特許第6238273号(P6238273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238273
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】ポール材固定器具
(51)【国際特許分類】
   A45B 17/00 20060101AFI20171120BHJP
   E04H 15/60 20060101ALI20171120BHJP
   E04H 12/22 20060101ALI20171120BHJP
   E01F 9/681 20160101ALI20171120BHJP
   G09F 17/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   A45B17/00 C
   E04H15/60
   E04H12/22
   E01F9/681
   G09F17/00 R
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-253334(P2012-253334)
(22)【出願日】2012年11月19日
(65)【公開番号】特開2014-100236(P2014-100236A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年10月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】309030322
【氏名又は名称】多摩メディカル有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(72)【発明者】
【氏名】町田 英一
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−093231(JP,U)
【文献】 特開昭53−115363(JP,A)
【文献】 実開昭49−062631(JP,U)
【文献】 実開昭55−071203(JP,U)
【文献】 特開2000−014505(JP,A)
【文献】 実開昭52−062283(JP,U)
【文献】 特開2000−054670(JP,A)
【文献】 実開平03−106922(JP,U)
【文献】 特開平06−173501(JP,A)
【文献】 特表2002−520216(JP,A)
【文献】 米国特許第06499607(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 17/00
E01F 9/681
E04H 12/22
E04H 15/60
G09F 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板部と該底板部に垂直に取り付けた第1の円筒部とを備えたスタンド部材と、第2の円筒部及び該第2の円筒部の下方に接合し下端を円環部としたテーパ部を備えたカバー部材と、前記第1の円筒部の上方又は前記第2の円筒部の上方に設けた固定部材受部に螺合し、ポール材を前記第2の円筒部内に直立固定する固定部材と、から成るポール材固定器具であって、
前記スタンド部材の第1の円筒部の外周面に第1の外ねじを刻設し、前記第2の円筒部の内周面に前記第1の外ねじと螺合する第1の内ねじを刻設し、
タイヤホイールのハブ孔に、前記第1の外ねじと前記第1の内ねじとを螺合した前記該第2の円筒部を挿通させ、前記ホイールの下縁部の一部を前記底板部に当接させ、前記螺合した前記第1の外ねじと前記第1の内ねじとの回動により前記テーパ部の円錐側面が前記タイヤホイールの前記ハブ孔の内周面に当接することで、前記底板部と前記円錐側面によって前記タイヤホイールに前記スタンド部材及び前記カバー部材を固定することを特徴とするポール材固定器具。
【請求項2】
前記底板部と前記第1の円筒部とは分割可能であることを特徴とする請求項1に記載のポール材固定器具。
【請求項3】
前記固定部材受部はねじ孔であり、前記固定部材は前記ねじ孔に螺合する第2の外ねじと回転操作部とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のポール材固定器具。
【請求項4】
前記固定部材受部は上端になるにつれ厚みが徐々に薄くなり、外表面には第3の外ねじを有する複数の爪状部であり、前記固定部材は円柱状であり、内周面に前記第3の外ねじと螺合する第2の内ねじを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポール材固定器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のホイールを重石として、パラソル、タープ、テント、旗等のポール材を直立固定するポール材固定器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、海岸やキャンプ場で使用するパラソル、テントは強風により飛ばされることが多く、人身事故も発生している。特許文献1には、図12(a)に示すようにパラソルのポールを取り付ける装着部1を備えた重量の大きいベース部本体2の一側縁に、ローラ体3を架設して成るパラソルスタンドが開示されている。運搬移動時には、(b)に示すようにベース部本体2のローラ体3の反対側縁を持ち上げて、ローラ体3を車輪として作用させ、重量を有するパラソルスタンドの運搬移動作業を容易にしている。
【0003】
特許文献2には、図13で示すようにパラソルの転倒等を防止し、ポール4を固定する支脚部材5が開示されている。パラソルは地上に直立して設けられるポール4を有し、ポール4は下端部を支脚部材5によって支持され、その上端部に複数の傘骨6aによって構成される屋根部材6が設けられている。支脚部材5は廃タイヤ5aの一側を薄い鋼板から成る底板5bで閉じ、その底板5bの上に支持筒5cを鉛直上方を向けて溶接すると共に、廃タイヤ5aの内部に重石としてコンクリート5dが充填されている。支持筒5cにポール4の下端部を差し込むことによって、ポール4を直立させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−225812号公報
【特許文献2】特開平7−16111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のパラソルスタンドや広く用いられている水タンク式の台座、地面に差し込む台座は、キャンプ等に利用するため、パラソル、タープ、テントと共に、車両に搭載して持ち運ぶことが多い。しかし、特許文献1のパラソルスタンドや水タンク式の台座等は重石としての機能も有するため、容積が必要とされ、車両のトランク等に十分な空きスペースを必要とする。
【0006】
また、特許文献2の支脚部材5もトランク等に十分な空きスペースを必要とし、転倒防止等のためコンクリート5dを充填するため、重量が大き過ぎてしまうと同時に、車両から降ろしたり、運搬が難しいという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、車両に積載しているホイール付のスペアタイヤを重石として利用し、簡便にかつ簡易にポール材を直立固定できるポール材固定器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るポール材固定器具は、底板部と該底板部に垂直に取り付けた第1の円筒部とを備えたスタンド部材と、第2の円筒部及び該第2の円筒部の下方に接合し下端を円環部としたテーパ部を備えたカバー部材と、前記第1の円筒部の上方又は前記第2の円筒部の上方に設けた固定部材受部に螺合し、ポール材を前記第2の円筒部内に直立固定する固定部材と、から成るポール材固定器具であって、前記スタンド部材の第1の円筒部の外周面に第1の外ねじを刻設し、前記第2の円筒部の内周面に前記第1の外ねじと螺合する第1の内ねじを刻設し、タイヤホイールのハブ孔に、前記第1の外ねじと前記第1の内ねじとを螺合した前記該第2の円筒部を挿通させ、前記ホイールの下縁部の一部を前記底板部に当接させ、前記螺合した前記第1の外ねじと前記第1の内ねじとの回動により前記テーパ部の円錐側面が前記タイヤホイールの前記ハブ孔の内周面に当接することで、前記底板部と前記円錐側面によって前記タイヤホイールに前記スタンド部材及び前記カバー部材を固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るポール材固定器具によれば、ホイール付タイヤ又はホイールを重石として利用して、パラソル等のポール材を固定するので、先行技術のように重石となる専用の支脚器具を用いる必要はない。従って、省スペースで済み、そのために車両のトランク等を占有することはない。
【0010】
また、ホイール付タイヤ又はホイールは軽自動車用からトラック用まで車種により様々の大きさのタイヤ、ハブ径があるが、何れのスペアタイヤであっても適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1のポール材固定器具の斜視図である。
図2】ポール材固定器具にポール材を固定した状態の断面図である。
図3】ホイール付タイヤを設置した状態の斜視図である。
図4】締めねじによりポール材を固定した状態の水平断面図である。
図5】実施例2のポール材固定器具の斜視図である。
図6】ポール材固定器具にポール材を固定した状態の断面図である。
図7】ポール材固定器具にポール材を固定した状態の斜視図である。
図8】実施例3のポール材固定器具の斜視図である。
図9】ポール材固定器具にポール材を固定した状態の断面図である。
図10】ポール材固定器具にポール材を固定した状態の斜視図である。
図11】防水シートをポール材固定器具に装着した状態の斜視図である。
図12】従来例の説明図である。
図13】従来例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を図1図11に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は実施例1のポール材固定器具の斜視図、図2は棒状部材であるパラソル等のポールを固定した際の断面図、図3は斜視図を示している。ポール材固定器具はスタンド部11と固定カバー部12と締めねじ13とから構成されており、これらは金属製又は合成樹脂製とされている。
【0014】
スタンド部11は長方形の底板部11aに対し、パラソル等のポール材を挿し込む円筒部11bが垂直方向に直立して固定されており、円筒部11bには外表面に外ねじ11cが上端から下方に渡って刻設されている。円筒部11bの内径は例えば3cm程度であり、底板部11aは長方形以外にも長方形を十字にした配置した形状、或いは正方形状、円形状等でもよい。また、底板部11aと円筒部11bとは、ねじ止め等により分割できるようにしてもよく、更には底板部11aと円筒部11bの間にばね部材を入れて、円筒部11bを常に上方向に反発させるようにしてもよい。
【0015】
固定カバー部12は頂部に設けられた筒部12aと、内部を空洞とした円錐形のテーパ部12bとから構成され、筒部12aの下端にテーパ部12bが接合されている。筒部12aの内表面には、円筒部11bの外ねじ11cと螺合する内ねじ12cが下端から上部へ渡って刻設されており、筒部12aの上方の側面にはねじ孔12dが水平方向に穿設されている。テーパ部12bの最下端は円環部12eとされ、この円環部12eの直径は20cm程度とされている。また、実施例1の固定カバー部12では筒部12aとテーパ部12bを接合したが、筒部12aの下方の側面に頂点に孔を設けたテーパ部12bを固定するようにしてもよい。
【0016】
固定部材である締めねじ13はねじ13aと、滑り止めの握り部である回転操作部13bとから成り、ねじ13aが筒部12aの固定部材受部であるねじ孔12dと螺合し、回転操作部13bを回転させることで、円筒部11b内のポール材14の側面を締めねじ13の先端で押し込んで固定する。回転操作部13bは摘み形状等の適宜に回転し易い形状を用いればよい。
【0017】
このポール材固定器具を使用するときは、ホイール付タイヤ15を利用する。ホイール付タイヤ15は、軽自動車からトラックまで様々なサイズがあるが、本実施例のポール材固定器具は全ゆるサイズのホイール付タイヤ15を利用することができる。このホイール付タイヤ15はタイヤ15aとホイール15bとから成り、ホイール15bには中心に直径が5cm〜15cm程度のハブ孔15cが設けられている。
【0018】
ホイール付タイヤ15を利用して、ポール材固定器具にポール材14を固定する手順として、最初に、円筒部11bの外ねじ11cの上方に、固定カバー部12をテーパ部12bの円環部12eが下になるようにして、固定カバー部12の内ねじ12cを螺合させ時計回りにねじ込む。そして、スタンド部11の底板部11bとテーパ部12bの円環部12eとが接する程度にねじ込んだ後に、ホイール付タイヤ15のハブ孔15cに固定カバー部12の筒部12aを挿通すると、ホイール15bの下縁部の一部は底板部11aに当接する。これにより底板部11aを下面として、固定カバー部12が螺合している円筒部11bが直立する。
【0019】
続いて、筒部12aを掴んで反時計回りに回転させていくと、固定カバー部12のテーパ部12bの円錐側面がホイール付タイヤ15のハブ孔15cの内周面に当接する。ハブ孔15cの径は車種等によって様々であるが、テーパ部12bが円錐形であるため、螺合した外ねじ11cと内ねじ12cとを反時計回りに回転させることで、どのような大きさのハブ孔15cであっても、テーパ部12bの円錐側面の一部は図2に示すようにハブ孔15cの縁部に当接することになる。
【0020】
この当接後に、更に強く反時計回りで筒部12aを回転させることで、底板部11aとテーパ部12bの円錐側面によりホイール15bにポール材固定器具が強固に固定されて一体化する。これにより、ポール材固定器具は10〜20kg程度のホイール付タイヤ15を重石として容易には動かなくなる。
【0021】
この状態の円筒部11bの上方から、パラソル等のポール材14を挿通し、ポール材14の先端が底板部11aに達するまで押し込んだ後に、筒部12aのねじ孔12dに締めねじ13のねじ13aを螺合する。
【0022】
締めねじ13を回転操作部13bによりねじ込むことで、ねじ13aの先端によりポール材14が円筒部11bの内壁に押し付けられ、円筒部11b内でのポール材14のぐらつきがなくなり、抜け出しが防止される。
【0023】
実施例1では、筒部12aのねじ孔12dは1個所に設けたが、縦方向に複数のねじ孔12dを設けてもよい。複数個所をそれぞれの締めねじ13により固定することで、ポール材14はより強固に固定される。また、底板部11aと円筒部11bの間に配置したばね部材を用いることでテーパ部12bは上方向に圧力が加わることになり、より強固に固定される。
【0024】
更に、図4の水平断面図に示すように、ねじ13aの先端には、ポール材14の側面に沿って湾曲したポール材当接部13cを取り付けてもよい。ポール材14の側面の形状とポール材当接部13cとを略一致させれば、より安定して固定が得られる。また予め、ポール材当接部13cを用いて締めねじ13を筒部12aに係止させておくことで、締めねじ13が筒部12aから抜け落ちることもない。
【0025】
ホイール付タイヤ15を重石とするには、スタンド部11の底板部11aを下面として、ホイール付タイヤのハブ孔15cにスタンド部11の円筒部11bを挿通させた後に固定カバー部12を取り付けるようにしてもよい。固定カバー部12の内ねじ12cを円筒部11bの外ねじ11cにねじ込むことで、テーパ部12bの円環部12eがホイール15bの上面に接する。更に、強く筒部12aを回転させることで、底板部11aとテーパ部12bの円環部12eにより、ホイール15bに固定カバー部12が強固に固定される。このように固定する場合は、円錐形のテーパ部12bに代えて、円板状の部材にしてもよい。
【0026】
また、ホイール15bに当接するテーパ部12bの円錐側面又は円環部12eにはゴム等の滑り止めを貼付してもよく、この滑り止めにより内ねじ12cと外ねじ11cとが緩み難くなる。
【0027】
ホイール付タイヤ15は予め車両に搭載しているスペアタイヤを利用することで、わざわざ車両に別個のホイール付タイヤ15を持ち込む必要がなく、また緊急時には本来の用途であるスペアタイヤとして使うことができる。
【0028】
また、ホイール付タイヤ15はスペアタイヤ以外にも、使用済みのホイール付タイヤ15やタイヤのないホイール15bのみを利用することもできる。ホイール15bだけであっても十分な重さがあるのでポール材14を直立させることができる。スペアタイヤ、使用済みのホイール付タイヤ15、タイヤのないホイール15bは、何れも円柱状であるため、自在に転がすことができ運搬が容易である。
【0029】
更には、ポール材固定器具を常設の設備として、ホイール付タイヤ15又はタイヤのないホイール15bに取り付けた状態で利用してもよく、この場合に必要に応じてポール材14を取り付け取り外しを行う。ポール材14はパラソル以外にも、テント、タープの支柱、旗やのぼりのポールとすることもできる。
【0030】
スタンド部11と固定カバー部12は使用時には図2に示すように長くなるが、収納時はスタンド部11の底板部11bとテーパ部12bの円環部12eとが接するまでねじ込むことが可能なので、全長が短くなり運搬時は容積が小さくすることができる。
【実施例2】
【0031】
図5は実施例2のポール材固定器具の斜視図、図6はポール材14を固定した状態の断面図、図7は斜視図を示している。ポール材固定器具はスタンド部21と、固定カバー部22と、締めねじ23とから構成され、スタンド部21は下部に底板部21aと上部に円筒部21bとを備えている。円筒部21bの下方の外表面に外ねじ21cが刻設されており、上方にねじ孔21dが穿設されている。底板部21a及び円筒部21bは実施例1の底板部11a同様に、四角形等の適宜の形状を選択してもよく、底板部21aと円筒部21bとは分割できるようにしてもよい。また、底板部21aと円筒部21bの間にばね部材を入れて、円筒部21bを常に上方向に反発するようにしてもよい。
【0032】
固定カバー部22は筒部22aとテーパ部22bとから構成され、筒部22aの内表面には、スタンド部21の外ねじ21cと螺合する内ねじ22cが下端から上部へ渡って刻設されている。円筒部21bの上方の側面には、ねじ孔21dが穿設されている。テーパ部22bは実施例1のテーパ部12と同様の形状をしており、内部を空洞とした円錐形とされ、テーパ部22bの最下端は円環部22eとされている。
【0033】
実施例2の円筒部21bは、実施例1の円筒部11bに比べ長くなっており、実施例2の筒部22aは、実施例1の筒部12aに比べて短くなっている。
【0034】
ポール材固定器具にポール材14を固定する手順として、最初に円筒部21bの上方からテーパ部22bの円環部22eが下になるようにして、固定カバー部22の内ねじ22cをの外ねじ21cに螺合させ時計回りにねじ込む。そして、スタンド部21の底板部21bとテーパ部22bの円環部22eとが接する程度にねじ込んだ後に、ホイール付タイヤ15のハブ孔15cにスタンド部21の円筒部21bを挿通させる。この挿通により、ハブ孔15cから固定カバー部22の筒部22aが突出している状態になる。
【0035】
続いて、図6に示すようにハブ孔15cから突出している筒部22aを掴んで反時計回りに回転させてゆくことで、実施例1のポール材固定器具と同様に底板部11aとテーパ部22bの円錐側面によりホイール15bとポール材固定器具とは強固に固定され一体化する。
【0036】
最後に、ポール材14を円筒部21bに挿通させ、円筒部21bのねじ孔21dに締めねじ23のねじ23aを螺合させて、ポール材14を固定する。
【実施例3】
【0037】
図8は実施例3のポール材固定器具の斜視図、図9はパラソル固定時の断面図、図10は斜視図を示している。実施例1のポール材固定器具との違いは、筒部12aのねじ孔12dに代えて、筒部12aの上端に固定部材受部である複数の舌片部材12fが設けられ、かつ締めねじ13に代えて固定部材である円環状の締め具16が用いられている。
【0038】
筒部12aの上端に設けられた複数の舌片状の舌片部材12fは、上端になるにつれ厚みが徐々に薄くなり、外表面には締め具用外ねじ12gが刻設されている。
【0039】
締め具16の内表面には舌片部材12fの締め具用外ねじ12gに螺合する内ねじ16aが設けられている。なお、締め具16の内径は筒部12aの最先端の外周径と略同等である。
【0040】
ポール材14を固定する手順は、スタンド部11と固定カバー部12により、ホイール付タイヤ15と一体化し、固定させるまでの手順は実施例1と同様である。ポール材14の固定する手順は、先ずポール材14を締め具16、固定カバー部12の順で挿通させる。
【0041】
ポール材14をその下端が底板部11aに達するまで押し込んだ後に、締め具16の内ねじ16aを舌片部材12fの締め具用外ねじ12gに螺合させる。締め具16を回転させると、徐々に締め具16が舌片部材12fを締め付けるとポール材14が固定される。そして、図10に示すようにポール材14と締め具16とが一体化する。
【0042】
舌片部材12fと締め具16を用いることで、ポール材14の側面を全体から締め付けるため、実施例1の締めねじ13よりも強固に固定することができる。
【0043】
また、舌片部材12fと締め具16は、実施例2のポール材固定器具にも適用することが可能であり、この場合は円筒部21bの先端に舌片部材12fを設けることになる。
【実施例4】
【0044】
上述の実施例のポール材固定器具は主に屋外で使用するため、ホイール付タイヤ15は濡れたり、泥が付着することがあり、パラソルの重石として利用していると腐蝕が進み、緊急時に本来のスペアタイヤ等の用途に使用できない虞れがある。
【0045】
この場合には、図11に示すような防水シート40を用いることができる。防水シート40は上方にポール材14を締める開口部40aと、下方にホイール付タイヤ15をタイヤ開口部40bと、ポール材固定器具及びホイール付タイヤ15を包み込む包体40cとを有し、防水シート40は防水性、撥水性を備えている。
【0046】
開口部40aは紐、ゴム等の絞り部材から成り、ポール材14の径に合わせて締め付けることが可能であり、タイヤ開口部40bの周縁には、ゴム紐等の緊締部材が入っており、円状に大きく広げることできる。
【0047】
開口部40aはねじ止め13、23、又は締め具16の上方に固定し、開口部40bはタイヤ15aの下側に引っ掛けて固定する。開口部40aはテーパ部12b、22b付近で固定してもよい。防水シート40を装着することで、ホイール付タイヤ15の腐蝕を防止することができる。
【符号の説明】
【0048】
11、21 スタンド部
12、22 固定カバー部
13、23 締めねじ
14 ポール材
15 ホイール付タイヤ
16 締め具
40 防水シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13