(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光源はLEDであり、前記光学機構は、前記LEDからの光が入射する第1凸レンズと、前記第1凸レンズより焦点距離が長く前記第1凸レンズを通過した光が入射し前記筐体から平行光に近づけて出射させる第2凸レンズとを備えた請求項1〜3のいずれかに記載の模型銃用装着具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような銃弾を使用する模型銃でバトルゲームを行う際には、防護服等を装備しなければならず、面倒であった。一方、光線銃を用いてバトルゲームを行う場合、装備は不要となるが、臨場感に欠けるという問題があった。
【0006】
本発明は、既存のエアガン等の模型銃に組み込むことで光線銃に改造できる模型銃用装着具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様は、
空気の圧力で弾体を発射させる発射機構を備えた模型銃に装着される
とともに、該模型銃の銃口を形成する筒状の取付部の外側に嵌合する接続部を有した筐体と、前記筐体に設けられた光源と、該光源から発光された光を収束して光線として前記筐体から射出する光学機構と、前記発射機構により生成されるエネルギーに基づいて前記光源を発光させる駆動手段と、を有
し、前記駆動手段は、前記模型銃の銃口からの空気の圧力を受けて作動する検出スイッチを備え、空気の圧力を受ける受圧面が前記模型銃の銃口の延長上に位置するように前記検出スイッチが配置されている。
【0008】
すなわち、筐体が装着された模型銃のトリガーを引くと、発射機構は、例えばシリンダーとピストンにより形成された圧縮空気を形成して弾体を発射させる為のエネルギーを生成する。他の方法としては、カートリッジの圧縮ガスを噴出させることで弾体を発射させる為のエネルギーを生成したり、スピンドルを軸方向へ作動して弾体を発射させる為のエネルギーを生成したりする構成が考えられる。
【0009】
すると、生成されたエネルギーに基づいて駆動手段が動作し、光源を発光させる。この光源から発光された光は、光学機構で収束され、光線として筐体から射出される。このため、この光線を受光する受光部を標的に設けておけば、実際に弾体を発射しなくても、標的に着弾したか否かを標的側で判定できる。
【0010】
また、専用の光線銃と異なり、トリガーを引いたとき、発射機構が生成するエネルギーに基づいて光線を射出する。このため、弾体を発射させたときに手に伝わる反動や耳に入る発射音などを聴覚や触覚を通じて感じることができる。そして、発射機構が生成したエネルギーを感じることで、弾体を発射させたときの臨場感や緊張感を得ることができる。
【0011】
さらに、発射機構を備えた模型銃に模型銃用装着具を組み込むだけで、簡単に光線銃に改造できる。
【0012】
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様において、前記筐体は、前記模型銃の銃口に着脱される円筒体であり、前記光学機構から射出する光線は、前記円筒体の銃口から射出する。
【0013】
すなわち、筐体を模型銃の銃口に着脱できるため、模型銃に筐体を装着することで、弾体の代わりに光線を射出する利用形態を図ることができる。また、模型銃から筐体を取り外すことで、弾体を使用した利用形態を図ることができる。このように、模型銃の二通りの使い分けを行うことができる。
【0014】
そして、光学機構から射出する光線は、模型銃の銃口に装着された円筒体の銃口から射出されるので、弾体を発射する場合と同様の感覚で標的を狙うことができる。
【0015】
また、模型銃に照準器が設けられている場合には、その照準器に変更を加えることなく、光線銃として利用することができる。
【0016】
本発明の第三の態様では、本発明の第二の態様又は第三の態様において、前記駆動手段は、所定値以上の空気
圧でON作動する
前記検出スイッチと、
該検出スイッチのON作動に基づいて前記光源を発光させる電気回路とを備えている。
【0017】
すなわち、例えば空気圧を利用して弾体を発射するエアガンで使用する場合、弾体を発射するためのガスが噴出され、その空気圧が所定値に達した際に検出スイッチがON作動する。これにより、電気回路によって光源を発光させる。
【0019】
本発明の第四の態様では、本発明の第一から第三の何れかの態様において、前記光源はLEDであり、前記光学機構は、前記LEDからの光が入射する第1凸レンズと、前記第1凸レンズより焦点距離が長く前記第1凸レンズを通過した光が入射し前記筐体から
平行光に近づけて出射させる第2凸レンズとを備えている。
【0020】
すなわち、光源にはLEDが使用されている。このため、レーザー光線を使用する場合と比較して、出力エネルギーが小さく、消費エネルギーが少ない。
【0021】
このLEDから出力される光は拡散するが、この光は、光学機構を構成する第1凸レンズを通過した後、第2凸レンズを介して出力される。このとき、この第2凸レンズは、第1凸レンズより焦点距離が長くなるように設定されている。このため、筐体からは、平行光に近い光が出力され、所定の光度を維持しつつより遠く標的まで届かせることができる。つまり、LEDから発せられた光をコリメータレンズと同様に平行光とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は上記構成としたので、既存のエアガン等の模型銃に組み込むことで光線銃に改造できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態に係る模型銃用装着具10を示す図であり、
図1(A)には、模型銃用装着具10が模型銃12に取り付けられた状態が示されている。
【0025】
なお、本実施形態では、模型銃12として電動式のエアガンを使用する場合について説明するが、これに限定されるものでない。例えばトリガー操作時に、スピンドルを軸方向へ作動して弾丸等の弾体を発射する模型銃など他の模型銃で利用してもよい。
【0026】
すなわち、この模型銃12の銃本体14は、弾体を送り出す銃身14Aと、該銃身14Aの基端部より延出したグリップ14Bとからなる。グリップ14Bと銃身14Aとの隅部には、グリップ14Bを把持した手の指で後退操作可能なトリガー16が設けられている。銃身14Aには、先端側にて上方へ突出した照星(フロントサイト)18と、後端側にて上方へ突出した照門(リアサイト)20とが設けられている。照星18及び照門20を標的に合わせた状態でトリガー16を引くことで、銃身14Aの銃口から発射される弾体が標的に命中するように調整されている。
【0027】
この模型銃12の内部には、
図1(B)に示すように、銃弾を発射するための発射機構22がケース体24に収容された状態で設けられている。この発射機構22の動作を簡単に説明すると、ケース体24に軸16Aで回動可能に支持されたトリガー16の操作によりトリガースイッチ26がオン作動してモータ28が作動すると、ケース体24に設けられた従動側ベベルギア30と中間ギア32とピニオン(図示せず)とが順に回動する。
【0028】
ピストン36がシリンダー38の先端側に位置した初期段階では、ピニオンと一体的に回動するセクターギア40の歯部40Aがピストン36に設けられたラックギア42と噛合してピストン36を後退させる。このとき、ピストン36は、支持軸44に保持されたコイルスプリング46を圧縮する。そして、ピストン36が後退位置に達すると、歯部40Aの存在しないセクターギア40の空転領域40Bが上部に位置し、セクターギア40とラックギア42との噛合状態が解除される。すると、圧縮されたコイルスプリング46が伸長することでピストン36が勢いよく前進方向へ移動し、シリンダー38からの圧縮空気がノズル48を介してインナーバレル50へ供給される。このとき、給弾部52からインナーバレル50内へ弾体が供給されていれば、この弾体が銃身14Aの銃身銃口から発射されるが、弾体が供給されていない状態では、圧縮空気のみが銃身銃口から噴射される。
【0029】
この模型銃12の銃身14Aの先端には、
図1(A)及び
図2に示すように、オプションのサイレンサー(サプレッサー)を取り付けるための取付部56が設けられている。この取付部56は、円筒状に形成されており、前述のインナーバレル50と連通する銃身銃口58を形成している。この取付部56が構成する銃身銃口58の中心線CLは、インナーバレル50の中心線CLと一致するように構成されており、インナーバレル50からの圧縮空気が中心線CLに沿って噴射されるように構成されている。
【0030】
この取付部56の外周面には、
図2に示したように、雄ネジ部56Aが形成されており、この雄ネジ部56Aにサイレンサーの雌ねじ部を螺合して当該サイレンサーを取り付けられるように構成されている(サイレンサーについては図示省略)。また、この取付部56には、
図2(A)に示したように、本実施形態の係る模型銃用装着具10が着脱可能に取り付けられるように構成されている。
【0031】
この模型銃用装着具10は、
図3に示すように、筐体60を備えている。筐体60は、円形の筒状に形成された円筒体62を備えており、円筒体62の基端開口には、接続部64が設けられている。接続部64は、円筒状の接続部本体64Aと、接続部本体64Aの長さ方向中途部から径方向外側へ延出した固定用フランジ64Bとを備えている。固定用フランジ64Bは、複数箇所に挿通穴が設けられており(図示省略)、挿通穴に挿通されたネジ66が円筒体62端部に形成された袋ナット68に螺入された状態で円筒体62に強固に固定されている。この状態において、接続部64の接続部本体64Aと円筒体62との中心線CLが一致するように構成されており、この中心線CLは模型銃用装着具10の中心線CLを構成する。
【0032】
固定用フランジ64Bより基端側へ延出した接続部本体64Aの基端側には、その内周面に雌ねじ部64Eが形成されており、この雌ねじ部64Eは、
図2(A)に示したように、模型銃12の取付部56に形成された雄ネジ部56Aと螺合可能に構成されている。これにより、模型銃12の取付部56の雄ネジ部56Aに模型銃用装着具10の雌ねじ部64Eを螺合することで、当該模型銃用装着具10を模型銃12の銃身銃口58に着脱可能に装着できるように構成されており、装着状態において、銃身銃口58の中心線CLと模型銃用装着具10の中心線CLとが一致するように構成されている。
【0033】
なお、本実施形態では、接続部本体64Aの基端側の内周面に雌ねじ部64Eを形成して模型銃12との接続構造を構成した場合について説明するが、これに限定されるものでない。例えば、取付部56の内周面に雌ねじ部が形成された模型銃に対しては、これに螺合する雄ネジ部を接続部本体64Aの外周面に形成してもよい。
【0034】
また、
図2(B)に示したように、模型銃12の先端部に側方へ突出するとともに基端側へ開口した凹部76Aを有する係合部76を複数設ける一方、模型銃用装着具10には、これらの係合部76と係脱自在に係合するバックル78を設ける。そして、接続部64の基端側延出部に、銃身銃口58の内周面に密着するOリング64Gを設け、模型銃12と模型銃用装着具10とを接続する接続構造を構成してもよい。この場合、模型銃用装着具10の接続部64を模型銃12の銃身銃口58に挿入した状態で、バックル78のアーム部78Aを模型銃12側へ傾倒した後、アーム部78Aに設けられたフック部78Bの係合端78Cを係合部76の凹部76Aに係合して倒すことで、模型銃用装着具10を模型銃12に着脱可能に接続することができる。
【0035】
接続部64において、
図3に示したように、固定用フランジ64Bより先端側へ延出した先端側延出部分の先端には、スイッチ基板72がネジ止めされており、スイッチ基板72の基端側の面には、検出スイッチ74が固定されている。検出スイッチ74は、所定以上の空気圧を受けた際に弾性変形する受圧面74Aを有しており、銃身銃口58から噴出された空気の圧力で受圧面74Aが後退し、スイッチ回路を閉じることでON作動するように構成されている。この検出スイッチ74は、その中心が当該模型銃用装着具10の中心線CL上に位置するように配置位置が調整されており、銃身銃口58から噴出された空気が受圧面74Aの中心に到達するように構成されている。
【0036】
ここで、検出スイッチ74はON/OFF式のスイッチに限定されるものではなく、例えば受圧面74Aをダイヤフラムで構成し、ダイヤフラムの四ヶ所に歪により抵抗値が変化する歪センサを設ける。そして、各歪センサでホイートストンブリッジ回路を形成し、対角線上の電圧変化が所定値を超えた際にON作動してオン信号を出力する検出スイッチで構成してもよい。また、圧電素子で構成し、発生した電圧をON信号とすることもできる。
【0037】
また、トリガー16操作時にスピンドルを軸方向へ作動して弾体を発射する模型銃に使用する場合には、スピンドルの作動に基づく所定以上の振動を検出した際にON作動する検出スイッチを用いることができる。
【0038】
このスイッチ基板72は、ハーネス77を介して、制御基板79に接続されており、制御基板79は、その四隅が筐体60の内側面にネジ止めされている。この制御基板79には、電気回路80が構成されており、制御基板79には、電気回路80に電源を供給するボタン電池82が交換可能に取り付けられている。
【0039】
この電気回路80は、
図3(B)に示すように、駆動手段を構成する制御部86が設けられており、制御部86はマイコンを中心に構成されている。この制御部86には、検出スイッチ74が接続されており、検出スイッチ74の状態が入力されるように構成されている。
【0040】
また、制御部86には、ドライブ回路88を介して光源であるLED90が接続されており、ドライブ回路88は、エミッタに電源が供給されたPNPトランジスタ92で構成されている。PNPトランジスタ92は、制御部86からベースに”L”信号が入力された際にオン作動し、コレクタに接続されたLED90及び抵抗94に通電してLED90を発光する。
【0041】
そして、制御部86は、検出スイッチ74がオン作動して該検出スイッチ74からオン信号を受けた際に、LED90を所定時間通電して赤外線を発光する。これにより、模型銃12の発射機構22で生成された圧縮空気のエネルギーに基づいて、光源であるLED90から光を発光できるように構成されている。
【0042】
なお、本実施形態では、光源をLED90で構成する場合について説明するが、これに限定されるものではなく、豆電球やレーザーダイオード等で構成してもよい。しかし、豆電球は消費電力が大きく、レーザーダイオードはレーザー光のエネルギーが大きいので、使用可能時間や安全性を考慮するとLED90の使用が適している。
【0043】
制御部86には、通信部99が接続されており、制御部86は、無線通信によって図外の装置本体と通信するとともに、その通信内容に応じてLED90の発光を制御できるように構成されている。なお、光線の発射回数を表示する表示部を制御部86に接続してもよい。
【0044】
この制御基板79の先端側には、
図3(B)に示したように、光源であるLED90から発光された光を収束して光線96として当該筐体60から射出する光学機構98が設けられている。
【0045】
この光学機構98は、円筒状のケーシング100を備えており、ケーシング100は、四ヶ所が筐体60の内面にネジ止めされ、耐衝撃性が高められている。このケーシング100の基端には、支持板110が設けられており、支持板110の中心部には、LED90の発光部90Aが固定されている。この発光部90Aの先端側には、第1凸レンズ112が設けられており、第1凸レンズ112は、外周部が第1リング部材112Aによってケーシング100に固定されている。これにより、当該第1凸レンズ112は、LED90から発光された光が入射する位置に配置されている。
【0046】
第1凸レンズ112の先端側には、第2凸レンズ114が設けられており、第2凸レンズ114は、第1凸レンズ112より大径で、第1凸レンズ112より焦点距離が長くなるように構成されている。第2凸レンズ114は、外周部が第2リング部材114Aによってケーシング100に固定されており、当該第2凸レンズ114は、第1凸レンズ112を通過した光が入射する位置に配置されている。
【0047】
これにより、LED90より拡散した光は、第1凸レンズ112及び第2凸レンズ114を通過することで、平行光に近い光線96として出力されるように構成されている。また、LED90と第1凸レンズ112と第2凸レンズ114とをケーシング100に設けてユニット化することで、衝撃入力時の各部の位置ずれを防止する。また、ケーシング100を筐体60に強固に固定することで、筐体60との相対的な位置ずれを防止できるように構成されている。
【0048】
ケーシング100の先端には、径方向外側へ延出するフランジ100Aが形成されており、フランジ100Aには、円形板118が面接触した状態でネジ止めされている。この円形板118の中央部には、円形の開口部が設けられており、円形板118の外周部が当該模型銃用装着具10の筐体60先端に固定された状態で、この開口部が銃口120を形成するように構成されている。
【0049】
これにより、第2凸レンズ114を通過した光線96は、この銃口120を介して筐体60から出射される。また、LED90と第1凸レンズ112と第2凸レンズ114とを有した光学機構98の光軸は、この銃口120の中央部を通過するとともに、模型銃用装着具10の中心線CLと一致するように構成されている。
【0050】
以上の構成にかかる本実施形態の作用を説明する。この模型銃用装着具10を使用する際には、模型銃12の取付部56に模型銃用装着具10の接続部64を螺合し、模型銃用装着具10を模型銃12に装着する。これにより、模型銃用装着具10の中心線CLを、模型銃12に設けられたインナーバレル50の中心線CLと一致させることができる。
【0051】
この状態において、弾丸を装填せずに模型銃用装着具10の筐体60が装着された模型銃12のトリガー16を引くと、弾体を発射させる発射機構22は、圧縮空気からなるエネルギーを生成し銃身銃口58から噴出する。すると、この圧縮空気に基づいて駆動手段を構成する検出スイッチ74がON作動し、これを検出した電気回路80を構成する制御部がLED90を所定時間点灯する。このLED90から発光された光は、光学機構98の第1凸レンズ112及び第2凸レンズ114を通過する際に収束され、平行光に近い光線96として筐体60から射出される。
【0052】
このため、この光線96を受光する受光部を標的に設けておけば、実際に弾体を発射しなくても、標的に着弾したか否かが標的側にて判定することができる。
【0053】
ここで、本実施形態では、シリンダー38とピストン36で形成した圧縮空気を利用して弾体を発射するエアガンで使用する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カートリッジに収容された圧縮ガスを噴出して弾体を発射させる模型銃や、手でポンプをコッキングする方式のボルトアクション式の狙撃銃であっても前述と同様の構成でLED90を発光できる。また、スピンドルを軸方向へ作動して弾体を発射させる模型銃の場合、スピンドル作動時に生ずる振動が所定値に達した際にON作動する検出スイッチを用いることにより、LED90を発光させることができる。
【0054】
また、専用の光線銃と異なり、トリガー16を引いたとき、発射機構22が生成する圧縮空気のエネルギーに基づいて光線96を射出するため、弾体を発射させたときに手に伝わる圧縮空気の反動や耳に入る発射音などを聴覚や触覚を通じて感じることができる。そして、発射機構22が生成したエネルギーを感じることで、弾体を発射させたときの臨場感や緊張感を得ることができる。
【0055】
さらに、発射機構22を備えた模型銃12に模型銃用装着具10を装着するだけで、簡単に光線銃に改造できる。
【0056】
ここで、この模型銃用装着具10の筐体60を模型銃12の銃身銃口58に着脱できる。このため、模型銃12に筐体60を装着することで、弾体の代わりに光線96を射出する利用形態を図ることができる。一方、模型銃12から筐体60を取り外すことで、弾体を使用した利用形態を図ることができる。このように、模型銃の二通りの使い分けを行うことができる。
【0057】
そして、光学機構98から射出する光線96は、模型銃12の銃身銃口58に装着された筐体60を構成する円筒体62の銃口120から射出されるので、弾体を発射する場合と同様の感覚で標的を狙うことができる。また、模型銃12に予め設けられた照星18及び照門20を他の照準器に変更することなく、光線銃として利用することができる。
【0058】
また、光源には赤外線を発光するLED90が使用されている。このため、レーザー光線を使用する場合と比較して、出力エネルギーが小さい。これにより、サングラスやゴーグルなど特別な装備を行うことなく、手軽に使用することができる。また、豆電球を使用する場合と比較して、消費電力を抑えることができ、長時間にわたって使用することができる。
【0059】
このLED90から出力される光は拡散するが、この光は、光学機構98を構成する第1凸レンズ112を通過した後、第2凸レンズ114を介して出力される。このとき、この第2凸レンズ114は、第1凸レンズ112より焦点距離が長くなるように設定されている。このため、筐体60からは、平行光に近い光線96が出力され、所定の光度を維持しつつより遠く標的まで届かせることができる。
【0060】
この模型銃用装着具10が装着された模型銃12の使用例としては、シューティングゲームや戦闘訓練、サバイバルゲーム等の対戦ゲームが考えられる。
【0061】
すなわち、利用者は、受光センサが設けられたヘルメットやベストを着用し対戦を行う。対戦時には、敵チームの兵士が着用したヘルメットやベストの受光センサを狙って模型銃12から光線96を発射する。この光線96が受光センサに当たった際には、受光センサがON作動しヘルメット又はベストに設けられた装置本体に伝達される。
【0062】
装置本体では、受光センサでの受光回数をカウントし、設定値である10回に達するまでは、模型銃12による光線96の発射可能状態を継続する。一方、受光回数が10回に達した場合、装置本体は、模型銃用装着具10の通信部99へ停止信号を無線で送信する。このとき、受光センサが設けられた位置毎にダメージ値を設定し、そのダメージ値の加算値に基づいて停止信号を送信することも可能である。
【0063】
この停止信号は、通信部99を介して制御部86に伝達され、制御部86では、装置本体からのリセット信号を受信するまで、検出スイッチ74に基づくLED90の発光を停止する。これにより、所定回数以上被弾した兵士は模型銃12の使用が禁止され敗者となる。
【0064】
このように、屋外で使用する際には、模型銃12に模型銃用装着具10を装着するだけで光線銃として利用することができ、使用した弾体の回収が不要となり利便性が向上する。また、弾体を使用しないため、ゴーグル等の装備が不要となるとともに、着弾時に着色される弾体を使用する場合と比較して、専用服に着替えを行うことなく、対戦ゲームを楽しむことができる。
【0065】
そして、光源にはLED90が使用されている。このため、高エネルギーのレーザー光線を使用する場合と比較して、サングラスなどの装備も不要となる。さらに、レーザー光線や弾体を用いる場合のように、使用にあたり年齢制限が無く、子供でも楽しむことができる。
【0066】
なお、本実施形態では、模型銃用装着具10が模型銃12の取付部56に取り付けられる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、この模型銃用装着具10は、模型銃12のインナーバレル50やアウターバレルに取り付けられるものであってもよく、フラッシュライトやレーザーサイトや照準器などの部品に組み込まれるものであってもよい。