特許第6238195号(P6238195)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238195
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】車両用入退場管理システム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20171120BHJP
【FI】
   G07B15/00 M
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-165523(P2013-165523)
(22)【出願日】2013年8月8日
(65)【公開番号】特開2015-35107(P2015-35107A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591069086
【氏名又は名称】パーク二四株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 憲治
(72)【発明者】
【氏名】浜名 通夫
(72)【発明者】
【氏名】河西 弘明
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−351197(JP,A)
【文献】 特開2015−014970(JP,A)
【文献】 特開2001−351198(JP,A)
【文献】 特開平02−068700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 11/00 − 17/04
G06Q 10/00 − 99/00
G08G 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場における車両の入退場を管理する車両用入退場管理システムであって
載器の識別情報を含む前記駐車場の利用予約情報を記憶する記憶部と、
前記駐車場の出口の外側に設けられ、前記外側に存在する車両に搭載された車載器の識別情報を取得する通信部と、
前記出口に設けられて前記車両の入退場を規制する出口用規制部を制御する規制制御部と
を備え、
前記規制制御部は、前記通信部が取得した車載器の識別情報と、前記記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致した場合に、前記出口規制部による規制を解除する
ことを特徴とする車両用入退場管理システム。
【請求項2】
前記出口の内側に設けられ、前記駐車場から退場する出庫車両の有無を検出する出庫車両検出部
を備え、
前記規制制御部は、前記通信部が取得した車載器の識別情報と、前記記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致し、かつ前記出庫車両検出部が出庫車両無しを検出した場合に、前記出口規制部による規制を解除する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用入退場管理システム。
【請求項3】
前記出口の内側に、前記出庫車両の退場を規制する出庫車両用規制部が設けられており、
前記規制制御部は、前記通信部が取得した車載器の識別情報と、前記記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致し、かつ前記出庫車両検出部が出庫車両有りと検出した場合に、前記出庫車両用規制部による規制を行い、前記出口規制部による規制を解除する
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用入退場管理システム。
【請求項4】
前記出口を通って前記駐車場に入場した入庫車両の有無を検出する入場後車両検出部
を備え、
前記規制制御部は、前記通信部が取得した車載器の識別情報と、前記記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致し、かつ前記出庫車両検出部が出庫車両有りと検出した場合に、前記出庫車両用規制部による規制を行い、前記出口規制部による規制を解除した後、前記入場後車両検出部が入庫車両有りと検出すると、前記出庫車両用規制部による規制を解除する
ことを特徴とする請求項3に記載の車両用入退場管理システム。
【請求項5】
前記規制制御部は、前記通信部が取得した車載器の識別情報と、前記記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致し、かつ前記出庫車両検出部が出庫車両有りと検出した場合に、前記車載器に待機指示を送信し、前記出口規制部による規制を解除する
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用入退場管理システム。
【請求項6】
前記出口を通って前記駐車場から退場した出庫車両の有無を検出する退場後車両検出部
を備え、
前記規制制御部は、前記通信部が取得した車載器の識別情報と、前記記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致し、かつ前記出庫車両検出部が出庫車両有りと検出した場合に、前記車載器に待機指示を送信し、前記出口規制部による規制を解除した後、前記退場後車両検出部が出庫車両有りと検出すると、前記出口規制部による規制の解除状態を維持しつつ、前記車載器に入場指示を送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用入退場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場における車両の入退場を管理する車両用入退場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場において車両の入退場を管理する種々の管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、利用者に駐車場を利用してもらう際に、確実に駐車してもらえるように、駐車場の利用についてあらかじめ利用者からの利用予約を受け付けるシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−275719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような利用予約を受け付けるシステムでは、駐車場の入口に車両の入場待ち行列ができていない場合には、利用予約された車両を駐車場内にスムーズに入場させることはできるものの、入口に車両の入場待ち行列ができている場合には、入場待ちの車両が邪魔になるため、利用予約された車両であっても駐車場内にスムーズに入場させることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、駐車場の入口が混雑していても、予約された車両を迅速かつ容易に駐車場に入場させることができる車両用入退場管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。本発明は、駐車場における車両の入退場を管理する車両用入退場管理システムであって、車載器の識別情報を含む前記駐車場の利用予約情報を記憶する記憶部と、前記駐車場の出口の外側に設けられ、前記外側に存在する車両に搭載された車載器の識別情報を取得する通信部と、前記出口に設けられて前記車両の入退場を規制する出口用規制部を制御する規制制御部とを備え、前記規制制御部は、前記通信部が取得した車載器の識別情報と、前記記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致した場合に、前記出口規制部による規制を解除することを特徴とする。
【0007】
この発明においては、規制制御部が、通信部によって取得した車載器の識別情報と、記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致した場合に、出口規制部による規制を解除する。これにより、出口の外側に存在する車両が、出口を通って駐車場内に入場することができる。以上より、駐車場の入口が混雑していても、予約された車両を迅速かつ容易に駐車場に入場させることができる。
【0008】
また、本発明は、前記出口の内側に設けられ、前記駐車場から退場する出庫車両の有無を検出する出庫車両検出部を備え、前記規制制御部は、前記通信部が取得した車載器の識別情報と、前記記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致し、かつ前記出庫車両検出部が出庫車両無しを検出した場合に、前記出口規制部による規制を解除することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記出口の内側に、前記出庫車両の退場を規制する出庫車両用規制部が設けられており、前記規制制御部は、前記通信部が取得した車載器の識別情報と、前記記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致し、かつ前記出庫車両検出部が出庫車両有りと検出した場合に、前記出庫車両用規制部による規制を行い、前記出口規制部による規制を解除することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記出口を通って前記駐車場に入場した入庫車両の有無を検出する入場後車両検出部を備え、前記規制制御部は、前記通信部が取得した車載器の識別情報と、前記記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致し、かつ前記出庫車両検出部が出庫車両有りと検出した場合に、前記出庫車両用規制部による規制を行い、前記出口規制部による規制を解除した後、前記入場後車両検出部が入庫車両有りと検出すると、前記出庫車両用規制部による規制を解除することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記規制制御部が、前記通信部が取得した車載器の識別情報と、前記記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致し、かつ前記出庫車両検出部が出庫車両有りと検出した場合に、前記車載器に待機指示を送信し、前記出口規制部による規制を解除することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記出口を通って前記駐車場から退場した出庫車両の有無を検出する退場後車両検出部を備え、前記規制制御部は、前記通信部が取得した車載器の識別情報と、前記記憶部に記憶された車載器の識別情報とが一致し、かつ前記出庫車両検出部が出庫車両有りと検出した場合に、前記車載器に待機指示を送信し、前記出口規制部による規制を解除した後、前記退場後車両検出部が出庫車両有りと検出すると、前記出口規制部による規制の解除状態を維持しつつ、前記車載器に入場指示を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、駐車場の入口が混雑していても、予約されている車両を迅速かつ容易に駐車場に入場させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る車両用入退場管理システムの第1の実施形態を示すシステム構成図である。
図2】本実施形態におけるシステムなどの配置状態を示す説明図である。
図3】本実施形態における管理制御部の動作を示すフローチャートである。
図4】本実施形態における管理制御部の他の動作を示すフローチャートである。
図5】本発明に係る車両用入退場管理システムの第2の実施形態を示すシステム構成図である。
図6】本実施形態におけるシステムなどの配置状態を示す説明図である。
図7】本実施形態における管理制御部の動作を示すフローチャートである。
図8】本実施形態における管理制御部の他の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態における車両用入退場管理システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態としての車両用入退場管理システムを示したものである。
車両用入退場管理システム1は、駐車場において車両の入退場を管理するものである。この車両用入退場管理システム1は、車両に搭載される車載器2と、車両の入退場の管理を行う入退場管理部3とを備えている。
【0016】
車載器2は、機器全体の制御を行う車載器制御部21と、入退場管理部3と無線による通信を行う無線通信部22と、車両のナビゲーション処理を行うナビゲーション機能部23とを備えている。また、車載器2は、各種情報を表示したり音声として出力する画面表示・音声出力部24と、操作者からの操作指示を受け付ける操作部25と、各種情報を記憶する記憶部26とを備えている。
【0017】
無線通信部22、ナビゲーション機能部23、画面表示・音声出力部24、操作部25及び記憶部26は、車載器制御部21に接続されている。
無線通信部22は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)により入退場管理部3と狭域通信を行う。
ナビゲーション機能部23は、操作者からの指示に応じて、車両に対するナビゲーションを行う。
画面表示・音声出力部24は、液晶表示部やスピーカなどからなるものである。
操作部25は、例えば、画面表示・音声出力部24の画面上に設定されるタッチパネルなどからなるものである。
記憶部26は、例えば、各車載器に固有の識別IDを記憶している。
【0018】
入退場管理部3は、全体の制御を行う管理制御部(規制制御部)31と、サーバーとして機能するサーバー機能部32と、各種情報を記憶する記憶部33と、車載器2と無線による通信を行う無線通信部34と、駐車場の出口に設置される出口ゲート(出口用規制部)G1(図2に示す)を開閉させる出口ゲート駆動部35とを備えている。また、入退場管理部3は、出口の内側(駐車場内)に設置される出庫車両検出部36と、出口の外側(駐車場外)に設置される退場車両検出部37と、出口の内側(駐車場内)に設置される入場車両検出部38とを備えている。
【0019】
サーバー機能部32は、携帯電話やPC(Personal Computer)などの利用者端末から、インターネットを介して駐車場の利用予約を受け付ける。このとき、サーバー機能部32は、車載器の識別ID、利用予約日時情報及び各駐車場に固有に設定された駐車場IDなどを含む利用予約情報の送信要求を利用者端末に送信する。そして、サーバー機能部32は、利用者端末から送信された利用予約情報を取得する。なお、利用予約日時情報には、利用予約開始日、利用予約終了日、利用予約開始時間及び利用予約終了時間などが含まれる。
記憶部33は、あらかじめ設定された固有の駐車場IDやサーバー機能部32が取得した利用予約情報などを記憶する。
無線通信部34は、アンテナ34a(図2に示す)を有しており、DSRCにより車載器2と狭域通信を行う。
【0020】
出口ゲート駆動部35は、例えばモータなどからなり、管理制御部31の指示のもと、出口ゲートを開閉させる。
出庫車両検出部36、退場車両検出部37及び入場車両検出部38は、例えばループコイルなどからなり、検出部の上方に配される車両の有無を検出する。そして、出庫車両検出部36、退場車両検出部37及び入場車両検出部38は、車両が有る場合に検出結果をオフ信号として管理制御部31に出力し、車両が無い場合には、検出結果をオン信号として管理制御部31に出力する。
【0021】
次に、車載器2及び入退場管理部3の配置関係や駐車場について、図2を参照して説明する。
まず、駐車場には、駐車した車両を退場させるための出口Exが設けられている。さらに、出口Exの近傍には、駐車料金を精算する精算機(不図示)が設置されている。すなわち、退場しようとする出庫車両B2は、出口Exに設置された精算機を介して運転者による精算を済ませた後、出口Exを通って、駐車場から退場し、道路へ進行していく。
また、出口Exには、出口ゲートG1が設置されている。そして、出口ゲートG1が開かれると車両の通過が許可され、出口ゲートG1が閉じられると車両の通過が規制されるようになっている。
なお、出口Exとは、出口ゲートG1の設置位置をいうものであり、出口ゲートG1を境にして、駐車場の外側を出口Exの外側とし、駐車場の内側を出口Exの内側とする。
【0022】
また、出口Exの近傍のうち出口Exの外側には、アンテナ34aが設置されている。このアンテナ34aによる通信領域Aは、道路上において予約車両B1を一台覆う広さに設定されている。そのため、予約車両B1が通信領域Aに配されると、車載器2と入退場管理部3との通信が可能となり、通信領域Aを出ると、車載器2と入退場管理部3との通信ができなくなる。
また、出口Exの近傍のうち出口Exの外側には、退場車両検出部37が設置されている。退場車両検出部37は、駐車場内から出口Exを通って退場した車両の有無を検出する。
また、出口Exの近傍のうち出口Exの内側には、入場車両検出部38が設置されている。入場車両検出部38は、駐車場外から出口Exを通って駐車場内に入場した車両の有無を検出する。
さらに、駐車場内のうち入場車両検出部38よりも上流側には、出庫車両検出部36が設置されている。出庫車両検出部36は、駐車場内において駐車場内から出口Exを通って駐車場外に退場しようとする車両の有無を検出する。
【0023】
次に、このように構成された本実施形態における車両用入退場管理システム1の動作について説明する。なお、車両の通過のない通常状態においては、出口ゲートG1は閉じられているものとする。
まず、利用者は、所定の日に駐車場を確実に利用したい場合、利用者端末を介してあらかじめ駐車場の利用予約を行っておく。すなわち、利用者による操作のもと、利用者端末が、利用予約情報を入退場管理部3に送信すると、管理制御部31は、サーバー機能部32を介してその利用予約情報を取得する。そして、管理制御部31は、取得した利用予約情報に含まれる利用予約日時情報に基づいて、空き状況などにより予約可能か否かを判定し、予約可能であると判定すると、その利用予約情報を記憶部33に記憶し、サーバー機能部32を介して予約完了通知を利用者端末に送信する。一方、管理制御部31は、予約不可であると判定すると、サーバー機能部32を介して予約不可通知を利用者端末に送信する。
これにより、駐車場の利用予約があらかじめ行われる。
【0024】
図3は、管理制御部31の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートは、入退場管理部3が、予約車両と出庫車両のうち、予約車両を先に検出した場合の動作を示している。
まず、予約車両B1が通信領域Aに入ると、管理制御部31は、車載器2から車載器IDを取得する(ステップS1)。すなわち、管理制御部31は、車載器IDの送信要求を、無線通信部34を介して車載器2に送信する。車載器制御部21は、その送信要求を、無線通信部22を介して受信すると、記憶部26に記憶された車載器IDを読み出し、この読み出した車載器IDを、無線通信部22を介して入退場管理部3に送信する。そして、管理制御部31は、車載器2から送信された車載器IDを、無線通信部34を介して受信する。
【0025】
さらに、管理制御部31は、取得した車載器IDと記憶部33に記憶された車載器IDとが一致し、かつ現在日時と記憶部33に記憶された利用予約日時情報とが一致し、さらに、記憶部33に記憶された利用予約情報に含まれる駐車場IDと、記憶部33の別領域に記憶された駐車場IDとが一致するか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、管理制御部31は、車載器2から送信された車載器IDと一致する車載器IDを含む利用予約情報を記憶部33から抽出し、この抽出した利用予約情報に含まれる利用予約日時情報と、時刻を計時する計時部(不図示)から取得した現在日時情報とが一致するか否かを判定する。なお、利用予約日時と現在日時との判定においては、利用予約日時情報の利用予約開始時間から例えば15分マイナスしておき、15分マイナスされた利用予約開始日時から利用予約終了日時の間に現在日時が含まれるか否かによって行う。さらに、管理制御部31は、利用予約情報とは別の領域に記憶された駐車場IDと、抽出した利用予約情報に含まれる駐車場IDとが一致するか否かを判定する。
【0026】
そして、管理制御部31は、車載器ID、利用予約日時及び駐車場IDの少なくともいずれか一つが異なると判定すると(ステップS2:No)、無線通信部34を介して、予約されていない車両である旨を車載器2に送信して(ステップS3)、処理を終了する。
一方、管理制御部31は、車載器ID、利用予約日時及び駐車場IDのすべてが一致していると判定すると(ステップS2:Yes)、出庫車両検出部36の検出結果がオンか否かを判定する(ステップS4)。そして、管理制御部31は、検出結果がオンであると判定すると(ステップS4:YES)、出口ゲート駆動部35を介して、出口ゲートG1を開ける(ステップS5)。すなわち、出庫車両検出部36によって、出庫車両B2があるかどうかが検出され、出庫車両B2がない場合に、出口ゲートG1が開かれる。
【0027】
そして、管理制御部31は、無線通信部34を介して入場指示を車載器2に送信する(ステップS6)。なお、車載器制御部21は、無線通信部22を介して、その入場指示を受信し、画面表示・音声出力部24から、例えば「御入場ください。」などの文字や音声により運転者に報知する。これにより、予約車両B1の運転者は、出口Exを通って予約車両B1を駐車場に入場させる。
さらに、管理制御部31は、入場車両検出部38の検出結果がオフであるか否かを検出し(ステップS7)、オフでないと判定すると(ステップS7:No)、ステップ7の処理を繰り返す。一方、管理制御部31は、検出結果がオフであると判定すると(ステップS7:Yes)、出口ゲート駆動部35を介して、出口ゲートG1を閉めて(ステップS8)、処理を終了する。すなわち、入場車両検出部38により、予約車両B1が出口Exを通って駐車場内に入場したことが検出され、それから出口ゲートG1が閉められる。
【0028】
一方、管理制御部31は、ステップS4において、出庫車両検出部36の検出結果がオンでない(オフである)と判定すると(ステップS4:No)、無線通信部34を介して待機指示を車載器2に送信する(ステップS9)。なお、車載器制御部21は、無線通信部22を介して、その待機指示を受信し、画面表示・音声出力部24から、例えば「お待ちください。」などの文字や音声により運転者に報知する。すなわち、この場合、出庫車両B2があるので、まず予約車両B1に待機してもらい、出庫車両B2を先に退場させ、それから予約車両B1を入場させるようにする。
【0029】
さらに、管理制御部31は、出口ゲート駆動部35を介して、出口ゲートG1を開ける(ステップS10)。そして、管理制御部31は、退場車両検出部37の検出結果がオフであるか否かを判定し(ステップS11)、オフでないと判定すると(ステップS11:No)、ステップS11の処理を繰り返す。一方、管理制御部31は、検出結果がオフであると判定すると(ステップS11:Yes)、無線通信部34を介して入場指示を車載器2に送信する(ステップS12)。すなわち、退場車両検出部37によって、出庫車両B2が出口Exを通って駐車場を退場したかどうかを検出し、出庫車両B2が退場した場合に、車載器2に入場指示を送信する。
そして、管理制御部31は、ステップS7の処理に移り、上記と同様にして処理を終了する。
【0030】
図4は、管理制御部31の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートは、入退場管理部3が、予約車両と出庫車両のうち、出庫車両を先に検出した場合の動作を示している。
管理制御部31は、出庫車両検出部36から検出結果のオフ信号を読み出す(ステップS20)。そして、管理制御部31は、予約車両B1があるかどうかを判定する(ステップS21)。すなわち、無線通信部34を介して、車載器2と通信が可能であるか否かによって予約車両B1の有無が判定される。
【0031】
さらに、管理制御部31は、予約車両B1があると判定すると(ステップS21:Yes)、ステップS9の処理に移行する。
一方、管理制御部31は、予約車両B1がないと判定すると(ステップS21:No)、出口ゲート駆動部35を介して、出口ゲートG1を開ける(ステップS22)。そして、管理制御部31は、退場車両検出部37の検出結果がオフであるか否かを判定し(ステップS23)、オフでないと判定すると(ステップS23:No)、ステップS23の処理を繰り返す。一方、管理制御部31は、検出結果がオフであると判定すると(ステップS23:Yes)、出口ゲート駆動部35を介して、出口ゲートG1を閉める(ステップS24)。
【0032】
以上より、本実施形態における車両用入退場管理システム1によれば、予約車両B1に対して、出口Exを通して駐車場に入場させることができることから、駐車場の入口が混雑していても、予約された車両を迅速かつ容易に駐車場に入場させることができる。
また、出庫車両検出部36により出庫車両B2を検出し、出庫車両B2がない場合に、出口ゲートG1を開けることから、予約車両B1と出庫車両B2とが対向することなく、予約車両B1をスムーズに駐車場に入場させることができる。
また、出庫車両検出部36により出庫車両B2を検出し、出庫車両B2がある場合に、待機信号を車載器2に送信することから、予約車両B1と出庫車両B2とが対向することなく、出庫車両B2を駐車場から退場させて、予約車両B1をスムーズに駐車場に入場させることができる。さらに、退場車両検出部37によって出庫車両B2が退場したことを検出してから、入場指示を車載器2に送信することから、出庫車両B2を駐車場から退場させて、予約車両B1をスムーズに駐車場に入場させることができる。
【0033】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5から図8は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図5から図8において、図1から図4に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは主として異なる点について説明する。
【0034】
本実施形態における入退場管理部3aは、図5及び図6に示すように、出庫車両待機ゲート(出庫車両用規制部)G2を開閉させる出庫車両待機ゲート駆動部39を備えている。
出庫車両待機ゲートG2は、入場車両検出部38よりも上流側に設けられており、かつ出庫車両検出部36よりも下流側に設けられている。
【0035】
図7は、管理制御部31aの動作を示すフローチャートである。
このフローチャートは、入退場管理部3aが、予約車両と出庫車両のうち、予約車両を先に検出した場合の動作を示している。
なお、車両の通過のない通常状態においては、出口ゲートG1及び出庫車両待機ゲートG2は閉じられているものとする。
管理制御部31aは、ステップS4において、出庫車両検出部36の検出結果がオンでない(オフである)と判定すると(ステップS4:No)、出庫車両B2の運転者に待機するように報知する(ステップS30)。すなわち、出庫車両待機ゲートG2の近傍に設置された画面やスピーカにより、「お待ちください」などの文字や音声により運転者に報知する。
この場合、出庫車両B2があるので、まず出庫車両B2に待機してもらい、予約車両B1を先に入場させ、それから出庫車両B2を退場させるようにする。
【0036】
そして、管理制御部31aは、出口ゲート駆動部35を介して出口ゲートG1を開け(ステップS31)、無線通信部34を介して入場指示を車載器2に送信する(ステップS32)。
さらに、管理制御部31aは、入場車両検出部38の検出結果がオフであるか否かを判定し(ステップS33)、オフでないと判定すると(ステップS33:No)、ステップS33の処理を繰り返す。一方、管理制御部31aは、検出結果がオフであると判定すると(ステップS33:Yes)、出庫車両待機ゲート駆動部39を介して、出庫車両待機ゲートG2を開ける(ステップS34)。すなわち、予約車両B1が入場したことを検出してから、出庫車両待機ゲートG2を開ける。
そして、管理制御部31aは、出庫車両B2の運転者に退場を報知する(ステップS35)。すなわち、出庫車両待機ゲートG2の近傍に設置された画面やスピーカにより、「御退場ください」などの文字や音声により運転者に報知する。
【0037】
さらに、管理制御部31aは、退場車両検出部37の検出結果がオンであるか否かを判定し(ステップS36)、オンでないと判定すると(ステップS36:No)、ステップS36の処理を繰り返す。一方、管理制御部31aは、検出結果がオンであると判定すると(ステップS36:Yes)、出口ゲートG1及び出庫車両待機ゲートG2を閉めて(ステップS37)、処理を終了する。
【0038】
図8は、管理制御部31aの動作を示すフローチャートである。
このフローチャートは、入退場管理部3aが、予約車両と出庫車両のうち、出庫車両を先に検出した場合の動作を示している。
管理制御部31aは、ステップS21において、予約車両B1がないと判定すると(ステップS21:No)、出庫車両待機ゲートG2及び出口ゲートG1を開け(ステップS40)、出庫車両B2の運転者に退場を報知する(ステップS41)。
なお、ステップS40において、出庫車両待機ゲートG2及び出口ゲートG1を開けるとしたが、これに限ることはなく、まず出庫車両待機ゲートG2を開けて、出庫車両B2の運転者に退場を報知した後、出口Exにおいて当該出庫車両B2の精算が完了してから、出口ゲートG1を開けるようにしてもよい。
【0039】
さらに、管理制御部31aは、退場車両検出部37の検出結果がオフであるか否かを判定し(ステップS42)、オフでないと判定すると(ステップS42:No)、ステップS42の処理を繰り返す。一方、管理制御部31aは、検出結果がオフであると判定すると(ステップS42:Yes)、出庫車両待機ゲートG2及び出口ゲートG1を閉めて(ステップS43)、処理を終了する。なお、出庫車両待機ゲートG2及び出口ゲートG1を閉める場合にも、入場車両検出部38が出庫車両B2を検出したときに、出庫車両待機ゲートG2を先に閉めてもよい。
【0040】
また、管理制御部31aは、ステップS21において、予約車両があると判定すると(ステップS21:Yes)、出庫車両B2の運転者に待機を報知し(ステップS44)、出口ゲートG1を開ける(ステップS45)。そして、管理制御部31aは、入場指示を車載器2に送信する(ステップS46)。さらに、管理制御部31aは、入場車両検出部38の検出結果がオフであるか否かを判定し(ステップS47)、オフでないと判定すると(ステップS47:No)、ステップS47の処理を繰り返す。一方、管理制御部31aは、検出結果がオフであると判定すると(ステップS47:Yes)、出庫車両待機ゲートG2を開けて(ステップS48)、ステップS41の処理に移行する。
【0041】
以上より、本実施形態における車両用入退場管理システム1aによれば、出庫車両検出部36が出庫車両B2を検出した場合に、出庫車両待機ゲートG2により規制を行い、予約車両B1を出口Exから入場させることから、予約車両B1と出庫車両B2とが対向することなく、予約車両B1をスムーズに駐車場に入場させることができる。さらに、入場車両検出部38によって予約車両B1が入場したことを検出してから、出庫車両待機ゲートG2を開けることから、出庫車両B2を駐車場から退場させて、予約車両B1をスムーズに駐車場に入場させることができる。
【0042】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【0043】
なお、上述の車載器2や入退場管理部(入退場管理装置)は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0044】
上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0045】
1,1a 車両用入退場管理システム
2 車載器
31,31a 管理制御部(規制制御部)
33 記憶部
34 無線通信部
36 出庫車両検出部
37 退場車両検出部
38 入場車両検出部
Ex 出口
G1 出口ゲート(出口用規制部)
G2 出庫車両待機ゲート(出庫車両用規制部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8