(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、本発明の流路形成用感光性樹脂組成物について説明した後、流路形成用感光性樹脂組成物を用いたマイクロ流体装置の製造方法、および流路形成用感光性樹脂組成物を用いたマイクロ流体装置について説明する。
【0013】
1.流路形成用感光性樹脂組成物 流路形成用感光性樹脂組成物(以下、「レジスト組成物」ともいう)とは、部材の内部に流路を有するマイクロ流体装置の流路の形成に用いられる感光性樹脂組成物であって、オキシラニル基を有する化合物(以下、「オキシラニル化合物」ともいう)、オキセタニル基を有する化合物(以下、「オキセタニル化合物」ともいう)、および光酸発生剤を含有する。
【0014】
本発明のマイクロ流体装置の流路は、レジスト組成物から形成した樹脂組成物層を、露光・現像して得られた半硬化状態のパターン化した樹脂組成物層を形成し、その後、支持体、パターン化した樹脂組成物層および蓋を、パターン化した樹脂組成物層を半硬化状態から硬化状態にすることにより一体化し、形成する。この半硬化状態のとき、パターン化した樹脂組成物層が崩壊しない程度に硬化している必要がある。オキシラニル化合物は一般的に硬化速度が速く、硬化性に優れていることから、オキシラニル化合物を含有するレジスト組成物から得られるパターン化した樹脂組成物層は、崩壊しない程度に硬化させることができる。
【0015】
しかしながら、オキシラニル化合物のみを架橋剤として含有するレジスト組成物から得られるパターン化した樹脂組成物層は、オキシラニル化合物の硬化速度が速いことから、一体化するときにパターン化した樹脂組成物層に流動性がなく、露光・現像後に形成されたパターン化した樹脂組成物層の壁面の形状がそのまま流路の壁面の形状となる。一般的にレジスト組成物は得られるパターンの解像度を上げるとパターンの壁面が荒れることから、オキシラニル化合物のみを含有するレジスト組成物を用いて小さな流路を形成するときは滑らかな壁面を有する流路が得られない。
【0016】
一方、オキセタニル化合物は一般的に硬化速度が遅いため、オキセタニル化合物のみを架橋剤として含有するレジスト組成物から得られるパターン化した樹脂組成物層は、半硬化状態のとき、パターン化した樹脂組成物層は崩壊する恐れがある。しかしながら、一体化するときにパターン化した樹脂組成物層に流動性があり、露光・現像後に形成されたパターン化した樹脂組成物層の壁面の形状を、流動により滑らかにして、流路の壁面の形状とすることができる。
【0017】
本発明は、このように硬化速度に違いのあるオキシラニル化合物と、オキセタニル化合物を両方使うことで、半硬化状態のとき、パターン化した樹脂組成物層の崩壊を防ぎ、且つ、一体化するときには流動により滑らかな壁面を形成することができたと考えられる。このため、オキシラニル化合物と、オキセタニル化合物を両方含むレジスト組成物は、マイクロ流体装置の流路の形成に特に適している。
【0018】
以下、レジスト組成物中に含まれる成分、オキシラニル化合物、オキセタニル化合物、および光酸発生剤、ならびにレジスト組成物中に含まれても良い成分、アルカリ可溶性樹脂、酸拡散抑制剤、およびその他成分について説明する。
【0019】
1−1.オキシラニル化合物 オキシラニル化合物は、露光により光酸発生剤から発生する酸により架橋反応する化合物であり、オキシラニル基を1つ以上有していればよい。オキシラニル化合物は、低分子であっても、樹脂であってもよく、オキシラニル化合物が樹脂である場合は、オキシラニル基以外に、フェノール性水酸基またはカルボキシル基などの酸性の基を有してもよい。オキシラニル化合物が酸性の基を有する樹脂の場合、後述のアルカリ可溶性樹脂として用いることができる。これらの中でも低分子のオキシラニル化合物が、得られる流路の壁面を滑らかにすることができるため好ましい。
【0020】
低分子のオキシラニル化合物としては、例えば、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルが挙げられる。市販品として入手できる低分子のオキシラニル化合物としては、例えば、デナコールEX−201、EX−313、EX−314、EX−321、EX−411、EX−511、EX−512、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−731、EX−810、EX−911、EM−150(以上、ナガセケムテックス社製)が挙げられる。
【0021】
樹脂のオキシラニル化合物としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール−キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール−キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール−ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。市販品として入手できる樹脂のオキシラニル化合物としては、例えば、JER827、JER828、JER1001、JER1003、JER1055、JER1007、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER152、JER157S70(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON830、EPICLON835、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、LCE−21、RE−602S、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)、ADEKA
RESIN EP−4080S(ADEKA(株)製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600(以上、ダイセル化学(株)製)が挙げられる。
樹脂のオキシラニル化合物の場合、そのゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常、1,000〜100,000である。
【0022】
オキシラニル化合物が酸性の基を有する樹脂の場合、メタクリル酸、アクリル酸、ヒドロキシスチレン、イソプロペニルフェノール等の酸性の基を有する単量体と、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、p−ビニルフェニルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート等のオキシラニル基を有する単量体と、必要に応じて、スチレン、p−メトキシスチレン、メタクリル酸ブチル等の他の単量体を、重合体の単量体として用いた樹脂を用いることができる。
【0023】
オキシラニル化合物は1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物の固形分中に含まれるオキシラニル化合物の含有量は、通常、1〜80質量%、好ましくは5〜40質量%である。また、オキシラニル化合物の含有量は、オキセタニル化合物100質量部に対して、通常、0.1〜100質量部、好ましくは、1〜50質量部、より好ましくは5〜30質量部である。この範囲内でオキシラニル化合物を用いると、小さな流路且つ滑らかな壁面を有する流路を形成することができる。
【0024】
1−2.オキセタニル化合物 オキセタニル化合物は、露光により光酸発生剤から発生する酸により架橋反応する化合物であり、オキセタニル基を1つ以上有していればよい。オキセタニル化合物は、低分子であっても、樹脂であってもよく、オキセタニル化合物が樹脂である場合、オキセタニル基以外に、フェノール性水酸基またはカルボキシル基などの酸性の基を有してもよい。オキセタニル化合物が酸性の基を有する樹脂の場合、後述のアルカリ可溶性樹脂として用いることができる。これらの中でもアルカリ可溶性樹脂として用いるオキセタニル化合物が、得られる流路の壁面を滑らかにすることができることから好ましい。
【0025】
低分子のオキセタニル化合物としては、例えば、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[2−(3−オキセタニル)ブチル]エーテル、1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、1,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、1,2−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、4,4"−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル、2,2"−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ビフェニル、3,3",5,5"−テトラメチル〔4,4"−ビス(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル、2,7−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ナフタレン、1,6−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン、1,2−ビス[2−{(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}エチルチオ]エタン、2−ブチル−2−エチル−1,3−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール、1,4−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−ブタン−1,4−ジオールが挙げられる。
【0026】
樹脂のオキセタニル化合物としては、例えば、フェノールノボラックとOXC(3-エチル-3-クロロメチルオキセタン)のエーテル化物(商品名「PNOX」、東亜合成(株)製)、クレゾールノボラックとOXCのエーテル化物(商品名「CNOX」、東亜合成(株)製)が挙げられる。
樹脂のオキセタニル化合物の場合、そのゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常、1,000〜100,000である。
【0027】
オキセタニル化合物が酸性の基を有する樹脂の場合、メタクリル酸、アクリル酸、ヒドロキシスチレン、イソプロペニルフェノール等の酸性の基を有する単量体と、3−エチル−3−アクリロキシメチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−フェニルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン等のオキセタニル基を有する単量体と、必要に応じて、スチレン、p−メトキシスチレン、メタクリル酸ブチル等の他の単量体を、重合体の単量体として用いた樹脂を用いることができる。
【0028】
オキシラニル化合物は1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物の固形分中に含まれるオキセタニル化合物の含有量は、通常、5〜95質量%、好ましくは70〜90質量%である。この範囲内でオキシラニル化合物を用いると、小さな流路且つ滑らかな壁面を有する流路を形成することができる。
【0029】
1−3.光酸発生剤 光酸発生剤は、光の作用により酸を発生する化合物である。本発明の感光性組成物から形成される樹脂膜に対する露光処理によって、光酸発生剤に基づき露光部に酸が発生し、酸の作用によりオキシラニル化合物およびオキセタニル化合物が架橋反応するため、露光部の現像液への溶解性が変化する。露光部の現像液への溶解性が変化することで、前記樹脂膜はパターン化することができる。
【0030】
光酸発生剤としては、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物等、特開2010−197996号公報や特開2010−134387号公報に記載の光酸発生剤を挙げることができる。
【0031】
光酸発生剤としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムトリフリオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフリオロメタンスルホネート、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム塩化合物;
1,10−ジブロモ−n−デカン、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン含有化合物;
4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタン等のスルホン化合物;
ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルp−トルエンスルホネート等のスルホン酸化合物;
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド等のスルホンイミド化合物;
ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン化合物;が挙げられる。
【0032】
光酸発生剤は1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。レジスト組成物中に含まれる光酸発生剤の含有量は、感光性樹脂組成物の感度、解像度、パターン形状などを確保する観点から、オキシラニル化合物およびオキセタニル化合物の合計量100質量部に対して、通常、0.1〜20質量部である。
【0033】
1−4.アルカリ可溶性樹脂 アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ性の現像液により現像する場合に用いる。アルカリ可溶性樹脂は、フェノール性の水酸基や、カルボキシル基等の酸性の基を有している樹脂であればよく、上述の酸性の基を有するオキシラニル化合物や、オキセタニル化合物をアルカリ可溶性樹脂として用いてもよい。
【0034】
アルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレンおよびその共重合体、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール−キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン縮合樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
アルカリ可溶性樹脂のゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常、1,000〜1,000,000である。
前記した酸性の基を有するオキシラニル化合物や、オキセタニル化合物をアルカリ可溶性樹脂として用いる場合、レジスト組成物中の含有量は上記の通りである。
また、その他のアルカリ可溶性樹脂を使用する場合、レジスト組成物の固形分中のその含有量は、60質量%以下であれよいが、この限りではない。
【0036】
1−5.酸拡散制御剤 酸拡散抑制剤は、露光により光酸発生剤から発生する酸の樹脂組成物層中での拡散を抑制するのに用いられ、酸の拡散を抑制することで、レジスト組成物の解像性を向上させることができる。レジスト組成物の解像性が向上することで、解像度の高いパターンであっても、壁面が荒れていないパターン化樹脂組成物層を形成することができるため、滑らかな壁面を有する流路を形成することができる。
酸拡散抑制剤としては、国際公開2009/051088号公報などに記載のレジスト組成物で通常用いられる化合物が挙げられる。酸拡散抑制剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;アニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウムヒドロキシド類; ピラジン、ピラゾール、アクリジン等の含窒素複素環類;N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4"−ジアミノジフェニルメタン、N,N"−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4"−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−ピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−ピペリジン等の保護基を有するアミン類が挙げられる。これらのなかでも保護基を有するアミン類が、小さな流路且つ滑らかな壁面を有する流路を形成することができるため好ましい。
【0037】
レジスト組成物中に含まれる酸拡散抑制剤の含有量は、光酸発生剤100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。
【0038】
1−6.その他成分 本発明のレジスト組成物には、上述の成分以外にも、溶剤、密着助剤、レベリング剤、界面活性剤、増感剤、無機粒子等の各種成分を、本発明の目的および特性を損なわない範囲で含有することができる。
【0039】
溶剤は、レジスト組成物の取り扱い性を向上させるために用いるものであり、溶剤以外の成分が均一に溶解または分散できるものであれば、どのような溶剤であってもよい。溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、およびγ−ブチロラクトンが挙げられる。
レジスト組成物は、各成分を均一に混合することにより製造することができる。また、組成物中のゴミを取り除くため、各成分を均一に混合した後、得られた混合物をフィルター等で濾過することもできる。
【0040】
2.マイクロ流体装置の製造方法 本発明のマイクロ流体装置の製造方法は、流路を前記感光性樹脂生物から形成されるパターン化した樹脂組成物層を有することを特徴とする。
例えば、支持体に、オキシラニル基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、および光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物から形成する樹脂組成物層を形成する工程(以下、「工程(1)」ともいう)、
前記樹脂組成物層を選択的に露光および現像する工程(以下、「工程(2)」ともいう)、
現像後の樹脂組成物層の上に蓋材を配置する工程(以下、「工程(3)」ともいう)、
をこの順で有する。
マイクロ流体装置の製造方法の模式図を
図1に示す。
【0041】
2−1.工程(1) 工程(1)は、支持体10に、前記レジスト組成物から形成する樹脂組成物層20を形成する工程である。
前記支持体10としては、樹脂組成物層を均一な膜厚で形成でき、且つ変形など起こさず、流路内を流れる基質と反応しない材質であればよい。例えば、支持体10としてはシリコン、石英、炭化珪素等の無機材質の基板、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン等の有機ポリマー材質の基板が挙げられる。流路内を光で観察する場合は、該光に対して透明性に優れた支持体を用いればよい。また、流路内を流れる基質の反応を観察するために、CMOSセンサなどの検出素子を有する支持体を用いてもよい。検出素子を有する支持体10をも用いることで、後から検出素子をモジュール化するよりも、より小さなマイクロ流体装置を製造することができる。支持体の厚みは、通常、10μm〜10mmである。また、支持体には、供給口または排出口若しくはその両方を設けてもよい。
【0042】
樹脂組成物層20を形成する方法としては、例えば、樹脂組成物層20を支持体10に直接形成する方法、レジスト組成物を例えば離型処理が施されたPETなどの有機フィルム上に一定膜厚で成膜しドライフィルムとした後、支持体へラミネート方式により転写する方法が挙げられる。小さな流路を形成するときは樹脂組成物層20の膜厚は均一であることが好ましく、膜厚の均一性に優れる樹脂組成物層20を支持体10に直接形成する方法が好ましい。
【0043】
樹脂組成物層20を支持体10に直接形成する方法としては、例えば、スピンコート法、インクジェット法、スプレーコート法、バーコート法などの塗布方法を用いて、レジスト組成物を支持体10上に塗布すればよい。これらの中でも膜厚の均一性に優れていることからスピンコート法が好ましい。また、支持体10に塗布するに際して、レジスト組成物の支持体10への塗布性や、支持体と樹脂組成物層との密着性を得るため、あらかじめ支持体10の塗布面に、ヘキサメチルシラザンなどの表面処理剤を塗布してもよい。
【0044】
レジスト組成物を支持体10上に塗布した後は、例えば、ホットプレート等で加熱して塗膜を均一化することができる。加熱条件は、通常、60〜180℃で10〜1000秒である。このようにして形成した樹脂組成物層20の膜厚は、通常、0.01〜1000μm、好ましくは100〜500μmである。
【0045】
2−2.工程(2) 工程(2)は、前記樹脂組成物層20を、選択的に露光および現像する工程である。
【0046】
選択的に露光するには、例えば、流路部分を遮光したマスクパターン50を介して、例えばコンタクトアライナー、ステッパーまたはスキャナーを用いて露光を行う(
図1(b))。露光光51としては、紫外線、可視光線などが挙げられ、通常、波長200〜500nmの光(例:i線(365nm))を用いる。活性光線の照射量は、感光性組成物中の各成分の種類、配合割合、塗膜の厚さなどによって異なるが、露光光にi線を使用する場合、露光量は、通常100〜1500mJ/cm
2である。
【0047】
露光部分が充分な現像液耐性を有し、かつ、接着力を失わない程度に硬化した時点で、露光後の樹脂組成物層を現像する。
露光部分の硬化を調製するために、露光後に加熱処理(以下「PEB処理」ともいう。)を行うこともできる。PEB条件は、通常60〜180℃である。
【0048】
ついで、現像液、好ましくは、アルカリ性現像液により前記露光後の樹脂組成物層を現像して、未露光部を溶解、除去することにより、支持体上に半硬化状態のパターン化した樹脂組成物層21を形成する(
図1(c))。半硬化状態とは、接着力を失わない程度に硬化した状態であり、ゲル分率30%以上の状態である。前記ゲル分率とは半硬化状態のパターン化した樹脂組成物層の質量に対する、該層の未硬化部分を溶解できる溶剤で抽出した後に残るゲルの質量の比を百分率にして算出できる。
【0049】
現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法等が挙げられる。現像条件は、通常、20〜40℃で1〜10分である。
アルカリ性現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、コリン等のアルカリ性化合物を、1〜10質量%濃度となるように水に溶解させたアルカリ性水溶液が挙げられる。前記アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性の有機溶剤および界面活性剤などを適量添加することもできる。なお、アルカリ性現像液で塗膜を現像した後は、水で洗浄し、乾燥してもよい。
【0050】
パターン化した樹脂組成物層21は、流路の壁面となる部分を、電着処理や無電解メッキ処理などの表面処理を行い、流路内を流れる基質の付着を防ぐことができる。
形成されるパターン形状は、特に制限されるものではなく、例えば、ピラー型マイクロ流体装置の場合、ピラーパターンなど、レジスト組成物からさまざまな形状の樹脂膜を形成できる性質を利用して、マイクロ流路装置が使用される用途に応じて、適宜選択できる。
【0051】
例えば、特表2009-501908号公報に示されるように、一方の端に注入チャンバー、注入チャンバーと連結するチャネル、チャネルと連結する吸収チャンバーなどを備えたものなどを採用できる。また、反応チャンバー、検出チャンバー、混合チャンバーなどを設けてもよく、流路は直線的である必要はなく、様々なチャンバーとチャネルが、非線形の配置を含む他の配置で設置することが可能である。一連のチャネルは、単一チャネルのみであっても、または複数のチャネルを備えていて差し支えない。また、特開2005-329479号公報、特開2004-130219号公報に示されるように、パターン化する樹脂組成物層を複数層組み合わせて、エリアを分離させてもよく、たとえば検出エリアと、反応・分離エリア、調整エリアに分けてもよい。さらに、特開2010-237053号公報に示されるように、流路の湾曲部に特定の曲率を設け、流体の乱流を抑制させてもよい。
パターンの幅は特に制限されないが、通常1〜1000μmであり、目的に応じて適宜選択される。
【0052】
2−3.工程(3) 工程(3)は、現像後の樹脂組成物層の上に蓋材30を配置する工程である。
【0053】
前記蓋材30としては、変形など起こさず、流路内を流れる基質と反応しない材質であればよい。例えば、前記支持体10と同様の基板が挙げられる。流路内を光で観察する場合は、該光に対して透明性に優れた蓋材30を用いればよい。また、流路内を流れる基質の反応を観察するために、CMOSセンサなどの検出素子を有する蓋材30を用いてもよい。検出素子を有する蓋材30をも用いることで、後から検出素子をモジュール化するよりも、より小さなマイクロ流体装置を製造することができる。蓋材30の厚さは、支持体と同程度であればよく、通常10μm〜10mmである。また、流路内を流れる基質の反応を観察するために、CMOSセンサなどの検出素子を有する支持体を用いてもよい。
【0054】
蓋材30には、基質を流路内に入れるための供給口または基質を流路外に排出するための排出口若しくはその両方が設けられていてもよい(図示せず)。
【0055】
前記支持体10、前記パターン化した樹脂組成物層21および前記蓋材30を一体化し、支持体10、パターン化した樹脂組成物層21および前記蓋材30からなる流路41を形成するために、露光や加熱処理を行ってもよい。
【0056】
一体化は、パターン化した樹脂組成物層21が半硬化状態から硬化状態に変わることで行われる。
一体化は、パターン化した樹脂組成物層21中に含まれるオキシラニル化合物やオキセタニル化合物が架橋反応することで進むため、露光や加熱処理などを行う。これらの中でも加熱処理が、パターン化した樹脂組成物層21の壁面の流動がより効率的に起こることから、好ましい。
【0057】
加熱条件は特に限定されないが、通常、100〜250℃、好ましくは150〜230℃、30分〜10時間である。変形を防止したりするため、二段階で加熱することもでき、例えば、第一段階では、50〜250℃の温度で30秒〜2時間加熱し、第二段階では、第一段階よりと同じ温度若しくは第一段階よりも高い温度で20分〜8時間加熱することができる。また、加熱する際に、加圧を行う事が望ましい。加圧することにより、蓋材30と樹脂組成物21の接着を確実なものにすることが可能となる。
その後、必要に応じて、送液、回収等の機能を有する部品を構築してもよい。
【0058】
本発明のマイクロ流体装置の製造方法では、本発明の感光性樹脂組成物を使用しているので、壁面が滑らになる。
その後、必要に応じて、送液、回収等の機能を有する部品を構築してもよい。
以上のようにして、部材の内部に流路を有するマイクロ流体装置を製造することができる。
【0059】
3.マイクロ流体装置 本発明に係るマイクロ流体装置は、流路が、オキシラニル基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、および光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物から形成されるパターン化した樹脂組成物層を有することを特徴とする。本発明に係るマイクロ流体装置は、内部に支持体、パターン化した樹脂組成物層および前記パターン化した樹脂組成物層から形成される溝を覆う蓋材から形成された流路を有する。
このような発明に係るマイクロ流体装置は、例えば、前記製造方法によって形成することができる。
【0060】
流路に流体を流入させて流出するまでの経路内で、流体を加熱又は冷却する機構、希釈又は濃縮する機構、化学反応させる機構、流動の流速や流動の分岐などの流動状態を制御する機構、混合、溶解、分離などを制御する機構、電気的、光学的な測定をする検出素子等が設けられる。
【0061】
支持体、樹脂組成物層、蓋材の各部材および流路については前記に記載したとおりである。
マイクロ流体装置の構造の一例では、支持体および蓋材の厚さは通常10μm〜10mm程度である。また、樹脂組成物層の厚さは通常、0.01〜1000μm、好ましくは100〜500μmである。
【0062】
樹脂組成物層は単層でも積層であってもよい。流路は、支持体、パターン化した樹脂組成物層、蓋材で囲まれた空間であり、その断面直径は、目的に応じて適宜選択される。流路内には、流体が貯留する貯め部があってもよい。流路の両端部はそれぞれ流入口と排出口に連結しており、支持体ないし蓋材に、試料を投入する流入口と、排出する排出口が設けられている。流路は内部で分岐していてもよく、あるいは合流していてもよい。さらに、流入口および排出口は複数あってもよく、また、流入口と排出口の数が異なっていてもよい。
【0063】
また、他の機能部分、例えば貯液槽、ポンプ機構、バルブ機構、膜分離機構などが設けられていてもよい。さらに、マイクロ流体装置に、流路内の温度を制御する温度制御機構が設けられていてもよい。
【0064】
支持体、蓋材には、検出素子に接続するための電極や導体ユニットが設けられていても良い。前記電極や前記導体ユニットは、本発明に係るマイクロ流体装置が格納されるハウジングと係合する読取ユニットと電気的に接続されるように設計されている。これらは導電性材料で作製され、フォトリソグラフィ、スクリーンプリンティングまたはスパッタリング法などの既知の製造工程によって形成される金属膜の形態も含まれる。前記導電性材料としては、それぞれ単独で、またはそれらを混合して用いてもよく、例えば、金、インジウムスズ酸化物(ITO)、銀、プラチナ、パラジウム、アルミニウム、銅、窒化チタンが挙げられる。
【0065】
このような機構を備えたマイクロ流体装置は、例えば、化学、生化学などの微小反応素子(マイクロリアクター)、DNA分析素子、微小電気泳動素子、微小クロマトグラフィー素子、質量スペクトルや液体クロマトグラフィーなどの分析試料調製用微小素子、抽出、膜分離、透析などの物理化学的処理素子、およびマイクロアレイ製造用スポッタとして使用できる。
【実施例】
【0066】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.感光性樹脂組成物の準備[実施例1]
フラスコ中にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70gを入れた。80℃に加熱したフラスコ中に、メタクリル酸4g、p−ヒドロキシスチレン20g、3−エチル−3−アクリロキシメチルオキセタン70g、スチレン16g、アクリル酸n−ブチル32g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70gおよびアゾイソブチロニトリル3gからなる溶液を2時間かけて滴下し、80℃で5時間加熱、次いで、100℃で1時間加熱した。得られた溶液を再沈殿させオキセタニル基を有する重合体(重合体A)を得た(GPCによるポリスチレン換算で、Mw=18,000)。また、配合量の通りの質量比で単量体由来の構造単位を含むポリマーが得られたことを
13C NMRで確認できた。
【0067】
オキセタニル化合物として、重合体Aを100質量部、光酸発生剤として、4−(フェニルチオ) フェニルジフェニルスルホニウムトリス( ペンタフルオロエチル) トリフルオロホスフェートを2質量部、オキシラニル化合物として、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルを10質量部、グリシドキプロピルトリメトキシシランを3質量部、およびフッ素系界面活性剤として、ネオス(株)社製、製品名「FTX−218」を0.1質量部、それぞれプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート250質量部に均一に溶解させて、実施例1の感光性樹脂組成物を得た。
【0068】
[実施例2]
オキセタニル化合物として、重合体Aを100質量部、光酸発生剤として、4−(フェニルチオ) フェニルジフェニルスルホニウムトリス( ペンタフルオロエチル) トリフルオロホスフェートを2質量部、オキシラニル化合物として、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルを10質量部、グリシドキプロピルトリメトキシシランを3質量部、およびフッ素系界面活性剤として、ネオス(株)社製、製品名「FTX−218」を0.1質量部、酸拡散抑制剤として、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾールを0.05質量部、それぞれプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート250質量部に均一に溶解させて、実施例2の感光性樹脂組成物を得た。
【0069】
[比較例1]
フラスコ中にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70gを入れた。80℃に加熱したフラスコ中に、メタクリル酸4g、p−ヒドロキシスチレン20g、グリシドキシプロピルメタクリレート60g、スチレン16g、アクリル酸n−ブチル32g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70gおよびアゾイソブチロニトリル3gからなる溶液を2時間かけて滴下し、80℃で5時間加熱、次いで、100℃で1時間加熱した。得られた溶液を再沈殿させエポキシ基を有する重合体Bを得た(GPCによるポリスチレン換算で、Mw=16,000)。また、配合量の通りの質量比で単量体由来の構造単位を含むポリマーが得られたことを
13C NMRで確認できた。
得られた重合体Bを、重合体Aの代わりに用いた以外は実施例1と同様の成分および含有量で、比較例1の感光性樹脂組成物を得た。
【0070】
2.マイクロ流体装置の製造[実施例3]
図2に実施例3で製造したマイクロ流体装置の模式図を示す。
半導体センサを有する8インチのシリコンウェハ上に、実施例1の感光性樹脂組成物をスピンコート法にて塗布し、ホットプレートで110℃で3分間加熱し、膜厚30μmの塗膜を形成した。塗膜を部分的に遮光部を有するマスクを介して露光(ニコン(株)製、装置名「NSR2005 i10D」、1000μJ/cm
2)し、次いで、110℃で5分間加熱した。その後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを2.38質量%含有する水溶液で現像し、塗膜の上面から見たパターンが、
図2(b)に示すパターンである。その後、パターン化膜を有するシリコンウェハを、縦2cm、横2cmにダイシングしパターン化膜を有するチップを得た。ダイボンダー(芝浦メカトロニクス(株)製、装置名「FTD−1940」)により、チップを200℃で加熱しながら、
図2(a)のような基質を含む流体を流路に出し入れするための穴(流入口301および排出口302)を有するガラス基板300(縦2cm、横2cm、厚さ=1mm)を接着し、貼り合わせた。その後、180℃で2時間加熱し、マイクロ流体装置を製造した。
【0071】
製造したマイクロ流体装置を割り、流路の断面を電子顕微鏡で観察したところ、良好な壁面を有していることを確認した(
図2(c))。なお、
図2(c)は
図2(b)のAおよびBで結ぶ線の断面を観察した。
【0072】
また、マイクロ流体装置の流路内に、臭化エチジウムを1質量%含有する水溶液を流した後であっても、流路の壁には色が付いていないことを確認した。これにより、基質の付着のない良好な流路が形成できていることが明らかとなった。
【0073】
[実施例4]
実施例1の感光性樹脂組成物の代わりに、実施例2の感光性樹脂組成物を用いた以外は実施例3と同様の操作にて、マイクロ流体装置を製造した。基質の付着のない良好な流路が形成できていることが明らかとなった。
【0074】
[比較例2]
実施例1の感光性樹脂組成物の代わりに、比較例1の感光性樹脂組成物を用いた以外は実施例3と同様の操作にて、マイクロ流体装置を製造した。製造したマイクロ流体装置は蓋がしっかりと接着しておらず、良好なマイクロ流体装置ではなかった。
【0075】
実施例3と同様にマイクロ流体装置を割り、流路の断面を電子顕微鏡で観察したところ、流路の壁面は実施例2の流路の壁面に比べ滑らかでないことを確認した。
また、実施例2と同様にマイクロ流体装置の流路内に、臭化エチジウムを1質量%含有する水溶液を流した後では、流路の壁には色が付いた。