(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
[二次電池]
本実施形態に係る二次電池は、少なくとも一対の正極と負極とを備える積層電極体と、該積層電極体を収容する外装体とを備える。
図1は本実施形態に係る二次電池の一例の構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、直方体状の積層電極体1は、凹部14を備えるラミネート外装体2及びラミネート外装体3内に収納されている。積層電極体1に接続された正極リード端子4及び負極リード端子5は、その一部がラミネート外装体2及びラミネート外装体3の外部に突出している。なお、
図1においてラミネート外装体2及びラミネート外装体3の斜線部分は、ラミネート外装体2及びラミネート外装体3が互いに熱融着により密着している部分を示す。また、積層電極体1には電解液(不図示)が保持されている。
【0022】
(外装体)
本実施形態に係る外装体は、積層電極体の最外層の電極表面と対向する面において、前記電極表面の外縁に対応する境界の内部に一つ以上の凹部を備え、前記境界の内側に、前記境界の内部の面積の半分の面積を有する帯状の外周領域を設定する場合、前記凹部の少なくとも一つが前記外周領域内に存在する。
【0023】
本実施形態においては電極表面に対向する外装体面に凹部が設けられており、該凹部は該外装体面の外縁部に存在している。このため、積層電極体の最外層の電極から発生したガスを、該凹部を経由させることで効率よく中央部から外縁部に流すことができ、最終的にガスを外装体接着部付近に逃がすことができる。したがって、リチウムイオン等の授受が円滑に行われ、充放電反応を促進し、サイクルにおける容量維持率を向上することができる。また、前記凹部は発生したガスのガス溜めとしても機能し、充放電反応を促進することができる。なお、前記凹部以外に、外装体接着部付近には凹部を経由して流れてきたガスを溜めることのできるガス溜め部が存在してもよい。
【0024】
図3に、本実施形態に係る二次電池の一例の模式的な断面図(
図3(b))及び平面図(
図3(a))を示す。
図3(a)の平面図は、積層電極体1の最外層の電極表面と対向するラミネート外装体2の内側の面(以下、ラミネート外装体2の内側面とする)を示している。積層電極体1の最外層の電極表面とは、積層電極体1の最外層に配置されている正極又は負極の表面を示す。
【0025】
図3(a)に示すように、本実施形態においてはラミネート外装体2の内側面に一つ以上の凹部14を備える。
図3(a)において、ラミネート外装体2の内側面に、電極表面の外縁に対応する境界11の内側に、境界11の内部の面積の半分の面積を有する帯状の外周領域12(斜線部分)を設定する。このとき、本実施形態においては、凹部14の少なくとも一つは外周領域12内に存在する。なお、本実施形態における面積とは、電極表面と対向する平面への投影像における面積とする。
【0026】
このように、凹部14の少なくとも一つがラミネート外装体2の内側面の外周領域12内に存在することで、積層電極体1の最外層の電極から発生したガスを、凹部14を通じて中央部から外縁部に逃がすことができる。ガスは凹部14を通じて、又は複数の凹部14間を飛び越えて外縁部に流れていくと考えられる。これにより、積層電極体1の最外層の電極から発生するガスを効率よく外装体接着部付近に逃がすことができ、充放電反応が促進される。なお、通常二次電池においては充放電時に電解液の分解によりガスが発生する。ガスの発生量は電解液の種類や初回充放電の条件、過放電の程度により変化することがある。
【0027】
境界11の形状は、
図3(a)では矩形であるが特に限定されない。境界11の形状が矩形以外の場合にも、境界11の内側に、境界11の内部の面積の半分の面積を有する帯状の外周領域12(斜線部分)を設定することができる。このとき、外周領域12は、境界11の内側方向に等間隔の幅を有することができる。なお、外周領域12の設定方法としては、例えば、光学顕微鏡を用いた画像処理、ノギス、表面粗さ計測機等、公知の計測器により境界11の面積を算出した後、外周領域12の面積が境界11の面積の半分となるように外周領域12の幅を決定することで、設定することができる。
【0028】
発生するガスをより効率よく外縁部に逃がす観点から、凹部14が境界11の内部において占める面積に対する、凹部14が外周領域12内において占める面積の割合が1%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましく、60%以上であることが特に好ましい。また、該割合は95%以下であることが好ましい。特に、凹部14がラミネート外装体2の内側面の中央部に存在する割合が少ない場合、ガスが発生した際に、ラミネート外装体2の内側面の中央部ではラミネート外装体2により積層電極体1が十分に押さえつけられており、ガス発生による積層電極体1の電極間距離の増加を防ぐことができる。また、該面積割合は光学顕微鏡を用いた画像処理、ノギス、表面粗さ計測機等、公知の計測器により測定することができる。
【0029】
本実施形態において凹部14とは、しわ状のへこみ部を示す。即ち、凹部14は、積層電極体1の最外層の電極表面と対向する外装体の面に対してしわ状に凹んでいる部分を示す。
【0030】
凹部14のうち、境界11に接する凹部14の割合が1%以上であることが、発生するガスをより効率よく外縁部に流し、最終的に外装体融着部付近に逃がすことができる観点から好ましい。該割合は30%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましく、65%以上であることが特に好ましい。該割合は100%であってもよい。ここで、境界11に接するとは、凹部14が境界11に触れていればよく、境界11上を通過していてもよい。外周領域12に含まれる凹部14が境界11に接する場合には、ガスの排出効率の観点から、凹部14がさらに境界11から外装体接着部まで形成されていることが好ましい。
【0031】
また、凹部14のうち、境界11及び外周領域12の内縁13に接する凹部14の割合が30%以上であることが、電極表面の中央部で発生するガスをより効率よく外縁部に逃がすことができるため好ましい。該割合は50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが特に好ましい。該割合は100%であってもよい。ここで、境界11及び外周領域12の内縁13に接するとは、一つの凹部14が境界11と外周領域12の内縁13の両方ともに触れていればよい。例えば境界11から伸びて外周領域12の内縁13の上を通過する態様でもよく、境界11から伸びて外周領域12の内縁13に接し、再び境界11に戻る態様でもよい。
【0032】
外周領域12の面積に対する、凹部14が外周領域12内において占める面積の割合は1〜80%であることが好ましい。該割合を1%以上とすることにより、ガスを十分に外側に排出することができ、充放電反応を向上させることができる。また、該割合を80%以下とすることにより、リチウムイオン授受時の電極膨張による電極間距離の増加を抑制することができ、リチウムイオン等の授受を円滑にすることができるため、効率よく充放電反応を行うことができる。該割合はサイクル特性の観点から、1〜50%がより好ましく、1〜30%がさらに好ましく、1〜10%が特に好ましい。
【0033】
積層電極体1の厚みに対する、凹部14の高さの割合は1〜500%であることが好ましい。該割合を1%以上とすることにより、ガスを十分に外縁部に排出することができ、充放電反応を促進できる。また、該割合を500%以下とすることにより、容量あたりのエネルギー密度が向上する。サイクル特性の観点から、該割合は2〜400%がより好ましく、3〜200%がさらに好ましく、5〜50%が特に好ましい。なお、凹部14の高さとは、積層電極体1の最外層の電極表面と対向する外装体面を基準とした高さ(深さ)である。具体的には、
図4における両矢印部分の長さを示す。凹部14の高さは、ノギスや表面粗さ測定器等、公知の計測器を使用して測定することができる。積層電極体1の厚みは、例えば0.05〜10mmとすることができる。また、凹部14の高さは、例えば0.05〜5mmとすることができる。
【0034】
凹部14の形状は特に制限はなく、例えば直方体状、台形状、円柱状、三角柱状、球状でもよく、途中で湾曲、分岐していてもよい。また、複数の凹部14が互いに交錯していてもよい。凹部14の高さ、幅は途中で変化していてもよい。凹部14の数は、本実施形態に係る凹部14の分布の規定を満たし、発生するガスを十分に外縁部に逃がすことができれば特に制限されない。
【0035】
本実施形態における凹部14は、
図1においてはラミネート外装体2にのみ形成されているが、2枚の外装体のいずれか一方のみに形成されていてもよく、両方に形成されていてもよい。ガスの排出効率の観点から、2枚の外装体の両方に凹部14が形成されていることが好ましい。
【0036】
凹部14の測定時期は特に限定されないが、サイクル寿命の観点からエージング後、又は10サイクル後までに測定を実施することが好ましい。エージングの条件は特に限定されず、当業者に公知の条件で実施すればよく、例えば、初回充電後に室温から60℃の範囲で所定期間放置後、放電することでエージングが完了する。また、エージング後やサイクル中にガス抜きを行っても良い。
【0037】
積層電極体1の最外層の電極表面と対向する外装体面に凹部14を形成する方法としては、特に限定されない。外装体がラミネート外装体の場合には、成形予定部の周囲のラミネート外装体を滑り可能な状態で押さえながら、ポンチとダイスとでラミネート外装体を押し込んで成形する絞り成形(深絞り成形)で凹部14を形成することが好ましい。なお、成形予定部の周囲のラミネート外装体を滑らせずに固定して、ダイスでラミネート外装体を引っ張り伸ばして成形する張り出し成形法で凹部14を形成してもよい。また、圧縮成形法や凸部を有するローラを使用して凹部14を形成してもよい。なお、外装体が柔軟なラミネート外装体の場合、サイクルを重ねることで電極が膨張、収縮し、凹部が発生したり、形成されていた凹部14が変形したりする場合がある。しかしながら、本実施形態においては二次電池作製時において本実施形態に係る凹部14が形成されていればよく、サイクルを重ねても本実施形態の範囲内であれば、充放電反応促進の効果が得られる。
【0038】
本実施形態に係る外装体の材料は特に限定されず、例えばラミネートフィルム等のラミネート外装体や金属缶等を用いることができる。この中でも外装体としてラミネート外装体を用いることが好ましい。
【0039】
本実施形態に用いられるラミネート外装体としては、柔軟性を有しており、かつ電解液を漏洩させずに積層電極体1を封止できるものであれば特に限定されない。ラミネート外装体の構成としては、例えば、金属薄膜層と熱融着性樹脂層とが積層された構成、金属薄膜層の熱融着性樹脂層が積層されている面と反対の面に、さらにポリエチレンテレフタレート等のポリエステルやナイロン等からなる保護層が積層されている構成等が挙げられる。
【0040】
前記金属薄膜層としては、例えば、Al、Ti、Ti合金、Fe、ステンレス、Mg合金等の箔を用いることができる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を組み合わせて、又は合金として用いてもよい。該金属薄膜層の厚さとしては、例えば10〜100μmとすることができる。
【0041】
前記熱融着性樹脂層に用いられる樹脂としては、熱融着が可能な樹脂であれば特に制限はない。該樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、これらの酸変成物、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を使用することができる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。前記熱融着性樹脂層の厚さは10〜200μmが好ましく、30〜100μmがより好ましい。熱可塑性樹脂層の厚さが10μm以上であることにより、外装体としての力学的強度が十分となり、容易に破断する等の不都合が生じにくくなる。また、熱可塑性樹脂層の厚さが200μm以下であることにより、柔軟性が向上し、成形時に加工が容易となる。なお、外装体全体の厚さは、20〜500μmであることが好ましい。
【0042】
外装体は、
図1のラミネート外装体2のように、積層電極体1を収容できる深さを有する矩形部分を有することが好ましい。該矩形部分は、接着する2枚の外装体のうち、一方の外装体のみに形成されていてもよく、両方の外装体に形成されていてもよい。該矩形部分の深さは、該矩形部分が一方の外装体のみに形成されている場合には積層電極体1の厚さ以上の深さであることが好ましく、該矩形部分が両方の外装体に形成されている場合には積層電極体1の厚さの半分以上の深さであることが好ましい。なお、通常、該矩形部分は積層電極体1の形状に合わせて形成されるため、
図3に示すように該矩形部分の外縁部は積層電極体1の電極表面の外縁と対応し、境界11となる。
【0043】
外装体接着部付近には、発生したガスを十分に溜められる領域を予め設けておくことができる。例えば接着部に隣接して、外装体同士が密着しているものの接着していない領域を予め設けておくことができる。また、本実施形態では外装体に安全弁を設ける必要はなく、安全弁を必須構成とする二次電池と比較して有利である。
【0044】
(積層電極体)
図2に、本実施形態に係る二次電池の積層電極体とリード端子の一例を示す。
図2に示す積層電極体1は、短冊形状の正極6及び短冊形状の負極7が複数積層された積層構造を有する。具体的には、複数の正極6及び複数の負極7がセパレータ8を挟みつつ交互に積み重ねられている。各正極6及び各負極7の一端にはそれぞれ活物質が塗布されていない活物質未塗布部分が設けられている。正極6及び負極7は、該活物質未塗布部分を互いに反対向きにして重ねられている。正極6の活物質未塗布部及び負極7の活物質未塗布部にはそれぞれ正極集電体9及び負極集電体10を介してそれぞれ正極リード端子4及び負極リード端子5が接続されている。
【0045】
積層電極体1は最外層の電極表面に凸部を備え、前記外装体面の凹部14が、該凸部に対応して形成されていることが好ましい。ここで、凹部14が電極表面の凸部に対応して形成されるとは、電極表面の凸部に外装体面が接することにより、電極表面の凸部の形状が外装体面に一部転写され、電極表面の凸部と同形状の凹部14が形成されることを示す。したがって、電極表面の凸部は前記外装体面の凹部14と同様の分布を有することが好ましい。電極表面に凸部を備えることで、発生したガスを電極表面の凸部によっても効率よく排出できるため、より充放電反応の促進効果を得ることができる。また、外装体面の凹部14を該電極表面の凸部に対応させて形成することで、凹部14の分布や位置の精度をより高くすることができる。前記外装体面の凹部14の0.1%以上が該電極表面の凸部に対応して形成されていることが好ましく、1%以上が該電極表面の凸部に対応して形成されていることがより好ましく、10%以上が該電極表面の凸部に対応して形成されていることがさらに好ましい。
【0046】
積層電極体1の最外層の電極表面に凸部を形成する方法としては、特に限定されない。例えば電極製造時に凸部を形成してもよいし、充放電時の電極の不均一膨張または収縮によって凸部を形成してもよい。電極製造時に凸部を形成する方法としては、電極表面の活物質塗布部に凹部を有するローラや金型でプレスする方法や、集電体や活物質塗布部の厚みを部分的に変更する方法等が挙げられる。また、充放電時に凸部を形成する方法としては、凸部を形成する部分にのみ充放電時における体積膨張率の高い活物質(スズやケイ素を含む化合物等)を含有させた電極を用いて充放電する方法、凸部を形成する部分において充放電時における体積膨張率の高い活物質の濃度を高めた電極を用いて充放電する方法等が挙げられる。
【0047】
凹部14が形成された外装体面と、積層電極体1の最外層の電極表面とは密着した状態であることが好ましいが、積層電極体1の最外層の電極表面が凸部を備える場合、外装体面と、電極表面との間に0.01〜0.1mmの隙間が存在してもよい。該隙間にはリチウムイオンの安定的な授受のため電解液が満たされていることが好ましい。
【0048】
積層電極体1は発生したガスが電極、セパレータの各層を通過できる態様であることもできる。この場合、積層電極体1の内部で発生したガスについても凹部14により外縁部に排出することができ、充放電反応を促進できる。例えば正極6、負極7及びセパレータ8が多孔体又はメッシュ状であってもよい。なお、本実施形態において正極6、負極7及びセパレータ8がガスを通過しない板状の場合には、積層電極体1の内部で発生したガスは正極6、負極7及びセパレータ8の端部から排出されるが、前述したように、積層電極体1の最外層の電極から発生するガスは凹部14により外縁部に排出されるため、充放電反応が促進される。また、本実施形態において積層電極体1の最外層に電極活物質を含む層がない場合、例えば最外層が電極集電体である場合にも、凹部14が正極6、負極7及びセパレータ8の端部から排出されるガスのガス溜め部として働き、充放電反応は促進される。
【0049】
また、積層電極体1の構造は巻回型でも良い。積層電極体1が巻回型の場合、曲率が最大になる箇所を積層電極体1の電極表面の外縁として凹部14を形成することで同様の効果を得ることができる。
【0050】
(正極)
本実施形態に係る積層電極体1に備えられている正極6としては、特に限定されず、通常の二次電池用正極を用いることができる。正極6に含まれる正極活物質としては、例えば、LiCoO
2、LiNiO
2、LiNi
0.80Co
0.15Al
0.15O
2、LiMn
2O
4、LiNi
1/3Co
1/3Mn
1/3O
2、LiNi
0.5Mn
1.5O
4、LiFePO
4等のリチウム含有複合酸化物が挙げられる。正極6に含まれる正極活物質としては、これらのリチウム含有複合酸化物の遷移金属部分を他の元素で置換したものでもよく、これらのリチウム含有複合酸化物の混合物でもよい。
【0051】
正極6の作製方法としては、例えば、正極活物質、カーボンブラック等の導電性付与剤、及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤を、該結着剤を溶解しうるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤中に分散混練して正極スラリーを調製する。該正極スラリーをアルミニウム箔等の正極集電体上に塗布し、溶剤を乾燥することで正極6を作製することができる。また、正極集電体上に正極活物質等を蒸着やスパッター等の気相法により成膜することで、正極6を作製してもよい。
【0052】
(負極)
本実施形態に係る積層電極体1に備えられている負極7としては、特に限定されず、通常の二次電池用負極を用いることができる。負極7に含まれる負極活物質としては、例えば、リチウム金属、又は、黒鉛材料、非晶質炭素材料、チタン化合物材料、スズ材料、スズ化合物材料、シリコン等のケイ素材料、酸化シリコン等のケイ素化合物材料等のリチウムを吸蔵、放出可能な材料が挙げられる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。本実施形態においては、積層電極体1の最外層の電極表面と対向する外装体面に凹部14を備えることで、電極間距離の増加を防止しつつ凹部14において体積変化した電極の一部を収容できる。このため、Li吸蔵時において膨張率が高いスズやケイ素等の元素を含む負極活物質も好適に用いることができる。
【0053】
負極7の作製方法としては、例えば、負極活物質、カーボンブラック等の導電性付与剤、及びPVdF、アミド結合やイミド結合を有するポリマー等の結着剤を、該結着剤を溶解しうるNMP等の溶剤中に分散混練して負極スラリーを調製する。該負極スラリーを銅箔等の負極集電体上に塗布し、溶剤を乾燥することで負極7を作製することができる。また、負極集電体上に負極活物質等を蒸着やスパッター等の気相法で成膜することにより、負極7を作製してもよい。なお、負極活物質層を成膜する場所は、前記塗布法で負極スラリーを塗布する面全体でもよく、前記塗布法で負極スラリーを塗布する面の一部に点在させてもよい。
【0054】
(リード端子)
本実施形態に係る正極リード端子4及び負極リード端子5の材質としては、Al、Cu、燐青銅、Ni、Ti、Fe、真鍮、ステンレス等が使用できる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を組み合わせて、又は合金として用いてもよい。正極リード端子4及び負極リード端子5は必要であれば焼き鈍し処理が施されていてもよい。正極リード端子4及び負極リード端子5の形状としては平板状が好ましい。正極リード端子4及び負極リード端子5の厚さとしては20μm〜2mmの範囲であることが好ましい。なお、正極リード端子4及び負極リード端子5はクランク状に曲げられていてもよい。
【0055】
(セパレータ)
本実施形態に係る積層電極体1に備えられているセパレータ8としては、特に限定されず、通常の二次電池用セパレータを用いることができる。セパレータ8としては、例えば、織布、不織布、多孔膜等を用いることができる。特に、セパレータ8としては、ポリプロピレン、ポリエチレン系の多孔膜が、薄膜化かつ大面積化することができる点、また膜強度や膜抵抗の観点から好ましい。なお、セパレータ8の表面は酸化アルミニウム等の酸化物で被覆されていてもよい。
【0056】
(電解液)
本実施形態で用いる電解液としては、特に限定されず、通常の二次電池用電解液を用いることができる。電解液としては、例えば、非水溶媒に電解質としてのリチウム塩を溶解させた非水電解液を用いることができる。
【0057】
リチウム塩としては、例えば、リチウムイミド塩、LiPF
6、LiAsF
6、LiAlCl
4、LiClO
4、LiBF
4、LiSbF
6等が挙げられる。リチウムイミド塩としては、LiN(C
kF
2k+1SO
2)(C
mF
2m+1SO
2)(k、mはそれぞれ独立して1又は2である)が挙げられる。これらの中でもリチウム塩としては、LiPF
6、LiBF
4が好ましい。これらのリチウム塩は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0058】
非水溶媒としては、例えば、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ラクトン類、環状エーテル類、鎖状エーテル類及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種以上の有機溶媒を用いることができる。環状カーボネート類としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)及びこれらの誘導体が挙げられる。鎖状カーボネート類としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)及びこれらの誘導体が挙げられる。脂肪族カルボン酸エステル類としては、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル及びこれらの誘導体が挙げられる。γ−ラクトン類としては、γ−ブチロラクトン及びこの誘導体が挙げられる。環状エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。鎖状エーテル類としては、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)、ジエチルエーテル及びこれらの誘導体が挙げられる。さらに、非水溶媒としてはこれら以外にも、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジオキソラン等のジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンスルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、フッ素化カルボン酸エステル等を用いることができる。これらの非水溶媒は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0059】
また、電解液の添加剤として、例えば、ビニレンカーボネート(VC)等を用いることもできる。さらに、本実施形態においてはゲル状の電解質を用いることもできる。
【0060】
[二次電池の製造方法]
本実施形態に係る二次電池の製造方法は、少なくとも一対の正極6と負極7とを備える積層電極体1と、積層電極体1を収容する外装体と、を備える二次電池の製造方法であって、積層電極体1の最外層の電極表面と対向する面において、電極表面の外縁に対応する境界11の内部に一つ以上の凹部14を備える外装体であって、境界11の内側に、境界11の内部の面積の半分の面積を有する帯状の外周領域12を設定する場合、凹部14の少なくとの一つが外周領域12内に存在する外装体を準備する工程と、前記外装体に積層電極体1を収容する工程と、を含む。
【0061】
前記外装体がラミネート外装体である場合、前記外装体を準備する工程が、絞り成形により凹部14をラミネート外装体の外周領域12内に形成する工程を含むことが、より精度よく凹部14を形成できる観点から好ましい。また、積層電極体1が最外層の電極表面に凸部を備える場合、前記外装体を準備する工程が、前記凸部に対応させて凹部14を形成する工程を含むことが好ましい。該電極表面の凸部は、積層電極体1の最外層の電極表面をローラ又は金型でプレスすることにより形成されることが、より精度よく凸部を形成できる観点から好ましい。前記ローラ又は金型は凹部を有するローラ又は金型であってもよい。
【0062】
本実施形態に係る二次電池は、例えば以下の方法で製造することができる。正極6と負極7とをセパレータ8を挟んで対向配置させ、積層させた積層電極体1を作製する。各正極6及び各負極7にそれぞれ正極集電体9及び負極集電体10を介して正極リード端子4、負極リード端子5を接続する。積層電極体1を本実施形態に係る凹部14の形成された外装体に収容し、電解液に浸す。正極リード端子4、負極リード端子5の一部を外部に突出するようにして外装体を封止する。これにより、二次電池を作製することができる。
【0063】
封止操作の際、二次電池の大きさを極力小さくするため、二次電池内部を減圧にした状態で封止することが好ましい。また、リード端子は、外装体と接触する部分において、封止前に熱可塑性樹脂からなる被覆材で熱溶着されていることが好ましい。
【0064】
本実施形態について代表的な例を挙げて説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の技術思想の範囲内において適宜変更され得る。例えば、本実施形態に係る二次電池に公知のガス溜め技術や、公知の安全弁導入技術を用いても、二次電池として良好な特性が得られる。
【0065】
さらに、本実施形態は、電気二重層キャパシタ等のキャパシタや電解コンデンサ等のキャパシタ要素等の、電気エネルギーを内部に蓄積し化学反応及び物理反応により発熱を伴いガスが発生し得る電気デバイス要素を外装体で封止した電気デバイスにも適用可能である。
【実施例】
【0066】
以下、具体的な実施例を用いて本実施形態を説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0067】
[実施例1]
(二次電池の構成)
図1に本実施例に係る二次電池の内部構造を示す分解斜視図を示す。外部端子としての正極リード端子4及び負極リード端子5が接続された積層電極体1は、不図示の電解液を含んでラミネート外装体2及びラミネート外装体3内に収容されている。ラミネート外装体2には後述する2つの凹部14が形成されている。
【0068】
(積層電極体1の作製)
シリコンと、非晶質酸化シリコン(SiO
x、0<x≦2)と、黒鉛とを29:61:10の質量比で計量した。これらの材料をいわゆるメカニカルミリングで24時間混合して、負極活物質を得た。前記負極活物質と、結着剤としてのポリイミド(宇部興産株式会社製、商品名:UワニスA)とを、80:20の質量比で計量し、それらをn−メチルピロリドンと混合して負極スラリーを調製した。負極スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布した後、乾燥した。さらに窒素雰囲気下300℃の熱処理を行うことで負極を作製した。
【0069】
正極活物質としてのリチウム含有複合酸化物(LiNi
0.80Co
0.15Al
0.15O
2)と、導電性付与剤としてのカーボンブラックと、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを90:5:5の質量比で計量した。これらの材料をn−メチルピロリドンと混合して、正極スラリーを調製した。正極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布した後、乾燥し、プレスすることで正極を作製した。
【0070】
得られた正極3枚と負極4枚とを、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質フィルムを挟みつつ交互に重ねた。正極活物質に覆われていない正極集電体の端部及び負極活物質に覆われていない負極集電体の端部をそれぞれ溶接した。その溶接部に、アルミニウム製の正極リード端子及びニッケル製の負極リード端子をそれぞれ超音波溶接した。さらに、その溶接部に熱可塑性樹脂からなる被覆材を熱融着した。これにより、
図2に示す電極が複数積層された積層構造を有する平面形状の積層電極体1を得た。積層電極体1は、リード端子の突出方向と平行な方向の長さが28mm、該方向と垂直な方向の長さが26mm、厚さが6mmであった。
【0071】
(ラミネート外装体2の作製)
ラミネート外装体2及びラミネート外装体3として、厚さ25μmのナイロン層と、厚さ40μmの軟質アルミニウム層と、厚さ30μmのポリプロピレン層との3層からなるアルミラミネートフィルムを用意した。次にこのアルミラミネートフィルムに対して、ポンチとダイスとからなる絞り成形機を使用し、ナイロン層が外側になるように絞り成形加工を施し、
図1に示すラミネート外装体2を製造した。
【0072】
前記ラミネート外装体2の絞り成形部は、積層電極体1が収容される矩形部分と、該矩形部分内の直方体状の2つの凹部とからなる。該矩形部分の大きさは、ラミネート外装体3と融着される面において、リード端子の突出方向と平行な方向の長さが29mm、該方向と垂直な方向の長さが27mmであった。また、2つの凹部が形成された面において、リード端子の突出方向と平行な方向の長さが28mm、該方向と垂直な方向の長さが26mmであった。該矩形部分の深さは、2つの凹部を除く部分において6mmであった。2つの凹部は、
図1に示すように、矩形部分の凹部が形成された面の正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺にそれぞれ接しており、他方の辺から9mm離れた位置にそれぞれ配置されていた。2つの凹部の大きさは、共に高さ0.3mm、幅1mm、端部からの長さ12mmであった。
【0073】
2つの凹部が外周領域12内に占める面積は、デジタルマイクロスコープ(製品名:VHX−500、(株)キーエンス製)を用いた画像処理から求めた結果、2つの凹部が境界11の内部に占める面積の33%であった。なお、該割合の計算において、外周領域12は境界11の内側方向に等間隔の幅を有するように設定し、該等間隔の幅は3.95mmであった。このとき、2つの凹部が外周領域12内に占める面積は7.9mm
2、2つの凹部が境界11の内部に占める面積は24mm
2であるため、該割合は33%と算出された。また、2つの凹部は両方とも境界11及び外周領域12の内縁13に接していた。また、積層電極体1の厚みに対する凹部の高さの割合は5%であった。
【0074】
(二次電池の作製)
ラミネート外装体2及びラミネート外装体3の内部に積層電極体1を収容し、封止操作を行った。該封止操作では、まず正極リード端子4及び負極リード端子5を引き出す辺(トップシール部)と、正極リード端子4又は負極リード端子5の突出方向と平行な2辺(サイドシール部)の内の1辺とを熱融着した。その後、熱融着を実施していない残りの1辺(サイドシール部)から電解液を注入し、内部を減圧状態にして残りの1辺(サイドシール部)を融着した。熱融着は、
図1の斜線部分をヒーター又はヒーターを内蔵した金属板で挟むことで行った。また、熱融着部分の幅は3mmとした。電解液には、EC/PC/DMC/EMC/DEC=20/20/20/20/20(体積比)の混合溶媒に、支持塩としてのLiPF
6を1モル/lの濃度で溶解したカーボネート系非水電解液を用いた。以上により、二次電池を作製した。
図5に、本実施例に係る二次電池の一例の模式的な断面図(
図5(b))及び平面図(
図5(a))を示す。
【0075】
(二次電池評価)
前記方法で20個の二次電池を作製した。各二次電池について、温度20℃、1Cレートで充放電試験を行い、100サイクル後の容量維持率及びラミネート外装体2の矩形部分の最大厚み変化量を測定し、平均値を算出した。1Cの設定値については、充放電試験実施前に充放電を3回実施したときの、3回目の放電容量を1Cとした。厚みの測定にはマイクロメーターを用いた。評価結果を表1に示す。
【0076】
[実施例2]
凹部の高さを1.0mmとした以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0077】
[参考例3]
凹部の高さを2.5mmとした以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0078】
[実施例4]
図6に示す凹部を有するラミネート外装体2を実施例2と同様に作製し、用いた以外は実施例2と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0079】
図6に示すように、本実施例において、ラミネート外装体2は3つの凹部を有する。3つの凹部のうち2つの凹部は、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出している側の辺からそれぞれ9mm離れた位置に配置されている。残り1つの凹部は、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺から9mm、および負極リード端子5が突出している側の辺から2mm離れた位置に配置されている。
【0080】
3つの凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅1.0mm、長さ10mmである。
【0081】
[実施例5]
図7に示す凹部を有するラミネート外装体2を実施例2と同様に作製し、用いた以外は実施例2と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0082】
図7に示すように、本実施例において、ラミネート外装体2は3つの凹部を有する。3つの凹部のうち1つの凹部は、負極リード端子5が突出している側の辺から9mm離れた位置に配置されている。1つの凹部は、正極リード端子5が突出している側の辺から9mm、および正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺から1mm離れた位置に配置されている。残り1つの凹部は、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺から9mm、および負極リード端子5が突出している側の辺から1mm離れた位置に配置されている。
【0083】
3つの凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅1.0mm、長さ10mmである。
【0084】
[実施例6]
図8に示す凹部を有するラミネート外装体2を実施例2と同様に作製し、用いた以外は実施例2と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0085】
図8に示すように、本実施例において、ラミネート外装体2は3つの凹部を有する。3つの凹部のうち2つの凹部は、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出している側の辺からそれぞれ9mm離れた位置に配置されている。残り1つの凹部は、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺から9mm、および負極リード端子5が突出している側の辺から2mm離れた位置に配置されている。
【0086】
短い凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅1.0mm、長さ2.0mmである。また、他の2つの長い凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅1.0mm、長さ10mmである。
【0087】
[実施例7]
図9に示す凹部を有するラミネート外装体2を実施例2と同様に作製し、用いた以外は実施例2と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0088】
図9に示すように、本実施例において、ラミネート外装体2は5つの凹部を有する。5つの凹部のうち3つの凹部は、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出している側の辺からそれぞれ9mm離れた位置に配置されている。この内、負極リード端子5が突出している側の辺から9mm離れた位置に配置されている凹部は、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺から2mm離れた位置に配置されている。5つの凹部のうち残りの2つの凹部は、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺からそれぞれ9mm離れた位置に配置されている。この内、負極リード端子5側に配置されている凹部は、負極リード端子5が突出している側の辺から2mm離れた位置に配置されている。
【0089】
短い2つの凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅1.0mm、長さ2.0mmである。また、他の3つの長い凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅1.0mm、長さ10mmである。
【0090】
[実施例8]
図10に示す凹部を有するラミネート外装体2を実施例2と同様に作製し、用いた以外は実施例2と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0091】
図10に示すように、本実施例において、ラミネート外装体2は4つの凹部を有する。4つの凹部は、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出している側の辺と、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺との交点から、それぞれ各辺に沿って10mm離れた位置で各辺と交差するようにそれぞれ配置されている。
【0092】
4つの凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅0.71mm(各辺と交差する部分での幅:1.0mm)である。
【0093】
[実施例9]
図11に示す凹部を有するラミネート外装体2を実施例2と同様に作製し、用いた以外は実施例2と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0094】
図11に示すように、本実施例において、ラミネート外装体2は6つの凹部を有する。6つの凹部のうち4つの凹部は、負極リード端子5が突出している側の辺と、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺との交点から、各辺に沿って10mm離れた位置で各辺と交差するようにそれぞれ配置されている。該4つの凹部のうち2つの凹部は、他方の辺とも交差している。残りの2つの凹部は、正極リード端子4が突出している側の辺から該辺に対し垂直方向に2mmの長さを有する。6つの凹部のうち2つの凹部は、正極リード端子4が突出している側の辺から9mm、および正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺から2mm離れた位置にそれぞれ配置されている。
【0095】
最も短い2つの凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅0.71mm(各辺と交差する部分での幅:1.0mm)である。正極リード端子4又は負極リード端子5が突出している側の辺と平行な2つの凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅1.0mm、長さ10mmである。残りの2つの凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅0.71mm(各辺と交差する部分での幅:1.0mm)である。
【0096】
[実施例10]
図12に示す凹部を有するラミネート外装体2を実施例2と同様に作製し、用いた以外は実施例2と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0097】
図12に示すように、本実施例において、ラミネート外装体2は6つの凹部を有する。6つの凹部のうち2つの凹部は、負極リード端子5が突出している側の辺と、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺との交点から、それぞれ各辺に沿って10mm離れた位置で各辺と交差するようにそれぞれ配置されている。6つの凹部のうち2つの凹部は、該交点から各辺に沿って13mm離れた位置で各辺と交差するようにそれぞれ配置されており、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出している側の辺から該辺に対し垂直方向に2mmの長さを有する。6つの凹部のうち2つの凹部は、該交点から16mm離れた位置にそれぞれ配置されている。
【0098】
最も短い2つの凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅0.71mm(各辺と交差する部分での幅:1.0mm)である。正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺と平行な2つの凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅1.0mm、長さ10mmである。残りの2つの凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅0.71mm(各辺と交差する部分での幅:1.0mm)である。
【0099】
[実施例11]
図13に示す凹部を有するラミネート外装体2を実施例2と同様に作製し、用いた以外は実施例2と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0100】
図13に示すように、本実施例において、ラミネート外装体2は13個の凹部を有する。13個の凹部のうち1つの凹部は、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺と、負極リード端子5が突出している側の辺との交点から、負極リード端子5が突出している側の辺に沿って13mm離れた位置に配置され、負極リード端子5が突出している側の辺に対し垂直方向に10mmの長さを有する二等辺三角形の形状を有する。13つの凹部のうち2つの凹部は、該交点から負極リード端子5が突出している側の辺に沿って13mm離れた位置で該辺と交差するようにそれぞれ配置されており、負極リード端子5が突出している側の辺から該辺に対し垂直方向に2mmの長さを有する。13つの凹部のうち10個の凹部は、該交点から正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺に沿って4mmの位置から、4mmの間隔で配置されている。
【0101】
正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺に接している10個の凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅1.0mm、長さ2.0mmである。負極リード端子5が突出している側の辺に接している2つの凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅0.71mm(各辺と交差する部分での幅:1.0mm)である。二等辺三角形の形状を有する凹部の大きさは、高さ1.0mm、底面3.0mmである。
【0102】
[比較例1]
ラミネート外装体2の矩形部分に凹部を形成しなかったこと以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0103】
[比較例2]
図14に示す凹部を有するラミネート外装体2を実施例2と同様に作製し、用いた以外は実施例2と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0104】
図14に示すように、本実施例において、ラミネート外装体2は2つの凹部を有する。2つの凹部は、正極リード端子4又は負極リード端子5が突出している側の辺から9mm、および正極リード端子4又は負極リード端子5が突出していない側の辺から2mm離れた位置にそれぞれ配置されている。
【0105】
2つの凹部の大きさは、高さ1.0mm、幅1.0mm、長さ10mmである。
【0106】
【表1】
【0107】
表1に示す結果から明らかなように、積層電極体1の電極表面と対向する外装体面が凹部14を備え、凹部14の少なくとも一つが外周領域12内に存在する場合、サイクルにおいてガスが発生した際にも、凹部14を経由させてガスを電極表面上からラミネート融着部付近へ排出させることができるため、充放電反応を促進させ、容量維持率を向上させることができる。一方、外装体面に凹部14が存在しない比較例1、外周領域12内に凹部14が存在しない比較例2では、積層電極体1近傍にガスが溜まりやすく、また電極の膨張収縮によるものと考えられる厚みの増加により、ガスによる充放電反応の阻害が生じ、容量維持率が低下することが判明した。
【0108】
[実施例12]
実施例1で作製した二次電池10個について、ラミネート外装体2の矩形部分同士を互いに接触させた状態で固定し、二次電池評価を行った以外は実施例1と同様に行った。その結果、50サイクル後の容量維持率は94%であった。
【0109】
[比較例3]
比較例1で作製した二次電池10個について、ラミネート外装体2の矩形部分同士を互いに接触させた状態で固定し、二次電池評価を行った以外は比較例1と同様に行った。その結果、50サイクル後の容量維持率は79%であった。
【0110】
この出願は、2011年3月25日に出願された日本出願特願2011−067916を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【0111】
以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。