(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。ただし、以下に説明される実施形態は例示である。従って、以下に明示しない種々の変形や技術が実施形態に適用されることは排除されない。なお、以下の実施形態で用いる図面において、同一の符号を付した部分は、変更又は変形が明示されない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
【0011】
<第1実施形態>
(構成)
図2に表されるように、第1実施形態の送信機1は、光信号を生成し、生成した光信号を送信する。送信機1は、光送受信器の一例である。本例では、送信機1は、リジッド基板100を備える。リジッド基板100は、第1の基板の一例である。本例では、リジッド基板100は、平板状の基板である。リジッド基板100は、データ生成回路10と、駆動回路20と、光源30と、光変調器40と、を備える。
【0012】
データ生成回路10は、データを生成し、生成したデータを駆動回路20へ出力する。駆動回路20は、データ生成回路10から入力されたデータに基づいて光変調器40を駆動するための駆動信号を生成し、生成した駆動信号を光変調器40へ出力する。本例では、駆動信号は、RF(Radio Frequency)信号である。
【0013】
光源30は、光を生成し、生成した光を光変調器40へ出力する。光源30は、例えば、半導体レーザ、又は、レーザダイオードである。例えば、半導体レーザは、分布帰還型レーザであってよい。
【0014】
光変調器40は、駆動回路20から入力された駆動信号に基づいて、光源30から入力された光を変調し、変調された光を、通信ケーブルFBを介して送信する。本例では、通信ケーブルFBは、光ファイバを備える。例えば、光ファイバは、SMF(Single Mode Fiber)である。変調された光は、光信号の一例である。
【0015】
本例では、光変調器40は、リジッド基板100に搭載される。例えば、リジッド基板100に平行な平面による光変調器40の断面を表す
図3に表されるように、光変調器40は、パッケージ401と、入力側接続部402と、変調部403と、出力側接続部404と、中継部405と、終端部406と、を備える。
【0016】
パッケージ401は、リジッド基板100に固定される。パッケージ401は、変調部403と、中継部405と、終端部406と、を収容する。本例では、パッケージ401は、直方体形状を有する。パッケージ401は、筐体と表されてもよい。本例では、パッケージ401は、リジッド基板100に直交する平面を形成する側壁を有する。換言すると、パッケージ401の側壁は、リジッド基板100に立設されている。パッケージ401の側壁は、パッケージ401の側面と表されてもよい。本例では、パッケージ401は、導体(例えば、金属)からなる。
【0017】
本例では、
図3に表されるように、X軸、Y軸及びZ軸を有する右手系の直交座標系を用いて送信機1について説明を加える。Z軸は、リジッド基板100に直交する方向(換言すると、リジッド基板100の厚み方向)に沿って延びる。Z軸の正方向は、リジッド基板100からパッケージ401へ向かう方向である。Y軸は、リジッド基板100に平行な平面による光変調器40の断面において、パッケージ401の長辺に沿って延びる。X軸は、リジッド基板100に平行な平面による光変調器40の断面において、パッケージ401の短辺に沿って延びる。本例では、後述する
図4乃至
図19においても、
図3と同一の直交座標系が用いられる。
【0018】
入力側接続部402には、光源30により出力された光が入力される。入力側接続部402は、入力された光を変調部403へ出力する。
【0019】
変調部403は、マッハツェンダ干渉計を用いて光の変調を行なう。換言すると、光変調器40は、マッハツェンダ型の光変調器である。
例えば、
図3及び
図4に表されるように、変調部403は、光導波路4031と、基板4032と、バッファ層4033と、信号電極4034と、接地電極4035及び4036と、を備える。
図4は、
図3のA−A線による変調部403の断面を表す。
【0020】
基板4032は、電気光学結晶を有する。例えば、基板4032は、LiNbO
3、又は、LiTaO
2を主成分として含む材料からなる。
光導波路4031は、基板4032の一部に、チタン(Ti)等の金属からなる膜を形成し、当該金属を熱拡散させることにより形成されてよい。また、光導波路4031は、パターニング後に安息香酸中でプロトン交換することにより形成されてよい。
【0021】
図3に表されるように、光導波路4031は、入力側接続部402の近傍において、互いに平行な2つの光導波路4031a及び4031bに分岐される。2つの光導波路4031a及び4031bは、出力側接続部404の近傍において結合される。
【0022】
図4に表されるように、バッファ層4033は、基板4032のZ軸の正方向側の面と接する。本例では、バッファ層4033は、絶縁体からなる。バッファ層4033は、例えば、SiO
2からなる。バッファ層4033のZ軸方向の長さ(換言すると、厚さ)は、例えば、0.2μm乃至2μmである。バッファ層4033は、光導波路4031を介して伝搬される光が、電極4034乃至4036により吸収されることを抑制できる。
【0023】
図4に表されるように、電極4034乃至4036は、バッファ層4033のZ軸の正方向側の面と接する。信号電極4034は、光導波路4031aの位置を通るZ軸に沿った直線上の位置を含む領域に主に位置する。
【0024】
図3及び
図4に表されるように、接地電極4035及び4036は、Z軸に直交する平面(換言すると、XY平面)において、所定の隙間を伴って信号電極4034を挟むように位置する。電極4034乃至4036は、コプレーナ型の伝送路であると捉えられてよい。また、
図4に表されるように、接地電極4035及び4036は、光導波路4031bの位置を通るZ軸に沿った直線上の位置を含む領域に主に位置する。
【0025】
信号電極4034には、後述するように、駆動回路20からの駆動信号が入力される。
終端部406は、信号電極4034に入力された駆動信号を終端する。本例では、終端部406は、信号電極4034と、接地電極4035及び4036と、を抵抗を介して接続する。
【0026】
このようにして、変調部403は、入力された駆動信号に基づいて、2つの光導波路4031a及び4031bを介して伝搬される光の位相の差を変化させる。これにより、変調部403は、強度が変調された光信号を生成する。
【0027】
変調部403は、変調された光信号を出力側接続部404へ出力する。変調部403は、光信号の送信処理を行なう信号処理部の一例である。
出力側接続部404は、変調部403から入力された光信号を、通信ケーブルFBを介して送信する。
【0028】
中継部405は、変調部403とパッケージ401との間に位置する。電極4034乃至4036は、中継部405のZ軸の正方向側の面にて、変調部403から中継部405に延在する。接地電極4035及び4036は、パッケージ401と電気的に接続される。
【0029】
図3及び
図5に表されるように、パッケージ401は、リードピン4011を有する。信号電極4034は、ハンダSLによってリードピン4011に電気的に接続されている。
図5は、
図3のB−B線による送信機1の断面を表す。リードピン4011は、第2の端子の一例である。
【0030】
図3及び
図5に表されるように、光変調器40は、パッケージ401のX軸の負方向側の側壁401aに窓部4014を有する。窓部4014は、絶縁体からなる。例えば、窓部4014は、ガラスからなる。リードピン4011は、窓部4014を貫通することにより、パッケージ401の外部へ突出する。
【0031】
図3に表されるように、パッケージ401のX軸の負方向側の側壁401aは、2つの突出部4012及び4013を有する。突出部4013、リードピン4011、及び、突出部4012は、Y軸に沿った直線上に、Y軸の正方向に向かって順に位置する。突出部4013、リードピン4011、及び、突出部4012の位置は、Y軸に沿った方向にて等しい間隔を有する。
【0032】
図3及び
図5に表されるように、送信機1は、パッケージ401とリジッド基板100とを電気的に接続するフレキシブル基板300を備える。フレキシブル基板300は、第2の基板の一例である。フレキシブル基板300は、湾曲可能なシート状の基板である。フレキシブル基板300は、FPC(Flexible Printed Circuits)と表されてもよい。
【0033】
例えば、
図6及び
図7に表されるように、フレキシブル基板300は、本体部310と、本体部310の表面の一部を被覆する導体膜331及び332と、を備える。本例では、本体部310は、絶縁体からなる。導体膜331は、第3の端子の一例である。導体膜332は、第5の端子の一例である。
図6は、送信機1をX軸の正方向へ向かって見た場合におけるフレキシブル基板300を表す。
図7は、送信機1をX軸の負方向へ向かって見た場合におけるフレキシブル基板300を表す。
【0034】
本体部310は、長方形状を有する基部311と、基部311のZ軸の負方向側の端辺からZ軸の負方向へ向かって延出する端子部群312と、を有する。換言すると、端子部群312は、本体部310のZ軸の負方向の先端を形成する。端子部群312は、3つの端子部3121乃至3123を有する。端子部3121は、Y軸に沿った方向における中央部に位置する。端子部3122及び3123は、Y軸に沿った方向における両端部にそれぞれ位置する。
【0035】
本例では、3つの端子部3121乃至3123は、Y軸に沿った方向において同じ長さを有する。各端子部3121乃至3123のY軸に沿った方向における長さは、基部311のうちの、Z軸の負方向側の端辺のY軸に沿った方向における長さよりも短い。換言すると、各端子部3121乃至3123は、基部311のうちの、Z軸の負方向側の端辺の一部から延出する。
更に、本例では、3つの端子部3121乃至3123は、Z軸に沿った方向において同じ長さを有する。
【0036】
基部311は、Z軸の正方向側の端部のうちの、端子部3121乃至3123の位置を通るZ軸に沿った直線上の位置にて、貫通孔3131乃至3133を有する。
更に、基部311は、Z軸の負方向側の端部のうちの、端子部3121乃至3123の位置を通るZ軸に沿った直線上の位置にて、貫通孔3211乃至3231を有する。
加えて、端子部3121乃至3123は、貫通孔3211乃至3231を有する。本例では、複数の貫通孔3211の位置、複数の貫通孔3221の位置、及び、複数の貫通孔3231の位置は、それぞれ、Z軸に沿った方向において等しい間隔を有する。
【0037】
図6に表されるように、導体膜331は、フレキシブル基板300のX軸の負方向側の表面300aにて、端子部3121と、基部311のうちの貫通孔3211の近傍と、基部311のうちの貫通孔3131の近傍と、に位置する。更に、導体膜331は、フレキシブル基板300のX軸の負方向側の表面300aにて、端子部3121と、基部311のうちの貫通孔3131の近傍と、を結ぶ領域に位置する。
【0038】
加えて、
図7に表されるように、導体膜331は、フレキシブル基板300のX軸の正方向側の表面300bにて、端子部3121と、基部311のうちの貫通孔3211の近傍と、に位置する。更に、導体膜331は、各貫通孔3211を構成する本体部310の壁面に位置する。
【0039】
図6に表されるように、導体膜332は、フレキシブル基板300のX軸の負方向側の表面300aにて、端子部3122と、基部311のうちの貫通孔3221の近傍と、基部311のうちの貫通孔3132の近傍と、に位置する。更に、導体膜332は、フレキシブル基板300のX軸の負方向側の表面300aにて、端子部3123と、基部311のうちの貫通孔3231の近傍と、基部311のうちの貫通孔3133の近傍と、に位置する。
【0040】
加えて、
図7に表されるように、導体膜332は、フレキシブル基板300のX軸の正方向側の表面300bにて、端子部3122と、基部311のうちの貫通孔3221の近傍と、基部311のうちの貫通孔3132の近傍と、に位置する。更に、導体膜332は、フレキシブル基板300のX軸の正方向側の表面300bにて、端子部3123と、基部311のうちの貫通孔3231の近傍と、基部311のうちの貫通孔3133の近傍と、に位置する。
【0041】
加えて、導体膜332は、フレキシブル基板300のX軸の正方向側の表面300bにて、端子部3122と、基部311のうちの貫通孔3132の近傍と、端子部3123と、基部311のうちの貫通孔3133の近傍と、を結ぶ領域に位置する。
更に、導体膜332は、各貫通孔3221、3231、3132、及び、3133を構成する本体部310の壁面に位置する。
【0042】
図5に表されるように、パッケージ401の側壁401aのうちの、Z軸の負方向側の端部は、凹部4015を有する。凹部4015は、突出部4013、リードピン4011、及び、突出部4012の位置を通るZ軸に沿った直線上の位置を含む領域に位置する。
【0043】
図5、及び、
図8乃至
図10に表されるように、リジッド基板100は、本体部110と、本体部110の表面の一部を被覆する導体膜121乃至123と、を備える。更に、リジッド基板100は、貫通孔1101乃至1103を有する。
図8は、
図5の領域Cを拡大した図である。
図9は、
図8のD−D線による送信機1の断面を表す。
図10は、
図9のE−E線による送信機1の断面を表す。なお、
図10において、ハンダは、図示が省略されている。
【0044】
貫通孔1101は、第1の貫通孔の一例である。導体膜121は、第1の端子の一例である。第1の端子は、第1のスルーホール端子と表されてもよい。貫通孔1102及び1103のそれぞれは、第2の貫通孔の一例である。導体膜122及び123のそれぞれは、第4の端子の一例である。第4の端子は、第4のスルーホール端子と表されてもよい。
【0045】
図8及び
図10に表されるように、各貫通孔1101乃至1103は、円柱形状を有する。各貫通孔1101乃至1103の中心軸は、パッケージ401の側壁401aに沿って延びる平面P1に位置する。貫通孔1101は、リードピン4011の位置を通るZ軸に沿った直線上の位置を含む領域に位置する。貫通孔1102及び1103は、突出部4012及び4013の位置を通るZ軸に沿った直線上の位置を含む領域にそれぞれ位置する。
【0046】
本例では、
図10に表されるように、貫通孔1101乃至1103は、同一の直径を有する。各貫通孔1101乃至1103の直径は、各端子部3121乃至3123のY軸方向における長さよりも所定の余裕量だけ長い。
【0047】
図9及び
図10に表されるように、導体膜121乃至123は、本体部110のZ軸の正方向側の表面111にて、貫通孔1101乃至1103の近傍にそれぞれ位置する。本例では、導体膜121乃至123は、本体部110のZ軸の正方向側の表面111にて、所定の幅を有するとともに、貫通孔1101乃至1103の外縁をそれぞれ構成する。導体膜121乃至123のそれぞれは、ランドと表されてもよい。
本例では、導体膜121乃至123は、同一の幅を有する。
【0048】
更に、
図9に表されるように、導体膜121乃至123は、本体部110のZ軸の負方向側の表面112にて、貫通孔1101乃至1103の近傍にそれぞれ位置する。本例では、導体膜121乃至123は、本体部110のZ軸の負方向側の表面112にて、上記幅を有するとともに、貫通孔1101乃至1103の外縁をそれぞれ構成する。
加えて、
図9に表されるように、導体膜121乃至123は、貫通孔1101乃至1103を構成する本体部110の壁面にそれぞれ位置する。
【0049】
図5に表されるように、リードピン4011は、貫通孔3131を介してフレキシブル基板300を貫通した状態にて、ハンダSLにより導体膜331に電気的に接続される。同様に、突出部4012及び4013は、貫通孔3132及び3133を介してフレキシブル基板300を貫通した状態にて、ハンダSLにより導体膜332に電気的に接続される。
【0050】
更に、
図9に表されるように、フレキシブル基板300の導体膜331は、端子部3121が貫通孔1101を介してリジッド基板100を貫通した状態にて、ハンダSLにより導体膜121に電気的に接続される。従って、本例では、貫通孔1101は、パッケージ401の側壁401aに沿って延びる平面P1にて、端子部3121の一部を収容する。
【0051】
同様に、フレキシブル基板300の導体膜332は、端子部3122及び3123が貫通孔1102及び1103を介してリジッド基板100をそれぞれ貫通した状態にて、ハンダSLにより導体膜122及び123に電気的に接続される。従って、本例では、貫通孔1102及び1103は、パッケージ401の側壁401aに沿って延びる平面P1にて、端子部3122及び3123の一部をそれぞれ収容する。
【0052】
ここで、送信機1の製造方法のうちの、フレキシブル基板300の取付方法について説明を加える。
例えば、取付方法において、下記の1)乃至5)の工程が順に実行されてよい。
1)パッケージ401がリジッド基板100に固定される。
2)リードピン4011、突出部4012及び突出部4013が、貫通孔3131乃至3133にそれぞれ挿入されるように、フレキシブル基板300がパッケージ401に対して移動される。
3)フレキシブル基板300のX軸の正方向側の表面300bが側壁401aと接した状態にて、リードピン4011、突出部4012及び突出部4013が、フレキシブル基板300とハンダSLにより電気的に接続される。
4)フレキシブル基板300の端子部3121乃至3123が、貫通孔1101乃至1103にそれぞれ挿入される。
5)フレキシブル基板300の端子部3121乃至3123が、リジッド基板100とハンダSLにより電気的に接続される。
【0053】
なお、1)乃至5)の工程は、上述した例と異なる順に実行されてもよい。ただし、3)の工程は、2)の工程よりも後に実行されるとともに、5)の工程は、4)の工程よりも後に実行される。
【0054】
(動作)
送信機1の動作について説明する。
データ生成回路10は、データを生成し、生成したデータを駆動回路20へ出力する。駆動回路20は、データ生成回路10から入力されたデータに基づいて光変調器40を駆動するための駆動信号を生成する。駆動回路20は、生成した駆動信号をフレキシブル基板300を介して光変調器40へ出力する。
【0055】
光源30は、光を生成し、生成した光を光変調器40へ出力する。光変調器40は、駆動回路20から入力された駆動信号に基づいて、光源30から入力された光を変調し、変調された光を、通信ケーブルFBを介して送信する。
【0056】
以上、説明したように、第1実施形態の送信機1において、フレキシブル基板300は、導体膜331が貫通孔1101内にて導体膜121に接続されることにより、リジッド基板100の導体膜121とパッケージ401のリードピン4011とを接続する。換言すると、フレキシブル基板300は、導体膜331が貫通孔1101に挿入されて導体膜121に接続される。
【0057】
これによれば、フレキシブル基板300を湾曲させずに、フレキシブル基板300の導体膜331と、リジッド基板100の導体膜121と、を電気的に接続できる。これにより、X軸に沿った方向における、導体膜121とパッケージ401との間の距離を短縮できるので、リジッド基板100のうちの、パッケージ401のリードピン4011とリジッド基板100の導体膜121との接続に用いられる領域の面積を縮小できる。この結果、例えば、送信機1のサイズを小さくすることができる。
【0058】
なお、
図11に表されるように、フレキシブル基板300のZ軸の負方向側の端部は、中空であってもよい。換言すると、フレキシブル基板300の本体部310のZ軸の負方向側の先端(換言すると、端子部3121乃至3123の先端)は、導体膜331及び332のZ軸の負方向側の先端よりもZ軸の正方向側に位置してもよい。
【0059】
<第1実施形態の第1変形例>
次に、第1実施形態の第1変形例の送信機について説明する。第1実施形態の第1変形例の送信機は、第1実施形態の送信機に対して、端子部の幅が端子部間で異なる点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。
【0060】
図12は、
図9に対応する送信機1の断面を表す。
図13は、
図12のE−E線による送信機1の断面を表す。なお、
図13において、ハンダは、図示が省略されている。
図12及び
図13に表されるように、端子部3121のY軸に沿った方向における長さTY1は、端子部3122及び3123のY軸に沿った方向における長さTY2よりも短い。
【0061】
端子部3121のY軸に沿った方向における長さTY1は、端子部3121の幅と表されてもよい。端子部3122及び3123のY軸に沿った方向における長さTY2は、端子部3122及び3123の幅と表されてもよい。
【0062】
図12及び
図13に表されるように、貫通孔1101のY軸に沿った方向における長さHY1は、貫通孔1102及び1103のY軸に沿った方向における長さHY2よりも短い。一方、貫通孔1101のX軸に沿った方向における長さHX1は、貫通孔1102及び1103のX軸に沿った方向における長さHX1と等しい。従って、貫通孔1102及び1103のY軸に沿った方向における長さHY2は、貫通孔1102及び1103のX軸に沿った方向における長さHX1よりも長い。
【0063】
貫通孔1102及び1103のY軸に沿った方向における長さHY2は、貫通孔1102及び1103の開口の、端子部3121乃至3123が形成する平面P1に沿った第1の方向における長さの一例である。貫通孔1102及び1103のX軸に沿った方向における長さHX1は、貫通孔1102及び1103の開口の、端子部3121乃至3123が形成する平面P1に直交する第2の方向における長さの一例である。
【0064】
このように、貫通孔1102及び1103のXY平面による断面における面積(換言すると、貫通孔1102及び1103の開口面積)は、貫通孔1101のXY平面による断面における面積(換言すると、貫通孔1101の開口面積)よりも大きい。
また、本例では、
図13に表されるように、各貫通孔1102及び1103のXY平面による断面は、角丸長方形状を有する、と捉えられてよい。
なお、貫通孔1101の開口は、第1のスルーホール端子の開口と表されてもよい。また、貫通孔1102及び1103の開口は、第4のスルーホール端子の開口と表されてもよい。
【0065】
このように、第1変形例において、信号電極4034に接続された導体膜331により被覆された端子部3121の幅は、接地電極4035及び4036に接続された導体膜332により被覆された端子部3122及び3123の幅よりも小さい。
【0066】
ところで、導体膜331と接地電極4035及び4036に接続された導体膜332、122及び123との間の静電容量は大きくなりやすい。その結果、リジッド基板100及びフレキシブル基板300の回路の特性インピーダンスを所定の目標値(例えば、50Ω)に十分に近づけられないことがある。この場合、RF信号が反射されやすくなるので、リジッド基板100からパッケージ401への信号の入力に伴って生じる電力の損失が大きくなりやすい。
【0067】
これに対し、第1変形例の送信機1によれば、導体膜331と接地電極4035及び4036に接続された導体膜332、122及び123との間の静電容量を小さくすることができる。これにより、リジッド基板100及びフレキシブル基板300の回路の特性インピーダンスを所定の目標値(例えば、50Ω)に十分に近づけることができるので、リジッド基板100からパッケージ401への信号の入力に伴って生じる電力の損失を抑制できる。
【0068】
また、導体膜122及び123と、導体膜332と、の接続に用いられる導体膜332の面積を大きくすることができる。換言すると、ハンダSLが付着する導体膜332の面積を大きくすることができる。従って、接続の信頼性を高めることができる。
【0069】
更に、第1変形例において、接地電極4035及び4036に接続される貫通孔1102及び1103の開口面積は、信号電極4034に接続される貫通孔1101の開口面積よりも大きい。
【0070】
これによれば、接地電極4035及び4036に接続された導体膜332により被覆された端子部3122及び3123を、それぞれ、貫通孔1102及び1103に容易に挿入できる。これにより、パッケージ401とリジッド基板100とを容易に接続できる。
【0071】
<第1実施形態の第2変形例>
次に、第1実施形態の第2変形例の送信機について説明する。第1実施形態の第2変形例の送信機は、第1実施形態の第1変形例の送信機に対して、接地電極に接続される導体膜を収容する貫通孔の開口形状が相違している。以下、相違点を中心として説明する。
【0072】
図14は、
図13に対応する送信機1の断面を表す。
図14に表されるように、貫通孔1102及び1103のX軸に沿った方向における長さHX2は、貫通孔1101のX軸に沿った方向における長さHX1よりも長い。
【0073】
貫通孔1101のX軸に沿った方向における長さHX1は、貫通孔1101の開口の、端子部3121乃至3123が形成する平面P1に直交する方向における長さの一例である。貫通孔1102及び1103のX軸に沿った方向における長さHX2は、貫通孔1102及び1103の開口の、端子部3121乃至3123が形成する平面P1に直交する方向における長さの一例である。
【0074】
これによれば、接地電極4035及び4036に接続された導体膜332により被覆された端子部3122及び3123を、それぞれ、貫通孔1102及び1103に容易に挿入できる。これにより、パッケージ401とリジッド基板100とを容易に接続できる。
【0075】
<第1実施形態の第3変形例>
次に、第1実施形態の第3変形例の送信機について説明する。第1実施形態の第3変形例の送信機は、第1実施形態の第1変形例の送信機に対して、延出方向における長さが端子部間で異なる点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。
【0076】
図15は、
図12に対応する送信機1の断面を表す。
図15に表されるように、端子部3121のZ軸に沿った方向における長さは、端子部3122及び3123のZ軸に沿った方向における長さよりも小さい。端子部3121のZ軸に沿った方向における長さは、端子部3121の延出方向における長さと表されてもよい。
【0077】
本例では、端子部3121を被覆する導体膜331のZ軸の負方向側の先端は、リジッド基板100のパッケージ401と反対側の面よりも、パッケージ401側に位置する。本例では、端子部3121を被覆する導体膜331のZ軸の負方向側の先端は、本体部110のZ軸の正方向側の表面111と同じ位置を有する。
【0078】
このように、第3変形例において、導体膜331の先端は、リジッド基板100のパッケージ401と反対側の面よりも、パッケージ401側に位置する。
【0079】
これによれば、導体膜331と接地電極4035及び4036に接続された導体膜332、122及び123との間の静電容量を小さくすることができる。これにより、リジッド基板100及びフレキシブル基板300の回路の特性インピーダンスを所定の目標値(例えば、50Ω)に十分に近づけることができるので、リジッド基板100からパッケージ401への信号の入力に伴って生じる電力の損失を抑制できる。
【0080】
<第1実施形態の第4変形例>
次に、第1実施形態の第4変形例の送信機について説明する。第1実施形態の第4変形例の送信機は、第1実施形態の第3変形例の送信機に対して、信号電極に接続される導体膜を収容する貫通孔を構成する壁面が導体膜により被覆されない点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。
【0081】
図16は、
図15に対応する送信機1の断面を表す。
図16に表されるように、導体膜121は、リジッド基板100のパッケージ401と反対側の面よりもパッケージ401側に位置する。本例では、導体膜121は、本体部110のZ軸の正方向側の表面111よりもZ軸の正方向側に位置するとともに、本体部110のZ軸の正方向側の表面111よりもZ軸の負方向側に位置しない。例えば、導体膜121は、本体部110のZ軸の負方向側の表面112、及び、貫通孔1101を構成する本体部110の壁面のそれぞれを被覆しない。
【0082】
このように、第4変形例において、導体膜121は、リジッド基板100のパッケージ401と反対側の面よりもパッケージ401側に位置する。
【0083】
これによれば、導体膜121と、接地電極4035及び4036に接続された導体膜332、122及び123と、の間の静電容量を小さくすることができる。これにより、リジッド基板100及びフレキシブル基板300の回路の特性インピーダンスを所定の目標値(例えば、50Ω)に十分に近づけることができるので、リジッド基板100からパッケージ401への信号の入力に伴って生じる電力の損失を抑制できる。
【0084】
<第1実施形態の第5変形例>
次に、第1実施形態の第5変形例の送信機について説明する。第1実施形態の第5変形例の送信機は、第1実施形態の第3変形例の送信機に対して、リジッド基板の貫通孔の開口の、端子部が形成する平面に沿った方向における長さが最大値を有する位置が貫通孔間で異なる点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。
【0085】
図17は、
図13に対応する送信機1の断面を表す。
図17に表されるように、貫通孔1101のXY平面による断面(換言すると、貫通孔1101の開口)のY軸に沿った方向における長さは、端子部3121乃至3123が形成する平面(換言すると、側壁401aに沿った平面)P1にて最大値を有する。
【0086】
一方、貫通孔1102及び1103のXY平面による断面(換言すると、貫通孔1102及び1103の開口)のY軸に沿った方向における長さは、端子部3121乃至3123が形成する平面P1と異なる平面P2にて最大値を有する。本例では、貫通孔1102及び1103のXY平面による断面における重心は、端子部3121乃至3123が形成する平面P1と異なる平面P2に位置する。
【0087】
本例では、平面P2は、平面P1よりもX軸の正方向側に位置する。Y軸に沿った方向は、端子部3121乃至3123が形成する平面P1に沿った方向の一例である。
【0088】
第5変形例の取付方法において、例えば、下記の1)乃至8)の工程が順に実行されてよい。
1)パッケージ401がリジッド基板100に固定される。
2)リードピン4011、突出部4012及び突出部4013が、貫通孔3131乃至3133にそれぞれ挿入されるように、フレキシブル基板300がパッケージ401に対して移動される。
3)フレキシブル基板300のX軸の正方向側の表面300bが側壁401aと接した状態にて、リードピン4011、突出部4012及び突出部4013が、フレキシブル基板300とハンダSLにより接続される。
4)フレキシブル基板300の端子部3122及び3123が、平面P2に位置するようにリジッド基板100に対して移動される。
5)フレキシブル基板300の端子部3122及び3123が、平面P2に沿った方向にて、貫通孔1102及び1103にそれぞれ挿入される。
6)フレキシブル基板300の端子部3122及び3123が、貫通孔1102及び1103内に位置する状態にて平面P1に位置するようにリジッド基板100に対して移動される。
7)フレキシブル基板300の端子部3121が、平面P1に沿った方向にて、貫通孔1101に挿入される。
8)フレキシブル基板300の端子部3121乃至3123が、リジッド基板100とハンダSLにより接続される。
【0089】
なお、1)乃至8)の工程は、上述した例と異なる順に実行されてもよい。ただし、3)の工程は、2)の工程よりも後に実行されるとともに、8)の工程は、7)の工程よりも後に実行される。更に、5)、6)及び7)の工程は、4)、5)及び6)の工程よりも後にそれぞれ実行される。
【0090】
このように、第5変形例において、貫通孔1102及び1103の開口の、端子部3121乃至3123が形成する第1の平面P1に沿った方向における長さは、第1の平面P1と異なる第2の平面P2にて最大値を有する。
【0091】
これによれば、端子部3122及び3123を第2の平面P2に位置させることにより、端子部3122及び3123を貫通孔1102及び1103にそれぞれ容易に挿入できる。これにより、端子部3122及び3123を被覆する導体膜332と、貫通孔1102及び1103を被覆する導体膜122及び123と、を容易に接続できる。
【0092】
端子部3122及び3123の貫通孔1102及び1103への挿入後、端子部3122及び3123を第1の平面P1に移動させることにより、端子部3121が貫通孔1101に収容される予定の位置を通るZ軸に沿った直線上に端子部3121を配置できる。この結果、端子部3121を貫通孔1101に容易に挿入できる。これにより、端子部3121を被覆する導体膜331と、貫通孔1101を被覆する導体膜121と、を容易に接続できる。
【0093】
また、
図18に表されるように、貫通孔1101のXY平面による断面における形状(換言すると、貫通孔1101の開口形状)は、角丸長方形状であってもよい。換言すると、貫通孔1101の開口形状において、貫通孔1101のY軸に沿った方向における長さは、貫通孔1101のX軸に沿った方向における長さよりも長くてもよい。
【0094】
これによれば、導体膜121と接地電極4035及び4036に接続された導体膜332、122及び123との間の静電容量を小さくすることができる。これにより、リジッド基板100及びフレキシブル基板300の回路の特性インピーダンスを所定の目標値(例えば、50Ω)に十分に近づけることができるので、リジッド基板100からパッケージ401への信号の入力に伴って生じる電力の損失を抑制できる。
【0095】
また、
図18に表されるように、貫通孔1102及び1103のXY平面による断面における形状(換言すると、貫通孔1102及び1103の開口形状)は、2つの角丸長方形をX軸に沿った方向において連結した形状であってもよい。
【0096】
<第1実施形態の第6変形例>
次に、第1実施形態の第6変形例の送信機について説明する。第1実施形態の第6変形例の送信機は、第1実施形態の第3変形例の送信機に対して、ランドの幅が貫通孔間で異なる点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。
【0097】
図19は、
図13に対応する送信機1の断面を表す。
図19に表されるように、本体部110のZ軸の正方向側の表面111にて、貫通孔1101の外縁を構成する導体膜121の幅W1は、貫通孔1102及び1103の外縁を構成する導体膜122及び123の幅W2よりも小さい。
【0098】
本体部110のZ軸の正方向側の表面111にて、貫通孔1101の外縁を構成する導体膜121の幅W1は、導体膜121のランドの幅と表されてもよい。本体部110のZ軸の正方向側の表面111にて、貫通孔1102及び1103の外縁を構成する導体膜122及び123の幅W2は、導体膜122及び123のランドの幅と表されてもよい。
【0099】
本例では、本体部110のZ軸の負方向側の表面112においても、貫通孔1101の外縁を構成する導体膜121の幅W1は、貫通孔1102及び1103の外縁を構成する導体膜122及び123の幅W2よりも小さい。
【0100】
これによれば、導体膜121と、接地電極4035及び4036に接続された導体膜332、122及び123と、の間の静電容量を小さくすることができる。これにより、リジッド基板100及びフレキシブル基板300の回路の特性インピーダンスを所定の目標値(例えば、50Ω)に十分に近づけることができるので、リジッド基板100からパッケージ401への信号の入力に伴って生じる電力の損失を抑制できる。
【0101】
なお、上述した各実施形態及び各変形例において、光変調器40は、複数(例えば、2個又は4個等)のマッハツェンダ干渉計を用いることにより、多値変調方式に従って変調された光信号を生成してもよい。この場合、複数のマッハツェンダ干渉計は、並列に配置されてよい。また、光変調器40は、複数(例えば、2個又は4個等)のマッハツェンダ干渉計を用いることにより、偏波多重方式に従って変調された光信号を生成してもよい。この場合、フレキシブル基板300が有する貫通孔及び端子部の数、並びに、リジッド基板100が有する貫通孔の数は、光変調器40に入力される駆動信号の数に応じて変化してよい。
【0102】
また、上述した各実施形態及び各変形例において、送信機1は、フレキシブル基板300に代えてリジッド基板を備え、当該リジッド基板により、リジッド基板100の端子とパッケージ401の端子とが接続されてもよい。
また、上述した各実施形態及び各変形例において、導体間の接続は、ハンダに代えて、ハンダと異なる材料(例えば、導電性接着剤等)により行なわれていてもよい。
【0103】
上述した、パッケージ401の端子とリジッド基板100の端子とを接続する技術は、送信機1に代えて、光信号を受信する受信機に適用されてもよく、光信号を中継する光中継機に適用されてもよい。例えば、光受信機は、光信号の受信処理を行なう信号処理部を備える。例えば、光中継機は、光信号の送信処理を行なう第1の信号処理部、及び、光信号の受信処理を行なう第2の信号処理部を備える。また、上述した、パッケージ401の端子とリジッド基板100の端子とを接続する技術は、光信号と異なる信号を処理する装置に適用されてもよい。