特許第6238113号(P6238113)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238113
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】部品を納入するときの部品納入支援方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/386 20170101AFI20171127BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20171127BHJP
【FI】
   B29C64/386
   G06Q50/04
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-157144(P2013-157144)
(22)【出願日】2013年7月10日
(65)【公開番号】特開2015-16680(P2015-16680A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2015年3月18日
【審判番号】不服2016-17204(P2016-17204/J1)
【審判請求日】2016年10月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】598175724
【氏名又は名称】高田 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】高田 幸彦
【合議体】
【審判長】 大島 祥吾
【審判官】 加藤 友也
【審判官】 西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−86576(JP,A)
【文献】 特表2009−512060(JP,A)
【文献】 特開2011−170410(JP,A)
【文献】 特開2002−248692(JP,A)
【文献】 特開2006−72837(JP,A)
【文献】 特開2002−36755(JP,A)
【文献】 特開平7−88967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C64/00-64/40
G06Q50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を製造する部品製造企業が、部品発注完成品組立企業から提供された部品についての部品情報に基づく三次元形状を有する基本立体モデルを造形し、基本立体モデルに係る三次元データを取得して外部からの入力された形態改変指示に基づいて改変することで、形態改変した一連の形態改変立体造形モデルを形成する立体造形モデル形成手段が備えられた三次元立体造形装置を利用して部品を形成し、該部品を部品発注完成品組立企業へ提供することで部品発注完成品組立企業からの部品の発注を受け、部品を納入するときの部品納入支援システムによる部品を納入するときの部品納入支援方法であって、
前記部品納入支援システムが、データベースと画面表示手段と演算処理手段とを備えた端末及び立体造形モデル形成手段を備え
データデースに、
予め取得された基本彩色データ、基本形態データおよび基本素材データから形成した基本立体モデル画面および立体物画面の一部あるいは全部領域に施す彩色を施すコンピュータプログラムおよび基本立体モデル画面について、一部あるいは全体形態に形態改変を可能とさせる形態改変を施すコンピュータプログラム、および部品発注完成品組立企業から提供された部品についての部品情報が格納され、
部品発注完成品組立企業の設計担当・資材担当が、形態改変原価低減の指示をなした部品部分についての部品情報に基づいて、形態改変原価低減の指示がなされた部品の立体造形モデルが画面表示手段の画面に表示され、
部品部分についての原価低減指示が部品製造企業に取得され、部品製造企業の設計担当・製造担当からの指示に基づいて、原価低減指示が取得された部品部分について、原価低減を提案する形態改変がなされ、形態改変する部品部分に色彩が、他の部分に施される色彩とは異なるようにして施されて、形態改変する部品部分と形態改変する部品部分に施す色彩が、形態改変1+彩色A、形態改変2+彩色B、及び双方を統合した形態改変1&2+彩色A&Bの形態で色彩を持つ一連の彩色選択立体造形モデルが形成され、
原価低減提案がなされた、前記彩色された立体造形モデルが、部品製造企業から部品発注完成品組立企業に提供されること
を特徴とする部品を納入するときの部品納入支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dプリンターを利用した原価低減のための、部品を納入するときの部品納入支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3Dプリンターは、主として使用されている製造業なもちろん、映像、アート、ホビー、さらにはその特性を活かした新たなサービス分野など、他方面で使われている。3Dプリンターの特徴は、加工法としての新しさがある。例えば、積み重ねていくことが出来る材料であれば、樹脂でも金属でも使用することができ、複雑な形状も加工することが出来る。3Dプリンターによる積層造形法以前のものづくりでは、作りたいものよりも大きな材料から不要な部分を取り除くことで形状を加工していた。3Dプリンターでは金型などの設備をほとんど必要としない特徴を持っている。勿論、最終的に金型を製作することを行ってもよい。
【0003】
3Dプリンターのメリットは、製品の製造に入る前に実際のイメージを実感できる、本物そっくりの造形が可能である、設計開発期間の短縮に役立つ、オフィス環境に設置出来る、設計に関する情報管理を徹底できることなどが挙げられている。
【0004】
特許文献1には、加工ステップを内容とする立体模型製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−18222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示されるような3Dプリンターを使用しての加工方法について記載する多くの特許公報がある。上述したように、3Dプリンターのメリットは、製品の製造に入る前に実際のイメージを実感できる、本物そっくりの造形が可能である、設計開発期間の短縮に役立つ、オフィス環境に設置出来る、設計に関する情報管理を徹底できることなどが挙げられるが、加工情報を活用することでこれらのメリットを確実に手に入れることが大切である。
【0007】
特許文献1には3Dプリンターによる加工方法が記載されているが、3Dプリンター使用することによる活用情報の生成、活用について記載されていない。
【0008】
3Dプリンター使用による活用情報を効果的に生成、活用することが出来るようにした検討が拡大し、想定造形個数の中で、事際に造形する個数を極力少なくすることを可能にして上述した3Dプリンターのメリットを十分に生かし、部品発注完成品組立企業と部品製造企業との協調、協力関係を促進させることで原価低減を可能にする三次元立体造形システムおよびこのシステムを用いた三次元立体造形方法を提供することが今後ますます求められる。
【0009】
製品の競争力を高めるには製品の原価低減が求められる。製品の競争力は、部品発注完成品組立企業と部品製造企業との協調、協力関係が不可欠である。両者に機能的なチームワークが求められる。このような機能的なチームワークが構築されることで、両者間での同時開発、同時製品化が可能となって原価低減が図られることになる。部品発注完成品組立企業には、部品製造企業での材料消費量や作業工数を削減し、加工時間を短縮する設計が求められ、部品製造企業には、部品発注完成品組立企業がカバーできない部品技術、設計の提案、原価低減提案が求められるが、一方側の努力では原価低減に限界がある。
【0010】
本発明は、従来このようなニーズを満足するために部品発注完成品組立企業と部品製造企業との間で従来採用されて来た連携のための図面によるコミュニケーションに加え、3Dプリンターの活用によるコミュニケーションを加えることより一層に両者の機能的チームワークを向上させた製品作り、もの作りを行えるようにすることを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、部品を製造する部品製造企業に、部品発注完成品組立企業から提供された部品についての部品情報に基づく三次元形状を有する基本立体モデルを造形し、基本立体モデルに係る三次元データを取得して外部からの入力された形態改変指示に基づいて改変することで、形態改変した一連の形態改変立体造形モデルを形成する立体造形モデル形成手段とが備えられた三次元立体造形装置を利用して部品情報を形成し、該部品情報を部品発注完成品組立企業へ提供することで部品発注完成品組立企業からの発注を受け、部品を納入するときの部品納入支援システムであって、
データベースと画面表示手段と演算処理手段とを備え、
データデースに、
予め取得された基本彩色データ、基本形態データおよび基本素材データがら形成した基本立体モデル画面および立体物画面の一部あるいは全部領域に施す彩色を施すコンピュータプログラムおよび基本立体モデル画面について、一部あるいは全体形態に形態改変を可能とさせる形態改変施すコンピュータプログラム、および部品発注完成品組立企業から提供された部品についての部品情報が格納され、
演算処理手段が、
画面表示手段に、部品発注完成品組立企業から提供された部品についての部品情報に基づいて、造形手段が造形する立体造形モデルを画面表示させ、
画面表示された立体造形モデル画面の全部あるいは一部画面領域に、部品製造企業によって入力された指示に基づいて彩色させた立体造形モデル画面を形成させ、
立体造形モデル形成手段が、彩色されて表示された立体造形モデル画面の一部あるいは全部を部品製造企業によって入力された形態改変指示に基づいて改変することで、形成された形態改変した一連の形態改変立体造形モデルを取得して、形態改変された一連の形態改変立体造形モデルを表示させ、形態改変指示に基づいて、彩色されて表示された立体造形モデル画面の一部あるいは全部に関連して、表示された一連の形態改変立体造形モデルの一部あるいは全部に彩色し、彩色されて表示させた基本立体モデル画面に、彩色によって一部あるいは全体形態が関連付けられた一連の形態改変立体造形モデル画面を関連付け、形態改変に基づいた取得された形態改変データを加えて提案部品情報を形成し、
画面表示手段が、表示画面を備えて、提案部品情報を表示し、もって
部品の部品発注完成品組立企業への納入に先立って、提案部品情報が、通信手段を介して部品発注完成品組立企業端末へ送信されること
を特徴とする部品を納入するときの部品納入支援システムを提供する
本発明は、部品を製造する部品製造企業に、部品発注完成品組立企業から提供された部品についての部品情報に基づく三次元形状を有する基本立体造形モデルを造形し、基本立体造形モデルに係る三次元データを取得して外部からの入力された形態改変指示に基づいて改変することで、形態改変した一連の形態改変立体造形モデルを形成する立体造形モデル形成手段を利用して部品情報を形成し、該部品情報を部品発注完成品組立企業へ提供することで部品発注完成品組立企業からの発注を受け、部品を納入するときの部品納入支援システムによる部品を納入するときの部品納入支援方法であって、
部品納入支援システムがデータベースと画面表示手段と演算処理手段とを備え、
データデースに、
予め取得された基本彩色データ、基本形態データおよび基本素材データから形成した立体造形モデル画面および立体造形モデル画面の一部あるいは全部領域に施す彩色を施すコンピュータプログラムおよび立体造形モデル画面について、一部あるいは全体形態に形態改変を可能とさせる形態改変施すコンピュータプログラム、および部品発注完成品組立企業から提供された部品についての部品情報が格納され、
演算処理手段が、
画面表示手段に、部品発注完成品組立企業から提供された製品部品についての部品情報に基づいて、造形手段が造形する立体造形モデルを画面表示させ、
画面表示された立体物画面の全部あるいは一部画面領域に、部品製造企業によって入力された指示に基づいて彩色させた立体造形モデル画面を形成させ、
立体造形モデル形成手段が、彩色されて表示された立体造形モデル画面の一部あるいは全部を部品製造企業によって入力された形態改変指示に基づいて改変することで、形成された形態改変した一連の形態改変立体造形モデルを取得して、形態改変された一連の形態改変立体造形モデルを表示させ、形態改変指示に基づいて、彩色されて表示された立体造形モデル画面の一部あるいは全部に関連して、表示された一連の形態改変立体造形モデルの一部あるいは全部に彩色し、彩色されて表示させた立体造形モデル画面に、彩色によって一部あるいは全体形態が関連付けられた一連の形態改変立体造形モデル画面を関連付け、形態改変に基づいた取得された形態改変データを加えて提案部品情報を形成し、
画面表示手段が、表示画面を備えて、提案部品情報を表示し、もって
部品の部品発注完成品組立企業への納入に先立って、提案部品情報が、通信手段を介して部品発注完成品組立企業端末へ送信されること
を特徴とする部品を納入するときの部品納入支援方法を提供する
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、従来このようなニーズを満足するために部品発注完成品組立企業と部品製造企業との間で従来採用されて来た連携のための図面によるコミュニケーションに加え、3Dプリンターの活用によるコミュニケーションを加えることより一層に両者の機能的チームワークを向上させ、部品作りを、原価低減に限界のあった原価低減を可能とさせることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明実施例の三次元立体造形システムの外観図。
図2】本発明実施例の形態をブロックで示す図。
図3】本発明実施例の概念を説明する図。
図4】表示画面の1例を示す図。
図5】表示画面の1例を示す図。
図6】表示画面の1例を示す図。
図7】表示画面の1例を示す図。
図8】表示画面の1例を示す図。
図9】表示画面の1例を示す図。
図10】表示画面の1例を示す図。
図11】本発明実施例の形態を示すブロック図。
図12】本発明の実施例のフローを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の実施例である3Dプリンターとしての三次元立体造形システム100の構成を示す外観図である。
【0016】
図1において、三次元立体造形システム100は、立体造形モデル形成装置1と造形装置2から構成される。立体造形モデル形成装置1は、例えばパソコンなどの端末で構成され、造形物試作・造形のためのSTL(光造形方式)データを造形装置2に送信する。STLデータでは、三次元形状が小さな三角形のメッシュの集合体として表現される。
【0017】
3Dプリンターは、3次元CADで描いた立体図形から実物そっくりの立体物を作り出すための造形装置として知られ、例えば積層造形装置の総称を示し、光造形方式や粉末焼結方式をはじめとした複数の造形方式が知られている。インクジェット方式、熱溶解積層方式なども知られている。
【0018】
3Dデータを用意する方法は、大きく分けて3つある。3DCAD,3DCGを使ったソフトウエアによる3Dモデリング、物体をスキャンする3Dスキャン、すでに作成されたデータをダウンロードすることで用意される。本実施例においてもこのようにして取得された3Dデータが使用される。
【0019】
造形装置2は、造形ステージ部3と材料カートリッジ部4からなり、造形ステージ部3にはX軸モータ、Y軸モータおよびZ軸モータが設けられ、制御部(図示せず)によって、X軸、Y軸およびZ軸方向に駆動される。
【0020】
熱溶解積層方式では、剛性や耐久性に優れた特性を持つABS樹脂を造形ヘッド5で280℃前後に熱して溶かし、X軸、Y軸方向の高速動作制御と造形ステージ台3のZ軸方向の昇降により、立体造形モデルの精密な積層造形を作成していく。
【0021】
造形ヘッド5と材料カートリッジ部4は樹脂管6で結ばれ、両者には、モデル材である造形素材とサポート材の2種類が入っている。造形素材は、造形物に使われる材料であり、例えばABS樹脂である。サポート材は、熱で溶けた造形素材を積層していく際に、空洞部分や支えのない橋構造の部位を支えるために使われる材料である。それぞれの材料は、リールに巻かれたワイヤとして材料カートリッジ部4に収納されている。造形ヘッド5からは0.5ミリの太さの造形素材が押し出され、造形ヘッド5の先端を造形ステージ第4に押しあてながら造形していく。例えば、1回の動作で0.25ミリ積層されるので、厚さ1ミリのものを造形するには4層積み重ねることになる。インクジェット方式の場合には、ミクロン単位での積層が可能だが、ABS樹脂ではない樹脂を使用することになる。3Dプリンターの材料すなわち造形素材は、プラスチックが主である。プラスチックは、合成樹脂の総称である。3Dプリンターに用いられる材料としては、ABS,PLA(成分解性プラスチック)、エポキシ、レジン、ナイロン、金属、ワックスが知られている。金属の場合に、表面が荒いが鋳物の代用品として使用することが知られている。
【0022】
3Dデータを造形素材で出力すると、造形素材によって、表面がつるつるになったり、弾力があったり、表面がザラついたり、無着色の状態で灰色がかったり、溝が形成されたり等の特徴を得ことが出来、製品プレゼンのために最良の素材が選択させるのが望まれることになる。
【0023】
このように、複数の造形樹脂のいずれかの樹脂で三次元形状を有する立体物を造形する造形装置2と、立体物に係る三次元データを取得して立体造形モデルデータを形成する立体造形モデル形成装置1とを備えて、形成された立体造形モデルデータに基づいて造形装置2に立体物を造形させる三次元立体造形システム100が構成される。
【0024】
図2は、三次元立体造形システム100の構成をブロックで示す図である。
【0025】
立体造形モデル形成装置1は、通信手段で造形装置2に結ばれる。立体造形モデル形成装置1は、通信手段11、演算処理手段12、データベース13、画面表示手段14およびこれらを結ぶ通信線15を備える。
【0026】
データベース13は、予め取得された基本彩色データ、基本形態データ及び基本素材データから形成される基本立体造形モデルを格納し、基本立体造形モデルの一部あるいは全部領域に施す彩色を改変させ、基本立体造形モデルの形態を改変させる、および基本立体物造形モデルを形成する素材情報を改変させるコンピュータプログラム、および一連の基本立体造形モデルの各基本立体造形モデルについて順次、全部領域あるいは一部分に彩色改変を選択可能とさせる彩色レシピー、一連の基本立体造形モデルの各基本立体造形モデルについて順次、全体形態もしくは一部に形態改変を可能とさせる形態改変レシピー、一連の立体造形モデルの各基本立体物造形モデルについて順次、全部素材もしくは一部素材の改変を可能とさせる立体造形素材レシピーからなる三つのレシピーを格納する。一連の基本立体造形モデルの各基本立体造形モデルについて順次、全部領域あるいは一部分に彩色改変を選択可能とさせる彩色レシピー、一連の基本立体造形モデルの各基本立体造形モデルについて順次、全体形態もしくは一部に形態改変を可能とさせる形態改変レシピーの2つのレシピーであってもよい。
【0027】
画面表示手段14は、表示画面15を備えて、基本立体造形モデルを一連として繰り返して、および各レシピー名を選択可能にして画面表示する。
【0028】
彩色レシピー、形態改変レシピーおよび立体造形素材レシピーが画面上で選択される。彩色レシピーおよび形態改変レシピーの場合もある。
【0029】
演算処理手段12は、彩色レシピーが選択されると、画面表示された一連の基本立体造形モデルの、各基本立体造形モデルの全部あるいは一部画面領域を選択可能とする画面領域選択画像を表示させ、各基本立体造形モデルの画面領域選択画像について外部からの入力された指示信号に基づいて基本彩色と異なる彩色を選択し、順次彩色した一連の彩色選択立体造形モデルを形成し、
形態改変レシピーが選択されると、画面表示された一連の基本立体造形モデルの各基本立体造形モデルの基本形態データの一部もしくは全部を外部からの入力された形態改変指示信号に基づいて改変することで、順次形態改変した一連の形態改変立体造形モデルを形成し、
立体造形素材レシピーが選択されると、画面表示された一連の基本立体造形モデルの、各基本立体造形モデルの基本造形素材データの一部もしくは全部を外部からの入力された造形素材改変指示信号に基づいて改変することで、一連の造形素材改変立体造形モデルを形成する。
【0030】
また、演算処理手段12は、外部から入力された指示信号に基づいて、一連の彩色選択立体造形モデル、一連の形態改変立体造形モデルまたは一連の造形素材改変立体造形モデルを表示させ、表示させた各立体造形モデルの一部の立体造形モデルを選択、消去させて消去後の一連の彩色選択立体造形モデル、一連の形態改変立体造形モデルまたは一連の造形素材改変立体造形モデルを表示させる。
【0031】
また、演算処理手段12は、基本立体造形モデル、および消去後に画面表示した一連の彩色選択立体造形モデル、一連の形態改変立体造形モデルまたは一連の造形素材改変立体造形モデルを造形装置2に送信させる。
【0032】
造形装置2は、基本立体造形モデル、および消去後に画面表示した一連の彩色選択立体造形モデル、一連の形態改変立体造形モデルまたは一連の造形素材改変立体造形モデルを造形することを行う。
【0033】
演算処理手段12は、一連の彩色選択立体造形モデル、一連の形態改変立体造形モデルまたは一連の造形素材改変立体造形モデル、および消去後に画面表示した一連の彩色選択立体造形モデル、一連の形態改変立体造形モデルまたは一連の造形素材改変立体造形モデルを一つの画面にそれぞれ表示させる。
【0034】
形態改変が、基本立体造形モデルの寸法縮小もしくは一部部分の変更を含む。形態改変にはデータベースに格納したコンピュータプログラムを用いる。
【0035】
基本立体造形モデルは、一連の彩色選択立体造形モデル、一連の形態改変立体造形モデルまたは一連の造形素材改変立体造形モデルの内のいずれがの立体造形モデルで形成されてよい。
【0036】
図3は、三次元立体造形システム100の概念を示す図である。
【0037】
図3において、パソコンである立体造形モデル形成装置1で生成された試作・造形のためのSLDデータは、造形装置2に送信される。立体造形モデル形成装置1で3Dデータを作成し、SLDデータとしてもよい。このようにして、造形装置2にSLDデータが送信され用いられる。
【0038】
立体造形モデル形成装置1は、予め取得された基本彩色データ、基本形態データ及び基本素材データから形成される基本立体造形モデル31を形成して、データベース13に格納させる。また、立体造形モデル形成装置1は、基本立体造形モデル31を造形装置2に送信させ、造形装置2は、基本立体造形モデル31に対応した基本立体造形物を加工成形する。立体造形モデル形成装置1は、予め取得された基本彩色データおよび基本形態データを形成する場合もある。
【0039】
立体造形モデル形成装置1は、形成された一連の彩色選択立体造形モデル、一連の形態改変立体造形モデルおよび一連の造形素材改変立体造形モデルの全部もしくは一部を用いてデザイン(設計)変更製品を造形する。これらの試作造形は3Dプリンターのメリットを活かして極めて容易に行うことができる。一連の彩色選択立体造形モデルおよび一連の形態改変立体造形モデルを造形する場合もある。
【0040】
改変例1は、原価低減を意図した形態改変立体造形モデル32を示し、改変例2は、カラー化あるいは縮小化、特徴比較化を意図した彩色選択立体造形モデル、形態改変立体造形モデルあるいは造形素材改変立体造形モデル33を示す。
【0041】
外部からん入力された指示信号に基づいて、表示させた各立体造形モデルの一部の立体造形モデルを選択、消去させて消去後の一連の彩色選択立体造形モデルとして、原価低減例、縮小化例、特徴比較化例を際立たせることが出来、製品化数を低減することが出来る。
【0042】
選択、消去させて消去後の一連の彩色選択立体造形モデル、一連の形態改変立体造形モデルまたは一連の造形素材改変立体造形モデルに製作された立体造形モデルは一連のものとして製品プレゼン34に活用される。製品プレゼンは、顧客に対して、社内の従業員に対して、あるいは公共団体の役員に対してなすことが出来る。
【0043】
図4図10は、画面表示例を示す。画面には、彩色レシピー41、形態改変レシピー42、立体造形素材レシピー43が表示される。また、画面には、基本立体造形モデル44が表示される。画面には、彩色レシピー41および形態改変レシピー42が表示されるようにしてもよい。
【0044】
彩色レシピー41、形態改変レシピー42および立体造形素材レシピー43の内、彩色レシピー41がクリックされると、図4に示されるように、データベース13に格納された彩色レシピーにしたがって、彩色原形45としての基本立体造形モデル44および一連の基本立体造形モデルの各基本立体モデルについて、順次全部領域あるいは1部分に改変彩色が選択され得るようにされて、一連の基本立体造形モデルが表示される。
【0045】
操作者は、表示された一連の基本立体造形モデルについて、彩色選択欄47で彩色選択して順次、彩色改変を行う。これによって、画面表示の一連の基本立体造形モデルを一連の彩色選択モデル46に改変する。改変としたのは、基本彩色が改変されることになることによる。
【0046】
一連の彩色改変を行った後に選択欄48で、一連の彩色選択モデル46から造形したいいくつかの彩色選択モデル46の選択を行い、一部の彩色選択モデルを消去する。この操作によって、一部の彩色選択モデルを画面上に並列させ、残すことを行う。
【0047】
外部から入力された指示信号に基づいて、表示させた各立体造形モデルの一部の立体造形モデルを選択、消去させて消去後の一連の彩色選択立体造形モデルとして、原価低減例、縮小化例、特徴比較化例を際立たせることが出来、製品化数を低減することが出来る。
【0048】
画面に表示された彩色レシピー51、形態改変レシピー52および立体造形素材レシピー53の内、形態改変レシピー52がクリックされると、図5に示されるように、データベース13に格納された形態改変レシピーにしたがって、形態原型55としての基本立体造形モデル54および一連の基本立体造形モデルの各基本立体モデルについて、順次基本形態データの全部あるいは1部分に形態改変が選択され得るようにされて、一連の基本立体造形モデルが表示される。
【0049】
操作者は、表示された一連の基本立体造形モデルについて、形態改変選択欄57で形態改変指示して順次、形態改変を行う。これによって、一連の基本立体造形モデルを一連の形態改変立体造形モデル56に改変する。改変としたのは、基本形態が改変されることになることによる。形態改変には、基本立体造形モデルの寸法縮小もしくは一部部分の変更が含まれる。
【0050】
外部からの指示信号に基づいて、一連の形態改変を行った後に選択欄58で、一連の形態改変立体造形モデル56から造形したい形態改変立体造形モデル56の選択を行い、一部の形態改変立体造形モデルを消去する。これによって、一部の形態改変立体造形モデルを画面上に並列させ、残すことを行う。
【0051】
一部の形態改変立体造形モデルを画面上に並列させた例を図9に示す。
【0052】
画面に表示された彩色レシピー61、形態改変レシピー62および立体造形素材レシピー63の内、立体造形素材レシピー63がクリックされると、図6に示されるように、データベース13に格納された立体造形素材レシピーに従って、基本原型65(ABS樹脂)としての基本立体造形モデル64および一連の基本立体造形モデルの各基本立体モデルについて、順次全部領域あるいは1部分に改変素材が選択し得るようにされて、一連の基本立体造形モデルが表示される。
【0053】
操作者は、表示された一連の基本立体造形モデルについて、造形素材選択欄67で造形素材を選択して順次、造形素材改変を行う。これによって、一連の基本立体造形モデルを一連の選択造形素材モデル66に改変する。改変としたのは、基本素材が改変されることになることによる。
【0054】
外部からの指示信号に基づいて、一連の造形素材改変を行った後に造形素材選択欄68で、造形したい選択造形素材モデル66の選択を行い、一部の彩色選択モデルを消去する。これによって、一部の選択造形素材モデルを画面上に並列させ、残すことを行う。
【0055】
一部の選択造形素材モデルを画面上に並列させた例を図10に示す。
【0056】
上述した例では、彩色レシピー、形態改変レシピーおよび立体造形素材レシピーのいずれかを選択してクリックしたが、これらのレシピーの幾つかを選択してもよい。その例を図7に示す。
【0057】
画面に表示された彩色レシピー71、形態改変レシピー72および立体造形素材レシピー73の内、形態改変レシピー72および立体造形素材レシピー73がクリックされると、図7に示されるように、データベース13に格納された立体造形素材レシピーおよび立体造形素材レシピーに従って、基本原型75(ABS樹脂)としての基本立体造形モデル74および一連の基本立体造形モデルの各基本立体モデルについて、順次基本形態データの全部あるいは1部分に形態改変が選択され得るようにされて、および全部領域あるいは1部分に改変素材が選択し得るようにされて、一連の基本立体造形モデルが表示される。
【0058】
操作者は、指示信号を入力し、表示された一連の基本立体造形モデルについて、形態+造形素材選択欄77で、形態改変指示して順次、形態改変を行い、造形素材を選択して順次、造形素材改変を行う。これによって、一連の基本立体造形モデルを一連の形態改変立体および選択造形素材モデル76に改変する。改変としたのは、基本素材が改変されることになることによる。
【0059】
一連の形態改変、造形素材改変を行った後に形態+造形素材選択欄78で、造形したい形態改変立体および選択造形素材モデル76の選択を行い、一部の形態改変立体および選択造形素材モデルを消去する。これによって、一部の形態改変立体および選択造形素材モデルを画面上に並列させ、残すことを行う。この例では、図7がそのまま消去後の状態を示す図となる。
【0060】
図8図10に示す、消去後の立体造形モデルは、例えば製品プレゼンの観点から選択されたものとなり、加工製作する個数を最小にして選択され、最大のメリットを提示することになる。他の目的、例えば社内でのプレゼンである場合にも、最小個数で社内最大PRを可能とすることになる。
【0061】
彩色レシピーおよび形態改変レシピーが選択、クリックされてもよい。また、彩色レシピーおよび造形素材レシピーが選択、クリックされてもよい。3者が選択、クリックされてもよい。上述した例では、3つのレシピーを使用することとしていたが、造形素材に樹脂として典型的なABS樹脂のみを使用することして固定して、簡易型としてもよい。この場合には、彩色レシピーおよび形態改変レシピーの組み合わせとなる。
【0062】
部品発注完成品組立企業81および部品製造企業82の双方は、上述した機能、構造を有する三次元立体造形システム100を用いる。
【0063】
図11に示すように、部品発注完成品組立企業81および部品製造企業82の双方にそれぞれ複数の造形材料のいずれかの材料で三次元形状を有する立体物を造形する造形装置2と、立体物に係る三次元データを取得して立体造形モデルデータを形成する立体造形モデル形成装置1とを備えて、形成された立体造形モデルデータに基づいて造形装置に立体物を造形させる三次元立体造形システム100が備えられる。
【0064】
図12は、部品発注完成品組立企業(81)配置の立体造形モデル形成装置および部品製造企業(82)配置の立体造形モデル形成装置が機能する内容を示す。
【0065】
図12において、部品発注完成品組立企業配置の立体造形モデル形成装置が、表示させた一連の彩色選択立体造形モデルに、部品発注完成品組立企業の設計担当・資材担当からの指示に基づいて原価低減の観点から部品製造企業が形態改変検討をすべき部分について他の部分とは異なる彩色を施す。表示させた一連の彩色選択立体造形モデル46は、本例の場合、彩色選択Aおよび彩色選択Bとなる。
【0066】
造形装置が、基本立体造形モデル、および消去後に画面表示した一連の彩色選択立体造形モデルまたは一連の形態改変立体造形モデルを造形する。すなわち、部品発注完成品組立企業配置の立体造形モデル形成装置の演算処理手段が、外部から入力された指示信号に基づいて、部品発注完成品組立する製品についての一連の形態改変立体造形モデルを表示させ、表示させた一連の形態改変立体造形モデルから、部品発注完成品組立企業が予め検討した原価低減の観点から部品発注完成品組立に係る部分であって、部品製造企業に形態改変検討要請する部分に、他の部分とは異なる彩色をなして、原価低減用の一連の彩色選択立体造形モデルを形成する。
【0067】
造形装置が、原価低減用の一連の彩色選択立体造形モデルを造形する。造形される彩色選択立体造形モデルは、実際に製品として採用されるモデル製品である必要はなく、ABS樹脂を使用してのレプリカ製品であってもよい。レプリカ製品で原価低減を検討するようにすれば、安価な三次元立体造形システム100を使用することができる。
【0068】
彩色された、表示させた一連の彩色選択立体造形モデルが部品発注完成品組立企業から部品製造企業に渡される通常の発注図面と共に渡される。彩色された部分が部品製造企業に部品製造企業のメーカーとしてのノウハウ・得意技術を駆使しての原価低減からの改善提案が要請された部分・部品となる。
【0069】
原価低減を要請された部品製造企業は、彩色された部分・部品について、部品製造企業のメーカーとしてのノウハウ・得意技術を駆使しての原価低減からの改善し、提案としてまとめる。
【0070】
造形装置が、基本立体造形モデル、および消去後に画面表示した一連の彩色選択立体造形モデルまたは一連の形態改変立体造形モデルを造形する。
【0071】
部品製造企業配置の立体造形モデル形成装置が、表示させた一連の彩色選択立体造形モデル46(56)に、原価低減の観点から部品発注完成品組立企業が形態改変検討をすべきとした部分であって、部品製造企業が形態改変した部分について、部品製造企業の設計担当・製造担当からの指示に基づいて他の部分とは異なる彩色を施す。表示させた一連の彩色選択立体造形モデル46(56)は、本例の場合、形態改変変更1+彩色A,形態改変変更2+彩色Bおよびこれらを統合した形態改変A&B+彩色A&Bからなる。すなわち、部品製造企業配置の立体造形モデル形成装置の演算処理手段が、外部から入力された指示信号に基づいて、部品発注完成品組立する製品についての一連の形態改変立体造形モデルを表示させ、表示させた、原価低減用の一連の形態改変立体造形モデルから、部品発注完成品組立企業が予め検討した原価低減の観点から部品発注完成品組立に係る部分であって、部品製造企業に形態改変検討をすべき部分に、他の部分とは異なる彩色をなして、原価低減応答用の一連の彩色選択立体造形モデルを形成する。
【0072】
造形装置が、原価低減応答用の一連の彩色選択立体造形モデルを造形する。
【0073】
彩色された、表示させた一連の彩色選択立体造形モデルが部品製造企業から部品発注完成品組立企業に渡される通常の発注図面と共に渡される。基本立体造形モデル44(54)は、部品製造企業ないに留めおかれるだけでよい。彩色された部分が部品製造企業が部品製造企業のメーカーとしてのノウハウ・得意技術を駆使しての原価低減からの改善提案が求められた部分・部品であるということが、部品発注完成品組立企業の設計担当・資材担当に直ちに理解されることになる。
【0074】
部品発注完成品組立企業の設計担当は、引き渡された、造形された一連の彩色選択立体造形モデル46(56)である形態改変変更1+彩色A,形態改変変更2+彩色Bおよびこれらを統合した形態改変変更1&2+彩色A&Bについて検討し、いずれかのモデルを採用することを決定する。これが発注モデルとなる。
【0075】
発注モデルが部品製造企業に発注書と共に届けられる。
【0076】
本発明に用いられる三次元立体造形システムは、彩色レシピーが選択されると、画面領域選択画像を表示させ、各基本立体造形モデルの画面領域選択画像について外部からの入力された指示信号に基づいて基本彩色と異なる彩色を選択し、順次彩色した一連の彩色選択立体造形モデルを形成し、形態改変レシピーが選択されると、順次形態改変した一連の形態改変立体造形モデルを形成し、一連の彩色選択立体造形モデルまたは一連の形態改変立体造形モデルを表示させ、表示させた各立体造形モデルの一部の立体造形モデルを選択、消去させて消去後の一連の彩色選択立体造形モデルまたは一連の形態改変立体造形モデルを表示させることが出来る。本発明は、このような3Dプリンターの活用によるコミュニケーションを加えることより一層に両者の機能的チームワークを向上させた製品作り、もの作りを行うことが出来るようになる。部品製造企業には、他社に先行して部品発注完成品組立企業から部品を開発する機会が与えられ、発注量増大されることが期待されることになる。
【符号の説明】
【0077】
1…立体造形モデル形成装置(パソコン)、2…造形装置(3Dプリンター)、3…造形ステージ台、4…材料カートリッジ部、5…造形ヘッド、11…通信手段、12…演算処理手段、13…データベース、14…画面表示手段、15…表示画面、41,51,61,71…彩色レシピー、42,52,62,72…形態改変レシピー、43,53,63,73…立体造形レシピー、44、54、64,74…基本立体造形モデル、46…彩色選択モデル、47…彩色選択、48、58.68,78…選択、56…形態改変立体造形モデル、57…形態改変、81…部品発注完成品組立企業,82…部品製造企業、100…三次元立体造形システム。
図1
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図12