2・・・は、制御部5により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0060】
<ステップS1>
まず、ステップS1において、制御部5は、前記研磨処理の実行タイミングが到来したか否かを判断する。
【0061】
ここで、制御部5は、前記研磨処理の実行タイミングが到来したと判断すると(S1のYes側)、処理をステップS2に移行させる。また、前記研磨処理の実行タイミングが到来していなければ(S1のNo側)、制御部5は、ステップS1で前記研磨処理の実行タイミングの到来を待ち受ける。
【0062】
<ステップS2>
ステップS2において、制御部5は、前記研磨処理における中間転写ベルト361の搬送速度を前記印刷処理が実行される場合より速く設定する。具体的に、制御部5は、前記ROMから読み出した中間転写ベルト361の搬送速度の初期設定値に対して前記速度加算値を加算して、加算後の中間転写ベルト361の搬送速度の設定値を前記RAMの前記記憶領域に記憶させる。ここで、ステップS2の処理は、制御部5の速度制御部52により実行される。
【0063】
<ステップS3>
ステップS3において、制御部5は、前記研磨処理における帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧を、搬送方向36Aにおける上流側に配置された帯電ローラー312から下流側に配置された帯電ローラー342の順に高くなるように設定する。具体的に、制御部5は、前記ROMから読み出した帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧の初期設定値のうちの直流成分に対して前記補正値に基づく前記演算処理を実行して、前記演算処理後の帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧の設定値を前記RAMの前記記憶領域に記憶させる。ここで、ステップS3の処理は、制御部5の帯電電圧制御部53により実行される。
【0064】
<ステップS4>
ステップS4において、制御部5は、前記研磨処理における一次転写ローラー314〜344各々に流れる電流を、搬送方向36Aにおける上流側に配置された一次転写ローラー314から下流側に配置された一次転写ローラー344の順に多くなるように設定する。具体的に、制御部5は、前記ROMから読み出した一次転写ローラー314〜344各々に流れる電流の初期設定値を前記RAMの前記記憶領域に記憶させる。ここで、ステップS4の処理は、制御部5の転写電流制御部54により実行される。
【0065】
<ステップS5>
ステップS5において、制御部5は、研磨剤塗布部365の供給部365Aに前記研磨剤を供給させる。具体的に、制御部5は、前記EEPROMに記憶された前記研磨処理の累積実行回数及び前記ROMに記憶された前記テーブルデータに基づいて前記研磨剤の供給量を取得し、取得された供給量の前記研磨剤を研磨剤塗布部365の供給部365Aに供給させる。ここに、ステップS5の処理が、本発明における第2ステップの一例であって、制御部5の塗布量制御部55により実行される。
【0066】
<ステップS6>
ステップS6において、制御部5は、ステップS2で設定された中間転写ベルト361の搬送速度、ステップS3で設定された帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧、及びステップS4で設定された一次転写ローラー314〜344各々に流れる電流に基づいて、前記研磨処理を実行する。ここに、ステップS6の処理が、本発明における第1ステップの一例であって、制御部5の処理実行部51により実行される。
【0067】
<ステップS7>
ステップS7において、制御部5は、前記EEPROMに記憶されている前記研磨処理の累積実行回数を更新する。
【0068】
[実施例1]
画像形成装置10において、前記研磨処理の実行条件を各々変化させて、感光体ドラム311〜341各々で形成される画像の品質を調査する実験を行った。実験結果を図6に示す。なお、前記実験における画像の品質の調査は、前記研磨処理の実行後に、中間転写ベルト361の搬送方向36Aに沿った帯状のベタ画像を複数枚印刷して、印刷された画像における不具合の有無を確認する方法により行った。また、前記実験においては、40万枚印刷後の感光体ドラム311〜341、及び1万枚印刷後の中間転写ベルト361を用いた。ここで、図6において、「○」は印刷された画像において不具合が確認されなかったことを示すものである。また、「×」は印刷された画像において不具合が確認されたことを示すものである。
【0069】
図6に示す実験結果によれば、帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧が共通の場合であって、一次転写ローラー314〜344に流れる電流が5μA以下の場合には、10μA以上の場合と比較して感光体ドラム321における画像の不具合の発生が抑制されている。これは、一次転写ローラー314に流れる電流が少ない場合には、研磨剤塗布部365で中間転写ベルト361の前記接触面に塗布された前記研磨剤の感光体ドラム311への移転量が減少して、搬送方向36Aにおける感光体ドラム311の下流側に供給される前記研磨剤の供給量が増加した結果によるものと考えられる。ここから、一次転写ローラー314〜344各々に流れる電流を、搬送方向36Aにおける上流側に配置された一次転写ローラー314から下流側に配置された一次転写ローラー344の順に多くすることで、感光体ドラム311〜341各々への前記研磨剤の移転量をある程度均等にすることができるものと考えられる。
【0070】
また、図6に示す実験結果によれば、帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧が順次上昇する場合において、一次転写ローラー314〜344に流れる電流が10μA以下の場合には、感光体ドラム311〜331における画像の不具合の発生が抑制されている。特に、一次転写ローラー314〜344に流れる電流が10μAの場合には、感光体ドラム311〜341における画像の不具合の発生が抑制されている。これは、帯電ローラー312〜342各々に印加される電圧が順次上昇することで、感光体ドラム311〜341各々への前記研磨剤の移転量がある程度均等になった結果によるものと考えられる。
【0071】
[実施例2]
画像形成装置10において、画像形成装置10での中間転写ベルト361の使用状況及び研磨剤塗布部365で塗布される前記研磨剤の塗布量を各々変化させて、画像形成装置10で印刷される画像の品質を調査する実験を行った。実験結果を図7に示す。なお、前記実験における画像の品質の調査は、前記研磨処理の実行後に、中間転写ベルト361の搬送方向36Aに沿った帯状のベタ画像を複数枚印刷して、印刷された画像における不具合の有無を確認する方法により行った。また、前記実験においては、40万枚印刷後の感光体ドラム311〜341を用いた。ここで、図7において、「○」は印刷された画像において不具合が確認されなかったことを示すものである。また、「×」は印刷された画像において不具合が確認されたことを示すものである。
【0072】
図7に示す実験結果によれば、画像形成装置10での印刷枚数の多い中間転写ベルト361ほど、より少ない研磨剤の塗布量で画像の不具合の発生が抑制されている。これは、画像形成装置10の使用期間の増大に応じて、前記研磨処理によって中間転写ベルト361の前記接触面に塗布された前記研磨剤の蓄積量が増加したためと考えられる。
【0073】
また、図7に示す実験結果によれば、研磨剤の塗布量が6.0gの場合に画像の不具合が生じている。これは、過大な量の前記研磨剤が中間転写ベルト361の前記接触面に供給されて、中間転写ベルト361に転写されたトナー像に前記研磨剤が混入したためと考えられる。
【0074】
更に、図7に示す実験結果によれば、画像形成装置10での印刷枚数が600万枚の中間転写ベルト361であって、研磨剤の塗布量が4.0gの場合に画像の不具合が生じている。これは、画像形成装置10の長期的な使用に伴い中間転写ベルト361における前記研磨剤の蓄積量が飽和して、中間転写ベルト361に転写されたトナー像に前記研磨剤が混入したためと考えられる。
【0075】
このように、画像形成装置10では、前記研磨処理の累積実行回数に応じて、研磨剤塗布部365により塗布される前記研磨剤の塗布量が徐々に減少される。これにより、中間転写ベルト361に塗布される前記研磨剤による画質の低下を抑制することが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 :ADF
2 :画像読取部
3 :画像形成部
31〜34:画像形成ユニット
311〜341:感光体ドラム
312〜342:帯電ローラー
314〜344:一次転写ローラー
36:中間転写装置
361:中間転写ベルト
365:研磨剤塗布部
4 :給紙部
5 :制御部
51:処理実行部
52:速度制御部
53:帯電電圧制御部
54:転写電流制御部
55:塗布量制御部
6 :操作表示部
10:画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7