特許第6237910号(P6237910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237910
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】自動倉庫、及び自動倉庫の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   B65G1/00 511J
   B65G1/00 511A
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-545024(P2016-545024)
(86)(22)【出願日】2015年6月30日
(86)【国際出願番号】JP2015068790
(87)【国際公開番号】WO2016031383
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2016年10月27日
(31)【優先権主張番号】特願2014-170257(P2014-170257)
(32)【優先日】2014年8月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(74)【代理人】
【識別番号】100105946
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 富彦
(72)【発明者】
【氏名】安達 成人
(72)【発明者】
【氏名】馬場 信彦
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−347682(JP,A)
【文献】 特開2006−335484(JP,A)
【文献】 特開2004−277167(JP,A)
【文献】 特開2008−063133(JP,A)
【文献】 特開平10−310205(JP,A)
【文献】 特開平10−194404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00−1/133;1/14−1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を形成しかつ前記内部空間を開放可能な複数の開閉扉を備える外側パネルと、
前記内部空間に設置された収容棚に対して物品を移載しかつ1つの軌道上を走行する複数の搬送装置と、
前記搬送装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記複数の搬送装置のうちの1台である特定搬送装置の退避指示に基づいて、前記特定搬送装置が物品を保持している場合、または、退避先の隔離領域に対応した前記収容棚に物品が収納されている場合、前記複数の搬送装置のうち前記特定搬送装置を除いた残存搬送装置が移載可能な前記収容棚に前記物品を搬送した後に前記特定搬送装置を退避させ、前記特定搬送装置の退避後に、前記隔離領域を除いた前記軌道の範囲で前記残存搬送装置を駆動し、かつ、前記隔離領域に対応する前記開閉扉の開状態を検知したとき、前記残存搬送装置の駆動を維持する、自動倉庫。
【請求項2】
前記制御装置は、前記複数の開閉扉のうち前記隔離領域に対応しない非関連開閉扉の開状態を検知したときに前記残存搬送装置の駆動を停止させる請求項1記載の自動倉庫。
【請求項3】
前記隔離領域に前記残存搬送装置の進入を規制するストッパを検知するストッパ検知部と、前記隔離領域の一部を囲むケージを検知するケージ検知部と、を備え、
前記制御装置は、前記ストッパ検知部により前記ストッパを検知した際、及び前記ケージ検知部により前記ケージを検知した際、の少なくとも一方により前記残存搬送装置の駆動、及び前記非関連開閉扉の開状態の検知を開始する請求項2記載の自動倉庫。
【請求項4】
前記隔離領域は、前記内部空間の端部を含んだ領域であり、
前記制御装置は、前記退避指示に基づいて前記特定搬送装置を前記内部空間の端部に向けて移動させる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動倉庫。
【請求項5】
内部空間を形成しかつ前記内部空間を開放可能な複数の開閉扉を備える外側パネルと、前記内部空間に設置された収容棚に対して物品を移載しかつ1つの軌道上を走行する複数の搬送装置と、を備える自動倉庫の制御方法であって、
前記複数の搬送装置のうちの1台である特定搬送装置の退避指示に基づいて、前記特定搬送装置が物品を保持している場合、または、退避先の隔離領域に対応した前記収容棚に物品が収納されている場合、前記複数の搬送装置のうち前記特定搬送装置を除いた残存搬送装置が移載可能な前記収容棚に前記物品を搬送した後に前記特定搬送装置を退避させ、前記特定搬送装置の退避後に、前記隔離領域を除いた前記軌道の範囲で前記残存搬送装置を駆動し、かつ、前記隔離領域に対応する前記開閉扉の開状態を検知したとき、前記残存搬送装置の駆動を維持する、自動倉庫の制御方法。
【請求項6】
前記複数の開閉扉のうち前記隔離領域に対応しない非関連開閉扉の開状態を検知したときに前記残存搬送装置の駆動を停止させる請求項5記載の自動倉庫の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の搬送装置を備えた自動倉庫、及び自動倉庫の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、収容棚に対する物品の受け渡しを自動的に行う自動倉庫が知られている(例えば、特許文献1参照)。この自動倉庫は、複数の開閉扉を有する外側パネルと、この外側パネル内において上下左右に並んで配置された収容棚と、収容棚に沿って床面に設置された軌道上を走行しかつ収容棚のいずれかにアクセスして物品の受け渡しを行う移載装置を備える搬送装置と、を備えている。この種の自動倉庫は、外側パネルの内側空間において搬送装置等が稼働しているため、複数の開閉扉のいずれかが開かれた場合、安全性を確保する観点から、インターロックとして搬送装置の稼働を強制的に停止させる手法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5103714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1は、軌道上に2台の搬送装置が稼働している場合、いずれか一方の搬送装置をメンテナンスする際に、残った領域内において他方の搬送装置を稼働し、自動倉庫の稼働率の低下を抑制することが記載されている。しかしながら、メンテナンス中の搬送装置が物品を保持している場合、及び/又はメンテナンス中の搬送装置に対応した収容棚に物品が収容されている場合、他方の搬送装置はその物品にアクセスすることができず、この物品を移載できないといった問題がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、複数台の搬送装置のうち1台をメンテナンス等のために隔離する際に、メンテナンス対象となった搬送装置が保持している物品、及び/又は隔離領域内の収容棚に収容されている物品を、残った搬送装置がアクセス可能な収容棚に移送することにより、残った搬送装置によって物品を移載することが可能な自動倉庫、及び自動倉庫の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の自動倉庫は、内部空間を形成しかつ内部空間を開放可能な複数の開閉扉を備える外側パネルと、内部空間に設置された収容棚に対して物品を移載しかつ1つの軌道上を走行する複数の搬送装置と、搬送装置を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、複数の搬送装置のうちの1台である特定搬送装置の退避指示に基づいて、特定搬送装置が物品を保持している場合、または、退避先の隔離領域に対応した収容棚に物品が収納されている場合、複数の搬送装置のうち特定搬送装置を除いた残存搬送装置が移載可能な収容棚に物品を搬送した後に特定搬送装置を退避させ、特定搬送装置の退避後に、隔離領域を除いた軌道の範囲で残存搬送装置を駆動し、かつ、隔離領域に対応する開閉扉の開状態を検知したとき、残存搬送装置の駆動を維持することを特徴とする。
【0007】
また、制御装置は、複数の開閉扉のうち隔離領域に対応しない非関連開閉扉の開状態を検知したときに残存搬送装置の駆動を停止させてもよい。また、隔離領域に残存搬送装置の進入を規制するストッパを検知するストッパ検知部と、隔離領域の一部を囲むケージを検知するケージ検知部と、を備え、制御装置は、ストッパ検知部によりストッパを検知した際、及びケージ検知部によりケージを検知した際、の少なくとも一方により残存搬送装置の駆動、及び非関連開閉扉の開状態の検知を開始してもよい。また、隔離領域は、内部空間の端部を含んだ領域であり、制御装置は、退避指示に基づいて特定搬送装置を内部空間の端部に向けて移動させてもよい。
【0008】
また、本発明は、内部空間を形成しかつ内部空間を開放可能な複数の開閉扉を備える外側パネルと、内部空間に設置された収容棚に対して物品を移載しかつ1つの軌道上を走行する複数の搬送装置と、を備える自動倉庫の制御方法であって、複数の搬送装置のうちの1台である特定搬送装置の退避指示に基づいて、特定搬送装置が物品を保持している場合、または、退避先の隔離領域に対応した収容棚に物品が収納されている場合、複数の搬送装置のうち特定搬送装置を除いた残存搬送装置が移載可能な収容棚に物品を搬送した後に特定搬送装置を退避させ、特定搬送装置の退避後に、隔離領域を除いた軌道の範囲で残存搬送装置を駆動し、かつ、隔離領域に対応する開閉扉の開状態を検知したとき、残存搬送装置の駆動を維持することを特徴とする。また、複数の開閉扉のうち隔離領域に対応しない非関連開閉扉の開状態を検知したときに残存搬送装置の駆動を停止させてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明自動倉庫、及び自動倉庫の制御方法によれば、同一の軌道上を走行する複数の搬送装置のうち、1台の搬送装置のメンテナンス等を行うときに、対象の搬送装置が保持している物品、及び/又は対象の搬送装置の隔離領域に対応する収容棚に収容されている物品を、残った搬送装置が移載可能な収容棚に搬送するので、搬送装置を隔離している間に搬送不能となる物品が生じるのを回避でき、また、隔離領域に対応する開閉扉を開けた場合でも残存搬送装置による搬送作業を継続できるので、自動倉庫の稼働率を向上させることができる。
【0010】
また、制御装置が、複数の開閉扉のうち隔離領域に対応しない非関連開閉扉の開状態を検知したときに残存搬送装置の駆動を停止させるものでは、隔離領域を除いた領域に対してインターロックを適用できる。また、制御装置が、ストッパ検知部によりストッパを検知した際、及び/又はケージ検知部によりケージを検知した際に残存搬送装置の駆動、及び非関連開閉扉の開状態の検知を開始するものでは、ストッパ及び/又はケージの設置を制御装置が確認した上で残存搬送装置の駆動などを行うので、ストッパによって残存搬送装置が隔離領域に誤って進入することを防止でき、また、ケージによって落下物等から作業者を保護することができる。また、隔離領域が、内部空間の端部を含んだ領域であり、制御装置が、退避指示に基づいて特定搬送装置を内部空間の端部に向けて移動させるものでは、残存搬送装置の作業範囲を広く確保することができる。なお、ケージを付けることで作業者が稼働中のクレーン(搬送装置)と物理的に隔離される。これにより搬送装置の稼働領域とメンテナンス領域(隔離領域)とを可視的に認識できる。また、ケージによって、メンテナンス領域の作業者が不意にメンテナンス領域から搬送装置の稼働領域へ進入することを防ぐことが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る自動倉庫の一例を示す平面図である。
図2図1に示す自動倉庫の側面図である。
図3】自動倉庫の制御系の構成を示すブロック図である。
図4】自動倉庫の動作を説明するためのフローチャートである。
図5】休止モードを説明する平面図である。
図6】休止モードを説明する側面図である。
図7】隔離モードへの移行を説明する平面図である。
図8】隔離モードへの移行を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、水平面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面において紙面の右方向をX方向と表記し、紙面の上方向をY方向と表記する。また、XY平面に垂直な方向をZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る自動倉庫1の平面図である。また、図2は、図1に示す自動倉庫1の側面図である。なお、図2は、図1に示す自動倉庫1をXZ平面で切断した場合において、その自動倉庫1を+Y方向から見たときの図である。図1に示す自動倉庫1は、ラック5の収容棚50に対して物品400の受け渡しを自動的に行う設備(装置)である。この自動倉庫1は、内部空間2Sを形成する外側パネル2を備える。
【0014】
外側パネル2の−X側及び+側の両側面には、図2に示すように、内部空間2Sを開放可能な3つの第1及び第2開閉扉(開閉扉)31A〜33A、31B〜33Bが上下に配置されている。作業者は、下段(1階)、中段(2階)、上段(3階)に対して各第1開閉扉31A〜33A、31B〜33Bを通じて上段から下段のそれぞれの空間に進入することができる。なお、図1及び図2には示していないが、各開閉扉31A〜33A,31B〜33Bには、それぞれ開状態を監視するセンサ、または各開閉扉31A等のロック解除を監視するセンサである監視部(図3の第1監視部35A〜37A、第2監視部35B〜37Bを参照)が設けられている。
【0015】
外側パネル2の−Y側の側面には、図1及び図2に示すように、それぞれ、−X側及び+X側の下段の内部空間2Sを開放可能な引出棚(開閉扉)21A,21Bが設けられている。なお、図1及び図2には示していないが、各引出棚21A,21Bには、それぞれ開状態を監視するセンサ、または各引出棚21A等のロック解除を監視するセンサである引出棚監視部(図3の第1引出棚監視部20A、第2引出棚監視部20Bを参照)が設けられている。
【0016】
外側パネル2の−Y側の側面における−X側端部には、図1に示すように、作業者が操作可能な第1操作部4Aが設けられている。作業者は、第1操作部4Aを操作することにより、自動倉庫1の各種設定及び各種制御などを行い、また、第1開閉扉31A〜33Aまたは引出棚21Aの開放制御(例えばロック解除)を実行する。また、外側パネル2の−Y側の側面における+X側端部にも、図1に示すように、作業者が操作可能な第2操作部4Bが設けられている。作業者は、第2操作部4Bを操作することにより、自動倉庫1の各種設定及び各種制御などを行い、また、第2開閉扉31B〜33Bまたは引出棚21Bの開放制御(例えばロック解除)を実行する。第1操作部4A及び第2操作部4Bは、作業者の操作に応じた信号を制御装置200に送信する。
【0017】
外側パネル2の内部空間2Sには、複数のラック5が上下に3段(下段、中段、上段)積み重ねられて配置される。各ラック5には、複数の収容棚50を備えている。これにより収容棚50は、上下左右(Z方向及びX方向)に並んだ状態となっている。図1では収容棚50の詳細を省略しており、図2では1つのラック5に収容棚50の一例を示している。なお、ラック5の個数や各ラック5における収容棚50の個数は任意である。
【0018】
ラック5に沿った床面には、第1及び第2搬送装置101,102が走行するX方向のレール(軌道)6が敷設されている。レール6の両脇には、搬送装置101、102の進入を規制するための第1ストッパ71A,72A及び第2ストッパ71B,72Bを設置可能となっている。第1ストッパ71A等は、搬送装置101、102の一部に当接して、進入を規制可能な任意の形状が用いられる。また、第1ストッパ71A等は、電動または油圧モータの駆動力によって床面から突出または没入するものでもよい。内部空間2Sには、第1ストッパ71A,72A及び第2ストッパ71B,72Bのそれぞれを検知する第1ストッパ検知部81A,82A及び第2ストッパ検知部81B,82Bを備えている。第1ストッパ検知部81A等は、接触式または非接触式のいずれかのセンサが使用されてもよい。また、カメラ等で取得した画像により検知するものでもよい。
【0019】
また、レール6には、落下物等を受け止めるための第1ケージ9A及び第2ケージ9Bを設置可能となっている。第1ケージ9A等は、作業者の作業空間を保護可能な形状が用いられる。また、第1ケージ9A等は、例えば、ラック5の一部に予め収容され、電動または油圧によって設定されるものでもよい。内部空間2Sには、第1ケージ9A及び第2ケージ9Bのそれぞれを検知する第1ケージ検知部10A及び第2ケージ検知部10Bを備えている。第1ケージ検知部10A等は、接触式または非接触式のいずれかのセンサが使用されてもよい。また、カメラ等で取得した画像により検知するものでもよい。
【0020】
なお、上記した第1ストッパ検知部81A等及び第1ケージ検知部10A等は、いずれか一方または双方が省略されてもよい。また、カメラ等で検知する場合、第1ストッパ検知部81A等及び第1ケージ検知部10A等の双方を兼用させてもよい。
【0021】
第1及び第2搬送装置101,102は、例えば、スタッカクレーンが用いられる。第1及び第2搬送装置101,102は、レール6上を走行する走行台車101a,102aと、走行台車101a,102aから起立するマスト101m,102mと、マスト101m,102mにガイドされて昇降する昇降台101d,102dと、昇降台101d,102dに搭載された移載装置101c,102cと、備え、任意の収容棚50に対して昇降台101d,102dを位置付け、移載装置101c,102cを駆動することにより物品400の受け渡しを行う。
【0022】
第1搬送装置101及び第2搬送装置102は、いずれも+Y側及び−Y側の収容棚50に対して物品400の受け渡しを行うことができる。また、第1搬送装置101及び第2搬送装置102は、上記の動作を行うために必要な電力の供給を、例えば、レール6に沿った床面等に配置されたケーブル等を用いた給電装置(図3の給電装置250参照)から受けている。なお、給電装置としては接触式給電装置または非接触給電装置のいずれが使用されてもよい。
【0023】
第1搬送装置101及び第2搬送装置102は、図1に示す第1〜第3領域301〜303の範囲で稼働する。第1領域301は、レール6の−X側の端部から第1ストッパ71A,72Aを設置可能な位置までの領域である。第2領域302は、レール6の+X側の端部から第2ストッパ71B,72Bを設置可能な位置までの領域である。第3領域303は、第1領域301と第2領域302とに挟まれた領域である。第1搬送装置101及び第2搬送装置102は、互いに干渉しない範囲で稼働する。従って、第1搬送装置101及び第2搬送装置102のそれぞれの最大稼働範囲は、図2に示す範囲である。なお、図2は一例を示しており、例えば、第1搬送装置101及び第2搬送装置102の一方が休止の場合、アーム(移載装置101c等)を退避させた周囲の数棚を除いたほぼ全域に、他方の搬送装置がアクセス可能としている。
【0024】
第1領域301及び第2領域302のそれぞれは、第1搬送装置101及び第2搬送装置102のメンテナンス(例えば、点検、修理、整備、維持)等を行う領域であり、後述する隔離領域となる。第1搬送装置101が第1領域301に隔離されるときは第1領域301が隔離領域となり、第2搬送装置102が第2領域302に隔離されるときは第2領域302が隔離領域となる。
【0025】
第1領域301を隔離領域とする場合、レール6上に第1ストッパ71A,72A及び第1ケージ9Aが設置される。同じく、第2領域302を隔離領域とする場合、レール6上に第2ストッパ71B,72B及び第2ケージ9Bが設置される。これらの設置は、第1ストッパ検知部81A等及び第1ケージ検知部10Aにより検知され、その検知信号が後述する制御装置200に送信される。
【0026】
制御装置200は、自動倉庫1を制御する。制御装置200は、自動倉庫1の外側パネル2に設置されてもよく、また、無線または有線により自動倉庫1から離れて設置されてもよい。また、制御装置200は、1台の自動倉庫1を制御するだけでなく、複数の自動倉庫1を統括して制御してもよい。また、制御装置200の機能の一部を、制御装置に無線または有線で接続された上位コントローラによって行ってもよい。
【0027】
図3は、制御装置200を含む自動倉庫1の制御系の構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御装置200は、第1操作部4A、第2操作部4B、第1監視部35A〜37A、第2監視部35B〜37B、第1引出棚監視部20A、第2引出棚監視部20B、第1ストッパ検知部81A,82A、第2ストッパ検知部81B,82B、第1ケージ検知部10A、第2ケージ検知部10B、及び非接触給電装置250と接続されている。なお、制御装置200と第1操作部4Aなどの各部との接続は、有線及び無線のいずれの場合でもよい。制御装置200は、通信部210、制御部220、及び記憶部230を有している。通信部210は、第1操作部4A等との間でデータ通信を行う。なお、図3には示していないが、通信部210は、第1搬送装置101及び第2搬送装置102との間においても無線又は有線でデータ通信を行う。
【0028】
制御部220は、自動倉庫1の制御として、搬送装置101,102の動作モード(運用モード、休止モード、隔離モード)を設定する制御、及び搬送装置101,102の搬送作業の制御、インターロックの制御、非接触給電装置250による給電領域(給電エリア)の変更を実行させる制御などを行う。なお、制御部220は、記憶部230に記憶されているプログラム231に基づいて上記の制御を実行する。記憶部230は、プログラム231を含む各種データを記憶する。
【0029】
第1監視部35A〜37Aは、第1開閉扉31A〜33Aの開状態を示す検知信号を制御装置200に送信する。第2監視部35B〜37Bは、第2開閉扉31B〜33Bの開状態を示す検知信号を制御装置200に送信する。第1引出棚監視部20Aは、引出棚21Aの開状態を示す検知信号を制御装置200に送信する。第2引出棚監視部20Bは、引出棚21Bの開状態を示す検知信号を制御装置200に送信する。
【0030】
図4は、自動倉庫1の動作を説明するフローチャートである。ただし、図4は動作の一例を示すものであり、この動作に限定されるものではない。図4において、制御部220(制御装置200)は、搬送装置の動作モードを運用モードに設定した上で、第1搬送装置101及び第2搬送装置102の駆動制御を実行して、第1搬送装置101及び第2搬送装置102に搬送動作(走行、昇降、移載など)を実行させる(ステップS1)。このとき、第1監視部35A〜37A、第2監視部35B〜37B、第1引出棚監視部20A、及び第2引出棚監視部20Bののうち、いずれか開状態を検知したときは、制御部220は、全ての搬送装置101,102の駆動を停止させる。なお、制御部220は、非接触給電装置250に対して全ての給電エリアに対する給電を停止し、全ての搬送装置101,102の駆動を停止させる。
【0031】
次に、第1及び第2搬送装置101,102のいずれかのメンテナンスなどを行う場合、例えば操作部(例えば第1操作部4A)を操作することにより、操作部から制御部220に対して退避指示の信号を送信させる。ここで、退避指示の信号は、搬送装置(ここでは第1搬送装置101)を隔離領域に退避させることを示す信号であって、退避の対象となった搬送装置を示す情報も含まれる。また、第1及び第2(複数台)の搬送装置のうち、隔離領域への退避が指示された搬送装置を特定搬送装置といい、特定搬送装置を除いた搬送装置を残存搬送装置という。
【0032】
制御部220は、操作部から退避指示の信号を受け取ったか否かを判定する(ステップS2)。制御部220は、退避信号を受け取っていない場合は(ステップS2のNO)は通常の搬送動作を継続する。制御部220は、退避指示の信号を受け取ったと判定した場合は(ステップS2のYES)、搬送装置の動作モードを休止モードに移行させるとともに、特定搬送装置(第1搬送装置101)が物品400を保持しているか否か(例えば、特定搬送装置による物品400の搬送走行中か否か、特定搬送装置による物品400の移載中であるか否かなど)を判定する(ステップS3)。なお、制御部220は、通信部210を介して搬送装置との間で各種データ(例えば搬送装置の現在位置、動作状況などを示すデータ)を送受信しており、このデータに基づいて、搬送装置が物品400を保持しているか否かを判断する。
【0033】
制御部220は、特定搬送装置(第1搬送装置101)が物品を保持していると判定した場合は(ステップS3のYES)、ステップS5の処理に移行する。一方、制御部220は、特定搬送装置(第1搬送装置101)が物品を保持していないと判定した場合は(ステップS3のNO)、隔離領域(第1領域301)内の収容棚50に物品400が収納されているか否かを判定する(ステップS4)。なお、記憶部230は、物品400の収納場所に関するデータを記憶している。制御部220は、物品400の収納場所に関するデータを記憶部230に対して更新して管理している。
【0034】
制御部220は、隔離領域(第1領域301)内の収容棚50に物品400が収納されていると判定した場合は(ステップS4のYES)、ステップS5の処理に移行する。制御部220は、隔離領域(第1領域301)内の収容棚50に物品400が収納されていないと判定した場合は(ステップS4のNO)、ステップS7の処理に移行する。
【0035】
ステップS5において、制御部220は、残存搬送装置(第2搬送装置102)が移載可能な収容棚50に、物品400の搬送を特定搬送装置(第1搬送装置101)に対して指示する。特定搬送装置(第1搬送装置101)は、制御装置200から指示された収容棚50の物品400を、指示された移送先の収容棚50に移送させる動作を行う。
【0036】
ここで、ステップS4、ステップS5について説明する。図5は、休止モード中の物品400の移送を説明するための自動倉庫1の平面図である。図6は、休止モード中の物品400の移送を説明するための自動倉庫1の側面図である。
【0037】
図5及び図6に示すように、隔離領域内の収容棚50に物品400が収納されている。また、第1操作部4Aが、第1搬送装置101の退避指示を制御部220に送信した場合は、第1領域301が隔離領域となり、第1領域301内の収容棚50に収容された物品400が対象となる。従って、制御部220は、ステップS4において、隔離領域内の収容棚50に物品400が収納されていると判定し(ステップS4のYES)、残存搬送装置(第2搬送装置102)が移載可能な(第2搬送装置102の稼働範囲内の)収容棚50に物品400の搬送を特定搬送装置(第1搬送装置101)に指示する(ステップS5)。
【0038】
制御部220は、第2搬送装置102の稼働範囲にある収容棚50のうち、空いている収容棚50を確認して移送先を決定し、この収容棚50に物品400の移送を第1搬送装置101に指示する。なお、移送先の収容棚50は、第2搬送装置102の稼働範囲内において空いていれば任意に設定可能である。ただし、例えば下段にある収容棚50など、第2搬送装置102がアクセスしやすい収容棚50を選択して移送先として決定してもよい。
【0039】
図4に戻り、制御部220は、特定搬送装置(第1搬送装置101)による物品400の搬送が完了したか否かを判定する(ステップS6)。制御部220は、特定搬送装置による物品400の搬送が完了したと判定した場合は(ステップS6のYES)、特定搬送装置(第1搬送装置101)を隔離領域(第1領域301)に退避させる(ステップS7)。特定搬送装置は、制御部220からの指示に従って、隔離領域(第1領域301)に移動する。なお、制御部220は、物品400の搬送が完了していないと判定した場合は(ステップS6のNO)、ステップS6が繰り返される。なお、上記したステップS3、S4、またはステップS5、S6のいずれか一方は省略することができる。
【0040】
制御部220は、特定搬送装置(第1搬送装置101)の隔離領域(第1領域301)への退避が完了したか否かを判定する(ステップS8)。制御部220は、特定搬送装置の隔離領域への退避が完了したと判定した場合は(ステップS8のYES)、一旦、全ての搬送装置101,102の駆動を停止させる(ステップS9)。これにより、作業者が外側パネル2の内部空間2Sに進入しても作業者の安全が確保される。制御部220は、退避が完了していないと判定した場合は(ステップS8のNO)、ステップS8が繰り返される。
【0041】
作業者は、隔離領域側(第1領域301側)の第1開閉扉31A〜33Aまたは第1引出棚21Aのいずれかから内部空間2Sに入り、レール6上に第1ストッパ71A,72Aを設置し、さらに、隔離領域の一部を覆うように第1ケージ9Aを設置する(ステップS10)。制御部220は、第1ストッパ検知部81A,82Aが第1ストッパ71A,72Aを検知したか否かを判定する(ステップS11)。制御部220は、第1ストッパ検知部81A,82Aが第1ストッパ71A,72Aを検知したと判定した場合は(ステップS11のYES)、第1ケージ検知部10Aが第1ケージ9Aを検知したか否かを判定する(ステップS12)。
【0042】
制御部220は、第1ケージ検知部10Aが第1ケージ9Aを検知したと判定した場合は(ステップS12のYES)、搬送装置の動作モードを隔離モードに移行させるとともに、隔離領域を除いた領域(第2領域302、第3領域303)において残存搬送装置(第2搬送装置102)の駆動を再開させる(ステップS13)。制御部220は、非接触給電装置250に対して、隔離領域を除いた領域を給電エリアとして給電を開始し、残存搬送装置の稼働を再開させる。なお、制御部220は、第1ストッパ検知部81A,82Aが第1ストッパ71A,72Aを検知しない場合(ステップS11のNO)、または、第1ケージ検知部10Aが第1ケージ9Aを検知しない場合(ステップS12のNO)は、ステップS11、S12が繰り返される。なお、ステップS11、S12は、いずれか一方または双方が省略されてもよい。この場合、ステップS10〜ステップS13に移行する。
【0043】
ここで、隔離モードについて説明する。図7は、隔離モードを説明する自動倉庫1の平面図である。図8は、隔離モードを説明する自動倉庫1の側面図である。図7及び図8に示すように、隔離領域側に第1ストッパ71A,72A及び第1ケージ9Aが設置された状態で、残存搬送装置(第2搬送装置102)は、隔離領域を除いた第2領域302及び第3領域303を稼働範囲として物品400の移送を再開する。
【0044】
従って、作業者が隔離領域において特定搬送装置のメンテナンスなどを行っている間においても、残存搬送装置(第2搬送装置102)は、制御部220からの動作の指示に基づいて、物品400の搬送作業を行うことができ、稼働率の低下を抑制できる。また、第1ストッパ71A,72Aにより、誤って残存搬送装置(第2搬送装置102)が隔離領域に進入するのを防止できる。また、第1ケージ9Aにより、落下物等から作業者を保護することができる。なお、隔離領域に対応する第1開閉扉31A〜33A及び第1引出棚21A(関連開閉扉)は、いずれも隔離モードにおいて監視対象から除外され、開状態となってもインターロックの対象とはならない。
【0045】
図4に戻り、制御部220は、残存搬送装置(第2搬送装置102)の稼働中において、隔離領域に対応しない第2開閉扉31B〜33B及び第2引出棚21B(非関連開閉扉)が開状態になったか否かを判定する(ステップS14)。制御部220は、第2監視部35B〜37Bまたは第2引出棚監視部20Bからの検知信号に基づいて判定する。
【0046】
制御部220は、非関連開閉扉が開状態であると判定した場合(ステップS14のYES)、残存搬送装置(第2搬送装置102)の駆動を停止させる(ステップS15)。すなわち、制御部220は、非接触給電装置250に対して、隔離領域を除いた領域に対応する給電エリアに対する給電を停止させることにより、残存搬送装置の駆動を停止させる。これにより、作業者の安全性が確保される。なお、制御部220は、非関連開閉扉が開状態でないと判定した場合(ステップS14のNO)、残存搬送装置(第2搬送装置102)の稼働を継続する。
【0047】
作業者によるメンテナンスなどが終了すると、作業者は、例えば、第1操作部4Aを操作して搬送装置の動作モードを運用モードに設定する。これにより、第1及び第2搬送装置101,102は、ともに通常の運用(稼働)が開始される。このとき、監視対象から除外されていた第1開閉扉31A〜33A及び第1引出棚21A(関連開閉扉)は、いずれも監視対象となり、いずれかが開状態となるとインターロックにより第1及び第2搬送装置101,102の稼働が停止される。
【0048】
このように、本実施形態によれば、第1または第2搬送装置101、102のいずれか一方のメンテナンス等を行うときに、対象の搬送装置が保持している物品400、及び/又は対象の搬送装置の隔離領域に対応する収容棚50に収容されている物品400を、残った搬送装置が移載可能な収容棚50に搬送するので、搬送不能となる物品400が生じるのを回避でき、部分的なインターロックを適用しつつ、自動倉庫1の稼働率を向上させることができる。なお、上記した実施形態では第1搬送装置101を隔離対象として説明したが、第2搬送装置102を隔離対象とする場合についても同様の制御が実行される。この場合、特定搬送装置が第2搬送装置102となり、残存搬送装置が第1搬送装置101となる。
【0049】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更は可能である。例えば、上記した実施形態では2台の搬送装置が使用されるが、3台以上の搬送装置が使用されてもよい。この場合、複数台の搬送装置のうちの1台が特定搬送装置となり、残りの搬送装置が残存搬送装置となる。また、上記した実施形態において、自動的にストッパ及び/又はケージを設置可能なものでは、これらストッパ及び/又はケージは、例えば、制御部220からの信号に基づいて設置されてもよい。
【0050】
また、上記した実施形態において、第1及び第2搬送装置101,102は、床面に設置されたレール6に沿って走行するものであったが、天井に設けられたレールに沿って走行する天井走行車、又はレール等がない無軌道走行車などであってもよい。また、複数の自動倉庫1が1つの軌道(レール6)に接続され、複数の搬送台車を共有するものでもよい。この場合、搬送台車が別の自動倉庫1内に入る際は、その自動倉庫1内で稼働中の搬送台車の稼働を停止させてもよい。
【0051】
また、上記した実施形態では、第1又は第2搬送装置101、102をメンテナンスする場合を例としているが、Nパージシステム又は自動倉庫1に組み込みされているソータなどの各種装置をメンテナンスする場合についても同様である。この場合、第1及び第2搬送装置101、102は、メンテナンス対象の装置を含んだ領域から退避し、この領域を除いた範囲で稼働を継続する。これにより、メンテナンス作業者は、第1及び第2搬送装置101、102から隔離される。
【符号の説明】
【0052】
1…自動倉庫、2…外側パネル、2S…内部空間、6…レール(軌道)、9A…第1ケージ(ケージ)、9B…第2ケージ(ケージ)、10A…第1ケージ検知部(ケージ検知部)、10B…第2ケージ検知部(ケージ検知部)、21A…第1引出棚(開閉扉)、21B…第2引出棚(開閉扉)31A〜33A…第1開閉扉(開閉扉)、31B〜33B…第2開閉扉(開閉扉)、50…収容棚、71A,72A…第1ストッパ(ストッパ)、71B,72B…第2ストッパ(ストッパ)、81A,82A…第1ストッパ検知部(ストッパ検知部)、81B,82B…第2ストッパ検知部(ストッパ検知部)、101…第1搬送装置(搬送装置、特定搬送装置又は残存搬送装置)、102…第2搬送装置(搬送装置、特定搬送装置又は残存搬送装置)、200…制御装置、220…制御部、230…記憶部、301…第1領域(隔離領域)、302…第2領域(隔離領域)、400…物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8