特許第6237774号(P6237774)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6237774情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237774
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20171120BHJP
【FI】
   G01M99/00 Z
【請求項の数】18
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2015-535335(P2015-535335)
(86)(22)【出願日】2014年3月11日
(86)【国際出願番号】JP2014056334
(87)【国際公開番号】WO2015033603
(87)【国際公開日】20150312
【審査請求日】2017年2月15日
(31)【優先権主張番号】特願2013-185947(P2013-185947)
(32)【優先日】2013年9月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】笠原 梓司
(72)【発明者】
【氏名】落合 勝博
【審査官】 伊藤 幸仙
(56)【参考文献】
【文献】 特公平7−6882(JP,B2)
【文献】 特許第4872944(JP,B2)
【文献】 特開2012−98149(JP,A)
【文献】 特許第4942353(JP,B2)
【文献】 特許第3321487(JP,B2)
【文献】 特許第3780299(JP,B1)
【文献】 特許第3864722(JP,B2)
【文献】 特開2001−198498(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/196175(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第3045889(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサによる検知によりそれぞれ得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換する変換手段と、
前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて第1相関モデルを生成する第1モデル生成手段と、
前記第1相関モデル、及び前記第1相関モデルの生成に用いられたデータを計測したセンサから得られる第1周波数データから、前記第1相関モデルの相関の強さを算出する第1演算手段と、
相関の強さに基づき異常を判定する判定手段と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記第1モデル生成手段は、前記複数のセンサのうち2つのセンサに係る第1周波数データの組み合わせを用いて前記第1相関モデルを生成する、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1モデル生成手段は、前記複数のセンサに係る複数の第1周波数データの平均である平均周波数データと、当該複数の第1周波数データのうちの1つの第1周波数データとを用いて前記第1相関モデルを生成する、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記複数のセンサによる検知により得られる時系列データを第2周波数データへ変換する変換手段と、
第2周波数データを用いて第2相関モデルを生成する第2モデル生成手段と、
前記第2相関モデルの相関の強さを算出する第2演算手段と、
を更に備え、
前記判定手段は、前記第1相関モデルの相関の強さと、前記第2相関モデルの相関の強さとの比較に基づき、異常を判定する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第2モデル生成手段は、前記複数のセンサのうちの2つのセンサに係る第2周波数データの組み合わせを用いて前記第2相関モデルを生成する、
請求項4記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第2モデル生成手段は、前記複数のセンサに係る複数の第1周波数データの平均である平均周波数データと、1つの第2周波数データとを用いて前記第2相関モデルを生成する、
請求項4記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第1周波数データに係る時系列データと、前記第2周波数データに係る時系列データとは、前記複数のセンサによる検知タイミングが異なる、
請求項4乃至請求項6のいずれか1項記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第1周波数データに係る時系列データと、前記第2周波数データに係る時系列データとは、検知するセンサが異なる、
請求項4乃至請求項6のいずれか1項記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記第1相関モデルに、当該第1相関モデルの生成に用いた周波数データを適用することにより、異常判定に用いる閾値を生成する、
請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の情報処理システム。
【請求項10】
複数のセンサによる検知により得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換する変換手段と、
前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて相関モデルを生成するモデル生成手段と、
前記相関モデルに、当該相関モデルに係るセンサから得られる別の時系列データを変換して得られる第2周波数データを適用することにより得られる当該第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定する判定手段と
を備える情報処理システム。
【請求項11】
前記モデル生成手段は、前記複数のセンサのうち2つのセンサに係る第1周波数データの組み合わせを用いて前記相関モデルを生成する、
請求項10記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記モデル生成手段は、前記複数のセンサに係る複数の第1周波数データの平均である第1平均周波数データと、当該複数の第1周波数データのうちの1つの第1平均周波数データとを用いて前記相関モデルを生成する、
請求項10記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記判定手段は、前記相関モデルに、当該相関モデルに係る第2周波数データと、前記複数のセンサに係る複数の第2周波数データの平均である第2平均周波数データとを適用することにより得られる第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定する、
請求項12記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記相関モデルに、当該相関モデルの生成に用いた周波数データを適用することにより、異常判定に用いる閾値を生成する、
請求項10乃至請求項13のいずれか1項記載の情報処理システム。
【請求項15】
複数のセンサによる検知によりそれぞれ得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換するステップと、
前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて第1相関モデルを生成するステップと、
前記第1相関モデル、及び前記第1相関モデルの生成に用いられたデータを計測したセンサから得られる第1周波数データから、前記第1相関モデルの相関の強さを算出するステップと、
相関の強さに基づき異常を判定するステップと
を情報処理システムが行う情報処理方法。
【請求項16】
複数のセンサによる検知により得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換するステップと、
前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて相関モデルを生成するステップと、
前記相関モデルに、当該相関モデルに係るセンサから得られる別の時系列データを変換して得られる第2周波数データを適用することにより得られる当該第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定するステップと
を情報処理システムが行う情報処理方法。
【請求項17】
複数のセンサによる検知によりそれぞれ得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換する処理と、
前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて第1相関モデルを生成する処理と、
前記第1相関モデル、及び前記第1相関モデルの生成に用いられたデータを計測したセンサから得られる第1周波数データから、前記第1相関モデルの相関の強さを算出する処理と、
相関の強さに基づき異常を判定する処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項18】
複数のセンサによる検知により得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換する処理と、
前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて相関モデルを生成する処理と、
前記相関モデルに、当該相関モデルに係るセンサから得られる別の時系列データを変換して得られる第2周波数データを適用することにより得られる当該第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定する処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係るいくつかの態様は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばコンピュータ等の情報処理システムの発達により、音や振動などの各種データを収集した上で、それらのデータを解析するシステムが増えつつある。例えば特許文献1は、システムを構成する複数の被管理装置から取得する複数の性能情報を取得した上で、一定間隔で取得される性能情報の時系列変化を示す性能系列情報間の相関関数の係数を導出し、当該相関関数の変化に応じて、異常の発生場所を特定できる装置を開示している。また、特許文献2は、設備から発生する音データを収集し、当該収集したデータの周波数スペクトルを求め、スペクトル値の相関係数にもとづいて異常の有無を判定することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4872944号公報
【特許文献2】特開2010−066244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、振動や光、音といったデータに対して、所定のサンプリングレートで取得した時系列データ同士の相関関係の抽出を特許文献1記載の手法で行うと、データ取得期間が異なるだけで、算出する相関関数の係数や相関モデルの相関の強さが変化してしまうことが多く、結果として、有意なモデルを生成するのが困難である。
【0005】
また、特許文献2に記載のデータを周波数解析する手法では、相関係数を使って異常を検知しているものの、相関係数は値の変化方向が増加であるか減少であるかで符号が異なるため、増加や減少のトレンドが同一となるセンサデータや周波数帯を選定しなければ、好適な分析が難しいという課題がある。
【0006】
本発明のいくつかの態様は前述の課題に鑑みてなされたものであり、好適にデータ解析を行うことのできる情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る1の情報処理システムは、複数のセンサによる検知によりそれぞれ得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換する変換手段と、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて第1相関モデルを生成する第1モデル生成手段と、前記第1相関モデルの相関の強さを算出する第1演算手段と、相関の強さに基づき異常を判定する判定手段とを備える。
【0008】
本発明に係る1の情報処理システムは、複数のセンサによる検知により得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換する変換手段と、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて相関モデルを生成するモデル生成手段と、前記相関モデルに、当該相関モデルに係るセンサから得られる別の時系列データを変換して得られる第2周波数データを適用することにより得られる当該第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定する判定手段とを備える。
【0009】
本発明に係る1の情報処理方法は、複数のセンサによる検知によりそれぞれ得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換するステップと、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて第1相関モデルを生成するステップと、前記第1相関モデルの相関の強さを算出するステップと、相関の強さに基づき異常を判定するステップとを情報処理システムが行う。
【0010】
本発明に係る1の情報処理方法は、複数のセンサによる検知により得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換するステップと、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて相関モデルを生成するステップと、前記相関モデルに、当該相関モデルに係るセンサから得られる別の時系列データを変換して得られる第2周波数データを適用することにより得られる当該第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定するステップとを情報処理システムが行う。
【0011】
本発明に係る1のプログラムは、複数のセンサによる検知によりそれぞれ得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換する処理と、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて第1相関モデルを生成する処理と、前記第1相関モデルの相関の強さを算出する処理と、相関の強さに基づき異常を判定する処理とをコンピュータに実行させる。
【0012】
本発明に係る1のプログラムは、複数のセンサによる検知により得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換する処理と、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて相関モデルを生成する処理と、前記相関モデルに、当該相関モデルに係るセンサから得られる別の時系列データを変換して得られる第2周波数データを適用することにより得られる当該第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定する処理とをコンピュータに実行させる。
【0013】
なお、本発明において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、好適にデータ解析を行うことのできる情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの処理の概要の具体例を説明するための図である。
図2】第1実施形態に係る情報処理システムの処理の概要の具体例を説明するための図である。
図3】実施形態1に係る情報処理システムの構成の具体例を示す図である。
図4図3に情報処理システムの機能構成の具体例を示す図である。
図5図3に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図6図3に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図7図3に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図8図3に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図9図3に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図10図3に示す情報処理システムを実行可能なコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
図11】第2実施形態に係る情報処理システムの処理の概要の具体例を説明するための図である。
図12】第2実施形態に係る情報処理システムの機能構成の具体例を示す図である。
図13図12に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図14図12に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図15図12に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図16図12に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図17】第3実施形態に係る情報処理システムの処理の概要の具体例を説明するための図である。
図18】第3実施形態に係る情報処理システムの機能構成の具体例を示す図である。
図19】第4実施形態に係る情報処理システムの機能構成の具体例を示す図である。
図20図19に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図21図19に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図22】第5実施形態に係る情報処理システムの機能構成の具体例を示す図である。
図23図22に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図24図22に示す情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の説明及び参照する図面の記載において、同一又は類似の構成には、それぞれ同一又は類似の符号が付されている。
【0017】
(1 第1実施形態)
図1乃至図10は、第1実施形態を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら、以下の流れに沿って本実施形態を説明する。まず、「1.1」で本実施形態におけるデータの解析方法の概要を説明する。その後、「1.2」で本実施形態における情報処理システムのシステム構成等の概要を、「1.3」で本実施形態における情報処理システムの機能構成の概要を説明する。「1.4」では、処理の流れを、具体例を交えながら説明する。「1.5」では、情報処理システムを実現可能なハードウェア構成の具体例を説明する。最後に、「1.6」で、本実施形態に係る効果などを説明する。
【0018】
(1.1 システム構成及び概要)
(1.1.1 概要)
企業情報システムやデータセンタ等の比較的大規模なシステムにおいては、種々のシステムの監視、制御、運用のための統合運用管理システムが提供されている。ITシステムの大規模化や、地震などの災害時の事故対策としての監視強化に伴い、物理データを扱うプラントや、製造現場における状態監視システムも規模が大きくなってきている。このようなシステムは、従来は管理者が手作業でルールを決めて運用してきたが、このように大規模化、複雑化が進むシステムや装置の運用は、日々困難さを増している。つまり、異常を検知するシステムの必要性が高まっている。
【0019】
そこで本実施形態に係る情報処理システムは、例えばセンサ等で振動や音、光などのデータを取得した上で、これらのデータを解析することにより、システムの異常を検知する。特に、本実施形態に係る情報処理システムでは、センサから得られる時系列データに対して周波数変換の前処理を行った上でデータを解析するため、本質的な変化が周波数に現れるデータを用いて、異なるセンサ間の相関関係をモデル化することができる。また、本実施形態に係る情報処理システムでは、解析対象のデータを周波数変換した上で、データ間の相関関係を、相関係数ではなく、相関モデルにより特定する。これにより周波数データが増加トレンドにあるか減少トレンドにあるかに関わりなく、相関関係の変化に応じて、異常を検知することができる。
以下、図1図2を参照しながら、より具体的に説明する。
【0020】
まず、相関関係について説明する。2つ以上のセンサで同時にデータを計測している時、正常な状態では、あるセンサと別のセンサとで計測するデータには、強弱の違いはあるものの、通常は何らかの関連性が見出される。一方が増加すれば他方も増加する、或いは、他方が減少すれば他方も減少するような関係を、本実施形態では相関関係と呼ぶ。
【0021】
前述の通り、本実施形態に係る情報処理システムでは、音や光、振動等をセンサで検知することにより得られる時系列データを変換した周波数データから、センサ間の相関モデルを生成する。相関モデルは、例えば以下のような式で表現することができる。
【式1】
【0022】
【0023】
ここで、f〜f、f〜fは、それぞれ予め定められた周波数であり、s(f)及びs(f)は、それぞれセンサx、センサyから得られた周波数データ(時系列データを変換したもの)の、周波数fにおける強度を示す。a〜a、b〜b、Cは、それぞれ係数であり、相関モデルを求める処理は、係数a〜a、b〜b、Cを定める処理に相当する。
【0024】
相関モデルが求まった後は、例えばセンサxの周波数データにおける強度であるs(f)〜s(f)、及びセンサyの周波数f〜fm−1の強度であるs(f)〜s(fm−1)を入力することにより、周波数fmにおける強度の予測値であるs(f)’を求めることができる。周波数f〜fm−1における予測値も同様にして算出することができる。
【0025】
また、相関関係には強弱がある。相関関係の強弱(以下、相関の強さともいう。)を定める指標としては種々考えられるが、例えば、モデル生成に用いた正常データに対して、生成した予測値と観測値との予測誤差の総和に比例する値とすることができる。つまり、相関の強さは、例えば以下のような数式で表現できる。
【式2】
【0026】
【0027】
ここで、s(f)は周波数fにおける周波数データの強度の実測値であり、s(f)’は相関モデルを用いて算出した、周波数fにおける周波数データの強度の予測値である。本実施形態に係る情報処理システムでは、正常データ及び観測データに対してそれぞれ相関モデルを生成した上で、正常データにおける相関モデルの相関の強さを、観測データにおける相関モデルの相関の強さと比較することにより、異常発生の有無を判定する。
【0028】
このような相関の強さという指標を考えると、例えば、振動センサA及びセンサBで時系列データを取得した場合に、図1上部に示すように、各時刻tにおける振動加速度の相関が弱い場合であったとしても、各データを周波数データに変換した場合には、図1下部に示すように、各周波数における相関が強い場合も考えられる。そこで本実施形態では、時系列データを周波数データに変換した上で、各センサに係る周波数データ間の相関関係を示す相関モデルを生成する。そして、相関関係が崩れたか否かに応じて異常を検知する。
【0029】
図2に具体例を示す。図2の左側は、各センサを個々に観察する場合、右側は本実施形態のようにセンサ間の相関を観察する場合を示した図である。各センサを個々に観察する場合には、発生した異常が微小なものであると、センサの観測値が正常範囲内(正常値)を示す場合が多く、図2左上に示すように、どのセンサでも異常を検出できない可能性が高い。
【0030】
一方、センサ間の相関関係を見る場合には、図2右上に示すように、あるセンサと他のセンサとの相関関係が崩れる場合があるので、異常を検知できる場合がある。特に、ある特定のセンサと他のセンサとの間の相関関係ばかりが崩れている場合には、当該特定のセンサの観測対象が異常であることを検出できる場合がある。
【0031】
また、各センサを個々に観察する場合には、発生した異常が大きいと、図2左下に示すように、多数のセンサで正常範囲外(異常値)を示すことが多い。この場合には、どこに根本的な異常発生箇所があるのかを特定することが困難である。
【0032】
一方、センサ間のデータの相関の強さを観察する場合には、図2右下に示すように、一定範囲内のセンサ間は相関の強さに大きな変化を示さない場合もある。そのような場合には、相関の崩れた部分に囲まれた領域が異常発生原因の存在箇所であるものと推測できる。
【0033】
上述したように、本実施形態に係る情報処理システムでは、各センサから得られる時系列データを変換して得られる周波数データを用いて、相関関係を示す相関モデルを生成し、当該相関モデルの相関関係が崩れているか否かに応じて異常を検知する。
【0034】
相関関係が崩れているか否かは、各センサ間の相関モデルにおける相関の強さという指標を用いて判断できる。正常データを用いて生成した相関モデルにおける相関の強さと、観測対象のデータを用いて生成した相関モデルにおける相関の強さとの間に大きな差異が生じた場合には、相関関係が崩れた異常な状態にあることを検出することができる。
【0035】
異常検知に用いる相関モデルは、データの変動トレンドが2つのデータ間で異なっていたとしても生成可能である。よって、相関の強さも2つのデータ間で変動トレンドに依存しないため、異なるセンサのデータ間でも、好適に相関モデルを生成し、また、相関の強さを算出することができる。このような処理を複数のセンサ間に対して網羅的に実施することで、異常発生が集中しているセンサデータを、異常の根本原因として絞り込むことができる。
【0036】
(1.1.2 システム構成)
まず、本実施形態に係る情報処理システム100のシステム構成の具体例を、図3を参照しながら説明する。図3に示す通り、具体例に係る情報処理システム100は、振動センサ101a乃至101n(以下、総称して振動センサ101と呼ぶこともある)と、信号変換モジュール103と、例えばパーソナルコンピュータやサーバ等のコンピュータである情報処理装置105及び107と、記憶媒体109と、ディスプレイ111とから構成される。
【0037】
振動センサ101は、例えばそれぞれ異なる位置に設置されるセンサであって、時系列データを観測する。なお、ここでは振動センサ101は信号を検知するがこれに限られるものではなく、振動の代わりに音や光の時系列データを観測することも考えられる。
【0038】
信号変換モジュール103は、振動センサ101で検知した時系列のアナログデータを、情報処理装置105及び107で処理可能なデジタルデータへと変換した上で、当該時系列のデジタルデータを周波数データへと変換する。変換後の周波数データは、情報処理装置105及び107へと出力される。
情報処理装置105は、デジタル信号となったセンサデータが変換された周波数データから相関モデルを生成し、記憶媒体109へと出力する。
【0039】
記憶媒体109は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等であり、前述の通り、相関モデルを記憶する。なお、記憶媒体109は情報処理装置105又は情報処理装置107に内蔵されていても良い。
【0040】
情報処理装置107は、各振動センサ101によって新たに検知されたセンサデータが変換された周波数データの入力を受け、当該周波数データと、記憶媒体109に記憶されたモデル情報とを用いて、異常検知処理を行う。ディスプレイ111は、情報処理装置107による異常検知結果を表示する。
【0041】
なお、本実施形態では、情報処理装置105及び107の2台のシステムを有しているがこれに限られるものではなく、1台の情報処理装置や3台以上の情報処理装置で実装することも考えられる。また、ディスプレイ111は、情報処理装置107に内蔵されていても良い。
【0042】
(1.2 機能構成)
続いて、図4を参照しながら、情報処理システム100の機能構成を説明する。図4に示す通り、本実施形態に係る情報処理システム100は、センシング部201a乃至201n(以下、総称してセンシング部201とも呼ぶ。)と、ノイズフィルタリング部203と、周波数変換部205と、記憶部207及び209と、モデル構築部211及び219と、記憶部212と、相関強さ平均・最大偏差算出部217と、異常検出部221と、通知部223とから構成される。ここで、センシング部201は図3の振動センサ101に相当する。ノイズフィルタリング部203及び周波数変換部205は図1の信号変換モジュール103に対応し、記憶部207及びモデル構築部211、相関強さ平均・最大偏差算出部217は図1の情報処理装置105に対応する。記憶部212は図1の記憶媒体109に相当し、記憶部209、異常検出部221は図1の情報処理装置107に相当する。通知部223は、ディスプレイ111に相当する。
【0043】
センシング部201は、振動や光、音などを検知して時系列データを生成及び出力する。なお、本実施形態では、センシング部201は正常な状態と正常であるか否かが不明な状態(異常検知対象)との少なくとも2回以上のタイミングで時系列データを生成及び出力する。なお、本実施形態では、センシング部201の数nは、2以上であればいくつでも良い。
【0044】
ノイズフィルタリング部203は、センシング部201から出力された時系列データからノイズを除去する。周波数変換部205は、センシング部201a乃至201nでそれぞれ検知され、ノイズが除かれた時系列データを、それぞれ周波数データ208a乃至208n(以下、総称して周波数データ208とも呼ぶ。)及び周波数データ210a乃至210n(以下、総称して周波数データ210とも呼ぶ。)へと変換する。なおここで、周波数データ208及び210は、例えば、検知のタイミングの異なるデータであり、ここでは、周波数データ208は、相関モデル213を生成するために使用する正常データ、周波数データ210は相関モデル213を用いて異常を検知するための観察データであるものとする。周波数データ208及び210は、それぞれ記憶部207及び209へと記憶される。
【0045】
モデル構築部211は、正常データである周波数データ208a乃至208nのうち2つの組み合わせから、それぞれ相関モデル213a乃至213m(以下、総称して相関モデル213とも呼ぶ。)を生成する。生成された相関モデル213は、記憶部212に記憶される。また、モデル構築部211は、それぞれの相関モデル213a乃至213mの相関の強さ214a乃至214mも、併せて記憶部212に記憶させる。
【0046】
それぞれのセンシング部201に対して複数回分の周波数データ208が観測されている場合には、モデル構築部211は、各センシング部201の組み合わせに係る相関モデル213及びその相関の強さ214を当該回数分だけ生成することができる。相関強さ平均・最大偏差算出部217は、各センシング部201に係る複数回分の相関の強さ214の平均値をそれぞれ求めるとともに、最大偏差を算出する。この最大偏差は、相関の強さ214の平均値と、当該平均の算出に用いた各相関モデル213に係る相関の強さ214との差の最大値に相当する。当該最大偏差は、異常判定に用いられる異常判定閾値215として記憶部212に記憶させることができる。
【0047】
なお、各センシング部201の組み合わせに対して複数回の相関モデル213の作成及び相関の強さ214の算出を行わない場合には、相関強さ平均・最大偏差算出部217は不要である。
【0048】
モデル構築部219も、モデル構築部211と同様に、観察データである周波数データ210a乃至210nのうち2つの組み合わせから、それぞれ相関モデルを生成すると共に、各相関モデルの相関の強さを算出する。
【0049】
異常検出部221は、正常データである周波数データ208を元に生成された相関モデル213の相関の強さ214と、観察データである周波数データ210を元に生成された相関モデルの相関の強さとを比較することにより、異常を検知する。より具体的には、例えば、周波数データ208を元に生成された相関モデル213の相関の強さ214と、周波数データ210を元に生成された相関モデルの相関の強さとの差異が、異常判定閾値215を超過した場合に、相関関係が崩れている(異常が発生している)ものと判定することが考えられる。なお、ここで比較対象となる相関の強さは、同一のセンシング部201の組み合わせに係る相関モデル同士である。
【0050】
通知部223は、異常検出部221による異常検知の結果をユーザへ報知する。通知部223による報知の方法としては、例えばディスプレイ111上にメッセージなどを表示する方法が考えられる。
【0051】
(1.3 処理の流れ)
以下、図5乃至図9を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム100の処理の流れを説明する。図5乃至図9は、情報処理システム100の処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
なお、後述の各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して若しくは並列に実行することができ、また、各処理ステップ間に他のステップを追加しても良い。更に、便宜上1つのステップとして記載されているステップは複数のステップに分けて実行することもでき、便宜上複数に分けて記載されているステップを1ステップとして実行することもできる。この点、実施形態2以降も同様である。
【0053】
(1.3.1 全体の処理の流れ)
まず、全体の処理の流れを、図5を参照しながら説明する。
【0054】
センシング部201により検知(センシング)された正常な時系列データは、周波数変換部205によって周波数データ208へと変換され(S501)、記憶部207へと記憶される。モデル構築部211は、周波数データ208a乃至208nのそれぞれの組み合わせに対して相関モデル213を生成すると共に、各相関モデル213に係る相関の強さ214を算出する(S503)。このとき、センシング部201が複数回分の時系列データを生成している場合には、相関強さ平均・最大偏差算出部217が、当該複数回分の相関の強さ214の平均値及び最大偏差(異常判定閾値215に相当)を算出しても良い。
【0055】
更に、センシング部201により新たに検知された観察対象の時系列データは、周波数変換部205によって周波数データ210へと変換され(S505)、記憶部209へと記憶される。モデル構築部219は、周波数データ210a乃至210nのそれぞれの組み合わせに対して相関モデルを求めるとともに、各相関モデルに係る相関の強さを算出する(S507)。異常検出部221は、正常データである周波数データ208から作成した相関モデル213と、観察データである周波数データ210から作成した相関モデルとを比較することにより、異常検知処理を行う(S509)。
以下、S501、S503、S507及びS509のそれぞれの処理の詳細を、図6乃至図9を参照しながら説明する。
【0056】
(1.3.2 データ変換処理)
図6を参照しながら、センシング部201が検知した時系列データの変換処理の流れを説明する。なお、図6に係るフローチャートは、図5のS501の処理に対応する。
【0057】
正常状態において、一定期間(例えば10秒間)センシング部201a乃至201nが計測対象に対する状態検知を行う(S601)。その結果、それぞれのセンシング部201a乃至201nからそれぞれ得られる時系列データ1〜nに対して、ノイズフィルタリング部203及び周波数変換部205は順次処理を行う。
【0058】
より具体的には、まずi=1とした上で、iがセンシング部201の数nよりも小さい場合には(S603)、ノイズフィルタリング部203はi番目の時系列データ(i番目のセンシング部201のデータ)を抽出した上で(S605)、当該時系列データからノイズを除去する(S607)。このとき、ノイズフィルタリング部203は時系列データに対してバターワースフィルタを用いることにより、ノイズを除去することが考えられる。もし、1000Hz近辺の周波数帯に注目する場合には、10乃至10000Hzの成分が残るようにバターワースフィルタを適用することが考えられる。
【0059】
周波数変換部205は、ノイズフィルタリング部203がノイズを除去した時系列データを周波数データ208へと変換して(S609)、記憶部207に記憶させる(S611)。周波数変換部205による周波数データ208への変換方法としては、例えば、AR(Auto−regressive)モデル(自己相関モデル)を用いる方法が考えられる。その場合には、フィルタリングされた時系列データに対して、AICを参照して設定されたモデル次数の自己相関モデルを同定し、同定した自己相関モデルのインパルス応答を取得した上で、当該インパルス応答を周波数変換する手法が考えられる。
【0060】
情報処理システム100はiの値をインクリメントした上で、S603乃至S611の処理をi>nとなるまで(未処理のデータがなくなるまで)繰り返す。
なお、上述の処理は、異常検知の対象(観察データ)となる周波数データ210の生成時(図5のS505の処理に対応。)においても、同様となる。
【0061】
(1.3.3 モデル構築処理)
続いて、図7及び図8を参照しながら、モデル構築に係る処理の流れを説明する。なお、図7に示すフローチャートは、図5のS503の処理に対応する。
【0062】
図7は、センシング部201a乃至201nでそれぞれ複数回(ここではM回とする。)正常データである時系列データを検知し、それぞれの時系列データに対応する周波数データ208に対して相関モデル213を生成する場合の処理の流れを示す図である。
【0063】
k回目に検出した正常データに対して、モデル構築部211は周波数データ208の各組み合わせに対する相関モデル213をそれぞれ算出するとともに、各相関モデル213の相関の強さ214をそれぞれ算出する(S701)。この処理は、図8を参照しながら後に詳述する。
【0064】
M回目に検出した正常データである周波数データ208に対する相関モデル213及び相関の強さ214の算出が終わると(S703のYes)、センシング部201i、201j(0<i,j≦n)でそれぞれM回検出された時系列データから作成された各M個の周波数データ208i、208jから、相関モデル213及び当該相関モデル213の相関の強さ214がそれぞれM個生成される。そこで相関強さ平均・最大偏差算出部217は、当該M個の相関の強さ214の平均値を、各(i,j)の組み合わせに対して求める(S705〜S711)。これにより、センシング部201の各組み合わせに係る相関の強さの平均値がそれぞれ算出できる。
続いて、S701に係る処理の詳細を、図8を参照しながら説明する。
【0065】
モデル構築部211は、i,jをそれぞれ1に設定した上で、周波数データ208i及び208j(それぞれ、i番目及びj番目のセンシング部201で検知された時系列データから生成された周波数データ208)を記憶部207から抽出する(S801及びS803)。もし、iとjとが等しければ(S805のYes)、jの値をインクリメントした上で、再度周波数データ208jを抽出し直す(S803)。
【0066】
i及びjの値が異なる場合には(S805のNo)、周波数データ208iと周波数データ208jとを用いて相関モデル213を生成する(S807)。相関モデル213の具体例としては、例えば、ARX(Auto−regressive exogeneous)モデルが挙げられる。
【0067】
更にモデル構築部211は、生成した相関モデル213に、当該モデルの生成に用いた周波数データ208i、208jを適用することにより、各周波数における予測値を算出した上で、予測値と観測値(実測値)との差分から当該相関モデル213に係る相関の強さ214を算出する(S809)。また、モデル構築部211は、算出した相関モデル213及び相関の強さ214を記憶部212へと格納する(S811)。
【0068】
なおこの時、異常検知に用いる相関モデル213を、予測精度の高いもののみに限定することも考えられる。その場合、閾値を超える相関の強さ214のみを、異常検出部221による異常検出に用いることになる。
モデル構築部211は、i及びjを、値がnとなるまで適宜インクリメントしつつ、上述の処理を全ての周波数データ208の組み合わせに対して行う。
【0069】
なお、図8の処理を実行すると、(周波数データ208i,周波数データ208j)の組み合わせと(周波数データ208j,周波数データ208i)の組み合わせとの二通りに対して相関モデル213が生成されるが、このうち相関モデル213の予測精度が高い方(相関の強さ214が大きい方)を、モデル構築部211は採用する。
【0070】
(1.3.4 異常検知処理)
図9を参照しながら、異常検知処理の流れを説明する。なお、図9に示すフローチャートは、図5のS507及びS509の処理に対応する。
【0071】
モデル構築部219及び異常検出部221は、異常検知の対象(観察データ)である周波数データ210に対して処理を行う。まず、モデル構築部219は、i,jをそれぞれ1に設定した上で、周波数データ210i及び210j(それぞれ、i番目及びj番目のセンシング部201で抽出された時系列データから生成された周波数データ210)を記憶部209から抽出する(S901及びS903)。もし、iとjとが等しければ(S905のYes)、jの値をインクリメントした上で、再度周波数データ210jを抽出し直す(S903)。
【0072】
i及びjの値が異なる場合には(S905のNo)、モデル構築部219は、センシング部201i及び201jに係る周波数データ210i及び210jから相関モデルを生成すると共に(S907)、当該相関モデルにおける相関の強さを算出する(S909)。
【0073】
異常検出部221は、モデル構築部219からセンシング部201i及び201jに係る相関モデルの相関の強さを受け取ると共に、記憶部212から、正常データである周波数データである208i及び208j(それぞれ、i番目及びj番目のセンシング部201で抽出された時系列データから生成された周波数データ208)から生成された相関モデル213の相関の強さ214を読込む(S911)。もし、観察データから生成した相関モデルの相関の強さと正常データから生成した相関モデル213の相関の強さ214の値が近似する場合には(例えば、差異が異常判定閾値215以内である場合には)(S913のYes)、観察データは正常であると判断できる。一方、正常データに係る相関の強さと観察データの相関の強さとの差異が大きい場合には(S913のYes)、当該相関の強さに係る相関モデルが示すセンシング部201i及び201jの間の相関関係が崩れている(異常である)と判断できる。そこで通知部223は、当該相関関係が崩れているセンシング部201に係る情報等と共に、異常を示す情報を通知する(S915)。例えばこの時、異常検出部221は、処理対象の周波数において異常を起こす兆候がある旨等を通知する。
【0074】
モデル構築部219及び異常検出部221は、i及びjを値がnとなるまで適宜インクリメントしつつ、上述の処理を全ての周波数データ210の組み合わせに対して行う。
【0075】
なお、異常検出部221は、全ての周波数データ210の組み合わせに対する処理を終えた後、異常が発生していることにより相関が崩れていると予想される組み合わせに多く含まれるセンシング部201をリストアップしても良い。これにより、異常発生の可能性のあるセンシング部201を絞り込むことが可能となる。
【0076】
なお、ここでの説明では正常データに係る相関モデル213を複数回算出する場合について説明しなかったが、相関モデル213及び当該相関モデル213の相関の強さ214を複数回算出する場合には、当該相関の強さの平均値と、同じセンシング部201の組み合わせに係る観察データである周波数データ210から生成した相関モデルの相関の強さとを比較すれば良い。
【0077】
(1.4 ハードウェア構成)
以下、図10を参照しながら、上述してきた信号変換モジュール103や情報処理装置105、情報処理装置107をコンピュータ1000により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。信号変換モジュール103や情報処理装置105、情報処理装置107の機能は、それぞれ別々のコンピュータとしても実現しても良いし、1台のコンピュータにより実現しても良い。また、4台以上のコンピュータにより実現することも可能である。
【0078】
図10に示すように、コンピュータ1000は、プロセッサ1001、メモリ1003、記憶装置1005、入力インタフェース(I/F)1007、データI/F1009、通信I/F1011、表示装置1013を含む。
【0079】
プロセッサ1001は、メモリ1003に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1000における様々な処理を制御する。例えば、図4で説明したノイズフィルタリング部203や周波数変換部205、モデル構築部211や相関強さ平均・最大偏差算出部217、モデル構築部219、異常検出部221に係る処理は、メモリ1003に一時記憶された上で主にプロセッサ1001上で動作するプログラムとして実現可能である。
【0080】
メモリ1003は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1003は、プロセッサ1001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。例えば、メモリ1003の記憶領域には、プログラム実行時に必要となるスタック領域が確保される。
【0081】
記憶装置1005は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1005は、オペレーティングシステムや、ノイズフィルタリング部203や周波数変換部205、モデル構築部211や相関強さ平均・最大偏差算出部217、モデル構築部219、異常検出部221を実現するための各種プログラムや、周波数データ208及び210、相関モデル213、相関の強さ214、異常判定閾値215を含む各種データ等を記憶する。記憶装置1005に記憶されているプログラムやデータは、必要に応じてメモリ1003にロードされることにより、プロセッサ1001から参照される。
【0082】
入力I/F1007は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F1007の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル等が挙げられる。入力I/F1007は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ1000に接続されても良い。
【0083】
データI/F1009は、コンピュータ1000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F1009の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F1009は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F1009は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ1000へと接続される。
【0084】
通信I/F1011は、コンピュータ1000の外部の装置、例えばセンシング部201等との間で有線又は無線によりデータ通信するためのデバイスである。通信I/F1011はコンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F1011は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ1000に接続される。
【0085】
表示装置1013は、各種情報を表示するためのデバイスである。図3に示したディスプレイ111は、表示装置1013として実装することも考えられる。表示装置1013の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等が挙げられる。表示装置1013は、コンピュータ1000の外部に設けられても良い。その場合、表示装置1013は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ1000に接続される。
【0086】
(1.5 本実施形態に係る効果)
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム100は、センシング部201で検知された周波数に変化の特徴が現れる時系列データに対して、周波数データ208を用いて、センシング部201間の相関関係を相関モデル213としてモデル化する。このように本実施形態に係る情報処理システム100では、相関関係を相関係数ではなく相関モデル213として特定しているため、相関関係の変化から、センサデータの正常又は異常を判定することができる。
つまり、本実施形態に係る情報処理システム100では、好適にデータ解析を行うことができる。
【0087】
(2 第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一若しくは類似の構成に対しては同一の符号を付与するとともに、必要に応じて説明を省略する。また、第1実施形態と同一若しくは類似する作用効果を得られる場合にも、説明を省略する場合がある。
【0088】
特に、図2に具体例を示した情報処理システム100全体の構成や、信号変換モジュール103や情報処理装置105、情報処理装置107を実現可能なコンピュータ1000の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0089】
(2.1 概要)
以下、図11を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム100の処理の概要を簡単に説明する。
【0090】
第1実施形態では、それぞれのセンシング部201に係る周波数データ208及び210から相関モデルを生成していたが、本実施形態では、各センシング部201で検出した正常データである周波数データ208の平均値を求めた上で、当該平均値と各周波数データ208との間で相関モデル及び相関の強さを生成する。この処理を図11の具体例を参照しながら説明すると、まず、グラフで示されたセンサA乃至センサDに係る周波数データ208に対し、左部中央に示す破線の平均周波数データを生成する。その上で、当該平均周波数データと、センサA乃至センサDの周波数データ208との間で相関モデルを生成し、更に、それらの相関の強さFA−Ave〜FD−AVEを算出する。
【0091】
また、第1実施形態では、正常データを取得するセンシング部201と観察データ(異常判定対象のデータ)を取得するセンシング部201とは同一であり、正常データと観察データの違いは、時系列データを取得するタイミングであったが、本実施形態においては、正常データを取得するためのセンシング部201と観察データを取得するためのセンシング部201とが異なる。図11を例に説明すると、正常データはセンサA〜センサDから取得した時系列データを変換した周波数データであり、観察データはセンサE及びセンサFから取得した時系列データを変換した周波数データである。観察データに対しても、上記正常データの平均周波数データとの間で相関モデルを生成し、更に、その相関の強さを算出する(図11中、FE−AVE及びFF−AVE)。
【0092】
その結果、平均周波数データと正常データに係る周波数データとの相関モデルの相関の強さFA−AVE〜FD−AVEがそれぞれ略一致している(例えば差異が閾値以下である)にもかかわらず、正常データの平均周波数データと観察データに係る周波数データとの相関モデルの相関の強さFE−AVE又はFF−AVEが大きく相違する(例えば差異が閾値を超過する)場合には、当該センサE又はセンサFに対して、情報処理システム100は異常であるものと判定する。
【0093】
(2.2 機能構成)
システム構成は、第1実施形態と同様とすることができるので、ここでは説明を省略する。以下、図12を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム100の機能構成を説明する。図12に示す通り、本実施形態に係る情報処理システム100は、第1実施形態に係る情報処理システム100が有していた各構成に加えて、平均周波数データ算出部225と、平均周波数データ228を記憶する記憶部227とを更に有する。
【0094】
センシング部201は第1実施形態と同様、振動や光、音などを検知して時系列データを生成及び出力する。なお、本実施形態では、センシング部201a乃至201kは正常データを検知するためのものであり、センシング部201k+1〜201nが観察データを検知するためのものである。本実施形態において、正常データを検知するためのセンシング部201の数は2以上であればいくつでもよく、また、観察データを検知するためのセンシング部201の数は1以上であればいくつでも良い。
【0095】
ノイズフィルタリング部203は、第1実施形態と同様、センシング部201から出力された時系列データからノイズを除去する。周波数変換部205は、センシング部201a乃至201kでそれぞれ検知され、ノイズが除かれた時系列データを、それぞれ周波数データ208a乃至208k(総称して周波数データ208とも呼ぶ。)へと変換し、記憶部207へと出力する。また、周波数変換部205は、センシング部201k+1乃至201nでそれぞれ検知され、ノイズが除かれた時系列データを、それぞれ周波数データ210a乃至201n−k(総称して周波数データ210とも呼ぶ。)へと変換し、記憶部209へと出力する。ここでは、周波数データ208は、正常な状態を示す正常データ、周波数データ210は以上を検知する対象である観察データであるものとする。
【0096】
平均周波数データ算出部225は、各周波数毎に周波数データ208a乃至208kの平均を算出することにより、正常データの平均データである平均周波数データ228を生成する。算出した平均周波数データ228は、記憶部227へと格納される。
【0097】
モデル構築部211は、正常データである周波数データ208a乃至208kのそれぞれと、平均周波数データ228との間で、それぞれ相関モデル213a乃至213k(以下、総称して相関モデル213とも呼ぶ。)を生成する。生成された相関モデル213は、記憶部212に記憶される。また、モデル構築部211は、それぞれの相関モデル213a乃至213kの相関の強さ214a乃至214kも算出し、併せて記憶部212へと記憶させる。
【0098】
それぞれのセンシング部201に対して複数回分の周波数データ208が観測されている場合には、モデル構築部211は、各センシング部201と平均周波数データ228との組み合わせに係る相関モデル213及び相関の強さ214を、当該回数分だけ生成することができる。相関強さ平均・最大偏差算出部217は、複数回分生成された相関の強さ214の平均値を求めるとともに、最大偏差を算出する。この最大偏差は、相関の強さ214の平均値と、当該平均の算出に用いた各相関モデル213に係る相関の強さ214との差の最大値に相当する。当該最大偏差は、異常判定に用いられる異常判定閾値215として記憶部212に記憶させることができる。
なお、センシング部201において複数回の観察を行わない場合には、相関強さ平均・最大偏差算出部217は不要である。
【0099】
モデル構築部219は、観察データである周波数データ210a乃至210n−kのそれぞれと、平均周波数データ228との間で、それぞれ相関モデルを生成するとともに、各相関モデルの相関の強さを算出する。
【0100】
異常検出部221は、正常データである周波数データ208を元に生成された相関モデル213の相関の強さ214と、観察データである周波数データ210を元に生成された相関モデルの相関の強さとを比較することにより、異常を検知する。より具体的には、例えば、周波数データ208を元に生成された相関モデル213の各相関の強さ214が近似している(例えば閾値範囲以内に収まっている)にもかかわらず、周波数データ210を元に生成された相関モデルの相関の強さが近似範囲にない場合(例えば閾値範囲を超えている場合)に、異常検出部221は相関関係が崩れている(異常が発生している)ものと判定することが考えられる。
【0101】
通知部223は、異常検出部221による異常検知の結果をユーザへ報知する。通知部223による報知の方法としては、例えばディスプレイ111上にメッセージを表示する方法等が考えられる。
【0102】
(2.3 処理の流れ)
以下、本実施形態に係る情報処理システム100の処理の流れを説明する。
【0103】
(2.3.1 全体の処理の流れ)
まず、全体の処理の流れを、図5を参照しながら説明する。
センシング部201により検知(センシング)された正常な時系列データは、周波数変換部205によって周波数データ208へと変換され(S1301)、周波数データ208は記憶部207に記憶される。平均周波数データ算出部225は、記憶部207に記憶された各周波数データ208から周波数ごとに平均をとることにより平均周波数データ228を生成する(S1303)。モデル構築部211は、各周波数データ208と平均周波数データ228との間で相関モデル213を生成するとともに、各相関モデル213に係る相関の強さ214を算出する(S1305)。このとき、センシング部201が複数回検出した時系列データからそれぞれ生成された周波数データ208が複数回分ある場合には、相関強さ平均・最大偏差算出部217が、当該複数回分の相関の強さ214の平均値及び最大偏差(異常判定閾値215に相当)を算出してもよい。
【0104】
更に、センシング部201k+1乃至センシング部201nにより検知された観察対象の時系列データは、周波数変換部205によって周波数データ210へと変換され(S1307)、記憶部209へと記憶される。モデル構築部219は、周波数データ210a乃至219n−kのそれぞれと平均周波数データ228との間で相関モデルを求めるとともに、各相関モデルの相関の強さを算出する(S1309)。異常検出部221は、正常データである周波数データ208から生成した相関モデル213と、観察データである周波数データ210から作成した相関モデルとを比較することにより、異常検知処理を行う(S1311)。
【0105】
ここで、S1301、S1307の各処理は、第1実施形態で図5を参照しながら説明したS501、S505と同様となる。以下、S1305、S1309及びS1311の処理を、図14を参照しながら説明する。
【0106】
(2.3.2 相関モデルの生成)
図14及び図15を参照しながら、モデル構築に係る処理の流れを参照する。なお、図14に示すフローチャートは、図13のS1305に対応する。
【0107】
図14は、センシング部201a乃至201kでそれぞれ複数回(ここではM回とする。)正常データである時系列データを検知し、それぞれの時系列データに対応する周波数データ208に対して相関モデル213を生成する場合の処理の流れを示す図である。
【0108】
i回目に検出した正常データに対して、モデル構築部211は平均周波数データ228との間で、式1を参照しながら説明した相関モデル213を生成する。また、モデル構築部211は当該相関モデル213を用いて、モデル生成に用いた周波数データを用いて、各周波数における強度の予測値を算出し、当該予測値と実測値との差分を求め、異常検知に用いる異常判定閾値215として格納する。また、式2に基づいて、相関モデル213の相関の強さ214を算出する(S1401)。この処理は、図15を参照しながら後に詳述する。
【0109】
M回目に検出した正常データである周波数データ208に対する相関モデル213及び相関の強さ214の算出が終わると(S1403のYes)、各センシング部201iと平均周波数データ228との間でM個ずつ生成された相関モデル213に係る相関の強さ214の平均値を求める(S1405)。また、当該平均値と、M個の相関の強さ214との間の差の最大値を算出する。この最大値を異常検出のための異常判定閾値215とすることができ、当該異常判定閾値215は記憶部212に記憶させることができる。
続いて、S1401かかる処理の詳細を、図15を参照しながら説明する。
【0110】
まずモデル構築部211は、平均周波数データ228を読みこむ(1501)。また、モデル構築部211は、iを1に設定した上で、周波数データ208i(i番目のセンシング部201から抽出された時系列データから生成された周波数データ208)を記憶部207から抽出する(S1503)。
【0111】
モデル構築部211は、周波数データ208iと平均周波数データ228とを用いて相関モデル213を生成する(S1505)。相関モデル213の具体例としては、例えば、ARXモデルが挙げられる。
【0112】
更にモデル構築部211は、生成した相関モデル213をモデル生成に用いた周波数データ208に対して適用することにより、各周波数における周波数データの予測値を算出した上で、当該予測値と、周波数データ208の実測値(観測値)との差分から、当該相関モデル213に係る相関の強さを算出する(S1507)。また、モデル構築部211は、算出した相関モデル213及び相関の強さ214を記憶部212へと格納する(S1509)。
【0113】
なおこの時、異常検知に用いる相関モデル213を、予測精度の高いもののみに限定することも考えられる。その場合、閾値を超える相関の強さ214のみを、異常検出部221による異常検出に用いることになる。
モデル構築部211は、iの値が、観察データを検出するセンシング部201の数であるkとなるまで適宜インクリメントしつつ、上記処理の全ての周波数データ208に対して行う。
【0114】
なお、当該処理を実行すると、周波数データ208と平均周波数データ228との組み合わせと、平均周波数データ228と周波数データ208との組み合わせの2通りに対して相関モデル214を生成できるが、このうち相関の強さ214が大きい方をモデル構築部211は採用することができる。この点、後の周波数データ210と平均周波数データ228との相関モデルの相関の強さについても同様である。
【0115】
(2.3.3 異常検知処理)
図16を参照しながら、異常検知処理の流れを説明する。なお、図16に示すフローチャートは、図13のS1309及びS1311の処理に対応する。
【0116】
モデル構築部219は、異常検知の対象(観察データ)である周波数データ210に対して処理を行う。まず、モデル構築部219は、平均周波数データ228を読み込むと共に(S1601)、iを1に設定した上で、周波数データ210i(k+i番目のセンシング部201で抽出された時系列データから生成された周波数データ210)を記憶部209から抽出する(S1603)。
【0117】
モデル構築部211は、周波数データ210iと平均周波数データ228とを用いて相関モデル213を生成する(S1605)。相関モデルの具体例としては、ARXモデルが挙げられる。そしてモデル構築部211は、生成した相関モデルに相関の強さも算出する(S1607)。
【0118】
異常検出部221は、モデル構築部219からセンシング部201iに係る相関モデルの相関の強さを受け取るとともに、記憶部212から、正常データである周波数データである208から生成された各相関モデル213の各相関の強さ214を読み込む(S1609)。もし、正常データに係る各相関の強さ214と、各相関の強さ214の平均値がそれぞれ近似しており(例えば閾値範囲内に収まっており)、且つ、周波数データ210iに係る相関モデルの相関の強さと相関の強さ214の平均値との差異も近似している(例えば閾値範囲内にある)場合には(S1611のYes)、観察データは正常であると判断できる。一方、正常データに係る各相関の強さ214と各相関の強さ214の平均値との差異が近似している(例えば閾値範囲内に収まっており)にもかかわらず、周波数データ210iに係る相関モデルの相関の強さと相関の強さ214の平均値との差異が近似していない(例えば閾値範囲外にある)場合には(S1611のNo)、当該相関の強さに係る相関モデルが示すセンシング部201iは異常値を示していると判断できる。そこで通知部223は、当該相関関係が崩れているセンシング部201iに係る情報と共に、以上を示す情報を通知する(S1613)。例えばこの時、異常検出部221は、処理対象の周波数において異常を起こす兆候がある旨等を通知する。
【0119】
なお、異常判定の基準はこれに限られない。例えば、判定対象である周波数データ210から生成した相関モデルの相関の強さと、正常データである周波数データ208から生成した相関モデル213の相関の強さ214の平均値との差分の絶対値、並びに、正常データである周波数データ208から生成した相関モデル213の相関の強さ214の平均値と、各相関モデル213の相関の強さ214との差分の最大値の絶対値、の大小関係としても良い。
モデル構築部219及び異常検出部221は、iを値がnとなるまで適宜インクリメントしつつ、全ての周波数データ210に対して処理を行う。
【0120】
なお、異常検出部221は、全ての周波数データ210に対する処理を終えた後、異常が発生しているセンシング部201をリストアップしても良い。これにより、異常発生の可能性のあるセンシング部201を絞り込むことが可能となる。
【0121】
なお、ここでの説明では正常データに係る相関モデル213を複数回算出する場合について説明しなかったが、相関モデル213及び当該相関モデル213の相関の強さ214を複数回算出する場合には、当該相関の強さの平均値と、同じセンシング部201の組み合わせに係る観察データである周波数データ210から生成した相関モデルの相関の強さとを比較すれば良い。
【0122】
(2.4 本実施形態に係る効果)
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム100は、センシング部201で検知された周波数に変化の特徴が現れる時系列データに対して、周波数データ208を用いて、センシング部201と平均周波数データ228との間の相関関係をモデル構築部211やモデル構築部219でモデル化する。このように本実施形態に係る情報処理システム100では、相関関係を相関係数ではなく相関モデルとして特定しているため、相関関係の変化から、センサデータの正常又は異常を判定することができる。
つまり、本実施形態に係る情報処理システム100では、好適にデータ解析を行うことができる。
【0123】
(3 第3実施形態)
以下、第3実施形態について説明する。以下の説明において、第1実施形態や第2実施形態と同一若しくは類似の構成に対しては同一の符号を付すとともに、必要に応じて説明を省略する。また、第1実施形態や第2実施形態と同一若しくは類似する作用効果を得られる場合にも、説明を省略する場合がある。
【0124】
特に、図2に具体例を示した情報処理システム100全体の構成や、信号変換モジュール103や情報処理装置105、情報処理装置107を実現可能なコンピュータ1000の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0125】
(3.1 概要)
以下、図17を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム100の処理の概要を簡単に説明する。
【0126】
第2実施形態では、正常データをセンシング部201a乃至201kから取得した時系列データから生成し、と観察データをセンシング部201k+1乃至201nから取得した時系列データから生成していたが、本実施形態では、第1実施形態と同様に、正常データ及び観察データを、同一のセンシング部201a乃至201nから異なるタイミングで取得する。
【0127】
また、本実施形態では、第2実施形態と同様に、各センシング部201に係る正常データである周波数データ208の平均値を求めた上で、当該平均値と各周波数データ208との間で相関モデル及び相関の強さを算出する。この処理を図17を参照しながら説明すると、まず、グラフで示されたセンサA乃至センサDに係る周波数データに対し、左部中央に示す破線の平均周波数データ228を生成する。その上で、当該平均周波数データ228と、センサA乃至センサDの周波数データ208との間で相関モデル214を生成する。また、それらに関する相関の強さFA−Ave〜FD−AVEを算出する。
【0128】
また、周波数データの元となる時系列データとは異なるタイミングでセンサB及びセンサCで検出した時系列データを元に生成された、図17右部に示す周波数データと、平均周波数データ228との間で相関モデル214を生成する。また、それらに関する相関の強さFB’−Ave〜FC’−AVEを算出する。
【0129】
その結果、平均周波数データと正常データに係る周波数データとの相関モデルの相関の強さFA−AVE〜FD−AVEがそれぞれ略一致している(例えば差異が閾値以下である)にもかかわらず、正常データの平均周波数データ228と観察データに係る周波数データとの相関モデルの相関の強さFB’−AVE又はFC’−AVEが大きく相違する(例えば差異が閾値を超過する)場合には、当該センサB又はセンサCに対して、情報処理システム100は異常が発生しているものと判定する。
【0130】
(3.2 機能構成)
システム構成は、第1実施形態及び第2実施形態と同様とすることができるので、ここでは説明を省略する。情報処理システム100の機能構成を図18に示す。図18に示す通り、本実施形態に係る情報処理システム100の機能構成は、基本的には第2実施形態と同様であるが、前述の通り、正常データである周波数データ208及び観察データである周波数データ210が、同一のセンシング部201から取得している点で第2実施形態と異なる。
【0131】
センシング部201は第1実施形態及び第2実施形態と同様、振動や光、音などを検知して時系列データを生成及び出力する。なお、本実施形態では、センシング部201は正常な状態と正常であるか否かが不明な状態(異常検知対象)との少なくとも2回以上のタイミングでデータを検知する。本実施形態において、センシング部201の数は2以上であればいくつでもよい。
【0132】
ノイズフィルタリング部203は、第1実施形態と同様、センシング部201から出力された時系列データからノイズを除去する。周波数変換部205は、センシング部201でそれぞれ検知され、ノイズが除かれた時系列データを、それぞれ周波数データ208及び周波数データ210へと変換する。なおここで、周波数データ208及び210は、例えば、検知タイミングの異なるデータであり、周波数データ208は正常状態の時系列データから変換された正常データである。周波数データ210は、正常であるか否かが不明な状態の時系列データから変換された観察データ(異常検知対象のデータ)である。周波数データ208及び210は、それぞれ記憶部207及び209へと記憶される。
【0133】
平均周波数データ算出部225は、各周波数毎に周波数データ208の平均を算出することにより、正常データの平均データである平均周波数データ228を生成する。生成した平均周波数データ228は、記憶部227へと格納される。
【0134】
モデル構築部211は、正常データである周波数データ208a乃至208nと平均周波数データ228との間で、それぞれ相関モデル213a乃至213nを生成する。生成された相関モデル213は、記憶部212に記憶される。また、モデル構築部211は、それぞれの相関モデル213の相関の強さ214a乃至214nも算出し、併せて記憶部212へと記憶させる。
【0135】
それぞれのセンシング部201に対して複数回分の周波数データ208が観測されている場合には、モデル構築部211は、各センシング部201と平均周波数データ228との組み合わせに係る相関モデル213及び相関の強さ214を、当該回数分だけ生成することができる。相関強さ平均・最大偏差算出部217は、複数回分生成された相関の強さ214の平均値をそれぞれ求めるととともに、最大偏差を算出する。この最大偏差は、相関の強さ214の平均値と、当該平均の算出に用いた各相関モデル213に係る相関の強さとの差の最大値に相当する。当該最大偏差は、異常判定に用いられる異常判定閾値215として記憶部212に記憶させることができる。
なお、センシング部201において複数回の観察を行わない場合には、相関強さ平均・最大偏差算出部217は不要である。
【0136】
モデル構築部219は、観察データである周波数データ210乃至210nのそれぞれと平均周波数データ228との間で、それぞれ相関モデルを生成するとともに、各相関モデルの相関の強さを算出する。
【0137】
異常検出部221は、正常データである周波数データ208を元に生成された相関モデル213の相関の強さ214と、観察データである周波数データ210を元に生成された相関モデルの相関の強さとを比較することにより異常を検知する。より具体的には、例えば、周波数データ208を元に生成された相関モデル213の各相関の強さ214が近似しているにもかかわらず、周波数データ210を元に生成された相関モデルの相関の強さが近似範囲にない場合に、異常検出部221は当該相関モデルに係るセンシング部201に異常が生じているものと判定すればよい。
【0138】
通知部223は、異常検出部221による異常検知の結果をユーザへ報知する。通知部223による報知の方法としては、例えばディスプレイ111上にメッセージを表示する方法などが考えられる。
【0139】
(3.3 処理の流れ)
本実施形態に係る情報処理システム100では上述の通り、モデル構築部211及びモデル構築部219の処理対象となる周波数データ208及び210が、それぞれ同一のセンシング部201から異なるタイミングで取得したデータである点が第2実施形態と異なる。しかしながらその他の点はほぼ第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0140】
(3.4 本実施形態に係る効果)
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム100は、センシング部201で検知された周波数に変化の特徴が現れる時系列データに対して、周波数データ208を用いて、センシング部201と平均周波数データ228との間の相関関係をモデル構築部211やモデル構築部219でモデル化する。このように本実施形態に係る情報処理システム100では、相関関係を相関係数ではなく相関モデルとして特定しているため、相関関係の変化から、センサデータの正常又は異常を判定することができる。
つまり、本実施形態に係る情報処理システム100では、好適にデータ解析を行うことができる。
【0141】
(4 第4実施形態)
以下、第4実施形態について説明する。以下の説明において、第1乃至第3実施形態と同一若しくは類似の構成に対しては同一の符号を付すと共に、必要に応じて説明を省略する。また、第1乃至第3実施形態と同一若しくは類似する作用効果を得られる場合にも、説明を省略する場合がある。
【0142】
特に、図2に具体例を示した情報処理システム100全体の構成や、信号変換モジュール103や情報処理装置105、情報処理装置107を実現可能なコンピュータ1000の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0143】
(4.1 概要)
第1実施形態乃至第3実施形態では正常データに係る相関モデルの相関の強さと観察データに係る相関モデルの相関の強さとを比較することにより異常を検知していたが、本実施形態では、観察データに対しては相関モデルを生成しない。正常データである周波数データ208から、各センシング部201間の相関モデルを生成した上で、当該相関モデルに観察データを適用することにより予測値を生成し、当該予測値と観察データの実測値とを比較することにより、異常であるか否かを検知する。即ち、予測誤差を用いて異常を検知する。本実施形態に係る情報処理システムのように、予測誤差を用いて異常検知する方法であれば、各周波数帯の予測誤差を表示することにより、周波数データ全体の相違のみならず、予測誤差の大きい周波数帯を明示することも可能である。また、このような処理を複数のセンサ間に対して網羅的に実施することで、異常発生が集中しているセンサデータを、異常の根本原因として絞り込むことができる。
【0144】
加えて、異常判定を予測誤差で判定する手法では、正常データにおける予測誤差を参考に、異常判定に用いる予測誤差の値をルールとして設定することが可能である。複数のデータに係る予測誤差で異常検知する手法は、単一データを閾値で異常判定する場合と比較すると、正常状態における増減の幅が大きいデータほど、異常の微小な兆候を検知することが可能である。
【0145】
(4.2 システム構成)
本実施形態に係る情報処理システム100のシステム構成を、図19を参照しながら説明する。図19に示す通り、具体例に係る情報処理システム100は、センシング部201a乃至201nと、ノイズフィルタリング部203と、周波数変換部205と、記憶部207及び209と、モデル構築部211と、記憶部212と、異常検出部221と通知部223とを含む。
【0146】
センシング部201は、第1乃至第3実施形態と同様、振動や光、音などを検知して時系列データを生成及び出力する。なお、本実施形態では、センシング部201は正常な状態と正常であるか否かが不明な状態(異常検知対象の状態)との少なくとも2回以上のタイミングでデータを検知する。本実施形態において、センシング部201の数は2以上であればいくつでも良い。
【0147】
ノイズフィルタリング部203は、第1乃至第3実施形態と同様、センシング部201から出力された時系列データからノイズを除去する。周波数変換部205は、センシング部201でそれぞれ検知され、ノイズが除かれた時系列データを、それぞれ周波数データ208及び周波数データ210へと変換する。なおここで、周波数データ208及び210は、例えば、検知タイミングの異なるデータであり、周波数データ208は正常状態の時系列データから変換された正常データである。周波数データ210は、正常であるか否かが不明な状態の時系列データから変換された観察データ(異常検知対象のデータ)である。周波数データ208及び210は、それぞれ記憶部207及び209へと記憶される。
【0148】
モデル構築部211は、第1実施形態と同様に、正常データである周波数データ208a乃至208nのうち2つの組み合わせから、それぞれ相関モデル213a乃至213mを生成する。生成された相関モデル213は、記憶部212に記憶される。また、モデル構築部211は、それぞれの相関モデル213の相関の強さ214も、併せて記憶部212に記憶させる。
【0149】
異常検出部221は、記憶部209に記憶された周波数データ210(正常データである周波数データ208とは、その元データを検出したセンシング部201による検知のタイミングが異なり、異常検知の対象となる観察データに相当する)に対し、記憶部212に記憶された相関モデル213を適用することにより異常を検知する。より具体的には、例えば、周波数データ208iと周波数データ208jとから生成された相関モデル213に対して、周波数データ210iと周波数fを除く値と周波数データ208jの各周波数の値とを入力することにより、周波数fにおける周波数データ208iの予測値を求めることができる。当該予測値と、周波数データ208iの周波数fにおける実測値とが、異常判定閾値215を超過しているか否か等に応じて、異常検出部221は異常を検出することができる。なお、当該処理は周波数データ210の全ての周波数、及び全ての周波数データ210の組み合わせに対して行うことができる。
【0150】
通知部223は、異常検出部221による異常検知の結果をユーザへ報知する。通知部223による報知の方法としては、例えばディスプレイ111上にメッセージ等を表示する方法が考えられる。
【0151】
(4.3 処理の流れ)
以下、図20及び図21を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム100の処理の流れを説明する。図20及び図21は、情報処理システム100の処理の流れを示すフローチャートである。
【0152】
(4.3.1 全体の処理の流れ)
まず、全体の処理の流れを、図20を参照しながら説明する。
センシング部201により検知された正常な時系列データは、周波数変換部205によって周波数データ208へと変換され(S2001)、周波数データ208は記憶部207に記憶される。モデル構築部211は、周波数データ208a乃至208nの各組み合わせに対して相関モデル213を生成する(S2003)。
【0153】
更に、センシング部201により新たに検知された検知対象の時系列データは、周波数変換部205によって周波数データ210へと変換され(S2005)、記憶部209へと記憶される。異常検出部221は、周波数データ210に対して相関モデル213を適用することにより予測値を算出し、当該予測値と実測値(周波数データ210)との差分から、異常検知処理を行う(S2007)。
【0154】
ここで、S2001、S2003及びS2005の各処理は、第1実施形態で図5を参照しながら説明したS501、S503及びS505の処理と同様となる。以下、S2007の処理を、図21を参照しながら説明する。
【0155】
(4.3.2 異常検知処理)
図21を参照しながら、異常検知処理の流れを説明する。なお、図21に示すフローチャートは、図20のS2007の処理に対応する。
【0156】
異常検出部221は、異常検知の対象である周波数データ210に対して処理を行う。まず、異常検出部221は、i,jをそれぞれ1に設定した上で、周波数データ210i及び210j(それぞれ、i番目及びj番目のセンシング部201で抽出された時系列データから生成された周波数データ210を記憶部209から抽出する(S1201及びS2103)。もし、iとjとが等しければ(S2105のYes)、jの値をインクリメントした上で、再度周波数データ210jを抽出し直す(S2103)。
【0157】
i及びjの値が異なる場合には(S1205のNo)、センシング部201i及び201jに係る周波数データ208i及び208jから生成した相関モデル213を記憶部212から読込み(S1207)、当該相関モデル213を用いて、各周波数における予測値を算出する(S2109)。更に異常検出部221は、当該予測値と実測値との差異Rを各周波数に対して算出する(S2111)。差異Rが異常判定閾値215を超えていれば(S2113のYes)、異常検出部221は、その周波数において異常を起こす兆候がある旨や、各周波数帯における予測誤差を通知部223により通知する(S2115)。
【0158】
なお、通知部223による通知方法としては種々考えられるが、例えば、ディスプレイ111上に数値を表示することも間挙げられるし、或いは、実測値及び予測値のヒストグラムや両者の差分(すなわち予測誤差)をグラフとしてディスプレイ111上に表示することも考えられる。
異常検出部221は、i及びjを値がnとなるまで適宜インクリメントしつつ、上述の処理を全ての周波数データ210の組み合わせに対して行う。
【0159】
なお、異常検出部221は、全ての周波数データ210の組み合わせに対する処理を終えた後、差異Rが異常判定閾値215を超える相関関係(すなわち、異常が発生していることにより相関が崩れていると予想される組み合わせ)に多く含まれるセンシング部201をリストアップしても良い。これにより、異常発生の可能性のあるセンシング部201を絞り込むことが可能となる。
【0160】
或いは、異常検出部221は、各周波数に対し、異常判定した相関モデル213の数の総和を異常スコアとして算出し、通知部223に通知させても良い。この機能により、使用するセンシング部201全体において、周波数ごとの異常判定の多少が明示されるため、周波数と異常現象との照合のための情報をユーザに与えることができる。
【0161】
(4.4 本実施形態に係る効果)
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム100は、センシング部201で検知された周波数に変化の特徴が現れる時系列データに対して、周波数データ208を用いて、センシング部201間の相関関係をモデル化する。このように本実施形態に係る情報処理システム100では、相関関係を相関係数ではなく相関モデル213として特定しているため、相関関係の変化から、センサデータの正常又は異常を判定することができる。
つまり、本実施形態に係る情報処理システム100では、好適にデータ解析を行うことができる。
【0162】
(5 第5実施形態)
以下、第5実施形態について説明する。以下の説明において、第1乃至第4実施形態と同一若しくは類似の構成に対しては同一の符号を付すとともに、必要に応じて説明を省略する。また、第1乃至第4実施形態と同一又は類似する作用効果を得られる場合にも、説明を省略する場合がある。
【0163】
特に、図2に具体例を示した情報処理システム100全体の処理や、信号変換モジュール103や情報処理装置105、情報処理装置107を実現可能なコンピュータ1000の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0164】
(5.1 概要)
第4実施形態では、周波数データ208の各組み合わせに対して相関モデルを生成した上で、当該相関モデルに周波数データ210を適用することにより異常を検知していたが、本実施形態では、周波数データ208の平均周波数データ228を生成した上で、当該平均周波数データ228と周波数データ208との間で相関モデル213を生成する。更に、観察データである周波数データ210の平均周波数データ230を生成した上で、当該平均周波数データ230と周波数データ210とを相関モデル213に適用することにより、周波数データ210の予測値を生成する。異常検出部221は、当該予測値と周波数データ210との差異に基づき、異常であるか否かを検知する。
【0165】
(5.2 システム構成)
本実施形態に係る情報処理システム100のシステム構成を、図22を参照しながら説明する。図22に示す通り、具体例に係る情報処理システム100は、実施形態4に係る情報処理システム100が有する各構成に加えて、平均周波数データ算出部225及び平均周波数データ算出部229を有する。更に、記憶部207及び209は、それぞれ、平均周波数データ算出部225及び229が算出する平均周波数データ228及び229を記憶する。
【0166】
センシング部201、ノイズフィルタリング部203、周波数変換部205、及び通知部223の動作に関しては、実施形態4と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0167】
平均周波数データ算出部225は、各周波数毎に周波数データ208の平均を算出することにより、正常データの平均データである平均周波数データ228を生成する。算出した平均周波数データ228は、記憶部207へ格納される。
【0168】
モデル構築部211は、正常データである各周波数データ208a乃至208nと、平均周波数データ228との間で、それぞれ相関モデル213a乃至213nを生成する。生成された相関モデル213は、記憶部212に記憶される。
【0169】
平均周波数データ算出部229は、平均周波数データ228と同様に、各周波数毎に周波数データ208の平均を算出することにより、正常データの平均データである平均周波数データ230を生成する。算出した平均周波数データ230は、記憶部209へと格納される。
【0170】
異常検出部221は、記憶部209に記憶された周波数データ210と平均周波数データ230とを相関モデル213に適用することにより異常を検知する。より具体的には、例えば、周波数データ208iと平均周波数データ228とから生成された相関モデル213iに対して、平均周波数データ230の各周波数の値と、周波数fを除く周波数データ208jの値とを入力することにより、周波数fにおける周波数データ210iの予測値を求めることができる。当該予測値と、周波数データ210iの周波数fにおける実測値とが、異常判定閾値215を超過しているか否か等に応じて、異常検出部221は異常を検出することができる。なお、当該処理は、周波数データ210の全ての周波数、及び全ての周波数データ210に対して行うことができる。
【0171】
(5.3 処理の流れ)
以下、図23及び図24を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム100の処理の流れを説明する。図23及び図24は、情報処理システム100の処理の流れを示すフローチャートである。
【0172】
(5.3.1 全体の処理の流れ)
まず、全体の処理の流れを、図23を参照しながら説明する。
センシング部201により検知された正常な時系列データは、周波数変換部205によって周波数データ208へと変換され(S2301)、周波数データ208は記憶部207に記憶される。平均周波数データ算出部225は、記憶部207に記憶された各周波数データ208の平均データである平均周波数データ228を算出する(S2303)。モデル構築部211は、各周波数データ208と平均周波数データ228との間で相関モデル213を生成する(S2305)。
【0173】
更に、センシング部201により新たに検知された検知対象の時系列データは、周波数変換部205によって周波数データ210へと変換され(S2305)、記憶部209へと記憶される。平均周波数データ算出部229は、記憶部209に記憶された各周波数データ210の平均データである平均周波数データ230を算出する(S2309)。異常検出部221は、周波数データ210と平均周波数データ230との組み合わせに対して相関モデル213を適用することにより予測値を算出し、当該予測値と実測値(周波数データ210)との差分から、異常検知処理を行う(S2311)。
【0174】
ここで、S2301及びS2307の処理は第1実施形態で図6を参照しながら説明した処理と同様となる。また、S2305の処理は、第2実施形態で図15を参照しながら説明した処理と同様となる。
【0175】
(5.3.2 異常検知処理)
図24を参照しなら、異常検知処理の流れを説明する。なお、図24に示すフローチャートは、図23のS2311の処理に対応する。
【0176】
まず、異常検出部221は、iを1に設定した上で、平均周波数データ230を読みこむとともに(S2401)、周波数データ210iを記憶部209から読み込む(S2403)。また、異常検出部221は、周波数データ210iと同一のセンシング部201iに係る周波数データ208iと平均周波数データ228とから生成された相関モデル213iを読み込む(S2405)。異常検出部221は、読み込んだ相関モデル213iに平均周波数データ230と周波数データ210iとを適用することにより、各周波数における周波数データ210iの予測値を算出する(S2407)。更に異常検出部221は、当該予測値と、周波数データ210iの実測値との差異Rを各周波数に対して算出する(S2409)。差異Rが異常判定閾値215iを超えていれば(S2411のYes)、異常検出部221は、その周波数において異常を起こす兆候がある旨や、各周波数帯における予測誤差を通知部223により通知する(S2415)。
【0177】
なお、通知部223による通知方法としては種々考えられるが、例えば、ディスプレイ111上に通知を表示することも考えられるし、或いは、実測値及び予測値のヒストグラムや両者の差分(すなわち予測誤差)をグラフとしてディスプレイ111上に表示することも考えられる。
異常検出部221は、iの値をnと一致するまで適宜インクリメントしながら上述の処理を全ての周波数データ210に対して行う。
【0178】
或いは、異常検出部221は、各周波数に対し、異常判定した相関モデル213の数の総和を異常スコアとして算出し、通知部223に通知させても良い。この機能により、使用するセンシング部201全体において、周波数ごとの異常判定の多少が明示されるため、周波数と異常現象との照合のための情報をユーザに与えることができる。
(5.4 本実施形態に係る効果)
【0179】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム100は、センシング部201で検知された周波数に変化の特徴が現れる時系列データに対して、周波数データ208を用いて、センシング部201と平均周波数データ228との相関関係をモデル化する。このように本実施形態に係る情報処理システム100では、相関関係を相関係数ではなく相関モデル213として特定しているため、相関関係の変化から、センサデータの正常又は異常を判定することができる。
つまり、本実施形態に係る情報処理システム100では、好適にデータ解析を行うことができる。
【0180】
(6 付記事項)
なお、前述の実施形態の構成は、組み合わせたり或いは一部の構成部分を入れ替えたりしてもよい。また、本発明の構成は前述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
【0181】
なお、前述の各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。また、本発明のプログラムは、上記の各実施形態で説明した各動作を、コンピュータに実行させるプログラムであれば良い。
【0182】
(付記1)
複数のセンサによる検知によりそれぞれ得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換する変換手段と、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて第1相関モデルを生成する第1モデル生成手段と、前記第1相関モデルの相関の強さを算出する第1演算手段と、相関の強さに基づき異常を判定する判定手段とを備える情報処理システム。
【0183】
(付記2)
前記第1モデル生成手段は、前記複数のセンサのうち2つのセンサに係る第1周波数データの組み合わせを用いて前記第1相関モデルを生成する、付記1記載の情報処理システム。
【0184】
(付記3)
前記第1モデル生成手段は、前記複数のセンサに係る複数の第1周波数データの平均である平均周波数データと、当該複数の第1周波数データのうちの1つの第1周波数データとを用いて前記第1相関モデルを生成する、付記1記載の情報処理システム。
【0185】
(付記4)
前記複数のセンサによる検知により得られる時系列データを第2周波数データへ変換する変換手段と、第2周波数データを用いて第2相関モデルを生成する第2モデル生成手段と、前記第2相関モデルの相関の強さを算出する第2演算手段と、をさらに備え、前記判定手段は、前記第1相関モデルの相関の強さと、前記第2相関モデルの相関の強さとの比較に基づき、異常を判定する、付記1乃至3のいずれか1項記載の情報処理システム。
【0186】
(付記5)
前記第2モデル生成手段は、前記複数のセンサのうちの2つのセンサに係る第2周波数データの組み合わせを用いて前記第2相関モデルを生成する、付記4記載の情報処理システム。
【0187】
(付記6)
前記第2モデル生成手段は、前記複数のセンサに係る複数の第1周波数データの平均である平均周波数データと、1つの第2周波数データとを用いて前記第2相関モデルを生成する、付記4記載の情報処理システム。
【0188】
(付記7)
前記第1周波数データに係る時系列データと、前記第2周波数データに係る時系列データとは、前記複数のセンサによる検知タイミングが異なる、付記4乃至付記6のいずれか1項記載の情報処理システム。
【0189】
(付記8)
前記第1周波数データに係る時系列データと、前記第2周波数データに係る時系列データとは、検知するセンサが異なる、付記4乃至付記6のいずれか1項記載の情報処理システム。
【0190】
(付記9)
前記第1相関モデルに、当該第1相関モデルの生成に用いた周波数データを適用することにより、異常判定に用いる閾値を生成する、付記1乃至付記8のいずれか1項記載の情報処理システム。
【0191】
(付記10)
複数のセンサによる検知により得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換する変換手段と、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて相関モデルを生成するモデル生成手段と、前記相関モデルに、当該相関モデルに係るセンサから得られる別の時系列データを変換して得られる第2周波数データを適用することにより得られる当該第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定する判定手段とを備える情報処理システム。
【0192】
(付記11)
前記モデル生成手段は、前記複数のセンサのうち2つのセンサに係る第1周波数データの組み合わせを用いて前記相関モデルを生成する、付記10記載の情報処理システム。
【0193】
(付記12)
前記モデル生成手段は、前記複数のセンサに係る複数の第1周波数データの平均である第1平均周波数データと、当該複数の第1周波数データのうちの1つの第1平均周波数データとを用いて前記相関モデルを生成する、付記10記載の情報処理システム。
【0194】
(付記13)
前記判定手段は、前記相関モデルに、当該相関モデルに係る第2周波数データと、前記複数のセンサに係る複数の第2周波数データの平均である第2平均周波数データとを適用することにより得られる第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定する、付記12記載の情報処理システム。
【0195】
(付記14)
前記相関モデルに、当該相関モデルの生成に用いた周波数データを適用することにより、異常判定に用いる閾値を生成する、付記10乃至請求項13のいずれか1項記載の情報処理システム。
【0196】
(付記15)
複数のセンサによる検知によりそれぞれ得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換するステップと、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて第1相関モデルを生成するステップと、前記第1相関モデルの相関の強さを算出するステップと、相関の強さに基づき異常を判定するステップとを情報処理システムが行う情報処理方法。
【0197】
(付記16)
前記複数のセンサのうち2つのセンサに係る第1周波数データの組み合わせを用いて前記第1相関モデルを生成する、付記15記載の情報処理方法。
【0198】
(付記17)
前記複数のセンサに係る複数の第1周波数データの平均である平均周波数データと、当該複数の第1周波数データのうちの1つの第1周波数データとを用いて前記第1相関モデルを生成する、付記15記載の情報処理方法。
【0199】
(付記18)
前記複数のセンサによる検知により得られる時系列データを第2周波数データへ変換するステップと、第2周波数データを用いて第2相関モデルを生成するステップと、前記第2相関モデルの相関の強さを算出するステップと、をさらに備え、前記第1相関モデルの相関の強さと、前記第2相関モデルの相関の強さとの比較に基づき、異常を判定する、付記15乃至付記17のいずれか1項記載の情報処理方法。
【0200】
(付記19)
前記複数のセンサのうちの2つのセンサに係る第2周波数データの組み合わせを用いて前記第2相関モデルを生成する、付記18記載の情報処理方法。
【0201】
(付記20)
前記複数のセンサに係る複数の第1周波数データの平均である平均周波数データと、1つの第2周波数データとを用いて前記第2相関モデルを生成する、付記18記載の情報処理方法。
【0202】
(付記21)
前記第1周波数データに係る時系列データと、前記第2周波数データに係る時系列データとは、前記複数のセンサによる検知タイミングが異なる、付記18乃至付記20のいずれか1項記載の情報処理方法。
【0203】
(付記22)
前記第1周波数データに係る時系列データと、前記第2周波数データに係る時系列データとは、検知するセンサが異なる、付記18乃至付記20のいずれか1項記載の情報処理方法。
【0204】
(付記23)
前記第1相関モデルに、当該第1相関モデルの生成に用いた周波数データを適用することにより、異常判定に用いる閾値を生成する、付記15乃至付記22のいずれか1項記載の情報処理方法。
【0205】
(付記24)
複数のセンサによる検知により得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換するステップと、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて相関モデルを生成するステップと、前記相関モデルに、当該相関モデルに係るセンサから得られる別の時系列データを変換して得られる第2周波数データを適用することにより得られる当該第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定するステップとを情報処理システムが行う情報処理方法。
【0206】
(付記25)
前記複数のセンサのうち2つのセンサに係る第1周波数データの組み合わせを用いて前記相関モデルを生成する、付記24記載の情報処理方法。
【0207】
(付記26)
前記複数のセンサに係る複数の第1周波数データの平均である第1平均周波数データと、当該複数の第1周波数データのうちの1つの第1平均周波数データとを用いて前記相関モデルを生成する、付記24記載の情報処理方法。
【0208】
(付記27)
前記相関モデルに、当該相関モデルに係る第2周波数データと、前記複数のセンサに係る複数の第2周波数データの平均である第2平均周波数データとを適用することにより得られる第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定する、付記26記載の情報処理方法。
【0209】
(付記28)
前記相関モデルに、当該相関モデルの生成に用いた周波数データを適用することにより、異常判定に用いる閾値を生成する、付記24乃至請求項27のいずれか1項記載の情報処理方法。
【0210】
(付記29)
複数のセンサによる検知によりそれぞれ得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換する処理と、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて第1相関モデルを生成する処理と、前記第1相関モデルの相関の強さを算出する処理と、相関の強さに基づき異常を判定する処理とをコンピュータに実行させるプログラム。
【0211】
(付記30)
前記複数のセンサのうち2つのセンサに係る第1周波数データの組み合わせを用いて前記第1相関モデルを生成する、付記29記載のプログラム。
【0212】
(付記31)
前記複数のセンサに係る複数の第1周波数データの平均である平均周波数データと、当該複数の第1周波数データのうちの1つの第1周波数データとを用いて前記第1相関モデルを生成する、付記29記載の情報処理方法。
【0213】
(付記32)
前記複数のセンサによる検知により得られる時系列データを第2周波数データへ変換する処理と、第2周波数データを用いて第2相関モデルを生成する処理と、前記第2相関モデルの相関の強さを算出する処理と、をさらに備え、前記第1相関モデルの相関の強さと、前記第2相関モデルの相関の強さとの比較に基づき、異常を判定する、付記29乃至付記31のいずれか1項記載のプログラム。
【0214】
(付記33)
前記複数のセンサのうちの2つのセンサに係る第2周波数データの組み合わせを用いて前記第2相関モデルを生成する、付記32記載のプログラム。
【0215】
(付記34)
前記複数のセンサに係る複数の第1周波数データの平均である平均周波数データと、1つの第2周波数データとを用いて前記第2相関モデルを生成する、付記32記載のプログラム。
【0216】
(付記35)
前記第1周波数データに係る時系列データと、前記第2周波数データに係る時系列データとは、前記複数のセンサによる検知タイミングが異なる、付記32乃至付記34のいずれか1項記載のプログラム。
【0217】
(付記36)
前記第1周波数データに係る時系列データと、前記第2周波数データに係る時系列データとは、検知するセンサが異なる、付記32乃至付記34のいずれか1項記載のプログラム。
【0218】
(付記37)
前記第1相関モデルに、当該第1相関モデルの生成に用いた周波数データを適用することにより、異常判定に用いる閾値を生成する、付記29乃至付記36のいずれか1項記載のプログラム。
【0219】
(付記38)
複数のセンサによる検知により得られる複数の時系列データを、それぞれ第1周波数データへと変換する処理と、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つのセンサに係る第1周波数データを用いて相関モデルを生成する処理と、前記相関モデルに、当該相関モデルに係るセンサから得られる別の時系列データを変換して得られる第2周波数データを適用することにより得られる当該第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定する処理とをコンピュータに実行させるプログラム。
【0220】
(付記39)
前記複数のセンサのうち2つのセンサに係る第1周波数データの組み合わせを用いて前記相関モデルを生成する、付記38記載のプログラム。
【0221】
(付記40)
前記複数のセンサに係る複数の第1周波数データの平均である第1平均周波数データと、当該複数の第1周波数データのうちの1つの第1平均周波数データとを用いて前記相関モデルを生成する、付記38記載のプログラム。
【0222】
(付記41)
前記相関モデルに、当該相関モデルに係る第2周波数データと、前記複数のセンサに係る複数の第2周波数データの平均である第2平均周波数データとを適用することにより得られる第2周波数データの予測値と、当該第2周波数データの実測値との差分に基づき異常を判定する、付記40記載のプログラム。
【0223】
(付記42)
前記相関モデルに、当該相関モデルの生成に用いた周波数データを適用することにより、異常判定に用いる閾値を生成する、付記38乃至請求項41のいずれか1項記載のプログラム。
【0224】
この出願は、2013年9月9日に出願された日本出願特願2013−185947を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0225】
100 :情報処理システム
101 :振動センサ
103 :信号変換モジュール
105 :情報処理装置
107 :情報処理装置
109 :記憶媒体
111 :ディスプレイ
201 :センシング部
203 :ノイズフィルタリング部
205 :周波数変換部
207 :記憶部
208 :周波数データ
209 :記憶部
210 :周波数データ
211 :モデル構築部
212 :記憶部
213 :相関モデル
214 :相関モデル
215 :異常判定閾値
217 :相関強さ平均・最大偏差算出部
219 :モデル構築部
221 :異常検出部
223 :通知部
225 :平均周波数データ算出部
227 :記憶部
228 :平均周波数データ
229 :平均周波数データ算出部
230 :平均周波数データ
1000 :コンピュータ
1001 :プロセッサ
1003 :メモリ
1005 :記憶装置
1007 :入力インタフェース
1009 :データインタフェース
1011 :通信インタフェース
1013 :表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24