(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を説明する。
【0011】
[画像伝送システム1]
図1は、本発明の第1の実施形態の実現に用いられる画像伝送システム1の構成を例示する図である。
図1に示すように、画像伝送システム1は、画像伝送装置12およびスマートフォンなどのn台の携帯端末装置14−1〜14−n(n≧1;ただし、全てのnが常に同数を示すとは限らない)が、LANなどのネットワーク100を介して接続されて構成される。
【0012】
画像伝送システム1においては、これらの構成部分により、画像伝送装置12において原稿が読み取られて生成された画像データを、携帯端末装置14−1〜14−nのうち、画像伝送装置12から予め定められた距離内に存在する携帯端末装置に対して送信する処理が行われる。
なお、以下、携帯端末装置14−1〜14−nなど、複数ある構成部分のいずれかを示すときは、単に、携帯端末装置14と記載することがある。
以下、各図において、実質的に同じ構成部分・処理には、同じ符号が付される。
【0013】
[ハードウェア構成]
図2は、
図1に示した画像伝送装置12のハードウェア構成を例示する図である。
図2に示すように、画像伝送装置12は、CPU122およびメモリ124などを含む本体120、原稿を読み取って画像データを生成する画像読取装置126、タッチパネルおよび表示装置などを含む入出力装置128、ICカードに記憶された情報を読み取るICカード読取装置130、データ通信を行うための通信装置132、および、HD,CD,DVD,FD,不揮発性メモリ,USBメモリなどの記憶媒体136に対してデータの書き込みおよび読み出しを行う記録装置134などから構成される。
つまり、画像伝送装置12は、画像データの生成などの情報処理および他の装置とのデータ通信が可能なコンピュータとしての構成部分を有している。
【0014】
[画像伝送プログラム20]
図3は、
図1,
図2に示した画像伝送装置12上で実行される第1の画像伝送プログラム20の構成を例示する図である。
図3に示すように、画像伝送プログラム20は、位置情報取得部200、モード取得部202、端末情報取得部204、第1の距離判定部206、端末情報記憶部208、第1の画像読取部210および第1の画像送信部212から構成される。
【0015】
画像伝送プログラム20は、例えば、記憶媒体136(
図2)を介して画像伝送装置12のメモリ124にロードされ、画像伝送装置12で動作するOS(図示せず)上で、画像伝送装置12のハードウェア資源を具体的に利用して実行される。
画像伝送プログラム20は、原稿が読み取られて生成された画像データ(以下、「読取画像データ」と記述する)を、画像伝送装置12から予め定められた距離内に存在する携帯端末装置14(
図1)に対して、一度だけ送信する処理を行う。
【0016】
図4は、画像伝送装置12の入出力装置128(
図2)のタッチパネルに表示される画像伝送装置12に対する操作選択画面を例示する図である。
図5は、画像伝送装置12の入出力装置128のタッチパネルに表示される画像伝送装置12の設置位置を設定する操作画面を例示する図である。
図4に示すように、操作選択画面は、例えば、画像伝送装置12に対する各操作を指定するボタン(コピーボタン、スキャナー(端末配布)ボタンなど)、および、各設定操作を指定するボタン(登録/変更ボタン220、ジョブボタン222など)から構成される。
【0017】
位置情報取得部200(
図3)は、入出力装置128(
図2)を介して入力された画像伝送装置12の設置位置を示す位置情報を取得し、距離判定部206に対して出力する。
なお、以下、位置情報は緯度経度を示す場合を具体例として説明する。
具体的には、例えば、画像伝送装置12の管理者が、
図4に示した操作選択画面の登録/変更ボタン220を押下すると、
図5に示した位置情報の設定操作画面が表示される。
管理者は、例えば、画像伝送装置12の設置位置で、GPS(Global Positioning System)を搭載する機器を用いて測定した緯度経度を、
図5に示した設定操作画面を介して入力する。
位置情報取得部200は、
図5に示した設定操作画面を介して入力された緯度経度を、画像伝送装置12の設置位置情報として取得する。
【0018】
図6は、画像伝送装置12の入出力装置128(
図2)のタッチパネルに表示される原稿読取時の各種モードを設定する操作画面を例示する図である。
図6に示すように、設定操作画面は、例えば、各モードを指定するプルダウンおよび画像読取開始を指示するスキャン開始ボタン226から構成される。
各種モードのうち、例えば、配布モードは、配布モードのプルダウン224により、「一斉配布モード」および「不特定配布モード」から選択される。
「一斉配布モード」は、本発明の第1の実施形態に対応し、「一斉配布モード」において、画像伝送装置12(
図1)は、読取画像データを、配布対象の携帯端末装置14(
図1)に対して一度だけ送信する。
【0019】
「不特定配布モード」は、後述する本発明の第2の実施形態に対応し、「不特定配布モード」において、画像伝送装置12は、読取画像データを記憶し、予め定められた期間、予め定められた間隔で、配布対象の携帯端末装置14を特定し、記憶した読取画像データを、特定した配布対象の携帯端末装置14に対して送信する。
モード取得部202(
図3)は、
図6に示した配布モードのプルダウン224により選択された配布モードを取得し、画像読取部210に対して出力する。
【0020】
端末情報取得部204は、距離判定部206からの要求に応じて、携帯端末装置14(
図1)から、携帯端末装置14のIP(Internet Protocol)アドレスおよび位置情報を取得して、距離判定部206および端末情報記憶部208に対して出力する。
具体的には、例えば、端末情報取得部204は、以下の手順(1)〜(3)により、携帯端末装置14のIPアドレスおよび位置情報を取得する。
【0021】
(1)端末情報取得部204は、UPnP(Universal Plug and Play)およびBonjour(登録商標)などのプロトコルを用いて、ネットワークを介して接続された携帯端末装置14を検索し、検出された携帯端末装置14のIPアドレスを取得する。
(2)端末情報取得部204は、PAN(Personal Area Network)などの近距離通信を行うネットワークを介して接続された携帯端末装置14を検索し、検出された携帯端末装置14のIPアドレスを取得する。
(3)端末情報取得部204は、SOAP(Simple Object Access Protocol)などを用いて、(1)および(2)において検出された携帯端末装置14に対して、携帯端末装置14の位置情報を要求して、携帯端末装置14から位置情報を取得する。
【0022】
距離判定部206は、位置情報取得部200から入力された画像伝送装置12(
図1)の位置情報、および、端末情報取得部204に対して要求して入力された携帯端末装置14の位置情報を取得する。
また、距離判定部206は、取得した位置情報を用いて、画像伝送装置12から携帯端末装置14までの距離が予め定められた範囲内であるか否かを判定し、判定結果を端末情報記憶部208に対して出力する(
図10を参照して詳述)。
【0023】
図7は、端末情報記憶部208が記憶する端末情報テーブルを例示する図である。
図7に示すように、端末情報テーブルは、端末情報取得部204(
図3)から入力されたIPアドレスおよび位置情報と、距離判定部206(
図3)から入力された判定結果と、画像送信状態とを対応付けた端末情報の一覧を示す。
【0024】
図7に示した端末情報テーブルの画像送信状態は、携帯端末装置14(
図1)に対して読取画像データを送信済みの場合、「送信済」を示し、それ以外の場合、「未送信」を示す。
つまり、後述する画像送信部212が、携帯端末装置14に対して読取画像データを送信する前においては、画像送信状態は、すべて「未送信」を示す。
端末情報記憶部208は、
図7に示した端末情報テーブルを、後述する画像送信部212が参照可能に記憶する。
【0025】
図8は、画像読取部210による原稿の読み取り中に、画像伝送装置12の入出力装置128(
図2)のタッチパネルに表示される画面を例示する図である。
画像読取部210(
図3)は、モード取得部202から入力された配布モード(第1の実施形態においては、「一斉配布モード」)を取得し、配布モードが「一斉配布モード」であると認識する。
また、画像読取部210は、
図6に示した操作画面のスキャン開始ボタン226が押下されると、
図8に示した画面が表示されている間に、画像読取装置126(
図2)にセットされたすべての原稿を読み取って画像データを生成する。
【0026】
また、画像読取部210は、生成した画像データを、画像送信部212に対して出力する。
なお、本実施形態においては、画像読取部210は、画像読取装置126にセットされたすべての原稿を読み取って画像データを生成した後に、画像送信部212に対して出力しているが、例えば、原稿の1ページ分の画像データを生成するたびに、生成した画像データを画像送信部212に対して出力してもよい。
【0027】
図9は、画像送信部212による画像データの送信中に、画像伝送装置12の入出力装置128(
図2)のタッチパネルに表示される送信状況表示画面を例示する図である。
画像送信部212(
図3)は、端末情報記憶部208が記憶する端末情報テーブル(
図7)の端末情報のうち、判定結果が「一定距離内」を示し、画像送信状態が「未送信」を示す端末情報を取得する。
また、画像送信部212は、
図9に示した画面が表示されている間に、取得した端末情報のIPアドレスに対応する携帯端末装置14(
図1)に対して、画像読取部210から入力された画像データを送信する。
また、画像送信部212は、端末情報記憶部208が記憶する端末情報テーブルの端末情報のうち、画像データを送信した携帯端末装置14に対応する画像送信状態を「送信済」に更新する。
【0028】
[距離判定部206の処理]
図10は、距離判定部206(
図3)の距離判定処理を例示するフローチャートである。
以下、距離判定部206の距離判定処理を、さらに説明する。
ステップ240(S240)において、距離判定部206は、位置情報取得部200(
図3)から入力された画像伝送装置12(
図1)の位置情報を取得する。
【0029】
ステップ242(S242)において、距離判定部206は、端末情報取得部204(
図3)から入力された携帯端末装置14(
図1)の位置情報を取得する。
ステップ244(S244)において、距離判定部206は、S240において取得した位置情報が示す緯度経度と、S242において取得した位置情報が示す緯度経度との差から、画像伝送装置12から携帯端末装置14までの距離を算出する。
【0030】
ステップ246(S246)において、距離判定部206は、S244において算出された距離が、予め定められた距離内(例えば、5m以内)であるか否かを判定する。
距離判定部206は、算出した距離が、予め定められた距離内であると判定した場合、S248の処理に進み、それ以外の場合、S250の処理に進む。
【0031】
ステップ248(S248)において、距離判定部206は、「一定距離内」を示す判定結果を、端末情報記憶部208(
図3)に対して出力する。
例えば、画像伝送装置12(
図1)からの距離を算出した携帯端末装置14(
図1)のIPアドレスが127.0.0.1を示す場合、端末情報記憶部208が記憶する端末情報テーブル(
図7)の端末情報のうち、IPアドレスが127.0.0.1の端末情報に対応する判定結果が「一定距離内」とされる。
【0032】
ステップ250(S250)において、距離判定部206は、「範囲外」を示す判定結果を、端末情報記憶部208(
図3)に対して出力する。
例えば、画像伝送装置12(
図1)からの距離を算出した携帯端末装置14(
図1)のIPアドレスが127.0.0.2を示す場合、端末情報記憶部208が記憶する端末情報テーブル(
図7)の端末情報のうち、IPアドレスが127.0.0.2の端末情報に対応する判定結果が「範囲外」とされる。
【0033】
ステップ252(S252)において、距離判定部206は、S242において取得した位置情報を示すすべての携帯端末装置14(
図1)に対して、距離判定処理を行ったか否かを判定する。
距離判定部206は、すべての携帯端末装置14に対して距離判定処理を行ったと判定した場合、処理を終了し、それ以外の場合、S244の処理に進む。
【0034】
[画像伝送システム1の動作例]
図11は、画像伝送システム1(
図1)の動作例を示すフローチャートである。
図12は、画像伝送装置12の画像読取装置126(
図2)に、携帯端末装置14の置台280を設置した構成を例示する図である。
以下、
図12に示した画像読取装置126の置台280に置かれた3台の携帯端末装置14−1〜14−3に対して、読取画像データを一斉配布する画像伝送システム1の動作例を説明する。
画像伝送装置12は、
図6に示した操作画面のスキャン開始ボタン226が押下されると、処理を開始する。
【0035】
ステップ260(S260)において、画像伝送装置12は、
図6に示した操作画面の配布モードのプルダウン224により設定された配布モードが、「一斉配布モード」であるか否かを判定する(モード取得部202,画像読取部210(
図3))。
画像伝送装置12は、「一斉配布モード」である場合、S262の処理に進み、それ以外の場合、後述する第2の実施形態に対応するS34(
図15)の処理に進む。
ステップ262(S262)において、画像伝送装置12は、セットされた原稿を読み取って画像データを生成する(画像読取部210)。
【0036】
ステップ24(S24;
図10)において、画像伝送装置12は、画像伝送装置12から携帯端末装置14それぞれまでの距離が、予め定められた範囲内であるか否かを判定する(距離判定部206,端末情報記憶部208(
図3))。
例えば、画像伝送装置12は、
図12に示した置台280に置かれた携帯端末装置14−1〜14−3が、画像伝送装置12から予め定められた距離内に存在すると判定する。
ステップ264(S264)において、画像伝送装置12は、画像データの送信対象の携帯端末装置14の端末情報の1つ(例えば、携帯端末装置14−1の端末情報)を取得する(端末情報記憶部208,画像送信部212(
図3))。
ステップ266(S266)において、画像伝送装置12は、S264において取得した端末情報に対応する携帯端末装置14(例えば、携帯端末装置14−1)に対して、S262において生成した画像データを送信する(画像送信部212)。
【0037】
ステップ268(S268)において、画像伝送装置12は、画像データの送信対象のすべての携帯端末装置14−1〜14−3に対して画像データを送信したか否かを判定する(画像送信部212)。
画像伝送装置12は、すべての携帯端末装置14−1〜14−3に対して画像データを送信したと判定した場合、処理を終了し、それ以外の場合、S264の処理に進む。
なお、本動作例においては、
図12に示すように、3台の携帯端末装置14−1〜14−3が、画像読取装置126(
図2)の置台280に置かれている場合を具体例としたが、携帯端末装置14の数は、これに限定されるものではない。
また、携帯端末装置14は、必ずしも置台280に置かれている必要はなく、画像伝送装置12から予め定められた距離内に存在すればよい。
【0038】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述したように、第1の実施形態は、配布モードのうちの「一斉配布モード」に対応するのに対し、第2の実施形態は、「不特定配布モード」に対応する。
【0039】
[画像伝送プログラム30]
図13は、第2の実施形態において、
図1,
図2に示した画像伝送装置12上で実行される第2の画像伝送プログラム30の構成を例示する図である。
図13に示すように、画像伝送プログラム30は、
図3に示した第1の画像伝送プログラム20の第1の距離判定部206、第1の画像読取部210および第1の画像送信部212が、それぞれ第2の距離判定部304、第2の画像読取部306および第2の画像送信部310に置換され、第1の画像伝送プログラム20の構成に、条件取得部300、制御部302および画像データ記憶部308が追加された構成をとる。
画像伝送プログラム30は、読取画像データを記憶し、予め定められた期間、予め定められた間隔で、画像伝送装置12から予め定められた距離内に存在する携帯端末装置14(
図1)を特定して、記憶した読取画像データを送信する。
【0040】
図14は、画像伝送装置12の入出力装置128(
図2)のタッチパネルに表示され、画像送信部310が画像データ記憶部308に記憶された画像データの送信処理を停止する条件(以下、「送信処理停止条件」と記述する)を設定する操作画面を例示する図である。
図14に示すように、条件設定操作画面は、例えば、画像データの送信処理の中止を指示する中止ボタン320、画像データの送信回数の設定画面に切り替える回数設定タブ322および画像データの送信処理終了時刻の設定画面に切り替える終了時刻設定タブ324から構成される。
例えば、
図4に示した画像伝送装置12に対する操作選択画面のジョブボタン222が押下されると、
図14に示した条件設定操作画面が表示される。
【0041】
例えば、送信処理停止条件は、以下の(1)〜(3)の場合の少なくともいずれか1つを含む。
(1)
図14に示した中止ボタン320の押下した場合。
(2)画像データの送信回数が、
図14に示した回数設定タブ322により切り替えられた設定画面において設定された送信回数を超えた場合。
(3)現在の時刻が、
図14に示した終了時刻設定タブ324により切り替えられた設定画面において設定された送信処理終了時刻を超えた場合。
【0042】
条件取得部300は、入出力装置128のタッチパネルに表示された条件設定操作画面(
図14)を介して、管理者などにより入力された送信処理停止条件を取得し、制御部302に対して出力する。
制御部302は、条件取得部300から入力された送信処理停止条件を取得する。
また、制御部302は、取得した送信処理停止条件のうちのいずれか1つでも満たしている場合、距離判定部304および画像送信部310に対して、距離判定処理および画像送信処理を終了するよう制御し、それ以外の場合、距離判定部304および画像送信部310に対して、予め定められた間隔で、距離判定処理および画像送信処理を行うよう制御する。
具体的には、例えば、制御部302は、中止ボタン320(
図14)が押下されたことを示す送信処理停止条件を取得した場合、距離判定部304および画像送信部310に対して、距離判定処理および画像送信処理を終了するよう制御する。
【0043】
距離判定部304は、制御部302からの制御に従って、予め定められた間隔で、第1の距離判定部206と同様な距離判定処理を行う。
また、距離判定部304は、制御部302からの制御に従って、距離判定処理を終了する。
画像読取部306は、モード取得部202から入力された配布モード(第2の実施形態においては、「不特定配布モード」)を取得し、配布モードが「不特定配布モード」であると認識する。
また、画像読取部306は、
図6に示した操作画面のスキャン開始ボタン226が押下されると、
図8に示した画面が表示されている間に、画像読取装置126(
図2)にセットされた原稿を読み取って画像データを生成する。
また、画像読取部306は、生成した画像データを、画像データ記憶部308に対して出力する。
【0044】
画像データ記憶部308は、画像読取部306から入力された画像データを記憶し、画像送信部310からの要求に応じて、記憶している画像データを、画像送信部310に対して出力する。
画像送信部310は、制御部302からの制御に従って、予め定められた間隔で、画像データ記憶部308に対して画像データを要求し、画像データ記憶部308が記憶する画像データを取得する。
また、画像送信部310は、端末情報記憶部208が記憶する端末情報テーブル(
図7)の端末情報のうち、判定結果が「一定距離内」を示し、画像送信状態が「未送信」を示す端末情報が存在する場合、端末情報を取得する。
【0045】
また、画像送信部310は、端末情報記憶部208から端末情報を取得した場合、取得した端末情報のIPアドレスに対応する携帯端末装置14(
図1)に対して、取得した画像データを送信する。
また、画像送信部310は、第1の画像送信部212と同様に、端末情報記憶部208が記憶する端末情報テーブルの端末情報のうち、画像データを送信した携帯端末装置14に対応する画像送信状態を「送信済」に更新する。
また、画像送信部310は、制御部302からの制御に従って、画像送信処理を終了する。
【0046】
[第2の実施形態における画像伝送システム1の動作例]
図15は、第2の実施形態における画像伝送システム1(
図1)の動作例を示すフローチャートである。
以下、
図11に示したS260において、画像伝送装置12が「一斉配布モード」であると判定した場合以外、つまり、第2の実施形態に対応する「不特定配布モード」であると判定した場合における画像伝送システム1の動作例を説明する。
【0047】
ステップ262(S262)において、画像伝送装置12は、
図11に示したS262と同様な処理を行う(画像読取部306(
図13))。
ステップ340(S340)において、画像伝送装置12は、S262において生成した画像データを記憶する(画像データ記憶部308(
図13))。
ステップ24(S24)において、画像伝送装置12は、
図10,
図11に示したS24と同様な処理を行う(距離判定部304,端末情報記憶部208(
図13))。
【0048】
ステップ342(S342)において、画像伝送装置12は、画像データの送信対象の携帯端末装置14の端末情報が存在するか否かを判定する(端末情報記憶部208,画像送信部310(
図13))。
画像伝送装置12は、端末情報が存在する場合、S264の処理に進み、それ以外の場合、処理を終了する。
ステップ264(S264)において、画像伝送装置12は、
図11に示したS264と同様な処理を行う(端末情報記憶部208,画像送信部310)。
【0049】
ステップ344(S344)において、画像伝送装置12は、S264において取得した端末情報に対応する携帯端末装置14に対して、S340において記憶した画像データを送信する(画像データ記憶部308,画像送信部310(
図13))。
ステップ268(S268)において、画像伝送装置12は、
図11に示したS268と同様な処理を行い、画像データの送信対象のすべての携帯端末装置14に対して画像データを送信したと判定した場合、S346の処理に進み、それ以外の場合、S264の処理に進む(画像送信部310)。
ステップ346(S346)において、画像伝送装置12は、送信処理停止条件を満たすか否かを判断し、画像データの送信処理を継続するか否かを判定する(条件取得部300,制御部302(
図13))。
画像伝送装置12は、送信処理を継続すると判定した場合、S348の処理に進み、それ以外の場合、処理を終了する。
【0050】
ステップ348(S348)において、画像伝送装置12は、S268においてすべての携帯端末装置14に対して画像データを送信したと判定してから予め定められた時間が経過したか否かを判定する(制御部302(
図13))。
画像伝送装置12は、予め定められた時間が経過したと判定した場合、S24の処理に進み、それ以外の場合、S348の処理にとどまる。
なお、本実施形態においては、1つの画像データに対する画像伝送システム1(
図1)の動作例を説明したが、画像伝送システム1の画像伝送装置12は、複数の画像データを記憶し、画像データごとに画像送信状態および送信処理停止条件などを管理してもよい。
【0051】
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。
本発明の第3の実施形態においては、第1の画像送信部212(
図3)および第2の画像送信部310(
図13)は、端末情報の判定結果が「一定距離内」を示し、画像送信状態が「未送信」を示し、さらに、画像データの送信が許可された携帯端末装置14(
図1)に対して、画像データを送信する。
【0052】
図16は、本発明の第3の実施形態において、端末情報記憶部208(
図3,
図13)が、
図7に示した端末情報テーブルに加えてさらに記憶する端末管理テーブルを例示する図である。
図16に示すように、端末管理テーブルは、携帯端末装置14のMAC(Media Access Control)アドレスおよび画像データ送信が許可されているか否かを示す送信可否情報を含む。
例えば、送信可否情報は、
図16に示すように、画像データ送信が許可されている場合、「許可」を示し、それ以外の場合、「禁止」を示す。
【0053】
端末管理テーブルのMACアドレスおよび送信可否情報は、例えば、画像伝送装置12の入出力装置128(
図2)に表示される登録画面(図示せず)を介して、管理者により予め設定される。
第3の実施形態において、画像送信部212,310(
図3,
図13)は、端末管理テーブル(
図16)を参照して、画像データの送信が許可された携帯端末装置14(
図1)に対して、画像データを送信する(
図17を参照して詳述)。
【0054】
[第3の実施形態における第1の画像送信部212の処理]
図17は、第3の実施形態における第1の画像送信部212の画像送信処理を例示するフローチャートである。
以下、第3の実施形態における第1の画像送信部212の画像送信処理を、さらに説明する。
【0055】
ステップ264(S264)において、画像送信部212は、
図11および
図15に示したS264と同様な処理を行う。
ステップ400(S400)において、画像送信部212は、例えば、ARP(Address Resolution Protocol)コマンドを用いて、S264において取得した送信先端末情報のIPアドレスに対応する携帯端末装置14(
図1)のMACアドレスを取得する。
ステップ402(S402)におおいて、画像送信部212は、端末情報記憶部208が記憶する端末管理テーブル(
図16)を参照して、S400において取得したMACアドレスに対応する送信可否情報が「許可」を示すか否かを判定する。
画像送信部212は、送信可否情報が「許可」を示す場合、S266の処理に進み、それ以外の場合、S268の処理に進む。
【0056】
ステップ266(S266)およびステップ268(S268)において、画像送信部212は、
図11に示したS266およびS268と同様な処理を行う。
なお、第3の実施形態における第2の画像送信部310の画像送信処理においては、
図15に示したS344の処理の前に、
図17に示したS400およびS402と同様な処理が追加される。
【0057】
[変形例1]
本発明の第1〜第3の実施形態においては、管理者が、設定操作画面(
図5)を介して緯度経度を入力するが、位置情報取得部200(
図3,
図13)は、例えば、ネットワークを介して画像伝送装置12(
図1)に接続されたGPSを搭載する機器(図示せず)に対して、緯度経度を要求して取得してもよい。
【0058】
[変形例2]
図18は、本発明の第1〜第3の実施形態の変形例2において、ICカード読取装置130(
図2)が用いられる画像伝送装置12(
図1)の構成を例示する図である。
本発明の第1〜第3の実施形態においては、距離判定部206,304(
図3,
図13)は、画像伝送装置12および携帯端末装置14の位置情報を用いて、これらの装置間の距離が一定範囲内であるか否かを判定するが、
図18に示すように、画像伝送装置12に接続されたICカード読取装置130によりIPアドレスなどの端末情報が読み取られた携帯端末装置14は、画像伝送装置12から予め定められた距離内に存在すると判定してもよい。
【0059】
[変形例3]
本発明の第1〜第3の実施形態においては、距離判定部206,304(
図3,
図13))は、画像伝送装置12および携帯端末装置14の位置情報を用いて、これらの装置間の距離が一定範囲内であるか否かを判定するが、上述したように、端末情報取得部204(
図3,
図13)が近距離通信を行うネットワークを介した通信により検出した携帯端末装置14は、画像伝送装置12から予め定められた距離内に存在すると判定してもよい。
【0060】
[変形例4]
本発明の第3の実施形態においては、送信可否情報は、管理者などにより画像伝送装置12(
図1)側で予め設定されているが、端末情報取得部204(
図3,
図13)などが、携帯端末装置14側で予め設定された送信可否情報を取得して、端末管理テーブル(
図16)に記憶させてもよい。
【0061】
[変形例5]
本発明の第1〜第3の実施形態において、画像送信部212,310(
図3,
図13)は、画像データ送信対象の携帯端末装置14(
図1)に対して、画像データの送信前に、画像データが送信される旨を通知し、通知された携帯端末装置14が画像データの受信を許可した場合にのみ、画像データを送信するようにしてもよい。
【0062】
[変形例6]
本発明の第1〜第3の実施形態においては、画像伝送装置12(
図1)は、画像伝送装置12から一定範囲内に存在する携帯端末装置14(
図1)に対して、画像データを送信したが、特定の場所(例えばイベント会場)の位置情報を設定し、その特定の場所から予め定められた範囲内に存在する携帯端末装置14に対して、画像データを送信してもよい。
【0063】
[変形例7]
本発明の第1〜第3の実施形態においては、画像伝送装置12は、予め定められた距離内に存在するすべての携帯端末装置14(第3の実施形態においては、さらに画像データ送信が許可された携帯端末装置14)に対して画像データを送信しているが、画像データを送信する携帯端末装置14の数が予め設定され、画像伝送装置12からの距離が近い順に、予め設定された数の携帯端末装置14に対して画像データを送信するようにしてもよい。