(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記搬送機構が前記計量手段に作用する投与レバー(6)を有し、該投与レバー(6)は、前記投与キー(5)が押し下げられた後に前記計量手段の吸入位置にロックされ、前記投与キー(5)が解放されているか否かにかかわらず前記投与レバー(6)は吸入によって解除可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸入装置。
前記粉末チャネルと連通する空気ダクト(9)内に吸入作動弁を備え、該吸入作動弁は、前記投与レバーが該吸入動作弁の作用によって解除可能であるように前記投与レバー(6)に動作可能に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の吸入装置。
前記投与レバー(6)が第1のロック位置、次に第2のロック位置をとることが可能であり、および前記投与レバー(6)が前記第2のロック位置にロックされた後にのみ吸入によって解除可能であることを特徴とする請求項6に記載の吸入装置。
【背景技術】
【0002】
上述した種類の粉末吸入装置は例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
気管支疾患だけでなく、気道を介して薬剤の効果を与えることができる他の疾患の治療分野においても、粉末形態での薬剤を適用することが一般に知られている。もちろん、吸入可能なエアロゾルを提供するための懸濁溶液を微粒化する装置も当該技術分野で知られている。
【0004】
本発明は、好ましくは、粉末医薬品用の吸入器またはカートリッジに設けられた投与カウント手段または投与インデックス手段を有する複数回用量乾燥粉末吸入器の形態で、粉末医薬品を投与するための吸入装置に関するものである。
【0005】
前述したように、この種の吸入器は特許文献1に開示されている。この特許文献1は、多数回用量の粉末医薬品を単一のリザーバ空間から提供するための吸入装置に関し、該吸入装置は、患者によるマウスピースへの吸引力によって誘発される空気流により患者が前記粉末医薬品を摂取することができるものである。
【0006】
上述した種類の粉末薬剤用の吸入装置は例えば特許文献2に開示されている。より詳細には、この特許は、多数回の医薬粉末用量のための薬剤貯蔵器を収容するための粉末吸入器用の医薬粉末カートリッジであって、所定量の医薬粉末を収容するための少なくとも1つの計量キャビティを備える一体化された計量装置を有し、該一体化された計量装置が少なくとも充填位置から排出位置へ医薬粉末の流れ方向に対してほぼ横方向に移動可能である該医薬粉末カートリッジに関し、また、空気流によって患者が薬剤を摂取することができかつこのような医薬粉末カートリッジ用の容器を有する粉末薬剤用吸入器に関するものである。
【0007】
特許文献3には、吸入装置から分配されるべき複数用量の薬剤を受容することができる吸入装置が開示されている。該装置は、薬剤用量の分配を少なくとも一時的に防止するための防止手段と、既に分配された薬剤用量の吸入を検出するための検出手段とを備えるものである。
【0008】
上述した種類の他の吸入装置が特許文献4に開示されている。
【0009】
複数回用量吸入装置に関して、重要な設計態様は装置の計量精度である。
【0010】
上述した種類の吸入装置の他の重要な設計態様は、装置の使用特性である。
【0011】
吸入装置は、装置が吸入のための準備ができているかどうか、および装置が特定のそして十分な残量の粉末用量を有しているかどうかを使用者が明確に判断できるように設計されなければならない。さらに、装置は、使用者の誤操作に対して十分にフェイルセーフが働き安全でなければならない。例えば、二重投与は、計量技術の適切な設計によっていずれにしても防止されなければならない。
【0012】
特に、特許文献1は、所定数の計量サイクルの後に吸入装置の作動装置および/または搬送機構をロックするロック機構に関するものである。
【0013】
この公知の吸入装置は、患者による手動係合で患者に投与されるべき薬剤用量を繰り返し計量するための作動装置と、患者への投与のために薬剤用量が放出されるように作動装置が患者によって係合される毎に、カウント手段またはインデックス手段を前進させるための前進機構とを備え、カウント手段またはインデックス手段はインデックスを備え、インデックスが吸入装置の検出手段によって検出可能であり、検出手段がロック機構に結合され、ロック機構が、指標の検出により所定数の計量サイクルによって遅延された吸入装置の作動装置および/または任意の搬送機構を阻止するものである。作動装置は、吸入装置の阻止状態を示す動作位置とは異なる位置で捕捉される。この構成は、吸入装置を使用している患者の安全性の向上を得ることができるように、単純で安価な信頼性の高い機構によって、多数回用量をリザーバ空間から放出するかまたは概数回用量をリザーバ空間内に残した後に、吸入装置のさらなる使用を阻止することを可能にする。このようにして、患者が、必要な薬剤の不適切な不足を引き起こす空のリザーバ空間から投与しようとするのを防止することができる。その限りにおいて、公知の吸入装置はより高い使用性を提供する。
【0014】
前述したように、吸入装置は、搬送機構に接続された投与キーの形態の、患者による手動での係合のための作動装置を備える。搬送機構は、充填位置から、薬剤粉末用量を粉末チャネルに放出するための排出位置へ搬送される計量手段に接続されている。投与のためのキーの押し込みと薬剤の吸入が患者によって調整される必要がないように、粉末チャネルから、患者は、患者によって発生された空気流を介してマウスピースを通して薬剤粉末を吸入することができる。いずれにしても、患者は、吸入を介して計量された粉末用量を摂取することができる。特許文献1に開示されているような吸入装置の計量および搬送機構は、患者が吸入する前に投与キーを離した場合にのみ、適切にリセットされる。
【0015】
一般にエアロゾル吸入装置から知られているように、患者は、粉末用量を完全に放出するために投与キーを押し下げ続けなければならないと考えている場合があり得る。
【0016】
また、患者が肉体的および/または精神的に投与キーを離すことができない場合もあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、本発明の目的は、使用性に関してさらに向上されかつ起こりうる誤操作に鑑みてさらに改良された上述の種類の吸入装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的および他の目的は、請求項1に記載の吸入装置によって達成される。本発明の有利な実施形態は従属請求項から導き出され得る。
【0020】
特に、本発明の上述の目的は、吸入に起因する空気流によって患者が摂取するべき粉末薬剤用の吸入装置であって、少なくとも1つの粉末リザーバと、リザーバからの粉末用量を繰り返し計量するための計量手段と、粉末用量を収容するための充填位置から前記粉末用量を粉末チャネルに放出するための排出位置へ前記計量手段を移動させるための搬送機構と、患者による手動操作のための少なくとも1つの作動装置とを備え、前記作動装置は、動作時に単回分の粉末用量が計量されるように前記搬送機構に動作可能に接続されるものであり、前記作動装置が、患者によって押されたときに前記搬送機構に作用する投与キーを有している吸入装置によって達成され、本発明による吸入装置は、前記投与キーが押し下げられた状態に保持されていても、一計量サイクルが完了し、搬送機構および/または計量手段がリセットされるように、押されている間の前記投与キーが前記搬送機構と一時的に係合されることを特徴とするものである。
【0021】
本出願の意味において「リセット」という用語は、搬送機構および計量手段が、投与キーの位置とは無関係にそれらの初期位置/開始位置に戻り、計量手段/搬送機構の作動完了後の投与キーの位置にかかわらず、さらなる計量サイクルの準備ができるようになることを意味する。
【0022】
使用者が、例えば、何とかして作動および吸入を調整する必要があると考えるために、誤って投与キーの完全押し下げを続けたとしても、このような操作は計量サイクル自体に影響を与えない。当然、粉末用量は投与キーの作動時に粉末チャネル内に完全に放出され、前記機構は粉末用量の吸入時に適切にリセットされる。
【0023】
有利な一実施形態において、本発明による吸入装置は、前記投与キーが、搬送機構の投与レバーに一時的に係合する偏向可能要素を有し、偏向可能要素は可撓性であり、第1の非偏向位置で投与レバーから係合解除され、第2の偏向位置で投与レバーと係合されることを特徴とするものである。前記偏向可能要素は、屈曲可能なおよび/または可撓性のペグまたはピンまたはスパイクの形態ならびにアクチュエータブレードまたはリーフスプリングの形態であり得る。本出願の意味において「アクチュエータブレード」は、ブレード状の屈曲可能なおよび/または可撓性の要素、例えば、金属要素または熱可塑性プラスチック材料製の要素であり得るある種のリーフスプリングを意味する。アクチュエータブレードは、射出成形部品であり得る投与キーと一体的に形成することができる。あるいは、偏向可能要素は、投与キーに取り付けられた可撓性の/屈曲可能な金属製リーフスプリングの形態であってもよい。好ましくは、アクチュエータブレードは可撓性のアームまたは可撓性の脚部である。
【0024】
言い換えれば、使用者によって投与キーが押し下げられると、投与キーの可撓性のアーム/脚部が搬送機構の投与レバーに係合するように屈曲される。投与キーのさらなる押し下げによって、偏向可能要素は、それが投与レバーと係合解除される初期位置に跳ね戻り、その結果、投与レバーは投与キーの位置とは無関係にリセット動作を果たすことができる。
【0025】
好ましい実施形態では、本発明による吸入装置は、固定した偏向形材によって特徴付けられ、これは、すなわち投与キーに対して固定され、投与キーが非押し下げ位置から押し下げ位置へ移動している間に、偏向可能要素を第2の偏向位置に付勢し、その後、投与キーが完全押し下げ位置へさらに移動している間に、アクチュエータブレードを第1の非偏向位置に解放するものである。偏向形材は、例えば、吸入装置の固定部品によるはす縁または面取り形材によって設けられ得る。この偏向形材は、例えば吸入装置の弁室または他の固定部品であってもよい。
【0026】
代わりに、偏向形材は吸入装置の固定部品のカム形材によって設けられ得る。操作者/使用者によって解放されると投与キーがその開始位置に自動的に戻るように、投与キーはばね付勢されてその非動作位置に保持され得る。
【0027】
搬送機構が前記計量手段に作用する投与レバーを有し、投与キーが押し下げられた後に前記投与レバーが前記計量手段の吸入位置にロックされ、投与キーが解放されているか否かにかかわらず前記投与レバーが吸入によって解除可能である場合に特に有利である。
【0028】
吸入装置は、空気ダクト内に吸入作動弁を備えることができ、投与レバーが、吸入中の患者により発生された吸引力によって動作開始された弁の作用により解除可能であるように、前記弁は前記投与レバーに動作可能に接続されている。
【0029】
空気ダクトは、好ましくは粉末チャネルと連通している。この設計によって、搬送機構および/または計量手段は、粉末チャネル内に放出されている粉末用量の吸入後にのみ、完全にリセットされる。したがって、この設計により、二重投与が効果的に防止される。
【0030】
特に好ましい実施形態では、投与レバーは第1のロック位置と第2のロック位置をとり得る。使用者による投与キーの早すぎる解放というような誤操作を防止するために、前記投与レバーは第2のロック位置にロックされた後にのみ吸入によって解除可能である。投与キーが全押しされていない場合、投与レバーはその開始位置に戻らず、したがって、追加の用量はリザーバから分配されない。
【0031】
前記投与キーがある程度押し下げられたときにのみ、すなわち、前記アクチュエータブレードが解除され、前記投与キーのさらなる押し下げによって跳ね戻るまで、前記投与レバーは前記第2のロック位置をとり得る。
【0032】
前記偏向可能要素は、前記投与キーと一体的に形成され得る。
【0033】
投与キーは、熱可塑性プラスチック材料の射出成形によって形成することができ、偏向可能要素の偏向特性は、本質的に、その形状およびそれが熱可塑性プラスチック材料から製造されているという事実に起因している。
【0034】
以下に、本発明を、一例としての添付図面を参照して開示する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】開かれたマウスピースキャップを有する本発明による吸入装置の実施形態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態による吸入装置の部分縦断面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態による吸入装置の他の縦断面図である。
【
図6】投与キーが非作動状態にある吸入装置を示す断面図である。
【
図7a-7b】
図6に対応して投与キーが部分的に押されている状態を示す断面図である。
【
図8a】
図6および
図7に対応して投与キーが完全に押し下げられている状態を示す断面図である。
【
図8b】フラップ弁への投与レバーの係合を示す斜視図である。
【
図9】本発明による吸入装置の投与レバーを示す斜視図である。
【
図10】本発明による吸入装置の空気ダクトを閉じる吸入作動弁の第1の好ましい実施形態を示す斜視図である。
【
図11b】第2の好ましい実施形態による吸入作動弁を示す背面斜視図である。
【
図12】本発明による吸入装置をハウジング無しで示す側面斜視図である。
【
図14a】本発明の第1の好ましい実施形態による吸入装置の投与レバーと吸入動作可能なフラップ弁との間の係合を示す拡大詳細図である。
【
図14b】第1の好ましい実施形態による投与レバーとフラップ弁との間の係合を示す拡大詳細図である。
【
図14c】第2の好ましい実施形態による投与レバーとフラップ弁との間の係合を示す拡大詳細図である。
【
図16】本発明による吸入装置の粉末カートリッジを示す斜視図である。
【
図17】吸入装置のハウジングを示す斜視図である。
【
図18】カウンターリングの歯部上を滑動するカウンタースライドを示す詳細図である。
【
図19】カートリッジのロックラチェット(ロックレバーは不図示)を示す詳細図である。
【
図20】ロックレバー、ならびに該ロックレバーと投与キーおよびカウンターリングとの係合を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1〜
図20に示した吸入装置1は、多数回用量の粉末医薬品を粉末カートリッジの形態の容器から提供するための粉末薬剤用の吸入装置である。粉末カートリッジ3は、多数回用量の医薬粉末/粉末薬剤を収容するためのリザーバ2を画定する。説明した実施形態では、1つの粉末カートリッジ3から得ることのできる典型的な回数の用量は30〜60回分用量の範囲であり得る。
【0037】
リザーバ2は、
図2からわかるように、蓋4によって密封状態で覆われている。この蓋は、取り外し不能な吸入装置の組み立て状態においてカートリッジ本体3aに固定されている。
【0038】
粉末薬剤は、使用者によって引き起こされる空気流、すなわち吸引力によって患者が摂取することができる。したがって、吸入装置は、さらに、投与レバー6およびロックレバー7を有する搬送機構に接続されている投与キー5の形態で、患者による手動で係合するための作動装置を備えている。投与レバー6は、粉末用量を収容するための充填位置から、前記粉末用量を粉末解凝集させるためのサイクロン16の粉末溝16aに放出する排出位置へ移動可能な計量手段としての投与スライド8に作用する。患者は、粉末溝16aから、その患者によって発生された空気流を介してマウスピース10を通して粉末薬剤を吸入することができる。使用されていない場合、マウスピース10は、マウスピースカバー11によって汚れから保護されている。マウスピースカバー11は吸入装置に確実に固定されており、すなわち取り外し不能である。
【0039】
サイクロン16の粉末溝16aは、従来技術から知られているような分散・微粒化手段として機能するサイクロン16を通る粉末チャネルの一部を形成している。患者が摂取すべき粉末薬剤は付着性混合物の形態であり得る。付着性混合物は、それらの表面で微粉化された薬剤粒子を担持する比較的大きな結晶、一般にα−乳糖・一水和物からなる。分散システムにおいて、乾燥粉末は、薬剤粒子を粉末配合物から放出するために解凝集される。サイクロン16、すなわち分散手段は、一般に、空気循環チャンバ、ならびに円形の空気流パターンが循環チャンバの内部に生成されるように接線方向で循環チャンバに入る複数の空気供給チャネルを備えている。したがって、吸入装置を通る全呼吸流れは、粉末用量を粉末溝を通過させて粉末を循環チャンバ内に引き込むための搬送空気流、接線方向で循環チャンバに入るサイクロン空気流、ならびに最終的に清浄空気のいわゆるシース流を生成するためのバイパス空気流を含む。分散手段用の可能な設計は、例えば、(特許文献5)に開示されている(この開示は本明細書に完全に援用される)。分散手段は以下において幾分簡略化した形態でサイクロンと呼ぶ。粉末溝16aからマウスピース開口部への空気通路もまた、以下において幾分簡略化した形態で粉末チャネルと呼ぶ。しかしながら、「粉末チャネル」という用語は、必ずしも1つの明確に区別される単一粉末チャネルを指すものではなく、むしろ上述したようなチャネルシステムを指すことを理解されたい。
【0040】
図2からわかるように、吸入装置1は、シェル12および13、ならびにスナップ嵌め接続を介して解除不能な形でシェル12および13上に設置されたカバー14を含む3部品ハウジングを備えている。
【0041】
吸入装置1の中心部は、サイクロン16を含む弁室15とカートリッジ本体3aとによって形成されている。
【0042】
患者による吸入装置1の手動操作は投与キー5を介して機能し、この投与キー5が、投与キーばね17の付勢力に抗して患者によって押し下げられ、投与スライド8(
図15を参照)に接続されている投与レバー6に作用する。
【0043】
例えば、
図15からわかるように、投与スライド8は、カートリッジ本体3a内のリザーバ2の下方に延在する投与スライド通路18内で摺動可能に移動可能である。
【0044】
投与スライド8(計量手段)は、粉末薬剤の計量された用量を収容するための投与キャビティ19が設けられている。
【0045】
以下により詳細に説明するように、カートリッジ本体3aは、粉末薬剤を収容するためのリザーバ2を画定するだけでなく、リザーバ2の下方に延在する投与スライド通路18、ならびにカウントおよびインデックス手段を収容するためのハウジングも画定することに留意されたい。
【0046】
投与スライド8は、
図15において、投与キャビティ19がサイクロン16の粉末溝16aと連通する弁室15の開口部20と位置合わせされる排出位置で示されている。投与スライド8は、投与レバー6を介して、投与キャビティ19がカートリッジ本体3a内のリザーバ2の開口部21と位置合わせされる充填位置と、吸入/排出位置との間で移動可能である。充填位置において、投与キャビティ19は計量された量の粉末を収容する。投与キー5の作動時に、投与スライド8は
図15に示された位置へと前進され、それによって、開口部20を通して粉末用量を粉末溝16a内に放出する。
【0047】
図15に示されているこの位置において、吸入装置は吸入のための準備ができている。患者がマウスピース10を介して吸引を行う場合、この吸引力が、空気流が空気ダクト9の開口端から弁室15およびサイクロンの粉末溝16aによって画定された粉末チャネル内、マウスピース内へと自由に循環することができるように、空気ダクト9の一端にあるフラップ弁22を強制的に揺動させて開く。フラップ弁22は、開示した実施形態において一体的に形成されたフラップ22aとシャフト22bを含む。
【0048】
第1の実施形態によるフラップ弁22は、
図10および
図11aにより詳細に示されている。フラップ弁22のシャフト22bは、その端部で回動するように弁室15内に装着されている。
【0049】
図15からもわかるように、吸入位置においてフラップ弁22は投与レバー6の締結フック23によって係合される。
【0050】
フラップ弁22の背面図が例えば
図10に示されている。フラップ22は、3つの脚部22c、22dおよび22eを含む角度の付いた/屈曲した形状を有し、装着位置において、第1の脚部22cはフラップ弁22の閉方向に向かって傾斜し、第2の脚部22dは後方に傾斜し、第3の脚部22eは前方方向におよびフラップ弁22の回転運動に対してほぼ接線方向に延在する。
【0051】
フラップ22aの第1の脚部22cの背面側に、吸入位置で投与レバー6の締結フック23によって係合され得るラッチリブ47が設けられている。投与レバー6の締結フック23には、その前端に傾斜面51を有する鉤状突出部50が設けられている。フラップ弁22は、前記シャフト22bと一体的に形成されたフラップ弁レバー31を有している。フラップ弁レバー31の遠位端には偏向面53が設けられている。投与キー5を作動させ、それに続く作動で投与レバー6を下方に移動させた際に、投与レバー6のフック23と一体的に形成されたラッチ29の対応する偏向面53’が、フラップ弁レバー31の偏向面53と当接する。これによって、フラップ弁レバー31ならびに投与レバーのフックは、両方が僅かに偏向され、すなわちわきへ屈曲され、投与レバー6のフック23をさらに下方に移動させるとそれらの初期位置に跳ね返る。フック23をさらに下方に移動させると、鉤状突出部50の傾斜面51がラッチリブ47の一方の縁部に当接する。これによって、フック23は、その材料弾性によりわきに屈曲し、ラッチリブ47の後方にその端部位置に跳ね返り、これにより、フラップ弁22に係合し、そして吸入によって誘発されるフラップ弁22の揺動運動により解除可能である。
【0052】
特に、フラップ22aの拡大縦断面図を示した
図14bからわかるように、フック23の鉤状突出部50はラッチリブ47に係合する。ラッチリブ47は、吸入装置1の吸入準備ができているときに鉤状突出部50に面する湾曲した支持面54を有している。ラッチリブ47とフック23との間の接触力が構成要素の公差とはほとんど無関係であるように、カム表面を規定する支持面54がフック23の鉤状突出部50とラッチリブ47との間の線接触をほとんど提供している。より具体的には、吸入装置の部品の公差による接触表面の偏位は実際には軸方向にのみ可能であるが、このことが必要な誘発力に影響を与えないように、フックの鉤状突出部50の平面は、接線方向にのみ湾曲した支持面54に係合する。この設計により、フラップ弁22の誘発がかなり再現性があるように、求められる誘発力はほんの僅かな変動のみを必要とする。フラップ22aが時計回り方向に移動すると、フック23はほぼ瞬時に解放されることが
図15から容易に明らかである。結果として、投与レバーは、投与レバーばね25の力によって駆動されて上方に揺動し得る。この上方への移動により、投与スライド8がその粉末収容位置に戻されることになる。
【0053】
フラップ弁22の別の実施形態が
図11bおよび
図14cに示されている。フラップ弁22の同じ部分は同じ符号で示している。
【0054】
この実施形態によるフラップ弁22は、それ自体に屈曲がないまたは角度が付いていない比較的シンプルで平坦なフラップ22aを備えている。
【0055】
図14cからわかるように、吸入装置1が吸入の準備ができているとき、締結フック23はフラップ弁22のシャフト22bに係合する。
【0056】
フラップ弁22のシャフト22b(例えば
図11b参照)は、シャフト22bのほぼ中央に配置されている切欠き領域24を有しており、その結果、フラップ22aが(
図14cおよび
図11bにおける時計回り方向に)揺動して開くと、投与レバーばね25の力によって駆動された投与レバー6がその初期位置に戻ることができるように、シャフト22bのほぼ中央でシャフト22bに接線方向で係合している投与レバー6の締結フック23が解放され、これによって、投与スライド8が、リザーバ/粉末カートリッジから粉末用量を収容するための充填位置内に移動して戻る。投与キー5の作動時に、投与レバー6のラッチ29とフラップ弁レバー31とが接触することによって、投与レバー6はフラップ22aを部分的に回動させながら下方に移動される。部分的に回動された後に、フラップ弁22は、一体的に形成されて成形されたばね32の力によって、その開始位置に逆回転して戻る。ラッチ29とフラップ弁レバー31との接触によって引き起こされるフラップ22aの揺動運動は、締結フック23が早期に解除されて上方に移動したときにラッチ29がフラップ弁レバー31の機械的ストッパ30の後方に係合することを可能にする。
【0057】
シャフト22bの切欠き部分24の領域において、シャフト22bは半円形の断面を有し、シャフト22bと締結フック23との間の接触力が構成要素の公差とはほとんど無関係であるように、締結フック23の先端部が、接線方向にのみおよび非常に限られた表面領域(線接触)でのみシャフトの断面の残部に係合する。この設計により、特に、締結フック23の平坦な接触面がシャフト22bの断面の残部の湾曲した表面領域に接触するという事実により、フラップ弁22の誘発がかなり再現性があるように、要求される誘発力はほんの僅かな変動のみを必要とする。投与レバー6が投与レバーばね25の力によって駆動されて上方に揺動し得るように、シャフト22bおよびフラップ22aの僅かな回転/揺動運動のみで締結フック23を自由にし、これによって吸入サイクルを終了する。
【0058】
投与キー5の斜視図を
図5に示した。投与キー5は、投与キー5と一体的に形成された舌部材26に当接する投与キーばね17によって、その初期位置/開始位置に保持される。
【0059】
前記投与キー5は、同様に投与キー5と一体的に形成された可撓性アーム/脚部として形成され、かつ
図5に示した装着位置で下方に延在するアクチュエータブレード27を有している。
図6〜
図8aに示した動作順からわかるように、弁室15には、投与キー5の押下時にアクチュエータブレード27のためのある種のカム表面を形成するはす縁28が設けられている。
【0060】
図6は、投与キー5が作動されていない開始位置にある吸入装置1の状態を示す断面図である。この状態のアクチュエータブレード27は搬送機構と、すなわち投与レバー6と係合していない。
【0061】
投与キー5が押下げられると、アクチュエータブレード27がその固有の可撓性により、
図6に示した第1の位置からアクチュエータブレード27が同時に投与レバー6に係合する
図7aの第2の位置に偏向/屈曲するように、アクチュエータブレード27は下方に移動して弁室のはす縁28に係合する。投与キー5およびアクチュエータブレード27のさらなる移動によって、アクチュエータブレード27は投与レバーばね25の付勢力に抗して投与レバー6を下方に押し込む。
図8aに示したように、投与キー5が完全に押し下げられると、アクチュエータブレード27はその非偏向および係合解除位置に跳ね返る。この位置において、投与レバー6の締結フック23は、
図8aにも示したようにフラップ弁22のラッチリブ47に係合する。この吸入装置/吸入器は、今や吸入準備ができている。
【0062】
最初に、本発明によるフラップ弁22の第1の実施形態を参照して、本発明による吸入装置の二重投与防止機構について以下に説明する。
【0063】
前述したように、投与レバー6の後端の領域(
図9の左側)にはラッチ29が設けられている。投与キー5を作動させた結果として投与レバーが下方に移動すると、最初に、ラッチ29の全ての相補的な偏向面53’はフラップ弁レバー31の偏向面53との当接状態を得る。結果として、投与レバー6がさらに下方に移動すると、フラップ弁レバー31はラッチ29を通過しながらわきに屈曲/偏向し、その初期位置へ跳ね返り、この結果、最終的にはフックとラッチリブ47とが係合することになる。
【0064】
再び、投与レバー6の斜視図を示した
図9を参照されたい。投与レバー6の後端の領域(
図9の左側)には、投与レバー6の戻り運動において前記シャフト22bと一体的に形成されたフラップ弁レバー31の機械的ストッパ30に係合するためのラッチ29が設けられている。
【0065】
投与キー5が、押されてから、早すぎる、すなわち、締結フック23がフラップ弁22のラッチリブ47に係合する前に解放された場合、投与レバー6が上方に移動すると、投与レバー6のラッチ29はフラップ弁レバー31の前記機械的ストッパ30に当接する。したがって、投与レバー6は中間位置でフラップ弁22にロックされる。この中間位置のロックは二重投与防止機構を提供する。この中間位置のロック、すなわち第1のロック位置において、レバーの関係は、投与レバー6を解除するのに必要な力が吸入するだけでは起動できないようなものである。投与レバー6が端部位置でフラップ弁22にロックされていない場合、例えば、投与キー5が全押しされていない場合に、投与レバー6はその初期開始位置に戻らず、すなわち中間位置にロックされる。したがって、追加の粉末用量はリザーバ2から放出されない。投与レバー6および投与スライド8は、吸入によって誘発されるフラップ弁22の作動後にのみ、それらの開始位置へ戻り、これによって投与レバー6の締結フック23を解除する。
【0066】
二重投与防止機構は、
図14cによる第2の実施形態のフラップ弁22の構成も備えられる。投与キー5の作動時に、投与レバーのラッチ29とフラップ弁レバー31とが接触することによって、投与レバー6はフラップ22aを部分的に回動させながら下方に移動される。投与レバーを下方に移動させてフラップを部分的に回動させた後、フラップ弁22は、フラップ弁22と一体成形されたばね32の弾性によって、その閉位置へと戻る。投与レバー6が早期に上方に移動すると、投与レバー6のラッチ29はフラップ弁レバー31の機械的ストッパ30に当接する。これにより、投与レバー6は中間位置でフラップ弁22にロックされる。
【0067】
投与レバー6はカム状の作動要素33を有しており、この作動要素33は、各作動時に、カートリッジのカウンターリング35が1カウントずつ低用量側に向かって移動されるように、カートリッジのカウンタースライド34を移動させる。それに応じて、カートリッジの充填状態を示すカートリッジ本体3aの表示窓36でカートリッジの内容物量の程度を見ることができる。カウンターリング35に作用するカウンタースライド34の詳細については、
図18から理解することができる。歯部37を有するラチェットリングとして構成されているカウンターリング35はカートリッジ本体3aのカラー内に回転可能に挿入されている。投与レバー6の作動時に、作動要素33がカウンタースライド34を移動させ、該カウンタースライドがカウンターリングの歯部37に係合し、これによって、次の指数が表示窓36に示されるようにカウンターリング35が移動される。カウンターリング35は、例えば、5回分毎の投与ステップ/計量サイクルの用量カウントの視覚的表示を提供する。カウンターリングは例えば13個の数字を表示し、各計量サイクル時に60から0へのカウントダウンを示す。カウンターリング35の各歯部は1つの計量サイクルを表す。
【0068】
図4からもわかるように、カウンタースライド34は、カウンタースライド34と一体的に形成された爪43を持っている。爪43はカウンターリング35の歯部37にしっかりと係合するようにカウンターリング35に向かって付勢されている。歯部37は1つの傾斜側面および1つの垂直方向に延びる側面を有している限りにおいては非対称であり、傾斜側面は、カウンターリング35の回転方向に関して誘導側面に相当する。
【0069】
カウンタースライド34は、カートリッジ本体3aの摺動チャネル44内で前後に移動可能である。投与レバー6のカム状の作動要素33は、摺動チャネル44内に、およびカウンタースライド34の水平方向に延在する部品の凹部45内に延びている。作動要素33のカウンタースライド34との係合により、作動要素33の揺動運動がカウンタースライド34の直線運動に変換される。
【0070】
投与キー5が押し下げられると、作動要素33が
図4の左側に向かって回動されるように投与レバーが回動される。同時に、投与レバーの下部先端46(
図9および
図12参照)が投与スライド8を排出/吸入位置に押す。これによって、カウンタースライド34が反対方向に移動される。カウンタースライド34がこの移動を実行している間に、爪43はカウンターリングのそれぞれの歯部37の垂直な側面に係合し、カウンターリングを1つのカウント/ステップ分だけ移動させる。投与レバー6の解除後に、カウンタースライド34はその開始位置へ逆方向に移動して戻される。爪43の弾性により、爪はそれぞれの歯部の傾斜側面にわたって滑動することができ、これによって歯部の背後に弾かれて戻る。
図19からわかるように、カウンター機構は、カウンターリングの歯部37に係合するロックラチェット38を備えている。歯部37の幾何学的形状によって、これもまた弾性部材であるロックラチェット38がカウンターリング35の反時計回りの回転を阻止する。
【0071】
図12からわかるように、吸入装置1は、投与キー5と投与レバー6との間の弁室15に回動可能に装着されたロックレバー7を備えている。ロックレバー7はブロックアーム39およびばね脚部40を有している。粉末カートリッジ3の組立時に、ロックレバー7が下方に押し込まれ、これによって、ブロックアーム39およびばね脚部40が後方に移動される。この位置において、投与キー5は、
図12に示したようにばね脚部40の付勢力に抗して自由に下方に移動することができる。
【0072】
投与キー5はまた、
図15に示したように投与キーばね17の付勢力に抗して自由に移動可能である。
【0073】
カウンターリング35は、ロックレバー7の舌部42に係合可能であるノッチ41を備えている。
【0074】
所定回数の用量が送出された後に、投与キー5によって作動されたばね脚部40の作用により引き起こされた回動運動によってロックレバー7がカウンターリングのノッチに係合するように、ノッチがカウンターリング35に配置されている。ロックレバー7が上方に移動すると、ロックレバー7のブロックアーム39は前方に(マウスピース10に向かって)押し出され、投与キー5が最後の吸入後の最も低い位置で阻止されたままであるように、最も低い位置にある投与キー5に係合する。これで空の装置の次の作動を実行することができない。
【0075】
図5および
図20からわかるように、投与キー5は、ばね脚部40の疲労を回避するために、押し下げ状態にある間にのみばね脚部40に作用する作動リブ55を有している。したがって、ばね脚部40は、投与キー5が下方に押されているかまたは下方に保持されている場合にのみ、付勢される。
【0076】
カウンターリングの形態のインデックス手段の他に、装置は、装置の吸入準備ができているかどうかを示す他の吸入制御窓48を備えている。該吸入制御窓は、例えば、装置の吸入準備ができている場合には緑色のフラグを表示する。これは、吸入装置1の作動状態において、投与レバー6の緑色のタブ49が吸入制御窓48の赤色のフラグを覆うためである。吸入位置から開始位置への装置のリセットは、吸入時の空気流によって吸入中に行われる。詳細に前述したように、フラップ弁22が偏向され、このようにして投与レバー6を解除する。
【0077】
空気ダクト9の気密性を確保するために、弁室15の周りに延在する1つ以上のシールリブによって、シェル12および13が弁室15に対して封止され得る。シールリブは、弁室15と共射出成形された熱可塑性エラストマーの形態であってもよい。代わりに、シールリブ52は、吸入装置の組み立て中にシール溝内に装着される弾性リングとして設計されてもよい。
【0078】
本発明による吸入装置の特に好ましい実施形態では、シェル12および13は、弁室15の周りに完全に延在するラビリンスシールによって弁室に対して封止され、その結果、サイクロン16および粉末溝16aを含む弁室15が吸入装置の投与区画に対して効果的に密封される。ラビリンスシールは、弁室15の周りに完全に延在されかつ吸入装置1の組み立て状態においてシェル12および13の対応するシール溝に係合するシールリブ52によって提供される。このシールは、できるだけ再現可能であるようにフラップ弁22のための誘発力を維持するのを補助する。必要な誘発力のための帯域幅は、通常、患者によって行われるべき吸引のために30L/minの空気流量の変動に対応する。シェル12、13に対する吸入装置1の弁室のシールは、フラップ弁22を誘発するために必要な空気流量のこの変動を著しく低減する。したがって、この設計は、粉末チャネルおよび/または空気ダクト9を迂回して吸入装置を通る空気流を吸引する可能性を回避する。