(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フルオロポリマーは、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、(パーフルオロメチル)ビニルエーテル、(パーフルオロエチル)ビニルエーテル、(パーフルオロプロピル)ビニルエーテル、三フッ化エチレン、フッ化ビニル、下記式(2−1):
CF2=CFO(CF2CF(Y)O)m(CF2)nF (2−1)
(式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは0〜2の整数である。nは1〜4の整数である。)で示されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、下記式(2−2):
CH2=CF(CF2)nZ (2−2)
(式中、Zはフッ素原子又は水素原子を表す。nは1〜8の整数である。)で示される単量体、及び、下記式(2−3):
CH2=CH(CF2)nZ (2−3)
(式中、Zはフッ素原子又は水素原子を表す。nは1〜8の整数である。)で示される単量体からなる群より選択される少なくとも1種のフルオロモノマーに基づく重合単位を有するフルオロポリマーである請求項1、2、3又は4記載のハイドロフルオロカーボンの回収方法。
フルオロポリマーは、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位、及び、エチレンに基づく重合単位を有する請求項1、2、3又は4記載のハイドロフルオロカーボンの回収方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の回収方法は、ハイドロフルオロカーボンの存在下に懸濁重合、溶液重合又は塊状重合により湿潤フルオロポリマーを製造する工程を含むものである。上記湿潤フルオロポリマーは、ハイドロフルオロカーボン及びフルオロポリマーを含む。懸濁重合により製造された上記湿潤フルオロポリマーは、上記ハイドロフルオロカーボン、水及びフルオロポリマーを含む。
上記ハイドロフルオロカーボンは不燃性であることが好ましい。
【0016】
上記ハイドロフルオロカーボンは、炭素数が3〜10であることが好ましい。炭素数が3より少ないと、沸点が低いため、冷却工程の温度を低くする必要があり、コンデンサー等の冷却手段への設備負担が大きくなり、コストがかかるおそれがある。炭素数が10を超えると、沸点が高いため、気化工程にて容器の内温を高くする必要があり、設備負担が大きくなり、コストがかかるおそれがある。また、気化工程の温度が高いとフルオロポリマーが着色するおそれがある。上記ハイドロフルオロカーボンは、炭素数が7以下であることがより好ましく、5以下であることが更に好ましい。
【0017】
上記ハイドロフルオロカーボンは、以下の組成式で表される。
C
XF
YH
(2X+2−Y)
(式中、Xは、1以上の任意の整数であり、Yは、1以上(2X+2−1)以下の任意の整数である。)
上記ハイドロフルオロカーボンは、Xが3〜10であることが好ましく、Xが3〜7であることがより好ましく、Xが3〜5であることが更に好ましく、Yが1〜10であることが好ましく、Yが1〜7であることがより好ましく、Yが2〜5であることが更に好ましい。
【0018】
上記ハイドロフルオロカーボンは、地球温暖化係数(GWP)が5000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
回収できずに大気放出されたハイドロフルオロカーボンは、地球温暖化を促進する原因物質となり得るため、放出されるハイドロフルオロカーボンのGWPは低い方が望ましい。
【0019】
上記ハイドロフルオロカーボンの沸点は、−10℃〜100℃であることが好ましい。上記ハイドロフルオロカーボンの沸点が上記範囲にあると、重合後に気化物質を気化して回収する際に、水等の溶媒との分離が容易になる。沸点が100℃を超えると、気化工程にて容器の内温を高くする必要があり、設備負担が大きくなり、コストもかかる。また、気化工程の温度が高くなり、フルオロポリマーが着色するおそれがある。更に、沸点が100℃を超えると、気化工程にて水が同伴し、水との分離が困難となるおそれがある。沸点が−10℃未満であると、冷却工程にて温度を低くする必要があり、コンデンサーなどの冷却手段への設備負担が大きくなり、コストもかかる。
上記沸点は、水との分離が容易となる点で、0℃以上がより好ましく、5℃以上が更に好ましい。また、85℃以下がより好ましく、70℃以下が更に好ましく、60℃以下が特に好ましい。
【0020】
上記ハイドロフルオロカーボンとしては、具体的には、HFC−236fa、HFC−245fa、HFC−365mfc、及び、HFC−43−10meeからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、HFC−245fa、HFC−365mfc、及び、HFC−43−10meeからなる群より選択される少なくとも一種がより好ましい。
【0021】
上記ハイドロフルオロカーボンは、重合溶媒として使用することができる。ハイドロフルオロカーボンは、ハイドロフルオロエーテルが有する麻酔作用等はなく、安全性が高い。
また、ハイドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボンのようにオゾン層を破壊しない。
使用量は、目的とするポリマーの種類や特性によって適宜選択することができる。上記ハイドロフルオロカーボンを他の重合溶媒と混合して使用してもよい。また、上記ハイドロフルオロカーボンに重合開始剤を溶解させ、反応容器に投入してもよい。すなわち、上記含ハイドロフルオロカーボンは開始剤溶媒として使用することもできる。
【0022】
上記湿潤フルオロポリマーを製造する工程は、フルオロモノマーを懸濁重合、溶液重合又は塊状重合することにより行われるが、重合方法としては、懸濁重合法が好ましい。
【0023】
上記フルオロモノマーは、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、フッ化ビニリデン〔VdF〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、(パーフルオロメチル)ビニルエーテル、(パーフルオロエチル)ビニルエーテル、(パーフルオロプロピル)ビニルエーテル、三フッ化エチレン、フッ化ビニル、下記式(2−1):
CF
2=CFO(CF
2CF(Y)O)
m(CF
2)
nF (2−1)
(式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは0〜2の整数である。nは1〜4の整数である。)で示されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、下記式(2−2):
CH
2=CF(CF
2)
nZ (2−2)
(式中、Zはフッ素原子又は水素原子を表す。nは1〜8の整数である。)で示される単量体、及び、下記式(2−3):
CH
2=CH(CF
2)
nZ (2−3)
(式中、Zはフッ素原子又は水素原子を表す。nは1〜8の整数である。)で示される単量体からなる群より選択される少なくとも1種のフルオロモノマーであることが好ましい。
【0024】
上記式(2−1)におけるmは、0又は1の整数であることが好ましく、より好ましくは0である。また、nは、1〜3の整数であることが好ましい。
上記式(2−2)におけるZは、水素原子であることが好ましい。また、nは1〜6の整数であることが好ましく、1〜4の整数であることがより好ましい。
上記式(2−3)におけるZは、フッ素原子であることが好ましい。また、nは1〜6の整数であることが好ましく、1〜4の整数であることがより好ましい。
【0025】
上記フルオロポリマーは、フッ素樹脂であることが好ましい。上記フッ素樹脂は、明確な融点を有するものであればとくに限定されない。
【0026】
上記フルオロポリマーは、融点が100〜347℃であることが好ましく、110〜322℃であることがより好ましい。
上記融点は、DSC装置(セイコー社製)を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めることができる。
【0027】
上記フルオロポリマーは、メルトフローレート〔MFR〕が1〜100g/10分であることが好ましい。
上記MFRは、ASTM D 3307に準拠して、荷重5.0kgの条件下で測定し得られる値である。測定温度はフルオロポリマーの融点によって異なる。
【0028】
上記フルオロポリマーは、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、フッ化ビニリデン〔VdF〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、(パーフルオロメチル)ビニルエーテル、(パーフルオロエチル)ビニルエーテル、(パーフルオロプロピル)ビニルエーテル、三フッ化エチレン、フッ化ビニル、下記式(2−1):
CF
2=CFO(CF
2CF(Y)O)
m(CF
2)
nF (2−1)
(式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは0〜2の整数である。nは1〜4の整数である。)で示されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、下記式(2−2):
CH
2=CF(CF
2)
nZ (2−2)
(式中、Zはフッ素原子又は水素原子を表す。nは1〜8の整数である。)で示される単量体、及び、下記式(2−3):
CH
2=CH(CF
2)
nZ (2−3)
(式中、Zはフッ素原子又は水素原子を表す。nは1〜8の整数である。)で示される単量体からなる群より選択される少なくとも1種のフルオロモノマーに基づく重合単位を有するフルオロポリマーであることが好ましい。
なお、本明細書において、モノマー(単量体)に基づく重合単位とは、モノマー(単量体)分子中の炭素−炭素不飽和二重結合が単結合になった形態を表している。
【0029】
上記フルオロポリマーは、非フッ素化モノマーに基づく重合単位を有してもよく、耐熱性や耐薬品性等を維持する点で、炭素数5以下のエチレン性単量体に基づく重合単位を有することも好ましい形態の一つである。上記フルオロポリマーは、エチレン〔Et〕、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン及び不飽和カルボン酸からなる群より選択される少なくとも1種の非フッ素化モノマーに基づく重合単位を有することも好ましい。
上記フルオロポリマーは、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位、及び、エチレンに基づく重合単位を有することがより好ましい。
テトラフルオロエチレンとエチレンの混合ガスは爆発範囲を有しており、気化工程にて爆発する危険性がある。しかし、ハイドロフルオロカーボン存在下では、爆発範囲が狭くなることで爆発する危険性が小さくなり、より安全に気化させることができる。
【0030】
上記フルオロポリマーとしては、TFE/HFP共重合体〔FEP〕、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体〔PFA〕、Et/TFE共重合体〔ETFE〕、TFE/HFP/VdF共重合体〔THV〕、VdF/TFE共重合体〔VT〕、ポリビニリデンフルオライド〔PVdF〕、ポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕、及び、CTFE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、溶融加工可能なフルオロポリマーであることがより好ましく、ETFE、VT、CTFE共重合体及びPFAからなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましく、ETFEが特に好ましい。
【0031】
上記ETFEは、Et単位:TFE単位のモル比が20:80〜80:20であるものが好ましい。より好ましくは、Et単位:TFE単位のモル比が35:65〜55:45である。ETFEは、TFEに基づく重合単位と、Etに基づく重合単位とを含む共重合体であり、他のフルオロモノマー又は非フッ素化モノマーに基づく重合単位を有していてもよい。
【0032】
上記他のフルオロモノマー又は非フッ素化モノマーとしては、Et及びTFEの両方に付加し得るものであれば特に限定されないが、炭素数3〜10の含フッ素ビニルモノマーが使用しやすく、例えば、ヘキサフルオロイソブチレン、CH
2=CFC
3F
6H、HFP等が挙げられる。中でも、下記式(3):
CH
2=CH−Rf
4 (3)
(式中、Rf
4は炭素数4〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表される含フッ素ビニルモノマーも好ましい形態の一つである。また、非フッ素化モノマーとしては、下記式(4):
CH
2=CH−R
4 (4)
(式中、R
4は、特に炭素数は限定されず、芳香環を含んでいてもよく、カルボニル基、エステル基、エーテル基、アミド基、シアノ基、水酸基又はエポキシ基を含んでいてもよい。R
4はフッ素原子を含まない。)で表されるビニルモノマーであってもよい。
【0033】
また、ETFEは、Et/TFE/HFP共重合体〔EFEP〕であることも好ましい形態の一つであり、さらに他のフルオロモノマー(HFPを除く)、あるいは、非フッ素化モノマーに基づく重合単位を有するものであってもよい。他のフルオロモノマー及び非フッ素化モノマーは、ポリマー全体の10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。Et単位:TFE単位:その他のフルオロモノマー及び非フッ素化モノマーに基づく単量体単位のモル比は、31.5〜54.7:40.5〜64.7:0.5〜10であることが好ましい。
【0034】
上記VTは、VdF単位が35〜95モル%であることが好ましい。
上記CTFE共重合体は、CTFE単位、TFE単位、並びに、CTFE及びTFEと共重合可能な単量体[A]に由来する単量体[A]単位から構成される共重合体であることが好ましく、CTFE単位およびTFE単位は、合計で90〜99.9モル%であることが好ましく、単量体[A]単位は、0.1〜10モル%であることが好ましい。
【0035】
単量体[A]としては、CTFE及びTFEと共重合可能な単量体であれば特に限定されず、エチレン(Et)、ビニリデンフルオライド(VdF)、CF
2=CF−ORf
1(式中、Rf
1は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で表されるPAVE、CX
3X
4=CX
5(CF
2)
nX
6(式中、X
3、X
4及びX
5は同一又は異なって、水素原子又はフッ素原子;X
6は、水素原子、フッ素原子又は塩素原子;nは、1〜10の整数)で表されるビニル単量体、CF
2=CF−O−Rf
2(式中、Rf
2は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられる。
上記アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体としては、Rf
2が炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であるものが好ましく、CF
2=CF−OCF
2−CF
2CF
3がより好ましい。
単量体[A]としては、なかでも、PAVE、上記ビニル単量体、及び、アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、PAVE及びHFPからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、PAVEが特に好ましい。
単量体[A]がPAVEである場合、単量体[A]単位は、0.5〜5モル%であることが好ましく、0.5〜3モル%であることがより好ましい。
【0036】
CTFE単位は、CTFE単位とTFE単位との合計の10〜90モル%であることが好ましく、15〜80モル%であることがより好ましく、20〜70モル%であることが更に好ましい。
【0037】
上記PFAにおけるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、炭素数1〜6のアルキル基を有するものが好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)又はパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)がより好ましい。上記PFAは、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位が0.5モル%を超え、8.0モル%以下であることが好ましく、0.7〜5.0モル%であることがより好ましい。
【0038】
上記VT、CTFE共重合体又はPFAは、それぞれ上述の組成を有するものであれば、更に、その他の単量体を重合させたものであってよい。上記その他の単量体として、例えば、上記VTである場合、HFP、(パーフルオロヘキシル)エチレンが挙げられ、上記CTFE共重合体である場合、Et、VdFが挙げられ、上記PFAである場合、HFPが挙げられる。上記その他の単量体は、1種又は2種以上を用いることができる。
【0039】
上記VT、CTFE共重合体又はPFAと重合させるその他の単量体は、その種類によって異なるが、通常、得られるフルオロポリマーの2モル%以下であることが好ましい。より好ましい上限は1.5モル%である。
【0040】
上述した共重合体の各単量体単位の含有量は、NMR、FT−IR、元素分析、蛍光X線分析を単量体の種類によって適宜組み合わせることで算出できる。
【0041】
上記湿潤フルオロポリマーを製造する工程は、少なくとも本発明におけるハイドロフルオロカーボンの存在下に上記フルオロモノマーを懸濁重合、溶液重合又は塊状重合することにより行われ、当該重合反応によって、少なくとも本発明におけるハイドロフルオロカーボンを含む溶媒等により湿潤状態にある湿潤フルオロポリマーが合成される。すなわち、上記重合反応によって、フルオロポリマーと溶媒とを含む湿潤フルオロポリマーが反応容器内に得られる。
なお、上記製造工程後、反応容器に含まれる湿潤フルオロポリマーをそのまま後述する気化、排出工程に供することができるが、上記製造工程後、反応容器に含まれる湿潤フルオロポリマーを他の容器に移してから気化、排出工程に供する形態も本発明の範囲内である。例えば、デカンターなどと通称される別な密閉容器に反応容器の内部物質を移送した後に、気化、排出工程を行うことも好適な例の一つである。
上記他の容器としては、特定の密閉容器に制限されるものではなく、気化、排出工程を行うことができる容器や容器を備えた設備の容器であれば本発明において使用することができる。
また、上記製造工程後、反応容器又は上記他の容器に含まれる湿潤フルオロポリマーは、本発明におけるハイドロフルオロカーボンを含む限り、溶媒の一部又は全部を他の溶媒等で置換されてもよい。
【0042】
上記他の容器としては、ハイドロフルオロカーボンの気化を行うことができれば特に制限されるものではなく、例えば、遠心薄膜乾燥機、円錐型リボン乾燥機、容器回転型乾燥機、ナウターミキサー、PVミキサー、スプレードライヤー等の乾燥機等の容器を備えた設備の容器などが挙げられる。上記他の容器の材質としては、ガラス製、ステンレス製、その他の耐食材等があり、必要に応じて、攪拌機、温調ジャケット、温度計、サイクロンなどを備えることができる。
【0043】
重合反応は、反応容器に、上記ハイドロフルオロカーボン、フルオロモノマー及び必要に応じて他の添加剤を仕込み、反応容器の内容物を撹拌し、そして反応容器を所定の重合温度に保持し、次に所定量の重合開始剤を加え、重合反応を開始することにより行うことができる。上記ハイドロフルオロカーボンとは異なる重合溶媒、界面活性剤、連鎖移動剤、ラジカル捕捉剤等を仕込むことも可能である。重合は、回分式重合、半回分式重合又は連続式重合であってよい。なお、重合反応に用いられる反応原料は重合反応開始後に断続的又は連続的に加えてもよい。
【0044】
上記ハイドロフルオロカーボンとは異なる重合溶媒としては、特に制限されるものではないが、例えば、水;アルコール、エーテル、ケトン等のフッ素非含有有機溶媒;沸点が100℃以下であるフッ素含有有機溶媒が挙げられる。例えば、懸濁重合を行うとき、C318等のフッ素含有有機溶媒を用いることができる。
【0045】
上記重合開始剤としては、通常重合開始剤として用いられる油溶性及び/又は水溶性の重合開始剤を使用することができる。更に、還元剤等と組み合わせてレドックスとして重合を開始することもできる。上記重合開始剤の濃度は、モノマーの種類、目的とするフルオロポリマーの分子量、反応速度によって適宜決定される。
【0046】
上記ハイドロフルオロカーボンに上記重合開始剤を溶解させて反応容器に投入してもよい。
【0047】
上記連鎖移動剤としては、例えば、イソペンタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素;メタノール、エタノール等のアルコール;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素等を用いることができる。
【0048】
上記重合反応における、重合温度は特に限定されないが、0〜100℃であることが好ましく、10〜90℃であることがより好ましい。重合圧力も特に限定されないが、0.1〜10MPaであることが好ましく、0.3〜5MPaであることがより好ましい。
なお、上記重合温度は、反応容器内の溶媒の温度であり、上記重合圧力は、反応容器内の圧力である。
【0049】
本発明の回収方法は、湿潤フルオロポリマーを容器内で加熱してハイドロフルオロカーボンを含む気化物質を気化して排出する工程を含むものである。
上記容器とは、上記フルオロモノマーの重合反応を行った反応容器であってもよいし、気化手段を有する容器や容器を備えた設備の容器といった他の容器であってもよい。当該他の容器としては、例えば、上述したものが用いられる。すなわち、上記気化物質の気化工程は、上記フルオロモノマーの重合反応を行った反応容器内で行ってもよいし、反応容器内の製造された湿潤フルオロポリマーを、上記他の容器に移送した後、当該容器内で行ってもよい。
【0050】
上記気化物質の気化工程を、上記他の容器に湿潤フルオロポリマーを移送した後に当該容器内で行う方法として、例えば、気化手段を有する容器や容器を備えた設備に湿潤フルオロポリマーを移送後、湿潤フルオロポリマーから気化物質を気化させる気化工程を行うことも本発明の好適な形態の一つである。また、例えば、湿潤フルオロポリマーを、遠心薄膜乾燥機等に移送し、遠心力等を利用した固液分離工程等に供して湿潤フルオロポリマーの含液量を低減させた後に、当該湿潤フルオロポリマーを上記他の容器に移送し、又は、上記固液分離工程等を行った設備の有する容器内で、湿潤フルオロポリマーから気化物質を気化させる気化工程を行うことも本発明の好適な形態の一つである。
当該気化工程により、フルオロポリマーや溶媒等湿潤フルオロポリマーに含まれる化合物種と、ハイドロフルオロカーボンとを分離することができる。
【0051】
本明細書において、「気化物質」とは、ハイドロフルオロカーボン単体に制限されるものではなく、ハイドロフルオロカーボンに加え、気化工程を行う容器内に存在しハイドロフルオロカーボンが気化する条件において気化しうる、その他のガスや液化ガス、溶媒、溶剤等の物質を含む混合物であってもよい。なお、気化工程において気化した気化物質は冷却手段に移送される過程で一部が液化する場合もある。
【0052】
上記ハイドロフルオロカーボンが気化する条件において気化しうる物質とは、重合反応に用いるハイドロフルオロカーボンの種類や、湿潤フルオロポリマーを始め気化工程を行う容器内に含まれている化合物種の種類によって決まるが、重合反応に用いられた化合物であり、重合反応に用いられたハイドロフルオロカーボンよりも沸点が低い又は同程度であって、湿潤フルオロポリマーを容器内で加熱してハイドロフルオロカーボンを気化する加熱条件で、気化する物質である。そのような物質の具体例としては、未反応のフルオロモノマーや非フッ素化モノマー、上記重合溶媒、開始剤溶媒、連鎖移動剤、安定剤、水蒸気などが挙げられる。
特に、モノマーとして、TFE、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)を用いてPFAを合成する系では、上記気化しうる物質の具体例としては、TFE、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、重合溶媒、開始剤溶媒、連鎖移動剤、その他の共重合可能なフルオロモノマーや非フッ素化モノマー、安定剤、水蒸気等が挙げられる。
また、モノマーとしてTFE、エチレン、(ペルフルオロブチル)エチレンを用いてETFEを合成する系では、上記気化しうる物質の具体例としては、TFE、エチレン、HFP、重合溶媒、開始剤溶媒、連鎖移動剤、その他の共重合可能なフルオロモノマーや非フッ素化モノマー、安定剤、水蒸気等が挙げられる。
【0053】
上記気化工程における加熱は、加熱手段を用いて容器を加熱することにより行うことができる。当該加熱手段としては、特に限定されるものではないが、湯浴、オイル浴、スチーム加熱などが挙げられる。
【0054】
上記気化工程における加熱温度は、合成されたフルオロポリマーの種類、ハイドロフルオロカーボンの種類等に応じて、フルオロポリマーの分解、気化が起こらずに、ハイドロフルオロカーボンが気化する温度に適宜設定すればよいが、例えば、上記容器の内温が0〜200℃となるように加熱することができる。加熱温度を、200℃を超える高温とすると、フルオロポリマーが着色してしまうなどの悪影響が出るおそれがある。
上記加熱温度としては、容器の内温が0〜100℃であることが好ましい。気化工程における容器の内温を0〜100℃にすることで、加熱手段に湯浴を用いることができ、コストがかからず、加熱手段としても容易である。
上記容器の内温は、100℃未満がより好ましく、90℃以下が更に好ましく、80℃以下が特に好ましい。また上記容器の内温は10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましく、40℃以上が特に好ましい。
上記容器の内温は、上記温度範囲であって、かつ、上記ハイドロフルオロカーボンの沸点を超える温度であることが好ましい。
【0055】
上記気化工程は、特に限定されるものではないが、湿潤フルオロポリマーの含まれる上記容器内の圧力を大気圧以下にして気化物質の気化を行うこともできる。このように、上記容器内の圧力を大気圧以下にして気化物質の気化を行うことで、回収時間をより短くすることができ、更に加熱温度をより低く設定することができることから、フルオロポリマーや水等とハイドロフルオロカーボンとの分離をより容易にすることができる。
【0056】
上記気化工程は、上記容器内の湿潤フルオロポリマーを撹拌しながら行うこともできる。上記容器内の湿潤フルオロポリマーを撹拌しながら気化物質の気化を行うことで、フルオロポリマーや水等とハイドロフルオロカーボンとの分離がより容易になる。
【0057】
上記湿潤フルオロポリマーの撹拌速度は、上記容器のサイズ、湿潤フルオロポリマーの濃度、目的とするハイドロフルオロカーボンを含む気化物質の気化速度等を考慮して、適宜設定することができるが、例えば、10〜600rpmであることが好ましい。より好ましくは30〜300rpmである。更に好ましくは50〜250rpmである。
【0058】
上記気化工程を行う際、湿潤フルオロポリマーに、ハイドロフルオロカーボンよりも沸点の低い含フッ素化合物を添加することもできる。特にフルオロポリマー重量に対して、上記気化工程を行う容器内に含まれるハイドロフルオロカーボンの量が少ない場合、湿潤フルオロポリマーに、ハイドロフルオロカーボンよりも沸点の低い含フッ素化合物を添加することが好ましい。湿潤フルオロポリマーに、ハイドロフルオロカーボンよりも沸点の低い含フッ素化合物を添加して気化工程を行うことにより、ハイドロフルオロカーボンとフルオロポリマーとの分離が容易になり、ハイドロフルオロカーボンの気化が促進されるため、湿潤フルオロポリマーに残存するハイドロフルオロカーボン量を減らすことができる。これによりハイドロフルオロカーボンの回収率を更に高めることが可能となる。なお、このことから、本明細書においては、上記湿潤フルオロポリマーに添加される、ハイドロフルオロカーボンよりも沸点の低い含フッ素化合物を、「気化促進物質」とも称する。
【0059】
上記含フッ素化合物は、沸点が−50℃以上であることが好ましく、10℃未満であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましく、0℃未満であることが更に好ましい。
上記気化促進物質としては、フルオロポリマーとの親和性の高いものを用いることが好ましいことから、製造されるフルオロポリマーの種類に応じて適宜選択すればよいが、例えば、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、ペルフルオロシクロブタン(C318)を用いることが好ましい。
これら気化促進物質は、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0060】
上記湿潤フルオロポリマーに、気化促進物質を添加する形態としては、例えば、フルオロポリマーとしてPFAが合成され、気化促進物質としてC318が添加される形態、フルオロポリマーとしてETFEが合成され、気化促進物質としてC318が添加される形態などが挙げられる。
【0061】
上記気化促進物質の添加量としては、特に限定されるものではないが、気化促進物質を添加する時点における湿潤フルオロポリマー中に含有されるハイドロフルオロカーボン量を100質量%とした場合のハイドロフルオロカーボン100質量%に対して、1〜10000質量%であることが好ましい。気化促進物質の添加量がこのような範囲であることにより、気化促進物質を添加する効果を充分に発揮させることが可能となり、ハイドロフルオロカーボンの回収率を更に高めることができる。
【0062】
本発明の回収方法は、気化、排出工程において気化した気化物質を冷却手段に移送して冷却する工程を含むものである。気化した気化物質を冷却手段に移送して冷却することにより、気体の気化物質は液化され、ハイドロフルオロカーボンを含む液体の気化物質が得られる。
【0063】
上記冷却工程における冷却温度としては、気体の気化物質に含まれるハイドロフルオロカーボンが液化する温度に適宜設定すればよいが、例えば、冷却手段の内温が−30〜20℃となるように冷却することが好ましい。より好ましくは0〜20℃である。
上記冷却温度は、上記ハイドロフルオロカーボンの沸点未満であることが好ましく、上記ハイドロフルオロカーボンの沸点未満であって、かつ、上記冷却温度範囲であることがより好ましい。
【0064】
上記冷却工程における冷却手段としては、特に制限されないが、コンデンサーを好適に用いることができる。すなわち、上記冷却工程における冷却手段がコンデンサーであることもまた、本発明の好適な実施形態の一つである。
【0065】
本発明の回収方法は、更に、冷却工程において冷却し液化した気化物質を蒸留手段に移送して蒸留する工程を含むことが好ましい。冷却工程において液化した気化物質を蒸留することにより、気化物質に含まれるハイドロフルオロカーボンとその他の化合物とを分離することができ、ハイドロフルオロカーボンを分離、回収することが可能となる。
【0066】
上記蒸留工程における蒸留手段としては、特に制限されないが、例えば、蒸留設備、多段蒸留設備(精留設備)などが挙げられる。
【0067】
本発明の回収方法は、特に限定されるものではないが、更に、気化工程において気化した気化物質を圧縮手段に移送して圧縮する工程を含むことができる。気化した気化物質を圧縮することにより、ガス濃度を高めることができ、ハイドロフルオロカーボンの回収率のより一層の向上に繋がる。このように、本発明の回収方法において、圧縮工程を行う場合には、気化工程において気化した気化物質が圧縮手段に移送され圧縮工程が行われた後、当該圧縮工程において圧縮した気化物質を冷却手段に移送して冷却工程が行われることが好ましい。すなわち、上記圧縮工程は、気化、排出工程と冷却工程との間に行われることが好ましい。
【0068】
上記圧縮工程における圧縮比としては、上限は特に限定されるものではないが、例えば、2〜40であることが好ましい。圧縮比がこのような範囲であれば、気化した気化物質が充分に圧縮されたといえ、ハイドロフルオロカーボンの回収率のより一層の向上に寄与することができる。
【0069】
上記圧縮工程における圧縮手段としては、特に制限されないが、例えば、遠心式コンプレッサー、軸流式コンプレッサー、容積式コンプレッサーなどが挙げられる。これらの中でも、容積式コンプレッサーが特に好ましい。すなわち、上記圧縮工程における圧縮手段がコンプレッサーであることもまた、本発明の好適な実施形態の一つである。
【0070】
上記圧縮手段がコンプレッサーである場合には、移送されてきた気化した気化物質をコンプレッサーで圧縮する前に気化物質の液化が起こると、コンプレッサーの故障の原因になるので、移送されてきた気化した気化物質を圧縮前に再度加熱することがより好適である。
【0071】
本発明の回収方法においては、冷却工程において冷却して液化した気化物質、又は、蒸留工程を行う場合には蒸留工程において分離されたハイドロフルオロカーボンを回収容器に移送して回収することができる。このように、冷却工程において冷却して液化した気化物質、又は、蒸留工程を行う場合には蒸留工程において分離されたハイドロフルオロカーボンを回収容器に移送して回収する工程を含むこともまた、本発明の好適な実施形態の一つである。
なお、本発明においては、例えば、液化した気化物質を回収する回収容器に冷却手段が備わっており冷却工程と気化物質の回収工程とが同時に行われてもよい。すなわち、冷却工程及び気化物質の回収工程が、気化工程において気化した気化物質を、冷却手段を備えた回収容器に移送し、冷却して液化した気化物質を回収容器に回収する工程である形態もまた、本発明の好適な実施形態の一つである。
そして更に、上記回収容器に回収された液化した気化物質を蒸留手段に移送して蒸留することで、ハイドロフルオロカーボンを分離、回収することができる。
また、湿潤フルオロポリマーから分離・回収したハイドロフルオロカーボンは再利用することができる。
【0072】
本発明の回収方法は、上記容器の内容積をV(L)、上記容器から排出される気化物質の排出速度をx(kg/時間)としたときの、x/Vの値が、0.140以下であることが好ましい。
このような速度で気化工程を行う容器から冷却手段に気化した気化物質を移送することにより、気化工程を行う容器から冷却手段へのハイドロフルオロカーボンを含む気化物質の移送時に、フルオロポリマーが気化物質に同伴して気化物質に混入してしまい、フルオロポリマーの収率が低下してしまうことを防止することができる。また、フルオロポリマーが気化物質に混入してしまった場合、気化物質からハイドロフルオロカーボンを分離精製したり、再利用したりするうえで極めて不利である。気化物質の移送速度が速すぎると、気化工程を行う容器から冷却手段への気化物質の移送時に、フルオロポリマーが気化物質に同伴して混入してしまうおそれがある。一方で、遅すぎると、得られるフルオロポリマーが着色してしまう場合がある。上記x/Vの値は、0.0012以上であることが好ましい。
上記気化物質の移送速度としては、上記x/Vの値は、0.0060以上であることがより好ましく、0.090以下であることがより好ましく、0.050以下であることが更に好ましい。
【0073】
上記気化工程を行う容器から排出される気化物質の排出速度(x)は、特に限定されないが、移送時のバルブの開度を調整することや配管中にオリフィスを設置すること、配管径を細くすることなどにより調整することができる。例えば、ニードルバルブを気化した気化物質の排出速度に合わせて自動コントロールする方法も好適な方法の一つである。
【0074】
なお、本発明の回収方法においては、特に限定されるものではないが、上記容器の内容積1Lあたり、気化工程後に上記容器内に残存するフルオロポリマーを乾燥して得られるフルオロポリマー(以降、単に「乾燥フルオロポリマー」とも称する。)を0.01〜0.4kg得ることができる。
【0075】
本発明の回収方法において、気化した気化物質や液化した気化物質、分離されたハイドロフルオロカーボンの移送には、通常用いられる配管を用いることができる。なお、気化した気化物質は冷却手段に移送される過程において一部が配管内で液化する場合もある。
【0076】
本発明の回収方法においては、湿潤フルオロポリマーから気化物質を気化させ、冷却、液化して液化した気化物質を回収、更には必要に応じて蒸留によりハイドロフルオロカーボンを精製し、再利用するが、気化物質の回収が進行するにつれて、上記容器内の圧力は低下していくことになる。その際、上記容器内の圧力が−0.001〜−0.09MPaまで低下した時点で回収工程を終了することも好適であるが、本発明は上記容器内の圧力が大気圧以下の時点で回収工程を終了することに限定されるものではない。
【0077】
一方、上記製造工程において合成されたフルオロポリマーについては、本発明の回収方法における、湿潤フルオロポリマーを上記容器内で加熱して気化物質を気化して排出する工程によりハイドロフルオロカーボンを含む気化物質と分離された後、回収することができる。また、重合反応によりフルオロポリマーがスラリーとして得られる場合は、反応容器からスラリーを取り出し、洗浄し、乾燥することにより乾燥フルオロポリマーを回収してもよい。乾燥することによりパウダーの形状でフルオロポリマーを回収できる。
【0078】
本発明の回収方法の好ましい形態の一例を挙げると、少なくともハイドロフルオロカーボンの存在下に懸濁重合、溶液重合又は塊状重合により湿潤フルオロポリマーを製造する、上記湿潤フルオロポリマーを容器内で加熱してハイドロフルオロカーボンを含む気化物質を気化し排出する、上記気化した気化物質を冷却手段を備えた回収容器に移送し、冷却して液化した気化物質を回収容器に回収する、そして引き続き、上記容器内の湿潤フルオロポリマーに上記気化促進物質を添加し、上記気化工程から上記回収工程までを行う、そして更に、上記気化促進物質添加工程から回収工程までを1回以上繰り返す、最後の回収工程終了後、上記容器内の圧力を大気圧に戻して、上記容器内の湿潤フルオロポリマーを洗浄、乾燥して乾燥フルオロポリマーを得る、一方で、上記回収容器に回収された液化した気化物質を蒸留手段に移送して蒸留し、ハイドロフルオロカーボンを分離、回収する、形態が挙げられる。当該形態においては、気化促進物質添加工程から気化物質の回収工程までを3回以上繰り返すことが好ましい。より好ましくは5回以上であり、更に好ましくは7回以上である。
【0079】
本発明の回収方法の工程全体の一例を
図1のフローを用いて説明する。
最初に、ハイドロフルオロカーボンを含む重合反応に用いられる原料が反応容器11に仕込まれ、重合反応を行うことにより、湿潤フルオロポリマーが合成される(湿潤フルオロポリマー製造工程)。湿潤フルオロポリマー合成後、加熱手段21により加熱することで、ハイドロフルオロカーボンを含む気化物質を気化、排出させる(気化、排出工程)。次いで気化した気化物質をコンデンサー等の冷却手段23に移送して冷却する(冷却工程)。そして冷却して液化した気化物質を回収容器12に移送して回収する(回収工程)。気化物質以外の気体は、排気手段24により排気される。なお、反応容器11から冷却手段23へのハイドロフルオロカーボンを含む気化物質の移送速度は、バルブ22の開度を調整して気化物質の排出速度を調整する等により調整される。
また、本発明においては、本発明の効果を奏することとなる限り、これらの工程以外の工程が含まれていてもよく、各工程を2度以上繰り返し行ってもよい。各工程を2度以上繰り返して行う場合には、各工程とも少なくとも1度、本願発明における各工程の形態が実施されていればよい。更には、気化、排出工程から回収工程までの一連の工程を数サイクル繰り返して行う場合には、少なくとも1サイクルにおいて、容器の内容積をV(L)、上記容器から排出される気化物質の排出速度をx(kg/時間)としたときの、x/Vの値が、0.140以下であることが好ましい。上記x/Vの値は、0.090以下がより好ましく、0.050以下が更に好ましい。また、上記x/Vの値は、0.0012以上が好ましく、0.0060以上がより好ましい。
【0080】
本発明のハイドロフルオロカーボンの回収方法により回収されたハイドロフルオロカーボンは、湿潤フルオロポリマーの製造等に再利用することができる。
再利用することで、ハイドロフルオロカーボンを製造及び購入するコストを削減できる。また、ハイドロフルオロカーボンの放出量も削減できるので、環境負荷低減に貢献できる。
このように、本発明のハイドロフルオロカーボンの回収方法により回収されたハイドロフルオロカーボンを再利用する工程を含むハイドロフルオロカーボンの利用方法も、本発明の好ましい態様の一つである。
【実施例】
【0081】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0082】
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
【0083】
〔融点〕
示差走査熱量計〔DSC〕を用いて、試料3mgを10℃/分で室温から300℃まで昇温した後、−10℃/分で室温まで冷却し、再度10℃/分で室温から昇温したときの溶融ピークの温度を融点とした。
【0084】
〔MFR〕
ASTM D3307−01に準拠し、メルトインデクサーを用いて、5kg荷重下で内径2mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)をMFRとした。
【0085】
<比較例1>
(重合反応)
内容積175Lのオートクレーブに蒸留水55Lを投入し、充分に窒素置換を行った後、ペルフルオロシクロブタン(C318)を38kg仕込み、系内を35℃、攪拌速度235rpmに保った。
シクロヘキサンを64g、(ペルフルオロブチル)エチレンを165g、エチレンを240g、TFEを11kg仕込み、その後、重合開始剤としてジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(NPP)/メタノールの50重量%溶液300gを仕込み反応を開始させた。
重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/エチレン/C318混合物(TFE/エチレン/C318(モル比)=50/45/5)を連続して供給し、系内圧力を1.25MPaに保った。TFE/エチレン/C318混合物を合計量50kg仕込み、24時間攪拌を継続したところで反応を終了した。
【0086】
(溶媒回収工程)
オートクレーブの内温を80℃、回収タンクの内温を10℃にし、コンプレッサーを用いてオートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約6.3kg/時間の速度で回収タンクに移送した。回収タンクの内圧が、0.6〜0.8MPaの範囲になるように、冷却工程にて液化されていない回収タンク内のガス成分を、回収タンクの排気ラインからガスホルダーに排気した。8時間かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
回収タンクにTFEとエチレンとの混合物として回収できたC318の回収率は80%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。得られたフッ素樹脂の融点は245℃、MFRは7.3g/10分であった。なお、コンプレッサーの圧縮比は7.5であった。
【0087】
<実施例1>
(重合反応)
重合反応において、C318の代わりに、CF
3CH
2CF
2H(HFC−245fa、沸点15.3℃)を用いたこと以外は、比較例1と同じ操作を行った。
【0088】
(溶媒回収工程)
オートクレーブの内温を80℃、回収タンクの内温を10℃にし、コンプレッサーを用いてオートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約6.3kg/時間の速度で回収タンクに移送した。回収タンクの内圧が、0.6〜0.8MPaの範囲になるように、冷却工程にて液化されていない回収タンク内のガス成分を、回収タンクの排気ラインからガスホルダーに排気した。8時間かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
次にC318 500gを内温が80℃のオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内が混合されるのを30分間待ってから工程中のバルブの開度を調整することで約1.1kg/時間の速度で30分かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
C318仕込みと−0.02MPaまでの回収操作を7回繰り返したあと大気圧に戻し、反応生成物を水洗した。
重合で投入されたCF
3CH
2CF
2Hのうち、回収タンクにCF
3CH
2CF
2HとC318とTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CH
2CF
2Hの回収率は99%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。39kgのフッ素樹脂粉末が得られ、得られたフッ素樹脂の融点は245℃、MFRは7.5g/10分であった。なお、コンプレッサーの圧縮比は7.5であった。
回収タンクに回収されたCF
3CH
2CF
2HとC318とTFEとエチレンを、SUS製の精留塔(多段蒸留塔)に移し、精留(多段蒸留)を行い、CF
3CH
2CF
2HとエチレンとTFEとC318を分離した。エチレン、TFE、C318を分離したCF
3CH
2CF
2Hをさらに単蒸留装置により蒸留した。
【0089】
(回収品での重合及び溶媒回収)
重合反応において、C318の代わりに、上記溶媒回収工程にて回収したCF
3CH
2CF
2H(HFC−245fa)を用いたこと以外は、比較例1と同じ操作を行った。
上記溶媒回収工程と同じ操作を行い、重合で投入されたCF
3CH
2CF
2Hのうち、回収タンクにCF
3CH
2CF
2HとTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CH
2CF
2Hの回収率は99%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。39kgのフッ素樹脂粉末が得られ、得られたフッ素樹脂の融点は245℃、MFRは7.3g/10分であった。
【0090】
<実施例2>
(重合反応)
実施例1と同じ操作を行った。
【0091】
(溶媒回収工程)
溶媒回収工程においてC318仕込みによる回収操作を行わなかったこと以外は実施例1と同じ操作を行った。
回収タンクにTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CH
2CF
2Hの回収率は90%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。
【0092】
<実施例3>
(重合反応)
実施例1と同じ操作を行った。
【0093】
(溶媒回収工程)
オートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約15.5kg/時間の速度で2.6時間かけて回収タンクに移送したこと以外は実施例2と同じ操作を行った。
回収タンクにTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CH
2CF
2Hの回収率は90%であった。フッ素樹脂がガス成分に同伴して、回収液中にフッ素樹脂粉末0.01kg相当分存在した。
【0094】
<実施例4>
(重合反応)
実施例1と同じ操作を行った。
【0095】
(溶媒回収工程)
オートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約22kg/時間の速度で1.8時間かけて回収タンクに移送したこと以外は実施例2と同じ操作を行った。
回収タンクにTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CH
2CF
2Hの回収率は90%であった。フッ素樹脂がガス成分に同伴して、回収液中にフッ素樹脂粉末0.03kg相当分存在した。
【0096】
<実施例5>
(重合反応)
実施例1と同じ操作を行った。
【0097】
(溶媒回収工程)
オートクレーブの内温を80℃、回収タンクの内温を10℃にし、コンプレッサーを用いてオートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約25kg/時間の速度で回収タンクに移送し始めたところ、フッ素樹脂がガス成分に同伴し、回収液中にフッ素樹脂がフッ素樹脂粉末5kg相当分混入した。CF
3CH
2CF
2Hの回収率は90%であった。なお、コンプレッサーの圧縮比は7.5であった。
【0098】
<実施例6>
(重合反応)
実施例1と同じ操作を行った。
【0099】
(溶媒回収工程)
オートクレーブの内温を80℃、回収タンクの内温を10℃にし、コンプレッサーを用いてオートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約1kg/時間の速度で回収タンクに移送した。40時間かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
次にC318 500gを内温が80℃のオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内が混合されるのを30分間待ってから工程中のバルブの開度を調整することで約0.2kg/時間の速度で3.5時間かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
このC318仕込みと−0.02MPaまでの回収操作を7回繰り返したあと大気圧に戻し、反応生成物を水洗した。
重合で投入されたCF
3CH
2CF
2Hのうち、回収タンクにC318とTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CH
2CF
2Hの回収率は99%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。
オートクレーブを放圧して大気圧に戻した後、乾燥してフッ素樹脂粉末39kgを得たが、薄い灰色に着色していた。得られたフッ素樹脂の融点は245℃、MFRは7.0g/10分であった。なお、コンプレッサーの圧縮比は7.5であった。
【0100】
<実施例7>
(重合反応)
実施例1と同じ操作を行った。
【0101】
(溶媒回収工程)
オートクレーブ温度を80℃、回収タンク温度を−20℃にし、コンプレッサーを用いないでオートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約6.3kg/時間の速度で回収タンクに移送した。回収タンクの内圧が、0.6〜0.8MPaの範囲になるように、冷却工程にて液化されていない回収タンク内のガス成分を、回収タンクの排気ラインからガスホルダーに排気した。8時間かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
次にC318 500gを内温が80℃のオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内が混合されるのを30分間待ってから工程中のバルブの開度を調整することで約1.1kg/時間の速度で30分かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
C318仕込みと−0.02MPaまでの回収操作を7回繰り返したあと大気圧に戻し、反応生成物を水洗した。
重合で投入されたCF
3CH
2CF
2Hのうち、回収タンクにC318とTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CH
2CF
2Hの回収率は90%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。得られたフッ素樹脂粉末は39kgで、融点は245℃、MFRは7.5g/10分であった。
回収タンクに回収されたCF
3CH
2CF
2HとC318とTFEとエチレンを、SUS製の精留塔(多段蒸留塔)に移し、精留(多段蒸留)を行い、CF
3CH
2CF
2HとエチレンとTFEとC318を分離した。エチレン、TFE、C318を分離したCF
3CH
2CF
2Hをさらに単蒸留装置により蒸留した。
【0102】
<実施例8>
(重合反応)
重合反応において、C318の代わりに、CF
3CF
2CFHCFHCF
3(HFC−43−10mee、沸点55℃)を用いたこと以外は、比較例1と同じ操作を行った。
【0103】
(溶媒回収工程)
オートクレーブの内温を80℃、回収タンクの内温を10℃にし、コンプレッサーを用いてオートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約6.3kg/時間の速度で回収タンクに移送した。回収タンクの内圧が、0.6〜0.8MPaの範囲になるように、冷却工程にて液化されていない回収タンク内のガス成分を、回収タンクの排気ラインからガスホルダーに排気した。8時間かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
次にC318 500gを内温が80℃のオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内が混合されるのを30分間待ってから工程中のバルブの開度を調整することで約1.1kg/時間の速度で30分かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
C318仕込みと−0.02MPaまでの回収操作を7回繰り返したあと大気圧に戻し、反応生成物を水洗した。
重合で投入されたCF
3CF
2CFHCFHCF
3のうち、回収タンクにCF
3CF
2CFHCFHCF
3とC318とTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CF
2CFHCFHCF
3の回収率は99%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。39kgのフッ素樹脂粉末が得られ、得られたフッ素樹脂の融点は245℃、MFRは7.5g/10分であった。なお、コンプレッサーの圧縮比は7.5であった。
回収タンクに回収されたCF
3CF
2CFHCFHCF
3とC318とTFEとエチレンを、SUS製の精留塔(多段蒸留塔)に移し、精留(多段蒸留)を行い、CF
3CF
2CFHCFHCF
3とエチレンとTFEとC318を分離した。エチレン、TFE、C318を分離したCF
3CF
2CFHCFHCF
3をさらに単蒸留装置により蒸留した。
【0104】
(回収品での重合及び溶媒回収)
重合反応において、C318の代わりに、上記溶媒回収工程にて回収したCF
3CF
2CFHCFHCF
3(HFC−43−10mee)を用いたこと以外は、比較例1と同じ操作を行った。
上記溶媒回収工程と同じ操作を行い、重合で投入されたCF
3CF
2CFHCFHCF
3のうち、回収タンクにCF
3CF
2CFHCFHCF
3とTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CF
2CFHCFHCF
3の回収率は99%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。39kgのフッ素樹脂粉末が得られ、得られたフッ素樹脂の融点は245℃、MFRは7.3g/10分であった。
【0105】
<実施例9>
(重合反応)
実施例8と同じ操作を行った。
【0106】
(溶媒回収工程)
溶媒回収工程においてC318仕込みによる回収操作を行わなかったこと以外は実施例8と同じ操作を行った。
回収タンクにTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CF
2CFHCFHCF
3の回収率は90%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。
【0107】
<実施例10>
(重合反応)
実施例8と同じ操作を行った。
【0108】
(溶媒回収工程)
オートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約15.5kg/時間の速度で2.6時間かけて回収タンクに移送したこと以外は実施例9と同じ操作を行った。
回収タンクにTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CF
2CFHCFHCF
3の回収率は90%であった。フッ素樹脂がガス成分に同伴して、回収液中にフッ素樹脂粉末0.01kg相当分存在した。
【0109】
<実施例11>
(重合反応)
実施例8と同じ操作を行った。
【0110】
(溶媒回収工程)
オートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約22kg/時間の速度で1.8時間かけて回収タンクに移送したこと以外は実施例9と同じ操作を行った。
回収タンクにTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CF
2CFHCFHCF
3の回収率は90%であった。フッ素樹脂がガス成分に同伴して、回収液中にフッ素樹脂粉末0.03kg相当分存在した。
【0111】
<実施例12>
(重合反応)
実施例8と同じ操作を行った。
【0112】
(溶媒回収工程)
オートクレーブの内温を80℃、回収タンクの内温を10℃にし、コンプレッサーを用いてオートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約25kg/時間の速度で回収タンクに移送し始めたところ、フッ素樹脂がガス成分に同伴し、回収液中にフッ素樹脂がフッ素樹脂粉末5kg相当分混入した。CF
3CF
2CFHCFHCF
3の回収率は90%であった。なお、コンプレッサーの圧縮比は7.5であった。
【0113】
<実施例13>
(重合反応)
実施例8と同じ操作を行った。
【0114】
(溶媒回収工程)
オートクレーブの内温を80℃、回収タンクの内温を10℃にし、コンプレッサーを用いてオートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約1kg/時間の速度で回収タンクに移送した。40時間かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
次にC318 500gを内温が80℃のオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内が混合されるのを30分間待ってから工程中のバルブの開度を調整することで約0.2kg/時間の速度で3.5時間かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
このC318仕込みと−0.02MPaまでの回収操作を7回繰り返したあと大気圧に戻し、反応生成物を水洗した。
重合で投入されたCF
3CF
2CFHCFHCF
3のうち、回収タンクにC318とTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CF
2CFHCFHCF
3の回収率は99%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。
オートクレーブを放圧して大気圧に戻した後、乾燥してフッ素樹脂粉末39kgを得たが、薄い灰色に着色していた。得られたフッ素樹脂の融点は245℃、MFRは7.0g/10分であった。なお、コンプレッサーの圧縮比は7.5であった。
【0115】
<実施例14>
(重合反応)
実施例8と同じ操作を行った。
【0116】
(溶媒回収工程)
オートクレーブ温度を80℃、回収タンク温度を−20℃にし、コンプレッサーを用いないでオートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約6.3kg/時間の速度で回収タンクに移送した。回収タンクの内圧が、0.6〜0.8MPaの範囲になるように、冷却工程にて液化されていない回収タンク内のガス成分を、回収タンクの排気ラインからガスホルダーに排気した。8時間かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
次にC318 500gを内温が80℃のオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内が混合されるのを30分間待ってから工程中のバルブの開度を調整することで約1.1kg/時間の速度で30分かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
C318仕込みと−0.02MPaまでの回収操作を7回繰り返したあと大気圧に戻し、反応生成物を水洗した。
重合で投入されたCF
3CF
2CFHCFHCF
3のうち、回収タンクにC318とTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CF
2CFHCFHCF
3の回収率は90%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。得られたフッ素樹脂粉末は39kgで、融点は245℃、MFRは7.5g/10分であった。
回収タンクに回収されたCF
3CF
2CFHCFHCF
3とC318とTFEとエチレンを、SUS製の精留塔(多段蒸留塔)に移し、精留(多段蒸留)を行い、CF
3CF
2CFHCFHCF
3とエチレンとTFEとC318を分離した。エチレン、TFE、C318を分離したCF
3CF
2CFHCFHCF
3をさらに単蒸留装置により蒸留した。
【0117】
<実施例15>
(重合反応)
CF
3CH
2CF
2H(HFC−245fa)の代わりに、CF
3CH
2CF
2CH
3(HFC−365mfc、沸点40.2℃)を使用したこと以外は、実施例1と同じ操作を行った。
【0118】
(溶媒回収工程)
オートクレーブの内温を80℃、回収タンクの内温を10℃にし、コンプレッサーを用いてオートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約6.3kg/時間の速度で回収タンクに移送した。回収タンクの内圧が、0.6〜0.8MPaの範囲になるように、冷却工程にて液化されていない回収タンク内のガス成分を、回収タンクの排気ラインからガスホルダーに排気した。8時間かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
次にC318 500gを内温が80℃のオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内が混合されるのを30分間待ってから工程中のバルブの開度を調整することで約1.1kg/時間の速度で30分かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
C318仕込みと−0.02MPaまでの回収操作を7回繰り返したあと大気圧に戻し、反応生成物を水洗した。
重合で投入されたCF
3CH
2CF
2CH
3のうち、回収タンクにCF
3CH
2CF
2CH
3とC318とTFEとエチレンとの混合物として回収できたCF
3CH
2CF
2CH
3の回収率は99%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。39kgのフッ素樹脂粉末が得られ、得られたフッ素樹脂の融点は245℃、MFRは7.4g/10分であった。なお、コンプレッサーの圧縮比は7.5であった。
回収タンクに回収されたCF
3CH
2CF
2CH
3とC318とTFEとエチレンを、SUS製の精留塔(多段蒸留塔)に移し、精留(多段蒸留)を行い、CF
3CH
2CF
2CH
3とエチレンとTFEとC318を分離した。エチレン、TFE、C318を分離したCF
3CH
2CF
2CH
3をさらに単蒸留装置により蒸留した。
【0119】
<実施例16>
(重合反応)
内容積175Lのオートクレーブに蒸留水42Lを投入し、充分に窒素置換を行った後、CF
3CH
2CF
2H(HFC−245fa)を33kg仕込み、系内を35℃、攪拌速度235rpmに保った。
パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)1.67kg、メタノール292g、TFEを0.84MPaまで仕込み、その後、重合開始剤としてジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(NPP)/メタノールの50重量%溶液73gを仕込み反応を開始させた。
重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFEを連続して供給し、系内圧力を0.84MPaに保った。TFEを合計量35kg仕込んだところで反応を終了した。
【0120】
(溶媒回収工程)
オートクレーブの内温を80℃、回収タンクの内温を10℃にし、コンプレッサーを用いてオートクレーブ気相部からガス成分を送る工程中のバルブの開度を調整することで約6.3kg/時間の速度で回収タンクに移送した。回収タンクの内圧が、0.6〜0.8MPaの範囲になるように、冷却工程にて液化されていない回収タンク内のガス成分を、回収タンクの排気ラインからガスホルダーに排気した。8時間かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
次にC318 500gを内温が80℃のオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内が混合されるのを30分間待ってから工程中のバルブの開度を調整することで約1.1kg/時間の速度で30分かけてオートクレーブの圧力を−0.02MPaまで低下させた。
C318仕込みと−0.02MPaまでの回収操作を7回繰り返したあと大気圧に戻し、反応生成物を水洗した。
重合で投入されたCF
3CH
2CF
2Hのうち、回収タンクにC318とTFEとの混合物として回収できたCF
3CH
2CF
2Hの回収率は99%であった。ガス成分に同伴して回収液中に混入したフッ素樹脂粉末は、0.001kg未満であった。
36kgのフッ素樹脂粉末が得られ、得られたフッ素樹脂の融点は304℃、MFRは2.0g/10分であった。なお、コンプレッサーの圧縮比は7.5であった。
回収タンクに回収されたCF
3CH
2CF
2HとC318とTFEを、SUS製の精留塔(多段蒸留塔)に移し、精留(多段蒸留)を行い、CF
3CH
2CF
2HとC318とTFEを分離した。C318、TFEを分離したCF
3CH
2CF
2Hをさらに単蒸留装置により蒸留した。
【0121】
実施例1〜16及び比較例1の回収条件ならびに回収率を表1に示す。
【0122】
【表1】