(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機体と、前記機体の前方において起伏可能なように当該機体に取り付けられるとともに吊り荷を吊り下げ可能なフロントアタッチメントと、前記機体の後方に配置されるとともに前記フロントアタッチメントとの間でつり合いをとるように当該フロントアタッチメントに繋がるカウンタウェイトと、前記機体と前記カウンタウェイトとを接続するとともに前記機体と前記カウンタウェイトとの離間距離を変更するように伸縮可能な伸縮部材と、前記機体または前記カウンタウェイトからの駆動力によって前記伸縮部材を最長長さと最短長さとの間において所定長さまで縮める縮操作を行う操作部と、前記フロントアタッチメントの姿勢に基づいて前記所定長さにおける前記フロントアタッチメントの定格総荷重を算出する算出部と、前記算出部において算出された前記定格総荷重が所定値を超える場合に前記操作部における前記縮操作を許容する一方、前記算出部において算出された前記定格総荷重が所定値以下である場合に前記操作部における前記縮操作を禁止する縮操作禁止部と、を備えるクレーンにおいて前記伸縮部材を前記所定長さまで縮めてから取外すための方法であって、
前記フロントアタッチメントにおける吊荷重を計測する計測工程と、
前記計測工程で計測した前記吊荷重と予め設定した許容荷重とを比較し、前記計測工程で計測した前記吊荷重が前記許容荷重以下であると判断した場合に、前記縮操作禁止部による前記縮操作の禁止を解除して当該縮操作を許容する縮操作許容工程と、
前記伸縮部材を前記所定長さまで縮めた後に、当該伸縮部材を前記機体および前記カウンタウェイトから取り外す取外し工程と、を備えるクレーンの伸縮部材の取外し方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のクレーンにおいて、サポートに相当する伸縮部材を上部旋回体およびカウンタウェイトから取り外して搬送する場合、当該伸縮部材は、最短長さまで縮められた状態であることが好ましい。
【0005】
ところが、伸縮部材が上部旋回体またはカウンタウェイトから駆動力を受けて伸縮するものである場合、当該駆動力によって伸縮部材を縮めた後に、当該伸縮部材を上部旋回体およびカウンタウェイトから取り外して搬送する必要があることから、伸縮部材を最短長さまで縮めることが困難となる場合がある。具体的には、以下のとおりである。
【0006】
一般的なクレーンには、過負荷防止装置が備えられており、上部旋回体とカウンタウェイトとの離間距離が短くなることによりクレーンの定格総荷重が0になると、クレーンの安全性を考慮して、過負荷防止装置によって上部旋回体とカウンタウェイトとの離間距離がそれ以上短くなることが禁止される。このため、伸縮部材を最短長さまで縮めようとしたときに、その途中でクレーンの定格総荷重が0になると、過負荷防止装置が働き、これによって伸縮部材をそれ以下の長さに縮めることができなくなる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全性を確保しながら伸縮部材を縮めることができるクレーン、およびクレーンの伸縮部材の取外し方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るクレーンは、機体と、前記機体の前方において起伏可能なように当該機体に取り付けられており吊り荷を吊り下げ可能なフロントアタッチメントと、前記機体の後方に配置されるとともに前記フロントアタッチメントとの間でつり合いをとるように当該フロントアタッチメントに繋がるカウンタウェイトと、前記機体と前記カウンタウェイトとを接続するとともに前記機体と前記カウンタウェイトとの離間距離を変更するように伸縮可能な伸縮部材と、前記機体または前記カウンタウェイトからの駆動力によって、前記伸縮部材の最長長さと前記伸縮部材の最短長さとの間において、前記伸縮部材を所定長さまで縮める縮操作を行う操作部と、前記フロントアタッチメントの姿勢に基づいて前記所定長さにおける前記フロントアタッチメントの定格総荷重を算出する算出部と、前記算出部において算出された前記定格総荷重が所定値を超える場合に前記操作部における前記縮操作を許容する一方、前記算出部において算出された前記定格総荷重が所定値以下である場合に前記操作部における前記縮操作を禁止する縮操作禁止部と、前記フロントアタッチメントにおける吊荷重を計測する計測部と、前記計測部において計測された前記吊荷重が予め設定された許容荷重以下である場合に前記縮操作禁止部による前記縮操作の禁止を解除して当該縮操作を許容する縮操作禁止制御部と、を備える。
【0009】
上記のクレーンでは、安全性を確保しながら伸縮部材を所定の長さまで縮めることができる。具体的には、以下のとおりである。
【0010】
上記のクレーンでは、操作部において伸縮部材を所定長さまで縮める縮操作が行われたとき、縮操作禁止部は、算出部において算出された定格総荷重が所定値を超える場合に縮操作を許容する一方、当該定格総荷重が所定値以下である場合に縮操作を禁止する。これにより、定格総荷重が所定値を超えることによりクレーンの安全性が確保された状態でのみ伸縮部材を所定の長さまで縮めることができる。
【0011】
ところで、伸縮部材を所定長さまで縮めた場合における定格総荷重が所定値以下であったとしても、フロントアタッチメントが実質的に吊り荷を吊っていない状態である場合には、安全性を確保しながら伸縮部材を所定長さまで縮めることが可能である。
【0012】
そこで、縮操作禁止制御部は、計測部において計測された吊荷重が許容荷重以下である場合に縮操作の禁止を解除して当該縮操作を許容する。これにより、所定長さにおける定格総荷重が所定値以下であったとしても、フロントアタッチメントが実質的に吊り荷を吊っていない状態である場合には、縮操作が許容され、伸縮部材が所定長さまで縮められる。このため、安全性を確保しながら伸縮部材を所定の長さまで縮めることができる。
【0013】
なお、許容荷重は、フロントアタッチメントが実質的に吊り荷を吊っていない状態である場合の最大の吊荷重に設定される。
【0014】
前記フロントアタッチメントは、前記吊り荷を吊り下げるための吊り具を有しており、前記計測部において計測される前記吊荷重は、前記吊り具の重量を含み、前記縮操作禁止
制御部において予め設定された前記許容荷重は、前記吊り具の重量を超える値に設定されることが好ましい。
【0015】
上記のクレーンでは、吊荷重が吊り具の重量を含んでおり、許容荷重が吊り具の重量を超える値に設定されるため、縮操作禁止制御部においてフロントアタッチメントが実質的に吊り荷を吊っていない状態であるか否かをより正確に判断することができ、これにより安全性を確保しながら伸縮部材を所定の長さまで縮めることができる。
【0016】
本発明に係るクレーンの伸縮装置の取外し方法は、機体と、前記機体の前方において起伏可能なように当該機体に取り付けられるとともに吊り荷を吊り下げ可能なフロントアタッチメントと、前記機体の後方に配置されるとともに前記フロントアタッチメントとの間でつり合いをとるように当該フロントアタッチメントに繋がるカウンタウェイトと、前記機体と前記カウンタウェイトとを接続するとともに前記機体と前記カウンタウェイトとの離間距離を変更するように伸縮可能な伸縮部材と、前記機体または前記カウンタウェイトからの駆動力によって前記伸縮部材を最長長さと最短長さとの間において所定長さまで縮める縮操作を行う操作部と、前記フロントアタッチメントの姿勢に基づいて前記所定長さにおける前記フロントアタッチメントの定格総荷重を算出する算出部と、前記算出部において算出された前記定格総荷重が所定値を超える場合に前記操作部における前記縮操作を許容する一方、前記算出部において算出された前記定格総荷重が所定値以下である場合に前記操作部における前記縮操作を禁止する縮操作禁止部と、を備えるクレーンにおいて前記伸縮部材を前記所定長さまで縮めてから取外すための方法であって、前記フロントアタッチメントにおける吊荷重を計測する計測工程と、前記計測工程で計測した前記吊荷重と予め設定した許容荷重とを比較し、前記計測工程で計測した前記吊荷重が前記許容荷重以下であると判断した場合に、前記縮操作禁止部による前記縮操作の禁止を解除して当該縮操作を許容する縮操作許容工程と、前記伸縮部材を前記所定長さまで縮めた後に、当該伸縮部材を前記機体および前記カウンタウェイトから取り外す取外し工程と、を備える。
【0017】
上記のクレーンの伸縮部材の取外し方法では、安全性を確保しながら伸縮部材を所定の長さまで縮めて取り外すことができる。具体的には、以下のとおりである。
【0018】
上記のクレーンの伸縮部材の取外し方法では、縮操作禁止部は、算出部において算出された定格総荷重が所定値を超える場合に縮操作を許容する一方、当該定格総荷重が所定値以下である場合に縮操作を禁止する。
【0019】
ところで、伸縮部材を所定長さまで縮めた場合における定格総荷重が所定値以下であったとしても、フロントアタッチメントが実質的に吊り荷を吊っていない状態である場合には、安全性を確保しながら伸縮部材を所定長さまで縮めることが可能である。
【0020】
そこで、上記のクレーンの伸縮部材の取外し方法では、計測工程において吊荷重を計測し、当該吊荷重が許容荷重以下である場合にのみ縮操作の禁止を解除して当該縮操作を許容する。これにより、所定長さにおける定格総荷重が所定値以下であったとしても、フロントアタッチメントが実質的に吊り荷を吊っていない状態である場合に、伸縮部材を所定長さまで縮めることができる。このため、安全性を確保しながら伸縮部材を所定の長さまで縮めて取り外すことができる。
【0021】
なお、許容荷重は、フロントアタッチメントが実質的に吊り荷を吊っていない状態である場合の最大の吊荷重に設定される。
【0022】
前記フロントアタッチメントは、前記吊り荷を吊り下げるための吊り具を有しており、前記計測工程において、前記吊り具の重量を含む前記吊荷重を計測し、前記計測工程で計測した前記吊荷重と前記吊り具の重量を超える値に設定された前記許容荷重とを比較することが好ましい。
【0023】
上記のクレーンの伸縮部材の取外し方法では、吊荷重が吊り具の重量を含んでおり、許容荷重が吊り具の重量を超える値に設定されるため、フロントアタッチメントが実質的に吊り荷を吊っていない状態であるか否かを正確に判断することができ、これにより安全性を確保しながら伸縮部材を所定の長さまで縮めることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、安全性を確保しながら伸縮部材を縮めることができるクレーン、およびクレーンの伸縮部材の取外し方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本実施形態に係るクレーンX1の構成部材のうち主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本実施形態に係るクレーンX1は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材または任意の工程を備え得る。
【0027】
図1は、本発明に係るクレーンX1を示している。
図1に示すクレーンX1は、当該クレーンX1を走行および旋回させる機体と、吊り荷の吊り上げおよび吊り下げ作業を行うフロントアタッチメント3と、フロントアタッチメント3を支持するマスト4と、フロントアタッチメント3とマスト4とを繋ぐブームガイライン5と、を備えている。
【0028】
機体は、下部走行体1と、当該下部走行体1上に配置された上部旋回体2と、を有している。下部走行体1は、地面Gを走行可能に構成されており、例えば左右一対のクローラーを備える。上部旋回体2は、下部走行体1が走行する地面Gに垂直な方向に延びる軸回りに旋回可能に構成されている。上部旋回体2は、例えばクレーンX1の作業者が搭乗するキャブ等を含む。
【0029】
フロントアタッチメント3は、荷物の吊り上げ作業および吊り下げ作業を行う。フロントアタッチメント3は、ブーム31と、吊り具32と、を有している。
【0030】
ブーム31は、上部旋回体2の前方において起伏可能なように、当該上部旋回体2に取り付けられている。
【0031】
吊り具32は、フックワイヤーロープ32bと、フック32aと、を有している。フックワイヤーロープ32bは、ブーム31の長手方向に沿って当該ブーム31の基端から先端まで延びるとともに、当該先端から吊り下げられている。フック32aは、ブーム31の先端に吊り下げられたフックワイヤーロープ32bに取り付けられている。
【0032】
マスト4は、ブーム31が上部旋回体2の前方に倒れないように当該ブーム31を後方から支持する。マスト4は、マスト本体41と、バックストップ42と、を有している。
【0033】
マスト本体41は、ブーム31に対して後方に傾斜するように上部旋回体2に対して取り付けられている。マスト本体41の先端とブーム31に先端とは、ブームガイライン5によって繋がっている。より詳細には、マスト本体41の先端には、スプレッダに取り付けられたワイヤロープが繋がっており、これに対してブームガイライン5が繋がっている。これにより、ブーム31は、マスト本体41によって後方から支持される。
【0034】
バックストップ42は、マスト本体41が後方に倒れないように当該マスト本体41を支持する。バックストップ42の基端は、マスト本体41のうち上部旋回体2に取り付けられた基端よりも後方に位置しており、当該上部旋回体2に取り付けられている。バックストップ42の先端は、マスト本体41の長手方向における一部分に取り付けられている。これにより、マスト本体41は、バックストップ42によって後方から支持される。
【0035】
クレーンX1の作業者は、例えば上部旋回体2のキャブに搭乗し、当該キャブ内において、下部走行体1を走行させるとともに上部旋回体2を旋回させる操作を行うことにより、当該クレーンX1を目的とする場所まで移動させる。そして、上部旋回体2に搭載された起伏ウィンチを駆動させてブームガイライン5に繋がるワイヤロープの巻き取りを行うことにより、ブーム31の地面Gに対する起伏角度を変化させるとともに、上部旋回体2に搭載された巻上げウィンチを駆動させてフックワイヤーロープ32bの巻き取りを行うことにより、フック32aに吊り下げられた吊り荷を上下方向に移動させる。
【0036】
ここで、クレーンX1は、マスト4を介してフロントアタッチメント3を後方から支持するカウンタウェイト6と、カウンタウェイト6とマスト4とを繋ぐガイライン10と、カウンタウェイト6と上部旋回体2とを繋ぐ伸縮可能な伸縮部材7と、をさらに備えている。
【0037】
クレーンX1では、上部旋回体2の後方において地面Gを走行するカウンタウェイト6がガイライン10を介してマスト4の先端に繋がっており、フロントアタッチメント3とカウンタウェイト6とが釣り合いを保つことにより、当該フロントアタッチメント3が前方に倒れることを阻止する。この際、伸縮部材7は、例えばフロントアタッチメント3の重量や地面Gに対する起伏角度等に応じて伸縮することにより、フロントアタッチメント3とカウンタウェイト6とが安定して釣り合いを保つように上部旋回体2とカウンタウェイト6との離間距離を変化させる。
【0038】
カウンタウェイト6は、上部旋回体2の後方に配置されている。カウンタウェイト6は、ウェイト本体61と、地面Gを転動可能な車輪62と、車輪62が受ける地面Gからの反力を検出する反力検出器63と、を有している。
【0039】
ウェイト本体61は、カウンタウェイト6がフロントアタッチメント3との釣り合いを保つことが可能な程度の重量を有している。ウェイト本体61は、ガイライン10を介してマスト4の先端に繋がっている。ウェイト本体61は、例えば上部旋回体2から送信される信号に応じて車輪62の向きを変更したり、当該車輪62を所定の方向に転動させたりするための駆動力を発生する。
【0040】
車輪62は、ウェイト本体61が地面Gを走行可能なようにウェイト本体61の下部に取り付けられている。本実施形態では、車輪62は、ウェイト本体61からの駆動力を受けて地面Gを走行する。
【0041】
反力検出器63は、車輪62が地面Gを走行可能な状態であるか否か、すなわち車輪62が地面Gに接している状態であるか否かを判断するために、ウェイト本体61に取り付けられている。反力検出器63は、例えば車輪62を構成するタイヤの内部の圧力の変化に基づいて、車輪62が地面Gから受ける反力を検出する。
【0042】
伸縮部材7は、上部旋回体2とカウンタウェイト6のウェイト本体61とを接続している。具体的には、伸縮部材7は、上部旋回体2の後端とウェイト本体61とを繋いでいる。伸縮部材7は、地面Gを自走するカウンタウェイト6からの駆動力を受けて、最短長さL1と最長長さL2との間で伸縮可能なように構成されている。
図1では、伸縮部材7は、最長長さL2に設定されており、これによりカウンタウェイト6は、上部旋回体2からの離間距離が最も遠くなる後端位置E4に配置されている。
【0043】
ここで、
図1および
図2に示すように、クレーンX1は、伸縮部材7の伸縮に応じた上部旋回体2からカウンタウェイト6までの離間距離を検出することによりカウンタウェイト6の後端位置を特定する距離検出器8と、伸縮部材7を伸縮させることにより当該後端位置を変更するための後端位置制御装置9と、を有している。
【0044】
距離検出器8は、上部旋回体2の後端に取り付けられている。距離検出器8は、当該上部旋回体2の後端からカウンタウェイト6までの離間距離を検出する。本実施形態では、伸縮部材7は、上部旋回体2の後端とカウンタウェイト6とを繋いでいるため、距離検出器8において検出された離間距離は、伸縮部材7の長さと同じである。
【0045】
後端位置制御装置9は、
図2に示すように、操作部91と、操作禁止部92と、算出部93と、計測部94と、縮操作禁止制限部95と、を機能的に含んでいる。なお、後端位置制御装置9における各部91〜95の機能は、個別の機能部品によって実現されてもよいし、共通の機能部品によって実現されてもよい。
【0046】
以下では、
図2を参照しながら、後端位置制御装置9に含まれる各部91〜95について、具体的に説明する。
【0047】
操作部91は、例えば上部旋回体2のキャブ内に設けられた後端位置変更スイッチの入力に応じて、カウンタウェイト6の後端位置を変更させる操作を行う。具体的には、操作部91は、前記後端位置変更スイッチの入力に応じて、伸縮部材7の長手方向に沿うように車輪62の向きを変更するとともに当該車輪62を転動させることによりカウンタウェイト6を前方または後方に自走させる伸縮信号を送信し、これにより当該カウンタウェイト6から駆動力を受けた伸縮部材7を所定長さまで伸縮させることによって、カウンタウェイト6を目的とする後端位置まで移動させる。本実施形態では、
図1に示すように、操作部91は、後端位置変更スイッチの入力を受けて、カウンタウェイト6を4つの後端位置E1〜E4のいずれかに移動させるための伸縮信号を後述する操作禁止部92に送信する。例えば、カウンタウェイト6を後端位置E3まで移動させるための後端位置変更スイッチが入力された場合、操作部91は、後端位置E3に対応する所定長さまで伸縮部材7を伸縮させるための伸縮信号を操作禁止部92に送信する。
【0048】
操作部91から伸縮信号を受けた操作禁止部92は、反力検出器63、距離検出器8、算出部93、および計測部94から各種の情報を受信し、当該受信した各種の情報と前記伸縮信号とに基づいて、伸縮部材7の伸縮を許容するか禁止するかを決定する。具体的には、操作禁止部92は、前記受信した各種の情報および伸縮信号が特定の条件を満たす場合にウェイト本体61に対してカウンタウェイト6を駆動する信号を送信することにより操作部91の伸縮操作を許容するとともに、前記受信した各種の情報および伸縮信号が特定の条件を満たさない場合に当該伸縮信号を無効にすることにより操作部の伸縮操作を禁止する。より詳細には、以下のとおりである。
【0049】
操作禁止部92は、操作部91から伸縮信号を受けたときに、カウンタウェイト6の反力検出器63が検出した車輪62が地面Gから受ける反力情報を受信する。当該反力情報を受信した操作禁止部92は、車輪62が地面Gから受ける反力が0である場合に、車輪62が地面Gから浮いていることによりカウンタウェイト6が自走不能状態である判定して、操作部から受けた伸縮信号を無効とすることにより、伸縮部材7の伸縮を禁止する。一方で、車輪62が地面Gから受ける反力が0を超える場合に、車輪62が地面Gに接触していることによりカウンタウェイト6が自走可能状態であると判定する。
【0050】
操作禁止部92は、カウンタウェイト6が自走可能状態であると判定した場合に、距離検出器8が検出した上部旋回体2とカウンタウェイト6との離間距離情報を受信し、当該離間距離情報に基づいてカウンタウェイト6の現在の後端位置を特定する。現在の後端位置を特定した操作禁止部92は、操作部91から受けた伸縮信号に応じた目標とする後端位置と現在の後端位置とに基づいて、伸縮部材7を現在の状態から伸ばすべきか縮めるべきかを判定する。
【0051】
伸縮部材7を現在の状態から伸ばすべきと判定した操作禁止部92は、カウンタウェイト6が目標とする後端位置に至るまで伸縮部材7を伸ばすための伸信号をウェイト本体61に送り、これによりウェイト本体61からの駆動力を受けた伸縮部材7が当該目標とする後端位置に対応する所定長さまで延びる。
【0052】
一方、伸縮部材7を現在の状態から縮めるべきと判定した操作禁止部92は、算出部93からクレーンX1の定格総荷重の推算情報を受信するとともに、計測部94からフロントアタッチメント3における吊荷重の計測情報を受信し、当該受信した定格総荷重の推算情報および吊荷重の計測情報に基づいて伸縮部材7を縮めることを許容するか禁止するかを決定する。
【0053】
算出部93は、操作禁止部92から指令を受けて、フロントアタッチメント3の定格総荷重を算出する。具体的には、算出部93は、操作禁止部92から指令を受けて、当該操作禁止部92が操作部91から伸縮信号を受信したときにおける地面Gに対するブーム31の起伏角度等に基づいて、カウンタウェイト6が各後端位置E1〜E4のいずれかにある場合におけるフロントアタッチメント3の定格総荷重をそれぞれ推算する。そして、各後端位置E1〜E4における定格総荷重の推算情報を操作禁止部92に送信する。
【0054】
計測部94は、操作禁止部92から指令を受けて、フロントアタッチメント3における吊荷重を計測する。具体的には、計測部94は、操作禁止部92から指令を受けて、当該操作禁止部92が操作部91から伸縮信号を受信したときにおけるフロントアタッチメント3の吊荷重を計測し、当該計測した吊荷重の計測情報を操作禁止部92に送信する。なお、本実施形態では、吊荷重は、フック32aに吊り下げられる吊り荷の重量に加えて、吊り具32の重量も含む。
【0055】
計測部94から吊荷重の計測情報を受けた操作禁止部92は、算出部93から受信した各後端位置E1〜E4における定格総荷重のうち現在の後端位置および目標とする後端位置における定格総荷重のそれぞれに基づいて、これらが特定の条件を満たす場合には、カウンタウェイト6を目標とする後端位置まで移動させるための縮信号をウェイト本体61に送信することにより、当該目標とする後端位置に対応する所定長さまで伸縮部材7を縮める縮操作を許容する一方で、特定の条件を満たさない場合には、当該縮操作を禁止する。縮操作を禁止する場合には、操作禁止部92は、計測部94から受けた吊荷重の計測情報と前記縮信号とを縮操作禁止制限部95へと送信する。
【0056】
縮操作禁止制限部95は、計測部94において計測された吊荷重が予め設定された許容荷重以下である場合に、操作禁止部92による縮操作の禁止を解除して当該縮操作を許容する。ここで、許容荷重は、フロントアタッチメント3のフック32aが実質的に吊り荷を吊っていない状態である場合の最大の吊荷重に設定される。この許容荷重は、吊り具32の重量に基づいて設定される。許容荷重は、吊り具32の重量よりも大きく設定される。許容荷重は、例えばフック32aの重量の2倍に設定される。吊荷重が許容荷重以下である場合には、フック32aに実質的に吊り荷が吊られていないと判断可能である。
【0057】
操作禁止部92から吊荷重の計測情報と縮信号とを受けた縮操作禁止制限部95は、当該吊荷重と縮操作禁止制限部95に予め記憶された許容荷重とを比較し、吊荷重が許容荷重以下であると判定した場合にのみ、操作禁止部92による縮操作の禁止を解除するように縮信号をウェイト本体61に送信することにより、目標とする後端位置に対応する所定長さまで伸縮部材7を縮める。
【0058】
このように、クレーンX1では、操作部91における伸縮部材7の伸縮操作に応じて、操作禁止部92が当該伸縮操作を許容するか禁止するかを判定する。操作禁止部92は、現在の後端位置から目標とする後端位置までカウンタウェイト6を移動させるに際して、伸縮部材7を伸ばす必要がある場合には、当該伸縮部材7の伸操作を許容する。また、伸縮部材7を縮める必要がある場合には、特定の条件を満たすときに当該伸縮部材7の縮操作を許容する一方で、特定の条件を満たさないときに当該縮操作を禁止する。そして、操作禁止部92が縮操作を禁止した場合に、縮操作禁止制限部95がフック32aに実質的に吊り荷が吊られているか否かを判定し、吊り荷が吊られていないと判定される場合にのみ、前記縮操作の禁止を解除して、伸縮部材7の縮操作を許容する。
【0059】
次に、上記のクレーンX1において、伸縮部材7を所定長さまで縮めてから上部旋回体2およびカウンタウェイト6から取り外すための取外し方法について、
図3に示す伸縮部材7を所定長さまで伸縮させる際のフローチャート図を参照しながら説明する。
【0060】
伸縮部材7は、以下の取外し方法によって、上部旋回体2およびカウンタウェイト6から取り外される。なお、以下では、本実施形態に係るクレーンX1の伸縮部材7の取外し方法のうち、主要な工程のみを説明したものである。したがって、本実施形態に係るクレーンX1の伸縮部材7の取外し方法は、本明細書において省略する任意の工程を備え得る。
【0061】
まず、伸縮部材7の伸縮操作を行う。具体的には、クレーンX1の作業者が上部旋回体2のキャブ内において後端位置変更スイッチの入力を行うことにより、当該入力に応じた伸縮信号を操作部91から操作禁止部92へと送信する(ステップST1にてYes)。本実施形態では、カウンタウェイト6が後端位置E3に配置された状態において、後端位置変更スイッチを入力することにより、当該カウンタウェイト6を後端位置E2へと移動させるための伸縮信号を操作部91から操作禁止部92へと送信するものとする。
【0062】
次に、現在のクレーンX1において伸縮部材7が伸縮可能な状態であるか否かの判定を行う。具体的には、以下のとおりである。
【0063】
操作部91からカウンタウェイト6を目標とする後端位置まで移動させる伸縮信号を受けた操作禁止部92は、算出部93に対してクレーンX1の定格総荷重を算出するように指令を送る。当該指令を受けた算出部93は、現在のクレーンX1におけるブーム31の地面Gに対する傾斜角度等に基づいて、カウンタウェイト6が各後端位置E1〜E4のそれぞれに位置する場合の定格総荷重を推算する。各後端位置E1〜E4のそれぞれにおける定格総荷重を推算した算出部93は、当該推算結果を操作禁止部92に送信する。当該推算結果を受けた操作禁止部92は、各後端位置E1〜E4のそれぞれにおける定格総荷重の全てが0であるか否かを判定する(ステップST2)。各後端位置E1〜E4のそれぞれにおける定格総荷重が0である場合、操作禁止部92は、クレーンX1に吊り能力がないと判断し、操作部91から受けた伸縮信号を無効にしてステップST1に戻る(ステップST2にてNo)。一方、各後端位置E1〜E4のそれぞれにおける定格総荷重のうち少なくとも一つの定格総荷重が0を超える場合は、次のステップST3へと移行する(ステップST2にてYes)。
【0064】
ステップST2にて各後端位置E1〜E4のそれぞれにおける定格総荷重のうち少なくとも一つの定格総荷重が0を超えると判定した操作禁止部92は、反力検出器63に対して車輪62が地面Gから受ける反力を検出するように指令を送る。当該指令を受けた反力検出器63は、前記反力を検出し、当該反力の情報を操作禁止部92へ送信する。そして、反力検出器63から反力の情報を受けた操作禁止部92は、当該反力が0であるか否かを判定する(ステップST3)。前記反力が0である場合、操作禁止部92は、車輪62が地面Gから浮いていることによりカウンタウェイト6が自走不能状態であると判断し、操作部91から受けた伸縮信号を無効にしてステップST1に戻る(ステップST3にてNo)。一方、前記反力が0を超える場合、伸縮部材7を伸縮させることが可能な状態であると判断し、次のステップST4へと移行する(ステップST3にてYes)。
【0065】
次に、前記伸縮操作工程における伸縮操作が伸縮部材7を伸ばす伸操作であるのか伸縮部材7を縮める縮操作であるのかを判定する。具体的には、以下のとおりである。
【0066】
ステップST3にて車輪62が地面Gから受ける反力が0を超えると判定した操作禁止部92は、距離検出器8に対して上部旋回体2からカウンタウェイト6までの離間距離を検出するように指令を送る。当該指令を受けた距離検出器8は、前記離間距離を検出し、当該検出情報を距離検出器8に送信する。そして、距離検出器8から前記離間距離の検出情報を受けた操作禁止部92は、当該離間距離に基づいて現在のカウンタウェイト6がいずれの後端位置E1〜E4に配置されているかを特定する。本実施形態では、操作禁止部92は、距離検出器8から前記離間距離の情報を受け、現在のカウンタウェイト6が後端位置E3に配置されていることを特定する。
【0067】
現在のカウンタウェイト6の後端位置を特定した操作禁止部92は、当該現在の後端位置と、操作部91から受けた伸縮信号に基づいて特定した目標とする後端位置と、に基づいて、当該伸縮信号が伸縮部材7を伸ばすための伸信号であるのか伸縮部材7を縮めるための縮信号であるのかを判定する(ステップST4)。本実施形態では、現在のカウンタウェイト6が後端位置E3に配置されているとともに、当該カウンタウェイト6を後端位置E2まで移動させるため、操作禁止部92が操作部91から受けた伸縮信号は伸縮部材7を縮めるための縮信号であり、ステップST5へと移行する(ステップST4にてYes)。なお、カウンタウェイト6を後端位置E4まで移動させる場合であれば、操作禁止部92が操作部91から受けた伸縮信号は伸縮部材7を伸ばすための伸信号であり(ステップST4にてNo)、操作禁止部92がウェイト本体61へ当該伸信号を送ることにより、伸縮部材7を伸ばしつつカウンタウェイト6を目標とする後端位置E4まで移動させることになる(ステップST7)。
【0068】
ステップST4にて操作部91における伸縮操作が伸縮部材7を縮めるための縮操作であると判定した操作禁止部92は、算出部93から受けた各後端位置E1〜E4における定格総荷重のうち、目標とする後端位置における定格総荷重が、0であるか否かを判定する(ステップST5)。本実施形態では、操作禁止部92は、後端位置E2における定格総荷重が0であるか否かを判定する。
【0069】
ステップST5にて目標とする後端位置における定格総荷重が0を超えている場合(ステップST5にてYes)、操作禁止部92は、操作部91から受けた縮信号をウェイト本体61に送信することにより縮操作を許容し、これにより伸縮部材7を縮めつつカウンタウェイト6を目標とする後端位置まで移動させる(ステップST6)。
【0070】
一方、目標とする後端位置における定格総荷重が0である場合(ステップST5にてNo)、操作禁止部92は、操作部91から受けた縮信号を無効とし、伸縮部材7を縮めることを禁止する。具体的には、操作禁止部92は、操作部91から受けた縮信号をウェイト本体61に送信せず、縮操作禁止制限部95に送信する。これにより、ステップST5にてNoと判定される場合には、前記縮操作が一旦禁止されることになる。
【0071】
操作禁止部92から縮信号を受けた縮操作禁止制限部95は、計測部94に対してフロントアタッチメント3における吊荷重を計測するように指令を送る。当該指令を受けた計測部94は、前記吊荷重を計測し、当該計測情報を操作禁止部92に送信する。
【0072】
計測部94から吊荷重の計測情報を受けた縮操作禁止制限部95は、フロントアタッチメント3における吊荷重と縮操作禁止制限部95に予め記憶された許容荷重とを比較する(ステップST7)。
【0073】
操作禁止部92から受けた吊荷重の計測情報に基づいて、当該吊荷重が許容荷重未満であると判定した縮操作禁止制限部95は(ステップST7にてYes)、フック32aに実質的に吊り荷が吊られていないと判断して縮操作の禁止を解除し、操作禁止部92から受けた縮信号をウェイト本体61に送信することにより、伸縮部材7を縮めつつカウンタウェイト6を目標とする後端位置まで移動させる(ステップST6)。
【0074】
一方、操作禁止部92から受けた吊荷重の計測情報に基づいて、当該吊荷重が許容荷重以上であると判定した縮操作禁止制限部95は(ステップST7にてNo)、フック32aに実質的に吊り荷が吊られていると判断して縮操作の禁止を継続する(ステップST8)。すなわち、ステップST7にてNoと判定される場合、縮操作禁止制限部95は、操作禁止部92から受けた縮信号を無効とし、伸縮部材7を縮めることを完全に禁止する。
【0075】
このように、本実施形態では、上記の各ステップを経て縮操作を許容することにより、カウンタウェイト6を後端位置E3から後端位置E2へと安全に移動させ、これに伴って伸縮部材7の長さを縮める。そして、このステップを繰り返すことにより、カウンタウェイト6を安全に後端位置E1まで移動させ、これにより伸縮部材7を最短長さL1まで縮める。
【0076】
なお、上記のステップの途中において縮操作を禁止する必要が生じた場合には、例えば地面Gに対するブーム31の起伏角度を変更したり、フック32aに吊り下げられた吊り荷を降ろしたりした後に、再び上記のステップを繰り返す。これにより、カウンタウェイト6を安全に後端位置E1まで移動させ、伸縮部材7を最短長さL1まで縮める。
【0077】
そして、上記のステップを繰り返すことにより伸縮部材7を最短長さL1まで縮めた後、当該伸縮部材7をカウンタウェイト6および上部旋回体2から取り外す。
【0078】
以上により、伸縮部材7を最短長さまで縮めてから当該伸縮部材7をクレーンX1から取り外すことができる。
【0079】
このように、本実施形態に係るクレーンX1では、安全性を確保しながら伸縮部材7を所定の長さまで縮めることができる。具体的には、以下のとおりである。
【0080】
クレーンX1では、操作部91において伸縮部材7を所定長さまで縮める縮操作が行われたとき、操作禁止部92は、算出部93において算出された定格総荷重が0を超える場合に縮操作を許容する一方、当該定格総荷重が0である場合に縮操作を禁止する。これにより、定格総荷重が0を超えることによりクレーンX1の安全性が確保された状態でのみ伸縮部材7を所定の長さまで縮めることができる。
【0081】
ところで、伸縮部材7を所定長さまで縮めた場合における定格総荷重が0であったとしても、フロントアタッチメント3が実質的に吊り荷を吊っていない状態である場合には、安全性を確保しながら伸縮部材7を所定長さまで縮めることが可能である。
【0082】
そこで、縮操作禁止制限部95は、計測部94において計測された吊荷重が許容荷重以下である場合に縮操作の禁止を解除して当該縮操作を許容する。これにより、伸縮部材7が所定長さに至る場合の定格総荷重が0であったとしても、フロントアタッチメント3が実質的に吊り荷を吊っていない状態である場合には、縮操作が許容され、伸縮部材7が所定長さまで縮められる。このため、安全性を確保しながら伸縮部材7を所定の長さまで縮めることができる。
【0083】
さらに、本実施形態に係るクレーンX1では、吊荷重が吊り具の重量を含んでおり、許容荷重が吊り具の重量を超える値に設定されるため、縮操作禁止制限部95においてフロントアタッチメント3が実質的に吊り荷を吊っていない状態であるか否かをより正確に判断することができ、これにより安全性を確保しながら伸縮部材7を所定長さまで縮めることができる。
【0084】
また、本実施形態に係るクレーンX1の伸縮部材7の取外し方法では、安全性を確保しながら伸縮部材7を所定の長さまで縮めて取り外すことができる。具体的には、以下のとおりである。
【0085】
クレーンX1の伸縮部材7の取外し方法では、操作禁止部92は、算出部93において算出された定格総荷重が0を超える場合に縮操作を許容する一方、当該定格総荷重が0である場合に縮操作を禁止する。
【0086】
そこで、クレーンX1の伸縮部材7の取外し方法では、計測工程においてフロントアタッチメント3における吊荷重を計測し、当該吊荷重が許容荷重以下である場合にのみ縮操作の禁止を解除して当該縮操作を許容する。これにより、伸縮部材7が所定長さに至る場合に定格総荷重が0であったとしても、フロントアタッチメント3が実質的に吊り荷を吊っていない状態であれば、伸縮部材7を所定長さまで縮めることができる。このため、安全性を確保しながら伸縮部材7を所定の長さまで縮めて取り外すことができる。
【0087】
以上説明した上記の実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記の実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0088】
例えば、本発明に係るクレーンのカウンタウェイトは、フロントアタッチメント3との間でつり合いをとるように当該フロントアタッチメント3に繋がっていればよく、その形状や構造は特に限定されない。上記の実施形態では、カウンタウェイト6は、車輪62を有しており、当該車輪62が地面Gを転動することにより走行するが、これに限らない。カウンタウェイト6は、例えば車輪62を有していなくてもよく、地面Gから浮いた状態で伸縮部材7を介して上部旋回体2に固定されていてもよい。この場合、
図3に示すフローチャートにおけるステップST3の伸縮部材7が伸縮可能状態であるか否かは、伸縮部材7が地上から浮いているか否かで判断される。伸縮部材7が地面Gから浮いている場合には、伸縮部材7が伸縮可能状態であるとしてステップST4へと移行し、伸縮部材7が地面Gに接している場合には、伸縮部材7が伸縮不可能状態であるとしてステップST1に戻る。
【0089】
また、本発明に係るクレーンの伸縮部材は、機体またはカウンタウェイトの駆動力によって伸縮するように構成されていればよい。上記の実施形態では、伸縮部材7は、カウンタウェイト6の駆動力によって伸縮するが、これに限らない。例えば、伸縮部材7は、上部旋回体2からの駆動力によって伸縮するように構成されてもよい。この場合、カウンタウェイト6は、自走可能なように構成されていなくてもよい。
【0090】
また、本発明に係るクレーンにおいて予め設定される許容荷重は、フロントアタッチメントが実質的に吊り荷を吊っていない状態である場合の最大の吊荷重と同程度の値であればよく、どのように設定されてもよい。本実施形態では、許容荷重は、吊り具32の重量に基づいて設定されているが、これに限らない。例えば、許容荷重は、吊り具32のうちフック32aの重量にのみ基づいて、当該フック32aの重量の2倍の値に設定されてもよい。
【0091】
また、本発明に係るクレーンの縮操作禁止部は、算出部において算出された定格総荷重が所定値を超えるか否かによって操作部における縮操作を許容または禁止すればよく、当該所定値は、クレーンに吊り能力がないと判断可能な値に設定されればよい。本実施形態では、操作禁止部92は、算出部93において算出された定格総荷重が0であるか否かによって縮操作を許容または禁止するため、前記所定値は0に設定されているが、これに限らない。前記所定値は、例えば0よりも少し大きい値に設定されてもよい。
【0092】
また、本発明に係るクレーンにおける伸縮部材の所定長さは、予め設定されていなくともよく、最長長さと最短長さとの間で作業者が自由に決定することが可能である。本実施形態では、カウンタウェイト6が各後端位置E1〜E4のいずれかにのみ配置されることが予め設定されており、これに応じて前記所定長さも4つに設定されるが、これに限らない。例えば、カウンタウェイト6は、各後端位置E1〜E4のそれぞれの間の位置に配置されてもよく、カウンタウェイト6が配置される後端位置が予め設定されていなくともよい。
【0093】
また、カウンタウェイト6の後端位置は、どのような手段によって判定されてもよい。上記の実施形態では、距離検出器8において検出した上部旋回体2とカウンタウェイト6との離間距離に基づいて、カウンタウェイト6の後端位置を判定したが、これに限らない。例えば、本実施形態のようにカウンタウェイト6の後端位置が各後端位置E1〜E4のいずれかに配置される場合であれば、カウンタウェイト6が各後端位置E1〜E4のいずれかに至った段階で伸縮部材7から操作禁止部92へと信号を送ることによりカウンタウェイト6の後端位置を判定可能なように、当該伸縮部材7に信号送出部を設けてもよい。
【0094】
また、本発明に係るクレーンの伸縮部材の取外し方法では、計測工程、縮操作許容工程、および取外し工程のそれぞれは、機械的に行ってもよいし、人的に行ってもよい。上記の実施形態では、計測工程で計測した吊荷重が許容荷重を超えるか否かを判定するステップST7は、縮操作禁止制限部95によって行われるが、これに限らない。例えば、上部旋回体2のキャブ内に搭載されたモニターに計測工程で計測した吊荷重を表示し、当該表示に基づいて吊荷重が許容荷重を超えるか否かを作業者が判定してもよい。この場合、吊荷重が許容荷重を超えないと判定した作業者は、例えば前記キャブ内に搭載した縮操作禁止解除スイッチの入力を行うことにより、縮操作の禁止を解除して当該縮操作を許容する。このような方法によれば、縮操作禁止制限部95は不要となる。
【0095】
また、本実施形態では、ステップST6,ST10のそれぞれにおいて、縮操作を許容するか禁止するかを判断する主体は、操作禁止部92であるが、これに限らない。例えば、定格総荷重が0となる後端位置までカウンタウェイト6が移動するように伸縮部材7が縮むことを操作禁止部92が禁止するとともに、上部旋回体2のキャブ内に搭載されたモニターに計測工程で計測した吊荷重や算出部において算出された定格総荷重を表示し、当該表示に基づいて、クレーンX1の安全性が確保される場合にのみ作業者が前記禁止を解除してもよい。この場合、クレーンX1の安全性が確保されると判断した作業者は、例えば前記キャブ内に搭載した縮操作禁止解除スイッチの入力を行うことにより、縮操作の禁止を解除して当該縮操作を許容する。