(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送信者情報は、前記送信者の状態を検出するセンサによる検出結果と、前記送信者の操作に基づいて設定される前記送信者の感情の状態とのうちの少なくとも一方を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
前記判定部は、送信すると判定した場合には前記主情報の前記受信者に対する送信手法を決定し、送信しないと判定した場合には前記主情報の前記受信者に対する拒否手法を決定する
請求項8に記載のサーバ。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、3つの実施形態(以下、それぞれ第1乃至第3実施形態と称する)について、次の順序で説明する。
【0036】
1.第1実施形態(1対1の通信の例)
2.第2実施形態(1対Nの通信において、判定処理が受信端末で行われる例)
3.第3実施形態(1対Nの通信において、判定処理がサーバで行われる例)
【0037】
<1.第1実施形態>
[情報処理システム1の構成例]
図1は、本技術が適用される情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。
【0038】
図1に示されるように、情報処理システム1は、送信端末11及び受信端末12が、図示せぬネットワークを介して相互に接続されて構成されている。
【0039】
送信端末11及び受信端末12は、例えば携帯電話機に代表される、ユーザが自在に持ち運び可能な端末であって、電話機能の他に電子メール(以下、メールと略称する)を送受信するメール機能を有する端末である。
【0040】
送信端末11は、ネットワークに接続された受信端末12に対して、電話機能による音声やメール機能によるメール(テキストや画像を含む)を含むデータを送信する。
【0041】
送信端末11は、実データ入力部21、センサ部22、感情設定部23、主制御部24、及び通信部25から構成される。
【0042】
実データ入力部21は、マイクロフォンやキーボード等の入力デバイスとして構成され、送信端末11のユーザ(以下、送信者と称する)の操作に基づいて、音声またはメールを表すデータ(これらをまとめて、以下、実データと称する)を入力する。キーボードは、物理的ボタンを操作するものだけではなく、ディスプレイに表示されたボタンを操作するものも含む。
【0043】
センサ部22は、送信者の身体の状態を検出し、その検出結果を示す情報(以下、状態情報と称する)を出力する。センサ部22は、例えば、送信端末11に内蔵または付属される、体温計、心拍計、万歩計(登録商標)、脳波計、呼吸計測器、カメラ、マイクロフォン等として構成され、体温、心拍数、移動量、脳波、呼吸数等の身体情報、画像、音声等を検出する。例えば、センサ部22がインカメラである場合、センサ部22は、送信端末11を使用中の送信者の表情を撮像して、撮像した結果得られる画像データを状態情報として出力する。なお、センサ部22としては、その他にも例えば、ジャイロセンサ、タッチパネル、GPS(Global Positioning System)として構成することができる。
【0044】
感情設定部23は、送信者の操作に基づいて、送信者の感情の状態である感情情報を設定する。例えば、送信者が、自身の感情を「喜」、「怒」、「哀」、「楽」の4つのモードの中から選択すると、感情設定部23は、設定されたモードを感情情報として設定する。
【0045】
主制御部24は、送信端末11の動作全体を制御する。主制御部24には、データ取得部31及び通信制御部32が設けられている。
【0046】
データ取得部31は、実データ入力部21、センサ部22、及び感情設定部23のそれぞれから、実データ、状態情報、及び感情情報のそれぞれのデータを取得する。なお、センサ部22により出力される状態情報及び感情設定部23により設定される感情情報は、送信者の精神状態を表す情報であり、受信端末12において処理される情報として必須ではない。すなわち、データ取得部31は、実データ入力部21から入力された主情報としての実データを取得すれば足りる場合もある。そこで、以下では、状態情報及び感情情報を、必須な実データと区別すべく、付随情報と適宜称する。
【0047】
通信制御部32は、データ取得部31により取得されたデータ、すなわち実データと付随情報を、通信部25からネットワークを介して受信端末12に送信させるように制御する。通信部25は、通信制御部32の制御に基づいて、ネットワークを介して受信端末12との間の通信を行う。
【0048】
受信端末12は、このような構成の送信端末11から、実データと付随情報をネットワークを介して受信する。
【0049】
受信端末12は、通信部41、センサ部42、感情設定部43、主制御部44、及び出力部45から構成される。
【0050】
通信部41は、後述の通信制御部51の制御に基づいて、ネットワークを介して送信端末11との間の通信を行う。
【0051】
センサ部42は、ユーザの身体の状態に関する状態情報を検出する。なお、センサ部42は、送信端末11のセンサ部22と基本的に同様の構成を有しているため、説明を省略する。
【0052】
感情設定部43は、受信端末12のユーザ(以下、受信者と称する)の操作に基づいて、受信者の感情の状態である感情情報を設定する。
【0053】
主制御部44は、受信端末12の動作全体を制御する。主制御部44には、通信制御部51、データ取得部52、記憶部53、解析部54、及び判定部55が設けられている。
【0054】
通信制御部51は、送信端末11から送信されてきたデータを通信部41に受信させるように制御する。なお、以下、送信端末11から送信されて受信端末12に受信されたデータを、送信者データと称する。
【0055】
データ取得部52は、通信制御部51、センサ部42、及び感情設定部43のそれぞれから、送信者データ、状態情報、及び感情情報のそれぞれを取得する。
【0056】
記憶部53は、データ取得部52により取得された各種データを記憶する。
【0057】
解析部54は、データ取得部52に取得されたデータのうち、送信者データを解析することにより、送信者の感情の状態を表すスコアを算出する。なお、送信者の感情の状態を表すスコアを、送信者のスコアSsと称する。
【0058】
また、解析部54は、データ取得部52により取得されたデータのうち、状態情報及び感情情報を解析することにより、受信者の感情の状態を表すスコアを算出する。なお、受信者の感情の状態を表すスコアを、受信者のスコアSrと称する。ここで、受信者のスコアSrの算出には、状態情報及び感情情報のうち、少なくとも一方が用いられればよい。
【0059】
判定部55は、解析部54の解析結果に基づいて、送信者データの提示可否を判定する。具体的には、判定部55は、送信者のスコアSs(送信者の感情の状態を表す解析結果)と、受信者のスコアSr(受信者の感情の状態を表す解析結果)とが所定の条件を満たす場合に、送信者データを提示可であると判定し、満たさない場合には送信者データを提示不可と判定する。
【0060】
本実施形態においては、判定部55は、送信者のスコアSsと受信者のスコアSrとを比較することによって、送信者の感情の状態と受信者の感情の状態とを比較する。そして、判定部55は、その比較結果に基づいて、送信者データの提示可否を判定する。すなわち、判定部55は、両者の感情が一致すると判断した場合には、送信者データを提示可であると判定する。これに対して、判定部55は、両者の感情が一致しないと判断した場合には、送信者データを提示不可と判定する。
【0061】
判定結果が提示可である場合、判定部55は、送信者データのうち実データの提示手法を決定する。実データの提示手法としては、例えば、主情報である実データがメールである場合には、次のような各種手法が採用可能である。すなわち、実データにより表されるメールの内容を出力部45であるディスプレイに直ちに表示させる手法が採用可能である。或いはまた、予め設定された複数のフォルダのうち所定のフォルダ(例えば、嬉しいとき用のフォルダ)に実データを分類する手法が採用可能である。
【0062】
これに対して、判定結果が提示不可である場合、判定部55は、送信者データのうち実データの拒否手法を決定する。実データの拒否手法としては、例えば、実データがメールである場合には、次のような各種手法が採用可能である。すなわち、実データにより表されるメールの内容を判定から所定時間経過後に出力部45であるディスプレイに表示させる手法が採用可能である。或いはまた、予め設定された複数のフォルダのうち所定のフォルダ(例えば、悲しいとき用のフォルダ)に実データを分類して保留状態にする手法が採用可能である。或いはまた、実データを記憶部53に保留させておく等の手法が採用可能である。
【0063】
さらに、判定部55は、判定結果に基づいて、フィードバック情報を生成する。例えば、判定部55は、判定結果が提示可の場合には、実データが受信端末12において提示された旨の通知を、フィードバック情報として生成する。これに対して、判定部55は、判定結果が提示不可の場合には、実データが受信端末12において提示されなかった旨の通知を、フィードバック情報として生成する。フィードバック情報は、通信制御部51の制御に基づいて、通信部41から送信端末11に送信される。
【0064】
出力部45は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等として構成され、判定部55による判定結果に基づいて、実データを出力する。
【0065】
なお、送信端末11と受信端末12との間での情報の送受信は、通信制御部32により通信部25が制御されることによって、または通信制御部51により通信部41が制御されることによって行われる。なお、実際の端末装置は、送信機能と受信機能の一方のみを有する場合もあるが、両方を有する場合もある。両方の機能を有する端末装置は、
図1の送信端末11と受信端末12が有する構成の両方を有する。
【0066】
[送信処理]
次に、このような構成の情報処理システム1のうちの送信端末11が、受信端末12に対して実データ等を送信する一連の処理(以下、送信処理と称する)について説明する。
【0067】
図2は、送信処理の流れについて説明するフローチャートである。
【0068】
ステップS1において、データ取得部31は、実データ入力部21から入力された実データを取得する。なお、以下の説明では、実データはメールであるとする。
【0069】
ステップS2において、データ取得部31は、センサ部22により出力された状態情報を取得する。
【0070】
ステップS3において、データ取得部31は、感情設定部23により設定された感情情報を取得する。
【0071】
ステップS4において、通信制御部32は、ステップS1乃至ステップS3の各処理で取得された各データを、受信端末12に送信する。すなわち、実データと付随情報が、受信端末12に送信される。
【0072】
その後、受信端末12においては、送信端末11から送信された実データと付随情報が送信者データとして受信されて、その送信者データの提示可否が判定される(後述する
図3のステップS25)。そして、受信端末12における判定結果に基づいて、フィードバック情報が送信端末11に送信される(後述する
図3のステップS31)。なお、本実施形態においては、受信端末12から送信端末11へのフィードバック情報は、テキストデータであるものとし、当該テキストデータをフィードバックテキストデータと称する。
【0073】
ステップS5において、通信制御部32は、受信端末12から送信されてきたフィードバックテキストデータを受信する。受信されたフィードバックテキストデータは、図示せぬ出力部から出力される。これにより、送信者は、実データが受信端末12において提示されたか否かを知ることができる。
【0075】
[受信処理]
次に、受信端末12が、送信端末11から送信者データを受信してからフィードバックテキストデータを送信端末11に送信するまでの一連の処理(以下、受信処理と称する)について説明する。
【0076】
図3は、受信処理の流れを説明するフローチャートである。
【0077】
通信制御部51が、通信部41を制御して、送信端末11から送信されてきたデータ、すなわち、実データと付随情報を含むデータを送信者データとして受信すると、受信処理が開始され、次のようなステップS21以降の処理が実行される。
【0078】
ステップS21において、データ取得部52は、送信者データを取得する。
【0079】
ステップS22において、データ取得部52は、受信者データを取得する。すなわち、データ取得部52は、センサ部42により出力された受信者の状態情報と感情設定部43により設定された受信者の感情情報を取得する。
【0080】
ステップS23において、解析部54は、ステップS21の処理で取得された送信者データを解析する処理である送信者データ解析処理を実行する。
【0081】
ここで、送信者データ解析処理の詳細について
図4を参照して説明する。なお、説明を簡略化するため、
図4においては、送信者データのうち、実データの解析に関する処理について説明する。
【0082】
[送信者データ解析処理]
図4は、送信者データ解析処理の流れを説明するフローチャートである。
【0083】
ステップS41において、解析部54は、ステップS21の処理で取得された送信者データに含まれる実データとして、テキストデータを取得する。具体的には、メールの内容が取得される。
【0084】
ステップS42において、解析部54は、テキストデータに絵文字が使用されているかを判定する。
【0085】
テキストデータに絵文字が使用されていない場合、ステップS42においてNOであると判定されて処理はステップS45に進む。なお、ステップS45以降の処理については後述する。
【0086】
これに対して、絵文字が使用されている場合、ステップS42においてYESであると判定されて、処理はステップS43に進む。
【0087】
ステップS43において、解析部54は、絵文字とスコアの対応テーブルを参照する。なお、受信端末12は、絵文字とスコアの対応テーブルを予め保持しているとする。ここで、絵文字とスコアの対応テーブルについて、
図5を参照して説明する。
【0088】
図5は、絵文字とスコアの対応テーブルについて説明する図である。
【0089】
図5に示されるように、笑顔やハート等を表現するポジティブな絵文字(
図5の左側に示されている絵文字)に対しては、高いスコアが対応付けられている。一方、泣き顔や怒り顔を表現するネガティブな絵文字(
図5の右側に示されている絵文字)に対しては、低いスコアが対応付けられている。通常の顔を表現する中間的なレベルの絵文字(
図5の中央に示されている絵文字)に対しては、中間的なスコアが対応付けられている。
【0090】
図4に戻り、ステップS44において、解析部54は、絵文字スコアを算出する。例えば、解析部54は、テキストデータに含まれる絵文字に対応付けられたスコアをすべて合算することにより、絵文字スコアを算出する。その後、処理はステップS45に進む。
【0091】
ステップS45において、解析部54は、テキストデータを構文解析する。具体的には、解析部54は、テキストデータを構文解析することにより、受信者の感情に関連するキーワードを抽出する。
【0092】
ステップS46において、解析部54は、キーワードとスコアの対応テーブルを参照する。なお、受信端末12は、キーワードとスコアの対応テーブルを予め保持しているとする。キーワードとスコアの対応テーブルにおいては、例えば、ポジティブな感情を表現するキーワードに対しては、高いスコアが対応付けられており、一方でネガティブな感情を表現するキーワードに対しては、低いスコアが対応付けられている。両者の中間的な感情を表現するキーワードに対しては、中間的なスコアが対応付けられている。
【0093】
ステップS47において、解析部54は、テキストスコアを算出する。例えば、解析部54は、テキストデータに含まれるキーワードに対応付けられたスコアをすべて合算することにより、テキストスコアを算出する。
【0094】
ステップS48において、解析部54は、絵文字スコアとテキストスコアを合算して、送信者のスコアSsを算出する。
【0095】
ステップS49において、解析部54は、送信者のスコアSsを出力する。
【0096】
これにより、送信者データ解析処理は終了し、処理は
図3のステップS24に進む。
【0097】
なお、解析部54は、送信者のスコアSsを算出する場合、さらに送信端末11から受信した付随情報の解析結果を合算してもよい。
【0098】
例えば、付随情報のうちの状態情報が、センサ部22の心拍計から検出された心拍数を示す情報である場合、解析部54は、心拍数とスコアの対応テーブルを参照することにより、スコアを算出する。例えば、心拍数とスコアの対応テーブルにおいては、データ送信時の送信者の心拍数について、平常時の平均値よりも高い心拍数に対しては、ポジティブな状態であるとして高いスコアが対応付けられており、低い心拍数に対しては、ネガティブな状態であるとして低いスコアが対応付けられている。中間の心拍数に対しては中間のスコアが対応付けられている。
【0099】
また例えば、付随情報のうちの状態情報が、センサ部22のマイクロフォンから検出された音声のデータである場合、解析部54は、音声とスコアの対応テーブルを参照することにより、スコアを算出する。例えば、音声とスコアの対応テーブルにおいては、データ送信時の送信者の音声の高さについて、データ送信時から所定時間前までの一定の時間における音声の高さの平均値よりも高い音声に対しては、ポジティブな状態であるとしてその差に応じてより高いスコアが対応付けられている。一方、当該平均値よりも低い音声に対しては、その差に応じてより低いスコアが対応付けられている。また、平均値に近い音声に対しては、中間のスコアが対応付けられている。
【0100】
また例えば、付随情報のうちの感情情報が、「喜」、「怒」、「哀」、「楽」の4つのモードのうちのいずれかに設定されている場合、解析部54は、当該モードとスコアの対応テーブルを参照することにより、スコアを算出する。例えば、「喜」及び「楽」のモードに対しては、ポジティブな状態であるとして高いスコアが対応付けられており、「怒」及び「哀」のモードに対しては、ネガティブな状態であるとして低いスコアが対応付けられている。
【0101】
さらに、解析部54は、送信者のスコアSsを算出する場合、付随情報の他にも、送信者による送信端末11の使用履歴やユーザ設定モード等の解析結果を合算してもよい。
【0102】
ステップS24において、解析部54は、ステップS22の処理でデータ取得部52により取得された受信者データを解析して、受信者のスコアSrを算出する。すなわち、解析部54は、センサ部42により取得された状態情報と感情設定部43により取得された感情情報を解析することにより、受信者のスコアSrを算出する。なお、解析の手法は、送信者データの解析の手法と同様なので省略する。
【0103】
ステップS25において、判定部55は、ステップS24の解析結果に基づいて送信者データの提示可否を判定する処理(以下、判定処理と称する)を実行する。
【0104】
ここで、判定処理の詳細について
図6を参照して説明する。
【0105】
[判定処理]
図6は、判定処理の流れを説明するフローチャートである。
【0106】
ステップS61において、判定部55は、ステップS23の処理で算出された送信者のスコアSsを取得する。
【0107】
ステップS62において、判定部55は、ステップS24の処理で算出された受信者のスコアSrを取得する。
【0108】
ステップS63において、判定部55は、スコアSsとスコアSrの差分絶対値は閾値未満かを判定する。
【0109】
スコアSsとスコアSrの差分絶対値が閾値未満の場合、ステップS63においてYESであると判定されて、処理はステップS64に進む。すなわち、この場合、送信者の感情と受信者の感情が一致すると判断される。
【0110】
ステップS64において、判定部55は、提示可の判定結果を出力する。これにより、判定処理は終了し、処理は
図3のステップS26に進む。
【0111】
これに対して、スコアSsとスコアSrの差分絶対値が閾値未満でない場合、すなわち閾値以上である場合、ステップS63においてNOであると判定されて、処理はステップS65に進む。すなわち、この場合、送信者の感情と受信者の感情が一致しないと判断される。
【0112】
ステップS65において、判定部55は、提示不可の判定結果を出力する。これにより、判定処理は終了し、処理は
図3のステップS26に進む。
【0113】
ステップS26において、判定部55は、判定結果は提示可かを判定する。
【0114】
判定結果が提示可の場合、ステップS26においてYESであると判定されて、処理はステップS27に進む。
【0115】
ステップS27において、判定部55は、提示手法を決定する。具体的には、上述したように、判定部55は、実データにより表されるメールの内容を出力部45に直ちに表示させる手法や、メールを予め設定された複数のフォルダのうち所定のフォルダ(例えば、嬉しいとき用のフォルダ)に分類する手法等の各種手法の中から、1つの手法を決定する。
【0116】
ステップS28において、出力部45は、実データ(すなわちメール)を出力する。すなわち、出力部45は、ステップS27の処理で判定部55により決定された提示手法に従って、メールの内容を提示する。
【0117】
その後、処理はステップS31に進む。なお、ステップS31以降の処理については後述する。
【0118】
これに対して、判定結果が提示不可の場合、ステップS26において、NOであると判定されて、処理はステップS29に進む。
【0119】
ステップS29において、判定部55は、拒否手法を決定する。具体的には、上述したように、判定部55は、メールの内容を判定から所定時間経過後に出力部45に表示させる手法や、メールを予め設定された複数のフォルダのうち所定のフォルダ(例えば、悲しいとき用のフォルダ)に分類する手法等の各種手法の中から、1つの手法を決定する。
【0120】
ステップS30において、出力部45は、実データ(すなわちメール)を拒否する。すなわち、出力部45は、ステップS30の処理で判定部55により決定された拒否手法に従って、メールを拒否する。
【0121】
その後、処理はステップS31に進み、判定部55は、フィードバック処理を実行する。
【0122】
ここで、フィードバック処理について
図7を参照して説明する。
【0123】
[フィードバック処理]
図7は、フィードバック処理の流れを説明するフローチャートである。
【0124】
ステップS81において、判定部55は、ステップS25の処理で出力した判定結果は提示可かを判定する。
【0125】
判定結果が提示可の場合、ステップS81においてYESであると判定されて、処理はステップS82に進む。
【0126】
ステップS82において、判定部55は、判定結果からフィードバックテキストデータを作成する。すなわち、判定部55は、実データにより表されるメールの内容が受信端末12において提示された旨のフィードバックテキストデータを作成する。これにより、例えば、「メールの送信が成功しました。」というフィードバックテキストが作成される。
【0127】
ステップS83において、判定部55は、作成されたフィードバックテキストデータを通信制御部51を介して送信端末11に送信する。
【0128】
これに対して、判定結果が提示可でない場合、すなわち提示不可の場合、ステップS81においてNOであると判定されて、処理はステップS84に進む。
【0129】
ステップS84において、判定部55は、判定結果と受信者のスコアSrからフィードバックテキストデータを作成する。すなわち、判定部55は、実データであるメールが受信端末12において拒否された旨のフィードバックテキストデータを作成する。例えば、受信者のスコアSrが、受信者が怒っている状態のスコアである場合、「メールの送信が失敗しました。現在、相手は怒っているようです。」というフィードバックテキストデータが作成される。
【0130】
その後、処理はステップS83に進み、作成されたフィードバックテキストデータが送信端末11に送信される。
【0131】
これにより、ステップS31のフィードバック処理は終了し、
図3の受信処理も終了する。
【0132】
このように、情報処理システム1においては、受信者の感情または状態に応じて実データの提示タイミングを制御することができるので、受信者のストレスを軽減したり、喜びを倍増させたりすることができる。
【0133】
また、受信端末12から送信端末11へフィードバック情報が送信されるので、送信者は、実データが受信端末12において提示されたか否かを知ることができる。
【0134】
なお、上述の例では、受信端末12から送信端末11へ送信されるフィードバック情報は、テキストデータであるものとされたが、これに限定されない。フィードバック情報は、例えば、画像、振動、音声であってもよい。また、フィードバック情報の内容としては、上述したように、成功または失敗の2値情報に相手の感情または状態に関する情報を付加したテキストに限定されない。例えば、判定結果が提示不可の場合には、フィードバック情報として、送信者が送信した実データの内容に対する改善案が送信端末11に送信されてもよい。
【0135】
なお、上述の例では、判定処理において、送信者のスコアSsと受信者のスコアSrの差分絶対値と閾値とを比較することにより判定結果が決定された。しかしながら、判定処理の手法はこれに限定されず、例えば、送信者のスコアSsと受信者のスコアSrの組み合わせにより判定結果が決定されるテーブルが用いられてもよい。
【0136】
<2.第2実施形態>
第1実施形態の情報処理システム1においては、送信端末11から1つの受信端末12に対して実データが送信されるといった1対1の通信が行われた。しかしながら、送信端末と受信端末との間の通信の手法はこれに限定されない。そこで、送信端末から複数の受信端末に対して実データが送信されるといった1対N(Nは2以上の任意の整数値)の通信が行われる情報処理システムの実施形態を、第2実施形態として、以下説明する。
【0137】
[情報処理システム101の構成例]
図8は、本技術が適用される情報処理システム101の構成例を示すブロック図である。
【0138】
図8に示されるように、情報処理システム101は、送信端末111、受信端末112−1乃至112−N、及びサーバ113が、ネットワーク114を介して相互に接続されて構成されている。以下、受信端末112−1乃至112−Nを個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて受信端末112と称する。
【0139】
なお、
図8の送信端末111及び受信端末112の構成及び処理は、
図1の送信端末11及び受信端末12の構成と基本的に同様である。したがって、以下では、送信端末111及び受信端末112について、
図1の送信端末11及び受信端末12との一致点の説明は省略し、その差異点のみを説明する。
【0140】
送信端末111は、ネットワーク114に接続されたサーバ113に対して、電話機能による音声やメール機能によるメール(テキストや画像を含む)のデータを送信する。
【0141】
送信端末111は、実データ入力部121、センサ部122、感情設定部123、主制御部124、及び通信部125から構成される。また、主制御部124には、データ取得部131及び通信制御部132が設けられている。
【0142】
通信制御部132は、データ取得部131により取得されたデータ、すなわち実データと付随情報を、通信部125からネットワーク114を介してサーバ113に送信させるように制御する。
【0143】
サーバ113は、送信端末111と受信端末112との間で送受信される各種データをネットワーク114を介して管理する。サーバ113は、通信部171及び主制御部172を含むように構成される。
【0144】
通信部171は、後述の通信制御部181の制御に基づいて、ネットワーク114を介して送信端末111又は受信端末112との間の通信を行う。
【0145】
主制御部172は、サーバ113の動作全体を制御する。主制御部172には、通信制御部181及び記憶部182が設けられている。
【0146】
通信制御部181は、送信端末111から送信されてきた実データと付随情報を通信部171に受信させるように制御する。また、通信制御部181は、N個の受信端末112のそれぞれから定期的にアップロードされてくる受信者のスコアSrを通信部171に受信させるように制御する。
【0147】
記憶部182は、通信制御部181により受信された実データと付随情報を記憶する。また、記憶部182は、通信制御部181により定期的に受信されたN個の受信端末112のそれぞれの受信者のスコアSrを記憶する。
【0148】
また、通信制御部181は、送信端末111から受信した実データと付随情報を、N個の受信端末112のそれぞれに通信部171から送信させるように制御する。このとき、通信制御部181は、N個の受信端末112−i(i=1,2,・・・N)のそれぞれに対して、記憶部182に記憶されている、他の(N−1)個の受信端末112−j(j=1,2,・・・N。ただし、j≠i)のそれぞれの受信者のスコアSrを、実データと付随情報とともに通信部171から送信させるように制御する。
【0149】
受信端末112は、送信端末111から送信された実データと付随情報を、ネットワーク114を介してサーバ113から受信する。また、サーバ113から、他の(N−1)個の受信端末112のそれぞれの受信者のスコアSrを受信する。
【0150】
受信端末112は、通信部141、センサ部142、感情設定部143、主制御部144、及び出力部145を含むように構成される。また、主制御部144には、通信制御部151、データ取得部152、記憶部153、解析部154、及び判定部155が設けられている。
【0151】
通信制御部151は、サーバ113から送信されてきたデータを通信部141に受信させるように制御する。具体的には、通信制御部151は、サーバ113を介して送信端末111から送信されてきた実データ及び付随情報(以下、送信者データと称する)、並びに、サーバ113から送信されてきた他の受信端末112のそれぞれの受信者のスコアSrを、通信部141に受信させるように制御する。
【0152】
データ取得部152は、通信制御部151、センサ部142、感情設定部143のそれぞれから、送信者データ、他の受信端末112のそれぞれの受信者のスコアSr、状態情報、及び感情情報のそれぞれを取得する。
【0153】
解析部154は、データ取得部152に取得されたデータのうち、送信者データを解析することにより、送信者のスコアSsを算出する。
【0154】
また、解析部154は、データ取得部152に取得されたデータのうち、状態情報及び感情情報を解析することにより、受信者のスコアSrを算出する。そして、解析部154は、算出された受信者のスコアSrを、通信制御部151の制御に基づいて通信部141からサーバ113にアップロードする。解析部154は、定期的に受信者のスコアSrを算出して、サーバ113にアップロードする。なお、他の受信端末112においても、定期的に受信者のスコアSrが算出されて、サーバ113にアップロードされる。
【0155】
なお、
図8の情報処理システム101においては、送信端末111は、他の装置が送信端末として機能する場合には、受信端末112としても機能する。この場合には、定期的に受信者のスコアSrが算出されて、サーバ113にアップロードされる。ただし、ここでは説明の簡略上、送信端末111が受信端末112として機能する場合については言及しないものとする。
【0156】
判定部155は、解析部154の解析結果と、データ取得部152に取得された他の受信端末112のそれぞれの受信者のスコアSrに基づいて、送信者データの提示可否を判定する。
【0157】
具体的には、判定部155は、送信者のスコアSs(送信者の感情の状態の解析結果)、受信者のスコアSr(受信者の感情の状態の解析結果)、及び他の受信端末112のそれぞれの受信者のスコアSr(他の受信者の感情の状態の解析結果)が所定の条件を満たす場合に、送信者データを提示可であると判定し、満さない場合には送信者データを提示不可と判定する。
【0158】
本実施形態においては、判定部155は、送信者のスコアSs、受信者のスコアSr、及び他の受信端末112のそれぞれの受信者のスコアSrを比較することによって、送信者の感情の状態と全ての受信者の感情の状態とを比較する。そして、判定部155は、その比較結果に基づいて、送信者データの提示可否を判定する。すなわち、判定部155は、両者の感情が一致すると判断した場合には、送信者データを提示可であると判定する。これに対して、判定部155は、両者の感情が一致しないと判断した場合には、送信者データを提示不可と判定する。
【0159】
判定結果が提示可である場合、判定部155は、送信者データのうち実データの提示手法を決定する。これに対して、判定結果が提示不可である場合、判定部155は、送信者データのうち実データの拒否手法を決定する。なお、実データの提示手法及び拒否手法については上述したので、その説明を省略する。
【0160】
さらに、判定部155は、判定結果に基づいて、フィードバック情報を生成する。フィードバック情報は、通信制御部151の制御に基づいて、通信部141からサーバ113を介して送信端末111に送信される。
【0161】
サーバ113は、受信端末112から受信したフィードバック情報を、送信端末111に送信する。なお、サーバ113は、所定時間が経過しても、受信端末112からフィードバック情報が送信されてこない場合には、実データが受信端末112において提示されなかった旨の通知をフィードバック情報として送信端末111に送信するようにしてもよい。
【0162】
なお、送信端末111、受信端末112、及びサーバ113の間の情報の送受信は、通信制御部132により通信部125が制御されることによって、通信制御部151により通信部141が制御されることによって、または通信制御部181により通信部171が制御されることによって行われる。
【0163】
[送信処理]
次に、このような構成の情報処理システム101における送信端末111の送信処理、すなわち送信端末111が、サーバ113に対して実データ等を送信するまでの一連の処理(以下、送信処理と称する)について説明する。
【0164】
送信端末111による送信処理の流れは、
図2の送信端末11による送信処理の流れと基本的に同様である。したがって、その説明は省略する。ただし、送信端末111による送信処理においては、データ取得部131に取得された各データ、すなわち実データと付随情報が、サーバ113に送信される。
【0165】
また、受信端末112において実データの提示可否が判定され、その判定結果に基づいて生成されたフィードバックテキストデータが、サーバ113を介して送信端末111に送信される。すなわち、通信制御部132は、サーバ113から送信されてきたフィードバックテキストデータを受信する。
【0166】
[管理処理]
次に、サーバ113が、送信端末111から受信した実データと付随情報を受信端末112に送信してから、受信端末112から受信したフィードバックテキストデータを送信端末111に送信するまでの一連の処理(以下、管理処理と称する)について説明する。
【0167】
図9は、管理処理の流れを説明するフローチャートである。
【0168】
ステップS101において、通信制御部181は、全ての受信端末112から受信者のスコアSrを受信する。記憶部182は、受信された受信者のスコアSrを記憶する。なお、受信者のスコアSrは、定期的に送信されてくる。
【0169】
ステップS102において、通信制御部181は、送信端末111からデータが送信されてきたかを判定する。すなわち、通信制御部181は、送信端末111から実データと付随情報が送信されてきたかを判定する。
【0170】
送信端末111からデータが送信されてこない場合、ステップS102においてNOであると判定されて、処理はステップS101に戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、送信端末111からデータが送信されてくるまでの間、ステップS101,S102のループ処理が繰り返される。
【0171】
その後、送信端末111からデータが送信されてきた場合、ステップS102においてYESであると判定されて、処理はステップS103に進む。
【0172】
ステップS103において、通信制御部181は、送信端末111からのデータを受信する。
【0173】
ステップS104において、通信制御部181は、送信端末111からのデータを全ての受信端末112に送信する。すなわち、実データと付随情報が、全ての受信端末112に送信される。
【0174】
ステップS105において、通信制御部181は、他の受信端末112の受信者のスコアSrを受信端末112に送信する。なお、ステップS104とステップS105の処理は略同時に実行される。
【0175】
その後、受信端末112においては、サーバ113から送信された実データと付随情報が送信者データとして受信されて、さらに、他の受信者のスコアSrが受信される(後述する
図10のステップS125)。そして、それらの情報に基づいて、送信者データの提示可否が判定される。そして、受信端末112における判定結果に基づいて、フィードバックテキストデータがサーバ113に送信される。
【0176】
ステップS106において、通信制御部181は、受信端末112から送信されてきたフィードバックテキストデータを受信する。
【0177】
ステップS107において、通信制御部181は、送信端末111にステップS106の処理で受信したフィードバックテキストデータを送信する。
【0179】
[受信処理]
次に、受信端末112が、サーバ113から送信者データ、他の受信者のスコアSrを受信してからフィードバックテキストデータをサーバ113に送信するまでの一連の処理(以下、受信処理と称する)について説明する。
【0180】
図10は、受信処理の流れを説明するフローチャートである。
【0181】
ステップS121において、データ取得部152は、受信者データを取得する。すなわち、データ取得部152は、センサ部142から出力された受信者の状態情報と、感情設定部143により設定された受信者の感情情報とを取得する。
【0182】
ステップS122において、解析部154は、ステップS121の処理でデータ取得部152に取得された受信者データを解析して、受信者のスコアSrを算出する。なお、解析の手法は、第1実施形態において説明した手法をそのまま適用することができる。
【0183】
ステップS123において、通信制御部151は、ステップS122の処理で算出された受信者のスコアSrをサーバ113にアップロードする。
【0184】
ステップS124において、通信制御部151は、サーバ113からデータが送信されてきたかを判定する。すなわち、通信制御部151は、送信端末111からサーバ113を介して実データ、付随情報、及び他の受信者のスコアSrが送信されてきたかを判定する。
【0185】
サーバ113からデータが送信されてこない場合、ステップS124においてNOであると判定されて、処理はステップS121に戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、サーバ113からデータが送信されてくるまでの間、ステップS121乃至ステップS124の処理が繰り返される。
【0186】
その後、サーバ113からデータが送信されてきた場合、ステップS124においてYESであると判定されて、処理はステップS125に進む。
【0187】
ステップS125において、通信制御部151は、サーバ113からデータを受信する。すなわち、実データと付随情報を含むデータが送信者データとして受信され、さらに、他の受信者のスコアSrが受信される。
【0188】
ステップS126において、データ取得部152は、ステップS125の処理で受信された送信者データを取得する。
【0189】
ステップS127において、解析部154は、上述した
図4の送信者データ解析処理を実行することで、ステップS126の処理で取得された送信者データを解析する。これにより、送信者のスコアSsが算出される。
【0190】
ステップS128において、データ取得部152は、ステップS125の処理で受信された他の受信者のスコアSrを取得する。
【0191】
ステップS129において、判定部155は、判定処理を実行する。例えば、判定部155は、ステップS122の処理で算出された受信者のスコアSr、ステップS127の処理で算出された送信者のスコアSs、及びステップS128の処理で取得された他の受信者のスコアSrを比較することによって、送信者の感情の状態と全ての受信者の感情の状態とを比較する。すなわち、判定部155は、両者の感情が一致すると判断した場合には、送信者データを提示可であると判定する。これに対して、判定部155は、両者の感情が一致しないと判断した場合には、送信者データを提示不可と判定する。例えば、全てのスコアがポジティブな状態を表すスコアである場合には、判定部155は、提示可の判定結果を出力し、それ以外の場合には提示不可の判定結果を出力する。
【0192】
ステップS130において、判定部155は、判定結果は提示可であるかを判定する。
【0193】
判定結果が提示可の場合、ステップS130においてYESであると判定されて、処理はステップS131に進む。
【0194】
ステップS131において、判定部155は、提示手法を決定する。すなわち、判定部155は、上述した各種手法の中から、1つの提示手法を決定する。
【0195】
ステップS132において、出力部145は、実データ(すなわち、メール)を出力する。すなわち、出力部145は、ステップS131の処理で判定部155により決定された提示手法に従って、メールの内容を提示する。
【0196】
その後、処理はステップS135に進む。なお、ステップS135以降の処理については後述する。
【0197】
これに対して、判定結果が提示不可の場合、ステップS130において、NOであると判定されて、処理はステップS133に進む。
【0198】
ステップS133において、判定部155は、拒否手法を決定する。すなわち、判定部155は、上述した各種手法の中から、1つの提示手法を決定する。
【0199】
ステップS134において、出力部145は、実データ(すなわち、メール)を拒否する。すなわち、出力部145は、ステップS134の処理で判定部155により決定された拒否手法に従って、メールを拒否する。
【0200】
その後、処理はステップS135に進み、判定部155は、フィードバック処理を実行する。これにより、サーバ113に対してフィードバック情報が送信される。なお、フィードバック処理は、
図7のフィードバック処理の流れと基本的に同様である。ただし、判定部155によるフィードバック処理においては、判定結果に基づいて作成されたフィードバックテキストデータは、サーバ113に送信される。
【0201】
上述したように、サーバ113は、受信したフィードバックテキストデータを送信端末111に送信する。これにより、受信処理は終了する。
【0202】
このように、送信端末111から複数の受信端末112に対して実データが送信される情報処理システム101においても、受信者の感情または状態に応じて実データの提示タイミングを制御することができるので、受信者のストレスを軽減したり、喜びを倍増させたりすることができる。
【0203】
また、サーバ113を介して受信端末112から送信端末111へフィードバック情報が送信されるので、送信者は、実データが受信端末112において提示されたか否かを知ることができる。
【0204】
<3.第3実施形態>
第2実施形態の情報処理システム101においては、実データの提示可否を判定する判定処理は、受信端末112において実行された。しかしながら、判定処理の実行場所は、特に限定されない。そこで、サーバが判定処理を実行する情報処理システムの実施形態を、第3実施形態として、以下説明する。
【0205】
図11は、本技術が適用される情報処理システム201の構成例を示すブロック図である。
【0206】
図11に示されるように、情報処理システム201は、送信端末111、受信端末112−1乃至112−N(Nは1以上の任意の整数値)、及びサーバ213が、ネットワーク114を介して相互に接続されて構成されている。なお、
図11の情報処理システム201のうち、送信端末111、受信端末112−1乃至112−N、及びネットワーク114の構成及び処理は、
図8の情報処理システム101の送信端末111、受信端末112、及びネットワーク114と基本的に同様である。ただし、本実施形態では、判定処理はサーバ213において実行されるので、受信端末112では、
図8に示すような判定部155は機能しない。したがって、以下では、第3実施形態の情報処理システム201について、第2実施形態の情報処理システム101との差異点、すなわちサーバ213について主に説明する。
【0207】
サーバ213は、送信端末111と受信端末112との間で送受信される各種データをネットワーク114を介して管理する。サーバ213は、通信部221及び主制御部222を含むように構成される。
【0208】
通信部221は、後述の通信制御部231の制御に基づいて、ネットワーク114を介して送信端末111及び受信端末112との間の通信を行う。
【0209】
主制御部222は、サーバ213の動作全体を制御する。主制御部222には、通信制御部231、状態設定部232、記憶部233、及び判定部234が設けられている。
【0210】
通信制御部231は、送信端末111から送信されてきた実データと付随情報を通信部221に受信させるように制御する。また、通信制御部231は、N個の受信端末112のそれぞれから定期的にアップロードされてくる受信者のスコアSrを通信部221に受信させるように制御する。
【0211】
状態設定部232は、通信制御部231の制御によって受信された、N個の受信端末112のそれぞれの受信者のスコアSrに対して、感情の状態を設定する。具体的には、状態設定部232は、受信者のスコアSrに基づいて、受信者の感情をポジティブ状態またはネガティブ状態の2値情報の何れかに設定する。なお、感情の状態の種類や数についてはこれに限定されない。
【0212】
記憶部233は、状態設定部232により設定されたN個の受信端末112のそれぞれの受信者のスコアSrを記憶する。
【0213】
判定部234は、状態設定部232により設定された、N個の受信端末112のそれぞれの受信者の感情の状態に基づいて、送信端末111から受信した実データを、受信端末112に対して送信可能か否かを判定する。具体的には、判定部234は、N個の受信端末112の受信者の感情の状態が所定の条件を満たす場合に、N個の受信端末112に対して実データを送信可であると判定し、満たさない場合には実データを送信不可と判定する。
【0214】
本実施形態においては、判定部234は、N個の受信端末112のそれぞれの受信者の感情の状態の比較の結果に基づいて、実データの送信可否を判定する。すなわち、判定部234は、受信者全員の感情の状態が一致すると判断した場合(すなわち、受信者全員の感情の状態がポジティブ状態である場合)には、実データを送信可であると判定する。これに対して、判定部234は、受信者全員の感情の状態が一致しないと判断した場合には、実データを送信不可と判定する。
【0215】
なお、N個の受信端末112の受信者の感情の状態の割合に応じて、実データの送信可否が判定されてもよい。例えば、N個の受信端末112の受信者の感情の状態の割合として、ポジティブ状態とネガティブ状態の割合が50%と50%との場合(ポジティブ状態の割合が50%以下の場合)には、判定部234は、実データを送信不可と判定する。一方、ポジティブ状態とネガティブ状態の割合が60%と40%(ポジティブ状態の割合が50%を超える場合)との場合には、判定部234は、実データを送信可と判定する。
【0216】
また、判定部234は、所定時間が経過しても受信者全員の感情の状態が一致しない場合には、実データを送信不可と判定するようにしてもよい。
【0217】
判定結果が送信可である場合、判定部234は、実データの送信手法を決定する。実データの送信手法としては、例えば、実データがメールである場合には、直ちに受信端末112に送信する手法が採用可能である。これに対して、判定結果が送信不可である場合、判定部234は、実データの拒否手法を決定する。実データの拒否手法としては、例えば、実データがメールである場合には、実データを記憶部233に保留させておく等の手法が採用可能である。
【0218】
さらに、判定部234は、判定結果に基づいて、フィードバック情報を生成する。フィードバック情報は、通信制御部231の制御に基づいて、通信部221からネットワーク114を介して送信端末111に送信される。
【0219】
なお、送信端末111、受信端末112、及びサーバ213の間の情報の送受信は、通信制御部132により通信部125が制御されることによって、通信制御部151により通信部141が制御されることによって、または通信制御部231により通信部221が制御されることによって行われる。
【0220】
[送信処理]
このような構成の情報処理システム201のうちの送信端末111が、サーバ113に対して実データ等を送信するまでの一連の処理(以下、送信処理と称する)の流れは、第2実施形態の送信端末111の送信処理の流れと基本的に同様である。したがって、その説明は省略する。
【0221】
[管理処理]
次に、サーバ213が、N個の受信端末112のそれぞれの受信者の感情の状態を設定してから、作成したフィードバックテキストデータを送信端末111に送信するまでの一連の処理(以下、管理処理と称する)について説明する。
【0222】
図12は、管理処理の流れを説明するフローチャートである。
【0223】
ステップS141において、通信制御部231は、全ての受信端末112から受信者のスコアSrを受信する。
【0224】
ステップS142において、状態設定部232は、全ての受信者の感情の状態を設定する。例えば、状態設定部232は、ステップS141の処理で受信した全ての受信者のスコアSrのそれぞれに対して、スコアSrを評価することによりポジティブ状態またはネガティブ状態を設定する。設定された全ての受信者の感情の状態は、記憶部233に記憶される。
【0225】
ステップS143において、通信制御部231は、送信端末からデータが送信されてきたかを判定する。すなわち、通信制御部231は、送信端末111から実データと付随情報が送信されてきたかを判定する。
【0226】
送信端末111からデータが送信されてこない場合、ステップS143においてNOであると判定されて、処理はステップS141に戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、送信端末111からデータが送信されてくるまでの間、ステップS141乃至ステップS143のループ処理が繰り返される。
【0227】
その後、送信端末111からデータが送信されてきた場合、ステップS143においてYESであると判定されて、処理はステップS144に進む。
【0228】
ステップS144において、通信制御部231は、送信端末111からのデータを受信する。
【0229】
ステップS145において、判定部234は、判定処理を実行する。例えば、判定部234は、ステップS142の処理で設定された全ての受信者の感情の状態の比較の結果に基づいて、実データの受信端末112への送信可否を判定する。例えば、判定部234は、受信者全員の感情の状態が一致すると判断した場合には、実データを送信可の判定結果を出力する。これに対して、判定部234は、受信者全員の感情の状態が一致しないと判断した場合には、実データを送信不可の判定結果を出力する。
【0230】
ステップS146において、判定部234は、判定結果は送信可であるかを判定する。
【0231】
判定結果が送信可の場合、ステップS146においてYESであると判定されて、処理はステップS147に進む。
【0232】
ステップS147において、判定部147は、送信手法を決定する。
【0233】
ステップS148において、通信制御部231は、実データを全ての受信端末112に送信する。すなわち、通信制御部231は、ステップS147の処理で判定部234により決定された送信手法に従って、メールを送信する。
【0234】
その後、処理はステップS151に進む。なお、ステップS151以降の処理については後述する。
【0235】
これに対して、判定結果が提示不可の場合、ステップS146において、NOであると判定されて、処理はステップS149に進む。
【0236】
ステップS149において、判定部234は、拒否手法を決定する。
【0237】
ステップS150において、通信制御部231は、実データを拒否する。すなわち、通信制御部231は、ステップS149の処理で判定部234により決定された拒否手法に従って、メールを拒否する。
【0238】
その後、処理はステップS151に進み、判定部234は、フィードバック処理を実行することで、送信端末111に対してフィードバック情報を送信する。なお、フィードバック処理は、
図7のフィードバック処理の流れと基本的に同様である。
【0239】
例えば、判定結果が送信可である場合には、判定部234は、実データにより表されるメールの内容が受信端末112に送信された旨のフィードバックテキストデータを作成する。これにより、例えば、「メールの送信が成功しました。」というフィードバックテキストが作成される。その後、判定部234は、通信制御部231を介して作成されたフィードバックテキストデータを送信端末111に送信する。
【0240】
これに対して、判定結果が送信不可である場合には、判定部234は、実データにより表されるメールの内容が受信端末112に送信されなかった旨のフィードバックテキストデータを作成する。これにより、例えば、「今回は送信先ユーザの気分が乗らないようです。」、「みんなの気持ちが一つになりませんでした。」、「ユーザへのメールのお届けを回避しました」等のフィードバックテキストデータが作成される。その後、判定部234は、通信制御部231を介して作成されたフィードバックテキストデータを送信端末111に送信する。
【0241】
これにより、ステップS151のフィードバック処理は終了し、管理処理は終了する。
【0242】
[受信処理]
次に、受信端末112が、受信者データを解析してから実データを出力するまでの一連の処理(以下、受信処理と称する)について説明する。
【0243】
図13は、受信処理の流れを説明するフローチャートである。
【0244】
ステップS161において、データ取得部152は、受信者データを取得する。すなわち、データ取得部152は、センサ部142から出力された受信者の状態情報と、感情設定部143により設定された受信者の感情情報とを取得する。
【0245】
ステップS162において、解析部154は、ステップS161の処理でデータ取得部152に取得された受信者データを解析して、受信者のスコアSrを算出する。なお、解析の手法は、第1実施形態において説明した手法をそのまま適用することができる。
【0246】
ステップS163において、通信制御部151は、ステップS162の処理で算出された受信者のスコアSrをサーバ113にアップロードする。
【0247】
ステップS164において、通信制御部151は、サーバ213から実データが送信されてきたかを判定する。
【0248】
サーバ213から実データが送信されてこない場合、ステップS164においてNOであると判定されて、処理はステップS161に戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、サーバ113から実データが送信されてくるまでの間、ステップS161乃至ステップS164の処理が繰り返される。
【0249】
その後、サーバ213から実データが送信されてきた場合、ステップS164においてYESであると判定されて、処理はステップS165に進む。
【0250】
ステップS165において、通信制御部151は、サーバ213から実データを受信する。
【0251】
ステップS166において、出力部145は、実データを出力する。
【0253】
このように、サーバ213において、実データの受信端末112への送信可否が判定される情報処理システム201においても、受信者の感情または状態に応じて実データの送信タイミングを制御することができるので、受信者のストレスを軽減したり、喜びを倍増させたりすることができる。
【0254】
また、サーバ213から送信端末111へフィードバック情報が送信されるので、送信者は、実データが受信端末112に送信されたか否かを知ることができる。
【0255】
なお、上述の例では、受信者のスコアSrは、N個の受信端末112のそれぞれにおいて算出された。しかしながら、N個の受信端末112のそれぞれの受信者のスコアSrは、サーバにおいて算出されてもよい。
【0256】
[情報処理システム301の構成例]
以上説明したように、
図11の情報処理システム201においては、状態設定処理がサーバ213において行われるようにしたが、さらに解析処理もサーバ側で実行することができる。この場合の情報処理システムについて
図14を参照して説明する。
【0257】
図14は、本技術が適用される情報処理システム301の構成例を示すブロック図である。
【0258】
図14に示されるように、情報処理システム301は、送信端末111、受信端末112−1乃至112−N(Nは1以上の任意の整数値)、及びサーバ313が、ネットワーク114を介して相互に接続されて構成されている。なお、
図14の情報処理システム301のうち、送信端末111、受信端末112−1乃至112−N、及びネットワーク114の構成及び処理は、
図11の情報処理システム201の送信端末111、受信端末112、及びネットワーク114と基本的に同様である。したがって、以下では、情報処理システム301について、
図11の情報処理システム201との一致点の説明は省略し、その差異点のみを説明する。
【0259】
サーバ313は、送信端末111と受信端末112との間で送受信される各種データをネットワーク114を介して管理する。サーバ313は、通信部321及び主制御部322を含むように構成される。
【0260】
通信部321は、後述の通信制御部331の制御に基づいて、ネットワーク114を介して送信端末111及び受信端末112との間の通信を行う。
【0261】
主制御部322は、サーバ313の動作全体を制御する。主制御部322には、通信制御部331、解析部332、状態設定部333、記憶部334、及び判定部335が設けられている。
【0262】
通信制御部331は、送信端末111から送信されてきた実データと付随情報を通信部321に受信させるように制御する。また、通信制御部331は、N個の受信端末112のそれぞれから定期的にアップロードされてくる受信者データ、すなわち受信者の状態情報と感情情報を通信部321に受信させるように制御する。
【0263】
解析部332は、通信制御部331に受信された、N個の受信端末112のそれぞれの受信者データ(すなわち、受信者の状態情報と感情情報)を解析することにより、受信者のスコアSrを算出する。なお、受信者のスコアSrの算出手法については上述したので、その説明を省略する。
【0264】
状態設定部333は、解析部332により算出されたN個の受信端末112のそれぞれの受信者のスコアSrに対して、感情の状態を設定する。なお、状態設定部333は、
図11の状態設定部232と基本的に同様の機能と構成を有しているため、その説明を省略する。
【0265】
記憶部334は、状態設定部333により設定されたN個の受信端末112のそれぞれの受信者の感情の状態を記憶する。
【0266】
判定部335は、状態設定部333により設定された、N個の受信端末112のそれぞれの受信者の感情の状態に基づいて、送信端末111から受信した実データを、受信端末112のそれぞれに対して送信可能か否かを判定する。なお、判定部335は、
図11の判定部234と基本的に同様の構成を有しているため、その説明を省略する。
【0267】
[送信処理]
次に、このような構成の情報処理システム301における送信端末111の送信処理、すなわち送信端末111が、サーバ313に対して実データ等を送信するまでの一連の処理(以下、送信処理と称する)について説明する。
【0268】
送信端末111による送信処理の流れは、
図11の情報処理システム201における送信端末111による送信処理の流れと基本的に同様である。したがって、その説明を省略する。
【0269】
[管理処理]
次に、サーバ313が、N個の受信端末112のそれぞれの受信者データを受信してから、作成したフィードバックテキストデータを送信端末111に送信するまでの一連の処理(以下、管理処理と称する)について説明する。
【0270】
図15は、管理処理の流れを説明するフローチャートである。
【0271】
ステップS181において、通信制御部331は、全ての受信端末112から受信者データ、すなわち受信者の状態情報と感情情報を受信する。
【0272】
ステップS182において、解析部332は、全ての受信者データを解析して受信者のスコアSrを算出する。
【0273】
ステップS183において、状態設定部333は、全ての受信者の感情の状態を設定する。すなわち、状態設定部333は、ステップS182の処理で算出された全ての受信者のスコアSrのそれぞれに対して、ポジティブ状態またはネガティブ状態を設定する。設定された全ての受信者の感情の状態は、記憶部334に記憶される。その後、処理はステップS184に進む。
【0274】
ステップS184乃至ステップS192の処理の流れは、
図12のステップS143乃至ステップS151の処理の流れと基本的に同様である。したがって、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0276】
[受信処理]
次に、受信端末112が、受信者データを取得してサーバ313に送信してから実データを出力するまでの一連の処理(以下、受信処理と称する)について説明する。
【0277】
図16、受信処理の流れを説明するフローチャートである。
【0278】
ステップS201において、データ取得部152は、受信者データを取得する。すなわち、データ取得部152は、センサ部142から出力された受信者の状態情報と、感情設定部143により設定された受信者の感情情報とを取得する。
【0279】
ステップS202において、通信制御部151は、ステップS201の処理で取得された受信者データ、すなわち受信者の状態情報と感情情報をサーバ313にアップロードする。その後、処理はステップS203に進む。
【0280】
ステップS203乃至ステップS205の処理の流れは、
図13のステップS164乃至ステップS166の処理の流れと基本的に同様である。したがって、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0282】
このように、受信端末112またはサーバにより実行される処理は、受信端末112またはサーバのどちらにおいて実行されてもよく、その処理分担の割合は自由に変更可能である。
【0283】
ところで、近年、携帯電話機に代表されるモバイル端末では、様々な操作がボタンやタッチパッド等を用いて行われている。また、音声認識を用いた音声による操作、例えば音声による入力、検索等も行われている。例えば、「Aさんに電話」というように、特定の人物の名前が発話されることで、当該特定の人物に対する通話やメールの送受信が可能となる。今後、音声認識技術の進歩により、さまざまな操作が音声で行われたり、人の自然な振舞いがマイクロフォン等から認識可能になることが予想される。この場合、音声認識により得られた音声情報を用いて受信者の感情状態を解析し、その解析結果を用いて本技術を適用することが可能である。
【0284】
この場合の情報処理システムは、上述した各種実施形態の構成を含め任意の構成を取ることができるが、ここでは説明の簡略上、
図8の構成を取っているものとする。
【0285】
例えば、受信端末112のユーザ等の発話による操作指示(以下、発話コマンドと称する)の履歴に基づいて、受信者の感情状態が認識される例について説明する。
【0286】
この場合、前提条件として、受信者は、通常の操作を発話コマンド等により行うものとする。また、発話コマンドによる操作が行われる場合には、当該発話コマンドが解析されて、受信者のスコアSrが出力される。そして、出力された受信者のスコアSrが、受信者の発話コマンドによる操作履歴と共に記憶される。なお、発話コマンドによる操作が定期的に行われる場合には、受信者のスコアSrも定期的に出力され、記憶される。
【0287】
送信端末111から受信端末112またはサーバ113対して実データを含むデータが送信された場合、記憶されている受信者のスコアSrに基づいて、受信者の直前の感情状態が算出される。そして、算出された感情状態に基づいて、受信端末112における実データの提示が制御される。例えば、受信者の感情状態がポジティブ状態である場合には、受信端末112において実データが提示され、ネガティブ状態である場合には、受信端末112において実データが拒否される。また例えば、受信者の感情状態がネガティブ状態からポジティブ状態に変化した場合には、感情状態の変化時に、受信端末112において実データが提示される。
【0288】
なお、受信者のスコアSrは、音声による検索語、日常会話の録音、直前の通話時の発話、操作時の環境音等に基づいて算出されてもよい。
【0289】
上述の説明においては、実データはメールであるとして説明したが、実データが音声データである場合も同様である。
【0290】
なお、実データが音声データである場合、例えば、受信者のスコアSrが、予め受信端末112から送信端末111に送信されるようにする。そして、例えば、送信端末111においては、受信端末112から受信した受信者のスコアSrに基づいて、当該受信端末112に対する電話機能の使用可否が判定されるようにしてもよい。
【0291】
[本技術のプログラムへの適用]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0292】
図17は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0293】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)401,ROM(Read Only Memory)402,RAM(Random Access Memory)403は、バス404により相互に接続されている。
【0294】
バス404には、さらに、入出力インタフェース405が接続されている。入出力インタフェース405には、入力部406、出力部407、記憶部408、通信部409、及びドライブ410が接続されている。
【0295】
入力部406は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部407は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部408は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部409は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ410は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア411を駆動する。
【0296】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU401が、例えば、記憶部408に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース405及びバス404を介して、RAM403にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0297】
コンピュータ(CPU401)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア211に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0298】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア411をドライブ410に装着することにより、入出力インタフェース405を介して、記憶部408にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部409で受信し、記憶部408にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM402や記憶部408に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0299】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0300】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0301】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0302】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0303】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0304】
なお、本技術は、以下のような構成もとることができる。
(1)
送信者により送信される主情報、及び前記主情報が送信されたときの前記送信者の感情または状態に関連する送信者情報を受信する受信部と、
受信者の感情または状態に関連する受信者情報を取得する取得部と、
前記主情報、前記送信者情報、及び前記受信者情報を解析する解析部と、
前記解析部の解析結果に基づいて、前記主情報の提示可否を判定する判定部と
を備える情報処理装置。
(2)
前記判定部は、提示可と判定した場合には前記主情報の提示手法を決定し、提示不可と判定した場合には前記主情報の拒否手法を決定する
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記提示手法は、前記主情報の提示のタイミングについての手法と、前記主情報の格納場所についての手法とのうちの少なくとも一方を含む
前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記解析部は、前記送信者情報を表す第1のスコアと、前記受信者情報を表す第2のスコアとを算出し、
前記判定部は、前記第1のスコアと前記第2のスコアの比較に基づいて、前記主情報の提示可否を判定する
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
(5)
前記主情報は、電子メールまたは音声である
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6)
前記送信者情報は、前記送信者の状態を検出するセンサによる検出結果と、前記送信者の操作に基づいて設定される前記送信者の感情の状態とのうちの少なくとも一方を含む
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7)
前記受信者情報は、前記受信者の状態を検出するセンサによる検出結果と、前記受信者の操作に基づいて設定される前記受信者の感情の状態とのうちの少なくとも一方を含む
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)
前記センサによる検出結果は、体温、心拍数、呼吸数のうちの少なくとも1つを含む身体情報、画像、または音声が含まれる
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)
情報処理装置の情報処理方法において
前記情報処理装置が、
送信者により送信される主情報、及び、前記主情報が送信されたときの前記送信者の感情または状態に関連する送信者情報を受信し、
受信者の感情または状態に関連する受信者情報を取得し、
前記主情報、前記送信者情報、及び前記受信者情報を解析し、
解析結果に基づいて、前記主情報の提示可否を判定する
ステップを含む情報処理方法。
(10)
コンピュータを、
送信者により送信される主情報、及び前記主情報が送信されたときの前記送信者の感情または状態に関連する送信者情報を受信する受信部と、
受信者の感情または状態に関連する受信者情報を取得する取得部と、
前記主情報、前記送信者情報、及び前記受信者情報を解析する解析部と、
前記解析部の解析結果に基づいて、前記主情報の提示可否を判定する判定部と
して機能させるためのプログラム。
(11)
送信者により送信される主情報、及び前記主情報が送信されたときの前記送信者の感情または状態に関連する送信者情報を受信すると共に、複数の受信者のそれぞれの感情または状態に関連する複数の受信者情報を受信する受信部と、
前記主情報と共に、前記主情報の提示可否を判定するための情報として、前記送信者情報及び前記複数の受信者情報を、前記複数の受信者のそれぞれに送信する送信部と
を備えるサーバ。
(12)
前記複数の受信者情報に基づいて、前記複数の受信者のそれぞれの感情の状態を設定する状態設定部と、
前記状態設定部により設定された前記複数の受信者のそれぞれの感情の状態に基づいて、前記主情報を前記複数の受信者のそれぞれに送信するか否かを判定する判定部と
をさらに備え、
前記送信部は、
前記判定部により送信すると判定された場合、前記送信者情報及び前記複数の受信者情報を送信せずに、前記主情報のみを前記複数の受信者のそれぞれに送信し、
前記判定部により送信しないと判定された場合、前記主情報並びに前記送信者情報及び前記複数の受信者情報を送信しない
前記(11)に記載のサーバ。
(13)
前記判定部は、送信すると判定した場合には前記主情報の前記受信者に対する送信手法を決定し、送信しないと判定した場合には前記主情報の前記受信者に対する拒否手法を決定する
前記(11)または(12)に記載のサーバ。
(14)
サーバの情報処理方法において、
前記サーバが、
送信者により送信される主情報、及び前記主情報が送信されたときの前記送信者の感情または状態に関連する送信者情報を受信すると共に、複数の受信者のそれぞれの感情または状態に関連する複数の受信者情報を受信し、
前記主情報と共に、前記主情報の提示可否を判定するための情報として、前記送信者情報及び前記複数の受信者情報を、前記複数の受信者のそれぞれに送信する
ステップを含む情報処理方法。
(15)
コンピュータを、
送信者により送信される主情報、及び前記主情報が送信されたときの前記送信者の感情または状態に関連する送信者情報を受信すると共に、複数の受信者のそれぞれの感情または状態に関連する複数の受信者情報を受信する受信部と、
前記主情報と共に、前記主情報の提示可否を判定するための情報として、前記送信者情報及び前記複数の受信者情報を、前記複数の受信者のそれぞれに送信する送信部と
して機能させるためのプログラム。
【0305】
本技術は、ユーザによって操作され、他のユーザによって操作される他の装置と情報を交換する情報処理装置に適用することができる。