(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6238094
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】半導体製造装置、基板支持装置の冷却方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20171120BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/02 Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-225938(P2016-225938)
(22)【出願日】2016年11月21日
【審査請求日】2017年5月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】302054866
【氏名又は名称】日新イオン機器株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高岡 邦文
【審査官】
宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3208356(JP,U)
【文献】
特開2010−265497(JP,A)
【文献】
特開平08−037158(JP,A)
【文献】
特開2005−150363(JP,A)
【文献】
特開2006−176842(JP,A)
【文献】
特表2013−534049(JP,A)
【文献】
特開2011−084771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理基板が収納される第1収納室と、
ダミー基板が収納される第2収納室と、
基板を支持する加熱機能付きの基板支持装置と、
各収納室と前記基板支持装置との間で各基板の搬送を行う基板搬送装置とを備えた半導体製造装置であって、
先の基板処理での基板処理温度が後の基板処理での基板処理温度よりも高い場合には、後の基板処理が行われる前に前記基板搬送装置を操作して、先の基板処理での基板処理温度よりも低い温度のダミー基板の搬送を行う制御装置を備えた半導体製造装置。
【請求項2】
処理基板が収納される第1収納室と、
ダミー基板が収納される第2収納室と、
基板を支持する加熱機能付きの基板支持装置と、
各収納室と前記基板支持装置との間で各基板の搬送を行う基板搬送装置とを備えた半導体製造装置であって、
先の基板処理での基板処理温度が後の基板処理での基板処理温度よりも所定温度以上高い場合には、後の基板処理が行われる前に前記基板搬送装置を操作して、先の基板処理での基板処理温度よりも低い温度のダミー基板の搬送を行う制御装置を備えた半導体製造装置。
【請求項3】
前記ダミー基板を冷却する冷却装置を備えた請求項1または2記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記基板支持装置の温度を測定する温度測定装置を備えている請求項1または2に記載の半導体製造装置。
【請求項5】
前記第2収納室には複数枚のダミー基板が収納されており、
前記ダミー基板の搬送は複数回行われる請求項1または2に記載の半導体製造装置。
【請求項6】
処理基板が収納される第1収納室と、
ダミー基板が収納される第2収納室と、
基板を支持する加熱機能付きの基板支持装置と、
各収納室と前記基板支持装置との間で各基板の搬送を行う基板搬送装置とを備えた半導体製造装置で使用される基板支持装置の冷却方法で、
先の基板処理での基板処理温度が後の基板処理での基板処理温度よりも高い場合には、後の基板処理が行われる前に先の基板処理での基板処理温度よりも低い温度のダミー基板の搬送を行う基板支持装置の冷却方法。
【請求項7】
処理基板が収納される第1収納室と、
ダミー基板が収納される第2収納室と、
基板を支持する加熱機能付きの基板支持装置と、
各収納室と前記基板支持装置との間で各基板の搬送を行う基板搬送装置とを備えた半導体製造装置で使用される基板支持装置の冷却方法で、
先の基板処理での基板処理温度が後の基板処理での基板処理温度よりも所定温度以上高い場合には、後の基板処理が行われる前に先の基板処理での基板処理温度よりも低い温度のダミー基板の搬送を行う基板支持装置の冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な温度で基板処理を行う半導体製造装置に関する。特に、高温の基板処理の後に、低温の基板処理を行う半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
取り扱う基板の材料や寸法、基板に施される処理内容により、高温から低温までの幅広い温度範囲で基板処理を行うことが半導体製造装置には期待されている。
【0003】
このような半導体製造装置の一例として、特許文献1に挙げられるイオン注入装置が知られている。このイオン注入装置では、抵抗ヒーターを備えたクランプ装置で基板処理に先立って基板温度の調整が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2013−534049
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板処理温度を高温から低温へ切換える場合、ヒーターを使ってクランプ装置の温度を低温から高温に昇温する場合の切換えに比べて比較的時間を要する。
【0006】
例えば、ヒーター温度が600℃から1400℃といった高温処理からヒーター機能をオフにした低温(常温)処理に切換える際、ヒーター機能をオフにした状態で自然放熱によりクランプ装置の冷却が行われる。
【0007】
自然放熱に代えて、水等の冷媒を用いてクランプ装置が所定温度になるまでの待ち時間の短縮を図るということも考えられるが、クランプ装置の構成が複雑となることや冷媒が気化することにより管内の圧力が高まって冷媒供給路が破損すること等が懸念される。
【0008】
そこで、簡単な構成で基板支持装置(クランプ装置)の温度を短時間で低下することが可能な半導体製造装置と基板支持装置の冷却方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
半導体製造装置は、処理基板が収納される第1収納室と、ダミー基板が収納される第2収納室と、基板を支持する加熱機能付きの基板支持装置と、各収納室と前記基板支持装置との間で各基板の搬送を行う基板搬送装置とを備えた半導体製造装置であって、先の基板処理での基板処理温度が後の基板処理での基板処理温度よりも高い場合には、後の基板処理が行われる前に前記基板搬送装置を操作して、先の基板処理での基板処理温度よりも低い温度のダミー基板の搬送を行う制御装置を備えている。
【0010】
高温の基板支持装置にこれよりも温度の低いダミー基板が搬送されることで、基板支持装置の熱がダミー基板に伝達される。これにより、基板支持装置の温度が自然に下がるのを待つよりも短時間で所望温度にすることが可能となる。また、通常の基板処理と同じく、ダミー基板を基板支持装置へ搬送するだけでいいので、装置構成が簡素で済む。
【0011】
半導体製造装置は、処理基板が収納される第1収納室と、ダミー基板が収納される第2収納室と、基板を支持する加熱機能付きの基板支持装置と、各収納室と前記基板支持装置との間で各基板の搬送を行う基板搬送装置とを備えた半導体製造装置であって、先の基板処理での基板処理温度が後の基板処理での基板処理温度よりも所定温度以上高い場合には、後の基板処理が行われる前に前記基板搬送装置を操作して、先の基板処理での基板処理温度よりも低い温度のダミー基板の搬送を行う制御装置を備えている。
【0012】
先の基板処理と後の基板処理での基板処理温度の差と所定温度とを比較して、ダミー基板の搬送要否を決定しているため、先の構成に比べて実用性は高い。
【0013】
冷却効果を高めるには、前記ダミー基板を冷却する冷却装置を備えていることが望ましい。冷却されたダミー基板を基板支持装置へ搬送することで基板支持装置の冷却速度は一層向上する。
【0014】
また、ダミー基板の搬送を停止させるタイミングを決定する等の理由で、前記基板支持装置の温度を測定する温度測定装置を備えていてもよい。
【0015】
基板支持装置へ搬送されたダミー基板は、時間の経過とともに基板温度が上昇し、冷却能力が低下する。よって、基板支持装置を冷却する能力の向上を図るために、前記第2収納室には複数枚のダミー基板が収納されており、前記ダミー基板の搬送は複数回行われる構成としてもよい。
【0016】
基板支持装置の冷却方法としては、処理基板が収納される第1収納室と、ダミー基板が収納される第2収納室と、基板を支持する加熱機能付きの基板支持装置と、各収納室と前記基板支持装置との間で各基板の搬送を行う基板搬送装置とを備えた半導体製造装置で使用される基板支持装置の冷却方法で、先の基板処理での基板処理温度が後の基板処理での基板処理温度よりも高い場合には、後の基板処理が行われる前に先の基板処理での基板処理温度よりも低い温度のダミー基板の搬送を行う。
【0017】
より実用的な手法としては、処理基板が収納される第1収納室と、ダミー基板が収納される第2収納室と、基板を支持する加熱機能付きの基板支持装置と、各収納室と前記基板支持装置との間で各基板の搬送を行う基板搬送装置とを備えた半導体製造装置で使用される基板支持装置の冷却方法で、先の基板処理での基板処理温度が後の基板処理での基板処理温度よりも所定温度以上高い場合には、後の基板処理が行われる前に先の基板処理での基板処理温度よりも低い温度のダミー基板の搬送を行う冷却方法を用いる。
【発明の効果】
【0018】
高温の基板支持装置にダミー基板が搬送されることで、基板支持装置の熱がダミー基板に伝達される。これにより、基板支持装置の温度が自然に下がるのを待つよりも短時間で所望温度にすることが可能となる。また、通常の基板処理と同様にダミー基板を基板支持装置へ搬送するだけでいいので、装置構成が簡素で済む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】基板支持装置への基板の受け渡しを示す概略図
【
図6】第2収納室を処理室内に設けた構成例を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0020】
半導体製造装置の一例としてイオン注入装置IMを例に、
図1に基づき装置構成の概略を説明する。
【0021】
イオン源1が略スポット状のイオンビームIBを射出して、質量分析電磁石2と分析スリット3がイオン源1から射出されたイオンビームIBを質量分析し、加減速器4が同イオンビームIBを加速あるいは減速する。その後、エネルギー分離器5が、不要なエネルギー成分の取り除かれたイオンビームIBを下流に通し、走査器6が一方向に沿ってイオンビームIBを走査する。走査されたイオンビームIBは、平行化器7を通過することで、ビーム進行方向が互いに平行なイオンビームIBとなるように偏向されて、処理室8に入射する。
【0022】
処理室8には、基板支持装置13が設けられている。この基板支持装置13は、静電チャックや機械的なクランプ機構、あるいはその両方を用いて一面に処理基板Sやダミー基板Dを支持する装置であり、特許文献1と同様にヒーター等による加熱機能を備えている。処理基板Sやダミー基板DはSiやSiC等のウエハまたはガラス基板等の基板であり、処理基板Sはイオン注入処理が施される生産用基板である。
【0023】
本構成例において、処理基板Sとダミー基板Dは処理室8の外側に設けられた第1収納室11と第2収納室12にそれぞれ収納されている。
基板搬送装置Mは、各収納室11、12と基板支持装置13との間で各基板S、Dの搬送を行う装置である。基板搬送装置Mは、各収納室11、12と真空予備室15との間で基板搬送を行う大気ロボット16と、大気と真空との異なる環境間で基板搬送を行う真空予備室15と、真空予備室15と基板支持装置13との間で基板搬送を行う真空ロボット17で構成されている。
【0024】
図示される制御装置Cは、基板処理温度等の入力信号ISに基づいて、基板搬送装置Mの操作を行う装置である。
【0025】
真空ロボット17は、真空予備室15と注入位置Pに設けられた基板支持装置13との間を旋回する旋回アームを備えている。
図2には、旋回アームの把持爪18に支持された状態で注入位置Pまで基板が搬送されときの様子が描かれている。
【0026】
この例では、基板支持装置13は静電チャックEとヒーターHを備えている。また、基板支持装置13の駆動機構として、図示されない駆動源により基板支持装置13を矢印方向へ往復駆動する駆動軸SC、基板支持装置13をX軸周りに任意の角度回転するツイスト機構Tw及び基板支持装置13をY軸周りに任意の角度回転するチルト機構Tiがそれぞれ設けられている。さらに、処理室8の天井からビューポート20を介して、放射温度計21で基板S、Dや基板支持装置13の温度測定ができるように構成されている。
【0027】
基板S、Dの基板支持装置13への受け渡しについては、 注入位置Pへ旋回アームが移動した後、駆動軸SCによって基板支持装置13が旋回アーム方向(紙面上側)へ移動することで行われる。基板支持装置13への基板S、Dの受け渡し後、旋回アームは注入位置Pから離間する方向へ旋回する。その後、基板の被処理面が処理室8に入射するイオンビームIB側を向くように、チルト機構Tiで基板支持装置13がY軸周りに回動される。
図1に描かれる基板支持装置13の姿勢は、
図2に描かれる基板支持装置13の姿勢からチルト機構Tiで約90度回動されたときのものである。
【0028】
図3は、基板搬送装置Mの典型的な制御フローである。基板処理温度の変更を受けて、基板支持装置13の設定温度の切換えが行われる(S1)。
この切換えを受けて、先の基板処理での基板処理温度T0と後の基板処理での基板処理温度T1との比較が行われる(S2)。
なお、ここで言う基板処理温度とは、基板処理が行われる際の処理基板Sの設定温度であり、基板支持装置13の設定温度と同等である。
【0029】
比較の結果、先の基板処理での基板処理温度T0が後の基板処理での基板処理温度T1よりも高い場合には、後の基板処理が行われる前に、基板搬送装置13が、ダミー基板Dを第2収納室12から基板支持装置13に搬送する(S3)。
【0030】
基板支持装置13はダミー基板Dを支持した状態で、処理基板Sを処理する時と同様に駆動軸SC、チルト機構Ti等によって駆動される。一連の駆動動作終了後、ダミー基板Dが基板搬送装置Mで第2収納室12に戻されて、ダミー基板Dの搬送が停止する(S4)。
なお、基板処理温度の切換えが終了するまでの間、イオン源1の運転を停止する等してイオンビームIBは処理室8内に入射していないので、ダミー基板Dへのイオンビーム照射は行われない。
【0031】
この例では、ダミー基板Dは第2収納室12に常温で収納されている。高温の基板支持装置13に常温のダミー基板Dが搬送されることで、基板支持装置13の熱がダミー基板Dに伝達される。これにより、基板支持装置13の温度が自然に下がるのを待つよりも短時間で所望温度にすることが可能となる。また、通常の基板処理時と同様にダミー基板Dを基板支持装置13へ搬送するだけでいいので、装置構成が簡素で済む。
【0032】
一方、基板処理温度を比較した結果、先の基板処理での基板処理温度が後の基板処理での基板処理温度よりも低い場合には、基板支持装置13の温度が後の基板処理で必要とされる温度となるようにヒーター等を用いて基板支持装置13が加熱される(S5)。
【0033】
最後に、基板支持装置13の温度が所望温度となった後、処理基板Sが基板搬送装置Mで搬送されて、処理基板Sへのイオン注入処理が行われる(S6)。
【0034】
図3の制御フローは、
図1に記載の制御装置Cが実施するが、イオン注入装置IMのオペレーターが温度比較等をして、基板搬送装置Mを適宜操作するようにしてもよい。
【0035】
図3の典型的な制御フローに加えて、
図4、
図5に記載の制御フローを実施しても
図3の制御フローを実施した場合と同等の効果を奏することができる。
【0036】
図4、
図5に記載の制御フローで、
図3と符号が共通するS1〜S6の処理については
図3で説明した処理と同一であるため、その説明を省略し、以下では
図3の制御フローとの相違点を中心に説明する。
【0037】
図4の制御フローでは、先の基板処理での基板処理温度T0が後の基板処理での基板処理温度T1よりも高い場合に、前後の基板処理での基板処理温度差T0−T1と基準値D1との比較が行われる(S21)。比較の結果、基準値よりも温度差が高い場合には、ダミー基板Dが搬送される。
一方、基準値D1との比較の結果、基準値よりも温度差が低い場合には、ダミー基板Dは搬送されず、基板支持装置13の自然冷却が行われる(S22)。
【0038】
前後の基板処理で基板処理温度差がほとんどない(例えば、数度)場合には、ダミー基板Dの搬送をせずに、自然冷却で基板支持装置13の温度が冷えるのを待ち、温度差が数百度程度と大きい場合に限り、ダミー基板Dの搬送による基板支持装置13の冷却が行われるように構成してもよい。
【0039】
図5の制御フローは、複数枚のダミー基板Dの基板支持装置13への搬送を考慮したものである。基板支持装置13と第2収納室12の間で何枚のダミー基板Dが搬送されたのかを集計し、所定枚数(M枚)に達するまでダミー基板の搬送を繰り返す(S31)。
【0040】
基板支持装置13へ搬送されたダミー基板Dは、時間の経過とともに基板温度が上昇して冷却能力が低下する。この点を考慮し、
図5の制御フローのように複数枚のダミー基板Dの搬送を行うことで、冷却効果の高い新たなダミー基板Dが基板支持装置13に順次搬送されるので、基板支持装置13の冷却効率が向上する。
【0041】
図4、
図5で述べた制御フローは互いに組み合わせることも可能であり、これらの制御フローに別の処理を追加することも可能である。
【0042】
ダミー基板Dの搬送枚数については、代表的な基板処理温度の切換え条件に対して予め実験等により適切な枚数を求めておき、切換え条件と搬送枚数との関係を制御装置Cにデータとして記憶させておき、実際の基板処理温度の切換え時に記憶データから近い条件のデータを読み出す等して決定してもよい。
【0043】
また、ダミー基板Dの搬送を停止するタイミングについて、基板支持装置13の温度測定を行うことで決定してもよい。
ダミー基板Dの搬送開始後、
図2に記載の放射温度計21で、ダミー基板Dが基板支持装置13の基板支持面上に支持されていないときに、基板支持装置13の基板支持面の温度を測定して、所望温度近傍の温度であれば、ダミー基板Dの搬送を終了する。
基板支持装置13の温度測定については、
図2に描かれる放射温度計21の他に熱電対を用いて基板支持装置13の温度測定をしてもよい。
【0044】
上記実施形態では、第1収納室11と第2収納室12とを個別に設ける構成が示されていたが、これらの収納室を1つの同じ収納室として構成してもよい。
また、
図6に描かれているように、処理室8の真空雰囲気内に第2収納室12を設けておいてもよい。本発明において、ダミー基板Dは基板支持装置13の冷却用に使用される基板であることから、必ずしも大気側から搬送し、大気側に搬出される必要はない。処理室8に第2収納室12を設けておけば、ダミー基板Dの基板支持装置13への搬送にあたり、比較的長い時間を要する真空予備室15での真空排気、大気開放の操作が省略できるので、ダミー基板Dの搬送に要する時間が大幅に短縮できる。この場合、ダミー基板Dの基板搬送装置Mは真空ロボット17のみで構成されることになる。
【0045】
また、ダミー基板Dの搬送経路に冷却装置を配置して、冷却されたダミー基板Dを基板支持装置13に搬送してもよい。冷却されたダミー基板Dであれば、常温のダミー基板Dに比べて冷却効果が向上する。
冷却装置の例としては、真空予備室15に空気や窒素等の冷媒をダミー基板Dに吹き付ける機構を取り付けておくか、第2収納室12に冷却水が流れる冷媒流路を設けておき、これを用いてダミー基板Dを冷却する機構を設ける等の構成が考えられる。
【0046】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0047】
11 第1収納室
12 第2収納室
13 基板支持装置
M 基板搬送装置
S 処理基板
D ダミー基板
C 制御装置
【要約】
【課題】簡単な構成を用いて基板支持装置の温度を短時間で低下する。
【解決手段】半導体製造装置は、処理基板Sが収納される第1収納室11と、ダミー基板Dが収納される第2収納室12と、基板を支持する加熱機能付きの基板支持装置13と、各収納室11、12と基板支持装置13との間で各基板S、Dの搬送を行う基板搬送装置Mとを備えていて、先の基板処理での基板処理温度が後の基板処理での基板処理温度よりも高い場合には、後の基板処理が行われる前に基板搬送装置13を操作して、先の基板処理での基板処理温度よりも低い温度のダミー基板Dの搬送を行う制御装置Cをさらに備えている。
【選択図】
図1