特許第6238034号(P6238034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238034
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】充電制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 11/18 20060101AFI20171120BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20171120BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20171120BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20171120BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20171120BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B60L11/18 A
   B60L1/00 L
   H02J7/00 P
   H02J7/34 B
   H02J7/10 B
   B60R16/04 S
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-244762(P2016-244762)
(22)【出願日】2016年12月16日
(62)【分割の表示】特願2013-113450(P2013-113450)の分割
【原出願日】2013年5月29日
(65)【公開番号】特開2017-73972(P2017-73972A)
(43)【公開日】2017年4月13日
【審査請求日】2016年12月16日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年1月24日、全国の三菱自動車販売株式会社の各ショールーム
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 修平
(72)【発明者】
【氏名】新里 幸浩
(72)【発明者】
【氏名】矢倉 洋史
【審査官】 清水 康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−086060(JP,A)
【文献】 特開2011−193598(JP,A)
【文献】 特開2003−037903(JP,A)
【文献】 特開2010−098897(JP,A)
【文献】 特開2006−230102(JP,A)
【文献】 特開2012−061917(JP,A)
【文献】 特開2011−239641(JP,A)
【文献】 特開2014−011832(JP,A)
【文献】 特開2013−158134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 − 3/12
B60L 7/00 − 13/00
B60L 15/00 − 15/42
B60R 16/04
H02J 7/00
H02J 7/10
H02J 7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が備える走行用モータに電力を供給する走行用バッテリと、
車両が備える補機類に電力を供給する補機バッテリと、
前記走行用バッテリの電圧を降圧させて電力を前記補機バッテリに供給するためのDC/DCコンバータと、を具備する電動車両に搭載され、
前記DC/DCコンバータを介して供給される電力による前記補機バッテリの充電を制御する充電制御装置であって、
前記DC/DCコンバータの出力電圧を制御する電圧制御手段と、
前記補機バッテリの暖機時間を決定する暖機時間決定手段と、
前記電動車両のヘッドランプの点灯状態を判定する点灯状態判定手段と、を有し、
前記電圧制御手段は、前記暖機時間外には前記出力電圧が第1の電圧となるように制御し、前記暖機時間内には前記出力電圧が前記第1の電圧よりも高い第2の電圧となるように制御すると共に、
前記点灯状態判定手段によって前記ヘッドランプが点灯していると判定されると、前記暖機時間外での前記出力電圧を前記第1の電圧よりも低い第3の電圧となるように制御することを特徴とする充電制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の充電制御装置において、
前記電圧制御手段は、前記暖機時間内に、前記点灯状態判定手段によって前記ヘッドランプが点灯していると判定されると、前記暖機時間が終了する際に、前記出力電圧を前記第2の電圧から前記第3の電圧まで漸小させることを特徴とする充電制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の充電制御装置において、
前記点灯状態判定手段によって前記ヘッドランプが消灯したことが検出されると、
前記電圧制御手段は、前記出力電圧を前記第3の電圧から前記第1の電圧まで漸大させることを特徴とする充電制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両に搭載された各種補機類に電力を供給する補機バッテリの充電を制御する充電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の電動車両が多数実用化されている。このような電動車両は、走行用のモータを駆動させるための高圧の走行用バッテリと、各種補機に電力を供給するための低圧の補機バッテリとを備えている。また補機バッテリは、DC/DCコンバータを介して走行用バッテリに接続され、走行用バッテリから供給される電力によって適宜充電されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
走行用バッテリによる補機バッテリの充電方法は様々提案されているが、一般的には、走行用バッテリの出力電圧をDC/DCコンバータによって降圧させて補機バッテリに供給し、一定の電圧で補機バッテリを充電している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−85481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、補機バッテリはその温度によって充電のし易さ(充電受入性)が変化する。すなわち補機バッテリは、その温度が低いほど充電受入性が低くなる傾向にある。このため、一定の電圧(充電電圧)で補機バッテリを充電していると、補機バッテリの状態によっては十分に充電されない虞がある。
【0006】
また補機バッテリの電力は、例えば、室内灯やオーディオ機器或いはナビゲーション装置、さらには、ヘッドランプ等にも供給される。このため、一定の電圧で補機バッテリを充電する場合、DC/DCコンバータから出力される出力電圧(充電電圧)は、所定電圧よりも高くする必要がある。しかし、充電電圧が高すぎると、ヘッドランプを点灯させた際に明るくなり過ぎてしまう虞がある。
【0007】
一方で、DC/DCコンバータから出力される出力電圧(充電電圧)を常に低く抑えていると、補機バッテリを十分に充電することができず、バッテリ上がりを招く虞がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電動車両に搭載された補機バッテリを良好に充電してバッテリ上がりを抑制することができる充電制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、車両が備える走行用モータに電力を供給する走行用バッテリと、車両が備える補機類に電力を供給する補機バッテリと、前記走行用バッテリの電圧を降圧させて電力を前記補機バッテリに供給するためのDC/DCコンバータと、を具備する電動車両に搭載され、前記DC/DCコンバータを介して供給される電力による前記補機バッテリの充電を制御する充電制御装置であって、前記DC/DCコンバータの出力電圧を制御する電圧制御手段と、前記補機バッテリの暖機時間を決定する暖機時間決定手段と、前記電動車両のヘッドランプの点灯状態を判定する点灯状態判定手段と、を有し、前記電圧制御手段は、前記暖機時間外には前記出力電圧が第1の電圧となるように制御し、前記暖機時間内には前記出力電圧が前記第1の電圧よりも高い第2の電圧となるように制御すると共に、前記点灯状態判定手段によって前記ヘッドランプが点灯していると判定されると、前記暖機時間外での前記出力電圧を前記第1の電圧よりも低い第3の電圧となるように制御することを特徴とする充電制御装置にある。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様の充電制御装置において、前記電圧制御手段は、前記暖機時間内に、前記点灯状態判定手段によって前記ヘッドランプが点灯していると判定されると、前記暖機時間が終了する際に、前記出力電圧を前記第2の電圧から前記第3の電圧まで漸小させることを特徴とする充電制御装置にある。
【0011】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様の充電制御装置において、前記点灯状態判定手段によって前記ヘッドランプが消灯したことが検出されると、前記電圧制御手段は、前記出力電圧を前記第3の電圧から前記第1の電圧まで漸大させることを特徴とする充電制御装置にある。
【発明の効果】
【0012】
かかる本発明では、補機バッテリの状態に拘わらず、補機バッテリを良好に充電することができ、バッテリ上がりを防止することができる。例えば、補機バッテリの充電受入性が比較的低い暖機時間内においては、補機バッテリに供給される電圧を比較的高くすることで補機バッテリを良好に充電でき、且つ暗電流による補機バッテリの放電分も充電することができる。一方、補機バッテリの充電受入性が高まっている暖機時間外では、比較的低い電圧であっても、補機バッテリを良好に充電することができ、補機バッテリの充電不足を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る電動車両の概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る充電制御の一例を示すフローチャートである。
図4】補機バッテリの温度と暖機時間との関係の一例を示す図である。
図5】充電電圧の変化の一例を示す図である。
図6】ヘッドランプの端子電圧の変化の一例を示す図である。
図7】充電電圧の変化の他の例を示す図である。
図8】ヘッドランプの端子電圧の変化の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1に示すように、電動車両の一例である電気自動車1は、走行用モータ2を備え、この走行用モータ2は減速機3を介して駆動輪4に連結されている。また電気自動車1には、高電圧の走行用バッテリ(二次電池)5と、補機バッテリ6とが搭載されている。走行用バッテリ5はインバータ7を介して走行用モータ2に電気的に接続されており、走行用モータ2はこの走行用バッテリ5から供給される電力によって駆動される。補機バッテリ6は、各種補機類に電力を供給するためのものであり、例えば、補機の一つであるヘッドランプ8に電力を供給する。
【0016】
ここで、補機バッテリ6は、DC/DCコンバータ9を介して走行用バッテリ5に接続されている。DC/DCコンバータ9は、走行用バッテリ5の出力電圧を所定値まで降圧させて補機バッテリ6に供給するためのものである。またDC/DCコンバータ9は制御部(制御装置)10によって適宜制御される。
【0017】
本実施形態では、制御部10が備える充電制御部(充電制御装置)11がDC/DCコンバータ9を制御し、走行用バッテリ5の出力電圧を所定値まで適宜降圧させて補機バッテリ6に供給することで、補機バッテリ6の充電を実行する。
【0018】
充電制御部(充電制御装置)11は、図2に示すように、電圧制御手段12と、温度検出手段13と、暖機時間決定手段14と、を有する。電圧制御手段12は、DC/DCコンバータ9の出力電圧を制御する。すなわち電圧制御手段12は、DC/DCコンバータ9を適宜制御して、走行用バッテリ5の出力電圧を所定値(目標値)まで降圧させて補機バッテリ6に供給する。
【0019】
温度検出手段13は補機バッテリ6の温度を検出する。温度の検出方法は、特に限定されないが、本実施形態では、DC/DCコンバータ9に温度センサ20を設け、この温度センサ20によってDC/DCコンバータ9の内部温度を測定し、その測定値から補機バッテリ6の温度を推定している。勿論、補機バッテリ6自体の温度を直接検出するようにしてもよい。
【0020】
暖機時間決定手段14は、温度検出手段13の検出結果に応じて補機バッテリ6の暖機時間を決定する。ここで、補機バッテリ6は、その温度によって充電のし易さ(充電受入性)が変化する。すなわち補機バッテリ6は、その温度が低いほど充電受入性が低くなる傾向にある。そして「暖機時間」とは、例えば、電気自動車1の走行を開始してから補機バッテリ6が所望の特性(充電受入性)を示す状態に達するまでの時間であり、本実施形態では、補機バッテリ6の温度に基づいて推定(決定)される。上述のように温度検出手段13がDC/DCコンバータ9の内部温度から補機バッテリ6の温度を推定しており、暖機時間決定手段14は、この温度検出手段13の検出結果に基づき、所定のマップ等を参照して暖機時間を決定する。なお補機バッテリ6の暖機時間は、必ずしも補機バッテリ6の温度に基づいて決定しなくてもよい。
【0021】
そして電圧制御手段12は、暖機時間外、すなわち補機バッテリ6が所定温度以上である場合には、走行用バッテリ5の出力電圧が予め設定された第1の電圧まで降圧させて補機バッテリ6に供給されるように制御する。言い換えれば、DC/DCコンバータ9の出力電圧(充電電圧)が第1の電圧となるように制御する。この第1の電圧は、補機バッテリ6の性能等を考慮して適宜決定されればよいが、補機バッテリ6の充電に最適な電圧に設定されている。また暖機時間内、すなわち補機バッテリ6が所定温度よりも低い場合には、電圧制御手段12は、走行用バッテリ5の出力電圧が第1の電圧よりも高い第2の電圧まで降圧され補機バッテリ6に供給されるように制御する。言い換えれば、DC/DCコンバータ9の出力電圧(充電電圧)が第1の電圧よりも高い第2の電圧となるように制御する。
【0022】
これにより、補機バッテリ6の温度に拘わらず、補機バッテリ6を良好に充電することができ、バッテリ上がりを防止することができる。補機バッテリ6の充電受入性が比較的低い暖機時間内においては、補機バッテリ6に供給される電圧を比較的高い第2の電圧とすることで補機バッテリ6を良好に充電でき、且つ暗電流による補記バッテリの放電分も充電することができる。一方で、補機バッテリ6の充電受入性が高まっている暖機時間外では、充電に最適な第1の電圧とすることで、補機バッテリ6を良好に充電することができ且つ補機バッテリ6の充電不足を防止することができる。
【0023】
さらに本実施形態では、充電制御部11は、ヘッドランプ8の点灯状態を判定する点灯状態判定手段15を備えている。そして電圧制御手段12は、この点灯状態判定手段15によってヘッドランプ8が点灯していると判定され、且つ暖機時間外であれば、充電電圧が第1の電圧よりも低い第3の電圧となるように制御する。
【0024】
これにより、補機バッテリ6を良好に充電しつつ、ヘッドランプ8が点灯した際に過度に明るくなるのを抑制することができる。例えば、ヨーロッパの規格(ECE規格)では、定常状態(暖機時間外)におけるヘッドランプの端子電圧が制限されているが、上述のようにヘッドランプ8の点灯状態に応じてDC/DCコンバータ9の出力電圧(充電電圧)を制御することで、このような規格にも適応することができる。
【0025】
以下、本実施形態に係る充電制御部(充電制御装置)による補機バッテリの充電制御の一例について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0026】
イグニッションキーがONにされて車両の走行が開始される際には、まず、ステップS1で補機バッテリ6の暖機時間が決定される。具体的には、DC/DCコンバータ9の内部温度に基づいて補機バッテリ6の温度を推定し、その結果から、補機バッテリ6の温度と暖機時間との関係(図4参照)に基づいて、補機バッテリ6の暖機時間を決定する。例えば、図4に示すように、補機バッテリ6の温度がTe1である場合には、暖機時間をTaに決定することになる。
【0027】
その後、車両の走行が開始され、ステップS2で補機バッテリ6の暖機時間Taが経過したか否かを判定する。ここで、暖機時間Taを経過していない場合には(ステップS2:No)、ステップS3に進む。ステップS3では、DC/DCコンバータ9の出力電圧(充電電圧)が、第1の電圧よりも高い第2の電圧となるように制御される。これにより、例えば、図5に示すように、車両の走行開始から暖機時間Taが経過するまでは、充電電圧は第1の電圧Aよりも高い第2の電圧Bとなるように制御される。つまり暖機時間Taが経過するまでは、第2の電圧Bで補機バッテリ6の充電が継続される。
【0028】
補機バッテリ6の暖機時間Taが経過する際、すなわち暖機時間外になる際に(ステップS2:Yes)、ステップS4でヘッドランプ8が点灯しているか否かが判定される。ここで、ヘッドランプ8が点灯している場合には(ステップS4:Yes)、充電電圧が第1の電圧Aよりも低い第3の電圧Cとなるように制御される(ステップS5)。例えば、図5に示す例では、暖機時間中にヘッドランプ8が点灯されているため、暖機時間Taが経過すると、充電電圧は第2の電圧Bから第3の電圧Cに変化する。
【0029】
なおヘッドランプ8が点灯していない場合には(ステップS4:No)、ステップS6に進み、充電電圧が第2の電圧Bから、第3の電圧Cよりも高い電圧である第1の電圧Aに変化する。例えば、図5に示す例では、暖機時間Taを過ぎ、時間Tbにおいてヘッドランプ8が消灯されたことが検出されると、この時間Tbのタイミングで、充電電圧が第3の電圧Cから第1の電圧Aに変更される。なお図5に示す例で、暖機時間中にヘッドランプ8が消灯している場合、すなわち暖機時間Taが経過する際にヘッドランプ8が消灯している場合には、充電電圧は第2の電圧Bから第3の電圧Cに変化することなく、第1の電圧Aに変化することになる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態では、暖機時間内であるか否か、またヘッドランプ8が点灯しているか否かによって、DC/DCコンバータ9の出力電圧(充電電圧)を適宜変更するようにしたので、補機バッテリ6を良好に充電することができ、バッテリ上がりを抑制することができる。
【0031】
また本実施形態では、ヘッドランプが点灯しているか否かによって充電電圧の変更を行っている。このため、ヘッドランプの端子電圧も適切に制御される。図6は、上述したように充電電圧を変化させた際のヘッドランプの端子電圧の変化を示す図である。図6に示すように、ヘッドランプの端子電圧は、充電電圧の変更に伴って変化し、充電電圧よりも若干低い値を示し、暖機時間外においては、第3の電圧Cよりも若干低い値となる。したがって、第3の電圧Cを、所定の規格(例えば、ECE規格)に合わせて設定しておくことで、規格を満たしつつ、バッテリ上がりを抑制することができる。
【0032】
なお充電電圧を変更する際、充電電圧をあまり急激に変化させると、補機としてのヘッドランプ8やメータ(図示なし)においてグレア(眩しさ)の問題が生じる虞がある。このため、例えば、ヘッドランプ8の点灯に伴って充電電圧を変更する際には、図7に示すように、充電電圧を徐々に減少(漸小)させるようにすることが好ましい(時間Tc−Ta)。これにより、図8に示すように、ヘッドランプ8の端子電圧も徐々に減少する。したがって、ヘッドランプ8等におけるグレア(眩しさ)を効果的に抑制することができる。また上記制御に合わせて、ヘッドランプ8の消灯に伴って充電電圧を変更する際にも、充電電圧を徐々に増加(漸増)させるようにしてもよい。
【0033】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、勿論、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0034】
例えば、上述の実施形態では、ヘッドランプ8の点灯状態に応じて、DC/DCコンバータ9の出力電圧を変化させたが、ヘッドランプ8の点灯状態は検出しなくてもよい。暖機時間であるか否かによって充電電圧を変化させるだけでも、補機バッテリを良好に充電することができる。
【0035】
また上述の実施形態では、バッテリ上がりをより確実に抑制するために、暖機時間内である場合にはヘッドランプが点灯していても充電電圧を第2の電圧Bに維持するようにした。しかしながら、ヘッドランプのグレアをより確実に抑制したい場合には、暖機時間内であっても、ヘッドランプが点灯していることが検出されると、充電電圧を第2の電圧Bから第3の電圧Cに変更することが好ましい。この場合でも、暖機時間内の一部においては、充電電圧が第1の電圧よりも高い第2の電圧とすることで、勿論、バッテリ上がりも抑制することができる。
【0036】
また上述の実施形態では、電動車両の一例として走行用モータを備える電気自動車を一例として本発明を説明したが、勿論、本発明は、走行用バッテリと補機バッテリとを備えるあらゆる電動車両に適用することができ、例えば、走行用モータと共にエンジン(内燃機関)を備えるハイブリッド自動車等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 電気自動車(電動車両)
2 走行用モータ
3 減速機
4 駆動輪
5 走行用バッテリ
6 補機バッテリ
7 インバータ
8 ヘッドランプ
9 DC/DCコンバータ
10 制御部
11 充電制御部(充電制御装置)
12 電圧制御手段
13 温度検出手段
14 暖機時間決定手段
15 点灯状態判定手段
20 温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8