(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
矩形に構成されたリジッド基板の複数の辺に設けられた前記リジッド基板の電極パッドおよび前記接続端子のうち、1辺に設けられた前記リジッド基板の電極パッドと前記接続端子のみが共通化される
請求項15に記載のカメラモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して、ここで開示する技術の実施の形態について説明する。
【0036】
図1は、従来のカメラモジュールの構成例を示す斜視図である。同図に示されるカメラモジュール10は、例えば、携帯電話機やスマートフォンなどの電子機器に搭載される。
【0037】
図1のカメラモジュール10は、レンズユニット11、枠12、リジッド基板13、およびフレキシブル基板14により構成されている。フレキシブル基板は、FPC(Flexible Printed Circuits)とも称される。
【0038】
レンズユニット11は、カメラのレンズなどを格納するユニットとされる。レンズユニット11内のレンズを通して集光された光が、後述するイメージセンサの受光面に結像することにより、画像が撮影されることになる。
【0039】
枠12は、例えば、リジッド基板13との接続に用いられる規格化された接続部品などとされ、遮光性を高める用途などにも用いられる。なお、枠12は、設けられないようにすることも可能であり、この場合、レンズユニット11は、リジッド基板13に直接接着される。
【0040】
リジッド基板13は、例えば、カメラのイメージセンサなどが配置される基板とされる。
【0041】
フレキシブル基板14は、例えば、カメラモジュール10に入出力される信号などを、電子機器の他のユニットに入出力するための配線などがプリントされた基板とされる。
図1の例では、フレキシブル基板14が、リジッド基板13の底面(図中下側の面)に接着されている。
【0042】
図2は、従来のカメラモジュール10の構成例を説明する側面図である。なお、
図2に示されるカメラモジュール10では、
図1の枠12が設けられておらず、レンズユニット11が直接リジッド基板13に接着されている。
【0043】
また、
図2の例では、
図1を参照して説明した場合と同様に、フレキシブル基板14がリジッド基板13の底面に接着されている。なお、この例では、フレキシブル基板14とリジッド基板13との接着に用いられたハンダボール21が図示されている。
【0044】
図2のように構成されるカメラモジュール10の厚み(図中の高さ)は、H1とされ、高さH1には、フレキシブル基板14の厚み、および、ハンダボール21の厚みも含まれる。また、カメラモジュール10の図中横方向の長さは、L1とされる。なお、ここでは、カメラモジュール10の横方向の長さには、フレキシブル基板14のみが存在する部分を含まないこととする。
【0045】
しかしながら、近年、携帯電話機やスマートフォンなどの薄型化が進んでおり、当然、カメラモジュールの薄型化も期待されている。
【0046】
そこで、例えば、リジッド部とフレキシブル部を一体化させたリジッドフレキシブル基板を用いることも考えられる。この場合、リジッド基板とフレキシブル基板との接続を考慮する必要がない。
【0047】
しかしながら、リジットフレキシブル基板を用いる場合、例えば、リジット基板とフレキシブル基板を接続(接着)する構成の場合と比較して、設計上の制約が多くなる。
【0048】
例えば、リジットフレキシブル基板を用いる場合、ビアのピッチや配線の線幅などを、基板内のフレキ部の設計ルールに合わせる必要があるため、基板内のリジット部においても微細な配線を行うことが難しい。
【0049】
また、リジットフレキシブル基板を用いる場合、リジット部を構成する層の間にフレキ部を構成する層が挿入されるため、例えば、イメージセンサをワイヤボンディングする際等に、超音波、温度設定などプロセス条件範囲が狭くなる。
【0050】
さらに、リジットフレキシブル基板を用いる場合、リジッド部を構成する層、および、フレキ部を構成する層のそれぞれにおいて、部材の使用率が低下するので、基板コストが増加し、カメラモジュール全体のコストを抑制することが難しい。
【0051】
また、リジットフレキシブル基板を用いる場合、例えば、カメラモジュールが組み込まれる携帯電話機、スマートフォンなどにあわせてフレキ部の形状を変更しようとすると、リジット部も含めて基板全体を再度設計する必要がある。このような場合、例えば、基板の納期の長期化につながり、コストもさらに増大する。
【0052】
あるいはまた、例えば、
図3に示されるように、モジュール全体の厚みを抑制するために、リジッド基板13を、レンズユニット11の底面からはみ出すように構成し、リジッド基板13の表面(図中上側の面)でフレキシブル基板14を接着することも考えられる。
【0053】
図3に示されるようにカメラモジュール10を構成した場合、フレキシブル基板14の厚み、および、ハンダボール21の厚みがキャンセルされるので、カメラモジュール10の厚みは、H1より小さいH2になる。すなわち、
図1の場合と比較して、カメラモジュール10をより薄く構成することができる。
【0054】
しかしながら、
図3に示されるようにカメラモジュール10を構成した場合、リジッド基板13が図中横方向に長さαだけ伸びたため、カメラモジュール全体の図中横方向の長さも伸びる。
図3の例では、カメラモジュール10の図中横方向の長さが、L1より大きいL2とされている。
【0055】
このため、例えば、
図3に示されるようにカメラモジュール10を構成した場合、カメラモジュール10の横方向の長さの増加を見込んで、携帯電話機、スマートフォンなどを設計しなければならない。
【0056】
そこで、本技術では、例えば、
図4に示されるようにカメラモジュールを構成する。
【0057】
図4は、本技術を適用したカメラモジュール50の構成例を説明する側面図である。なお、
図4に示されるカメラモジュール50では、
図1で説明した枠が設けられておらず、レンズユニット51が直接リジッド基板53に接着されている。
【0058】
また、
図4に示されるカメラモジュール50においては、レンズユニット51とリジッド基板53との間にフレキシブル基板54の図中左端部が挟まれている。
【0059】
本技術を適用したカメラモジュール50においては、フレキシブル基板54の図中左側の端部のみが、リジッド基板53の表面の図中右側の端部と接着されるようになされている。また、詳細は後述するが、本技術を適用したカメラモジュール50においては、レンズユニット51の図中右側端部にフレキシブル基板54の左端部を収容するための溝が設けられている。
【0060】
図4に示されるようにカメラモジュール50を構成した場合、フレキシブル基板54の厚み、および、ハンダボールの厚みがキャンセルされるので、カメラモジュール50の厚みはH2になる。すなわち、
図1の場合と比較して、カメラモジュールをより薄く構成することができる。
【0061】
また、
図4に示されるようにカメラモジュール50を構成した場合、カメラモジュール50の図中横方向の長さはL1となる。従って、例えば、
図3に示される構成のように、カメラモジュール全体の図中横方向の長さが伸びることもない。
【0062】
さらに、
図4に示されるようにカメラモジュール50を構成した場合、フレキシブル基板54の図中横方向の長さを短く構成することができる。例えば、
図1のフレキシブル基板14の場合と比較して、
図4のフレキシブル基板54は、長さL3だけ図中横方向の長さが短く構成されている。
【0063】
従って、
図4に示されるようにカメラモジュール50を構成した場合、例えば、
図1の構成と比較して長さL3に対応する分、フレキシブル基板の面積を削減することができる。つまり、本技術を適用することで、高価なフレキシブル基板の面積を削減することにより、カメラモジュール全体のコストを抑制することもできる。
【0064】
図5は、本技術を適用したカメラモジュール50の構成例を説明する別の側面図である。
図5のAは、カメラモジュール50において、枠が設けられない場合の構成例を示す図であり、
図5のBは、カメラモジュール50において、枠が設けられる場合の構成例を示す図である。
【0065】
図5のAに示されるカメラモジュール50においては、レンズユニット51とリジッド基板53との間にフレキシブル基板54の図中左端部が挟まれている。
【0066】
本技術を適用したカメラモジュール50においては、フレキシブル基板54の図中左側の端部のみが、リジッド基板53の表面の図中右側の端部と接着されるようになされている。また、
図5のAの例では、レンズユニット51の図中右側端部にフレキシブル基板54の左端部を収容するための溝51aが設けられている。
【0067】
図5のBに示されるカメラモジュール50においては、レンズユニット51とリジッド基板53との間に枠52が設けられており、枠52とリジッド基板53との間にフレキシブル基板54の図中左端部が挟まれている。また、
図5のBの例では、枠52の図中右側端部にフレキシブル基板54の左端部を収容するための溝52aが設けられている。
【0068】
例えば、溝51aまたは溝52aを設けないと、フレキシブル基板54の厚みによって、レンズユニット51の図中右側が浮き上がり、レンズユニット51内のレンズによって集光された光がリジッド基板53上のイメージセンサの撮像面上において適正に結像しなくなる恐れがある。ここで、レンズによって集光された光をイメージセンサの撮像面上において適正に結像させるには、レンズユニット51の天面(図中上側の面)とイメージセンサ61の撮像面の平行度が1.5度以内になるようにする必要がある。
【0069】
なお、レンズユニット51、または、枠52は、接着剤などによりリジッド基板53に接着されるので、例えば、接着剤の厚みを調整することで、レンズユニット51内のレンズの焦点位置を適正にするように、あおり調整することができる。
【0070】
また、溝51aまたは溝52aを設けないと、フレキシブル基板54の厚みによって、レンズユニット51の図中右側が浮き上がり、その分接着剤を、図中左側部分において余分に注入する必要がある。このため、レンズユニット51、または、枠52の接着強度が不足したり、接着剤を透過した光がイメージセンサに漏れ込む恐れがある。
【0071】
ただし、フレキシブル基板54を挟んだ状態で、リジッド基板53の表面と、レンズユニット51(または枠52)の底面が並行となるように、遮光性の高い接着剤を大量に注入すれば、溝51aまたは溝52aを設けずにカメラモジュールを構成することも可能である。
【0072】
図6は、
図5に示されるカメラモジュール50を
図5の上方向から見た平面図である。なお、
図6においては、分かり易くするため、レンズユニット51および枠52を表示していない。
【0073】
図6に示されるように、リジッド基板53のほぼ中央に矩形のイメージセンサ61が配置されている。なお、図中において紙面表側がイメージセンサ61の撮像面とされる。同図に示されるように、フレキシブル基板54の図中左側の一部がリジッド基板53の図中右側の一部と重なっている。この重なった部分において、フレキシブル基板54とリジッド基板53が接着され、また、電気的に接続されている。
【0074】
また、
図6に示されるように、フレキシブル基板54は、リジッド基板53の上(イメージセンサ61の受光面側)に配置されている。
【0075】
図7は、
図5に示されるカメラモジュール50を
図5の上方向から見た別の平面図である。
図7の場合、
図6と異なり、枠52の表示が追加されている。
【0076】
図7に示されるように、フレキシブル基板54の図中左側の一部が枠52の図中右側の一部と重なっており、フレキシブル基板54は、枠52の下に配置されている。また、枠52の中央は、空洞とされており、イメージセンサ61の撮像面が見えている。
【0077】
図8は、
図7の枠52の詳細な構成例を示す平面図である。同図は、枠52を
図7の下方向(紙面裏側)から見た図であり、枠52の底面が示されている。
図8に示されるように、枠52の図中右側に溝52aが設けられている。なお、上述したように、枠52の中央部は空洞として構成されている。
【0078】
図9は、
図8の一点鎖線A−A´における枠52の断面図である。同図に示されるように、図中右側に溝52aが設けられている。
【0079】
図10は、
図7の枠52の別の詳細な構成例を示す平面図である。同図は、枠52を
図7の下方向から見た図であり、枠52の底面が示されている。
図10に示されるように、枠52の図中右側に溝52aが設けられている。なお、上述したように、枠52の中央部は空洞として構成されている。
【0080】
図10の例では、
図8の場合と異なり、溝52aがリジッド基板53の図中上から下全体に渡って形成されている。溝52aは、このように形成されるようにしてもよい。
【0081】
図11は、
図10の一点鎖線A−A´における枠52の断面図である。同図に示されるように、図中右側に溝52aが設けられている。
【0082】
なお、ここでは、枠52に溝52aが設けられる場合について説明したが、レンズユニット51に溝51aが設けられる場合についても同様である。すなわち、
図10の場合のように、レンズユニット51の上から下全体に渡って溝51aが形成されるようにしてもよいし、
図8の場合のように、レンズユニット51の上側と下側を残して溝51aが形成されるようにしてもよい。
【0083】
ところで、リジッド基板53の表面には、回路パターンを保護する絶縁膜などとされるソルダーレジスト(SR)が設けられる。しかしながら、
図5乃至
図11を参照して上述したように、フレキシブル基板54を、リジッド基板53の表面において接着して電気的に接続させる場合、リジッド基板53の表面の一部においてSRを除去しておく必要がある。フレキシブル基板54の接続端子とリジッド基板53の接続端子とを接続させるためである。
【0084】
図12は、
図5に示されるカメラモジュール50を
図5の上方向から見た平面図である。なお、
図12においては、分かり易くするため、レンズユニット51および枠52を表示していない。
【0085】
図12に示されるように、リジッド基板53のほぼ中央に矩形のイメージセンサ61が配置されている。同図に示されるように、フレキシブル基板54の図中左側の一部がリジッド基板53の図中右側の一部と重なっている。そして、リジッド基板53の図中右側の一部においてSRが除去されており、接続端子部53aが形成されている。
【0086】
また、フレキシブル基板54においても、図中左側の一部に接続端子部が設けられるが、
図12においては、フレキシブル基板54の裏面に接続端子部が設けられることになるので、図示されていない。
【0087】
リジッド基板53の接続端子部53a、およびフレキシブル基板54の図示せぬ接続端子部には、それぞれ接続端子が設けられ、リジッド基板53のリジッド基板53の接続端子と、フレキシブル基板54の接続端子とが接着されることにより、リジッド基板53とフレキシブル基板54とが電気的に接続されることになる。
【0088】
図13は、
図12に示されるフレキシブル基板54とリジッド基板53の構成を詳細に示した平面図である。同図の例では、イメージセンサ61がより詳細に表示されている。また、上述したように、フレキシブル基板54の図中左側の一部がリジッド基板53の図中右側の一部と重なっている。
図13では、この重なった部分がオーバーラップ幅Wとして示されている。
【0089】
オーバーラップ幅Wは、四角形のリジッド基板の1辺(例えば、
図13の右側の辺)の端部から距離として表され、オーバーラップ幅Wの帯状の領域において、フレキシブル基板54とリジッド基板53とが重なり合って接着される。フレキシブル基板54との接続(接着)がイメージセンサ61の配置に影響を与えないようにし、また、高価なフレキシブル基板の面積を削減することにより、カメラモジュール全体のコストを抑制するためには、オーバーラップ幅Wは、例えば、2.4mm以下とされることが望ましい。
【0090】
図14は、本技術を適用したカメラモジュールの製造プロセスの例を説明する図である。
【0091】
最初に、
図14のAに示されるように、部品62が実装されたリジッド基板53を用意する。なお、
図12を参照して上述したように、リジッド基板53の図中右側の一部においてSRが除去されており、接続端子部53aが形成されている。
【0092】
次に、
図14のBに示されるように、リジッド基板53にフレキシブル基板54を接着する。この際、上述したように、オーバーラップ幅Wの部分においてリジッド基板53とフレキシブル基板54とが接着され、接続端子部53aに配置された接続端子とフレキシブル基板54の接続端子とが接着されることにより電気的に接続される。
【0093】
なお、リジッド基板53とフレキシブル基板54との接着には、例えば、はんだ、はんだ入り接着材、ACF、ACPなどが用いられる。
【0094】
次に、
図14のCに示されるように、リジッド基板53にイメージセンサ61がダイボンディング(DB)される。
【0095】
そして、
図14のDに示されるように、イメージセンサ61とリジッド基板53との間でワイヤボンディング(WB)が行われる。
図14のDでは、ワイヤ63がワイヤボンディングされている。
【0096】
次に、
図14のEに示されるように、接着剤が塗布される。
図14のEでは、リジッド基板53の左右両端に接着剤64が塗布されている。リジット基板53とレンズユニット51の接着(または、リジッド基板53と枠52の接着)に用いられる接着剤64には、光を減衰する樹脂が用いられる。例えば、黒色樹脂やフィラーを有した樹脂などが接着剤64として用いられる。
【0097】
最後に、
図14のFに示されるように、枠52またはレンズユニット51がリジッド基板53に接着される。なお、
図14のFの左側の図では、枠52がリジッド基板53に接着されており、右側の図では、レンズユニット51がリジッド基板53に接着されている。また、上述したように、レンズによって集光された光をイメージセンサの撮像面上において適正に結像させるには、レンズユニット51の天面とイメージセンサ61の撮像面の平行度が1.5度以内になるようにする必要がある。
【0098】
本技術を適用したカメラモジュールは、このような製造プロセスを経て製造される。
【0099】
ところで、本技術では、上述したように、フレキシブル基板54の一部がリジッド基板53の一部と重なった部分(オーバーラップ幅)において、フレキシブル基板54とリジッド基板53が接着される。このため、例えば、カメラモジュールの使用状況に応じて、フレキシブル基板54の破壊強度の向上が求められることも考えられる。
【0100】
図15は、本技術を適用したカメラモジュールにおけるフレキシブル基板54の別の構成を説明する図である。同図は、
図6に対応する図であり、
図6と対応する各部には、同一の符号が付されている。
【0101】
図15の例では、フレキシブル基板54に補強部54aが設けられている。この例では、フレキシブル基板54の図中上側端部と下側端部とにおいて、図中左方向に延在する補強部54aが設けられている。つまり、フレキシブル基板54において、四角形のイメージセンサ61の2辺と平行に延在する補強部54aが設けられている。
【0102】
上述したオーバーラップ幅に加えて、補強部54aにおいてもフレキシブル基板54とリジッド基板53が接着されるようにすれば、例えば、
図6の場合と比較して接着面の面積が増加する。従って、
図15の構成の場合、
図6の場合と比較して、フレキシブル基板54の破壊強度を向上させることができる。
【0103】
また、補強部54aは、イメージセンサ61と接触しない位置に設けられているので、イメージセンサ61の配置に影響を与えることもない。
【0104】
図15に示されるように、フレキシブル基板54を構成することで、例えば、カメラモジュールの使用状況に応じて、フレキシブル基板54の破壊強度を向上させることができる。
【0105】
あるいはまた、
図16に示されるように、本技術を適用したカメラモジュールにおけるフレキシブル基板54が構成されるようにしてもよい。同図は、
図6に対応する図であり、
図6と対応する各部には、同一の符号が付されている。
【0106】
図16の例では、フレキシブル基板54に補強部54bが設けられている。この例では、フレキシブル基板54の図中上側端部と下側端部とにおいて、図中上下方向に延在する補強部54bが設けられている。つまり、フレキシブル基板54において、四角形のイメージセンサ61の1辺と平行に延在する補強部54bが設けられている。
【0107】
上述したオーバーラップ幅に加えて、補強部54bにおいてもフレキシブル基板54とリジッド基板53が接着されるようにすれば、例えば、
図6の場合と比較して接着面の面積が増加する。従って、
図16の構成の場合、
図6の場合と比較して、フレキシブル基板54の破壊強度を向上させることができる。
【0108】
また、補強部54bは、イメージセンサ61と接触しない位置に設けられているので、イメージセンサ61の配置に影響を与えることもない。
【0109】
図16に示されるように、フレキシブル基板54を構成することで、例えば、カメラモジュールの使用状況に応じて、フレキシブル基板54の破壊強度を向上させることができる。
【0110】
ところで、上述した実施の形態では、例えば、
図14のDを参照して上述したように、イメージセンサ61とリジッド基板53との間でワイヤボンディングが行われるものとして説明した。
【0111】
リジッド基板53上にボンディングされたイメージセンサ61と接続されるワイヤは、リジッド基板53に形成された配線を介して接続端子部53aに配置された接続端子と電気的に接続される。そして、リジッド基板53の接続端子とフレキシブル基板54の接続端子とが接着されることにより、イメージセンサ61とフレキシブル基板54とが電気的に接続されることになる。
【0112】
しかしながら、このように接続する場合、カメラモジュールの小型化に限界がある。すなわち、リジッド基板53にフレキシブル基板54を接着する際、上述したように、オーバーラップ幅が必要になり、さらに、イメージセンサ61とリジッド基板53との間でのワイヤボンディングのための幅も必要となる。従って、リジッド基板53は、イメージセンサ61と比較して、少なくともオーバーラップ幅およびワイヤボンディングのための幅だけ大きくする必要がある。
【0113】
図17は、イメージセンサ61の端部からリジッド基板53の端部まで距離である必要距離を説明する側面図である。
図17に示される通り、リジッド基板53の端部からオーバーラップ幅およびワイヤボンディングのための幅に対応する距離が必要距離とされている。なお、実際には、オーバーラップ幅およびワイヤボンディングのための幅に加えて、リジッド基板53のワイヤボンディングパッドと接続端子部53aが重ならないようにするための、公差、搭載精度を考慮した距離が必要距離とされる。
【0114】
図18は、
図17の上から見た平面図である。同図では、分かり易くするため、レンズユニット51の記載が省略されている。
【0115】
図18のAに示されるように、イメージセンサ61の図中右側と図中左側に垂直方向に並べて設けられた電極パッド(図中の正方形)にワイヤ63の一端が接続されている。また、ワイヤ63の他端はリジッド基板53の図中右側と図中左側に垂直方向に並んで設けられた電極パッド(図中の正方形)に接続されている。
【0116】
リジッド基板53の電極パッドは、リジッド基板53に形成された配線を介して接続端子部53aとそれぞれ接続されている。
【0117】
そして、
図18のBに示されるように、リジッド基板53の接続端子部53aと重なるようにフレキシブル基板54が接着される。この際、イメージセンサ61の図中右側の端部からフレキシブル基板54の図中左側の端部までの距離が必要距離とされる。
【0118】
このような必要距離を設けるべくリジッド基板53を設計すると、リジッド基板53のサイズを小型化することが困難になり、結果としてカメラモジュールのさらなる小型化が困難になる。
【0119】
そこで、例えば、
図19に示されるように、イメージセンサ61の電極パッドと接続されるワイヤ63の他端がフレキシブル基板54に直接接続されるようにしてもよい。
図19に示されるように接続される場合、ワイヤボンディングのための幅を大幅に削減することができるので、例えば、
図17の場合と比較して必要距離を短くすることができる。
【0120】
イメージセンサ61の電極パッドと接続されるワイヤ63の他端がフレキシブル基板54に直接接続されるようにする場合、例えば、フレキシブル基板54の端部の配線が形成されていない部分を打ち抜き加工して開口を形成し、その開口に金属を埋め込むなどして電極パッドを形成すればよい。
【0121】
図20は、フレキシブル基板54の打ち抜き加工を説明する図である。
【0122】
図20のAは、フレキシブル基板54の打ち抜き加工の例を示す平面図である。この例では、フレキシブル基板54の図中左側の端部が打ち抜き加工されて開口54eが垂直方向に並んで設けられている。同図に示されるように、開口54eは、フレキシブル基板54の表面の配線54fが形成されていない位置に形成されている。
【0123】
なお、フレキシブル基板54は多層構造とされ、例えば、4層の基板が積層されて構成されるものとする。また、フレキシブル基板54の最上層の基板には配線が形成されず、
図20のAにおいて図中水平方向に延在する複数の線は、フレキシブル基板54内に形成された配線54fが最上層の基板を透過して見えることを模式的に表現するものである。
【0124】
図20のBは、
図20のAに対応する側面図である。同図に示されるように、開口54eは、フレキシブル基板54の表面から底面までを貫通するように形成されており、また、フレキシブル基板54の内部の配線54g、配線54h、または配線54iが形成されていない位置に形成されている。すなわち、多層構造のフレキシブル基板54の全ての層が打ち抜き加工されて開口54eが形成される。
【0125】
開口54eには、金属が埋め込まれる。ここで埋め込む金属は、例えば、Au、または、イメージセンサ61の電極パッドとの接続性の高い金属とされる。また、フレキシブル基板54の厚みが100μm程度である場合、埋め込む金属は、単一の金属ではなく、例えば、Niなどの金属の表面をAuによりメッキしたものとされてもよい。
【0126】
図21は、リジッド基板53とフレキシブル基板54との接続方式を説明する側面図である。
【0127】
図21のAに示されるように、開口54eには金属が埋め込まれて埋め込み電極71が形成される。埋め込み方式は、例えば、スキージー印刷などの方式によるものとする。埋め込み電極71は、リジッド基板53の電極パッド72と熱、または超音波による金属接合によって接続される。すなわち、埋め込み電極71が電極パッド72に直接溶接される。
【0128】
このように金属同士を直接溶接することにより、リジッド基板53とフレキシブル基板54の接合強度が高められる。
【0129】
電極パッド72は、リジッド基板53の内部で配線73と電気的に接続されている。リジッド基板53の配線73は、フレキシブル基板54の配線54iと接続されており、リジッド基板53とフレキシブル基板54は、例えば、ACF、はんだ入り接着材(SAM等)などの接着剤などにより接着される。
【0130】
ここでリジッド基板53の配線73は、例えば、接続端子部53aの端子に対応しており、フレキシブル基板54の配線54iは、例えば、フレキシブル基板54の接続端子部の端子に対応する。
【0131】
そして、
図21のBに示されるようにイメージセンサ61の電極パッド61aと埋め込み電極71とがワイヤ63によりワイヤボンディングで接続される。これにより、イメージセンサ61の電極パッド61aとフレキシブル基板54の配線54iとが電気的に接続されたことになる。
【0133】
図22に示されるように、イメージセンサ61の図中右側と図中左側に垂直方向に並んで設けられた電極パッドにワイヤの一端が接続されている。リジッド基板53の接続端子部53aと重なるようにフレキシブル基板54が接着され、図中右側の電極パッド61aと接続されたワイヤ63の他端は、フレキシブル基板54に埋め込まれた埋め込み電極71に接続されている。この際、イメージセンサ61の図中右側の端部からフレキシブル基板54の図中左側の端部までの距離が必要距離とされる。
【0134】
なお、
図22において、イメージセンサ61の図中左側の電極パッドは、リジッド基板53の電極パッドとワイヤで接続されている。
【0135】
このようにすることで、ワイヤボンディングのための幅を大幅に削減することができるので、例えば、
図18の場合と比較して必要距離を短くすることができる。これにより、カメラモジュールのさらなる小型化が可能となる。
【0136】
図21を参照して上述した例では、スキージー印刷などの方式により、フレキシブル基板54の開口54eに埋め込み電極71が埋め込まれる場合の例について説明したが、埋め込み電極71が埋め込まれる代わりに、スタッドバンプが形成されるようにしてもよい。
【0137】
図23は、リジッド基板53とフレキシブル基板54との接続方式の別の例を説明する側面図である。
【0138】
図23のAに示されるように、開口54eにはスタッドバンプ81が形成されている。スタッドバンプ81は、リジッド基板53の電極パッド72と熱、または超音波による金属接合によって接続される。すなわち、スタッドバンプ81が電極パッド72に直接溶接される。
【0139】
このように金属同士を直接溶接することにより、リジッド基板53とフレキシブル基板54の接合強度が高められる。
【0140】
電極パッド72は、リジッド基板53の内部で配線73と電気的に接続されている。リジッド基板53の配線73は、フレキシブル基板54の配線54iと接続されており、リジッド基板53とフレキシブル基板54は、例えば、ACFの接着剤などにより接着される。
【0141】
そして、
図23のBに示されるようにイメージセンサ61の電極パッド61aとスタッドバンプ81とがワイヤ63によりワイヤボンディングで接続される。これにより、イメージセンサ61の電極パッド61aとフレキシブル基板54の配線54iとが電気的に接続されたことになる。
【0142】
なお、スタッドバンプ81が形成された後、スタッドバンプ81の位置と開口54eの位置を合わせてリジッド基板53とフレキシブル基板54とを重ねあわせ、接着するようにしてもよい。
【0143】
ところで、
図21または
図23を参照して上述した実施の形態では、フレキシブル基板54の開口54eに形成された埋め込み電極71またはスタッドバンプ81が、リジッド基板53の電極パッド72と接続され、リジッド基板53の内部で配線73と電気的に接続される。この場合、イメージセンサ61から出力される信号が、フレキシブル基板54から、一度リジッド基板53を経由して、再度フレキシブル基板54に伝達されることになる。
【0144】
しかしながら、イメージセンサ61から出力される信号がフレキシブル基板54に伝達され、そのままフレキシブル基板54の内部で伝送されるようにすれば、リジッド基板53内の配線をより簡素化することができる。また、イメージセンサ61から出力される信号がリジッド基板53の接続端子部53aを経由せずに伝送されるので、端子の接続に係るインピーダンスを低減することも可能となり、さらに接続端子部53aにおける端子の数を少なくすることができる。
【0145】
図24は、リジッド基板53とフレキシブル基板54との接続方式のさらに別の例を説明する側面図である。
【0146】
図24の例では、フレキシブル基板54の図中上側にパッド85が形成されている。パッド85は、イメージセンサ61の電極パッド61aとワイヤ63によりワイヤボンディングされ、イメージセンサ61から出力される信号は、配線54jなどを介してフレキシブル基板54の内部で伝送されることになる。
【0147】
図25は、
図24の一部であって、フレキシブル基板54とリジッド基板53との接続部分を拡大して表示した図である。
【0148】
図25に示されるように、パッド85に接続されたワイヤ63を介して供給される信号は、リジッド基板53を経由せずに配線54jなどを介してフレキシブル基板54の内部で伝送されることになる。一方、リジッド基板53内の配線などを経由して伝送される信号は、リジッド基板53の配線73(接続端子部53aの端子)とフレキシブル基板の配線54i(接続端子部の端子)がACF、はんだ入り接着材などにより接着されて接続されることにより、フレキシブル基板54に伝送される。
【0149】
図25に示されるように、パッド85を設ける場合、例えば、多層構造のフレキシブル基板54において、最上層の端部を打ち抜き加工して開口を形成し、その開口に金属を埋め込むなどしてパッド85を形成すればよい。この際、例えば、スキージー印刷などにより開口に金属が埋め込まれる。
【0150】
図26は、
図25に示されるパッド85を形成する場合のフレキシブル基板54の打ち抜き加工を説明する図である。
【0151】
図26のAは、フレキシブル基板54の打ち抜き加工の例を示す平面図である。この例では、フレキシブル基板54の最上層54−1の図中左側の端部が打ち抜き加工されて開口54−1eが垂直方向に並んで設けられている。
【0152】
図26のBは、
図26のAに対応する側面図である。同図に示されるように、開口54−1eは、フレキシブル基板54の最上層54−1のみを貫通するように形成されている。
【0153】
図27は、
図26のAおよび
図26のBに示される最上層54−1を含んで構成されるフレキブル基板54全体の構成を説明する図である。
【0154】
図27のAは、最上層54−1を含んで構成されるフレキブル基板54全体の平面図である。この例では、フレキシブル基板54は4層構造であるものとする。
図27のAでは、最上層54−1が、それ以外の3層に貼り付けられており、図中水平方向に延在する複数の線は、フレキシブル基板54内に形成された配線54fが最上層の基板を透過して見えることを模式的に表現するものである。
【0155】
図27のBは、
図27のAに対応する側面図である。同図に示されるように、開口54−1eは、フレキシブル基板54の最上層54−1のみを貫通し、下位層には開口が形成されていない。
【0156】
このようにすることで、ワイヤボンディングのための幅を大幅に削減することができるので、例えば、
図18の場合と比較して必要距離を短くすることができる。これにより、カメラモジュールのさらなる小型化が可能となる。
【0157】
また、イメージセンサ61から出力される信号がフレキシブル基板54に伝達され、そのままフレキシブル基板54の内部で伝送されるので、例えば、リジッド基板53内の配線をより簡素化することができる。
【0158】
さらに、イメージセンサ61から出力される信号がリジッド基板53の接続端子部53aを経由せずに伝送されるので、端子の接続に係るインピーダンスを低減することも可能となり、接続端子部53aにおける端子の数を少なくすることができる。
【0159】
あるいはまた、フレキシブル基板54において、
図25に示されるようなパッド85と、
図21に示されるような埋め込み電極71(または
図23に示されるようなスタッドバンプ81)が混在するように形成されてもよい。
【0160】
上述したように、フレキシブル基板54において、パッド85を形成すると、端子の接続に係るインピーダンスを低減することが可能となる。その一方で、リジッド基板53とフレキシブル基板54の接合強度を高めるためには、埋め込み電極71またはスタッドバンプ81を形成する方が効果的である。
【0161】
例えば、イメージセンサ61と送受信される信号のうち、ノイズへの耐性の強い信号用のワイヤは埋め込み電極71またはスタッドバンプ81に接続され、それ以外の信号用のワイヤはパッド85に接続されるようにする。このように、パッド85と、埋め込み電極71(またはスタッドバンプ81)を混在させることにより、SI(Signal Integrity)を低下させることなく、リジッド基板53とフレキシブル基板54の接合強度を高めることが可能となる。
【0162】
図24乃至
図27を参照して上述した例においては、フレキシブル基板54に開口を設けることにより、埋め込み電極71、スタッドバンプ81、または、パッド85を形成してワイヤボンディングする例について説明した。しかしながら、フレキシブル基板54に開口を設けずに、フレキシブル基板54の最上層54−1の表面に設けられた電極パッドにワイヤボンディングされるようにしてもよい。
【0163】
また、フレキシブル基板54の最上層54−1の表面に設けられた電極パッドにワイヤボンディングされる際に、オンバンプボンディング(ボールステッチオンボールボンディング)の形式を取ってもよい。オンバンプボンディングは、あらかじめ電極パッド上にバンプを形成しておき、そのバンプの上にセカンドボンディングするものである。
【0164】
ところで、
図19乃至
図27を参照して上述した実施の形態では、イメージセンサ61の電極パッドと接続されるワイヤ63の他端がフレキシブル基板54に直接接続されることにより、カメラモジュールを小型化する例について説明した。
【0165】
しかしながら、他の方式を採用することにより、カメラモジュールを小型化することも可能である。例えば、リジッド基板53の垂直方向に並んで設けられた電極パッドと、リジッド基板53の接続端子部53aの端子とを共通化することにより、カメラモジュールを小型化することも可能である。
【0166】
図18のAを参照して説明したように、イメージセンサ61の図中右側と図中左側に垂直方向に並べて設けられた電極パッド(図中の正方形)にワイヤ63の一端が接続されている。また、ワイヤ63の他端はリジッド基板53の図中右側と図中左側に垂直方向に並んで設けられた電極パッド(図中の正方形)に接続されている。ここで、リジッド基板の図中右側に垂直方向に並んで設けられた電極パッドを、電極パッド53bとする。
【0167】
図28は、
図18のAにおける電極パッド53bと接続端子部53aの一部を拡大した図である。
図28には、電極パッド53b−1乃至電極パッド53b−5、および、接続端子部53aの端子53a−1乃至端子53a−5が示されている。
【0168】
電極パッド53b−1は、ビアV11を経由してリジッド基板53の内部(下層)の配線と接続され、その配線を経由して図示せぬビアと接続されることにより、そのビアに接続される端子と電気的に接続される。また、端子53a―1は、ビアV21を経由してリジッド基板53の内部(下層)の配線と接続され、その配線を経由して図示せぬ電極パッドなどと接続される。
【0169】
電極パッド53b−2は、リジッド基板53の表層の配線によってそのまま端子53a―2接続されることにより、端子53a―2と電気的に接続される。
【0170】
電極パッド53b−3は、リジッド基板53の表層の配線によってそのまま端子53a―3接続されることにより、端子53a―3と電気的に接続される。
【0171】
電極パッド53b−4は、ビアV12を経由してリジッド基板53の内部(下層)の配線と接続され、その配線を経由して図示せぬビアと接続されることにより、そのビアに接続される端子と電気的に接続される。また、端子53a―4は、ビアV22を経由してリジッド基板53の内部(下層)の配線と接続され、その配線を経由して図示せぬ電極パッドなどと接続される。
【0172】
電極パッド53b−5は、リジッド基板53の表層の配線によってそのまま端子53a―3接続されることにより、端子53a―5と電気的に接続される。
【0173】
このように、リジッド基板53の内部(下層)の配線、または、リジッド基板53の表層の配線を経由させることにより、電極パッド53bと接続端子部53aとの間の距離を長くせざるを得なくなる。従って、リジッド基板53の端部からオーバーラップ幅およびワイヤボンディングのための幅に対応する距離である必要距離も長くなる。
【0174】
そこで、例えば、
図29に示されるように、リジッド基板53の垂直方向に並んで設けられた電極パッドと、接続端子部53aの端子とを共通化する。
図29の例では、接続端子部53aに近い位置に設けられた電極パッドであって、リジッド基板53の図中右側に垂直方向に並んで設けられた電極パッドが、接続端子部53aの端子と共通化されている。
【0175】
なお、
図29では、接続端子部53aの端子が3つに分類されており、図中上側に設けられた端子群が端子群Tm1とされ、図中中央に設けられた端子群が端子群Tm2とされ、図中下側に設けられた端子群が端子群Tm3とされている。端子群Tm1乃至端子群Tm3のうち、リジッド基板53の図中右側に垂直方向に並んで設けられた電極パッドと共通化されるのは端子群Tm2とされ、端子群Tm1および端子群Tm3は、リジッド基板53の図中右側に垂直方向に並んで設けられた電極パッドと共通化されていない。
【0176】
図30は、
図29の端子群Tm2の一部を拡大した図である。
図30には、接続端子部53aの端子53a−1乃至端子53a−5が示されている。
【0177】
図30における端子53a−1乃至端子53a−5は、
図28における端子53a−1乃至端子53a−5の場合と比較して、より面積の大きい端子とされている。端子53a−1乃至端子53a−5のそれぞれには、その一端がイメージセンサ61の電極パッドに接続されたワイヤ63の他端がワイヤボンディングされる。さらに、端子53a−1乃至端子53a−5のそれぞれには、フレキシブル基板54の接続端子が接着される。
【0178】
また、端子53a−5は、ビアV23を経由してリジッド基板53の内部(下層)の配線と接続されるようになされている。端子53a−5は、例えば、電源またはGNDの端子とされ、リジッド基板53の内部(下層)の配線を経由して電源またはGNDに接続される。
【0179】
図31は、
図18のBに対応する断面図であり、
図18のBのイメージセンサ61の中心を通る図中水平方向の線で切った断面図である。同図に示されるように、ワイヤ63の一端は、イメージセンサ61上の電極パッドに接続され、ワイヤ63の他端は、リジッド基板53上の電極パッド53bに接続されている。
【0180】
図32は、
図29に対応する断面図であり、
図18のBのイメージセンサ61の中心を通る図中水平方向の線で切った断面図である。同図に示されるように、ワイヤ63の一端は、イメージセンサ61上の電極パッドに接続され、ワイヤ63の他端は、リジッド基板53上の接続端子部53aの端子に接続されている。さらに、
図32の場合、リジッド基板53の図中右側に並んで設けられた電極パッド(
図31における電極パッド53b)が、接続端子部53aの端子と共通化されている。
【0181】
図32に示される構成を採用することにより、リジッド基板53の図中水平方向の長さを短くすることが可能となる。すなわち、
図32に示される構成におけるリジッド基板53の図中水平方向の長さL22は、
図31に示される構成におけるリジッド基板53の図中水平方向の長さL21より短くなっている。このため、リジッド基板53の端部からオーバーラップ幅およびワイヤボンディングのための幅に対応する距離である必要距離も短くすることができる。
【0182】
このように、本技術によれば、カメラモジュールをより一層小型化することができる。
【0183】
上述したように、本技術を適用したカメラモジュールは、例えば、携帯電話機、スマートフォンなどの電子機器に搭載される。
図33は、本技術を適用した携帯電話機の一実施の形態に係る内部構成例を示すブロック図である。
【0184】
図33に示される携帯電話機100おいて、通信アンテナ112は、例えば内蔵アンテナであり、通話や電子メール等のパケット通信のための信号電波の送受信を行う。通信回路111は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。
【0185】
スピーカ120は、携帯電話機100に設けられている受話用のスピーカや、リンガ(着信音)、アラーム音等の出力用スピーカであり、制御・演算部110から供給された音声信号を音響波に変換して空気中に出力する。
【0186】
マイクロホン121は、送話用及び外部音声集音用のマイクロホンであり、音響波を音声信号に変換し、その音声信号を制御・演算部110へ送る。
【0187】
表示部113は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示デバイスと、そのディスプレイの表示駆動回路とを含み、制御・演算部110から供給された画像信号により、上記ディスプレイ上に例えば電子メール等の各種文字や画像を表示し、また、カメラ部124から撮影画像が供給された時にはその撮影画像を表示する。
【0188】
操作部114は、携帯電話機100の筐体上に設けられているテンキーや発話キー、終話/電源キー等の各キーや十字キー,シャッターボタン,水平撮影モードスイッチ等の各操作子と、それら操作子が操作された時の操作信号を発生する操作信号発生器とからなる。なお、携帯電話機100がタッチパネルを備えている場合には、当該タッチパネルも操作部114に含まれる。
【0189】
カメラ部124は、例えば、
図4乃至
図16を参照して上述したカメラモジュール50に相当する機能ブロックとされる。すなわち、カメラ部124として、本技術を適用したカメラモジュール50が配置される。カメラ部124により撮影された画像信号は、制御・演算部110により種々の画像処理が施された後、表示部113のディスプレイ画面上に表示されたり、圧縮等されてメモリ部116に保存等される。
【0190】
メモリ部116は、当該端末の内部に設けられている内蔵メモリと、いわゆるSIM(Subscriber Identity Module)情報等を格納する着脱可能なカード状メモリとを含む。内蔵メモリは、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とからなる。ROMは、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)或いはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能なROMからなる。ROMには、例えば、OS(Operating System)プログラム、制御・演算部110が各部を制御するための制御プログラム、様々なアプリケーションプログラム、辞書データ、着信音やキー操作音等の音データ、カメラ部124により撮影された画像データなどが格納される。
【0191】
RAMは、制御・演算部110が各種のデータ処理を行う際の作業領域として、随時データを格納する。
【0192】
制御・演算部110は、CPU(中央処理ユニット)からなり、通信回路111における通信の制御、音声処理及びその制御、画像処理及びその制御、カメラ部124における撮影制御、その他各種信号処理や各部の制御等を行う。また、制御・演算部110は、メモリ部116に格納されている各種の制御プログラムやアプリケーションプログラムの実行及びそれに付随する各種データ処理等を行う。
【0193】
その他、図示を省略しているが、GPS(Global Positioning System)衛星電波を用いた現在位置検出部、非接触型ICカード等で用いられる非接触通信を行う非接触通信部、各部へ電力を供給するバッテリとその電力をコントロールするパワーマネージメントIC部、外部メモリ用スロット、ディジタル放送の受信チューナ部とAVコーデック部など、一般的な携帯電話機100に設けられる各構成要素についても備えている。
【0194】
ここでは、本技術を適用したカメラモジュールが携帯電話機に搭載される例について説明したが、本技術を適用したカメラモジュールが、例えば、スマートフォン、タブレット型端末などの各種の電子機器に搭載されるようにすることも可能である。
【0195】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0196】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0197】
(1)
イメージセンサの受光面に光を集光するレンズを格納するレンズユニットと、
前記イメージセンサが配置されたリジッド基板と、
前記リジッド基板と電気的に接続されるフレキシブル基板とを備え、
前記イメージセンサの受光面を上とした場合、上から順に、前記レンズユニット、前記フレキシブル基板、および前記リジッド基板が配置されて成る
カメラモジュール。
(2)
四角形の前記リジッド基板において、
前記四角形の1辺の端部から所定の距離の帯状のオーバーラップ領域において、前記フレキシブル基板の一部と重ねられて配置され、前記リジッド基板と前記フレキシブル基板が接着される
(1)に記載のカメラモジュール。
(3)
前記オーバーラップ領域は、2.4mm以下の幅を有する帯状の領域とされる
(2)に記載のカメラモジュール。
(4)
前記フレキシブル基板において、
前記オーバーラップ領域以外に、前記リジッド基板と重なり合う補強領域が設けられる
(2)に記載のカメラモジュール。
(5)
前記補強領域は、四角形の前記イメージセンサの2辺と平行に延在して設けられる
(4)に記載のカメラモジュール。
(6)
前記補強領域は、四角形の前記イメージセンサの1辺と平行に延在して設けられる
(4)に記載のカメラモジュール。
(7)
四角形の前記リジッド基板において、
前記四角形の1辺の端部から所定の距離を有する帯状の領域において、ソルダーレジストが除去されている
(1)乃至(6)のいずれかに記載のカメラモジュール。
(8)
前記レンズユニットに、前記フレキシブル基板の端部を収容する溝が設けられている
(1)乃至(7)のいずれかに記載のカメラモジュール。
(9)
前記レンズユニットと前記フレキシブル基板との間に、枠がさらに設けられている
(1)乃至(7)のいずれかに記載のカメラモジュール。
(10)
前記枠に、前記フレキシブル基板の端部を収容する溝が設けられている
(9)に記載のカメラモジュール。
(11)
前記イメージセンサの電極パッドと、前記フレキシブル基板に設けられた埋め込み電極がワイヤボンディングにより接続され、
前記イメージセンサの電極パッドから出力される信号が、前記埋め込み電極を介して前記リジッド基板に伝達される
(1)乃至(10)のいずれかに記載のカメラモジュール。
(12)
多層構造の前記フレキシブル基板の全ての層を打ち抜き加工して開口を形成し、前記開口に金属を埋め込むことにより、前記埋め込み電極が形成される
(11)に記載のカメラモジュール。
(13)
多層構造の前記フレキシブル基板の最上層を打ち抜き加工して開口を形成し、前記開口に金属を埋め込むことにより、前記電極パッドが形成され、
前記イメージセンサの電極パッドと、前記フレキシブル基板に設けられた電極パッドがワイヤボンディングにより接続される
(1)乃至(10)のいずれかに記載のカメラモジュール。
(14)
前記イメージセンサの電極パッドと、前記リジッド基板上に突出したスタッドバンプがワイヤボンディングにより接続される
(1)乃至(10)いずれかに記載のカメラモジュール。
(15)
多層構造の前記フレキシブル基板の全ての層を打ち抜き加工して開口を形成し、前記リジッド基板上の電極パッドであって、前記開口に対応する位置の電極パッド上に前記スタッドバンプが形成される
(14)に記載のカメラモジュール。
(16)
多層構造の前記フレキシブル基板において、前記イメージセンサの電極パッドとワイヤボンディングにより接続される領域に、全ての層を打ち抜き加工して形成された開口と、前記フレキシブル基板の最上層を打ち抜き加工して開口とが形成されている
(1)乃至(10)のいずれかに記載のカメラモジュール。
(17)
前記イメージセンサの電極パッドと、前記リジッド基板の電極パッドがワイヤボンディングにより接続され、
前記リジッド基板の電極パッドは、前記フレキシブル基板を電気的に接続するために前記リジッド基板上に設けられた接続端子と共通化されている
(1)に記載のカメラモジュール。
(18)
矩形に構成されたリジッド基板の複数の辺に設けられた前記リジッド基板の電極パッドおよび前記接続端子のうち、1辺に設けられた前記リジッド基板の電極パッドと前記接続端子のみが共通化される
(17)に記載のカメラモジュール。
(19)
前記1辺に設けられた前記リジッド基板の前記接続端子のうち、前記辺の中央部分の前記接続端子のみが前記電極パッドと共通化されている
(18)に記載のカメラモジュール。
(20)
前記電極パッドと共通化された接続端子が、ビアにより前記リジッド基板の内部の配線と接続される
(17)に記載のカメラモジュール。
(21)
リジッド基板を配置する工程と、
前記リジッド基板にフレキシブル基板を接続する工程と、
前記イメージセンサの受光面に光を集光するレンズを格納するレンズユニットを前記リジッド基板上に配置する工程とを含む方法により製造され、
前記リジッド基板にフレキシブル基板を接続する工程では、
四角形の前記リジッド基板において、
前記四角形の1辺の端部から所定の距離の帯状のオーバーラップ領域において、前記フレキシブル基板の一部と重ねられて配置され、前記リジッド基板と前記フレキシブル基板が接着されて成る
カメラモジュール。
(22)
イメージセンサの受光面に光を集光するレンズを格納するレンズユニットと、
前記イメージセンサが配置されたリジッド基板と、
前記リジッド基板と電気的に接続されるフレキシブル基板とを備え、
前記イメージセンサの受光面を上とした場合、上から順に、前記レンズユニット、前記フレキシブル基板、および前記リジッド基板が配置されて成るカメラモジュールを有する
電子機器。