特許第6237895号(P6237895)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237895
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】電子部品の分離装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20171120BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B65G47/14 102A
   H05K13/02 D
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-519022(P2016-519022)
(86)(22)【出願日】2014年5月13日
(86)【国際出願番号】JP2014062739
(87)【国際公開番号】WO2015173893
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2016年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】桐原 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小池 晴彦
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−270651(JP,A)
【文献】 米国特許第4156494(US,A)
【文献】 特開2013−193848(JP,A)
【文献】 特開平6−349867(JP,A)
【文献】 実開昭49−110473(JP,U)
【文献】 特開2013−184776(JP,A)
【文献】 実開昭59−140219(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/14
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が配置される円形の外縁を有する底板と、該底板の外縁から上側に延びかつ前記底板の外縁を囲むように設けられた環状の側壁とを有する円形パレットと、
前記円形パレットを、前記側壁の中心軸周りに回転駆動する駆動部と、
前記円形パレットの底板上において回転し、前記円形パレットの底板上に配置される電子部品と接する回転片を有する回転分離ユニットと
を備える、電子部品の分離装置。
【請求項2】
複数の前記回転分離ユニットを備え、
前記複数の回転分離ユニットが、第1の回転分離ユニットおよび第2の回転分離ユニットを有し、
前記第1の回転分離ユニットの前記回転片である第1の回転片と、前記第2の回転分離ユニットの前記回転片である第2の回転片とは、回転軸方向が互いに捩れの位置関係にある、請求項1に記載の電子部品の分離装置。
【請求項3】
前記第1の回転分離ユニットの前記第1の回転片は、前記円形パレットの底板と側壁とで画成される隅部の近接位置に配置され、前記側壁の中心軸と平行な回転軸周りに回転する、請求項2に記載の電子部品の分離装置。
【請求項4】
前記第2の回転分離ユニットの前記第2の回転片は、前記底板の上方に配置され、前記側壁の中心軸に対して直交する回転軸周りに回転し、
前記第2の回転片と前記底板との離間距離が、前記円形パレットの底板上に配置される電子部品の最大高さよりも短い、請求項2または3に記載の電子部品の分離装置。
【請求項5】
前記底板の近接高さ位置において、前記円形パレットの隅部から前記側壁の中心軸に向かって移動可能である押出面部を有する押出分離ユニットをさらに備える、請求項2〜4のいずれか一項に記載の電子部品の分離装置。
【請求項6】
前記底板上の領域のうちの前記側壁の中心軸近くに環状に設けられ、前記中心軸から離れるに従って低くなるように傾斜する環状傾斜部をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子部品の分離装置。
【請求項7】
前記円形パレットを複数備え、かつ、複数の前記円形パレットが等角度間隔で規則的に配置される回転テーブルをさらに備え、
前記複数の円形パレットの少なくとも1つに、前記回転分離ユニットが取り付けられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子部品の分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばパワー回路基板には、比較的大きな電子部品が用いられる。このような電子部品は、形状や寸法が様々に異なるため、基板への実装は、一般的に手実装により行われる。近年、このような電子部品を、ロボットアーム等を用いて、基板に自動でマウントする技術に対するニーズが高まっている。
【0003】
ただし、上述の電子部品は、梱包時や搬送時に部品同士が絡まりやすく、ロボットアームでピックアップする前に、部品同士を十分に分離しておく必要がある。比較的長いリードを有する電子部品や形状が複雑な電子部品は、特に絡まりやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−139525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者らは、鋭意研究の末、互いに絡まり合う電子部品同士を分離する新たな技術を見出した。
【0006】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、電子部品を分離する新規な電子部品の分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る電子部品の分離装置は、電子部品が配置される円形の外縁を有する底板と、該底板の外縁から上側に延びかつ底板の外縁を囲むように設けられた環状の側壁とを有する円形パレットと、円形パレットを、側壁の中心軸周りに回転駆動する駆動部と、円形パレットの底板上において回転し、円形パレットの底板上に配置される電子部品と接する回転片を有する回転分離ユニットとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子部品を分離する新規な電子部品の分離装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る電子部品の分離装置を示す概略構成図である。
図2図2は、図1に示した回転テーブルの平面図である。
図3図3は、図1、2に示したパレット組立体の概略斜視図である。
図4図4は、図3のパレット組立体のパレットを示した概略斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る電子部品を示した図である。
図6図6は、図3に示したパレット組立体の要部拡大図である。
図7図7は、図3に示したパレット組立体の要部拡大図である。
図8図8は、図3に示したパレット組立体の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0011】
図1に示す電子部品の分離装置1は、電子部品の集合体を装置外部から受け入れて、後工程での利用が容易となるように、電子部品の集合体をバラして個々の電子部品に分離する。以下では、後工程として、分離された電子部品をロボットアームでピックアップして、所定の基板上に実装する態様を例に説明する。
【0012】
図1、2に示すように、電子部品の分離装置1は、支持台10と、支持台10上に回転可能に載置された回転テーブル20と、回転テーブル20上に配置された複数のパレット組立体30とを備えている。
【0013】
支持台10は、回転テーブル20を下方から安定して支持するとともに、回転テーブル20を回転駆動するモータ(図示せず)や各種ケーブル等がその内部に配置されている。
【0014】
回転テーブル20は、水平方向に延在する円板状のテーブルであり、水平面内においてモータにより回転駆動される。回転テーブル20は、たとえば、所定のタイミングで、鉛直方向に延びる回転軸線R周りに、所定角度(たとえば45度)ずつ回転するように回転制御される。また、回転テーブル20は、図2の矢印に示すように、両方向(時計回りおよび反時計回り)に回転可能である。
【0015】
複数のパレット組立体30は、図1、2に示す態様では8個であり、以下の説明では、パレット組立体30A〜30Hとも称す。
【0016】
図2に示すように、回転テーブル20上に配置された8個のパレット組立体30は、回転テーブル20の回転軸線Rに関して、45度の角度間隔で規則的に配置されている。そのため、回転テーブル20が45度回転すると、回転前のパレット組立体30(たとえばパレット組立体30A)の位置に、その隣のパレット組立体30(たとえばパレット組立体30B)が配置される。したがって、回転テーブル20が一方向に45度ずつ回転することで、8個のパレット組立体30A〜30Hの位置が順次変わる。
【0017】
以下、図3を参照しつつ、パレット組立体30の構成について説明する。なお、8個のパレット組立体30は、その構成が同じであるため、一のパレット組立体30の構成についてのみ説明し、残りのパレット組立体30の説明は省略する。
【0018】
図3に示すように、パレット組立体30は、円形パレット31と、円形パレット31を回転駆動させるモータ(駆動部)Mと、2つの回転分離ユニット40、50とを備えている。
【0019】
円形パレット31は、電子部品が投入される容器としての機能を有し、円板状の底板32と、底板32の外縁を囲む環状の側壁33とを有している。底板32は、円形の外縁を有しており、環状の側壁33は、底板32の円形外縁から上側に延びて、底板32との間で略直角の隅部Cを画成する。
【0020】
モータMは、円形パレット31の下側から、鉛直方向に延びる回転軸線R周りに円形パレット31を回転駆動させる。モータMの回転軸線Rは、円板状の底板の中心を通過する軸線であるとともに、環状の側壁33の中心軸線である。パレット組立体30には、円形パレット31の上方において円形パレット31に対して平行に延びるアーム34aを有するアーム部34が設けられており、アーム34aの先端部においてモータMの駆動軸35が軸支されている。
【0021】
円形パレット31の回転速度や回転加速度は、適宜に設定可能であるが、円形パレット31に投入される電子部品に対して遠心力が作用し、電子部品が側壁33側に向かって移動する程度に設定される。
【0022】
円形パレット31の底板32上の領域のうちの円形パレット31の回転軸線Rの近くには、回転軸線Rを囲むようにして円環状のバンク部36が設けられている。バンク部36の上面は、回転軸線Rから離れるに従って、底板32の上面からの高さが漸次低くなるように傾斜している。そのため、バンク部36の上面に電子部品が存在するときには、傾斜によって滑り落ちることでまたは転がり落ちることで、その電子部品が回転軸線Rから離れる方向に移動しやすい。
【0023】
そのため、上述したようなバンク部36を設けることで、電子部品が側壁33側に向かって移動しやすくなり、上述した遠心力による電子部品の側壁33側への移動が促進される。
【0024】
円形パレット31の底板32の上面には、図4に示すように、ボタン状の複数の凸部38が設けられている。円形パレット31内に投入される電子部品は、転動したり摺動したりして移動することがあるが、上記凸部38を設けることで、電子部品の移動量が調整される。具体的には、電子部品が凸部に接触することで、電子部品の移動量が規制される。凸部38の寸法や形状、設置密度などは、電子部品が所望の移動量となるように設計される。凸部38の配置は、規則的であってもランダム(不規則的)であってもよい。なお、電子部品の移動量を規制する方法としては、底板32の上面に凸部38を設ける態様の他、底板32の上面を人工芝のようなブラシ状にする態様が考えられる。
【0025】
ここで、円形パレット31内に投入される電子部品Pについて、図5を参照しつつ説明する。図5には、電子部品Pの例として、リード付きの4種類の電子部品P1〜P4(いわゆるラジアルリード型電子部品)を示す。
【0026】
電子部品P1は、円柱状の外形を有する本体部の一端面から一対の長いリードが延出する構成を有している。このような電子部品P1は、転がりやすい形状であるため、上述した凸部38等によって、その移動量(転動量)を規制することが好ましい。
【0027】
電子部品P2は、矩形板状の外形を有する本体部の一端面から短い4本のリードが延出する構成を有している。このような電子部品P2は、上述した電子部品P1とは反対に、転がりにくい形状であるため、上述した凸部38を設けると十分な移動量が得られない。そのため、電子部品P2のような電子部品が投入される円形パレット31には、凸部38を設けないことが好ましい。電子部品P2の移動量(摺動量)を高めるために、円形パレット31の底板32の上面を滑らかにしておくことが好ましい。
【0028】
電子部品P3は、直方体状の外形を有する本体部の一端面から、長いリードと短いリートとが延出する構成を有している。このような電子部品P3は、上述した電子部品P2同様、転がりにくい形状であり、凸部38等によって移動量を規制することなく、むしろ移動量(摺動量)を高めるような底板32の円形パレット31を採用することが好ましい。
【0029】
電子部品P4は、円板状の外形を有する本体部から、一対の長いリードが延出する構成を有している。このような電子部品P4は、上述した電子部品P2、P3同様、転がりにくい形状であり、凸部38等によって移動量を規制することなく、むしろ移動量(摺動量)を高めるような底板32の円形パレット31を採用することが好ましい。
【0030】
上述した電子部品P1〜P4はいずれも、リードを有するため、各部品のリード同士が絡まり合い、電子部品の集合体を形成しやすい。特に、搬送の利便性等の目的で複数の電子部品が乱雑に袋詰めされた場合には、袋の中で電子部品が集合体を形成し、袋から取り出したときも集合体のままであることが多い。電子部品が集合体のままでは、ロボットアームのチャックでピックアップすることが困難であるため、事前に個々の電子部品に分離する必要がある。
【0031】
2つの回転分離ユニット40、50は、第1の回転分離ユニット40と第2の回転分離ユニット50とで構成されている。
【0032】
まず、第1の回転分離ユニット40について、図6を参照しつつ説明する。第1の回転分離ユニット40は、円形パレット31の底板32上において、鉛直軸方向に平行な回転軸線R周りに回転する回転片(第1の回転片)42を有している。
【0033】
回転片42は、矩形薄板状の形状を有し、弾性材料(たとえば、ゴム)で構成されている。回転片42は、鉛直方向に沿って延在しており、その下端は、底板32に接する高さ位置または底板32からわずかに離間する高さ位置に調整されている。そのため、回転片42は、円形パレット31が回転して、円形パレット31内の電子部品Pが回転片42の位置まで来たときには、電子部品Pに接することができる。
【0034】
また、回転片42は、円形パレット31の底板32と側壁33とで画成される隅部Cに近接する位置に配置されており、回転片42は、側壁33に接しているか、または、側壁33からわずかに離間している。そのため、回転片42は、円形パレット31の側壁33に張り付くようにして円形パレット31と共に移動する電子部品Pに接することができる。
【0035】
回転片42のシャフト44は、モータM1によって回転駆動される。回転片42のシャフト44は、回転片42の回転軸線Rに対して平行な駆動軸線Rを有するモータM1と、一対の歯車(平歯車)46、48を介して、回転接続されている。
【0036】
回転片42の回転方向は、円形パレット31の回転方向とは反対の方向である。図6に示す態様では、円形パレット31は鉛直上方から見て左回り(反時計回り)に回転しているのに対し、回転片42は鉛直上方から見て右回り(時計回り)に回転している。回転片42が円形パレット31の回転方向とは反対の方向に回転することで、回転片42によって、遠心力によって側壁33近傍に移動された電子部品Pを、底板32の上面の面方向に沿って、内側(回転軸線R側)に弾き飛ばすことができる。一方、回転片42が円形パレット31の回転方向と同一の方向に回転すると、回転片42によって、側壁33近傍の電子部品Pが側壁33の側に向けられ、その結果、回転片42と側壁33とで電子部品Pを巻き込む事態が生じるため、好ましくない。
【0037】
上述した第1の回転分離ユニット40によれば、回転片42によって、円形パレット31に投入された電子部品Pを弾き飛ばすことができる。特に、円形パレット31の回転に伴う遠心力により側壁33近傍に移動された電子部品Pを、円形パレット31の内側に弾き飛ばすことができる。このとき、回転片42が弾き飛ばす対象が、複数の電子部品Pが集まった集合体であれば、その集合体がバラされて、個々の電子部品Pに分離される。
【0038】
次に、第2の回転分離ユニット50について、図7を参照しつつ説明する。第2の回転分離ユニット50は、円形パレット31の底板32上において、水平軸方向に平行な回転軸線R周りに回転する回転片(第2の回転片)52を有している。
【0039】
回転片52は、矩形薄板状の形状を有している。回転片52の構成材料は、弾性が高い材料(たとえば、ゴム)が好ましいが、弾性が低い材料を用いることもできる。回転片52は、水平方向に延在するシャフト54の側面から、回転軸線Rに対して直交する方向に延在しており、回転片52が最も底板32に近接した位置にあるときに、回転片52の下端から底板32までの距離(離間距離)dが電子部品Pの高さ(最大高さ)Dよりも低くなるように位置調整されている(すなわち、0<d<D)。そのため、円形パレット31が回転して、円形パレット31内の電子部品Pが回転片52の位置まで来たときに、回転片52は、電子部品Pの上端部に接することができる。その結果、回転片42によって、電子部品Pを内側(回転軸線R側)の向きに押すまたは弾くことができる。
【0040】
第2の回転分離ユニット50は、図3に示すように、上述したアーム34aに保持プレート37を介して取り付けることで、円形パレット31から上方に離れた位置に配置することができる。図3では、第2の回転分離ユニット50を、保持プレート37の下側に取り付けた態様を示しているが、保持プレート37の上側に取り付ける態様であってもよい。保持プレート37の下側に第2の回転分離ユニット50を取り付けた場合には、回転片52の下端から底板32までの距離dが相対的に短くなるため、低背部品(たとえば図5に示した電子部品P3、P4)の分離に適している。一方、保持プレート37の上側に第2の回転分離ユニット50を取り付けた場合には、上記距離dが相対的に長くなるため、高背部品(たとえば図5に示した電子部品P1)の分離に適している。
【0041】
上述した第2の回転分離ユニット50によれば、回転片52によって、円形パレット31に投入された電子部品Pを押すことができる。このとき、回転片52が押す対象が、複数の電子部品Pが集まった集合体であれば、その集合体がバラされて、個々の電子部品Pに分離される。また、回転片52が押す対象が、図7に示すように直立した姿勢の電子部品P1であれば、その上端部が押されることで、電子部品P1が内側に倒される。
【0042】
このように、各パレット組立体30においては、2つの回転分離ユニット40、50がそれぞれ単独で、または、2つの回転分離ユニット40、50が協働して、円形パレット31に投入された電子部品Pの集合体の分離を実現することができる。
【0043】
パレット組立体30には、さらに、押出分離ユニット60を備えている。以下、押出分離ユニット60について、図8を参照しつつ説明する。
【0044】
押出分離ユニット60は、円形パレット31の底板32上において移動する押出面部62を有している。押出面部62は、弾性プレート64と、弾性プレート64を保持する保持部66とで構成されている。
【0045】
弾性プレート64は、矩形薄板状の形状を有しており、弾性材料(たとえば、ゴム)で構成されている。弾性プレート64は、側壁33の内面33aに沿って延在しており、その下端は底板32に接している。保持部66は、弾性プレート64を保持するとともに、図示しないエアシリンダM3のロッドに取り付けられている。エアシリンダM3を作動させることで、ロッドを介して、押出面部62の弾性プレート64および保持部66が円形パレット31の内側(回転軸線R側)に対して進退する。
【0046】
そのため、上述した押出分離ユニット60によれば、押出面部62によって、円形パレット31に投入された電子部品Pを、円形パレット31の内側に押し出すことができる。特に、円形パレット31の回転に伴う遠心力により側壁33近傍に移動された電子部品Pを、円形パレット31の内側に押し出すことができる。このとき、押出面部62が押し出す対象が、複数の電子部品Pが集まった集合体であれば、その集合体がバラされて、個々の電子部品Pに分離される。
【0047】
弾性プレート64は、必ずしも底板32に接している必要はなく、電子部品Pを押し出すことができる程度に底板32に近接する高さ位置であれば、底板32からわずかに離間した高さ位置であってもよい。
【0048】
なお、円形パレット31の底板32の上面のうち、押出分離ユニット60の内側には、チャック領域Sが形成されている。このチャック領域Sにおいて、ロボットアームのチャックが電子部品Pを一つずつピックアップして、その電子部品Pを所定の基板上に実装する。
【0049】
押出分離ユニット60は、電子部品の集合体を個々の電子部品Pに分離する機能に加えて、電子部品Pを側壁33近傍から上記チャック領域Sまで運ぶ機能を有する。
【0050】
チャック領域Sにおいて、ロボットアームのチャックが電子部品Pをピックアップする際には、円形パレット31の回転が停止され、また、押出分離ユニット60の押出面部62を側壁33近傍まで後退させる。押出分離ユニット60の押出面部62を側壁33近傍まで後退させておくことで、押出面部62とチャックとが接触する事態が回避される。
【0051】
ロボットアームのチャックによる電子部品Pのピックアップは、たとえば、図2に示すパレット組立体30Aの位置においてのみ行う。この場合、パレット組立体30Aの位置では、円形パレット31の回転は止められる。
【0052】
パレット組立体30A以外のパレット組立体30B〜30Hの位置では、円形パレット31は回転して、上述した分離ユニット40、50、60により電子部品Pの分離が行われる。回転テーブル20の回転により、次にパレット組立体30Aの位置にくるパレット組立体30Bでは、電子部品Pの分離が完了しているようにしても良い。
【0053】
分離対象である電子部品Pの集合体の投入は、たとえば、電子部品Pのピックアップが完了して円形パレット内が空になった後のパレット組立体30Hの位置で、円形パレット31の回転を止めて行う。
【0054】
以上で説明したとおり、電子部品の分離装置1は、円形パレット31と、円形パレット31を、側壁33の中心軸(回転軸線R)周りに回転駆動するモータMと、円形パレット31の底板32上において回転し、円形パレット31の底板32上に配置される電子部品Pと接する回転片42、52を有する回転分離ユニット40、50とを備えている。このような構成を有する電子部品の分離装置1は、従来には存在せず、新規な装置である。
【0055】
また、電子部品の分離装置1は、第1の回転分離ユニット40および第2の回転分離ユニット50を備え、第1の回転分離ユニット40の回転片42と、第2の回転分離ユニット50の回転片52とは、回転軸線R、Rの方向が互いに捩れの位置関係にある。上記回転軸線R、Rの方向が互いに平行な位置関係にある場合には、回転片の回転により電子部品には同じ向きの力が作用するのに対し、上記回転軸方向が互いに捩れの位置関係にある場合には、回転片の回転により電子部品には互いに異なる向きの力を作用させることができる。この場合、電子部品Pには多様な力が作用し、電子部品Pの分離効率が向上する。なお、回転片の回転軸線の方向は、円形パレットの回転軸線に対して平行な方向(垂直方向)や水平方向に限らず、それ以外の方向であってもよい。回転分離ユニットの数は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。3つ以上の回転分離ユニットを用いる場合も、その回転片を互いに捩れの位置関係にすることが好ましい。
【0056】
さらに、電子部品の分離装置1においては、第1の回転分離ユニット40の回転片42が、円形パレット31の底板32と側壁33とで画成される隅部Cの近接位置に配置されているとともに、回転軸線R(すなわち、側壁33の中心軸)と平行な回転軸線R周りに回転する。そのため、円形パレット31に投入された電子部品Pのうち、特に遠心力によって側壁33近傍に移動された電子部品Pを弾き飛ばして分離することができる。
【0057】
また、電子部品の分離装置1においては、第2の回転分離ユニット50の回転片52は、底板32の上方に配置され、回転軸線Rに対して直交する回転軸線R周りに回転し、第2の回転片52と底板32との離間距離dが、円形パレット31の底板32上に配置される電子部品Pの最大高さDよりも短くなるように設計されている。そのため、円形パレット31内の電子部品Pは、第2の回転片52の位置において、電子部品Pの上端部を押すまたは弾いて、電子部品Pを倒すことができる。
【0058】
さらに、電子部品の分離装置1は、底板32の近接高さ位置において、円形パレット31の隅部Cから回転軸線Rに向かって移動可能である押出面部62を有する押出分離ユニットをさらに備える。そのため、押出面部62によって、円形パレット31に投入された電子部品Pのうち、特に遠心力によって側壁33近傍に移動された電子部品Pを、円形パレット31の内側に押し出すことができる。
【0059】
また、電子部品の分離装置1は、底板32上の領域のうちの回転軸線Rの近くに環状に設けられ、回転軸線Rから離れるに従って低くなるように傾斜するバンク部(環状傾斜部)36をさらに備える。そのため、電子部品Pが底板32上を側壁33側に向かって移動しやすくなっている。
【0060】
さらに、電子部品の分離装置1は、円形パレット31を複数備え、かつ、複数の円形パレット31が等角度間隔で規則的に配置される回転テーブル20をさらに備え、複数の円形パレット31のそれぞれに、回転分離ユニット40、50が取り付けられている。そのため、回転テーブル20を所定角度だけ回転させることで、各パレット組立体30の円形パレット31の位置を順次変えることができる。それにより、一部の円形パレットでは電子部品の分離を行い、他の円形パレットではロボットアームによるピックアップを行う等の分離処理の効率化が図られる。
【0061】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して適用可能である。
【0062】
たとえば、電子部品の分離装置は、パレット組立体の数は適宜増減することができ、たとえば一つのパレット組立体だけでも電子部品の分離は可能である。また、パレット組立体は、必ずしも回転テーブル等によって移動させる必要ではなく、パレット組立体を定位置に固定して、電子部品の分離をおこなうようにしてもよい。
【0063】
さらに、パレット組立体は、円形パレットと駆動部と回転分離ユニットとが常に組み合わされている必要はなく、円形パレット内の電子部品の分離が必要なときにだけ、円形パレットと駆動部と回転分離ユニットとが組み合わされる態様であってもよい。たとえば、所定の分離作業エリアに、駆動部と回転分離ユニットだけを設置しておき、複数の円形パレットの中から電子部品の分離が必要な円形パレットだけを分離作業エリアに移送して、駆動部と回転分離ユニットと組み合わせる態様が考えられる。円形パレットの数に対して、駆動部の数および回転分離ユニットの数を少なくすることで、部品点数やコストの低減を図ることができる。この場合、駆動部として、上述したモータMに代えて、円形パレットの側壁の外側において側壁に接する駆動ローラ等を採用してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…電子部品の分離装置、20…回転テーブル、30、30A〜30H…パレット組立体、31…円形パレット、32…底板、33…側壁、36…バンク部、40…第1の回転分離ユニット、42…回転片、50…第2の回転分離ユニット、52…回転片、60…押出分離ユニット、62…押出面部、R〜R…回転軸線。
図1
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図8