(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、歯科医院のLANシステムを初めとして、従来のLANシステムにおいては、各端末には当該端末の使用用途に応じたアプリケーションを個々にインストールして使用していた。このため、複数用途に使用しようとすると、当該用途に応じた複数のアプリケーションをそれぞれの端末にインストールするしかない。しかしながら、端末の性能やメモリ資源等の関係で、すべての端末にすべてのアプリケーションをインストールしておくことは難しく、使用用途毎に端末を分けてアプリケーションをインストールしておき、使用用途に応じてそれに対応した端末を使い分けていた。
【0005】
また、例え個々の端末にすべてのアプリケーションをインストールできたとしても、その使用に際しては、各アプリケーションを個々に起動して使用せざるを得ず、複数のアプリケーションを利用する場合、現在使用しているアプリケーションを閉じたのちに次に使用するアプリケーションを開く必要があり、操作が面倒であった。
【0006】
また、上記のような問題を解消するために、インストールされた複数のアプリケーションを統括制御して複数のアプリケーションを使用できるようにしたソフトも存在するが、これを実現するには、この統括制御用のソフトを各端末にインストールしなければならず、予算的に問題があったり、各端末の性能やメモリ資源等の関係でインストール困難な場合があった。
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、サーバーとしてWEBサーバーを用い、各端末に格納されたアプリケーションをWEBサーバーを介して各端末間でやり取りすることにより、各端末にインストールされたアプリケーションを端末相互間で利用可能としたLANシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、LANを介して接続されたWEBサーバーと複数台の端末とを備えた歯科医院用LANシステムであって、各端末にはWEBブラウザと所望のアプリケーションとがインストールされていると共に、前記WEBサーバーは、各端末のそれぞれがどのアプリケーションを使用可能に設定されているかの端末情報を予め格納した端末情報格納手段と、起動端末で使用可能なアプリケーション名を前記端末情報格納手段から読み出して出力する使用可能アプリケーション読み出し手段と、各端末にインストールされているアプリケーションのそれぞれが現在接続可能なアプリケーションであるか否かの情報を予め格納したインストールアプリケーション情報格納手段と、前記インストールアプリケーション情報格納手段から現在接続可能な環境にあるアプリケーション名を読み出して出力する接続可能アプリケーション読み出し手段と、前記使用可能アプリケーション読み出し手段と前記接続可能アプリケーション読み出し手段の出力より、起動端末で現在使用可能なアプリケーションがどれであるかを判断して出力する起動端末使用可能アプリケーション判断手段と、使用要求のあったアプリケーションを起動端末の画面上にどのように配置して表示するかの画面表示配置情報を予め格納したアプリケーションの画面表示配置情報格納手段と、該アプリケーションの画面表示配置情報格納手段の情報に基づいて使用要求のあったアプリケーションを起動端末の画面上のどの位置に配置して表示するかを決定するアプリケーションの画面配置位置決定手段と、システム全体の処理動作を統括的に制御する処理制御手段と、LANを通じて各端末との間で情報の送受信を行うデータ送受信手段とを備え、前記処理制御手段は、起動端末においてブラウザが起動された時に前記起動端末使用可能アプリケーション判断手段の出力情報に基づいて当該起動端末で使用可能なアプリケーション名を当該起動端末の画面に表示する手順と、起動端末において使用可能なアプリケーション中から使用を希望するアプリケーションが選択されたときに、当該選択アプリケーションのインストールされている端末にアクセスして当該選択アプリケーションを起動し、そのアプリケーション情報を起動端末に送信して当該起動端末の画面上に選択アプリケーションの初期画面を表示する手順と、該選択アプリケーションの初期画面を起動端末の画面上に表示する際に、前記アプリケーションの画面表示配置情報格納手段と前記アプリケーションの画面配置位置決定手段とを用いて当該選択アプリケーションの初期画面の起動端末画面上での配置位置を決定して画面表示する手順と、起動端末の画面上に表示された選択アプリケーション中から使用を希望するアプリケーションが選択されて操作されたときに、当該選択アプリケーションのインストールされている端末にアクセスし、選択アプリケーションをLANを介して起動端末から自由に操作可能とする手順と、
操作者によって前記選択アプリケーションの初期画面に患者情報源が入力されたときに、前記患者情報源を前記WEBサーバ
ーを経由して、起動端末の選択アプリケーションに送り、この選択アプリケーションに含まれる患者情報源に基づく表示用情報を返送し、
この表示用情報を前記操作者及び患者が前記患者情報源を入力した起動端末で確認できるようにするために、前記患者情報源を入力した起動端末の画面上
の任意の位置に、前記表示用情報を表示する手順と、
前記患者情報源を入力した起動端末の画面上の前記表示用情報が更新されたときに、この更新された表示用情報を
、前記起動端末の選択アプリケーションに送り、この起動端末の選択アプリケーションに、前記更新された表示用情報を保存する手順とを有することを特徴とするものである。
【0009】
なお、本発明でいうWEBサーバーとは、通信プロトコルとしてTCP/IPを用いると共に、ファイルやデータ類をHTML形式で送受信するようにしたサーバーを指すものである。また、起動端末とは、アプリケーションを使用するためにWEBブラウザを起動した端末を指すものである。
【0010】
請求項2記載の発明は、LANを介して接続されたWEBサーバーと複数台の端末とを備えた歯科医院用LANシステムであって、各端末にはWEBブラウザと所望のアプリケーションとがインストールされていると共に、前記WEBサーバーは、各端末にインストールされているアプリケーションのそれぞれが現在接続可能なアプリケーションであるか否かの情報を予め格納したインストールアプリケーション情報格納手段と、前記インストールアプリケーション情報格納手段から現在接続可能な環境にあるアプリケーション名を読み出して出力する接続可能アプリケーション読み出し手段と、使用要求のあったアプリケーションを起動端末の画面上にどのように配置して表示するかの画面表示配置情報を予め格納したアプリケーションの画面表示配置情報格納手段と、該アプリケーションの画面表示配置情報格納手段の情報に基づいて使用要求のあったアプリケーションを起動端末の画面上のどの位置に配置して表示するかを決定するアプリケーションの画面配置位置決定手段と、システム全体の処理動作を統括的に制御する処理制御手段と、LANを通じて各端末との間で情報の送受信を行うデータ送受信手段とを備え、前記処理制御手段は、起動端末においてブラウザが起動された時に前記接続可能アプリケーション読み出し手段によって前記インストールアプリケーション情報格納手段から現時点で接続可能なアプリケーション名のすべてを読み出し、当該接続可能なアプリケーション名を起動端末の画面に表示する手順と、起動端末において使用可能なアプリケーション中から使用を希望するアプリケーションが選択されたときに、当該選択アプリケーションのインストールされている端末にアクセスして当該選択アプリケーションを起動し、そのアプリケーション情報を起動端末に送信して当該起動端末の画面上に選択アプリケーションの初期画面を表示する手順と、該選択アプリケーションの初期画面を起動端末の画面上に表示する際に、前記アプリケーションの画面表示配置情報格納手段と前記アプリケーションの画面配置位置決定手段とを用いて当該選択アプリケーションの初期画面の起動端末画面上での配置位置を決定して画面表示する手順と、起動端末の画面上に表示された選択アプリケーション中から使用を希望するアプリケーションが選択されて操作されたときに、当該選択アプリケーションのインストールされている端末にアクセスし、選択アプリケーションをLANを介して起動端末から自由に操作可能とする手順と、
操作者によって前記選択アプリケーションの初期画面に患者情報源が入力されたときに、前記患者情報源を前記WEBサーバ
ーを経由して、起動端末の選択アプリケーションに送り、この選択アプリケーションに含まれる患者情報源に基づく表示用情報を返送し、
この表示用情報を前記操作者及び患者が前記患者情報源を入力した起動端末で確認できるようにするために、前記患者情報源を入力した起動端末の画面上
の任意の位置に、前記表示用情報を表示する手順と、
前記患者情報源を入力した起動端末の画面上の前記表示用情報が更新されたときに、この更新された表示用情報を
、前記起動端末の選択アプリケーションに送り、この起動端末の選択アプリケーションに、前記更新された表示用情報を保存する手順とを有することを特徴とするものである。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の
歯科医院用LANシステムにおいて、前記端末情報格納手段、前記インストールアプリケーション情報格納手段、アプリケーションの画面表示配置情報格納手段に格納されている情報の追加、修正、削除が可能な入力手段を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の
歯科医院用LANシステムにおいて、前記インストールアプリケーション情報格納手段、アプリケーションの画面表示配置情報格納手段に格納されている情報の追加、修正、削除が可能な入力手段を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記WEBサーバーがインターネット回線に接続可能とされていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、各端末に格納されたアプリケーションをWEBサーバーを介して各端末間で相互に利用することが可能となり、各端末にすべてのアプリケーションをインストールする必要がなくなる。このため、各端末で多くのアプリケーションを利用することができるようになり、性能やメモリ資源の不十分な端末であっても、これに影響されることなく、多くのアプリケーションを利用することが可能となる。また、端末毎に使用可能なアプリケーションを設定することができるので、システムとしてのセキュリティーも確保することができる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明における端末情報格納手段、使用可能アプリケーション読み出し手段、起動端末使用アプリケーション判断手段を省略したもので、アプリケーションを使用するために端末のブラウザを起動した際には、その時点で接続可能なアプリケーションのすべてを端末画面に表示し、すべてのアプリケーション中から使用を希望するアプリケーションを自由に選択できるようにしているので、システムの構成と処理をより簡素化することができ、より簡単かつ安価にシステムを構築することができる。
【0017】
請求項3又は4記載の発明によれば、必要なときに各格納手段に格納されている情報を追加、修正、削除することができるので、端末の増減やアプリケーションの増減に対しても柔軟に対応することができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、WEBサーバーがインターネット回線に接続可能とされているので、本発明システムのバージョンアップや改変、修正に際して、システム管理会社の管理用サーバーから直接行うことができ、システムの運用と管理をより簡単かつ確実に行うことができる。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、本発明のLANシステムを歯科医院のLANシステムに適用したので、患者情報や歯の検査結果などの歯科医院特有の情報を院内のどの端末からでも見ることが可能となり、医師やスタッフの業務の促進と改善を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のLANシステムを歯科医院用LANシステムに適用した場合の実施例について、図面を参照して説明する。なお、図面においては、「アプリケーション」を「アプリ」と略記した。
【0022】
図1は、本発明のLANシステムを適用して構成した歯科医院用LANシステムの第1の実施例の全体構成を示すブロック図である。
【0023】
図示例のLANシステムは、歯科医院に引かれた院内LAN1に、WEBサーバー2、必要な台数(図示例では5台)の端末A〜E、その他の必要な機材(たとえばプリンタ3等)を接続することにより構成されている。
【0024】
WEBサーバー2は、前述したように、通信プロトコルとしてTCP/IPを用いると共に、ファイルやデータ類をHTML形式で送受信するようにした周知のサーバーである。なお、院内LAN1は、有線、無線、いずれの方式であってもよい。
【0025】
各端末A〜Eは、WEBサーバー2との間で送受信される情報を画面表示するためのWEBブラウザを備えると共に、使用目的に応じたアプリケーションAP1〜AP5がそれぞれの端末にインストールされているものとする。
【0026】
なお、分かり易くするために、各端末にアプリケーションが1個ずつインストールされている場合を例に採ったが、必要なアプリケーションを複数個インストールしてもよいことは当然である。
【0027】
各端末A〜DにインストールされているアプリケーションAP1〜AP5の具体例を
図3に示す。端末AにインストールされているアプリケーションAP1は、
図3中にAP1として示すように、歯科医院の患者情報を表示するためのアプリケーションである。また、端末BにインストールされているアプリケーションAP2は、
図3中にAP2として示すように、受診した患者の検査結果を表示するためのアプリケーションである。また、端末CにインストールされているアプリケーションAP3は、
図3中にAP3として示すように、患者の歯の状態(口腔内)を撮影した説明動画を表示するためのアプリケーションである。さらに、図示は略したが、端末D、Eにも、それぞれアプリケーションAP4、AP5がインストールされている。
【0028】
図2に、
図1中のWEBサーバー2の機能対応ブロック図を示す。
WEBサーバー2は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、入出力インターフェース等から構成されたコンピュータシステムであって、後述する
図4〜
図9のフローチャートに示す処理動作を実行するための処理プログラムが予め格納されている。なお、
図2中の主要機能部分は、WEBサーバー2にインストールされている処理プログラムによってソフトウェア上で構築されているが、可能であるならばハードウェアで構成してもよい。
【0029】
処理制御手段201は、サーバーに格納されている処理プログラムに従って、WEBサーバー2内の各手段や各回路及び各端末A〜Eの動作を統括的に制御し、
図4〜
図9のフローチャートに示す処理動作を実行させるものである。
【0030】
端末情報格納手段202は、各端末A〜EのそれぞれがアプリケーションAP1〜AP5のどのアプリケーションを使用可能に設定されているかを予め格納した記憶手段である。
【0031】
使用可能アプリケーション読み出し手段203は、起動端末で使用可能なアプリケーション名を前記端末情報格納手段202から読み出して出力する回路である。
【0032】
インストールアプリケーション情報格納手段204は、各端末A〜EにインストールされているアプリケーションA〜Eのそれぞれが現在接続可能なアプリケーションであるか否かの情報を予め格納した記憶手段である。
【0033】
接続可能アプリケーション読み出し手段205は、現在接続可能なアプリケーション名をインストールアプリケーション情報格納手段から読み出して出力する回路である。
【0034】
起動端末使用可能アプリケーション判断手段206は、前記使用可能アプリケーション読み出し手段203と前記接続可能アプリケーション読み出し手段205の出力より、起動端末で現在使用可能なアプリケーションがどれであるかを判断して出力する回路である。
【0035】
アプリケーションの画面表示配置情報格納手段207は、使用要求のあったアプリケーションを起動端末の画面上にどのように配置して表示するかの画面表示配置情報を予め格納した記憶手段である。
【0036】
アプリケーションの画面配置位置決定手段208は、前記アプリケーションの画面表示配置情報格納手段207の情報に基づいて使用要求のあったアプリケーションを起動端末画面上のどの位置に配置して表示するかを決定する手段である。
【0037】
例えば、3個のアプリケーションAP1、AP2、AP3を端末画面上に表示する場合を例に採ると、
図3に示すように、表示画面の上半部位置に患者情報表示用のアプリケーションAP1が、左側下半部位置に検査結果表示用のアプリケーションAP2が、右側下半部位置に説明動画表示用のアプリケーションAP3が位置するように各アプリケーションの表示位置を決定するものである。
【0038】
データ送受信手段209は、院内LAN1を通じて各端末A〜Eの間で情報やデータの送受信を行うための通信回路である。なお、図中点線で示すように、インターネット回線へも接続可能とし、インターネット回線を介してシステム管理会社の管理用サーバーにも接続可能とすることが望ましい。
【0039】
入力手段210は、例えば、液晶モニタ、キーボード、記録媒体読込装置等のハードウェアからなる入力装置であって、端末情報格納手段202、インストールアプリケーション情報格納手段204、アプリケーションの画面表示配置情報格納手段207への新たな情報の追加や修正、削除を行う際に用いられる。
【0040】
次に、
図4〜
図9のフローチャートを参照して、上記歯科医院用LANシステムの処理動作を説明する。
【0041】
なお、理解を容易とするため、以下においては、端末Eから、端末AのアプリケーションAP1、端末BのアプリケーションAP2、端末CのアプリケーションAP3の3つのアプリケーションを呼び出し、この呼び出した3つのアプリケーションを、院内LAN1を介して端末Eから操作して使用する場合を例に採って説明する。
【0042】
また、前述したように、アプリケーションAP1は、
図3中にAP1として示すように、歯科医院の患者情報を表示するためのアプリケーション、アプリケーションAP2は、
図3中にAP2として示すように、患者の検査結果を表示するためのアプリケーション、アプリケーションAP3は、
図3中にAP3として示すように、患者の歯の状態(口腔内)を撮影した説明動画を表示するためのアプリケーションであるものとする。
【0043】
いま、アプリケーションを使用するために端末EのWEBブラウザを起動すると、この起動端末Eは、WEBブラウザ、院内LAN1を介して、WEBサーバー2に接続される(
図4ステップS1)。そして、
図4ステップS2の使用可能アプリケーションの表示・選択処理が開始される。
【0044】
上記使用可能アプリケーションの表示・選択処理の詳細な動作を
図5に示す。
起動端末Eが、WEBサーバー2に接続されると、処理制御手段201の制御の下、使用可能アプリケーション読み出し手段203は、使用要求のあった起動端末Eで使用可能とされているアプリケーション名を端末情報格納手段202から読み出すと共に(
図5ステップS21)、接続可能アプリケーション読み出し手段205は、各端末にインストールされているアプリケーションAP1〜AP5のそれぞれが現在接続可能なアプリケーションであるか否かの情報をインストールアプリケーション情報格納手段204から読み出し(
図5ステップS22)、これらの情報を起動端末使用可能アプリケーション判断手段206に送る。
【0045】
起動端末使用可能アプリケーション判断手段206は、前記使用可能アプリケーション読み出し手段203と前記接続可能アプリケーション読み出し手段205の出力から、起動端末Eで現在使用可能なアプリケーションがどれであるかを判断して出力する(
図5ステップS23)。そして、処理制御手段201は、この得られた起動端末Eで現在使用可能なアプリケーション名をデータ送受信手段209、院内LAN1を介して起動端末Eに送信する。
【0046】
これによって、起動端末Eには、当該起動端末Eにおいて現在使用可能なアプリケーション名、例えば、前記5つのアプリケーションAP1〜AP5の名前が使用可能なアプリケーションとして画面表示される(
図5ステップS24)。
【0047】
次いで、起動端末Eの操作者が、画面に表示されている当該端末Eで使用可能なアプリケーション名を見て、その中から使用を希望するアプリケーション、例えば、患者情報表示用のアプリケーションAP1を選択してクリックすると(
図5ステップS25)、当該アプリケーションAP1の選択情報は院内LAN1を介してWEBサーバー2へ送られる(
図5ステップS26)。そして、処理は
図4ステップS3の選択アプリケーションの初期画面の端末Eへの表示処理へと移行する。
【0048】
上記選択アプリケーションの初期画面の端末Eへの表示処理の詳細な動作を
図6に示す。
WEBサーバー2は、起動端末EからのアプリケーションAP1の選択情報を受信すると、当該選択アプリケーションAP1がインストールされている端末Aにアクセスし(
図6ステップS31)、使用要求のあった選択アプリケーションAP1を起動する(
図6ステップS32)。
【0049】
次いで、WEBサーバー2は、起動した選択アプリケーションAP1の表示用情報を取得したのち(
図6ステップS33)、アプリケーションの画面表示配置情報格納手段207の情報を基に、アプリケーションの画面配置位置決定手段208において、当該アプリケーションAP1を起動端末Eの画面上のどの位置に配置して表示するかを決定する(
図6ステップS34)。この例の場合、まだアプリケーションAP1の1つしか選択されていないので、アプリケーションAP1の初期画面を、例えば、起動端末Eの画面全面に表示するように決定する。
【0050】
そして、WEBサーバー2は、選択アプリケーションAP1の表示用情報と表示画面配置位置情報とを起動端末Eに送信する(
図6ステップS35)。これによって、起動端末Eの画面には選択したアプリケーションAP1の初期画面が全画面表示される(
図6ステップS36)。次いで、処理は
図4ステップS4へ移行する。
【0051】
上記例の場合、使用したいアプリケーションとして他にAP2,AP3があるので、処理はステップS5の他の使用可能アプリケーションの表示・選択処理へと移行する(
図4ステップS4のNo側)。
【0052】
上記ステップS5の他の使用可能アプリケーションの表示・選択処理の詳細な動作を
図7に示す。
WEBサーバー2は、処理制御手段201の制御の下、他の使用可能アプリケーションとして、既に選択したアプリケーションAP1を除いた他の4つのアプリケーションAP2〜AP5を起動端末Eの画面上に表示する(
図7ステップS51)。
【0053】
次いで、起動端末Eの操作者が、画面に表示されている当該端末Eで使用可能な他のアプリケーションを見て、使用を希望する他のアプリケーション、例えば、検診結果表示用のアプリケーションAP2を選択してクリックすると(
図7ステップS52)、当該アプリケーションAP2の選択情報は院内LAN1を介してWEBサーバー2へ送られる(
図7ステップS53)。そして、処理は
図4ステップS6の選択アプリケーションの初期画面の起動端末Eへの表示処理へと移行する。
【0054】
図4ステップS6では、前述した
図4ステップS3の場合と同様に、選択アプリケーションAP2の初期画面の起動端末Eへの表示処理(詳細
図6)を実行する。
【0055】
図4ステップS6の処理が、
図4ステップS3の場合と異なる点は、選択したアプリケーションの起動端末Eの画面上での表示位置の決定に際して、現在選択されているアプリケーションがAP1とAP2の2つであるので、この2つのアプリケーションを画面上にどのように配置するかを決定する。例えば、アプリケーションAP1を画面の上側半部に、アプリケーションAP2を画面の下側半部に位置するように、画面を上下に二分して配置するように決定する。
【0056】
このようにして、起動端末Eの画面には、アプリケーションAP1とAP2の2つのアプリケーションの初期画面が上下に二分して表示され、処理は
図4ステップS7へと移行する。
【0057】
上記例の場合、使用したいアプリケーションとして他にAP3があるので、処理は
図4ステップS8の他の使用可能アプリケーションの表示・選択処理へと移行する(ステップS7のNo側)。
【0058】
図4ステップS8の他の使用可能アプリケーションの表示・選択処理は、前述した
図4ステップS5の場合と同様であって、WEBサーバー2は、処理制御手段201の制御の下、他の使用可能アプリケーションとして、既に選択したアプリケーションAP1、AP2を除いた他の3つのアプリケーションAP3〜AP5を起動端末Eの画面に表示する(詳細
図7)。
【0059】
そして、起動端末Eの操作者が、アプリケーションAP3を選択すると、処理は
図4ステップS9の選択アプリケーションAP3の初期画面の端末Eへの表示処理へ移行する。
【0060】
図4ステップS9では、前述した
図4ステップS6と同様に、選択アプリケーションAP3の初期画面の起動端末Eへの表示処理(詳細
図6)を実行する。
【0061】
図4ステップS9の処理が、ステップS6の場合と異なる点は、選択したアプリケーションがAP1、AP2、AP3の3つであるので、この3つのアプリケーションを端末Eの画面上にどのように配置するかを決定する。
【0062】
例えば、
図3に示すように、患者情報表示用のアプリケーションAP1を画面の上半部位置に、検査結果表示用のアプリケーションAP2を左側下半部位置に、説明動画表示用のアプリケーションAP3を右側下半部位置に表示するように、各アプリケーションの表示位置を決定する。
【0063】
これにより、起動端末Eの画面には、3つのアプリケーションAP1、AP2、AP3の初期画面が
図3に示すような配置状態で表示され、処理は
図4ステップS10の操作希望アプリケーションの選択処理へと移行する。
【0064】
上記操作希望アプリケーションの選択処理の詳細な動作を
図8に示す。
起動端末Eには、上記したように3つのアプリケーションAP1、AP2、AP3の初期画面が
図3に示すような配置状態で表示されている(
図8ステップS101)。
【0065】
そこでいま、起動端末Eの操作者が、
図3の画面中から患者情報表示用のアプリケーションAP1を選択したものとすると(
図8ステップS102)、このアプリケーションAP1の選択情報はWEBサーバー2へ送られる(
図8ステップ103)。そして、処理は
図4ステップS11の選択アプリケーションの操作とデータ保存処理へ移行する。
【0066】
上記選択アプリケーションの操作とデータ保存処理の詳細な動作を
図9に示す。
起動端末Eの操作者が、例えば、
図3のアプリケーションAP1の初期画面の名前欄にカーソルを当て、患者の氏名(
図3の例では「宝 太郎」)を入力すると(
図9ステップS111)、この入力情報はWEBサーバー2を経由して端末Aへ送られ(
図9ステップS112)、アプリケーションAP1の名前欄が更新される。
【0067】
また、この更新情報は、端末AのアプリケーションAP1からWEBサーバー2を経由して起動端末Eへ返送され(
図9ステップS113)、起動端末EのアプリケーションAP1の名前欄に名前が記入された更新画面が表示される。
【0068】
この更新後のデータを保存したい場合(
図9ステップS114のYes側)、起動端末Eから、WEBサーバー2を介して、アプリケーションAP1をインストールされている端末Aに向けて更新データの保存命令を送信する(
図9ステップS115)。端末AのアプリケーションAP1は、この保存命令に従って当該更新データを保存する(
図9ステップS116)。
【0069】
一方、WEBサーバー2は、バックアップデータやその他必要なデータを内蔵ハードディスク等に保存する(
図9ステップS117)。
【0070】
なお、上記の例では、更新データを直接、端末AのアプリケーションAP1に保存するようにしたが、それ以外の保存場所、例えば、院内LAN1に設けたメモリサーバー、或いはインターネットを介したクラウドメモリ等に保存してもよいものである。
【0071】
このように、更新データをアプリケーション以外の他の場所に保存するように構成すれば、各端末のメモリ資源が小さい場合においても、メモリ容量を気にすることなく各端末を安心して使用することができ、有用である。
【0072】
選択アプリケーションの操作を継続する場合には(
図9ステップS118のNo側)、前記ステップS111〜S117の処理を繰り返す。
【0073】
一方、選択アプリケーションの操作を終了する場合には(
図9ステップS118のYes側)、処理は
図4ステップS12へと移行する。
【0074】
そして、
図4ステップS12において、引き続いて他の選択アプリを使用する場合には(ステップS12のYes側)、
図4ステップS10へ戻り、他のアプリケーションAP2或いはAP3について、前述した操作希望アプリケーションの選択処理(
図4ステップS10)と、選択アプリケーションの操作とデータ保存処理(
図4ステップS11)を繰り返す。
【0075】
一方、すべての選択アプリケーションについてその使用を終了する場合には(
図4ステップS12のNo側)、起動端末Eに表示されている3つのアプリケーションAP1〜AP3を閉じ、一連の処理を終了する。
【0076】
上記第1の実施例にかかる歯科医院用LANシステムによれば、各端末にインストールされている歯科医院用の各種のアプリケーションを他の端末から読み出して使用することができる。このため、すべての端末にすべてのアプリケーションをインストールする必要がなくなり、歯科医院用LANシステムを簡単に構築することができる。
【0077】
また、各端末毎に当該端末で使用可能なアプリケーションを設定することができるので、医院での職務に応じて使用可能なアプリケーションを個々に設定することが可能となり、システムとしてのセキュリティーも十分に確保することができる。
【0078】
また、いずれかの端末に新たなアプリケーションがインストールされ、或いはインストールされているアプリケーションが削除された場合には、WEBサーバー入力手段210を用いて、端末情報格納手段202、インストールアプリケーション情報格納手段204、アプリケーションの画面表示配置情報格納手段207に当該変更に伴う追加情報や修正情報を書き込むだけで対応することができ、システムの運用とカスタマイズが簡単となる
【0079】
また、WEBサーバー2をインターネット回線を介してシステム提供会社の管理用サーバーに接続可能としておけば、システム提供会社の遠隔制御によって、システムのバージョンアップ、拡張、修正、さらには日々の運用管理を簡単に行うことができる。
【0080】
次に、
図10及び
図11を参照して、第2の実施例について説明する。
図10は第2の実施例で用いられるWEBサーバー2の機能対応ブロック図、
図11は第2の実施例の全体的な処理動作を示すフローチャートである。なお、システムの全体構成は
図1と同じであるので、図示を省略した。また、
図10中、第1の実施例(
図2)と同一の手段、同一の回路部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0081】
この第2の実施例は、前述した第1の実施例(
図2)における端末情報格納手段202、使用可能アプリケーション読み出し手段203、起動端末使用可能アプリケーション判断手段206を省略することにより、システムの構成と処理の簡素化を図ったものである。
【0082】
上記第2の実施例の処理動作を、
図11のフローチャートを参照して簡単に説明する。
なお、この第2の実施例の場合も、第1の実施例の場合と同じく、端末Eにおいて
図3に示したアプリケーションAP1,AP2,AP3を遠隔使用する場合を例に採る。また、すべてのアプリケーションAP1〜AP5がその時点における接続可能なアプリケーションとしてインストールアプリケーション情報格納手段204に設定されているものとする。
【0083】
端末EのWEBブラウザを起動すると、起動端末EはWEBブラウザ、院内LAN1を介してWEBサーバー2に接続される(
図11ステップT1)。
【0084】
WEBサーバー2は、処理制御手段201の制御の下、接続可能アプリケーション読み出し手段205によって、インストールアプリケーション情報格納手段204から現在接続可能なアプリケーション名のすべて(例えば、AP1〜AP5)を読み出し、当該接続可能なアプリケーション名をデータ送受信手段209、院内LAN1を介して起動端末Eに送信する。
【0085】
これによって、起動端末Eには、その時点において接続可能なアプリケーションとして、例えば、前記5つのアプリケーションAP1〜AP5の名前が画面表示される(
図11ステップT2)。
【0086】
次いで、起動端末Eの操作者が、画面に表示されている接続可能なアプリケーション名を見て、その中から使用を希望するアプリケーション、例えば、患者情報表示用のアプリケーションAP1を選択してクリックすると(
図11ステップT3)、当該アプリケーションAP1の選択情報は院内LAN1を介してWEBサーバー2へ送られる。
【0087】
そして、WEBサーバー2は、当該使用要求のあったアプリケーションAP1がインストールされている端末Aにアクセスし、使用要求のあったアプリケーションAP1を起動したのち、当該起動したアプリケーションAP1の表示用情報を取得して端末Eへ送り、端末Eの画面にアプリケーションAP1の初期画面を表示する(
図11ステップT4)。
【0088】
この画面表示に際して、WEBサーバー2は、アプリケーションの画面表示配置情報格納手段207の情報を基に、アプリケーションの画面配置位置決定手段208によって、当該アプリケーションAP1を起動端末Eの画面上にどのように配置して表示するかを決定し、その表示位置情報も送る。
【0089】
上記例の場合、まだアプリケーションAP1の1つしか選択されていないので、アプリケーションAP1の初期画面を起動端末Eの画面全面に表示するように決定する。これによって、起動端末Eには選択したアプリケーションAP1の初期画面が全画面表示される。
【0090】
次いで、処理は
図11のステップT5へ移行する。
上記例の場合、使用したいアプリケーションとして他にAP2,AP3があるので、処理はステップT6へと移行する(
図11ステップT5のNo側)。
【0091】
端末Eの画面に表示されている残りのアプリケーションAP2〜AP5中から、
次に使用を希望するアプリケーション、例えば、検診結果表示用のアプリケーションAP2を選択してクリックすると(
図11ステップT6)、当該アプリケーションAP2の選択情報は院内LAN1を介してWEBサーバー2へ送られる。
【0092】
そして、WEBサーバー2は、当該使用要求のあったアプリケーションAP2がインストールされている端末Bにアクセスし、使用要求のあったアプリケーションAP2を起動したのち、当該起動したアプリケーションAP2の表示用情報を取得して起動端末Eへ送り、起動端末Eの画面にアプリケーションAP2の初期画面を表示する(
図11ステップT7)。
【0093】
この画面表示に際して、WEBサーバー2は、アプリケーションの画面表示配置情報格納手段207の情報を基に、アプリケーションの画面配置位置決定手段208によって、当該アプリケーションAP2を起動端末Eの画面上にどのように配置して表示するかを決定する。
【0094】
上記例の場合、すでにアプリケーションAP1が表示されているので、例えば、アプリケーションAP1を画面の上側半部に、アプリケーションAP2を画面の下側半部に位置するように、画面を上下に二分して配置するように決定する。このようにして、起動端末Eの画面には、選択したアプリケーションAP1とAP2の2つのアプリケーションの初期画面が上下に二分して表示される。
【0095】
次いで、処理は
図11のステップT8へ移行する。
上記例の場合、使用したいアプリケーションとして他にAP3があるので、処理はステップT9へと移行する(
図11ステップT8のNo側)。
【0096】
端末Eの画面に表示されている残りのアプリケーションAP3〜AP5中から、
次に使用を希望するアプリケーション、例えば、検診結果表示用のアプリケーションAP3を選択してクリックすると(
図11ステップT9)、当該アプリケーションAP3の選択情報は院内LAN1を介してWEBサーバー2へ送られる。
【0097】
そして、WEBサーバー2は、当該使用要求のあったアプリケーションAP3がインストールされている端末Cにアクセスし、使用要求のあったアプリケーションAP3を起動したのち、当該起動したアプリケーションAP3の表示用情報を取得して起動端末Eへ送り、起動端末Eの画面にアプリケーションAP3の初期画面を表示する(
図11ステップT10)。
【0098】
この画面表示に際して、WEBサーバー2は、アプリケーションの画面表示配置情報格納手段207の情報を基に、アプリケーションの画面配置位置決定手段208によって、当該アプリケーションAP3を起動端末Eの画面上にどのように配置して表示するかを決定する。
【0099】
上記例の場合、すでにアプリケーションAP1、アプリケーションAP2が表示されているので、例えば、
図3に示すように、患者情報表示用のアプリケーションAP1を画面の上半部位置に、検査結果表示用のアプリケーションAP2を左側下半部位置に、説明動画表示用のアプリケーションAP3を右側下半部位置に表示するように、各アプリケーションの表示位置を決定する。これにより、起動端末Eの画面には、3つのアプリケーションAP1、AP2、AP3の初期画面が
図3に示すような配置で表示される。
【0100】
以上で使用を希望する3つのアプリケーションAP1、AP2、AP3の選択処理が終了し、処理は
図11ステップT11の「操作希望アプリケーションの選択処理」と、ステップT12の「選択アプリケーションの操作とデータ保存処理」へと移行する。
【0101】
上記ステップT11の「操作希望アプリケーションの選択処理」と、ステップT12の「選択アプリケーションの操作とデータ保存処理」の動作は、前述した第1実施例における
図4ステップS10の「操作希望アプリケーションの選択処理」(詳細
図8)と、
図4ステップS11の「選択アプリケーションの操作とデータ保存処理」(詳細
図9)とまったく同じであるので、その詳細な動作説明は省略する。
【0102】
上記
図11ステップT11、T12の処理を終了すると、処理は
図11ステップT13へ移行する。
【0103】
そして、
図11ステップT13において、引き続いて他の選択アプリケーションを使用する場合には(
図11ステップT13のYes側)、ステップT11へ戻り、他のアプリケーション(上記例ではAP2、AP3)について、前述した操作希望アプリケーションの選択処理(
図11ステップT11)と、選択アプリケーションの操作とデータ保存処理(
図11ステップT12)を繰り返す。
【0104】
一方、すべての選択アプリケーションの使用を終了する場合には(
図11ステップT13のNo側)、起動端末Eに表示されている3つのアプリケーションAP1〜AP3を閉じ、一連の処理を終了する。
【0105】
上記第2実施例にかかる歯科医院用LANシステムの場合、第1実施例の歯科医院用LANシステムにおける端末情報格納手段202と使用可能アプリケーション読み出し手段203を省略し、アプリケーションを使用するために端末を起動した際には、その時点で接続可能なアプリケーションのすべてを起動端末の画面に表示し、すべてのアプリケーション中から使用を希望するアプリケーションを自由に選択できるようにした。このため、第1実施例に比べてセキュリティーの点では若干落ちるが、システムの構成と処理動作をより簡素化することができ、システムをより安価に構築することができる。
【0106】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、LANシステム一般に適用可能であり、発明の趣旨の範囲内において種々の変更が可能である。