(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
潜像担持体の表面に摺接されるブレード本体と、前記ブレード本体の非摺接部分を支持するホルダー部とを具備するクリーニングブレードの梱包に用いるクリーニングブレードの梱包材であって、
前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の両端部をそれぞれ支持する1組の支持部本体と、
前記1組の支持部本体を連結する連結部と、
前記1組の支持部本体の間の空間であって、前記1組の支持部本体により支持され上下方向に複数個積層された前記クリーニングブレードを収納する収納部とを有し、
前記1組の支持部本体の一方の第1支持部本体は、前記複数個積層された前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の一方の端部を支持する、上下方向に延設されて上方が開放された溝からなる第1支持部を具備し、
前記1組の支持部本体の他方の第2支持部本体は、前記複数個積層された前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の他方の端部を支持する、上下方向に延設されて上方が開放された溝からなる第2支持部を具備することを特徴とするクリーニングブレードの梱包材。
前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部は、前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の何れかの端部に当接する当接面、又は前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の何れかの端部の厚さ方向に貫通させた穴部に挿通される挿通凸部であることを特徴とする請求項5に記載のクリーニングブレードの梱包材。
前記1組の支持部本体の前記一方の第1支持部本体は、前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記一方の端部を挿抜する第1挿抜口と、前記第1挿抜口と係合して前記複数個積層された前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記一方の端部を固定する第1係合固定部とを具備し、
前記1組の支持部本体の前記他方の第2支持部本体は、前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記他方の端部を挿抜する第2挿抜口と、前記第2挿抜口と係合して前記複数個積層された前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記他方の端部を固定する第2係合固定部とを具備することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のクリーニングブレードの梱包材。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて提案するものであり、再利用が可能であって、コスト性及び汎用性に優れ、収納率の向上を達成することが可能なクリーニングブレードの梱包材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一実施の形態に係るクリーニングブレードの梱包材は、潜像担持体の表面に摺接されるブレード本体と、前記ブレード本体の非摺接部分を支持するホルダー部とを具備するクリーニングブレードの梱包に用いるクリーニングブレードの梱包材であって、前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の両端部をそれぞれ支持する1組の支持部本体と、前記1組の支持部本体を連結する連結部と、前記1組の支持部本体の間の空間であって、前記1組の支持部本体により支持され上下方向に複数個積層された
前記クリーニングブレードを収納する収納部とを有し、前記1組の支持部本体の一方の第1支持部本体は、前記複数個積層された
前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の一方の端部を支持する、上下方向に延設されて上方が開放された溝からなる第1支持部を具備し、前記1組の支持部本体の他方の第2支持部本体は、前記複数個積層された
前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の他方の端部を支持する、上下方向に延設されて上方が開放された溝からなる第2支持部を具備することを特徴とする。
【0009】
上記一実施形態に係るクリーニングブレードの梱包材では、
前記第1支持部は、前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記一方の端部を受ける面を有し、前記第2支持部は、前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記他方の端部を受ける面を有してもよい。
【0010】
上記一実施形態に係るクリーニングブレードの梱包材では、
前記第1支持部は、前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記一方の端部を受ける前記面の少なくとも一部が水平面から傾斜した第1傾斜面であってもよく、前記第2支持部は、前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記他方の端部を受ける前記面の少なくとも一部が水平面から傾斜した第2傾斜面であってもよい。
【0011】
上記一実施形態に係るクリーニングブレードの梱包材では、
前記1組の支持部本体は、前記収納部に収納され前記複数個積層された前記クリーニングブレードの長手方向の動きを規制可能な構造を有してもよい。
【0012】
上記一実施形態に係るクリーニングブレードの梱包材では、
前記一方の第1支持部本体は、前記複数個積層された前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記一方の端部における前記クリーニングブレードの少なくとも一方の位置を決める第1位置決め部を具備してもよく、前記他方の第2支持部本体は、前記複数個積層された前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記他方の端部における前記クリーニングブレードの少なくとも一方の位置を決める第2位置決め部を具備してもよい。
【0013】
上記一実施形態に係るクリーニングブレードの梱包材では、
前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部は、前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の何れかの端部に当接する当接面、又は前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の何れかの端部の厚さ方向に貫通させた穴部に挿通される挿通凸部であってもよい。
【0014】
上記一実施形態に係るクリーニングブレードの梱包材では、
前記1組の支持部本体の前記一方の第1支持部本体は、前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記一方の端部を挿抜する第1挿抜口と、前記第1挿抜口と係合して前記複数個積層された前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記一方の端部を固定する第1係合固定部とを具備し、前記1組の支持部本体の前記他方の第2支持部本体は、前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記他方の端部を挿抜する第2挿抜口と、前記第2挿抜口と係合して前記複数個積層された前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記他方の端部を固定する第2係合固定部とを具備してもよい。
【0015】
上記一実施形態に係るクリーニングブレードの梱包材では、前記第1係合固定部は、前記複数個積層された
前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記一方の端部に対する対峙面の少なくとも一部に第1緩衝材を具備してもよく、前記第2係合固定部は、前記複数個積層された
前記クリーニングブレードの前記ホルダー部の前記他方の端部に対する対峙面の少なくとも一部に第2緩衝材を具備してもよい。
【0016】
上記一実施形態に係るクリーニングブレードの梱包材は、前記第1支持部及び前記第2支持部を閉塞する蓋体を有してもよい。
【0017】
上記一実施形態に係るクリーニングブレードの梱包材は、前記第1支持部及び前記第2支持部を閉塞する蓋体を有し、前記蓋体は、その長手方向の両端部に前記第1挿抜口と係合する前記第1係合固定部及び前記第2挿抜口と係合する前記第2係合固定部をそれぞれ具備してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、再利用が可能であって、コスト性及び汎用性に優れ、収納率の向上を達成することが可能なクリーニングブレードの梱包材を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明を各実施形態に基づいて詳細に説明する。以下の説明は本発明の一態様を示すものであって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更可能である。なお、各図において同一の符号を付した構成要素は、同一であるので適宜説明を省略する。また、符号中のアルファベット(a及びb)は、複数の同一の構成要素の説明の便宜上付したものであり、特に断りがない限り、符号中の数字が同一のものは同一の構成要素とする。
【0021】
また、
図1〜
図7、
図9〜
図11において、X,Y及びZは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をそれぞれ第1の方向X(X方向)、第2の方向Y(Y方向)及び第3の方向Z(Z方向)とし、X方向及びY方向は、各構成要素の面内方向を表し、Z方向は、各構成要素の高さ方向、厚み方向又は積層方向を表す。
【0022】
(実施形態1)
[1.クリーニングブレードの梱包材]
まず、本発明の第1の実施形態(以下、「実施形態1」という。)に係るクリーニングブレードの梱包材(以下、「梱包材」という。)について説明する。なお、詳細は後述するが、実施形態1では、
図8(a)、(b)に示すクリーニングブレード100を適用した。
【0023】
図1〜
図3及び
図4(a)、(b)に示すように、梱包材1は、硬質性樹脂からなる薄型の枠体であり、クリーニングブレード100の長手方向の両端をそれぞれ支持する1組の支持部本体10と、1組の支持部本体10を連結する連結部20と、1組の支持部本体10の間の空間である収納部30と、1組の支持部本体10の開口を閉塞する蓋体40とを有している。
【0024】
1組の支持部本体10は、それぞれ硬質性樹脂製の板材からなる一方の第1支持部本体10aと、他方の第2支持部本体10bとから構成されている。第1支持部本体10a及び第2支持部本体10bには、板材の厚さ方向(X方向)に貫通され、且つ上下方向(Z方向)に延設された溝である第1支持部11a及び第2支持部11bがそれぞれ形成されている。第1支持部11a及び第2支持部11bは、上方が開放されて第1挿抜口12a及び第2挿抜口12bが形成されている。第1支持部本体10a及び第2支持部本体10bでは、第1挿抜口12a及び第2挿抜口12bから、クリーニングブレード100のホルダー部102の長手方向の両端部104,105が挿入及び挿抜される。
【0025】
第1支持部11a及び第2支持部11bの底には、水平面である第1受け部13a及び第2受け部13bと、クリーニングブレード100のホルダー部102の形状に応じて水平面から傾斜した傾斜面14a,14bとが、それぞれ設けられている。また、第1支持部11a及び第2支持部11bでは、第1受け部13a及び第2受け部13bの一方の縁部から上方に向かって一方の側壁部16a,16bがそれぞれ延設され、傾斜面14a,14bの一方の縁部から上方に向かって他方の側壁部15a,15bがそれぞれ延設されている。
【0026】
第1支持部11a及び第2支持部11bでは、第1挿抜口12a及び第2挿抜口12bから、クリーニングブレード100のホルダー部102の両端部104,105が挿入されると、第1受け部13a及び第2受け部13bで受けて両端部104,105の一方の当接面110が支持され、傾斜面14a,14bで受けて両端部104,105の他方の当接面111が支持され、クリーニングブレード100の下方向(Z方向)の動きが規制される。また、第1挿抜口12a及び第2挿抜口12bから、両端部104,105が挿入されると、一方の側壁部15a,15bで受けてホルダー部102の上縁部108が支持され、他方の側壁部16a,16bで受けてホルダー部102の下縁部109が支持され、クリーニングブレード100の短手方向(Y方向)の動きが規制される。
【0027】
つまり、第1支持部11a及び第2支持部11bでは、クリーニングブレード100のホルダー部102の両端部104,105を、第1受け部13a及び第2受け部13b、傾斜面14a,14b並びに両側壁部15a,15b,16a,16bの四方向から支持して下方向(Z方向)及び短手方向(Y方向)の動きを規制することで、ホルダー部102の両端部104,105の位置決めを行う。これにより、クリーニングブレード100は、後述する収納部30内において、所定の姿勢で保持される。
【0028】
また、第1支持部11a及び第2支持部11bでは、所定の姿勢で保持されたクリーニングブレード100の上に、複数のクリーニングブレード100を積層させた場合、最下層のクリーニングブレード100の姿勢を引き継いで、複数のクリーニングブレード100が積層される。即ち、上述の通りに所定の姿勢で保持された最下層のクリーニングブレード100の上段に、他のクリーニングブレード100を重ねると、最下層のホルダー部102の表面の一部に、上段のクリーニングブレード100のブレード本体101の非摺接部分が当接される。なお、ブレード本体101の非摺接部分とは、クリーニングブレード100を画像形成装置(電子写真式複写機及びプリンタ、又はトナージェット式複写機及びプリンタ等)に用いた場合に、感光体ドラム等の潜像担持体(不図示)の表面に摺接しない部分のことである。
【0029】
そして、最下層のクリーニングブレード100と同様にして、上段のクリーニングブレード100のホルダー部102の両端部104,105が位置決めされ、順次積層された状態で収納部30に収納される。この時、下段のクリーニングブレード100(最下層のクリーニングブレード100も含む。)のブレード本体101における潜像担持体の表面への摺接部分と、上段に積層されたクリーニングブレード100のブレード本体101とは、ブレード本体101同士が接触しない状態で収納部30に収納される。
【0030】
第1支持部11a及び第2支持部11bの高さ方向(Z方向)の一方の端部17a,17bには、その厚さ方向(X方向)に貫通させて穴部18a,18bが凹設されている。連結部20は、その両端部21,22が穴部18a,18bとそれぞれ係合して固定されている。即ち、連結部20は、一方の第1支持部本体10aと他方の第2支持部本体10bとからなる1組の支持部本体10を連結している。また、詳細は後述するが、連結部20は、その長さL1(
図2参照)が梱包するクリーニングブレード100の長さL2(
図8(a)参照)よりも長くなるように形成(L1>L2)された硬質性樹脂製の板材からなる。
【0031】
梱包材1では、上述した通り、連結部20の長さL1が、クリーニングブレード100の長さL2よりも大きく形成されることで、第1支持部11a及び第2支持部11bと連結部20との内方に形成され、所定の姿勢で保持され積層されたクリーニングブレード100が収納される空間である収納部30が形成される。
【0032】
蓋体40は硬質性樹脂製の板材からなり、その下面41の両端部42,43には、第1支持部11a及び第2支持部11bの第1挿抜口12a及び第2挿抜口12bに対して着脱可能である第1係合固定部44及び第2係合固定部45が設けられている。また、第1係合固定部44及び第2係合固定部45における第1支持部11a及び第2支持部11bと対峙する面は、水平面である第1受け部13a及び第2受け部13bに対応した水平対峙面46,47と、クリーニングブレード100のホルダー部102の形状に応じて水平面から傾斜した傾斜対峙面48,49とが、それぞれ設けられている。更に、水平対峙面46,47及び傾斜対峙面48,49の全面には、スポンジ材からなる緩衝材50,51が接合されている。
【0033】
以上で説明した通り、梱包材1は、硬質性樹脂からなる薄型の枠体であるので、耐荷重性に優れており、梱包材1の取り扱いに伴う変形や破損等を防止することができる。これにより、梱包材1を回収して再利用することができ、クリーニングブレード100の梱包や運搬等に伴うコストを大幅に削減することができる。また、梱包材1の再利用が可能となるため廃棄量を低減することができ、廃棄に伴う環境負荷への影響を最小限に抑えると共に、廃棄コストも大幅に削減することができる。更に、梱包材1は、薄型の枠体であるので、原料となる硬質性樹脂の使用量を低減して製造することができ、梱包材1の製造コストを大幅に削減することができる。
【0034】
梱包材1は、主な構成要素として、クリーニングブレード100の長手方向の両端をそれぞれ支持する1組の支持部本体10と、1組の支持部本体10を連結する連結部20とがあり、基本的には、これらの構成要素によりクリーニングブレード100を支持することができる。そのため、梱包材1は、1組の支持部本体10における一方の第1支持部本体10a及び他方の第2支持部本体10bの第1支持部11a及び第2支持部11bの底の形状と、連結部20の長さとによって、支持することが可能なクリーニングブレードが決定される。
【0035】
つまり、実施形態1においては、クリーニングブレードの両端の形状が、第1支持部11a及び第2支持部11bの底の形状と合致、又は梱包材1で支持可能な程度に類似していれば、梱包材1を適用することができる。また、連結部20の長さは、梱包するクリーニングブレードの長さに応じて適宜変更することができるので、梱包材1は、様々な形態のクリーニングブレードに適用することができ、汎用性が高く有用である。また、梱包材1が汎用性に優れたものであることから、クリーニングブレードの梱包や運搬等に伴うコストを大幅に削減することができる。
【0036】
また、梱包材1は、一方の第1支持部本体10a及び他方の第2支持部本体10bに、第1支持部11a及び第2支持部11bが溝状にそれぞれ形成されているので、複数のクリーニングブレード100を上下方向(Z方向)に積層させることができる。また、積層の際には、下段のクリーニングブレード100(最下層のクリーニングブレード100を含む。)のブレード本体101における潜像担持体の表面への摺接部分と、上段に積層されたクリーニングブレード100のブレード本体101とは、ブレード本体101同士が接触しない状態で収納部30に収納されるので、ブレード本体101の摺接部分を損傷させることはない。
【0037】
梱包材1は、積層されたクリーニングブレード100を、その下方向(Z方向)及び短手方向(Y方向)の動きを規制した状態で、収納部30に収納して梱包することができる。これにより、梱包材1は、クリーニングブレード100の収納率を大幅に向上させることができ、また、梱包作業時や運搬時等における振動や衝撃等を軽減して、クリーニングブレード100の変形や破損等の発生を防止することができる。
【0038】
梱包材1は、上記クリーニングブレード100を収納部30に収納した後に、蓋体40の第1係合固定部44及び第2係合固定部45で、第1挿抜口12a及び第2挿抜口12bを閉塞することにより、その上方向(Z方向)の動きを規制することができる。これにより、梱包材1は、特に梱包作業時や運搬時等におけるクリーニングブレード100の飛び出しや、上下方向の不要な干渉を防止して、変形や破損等の発生を防止することができる。
【0039】
更に、梱包材1は、蓋体40の水平対峙面46,47及び傾斜対峙面48,49の全面に緩衝材50,51が接合されていることから、蓋体40の第1係合固定部44及び第2係合固定部45でクリーニングブレード100の両端を押圧した場合であっても、緩衝材50,51がクッションの役割を果たし、クリーニングブレード100の変形や破損等を防ぐことができる。
【0040】
[2.クリーニングブレードの梱包材の使用態様]
次に、梱包材1の使用態様について説明する。
図5〜
図7(a)、(b)に示すように、まず、梱包材1と、10本のクリーニングブレード100とを用意し、一方の第1支持部本体10aの第1支持部11aに、1本目のクリーニングブレード100のホルダー部102の端部104を差し込む。この時、第1支持部本体10aの第1受け部13aに端部104の当接面110が当接され、傾斜面14aに当接面111が当接され、両側壁部15a,16aで上縁部108及び下縁部109が当接され、端部104が第1支持部11aにより位置決めされる。
【0041】
同様にして、他方の第2支持部本体10bの第2支持部11bにより、ホルダー部102の端部105が位置決めされ、その状態で1本目のクリーニングブレード100が収納部30に収納される。次いで、2〜10本目のクリーニングブレード100を1本目のクリーニングブレード100の上段に順次積層していき、2〜10本目のクリーニングブレード100が収納部30に収納される。
【0042】
次に、第1挿抜口12a及び第2挿抜口12b(
図4(a)、(b)参照)に、蓋体40の第1係合固定部44及び第2係合固定部45を係合して閉塞する。この時、第1係合固定部44及び第2係合固定部45にそれぞれ係合された緩衝材50,51により、ホルダー部102の両端部104,105が押圧されて固定され、クリーニングブレード100の姿勢が固定される。これにより、梱包材1における積層されたクリーニングブレード100の梱包が完了する。
【0043】
[3.クリーニングブレード]
次に、梱包材1に適用可能なクリーニングブレードについて説明する。なお、当該クリーニングブレードは、後述する実施形態2,3においても適用することができる。また、本発明は、当該クリーニングブレード以外のクリーニングブレードであっても適用することができ、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におけるクリーニングブレードの変更は許容され得る。
【0044】
図8(a)、(b)に示すように、クリーニングブレード100は、感光体ドラム等の潜像担持体(不図示)の表面に摺接されるブレード本体101(これ自体を「クリーニングブレード」ともいう。)と、ブレード本体101の非摺接部分を支持するホルダー部102とを具備している。より詳細には、クリーニングブレード100は、ブレード本体101と、ブレード本体101の短手方向の一方の端部103に接着剤(不図示)を介して接合されたホルダー部102とを備えている。
【0045】
ブレード本体101は矩形状の板材からなり、潜像担持体の表面を傷つけることなく、当該表面に残存するトナーを除去清掃することができれば、板材の材質は特に限定されず、必要に応じて適宜選択することができる。例えば、ブレード本体101は、ゴム基材の成形体である弾性体で構成することができる。なお、ブレード本体101の形状は、適用する画像形成装置(電子写真式複写機及びプリンタ、又はトナージェット式複写機及びプリンタ等)に応じて適宜変更され、矩形状に限定されない。
【0046】
ホルダー部102の素材は、ブレード本体101を支持する適度な強度を有していればよく、必要に応じて適宜選択することができる。例えば、ホルダー部102は、SUS等の金属等から構成されてもよい。なお、ホルダー部102の形状は、ブレード本体101を支持することが可能であれば図示した形状に限定されず、適用する画像形成装置に応じて適宜変更され得る。
【0047】
また、ホルダー部102の長手方向の両端部104,105には、その厚さ方向に貫通させた平面略円形状の穴部106,107が設けられている。穴部106,107の口径や形状等は特に限定されず、互いに同じであっても異なっていてもよく、必要に応じて適宜変更され得る。
【0048】
(実施形態2)
本発明の第2の実施形態(以下、「実施形態2」という。)に係る梱包材について説明する。
図9及び
図10(a)、(b)に示すように、梱包材2は、実施形態1の梱包材1の変形例であり、収納されたクリーニングブレード100の長手方向(X方向)の動きを規制可能な構造を有する1組の支持部本体70を用いた以外は梱包材1と同様の構成である。従って、実施形態2では、梱包材2における梱包材1との相違点のみ説明し、それ以外の説明は省略する。
【0049】
1組の支持部本体70は、一方の第1支持部本体71aと他方の第2支持部本体71bとからなり、第1支持部本体71aを鏡像反転させたものが第2支持部本体71bである。第1支持部本体71aは、その側壁部72aの一部を突出させて第1位置決め部73aが形成されており、同様にして、第2支持部本体71bの側壁部72bの一部を突出させて第2位置決め部73bが形成されている。
【0050】
第1位置決め部73aは、側壁部72aと一体化したストッパーであり、第1位置決め部73aには、収納部80に収納されたクリーニングブレード100のホルダー部102の長手方向の一方の端部104が当接される当接面74aが形成されている。第1位置決め部73aは、当接面74aによりクリーニングブレード100の長手方向(X方向)の動きを規制して、ストッパーとしての役割を果たす。また、同様にして、第2位置決め部73bにも当接面74bが形成されており、当接面74bにホルダー部102の他方の端部105が当接されて、クリーニングブレード100の長手方向(X方向)の動きを規制し、ストッパーとしての役割を果たす。
【0051】
梱包材2では、梱包材1と同様にして、ホルダー部102の端部104が第1支持部本体71aの第1支持部75a内に収納されると、端部104は、その第1受け部76a、傾斜面77a、両側壁部78a,79a及び当接面74aにより、クリーニングブレード100の下方向(Z方向)、短手方向(Y方向)及び長手方向(X方向)の動きが規制されて位置決めされる。
【0052】
同様にして、梱包材2では、ホルダー部102の端部105が第2支持部本体71bの第2支持部75b内に収納されると、端部105は、その第2受け部76b、傾斜面77b、両側壁部78b,79b及び当接面74bにより位置決めされ、クリーニングブレード100が所定の姿勢で収納部80に保持される。そして、クリーニングブレード100の上段に他のクリーニングブレード100が位置決めされた姿勢で順次積層され、積層されたクリーニングブレード100が収納部80に保持される。
【0053】
その後、梱包材1と同様にして、蓋体81で第1支持部75a及び第2支持部75bの第1挿抜口82a及び第2挿抜口82bを閉塞する。これにより、ホルダー部102の両端部104,105が押圧されて固定され、積層されたクリーニングブレード100の上方向(Z方向)の移動が規制される。これにより、梱包材2における積層されたクリーニングブレード100の梱包が完了する。
【0054】
実施形態2では、上述した通り、第1支持部本体71a及び第2支持部本体71bの側壁部72a,72bの一部を突出させて、第1位置決め部73a及び第2位置決め部73bをそれぞれ形成することにより、梱包材2に収納した積層されたクリーニングブレード100の上下方向及び短手方向に加えて、長手方向の動きを規制して梱包することができる。これにより、梱包材2は、梱包材1と比較して、梱包作業時や運搬時等における振動や衝撃等を軽減して、積層されたクリーニングブレード100の変形や破損等の発生を防止することができる。
【0055】
(実施形態3)
本発明の第3の実施形態(以下、「実施形態3」という。)に係る梱包材について説明する。なお、実施形態3では、
図11(b)に示すように、穴部206,207の形成位置が異なること以外は実施形態1で適用したクリーニングブレード100と同様の構成を有するクリーニングブレード200を適用した。
図11(a)、(b)に示すように、梱包材3は、実施形態1の梱包材1の変形例であり、収納されたクリーニングブレード200の長手方向の動きを規制可能な構造を有する1組の支持部本体90を用いた以外は梱包材1と同様の構成である。従って、実施形態3では、梱包材3における梱包材1との相違点のみ説明し、それ以外の説明は省略する。
【0056】
1組の支持部本体90は、一方の第1支持部本体91aと他方の第2支持部本体91bとからなり、第1支持部本体91aを鏡像反転させたものが第2支持部本体91bである。第1支持部本体91aは、第1支持部92aの傾斜面93a上に、クリーニングブレード200のホルダー部202の長手方向の一方の端部204に形成された穴部206に挿通させるための第1挿通凸部94aが凸設されており、同様にして、第2支持部本体91bの第2支持部92bの傾斜面93b上に、ホルダー部202の他方の端部205に形成された穴部207に挿通させるための第2挿通凸部94bが凸設されている。
【0057】
第1挿通凸部94a及び第2挿通凸部94bは、棒状のストッパーであり、これらをホルダー部202の両端部204,205に形成された穴部206,207に挿通させることにより、第1受け部95a及び第2受け部95b並びに傾斜面93a,93b上に両端部204,205をそれぞれ固定して、クリーニングブレード200の長手方向(X方向)の動きを規制し、ストッパーとしての役割を果たす。
【0058】
梱包材3では、梱包材1と同様にして、ホルダー部202の端部204が、第1支持部本体91aの第1支持部92a内に収納されると、端部204は、その第1受け部95a、傾斜面93a及び第1挿通凸部94aにより、クリーニングブレード100の下方向(Z方向)、短手方向(Y方向)及び長手方向(X方向)の動きが規制されて位置決めされる。
【0059】
同様にして、梱包材3では、ホルダー部202の端部205が第2支持部本体91bの第2支持部92b内に収納されると、端部205は、その第2受け部95b、傾斜面93b及び第2挿通凸部94bにより位置決めされ、クリーニングブレード200が所定の姿勢で収納部96に保持される。そして、クリーニングブレード200の上段に他のクリーニングブレード200が位置決めされた姿勢で順次積層され、積層されたクリーニングブレード200が収納部96に保持される。
【0060】
その後、梱包材1と同様にして、蓋体97で第1支持部92a及び第2支持部92bの第1挿抜口98a及び第2挿抜口98bを閉塞する。これにより、ホルダー部202の両端部204,205が押圧されて固定され、積層されたクリーニングブレード200の上方向(Z方向)の移動が規制される。これにより、梱包材3における積層されたクリーニングブレード200の梱包が完了する。
【0061】
実施形態3では、上述した通り、第1支持部本体91a及び第2支持部本体91bの傾斜面93a,93b上に、第1挿通凸部94a及び第2挿通凸部94bをそれぞれ形成することにより、梱包材3に収納した積層されたクリーニングブレード200の上下方向及び短手方向に加えて、長手方向の動きを規制して梱包することができる。これにより、梱包材3は、梱包材1と比較して、梱包作業時や運搬時等における振動や衝撃等を軽減して、積層されたクリーニングブレード200の変形や破損等の発生を防止することができる。
【0062】
(クリーニングブレードの梱包材の変形例)
本発明の梱包材は、各構成要素(1組の支持部本体、蓋体、連結部等)を別体で成形して組み立てて製造されてもよい。この場合、1組の支持部本体を同一の部材(以下、共通部材という。)として成形して共通化することで、製造工程を簡略化して製造コストを削減することができる。また、本発明の梱包材は、1組の支持部本体及び連結部を一体成形したものと、別途成形した蓋体とを組み立てて製造されてもよい。
【0063】
本発明は、梱包作業時や運搬時等における梱包材の変形や破損等を防止することができれば、各構成要素は硬質性樹脂製に限定されず、必要に応じて材質を適宜選択することができる。また、本発明は、クリーニングブレードの梱包に供することができれば、梱包材や各構成要素(1組の支持部本体、蓋体、連結部等)の形状は特に限定されず、必要に応じて適宜変更することができる。
【0064】
本発明では、各梱包材本体における構成要素の形状やサイズ等については、適用するクリーニングブレードに応じて適宜変更することができる。なお、ここでいう各梱包材本体の構成要素とは、支持部、挿抜口等のことである。
【0065】
例えば、支持部における傾斜面を水平面としてもよいし、梱包するクリーニングブレードの形状に応じて傾斜角が異なる傾斜面や突起等を形成した特殊面等としてもよい。また、支持部では、クリーニングブレードのホルダー部を収納して所定の姿勢を保持できるよう、少なくとも三方向(傾斜面が水平面の場合)からホルダー部を支持できれば、支持部を構成する各面の形状は特に限定されず、必要に応じて適宜変更することができる。
【0066】
なお、支持部における穴部の形状やサイズ等は、連結部の断面形状に応じて適宜変更され得る。
【0067】
蓋体は、支持部における挿抜口を確実に閉塞することができ、クリーニングブレードの上方向の動きを規制することができれば、その形状やサイズ等は、クリーニングブレードのサイズに応じて適宜変更することができる。また、蓋体の対峙面に接合された緩衝材の設置位置、設置範囲、形状等は特に限定されず、必要に応じて適宜変更することができる。
【0068】
例えば、蓋体における緩衝材の設置範囲は、蓋体の係合固定部の対峙面の全面に限定されず、当該対峙面の少なくとも一部に緩衝材が接合されていればよく、必要に応じて適宜変更することができる。
【0069】
また、緩衝材の素材は、蓋体の係合固定部とクリーニングブレードとの直接の接触を防止し、緩衝材として機能することができれば、スポンジ材に限定されず、必要に応じて適宜選択して適用することができる。
【0070】
本発明では、収納されたクリーニングブレードの長手方向の動きを規制可能な構造として、1組の支持部本体の一方の支持部本体と一体成形された位置決め部を設けたが、収納されたクリーニングブレードの長手方向の動きを規制することができれば構造は限定されず、クリーニングブレードの両端部の形状に応じて適宜変更することができる。
【0071】
例えば、1組の支持部本体と位置決め部とを別体として成形してもよいし、他方の支持部本体と一体成形された位置決め部を設けてもよい。なお、本発明では、クリーニングブレードの長手方向の長さに応じて、位置決め部を設置しなくてもよい。
【0072】
連結部は、梱包材の全体形状を保持し、クリーニングブレードの下落を防止して梱包することができれば、収納するクリーニングブレードの長さに応じて適宜変更され得る。