(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている自給電力式の交通標識を始めとして、従来は電力配線ケーブルを通じて外部の電源から電力を供給していた多くの電気機器で、太陽電池を併設した電力自給式の製品が開発されている。これらの製品では、共通して外観の環境調和性が課題となっている。すなわち、メガソーラーなどの専用施設に設置されていて人目に触れることがない太陽電池とは異なり、電力自給式の電気機器に搭載される太陽電池の多くは身近な生活空間で使用されるために、人の感性に馴染むデザイン性を有することが求められる。太陽電池の外観色は濃紺色や黒色の単一色である上に、光照射面を露出させる必要があるために、電気機器に太陽電池をそのまま併設してしまうと外観を周囲の環境に調和させることができない。そこで、特許文献2では、装飾具と太陽電池モジュールを一体化することで外観を環境に調和させる技術が開示されている。
【0006】
特許文献2に開示されている構成では、太陽電池での発電量と装飾具による意匠性を両立することで外観を環境に調和させる効果が得られる。しかし、特許文献2でこの効果が得られるのは、太陽光、太陽電池モジュール、観察者の位置関係が一定の条件を満たす場合であり、交通標識の用途で想定される位置関係では効果を得ることができなかった。
【0007】
本発明は太陽電池による発電量、表示する像の視認性、外観の環境調和性を高い水準で両立可能とし、交通標識等に適切な情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため、以下の構成要件を有することを特徴としている。
観察者の上方に位置して使用される情報表示装置であって、
上下方向に隣り合って配列された複数の単位表示部を備え、
前記単位表示部は、
観察者に観察させる像を表示する表示部と、
前記表示部の下方に位置する太陽電池部と、
前記表示部及び前記太陽電池部の観察者側に配置されたレンズと、を備え、
少なくとも1つの前記単位表示部は、下記条件式(1)を満たすことを特徴とする。
f>x*a/(c+h) ・・・(1)
ただし、
f:前記レンズの焦点距離
a:前記情報表示装置を視認可能とする最長距離
x:前記レンズ主軸位置から前記表示部と前記太陽電池部の境界位置までの距離
c:観察者の視点位置から前記情報表示装置下端位置までの高さ
h:前記情報表示装置内での観察対象となる前記単位表示部の高さ
【0009】
さらに本発明に係る情報表示装置において、
少なくとも1つの前記単位表示部は、下記条件式(2)を満たすことを特徴とする。
f<D*b/(c+h) ・・・(2)
ただし、
b:前記情報表示装置を視認可能とする最短距離
D:前記レンズ主軸から前記表示部上端までの距離
【0010】
さらに本発明に係る情報表示装置において、
隣り合う前記単位表示部の間には反射面が形成されていることを特徴とする。
【0011】
さらに本発明に係る情報表示装置において、
少なくとも1つの前記単位表示部は、下記条件式(3)を満たすことを特徴とする。
f<(2D−x)*b/(c+h) ・・・(3)
ただし、
b:前記情報表示装置を視認可能とする最短距離
D:前記レンズ主軸から前記表示部上端までの距離
【0012】
さらに本発明に係る情報表示装置において、
少なくとも1つの前記単位表示部は、下記条件式(4)を満たすことを特徴とする。
f+D/tanφ>M>f−D/tanφ ・・・(4)
ただし、
M:観察側への前記反射面の突出量
tanφ=(c+h)/b
b:前記情報表示装置を視認可能とする最短距離
【0013】
さらに本発明に係る情報表示装置は、
複数の前記単位表示部間で、前記表示部の高さと前記太陽電池部の高さの比率が異なることを特徴とする。
【0014】
さらに本発明に係る情報表示装置は、
複数の前記単位表示部間で、前記レンズの光学特性が異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る情報表示装置によれば、太陽電池による発電量と、表示する像の視認性と、外観の環境調和性を高い水準で両立することが可能となる。特に道路交通法等、所定のガイドラインに準拠した視認性を確保しつつ、太陽電池による発電が可能となっている。さらに、交通標識と太陽電池を同一面に設けることにより所要面積が低減できることで、
強風時の耐風性能の改善を図ることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る交通標識装置(情報表示装置)の配置の様子を示したものである。本実施形態では、本発明に係る情報表示装置を交通標識装置1に適用した場合について説明する。
図1に示されるように交通標識装置1は、道路2の上方に配置され、車両のドライバー(観察者)に対して各種情報を提供する。観察者は観察対象となる交通標識装置1に対し仰角をもって見上げる形態で、各種情報を視認することとなる。本実施形態では、情報表示装置について、交通標識装置1を例にとって説明を行うが、本発明に係る情報表示装置は、見上げる観察形態であれば、この交通標識装置1に限ることなく、各種標識装置に適用することが可能である。
【0018】
図2には、本発明の実施形態に係る交通標識装置1の正面図、断面図が示されている。
図2(A)は、交通標識装置1の正面図、すなわち、観察者側からみたときの交通標識装置1の様子であり、
図2(B)は、
図2(A)中、G−G間の断面図である。図に示すように、表示面をXY平面にとり、観察者の視認する方向をZ軸の正の方向にとっている。
【0019】
本実施形態の交通標識装置1は、
図1で説明したように道路上に設置され、ドライバーに対して各種情報を視認させる表示体である。そのため、交通標識装置1の前面側(観察者側)からは、情報としての絵柄が視認可能となっている。本実施形態の交通標識装置1は、このような情報伝達機能に加え、太陽光等、受光した光による発電機能を備えたものとなっている。交通標識装置1は、複数の単位表示部11a〜11pを備えている。図に示されるように単位表示部11a〜11pは、上下方向(Y軸方向)に隣り合わせて配置され、各単位表示部11a〜11pは、情報伝達機能と発電機能を有して構成されている。なお、図に示す交通標識装置1は、模式的に示したものであり、交通標識装置1内における単位表示部11a〜11pの数、高さ等は実情に応じて適宜形態が使用される。
【0020】
図2(B)に示される断面図に示されるように、単位表示部11aは、レンズ12aと、表示部13a、太陽電池部14aを備えている。表示部13aには、印刷、塗装などによる図柄が形成されている。表示部13aは、このような形態に代え、LED、液晶表示装置などの能動素子により図柄を形成可能な形態を採用することも可能である。太陽電池部14aは、太陽光等の光を受光して発電を行う部材である。太陽電池部14aの表面は、暗色で形成されており、図柄を表示することはできない。
図2(A)の正面図は、観察者による観察像を示した模式図であり、便宜上、太陽電池部14aの位置についても図柄を示したものとなっている。
【0021】
本実施形態の交通標識装置1は、観察者が見上げて観察する形態であるため、表示部13aは太陽電池部14aの上に隣り合って配置されている。表示部13aと太陽電池部1
4aの前面(観察者側)には、視認効果、並びに、発電効果を高めるためのレンズ12aが配置されている。レンズ12aは、表示部13aから出射される表示光を適切な方向へ射出することで観察者に対する視認効果を高めるとともに、入射する光を太陽電池部14aに集光することで発電効果を高めることを可能としている。
【0022】
本実施形態の交通標識装置1は、このような単位表示部11aを上下方向に隣り合って配置することで構成されている。なお、本実施形態では各単位表示部11a〜11pの構成(レンズ12の形状、表示部13と太陽電池部14の高さの比率等)は、同じものを使用している。各単位表示部11a〜11pの構成を同じにすることで、交通標識装置1の構造が簡易化され、製造上のコストを抑えるとともに、複数の大きさ、形状の交通標識装置1に対しての適用が容易となる。なお、各単位表示部11a〜11pの構成は、その位置によって異ならせることも可能である。このような応用形態については後述する。
【0023】
図3には、本発明の実施形態に係る観察者による交通標識装置1の観察形態が示されている。本実施形態の交通標識装置1は、車両3から観察する形態としている。交通標識装置1のある観察位置Pに対する観察は、車両3に乗車するドライバーの視点位置Oから仰角θで見上げる形態で行われる。視点位置Oから観察位置PまでのZ方向の距離をzとした場合、道路標識維持管理マニュアル(社団法人全国道路標識・標示業協会策定)では、所定距離以遠において交通標識装置1に表示される情報を判読可能とすることが必要とされている。車両3を運転する場合、交通標識を確認してからブレーキを踏んだ場合、交通標識に表示される注意、警報等の位置に間に合わないことがある。上述する交通標識の判読に関する規定では、このような状況を考慮し、所定距離以遠において交通標識を判読可能とする距離条件が設けられている。
【0024】
図5に示されるように、道路交通法(日本国)では、交通標識を判読可能とする距離が規定されている。各種道路区分、設計速度、車線数に応じて最長距離aと最短距離bが規定されている。本実施形態の交通標識装置1は、これら規定中最も長い最長距離a(107[m])と最も短い最短距離b(27[m])において、交通標識装置1を判読可能とすることが必要となる。そのため、交通標識装置1を構成する複数の単位表示部11a〜11p内において、少なくとも1つの単位表示部11a〜11pが、最長距離a、最短距離bにおいて視認可能であることが好ましい。交通標識装置1内の適宜箇所に位置する単位表示部11が視認可能とする所定の条件式(後述する)を満足する場合、ある程度の大きさ以内の交通標識装置1であれば、所定の条件式における許容範囲内となり、視認可能となることが予想される。本実施形態の交通標識装置1において、条件式を厳格に適用する場合、交通標識装置1の下端において、条件式を満たすようにすればよい。交通標識装置1の下端では、観察位置Pを見上げる仰角θが最も大きくなり、条件式における最も厳しい条件となる。したがって、交通標識装置1の下端で、条件式を満たす場合、交通標識1内の全ての単位表示部11で条件式を満たすこととなり、視認性能の向上が図られる。なお、最長距離a、最短距離b等、設計上の各種値は、情報表示装置1を使用する国(米国、中国、欧州各国等)の規定あるいは法律等に準拠して定めることが可能である。
【0025】
本実施形態では、日本国での仕様にあわせた形態となっており、観察者の視点位置の高さiが2[m]、路面から交通標識装置1の下端までの高さgを5[m]、交通標識装置1の高さeを0.6[m]として設定している。したがって、視点位置Oから交通標識装置1の下端までの高さcは、g−i(3[m])となる。また、本実施形態にでは、交通標識装置1内の観察位置Pについて、交通標識装置1の下端からの高さをhとして取り扱うこととする。
【0026】
図4には、本発明の実施形態に係る単位表示部11の断面図が示されている。
図2において説明したように、単位表示部11は、表示部13、太陽電池部14、レンズ12を備
えている。
図3で説明したように、表示部13に表示された図柄を効果的に観察する、言い換えると、太陽電池部14の暗色表面がなるべく観察されないようにするには、表示部13から射出される光線が、観察者側に届くように仰角θを形成すればよい。すなわち、表示部13の下端に対する仰角θ1、表示部13の上端に対する仰角θ2の範囲内であればよい。
【0027】
このような条件を数式でもって表すと以下の条件式が導き出せる。まず、
図3の関係から仰角θは、以下のように示される。
tanθ=(c+h)/z
図5で説明したように、道路標識維持管理マニュアル(社団法人全国道路標識・標示業協会策定)で規定される最長距離はa(日本国の場合107[m])であるため、仰角θの下限θ1は、単位表示部11の光学構成との関係から、以下の関係が必要となる。ここで、fはレンズ12の焦点距離、xはレンズ主軸12aから表示部13と太陽電池部14の境界位置までの距離をいう。なお、焦点距離fはレンズ12の開口絞りの中心から表示基準面Aまでの距離とする。レンズ12にシリンドリカルレンズ(もしくはレンチキュラーレンズ)を使用する場合は、レンズ12を構成する凸面を開口絞りと考え、当該凸面の中心位置が開口絞りの中心となる。また、開口絞りから表示基準面Aの間に光学要素を設ける場合は、像側、すなわち、表示基準面A側からみた開口絞りの像、すなわち射出瞳の中心から表示基準A面までの距離とすればよい。
tanθ1=(c+h)/a>x/f
【0028】
この式を書き換えると、レンズ12の焦点距離fについて、以下に示す条件式(1)が成立する。
f>x*a/(c+h) ・・・(1)
ただし、
f:レンズ12の焦点距離
a:交通標識装置1を視認可能とする最長距離
x:レンズ主軸12aの位置から表示部13と太陽電池部14の境界位置までの距離
c:観察者の視点位置Oから交通標識装置1の下端位置までの高さ
h:交通標識装置内での観察対象となる単位表示部11の高さ
【0029】
一方、
図5に示されるように道路標識維持管理マニュアル(社団法人全国道路標識・標示業協会策定)で規定される最長距離はb(日本国の場合27[m])であるため、仰角θの上限θ2は、単位表示部11の光学構成との関係から、以下の関係が必要となる。
tanθ2=(c+h)/b<D/f
【0030】
この式を書き換えると、レンズ12の焦点距離fについて、以下に示す条件式(2)が成立する。
f<D*b/(c+h) ・・・(2)
ただし、
b:交通標識装置1を視認可能とする最短距離
D:レンズ主軸12aから表示部13の上端までの距離
【0031】
少なくとも条件式(1)を満足することにより、最長距離aにおいて太陽電池部14による発電量と、表示部13に表示される像の視認性に優れた交通標識装置1を提供することが可能となる。さらに、条件式(2)を満足することで、最短距離bにおいても太陽電池部14による発電量と、表示部13に表示される像の視認性に優れた交通標識装置1を提供することが可能となる。
【0032】
本実施形態の交通標識装置1は、
図2で説明したように複数の単位表示部11a〜11
pを上下方向に配列することで構成されている。
図4では1つの単位表示部11を例にとって説明を行ったが、実際には、複数の単位表示部11a〜11pが配列されているため、隣り合う単位表示部11a〜11p間で光学的な干渉が発生することが考えられる。このような光学的干渉は、例えば、単位表示部11fの表示部13fを観察すべきところ、隣り合う単位表示部11eの太陽電池部14eを観察してしまうことで、観察する像に歪みが生じる、あるいは、単位表示部11eの太陽電池部14eに入射すべき光が、隣り合う単位表示部11fの表示部13fに入射することで発電効率が低下してしまうことが考えられる。
【0033】
このような光学的な干渉を抑制するため、本発明の他の実施形態に係る交通標識装置1では、隣り合う単位表示部11a〜11pの間に反射面を形成したことを特徴としている。
図6には、反射面を有する交通標識装置1について、
図4と同様、単位表示部11の断面図が示されている。
【0034】
単位表示部11が、レンズ12、表示部13、太陽電池部14を備えて構成される点は、
図4の実施形態と同様である。本実施形態では、隣り合う単位表示部11a〜11pの間に反射面が形成されている点において異なっている。レンズ12の上面と下面に反射面Bが形成されている。反射面Bは、表示部13、太陽電池部14の表面である表示基準面Aから観察側(Z軸の負の方向)に、突出量Mだけ突き出して形成されている。本実施形態では、ミラー隔壁15を配置することで反射面15を形成している。なお、レンズ12の上面に位置するミラー隔壁15の上面は、この単位表示部11の上方に隣り合って位置する他の単位表示部11の下面側の反射面として機能する。同じように、レンズ12の下面に位置するミラー隔壁15の下面は、この単位表示部11の下方に隣り合って位置する他の単位表示部11の上面側の反射面として機能する。反射面Bの形成は、ミラー隔壁15等の反射部材を配置する形態の他、レンズ12の表面に金属膜を蒸着する表面加工を施す等、各種形態で行うことが可能である。図中、ミラー隔壁15は、Y方向に関する厚みを有しているが、実際には、できる限り薄く形成することが好ましい。
【0035】
このように、レンズ12の上面と下面に反射面を設けた形態では、表示部13の表示範囲(仰角θ)の拡大を図ることが可能である。仰角の下限値θ1については、
図4で説明した形態と同様であり、条件式(1)を満たすことが必要となる。仰角の上限値θ2については、レンズ12の上面側の反射面Bによって拡大が図られたものとなっている。具体的には、反射面Bを設けたことで、表示部13と太陽電池部14の境界位置をレンズ12の上面に関して対称となる位置が、表示部13から出射される光の上限位置となる。したがって、反射面Bを設けた場合の仰角θの上限θ2は、単位表示部11の光学構成との関係から、以下の関係が必要となる。
tanθ2=(c+h)/b<(2D−x)/f
【0036】
この式を書き換えると、レンズ12の焦点距離fについて、以下に示す条件式(3)が成立する。
f<(2D−x)*b/(c+h) ・・・(3)
ただし、
b:交通標識装置1を視認可能とする最短距離
D:レンズ主軸12aから表示部13の上端までの距離
【0037】
このように、レンズ12の上面と下面に反射面を設けたことで、レンズ12の上面に位置する反射面Bは、表示部13の光学的拡大機能として作用する。さらに、レンズ12の下面に位置する反射面Bは、太陽電池部14の集光拡大機能として作用することとなる。ただし、反射面Bの突出量Mには、下限と上限が必要となる。具体的には、レンズ12の上面に位置する反射面Bについて突出量Mの下限が規定される。すなわち、反射面Bの突
出量Mを短くし過ぎると、表示部13の下端位置から出射された光が反射面Bで反射されず、観察者とは異なる方向(上方)に射出されることとなる。
【0038】
図7には、本発明の他の実施形態に係る単位表示部について、反射面の突出量M(下限)を説明するための図が示されている。反射面の突出量Mの下限は、表示部13と太陽電池部14の境界位置から出射された光が、反射面Bで反射されることが条件となる。この光線がレンズ主軸12aと形成する角度をφとすると、Mの下限は、以下の条件式(4−1)で表すことができる。
M>f−D/tanφ ・・・(4−1)
ここで、角度φは、条件式(2)で規定する最短距離bの仰角条件を満たす必要がある。したがって、
tanφ=(c+h)/b
b:交通標識装置1を視認可能とする最短距離
となる。
【0039】
図8には、本発明の他の実施形態に係る単位表示部について、反射面の突出量M(上限)を説明するための図が示されている。反射面の突出量Mの上限は、最も上方から出射される表示部13の光(反射面Bで反射された光)が、下方に位置する反射面Bで遮蔽されないことが条件となる。この光線がレンズ主軸12aと形成する角度をφとすると、Mの上限は、以下の条件式(4−2)で表すことができる。
M<f+D/tanφ ・・・(4−2)
ここで、tanφについては、条件式(4−1)と同様である。
【0040】
したがって、条件式(4−1)と条件式(4−2)満たす必要があり、両条件式をあわ
せると、以下の条件式(4)が成立する。
f+D/tanφ>M>f−D/tanφ ・・・(4)
ただし、
M:観察側への反射面の突出量
tanφ=(c+h)/b
b:交通標識装置1を視認可能とする最短距離
【0041】
反射面Bを設けた場合、このような突出量Mの関係を形成することで、観察者に対して表示部13が形成する像を適切に視認可能にするとともに、太陽電池部14における集光性能の向上を図り発電量の増加を図ることが可能となる。
【0042】
以上、本発明の実施形態に係る交通標識装置1(情報表示装置)について説明を行ったが、本発明の交通標識装置1によれば、太陽電池部14による発電量、表示する像の視認性、並びに、外観の環境調和性を高い水準で両立することが可能となる。
【0043】
本実施形態では、同じ構成の単位表示部11を複数配置した交通標識装置1について説明を行ったが、交通標識装置1内に配置する単位表示部11の構成は、その位置(高さ)に応じて異ならせることとしてもよい。すなわち、交通標識装置1内に配置される複数の単位表示部11内で、異なる構成を有する単位表示部11が存在することとしてもよい。例えば、表示部13の高さと太陽電池部14の高さの比率を、交通標識装置1の高さ位置(
図3のh)に応じて異ならせることで、表示部13の視認性、並びに、太陽電池部14の集光性能の向上を図ることが可能である。また、単位表示部11の構成は、交通標識装置1の高さ位置hに応じて、レンズ12の焦点距離f、レンズ12の高さ2D等、レンズ12の光学特性を異ならせることとしてもよい。この場合も同様に、表示部13の視認性、並びに、太陽電池部14の集光性能の向上を図ることが可能となる。特に、情報表示装置1内の単位表示部11の構成が異なる場合、各単位表示部11において、上述した各種
条件式を満たすことで、視認性の向上、並びに、太陽電池部14の集光性能の向上を図ることが可能となる。
【0044】
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。