【実施例1】
【0013】
図1は実施例1のポール材
固定器具の斜視図、
図2は棒状部材であるパラソル等のポールを固定した際の断面図、
図3は斜視図を示している。ポール材
固定器具はスタンド部11と固定カバー部12と締めねじ13とから構成されており、これらは金属製又は合成樹脂製とされている。
【0014】
スタンド部11は長方形の底板部11aに対し、パラソル等のポール材を挿し込む円筒部11bが垂直方向に直立して固定されており、円筒部11bには外表面に外ねじ11cが上端から下方に渡って刻設されている。円筒部11bの内径は例えば3cm程度であり、底板部11aは長方形以外にも長方形を十字にした配置した形状、或いは正方形状、円形状等でもよい。また、底板部11aと円筒部11bとは、ねじ止め等により分割できるようにしてもよく、更には底板部11aと円筒部11bの間にばね部材を入れて、円筒部11bを常に上方向に反発させるようにしてもよい。
【0015】
固定カバー部12は頂部に設けられた筒部12aと、内部を空洞とした円錐形のテーパ部12bとから構成され、筒部12aの下端にテーパ部12bが接合されている。筒部12aの内表面には、円筒部11bの外ねじ11cと螺合する内ねじ12cが下端から上部へ渡って刻設されており、筒部12aの上方の側面にはねじ孔12dが水平方向に穿設されている。テーパ部12bの最下端は円環部12eとされ、この円環部12eの直径は20cm程度とされている。また、実施例1の固定カバー部12では筒部12aとテーパ部12bを接合したが、筒部12aの下方の側面に頂点に孔を設けたテーパ部12bを固定するようにしてもよい。
【0016】
固定部材である締めねじ13はねじ13aと、滑り止めの握り部である回転操作部13bとから成り、ねじ13aが筒部12aの固定部材受部であるねじ孔12dと螺合し、回転操作部13bを回転させることで、円筒部11b内のポール材14の側面を締めねじ13の先端で押し込んで固定する。回転操作部13bは摘み形状等の適宜に回転し易い形状を用いればよい。
【0017】
このポール材
固定器具を使用するときは、ホイール付タイヤ15を利用する。ホイール付タイヤ15は、軽自動車からトラックまで様々なサイズがあるが、本実施例のポール材
固定器具は全ゆるサイズのホイール付タイヤ15を利用することができる。このホイール付タイヤ15はタイヤ15aとホイール15bとから成り、ホイール15bには中心に直径が5cm〜15cm程度のハブ孔15cが設けられている。
【0018】
ホイール付タイヤ15を利用して、ポール材
固定器具にポール材14を固定する手順として、最初に、円筒部11bの外ねじ11cの上方に、固定カバー部12をテーパ部12bの円環部12eが下になるようにして、固定カバー部12の内ねじ12cを螺合させ時計回りにねじ込む。そして、スタンド部11の底板部11bとテーパ部12bの円環部12eとが接する程度にねじ込んだ後に、ホイール付タイヤ15のハブ孔15cに固定カバー部12の筒部12aを挿通すると、ホイール15bの下縁部の一部は底板部11aに当接する。これにより底板部11aを下面として、固定カバー部12が螺合している円筒部11bが直立する。
【0019】
続いて、筒部12aを掴んで反時計回りに回転させていくと、固定カバー部12のテーパ部12bの円錐側面がホイール付タイヤ15のハブ孔15cの内周面に当接する。ハブ孔15cの径は車種等によって様々であるが、テーパ部12bが円錐形であるため、螺合した外ねじ11cと内ねじ12cとを反時計回りに回転させることで、どのような大きさのハブ孔15cであっても、テーパ部12bの円錐側面の一部は
図2に示すようにハブ孔15cの縁部に当接することになる。
【0020】
この当接後に、更に強く反時計回りで筒部12aを回転させることで、底板部11aとテーパ部12bの円錐側面によりホイール15bにポール材
固定器具が強固に固定されて一体化する。これにより、ポール材
固定器具は10〜20kg程度のホイール付タイヤ15を重石として容易には動かなくなる。
【0021】
この状態の円筒部11bの上方から、パラソル等のポール材14を挿通し、ポール材14の先端が底板部11aに達するまで押し込んだ後に、筒部12aのねじ孔12dに締めねじ13のねじ13aを螺合する。
【0022】
締めねじ13を回転操作部13bによりねじ込むことで、ねじ13aの先端によりポール材14が円筒部11bの内壁に押し付けられ、円筒部11b内でのポール材14のぐらつきがなくなり、抜け出しが防止される。
【0023】
実施例1では、筒部12aのねじ孔12dは1個所に設けたが、縦方向に複数のねじ孔12dを設けてもよい。複数個所をそれぞれの締めねじ13により固定することで、ポール材14はより強固に固定される。また、底板部11aと円筒部11bの間に配置したばね部材を用いることでテーパ部12bは上方向に圧力が加わることになり、より強固に固定される。
【0024】
更に、
図4の水平断面図に示すように、ねじ13aの先端には、ポール材14の側面に沿って湾曲したポール材当接部13cを取り付けてもよい。ポール材14の側面の形状とポール材当接部13cとを略一致させれば、より安定して固定が得られる。また予め、ポール材当接部13cを用いて締めねじ13を筒部12aに係止させておくことで、締めねじ13が筒部12aから抜け落ちることもない。
【0025】
ホイール付タイヤ15を重石とするには、スタンド部11の底板部11aを下面として、ホイール付タイヤのハブ孔15cにスタンド部11の円筒部11bを挿通させた後に固定カバー部12を取り付けるようにしてもよい。固定カバー部12の内ねじ12cを円筒部11bの外ねじ11cにねじ込むことで、テーパ部12bの円環部12eがホイール15bの上面に接する。更に、強く筒部12aを回転させることで、底板部11aとテーパ部12bの円環部12eにより、ホイール15bに固定カバー部12が強固に固定される。このように固定する場合は、円錐形のテーパ部12bに代えて、円板状の部材にしてもよい。
【0026】
また、ホイール15bに当接するテーパ部12bの円錐側面又は円環部12eにはゴム等の滑り止めを貼付してもよく、この滑り止めにより内ねじ12cと外ねじ11cとが緩み難くなる。
【0027】
ホイール付タイヤ15は予め車両に搭載しているスペアタイヤを利用することで、わざわざ車両に別個のホイール付タイヤ15を持ち込む必要がなく、また緊急時には本来の用途であるスペアタイヤとして使うことができる。
【0028】
また、ホイール付タイヤ15はスペアタイヤ以外にも、使用済みのホイール付タイヤ15やタイヤのないホイール15bのみを利用することもできる。ホイール15bだけであっても十分な重さがあるのでポール材14を直立させることができる。スペアタイヤ、使用済みのホイール付タイヤ15、タイヤのないホイール15bは、何れも円柱状であるため、自在に転がすことができ運搬が容易である。
【0029】
更には、ポール材
固定器具を常設の設備として、ホイール付タイヤ15又はタイヤのないホイール15bに取り付けた状態で利用してもよく、この場合に必要に応じてポール材14を取り付け取り外しを行う。ポール材14はパラソル以外にも、テント、タープの支柱、旗やのぼりのポールとすることもできる。
【0030】
スタンド部11と固定カバー部12は使用時には
図2に示すように長くなるが、収納時はスタンド部11の底板部11bとテーパ部12bの円環部12eとが接するまでねじ込むことが可能なので、全長が短くなり運搬時は容積が小さくすることができる。
【実施例2】
【0031】
図5は実施例2のポール材
固定器具の斜視図、
図6はポール材14を固定した状態の断面図、
図7は斜視図を示している。ポール材
固定器具はスタンド部21と、固定カバー部22と、締めねじ23とから構成され、スタンド部21は下部に底板部21aと上部に円筒部21bとを備えている。円筒部21bの下方の外表面に外ねじ21cが刻設されており、上方にねじ孔21dが穿設されている。底板部21a及び円筒部21bは実施例1の底板部11a同様に、四角形等の適宜の形状を選択してもよく、底板部21aと円筒部21bとは分割できるようにしてもよい。また、底板部21aと円筒部21bの間にばね部材を入れて、円筒部21bを常に上方向に反発するようにしてもよい。
【0032】
固定カバー部22は筒部22aとテーパ部22bとから構成され、筒部22aの内表面には、スタンド部21の外ねじ21cと螺合する内ねじ22cが下端から上部へ渡って刻設されている。円筒部21bの上方の側面には、ねじ孔21dが穿設されている。テーパ部22bは実施例1のテーパ部12と同様の形状をしており、内部を空洞とした円錐形とされ、テーパ部22bの最下端は円環部22eとされている。
【0033】
実施例2の円筒部21bは、実施例1の円筒部11bに比べ長くなっており、実施例2の筒部22aは、実施例1の筒部12aに比べて短くなっている。
【0034】
ポール材
固定器具にポール材14を固定する手順として、最初に円筒部21bの上方からテーパ部22bの円環部22eが下になるようにして、固定カバー部22の内ねじ22cをの外ねじ21cに螺合させ時計回りにねじ込む。そして、スタンド部21の底板部21bとテーパ部22bの円環部22eとが接する程度にねじ込んだ後に、ホイール付タイヤ15のハブ孔15cにスタンド部21の円筒部21bを挿通させる。この挿通により、ハブ孔15cから固定カバー部22の筒部22aが突出している状態になる。
【0035】
続いて、
図6に示すようにハブ孔15cから突出している筒部22aを掴んで反時計回りに回転させてゆくことで、実施例1のポール材
固定器具と同様に底板部11aとテーパ部22bの円錐側面によりホイール15bとポール材
固定器具とは強固に固定され一体化する。
【0036】
最後に、ポール材14を円筒部21bに挿通させ、円筒部21bのねじ孔21dに締めねじ23のねじ23aを螺合させて、ポール材14を固定する。
【実施例3】
【0037】
図8は実施例3のポール材
固定器具の斜視図、
図9はパラソル固定時の断面図、
図10は斜視図を示している。実施例1のポール材
固定器具との違いは、筒部12aのねじ孔12dに代えて、筒部12aの上端に固定部材受部である複数の舌片部材12fが設けられ、かつ締めねじ13に代えて固定部材である円環状の締め具16が用いられている。
【0038】
筒部12aの上端に設けられた複数の舌片状の舌片部材12fは、上端になるにつれ厚みが徐々に薄くなり、外表面には締め具用外ねじ12gが刻設されている。
【0039】
締め具16の内表面には舌片部材12fの締め具用外ねじ12gに螺合する内ねじ16aが設けられている。なお、締め具16の内径は筒部12aの最先端の外周径と略同等である。
【0040】
ポール材14を固定する手順は、スタンド部11と固定カバー部12により、ホイール付タイヤ15と一体化し、固定させるまでの手順は実施例1と同様である。ポール材14の固定する手順は、先ずポール材14を締め具16、固定カバー部12の順で挿通させる。
【0041】
ポール材14をその下端が底板部11aに達するまで押し込んだ後に、締め具16の内ねじ16aを舌片部材12fの締め具用外ねじ12gに螺合させる。締め具16を回転させると、徐々に締め具16が舌片部材12fを締め付けるとポール材14が固定される。そして、
図10に示すようにポール材14と締め具16とが一体化する。
【0042】
舌片部材12fと締め具16を用いることで、ポール材14の側面を全体から締め付けるため、実施例1の締めねじ13よりも強固に固定することができる。
【0043】
また、舌片部材12fと締め具16は、実施例2のポール材
固定器具にも適用することが可能であり、この場合は円筒部21bの先端に舌片部材12fを設けることになる。
【実施例4】
【0044】
上述の実施例のポール材
固定器具は主に屋外で使用するため、ホイール付タイヤ15は濡れたり、泥が付着することがあり、パラソルの重石として利用していると腐蝕が進み、緊急時に本来のスペアタイヤ等の用途に使用できない虞れがある。
【0045】
この場合には、
図11に示すような防水シート40を用いることができる。防水シート40は上方にポール材14を締める開口部40aと、下方にホイール付タイヤ15をタイヤ開口部40bと、ポール材
固定器具及びホイール付タイヤ15を包み込む包体40cとを有し、防水シート40は防水性、撥水性を備えている。
【0046】
開口部40aは紐、ゴム等の絞り部材から成り、ポール材14の径に合わせて締め付けることが可能であり、タイヤ開口部40bの周縁には、ゴム紐等の緊締部材が入っており、円状に大きく広げることできる。
【0047】
開口部40aはねじ止め13、23、又は締め具16の上方に固定し、開口部40bはタイヤ15aの下側に引っ掛けて固定する。開口部40aはテーパ部12b、22b付近で固定してもよい。防水シート40を装着することで、ホイール付タイヤ15の腐蝕を防止することができる。