(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1乃至3の何れか1項に記載の固定具において、前記固定具が前記患者の前記腕に複数の柔軟なストラップ(47、48)で取り付けられることを特徴とする固定具。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明のいくつかの実施形態を説明する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるようにするための例示を目的として説明されている。しかしながら、このような実施形態は本発明の範囲を限定しない。さらに、固定具の特定の実施形態が示され、論じられている。しかしながら、異なる特徴のその他の組み合わせも、本発明の範囲内で可能である。
【0022】
カテーテルをX線検査及び実行されうるバルーン拡張に使用するべきである場合、このようなカテーテルを挿入する最も一般的な方法は、現時点では大腿動脈への挿入であり、これは、それが十分に大きく、大動脈弓へと直接延び、その後、冠状動脈に至るからである。しかしながら、大腿動脈が大きいことから、血液の漏出と合併症のリスクも付随する。
【0023】
代替案として、腕の橈骨動脈の使用が提案されている。外科医は通常、患者の右側に立ち、外科医へのX線を遮断するために重い鉛のエプロンを着用する。それゆえ、外科医にとって右腕を利用することが好都合であり、患者の左腕は使いにくく、煩雑である。しかしながら、左腕を利用すれば、カテーテルをより好都合な位置に配置できる。これに加えて、右腕の利用はそれ以前の介入によって不可能かもしれない。それゆえ、以下に示す実施形態は、外科医が患者の右側に立った時に患者の左腕に利用することが意図される。しかしながら、別の実施形態を患者の右腕に使用してもよい。
【0024】
図1は仰臥位の患者1を示しており、その左腕2は腹部に安静状態に載り、手6は概して臍の位置にある。腕2は肘4のそれぞれの側に上腕部3と前腕部5を有する。手6は手首7を介して前腕5につながる。
【0025】
手6の掌は、
図1に示されるように、患者が仰臥位にあるとき、腹部に向かって下向きであり、親指8が患者の顔の方向にある。それゆえ、掌と手首7の内側は腹部に向かって下向きであり、橈骨動脈を都合よく利用できない。掌は略水平である。
【0026】
「内側」と「外側」という表現は、通常の腕の姿勢における位置を意味する。それゆえ、腕の内側とは、例えば
図1に示されている姿勢では、腕のうち、通常は腹部に対向する側である。腕の外側は、腕のうち、腹部とは反対に向かう部分である。手の内側、すなわち掌は、
図1に示される姿勢において腹部と対向する。
【0027】
図1の矢印11で示されるように、手6と手首7を腕の対称軸の周囲で約90度回転させ、又は捻ることによって、
図2に示されるように、手首の内側の橈骨動脈9を露出させてもよい。この姿勢では、手の掌表面は腹部と略直角をなし、親指が上方に面し、すなわち掌は、患者が
図1と2に示される仰臥位にあるとき、実質的に縦方向に向く。このように腕と手首を捻った姿勢では、左腕の橈骨動脈9が、
図2に示されるように、カテーテル挿入のために好都合に利用できる。
【0028】
これに加えて、手首は、矢印12で示されるように、手首の角度を開くように回転させるべきである。手首の角度を「開く」という表現は、前腕5と手6の掌との間の角度が180度より大きくなることを意味することが意図される。このようにすると、橈骨動脈9が好都合に利用可能となる。
【0029】
橈骨動脈の代わりに、外科医は
図2に示される姿勢に配置された尺骨動脈14を使用してもよい。尺骨動脈もまた、好都合に利用できる。
【0030】
図2では、肘の角度と手首の角度が実質的に同一平面内にあるが、異なる方向であることがわかる。
【0031】
それゆえ、
図3に示される形状を有する固定具を、腕を上述のような所望の姿勢に配置するために使用してもよい。
【0032】
図3に示される固定具は相互に接続される3つの部分、すなわち第一の部分21と、第二の部分22と、第三の部分23と、を含む。
【0033】
第一の部分21は、図のように上腕の外側に配置され、肘まで延びることが意図される。
【0034】
第二の部分22は第一の部分21に第一の角度で接続され、これは約150度であってもよい。第二の部分22は前腕4に対応する長さであり、前腕を支持する。第二の部分22は、長さの異なる腕を有する患者に適合させるように、調節可能な長さを有していてもよい。
【0035】
第三の部分23は第二の部分22に第二の角度で接続され、これは第一の角度と反対向きであり、同じ大きさであるが反対方向であってもよい。それゆえ、第二の角度は約210度である。第三の部分23は手の甲に沿って延びる。
【0036】
固定具20は、
図3に示されるように、適当な位置において複数のストラップで患者に接続できる。それゆえ、第一と、第二と、第三のストラップ24a、24b、24cは上腕3の中央の位置に配置されてもよい。ハンドストラップ25は手の付近に配置されてもよい。ハンドストラップ25は、
図3に示されるように親指を含むように配置されても、又は親指の下に配置されてもよい、固定具20が
図4において側面図で示されている。
【0037】
しかしながら、3本のストラップ24a、24b、24cは、
図3に示されるように、上腕3と前腕5の内側に配置される。これらのストラップは、ストラップの下にある動脈を締め付ける傾向がある。橈骨動脈9と、尺骨動脈14もまた、腕の内側部分の皮膚と腕の骨との間に延びる。
【0038】
ストラップの力は比較的小さい表面に分散され、これはストラップがその下にある皮膚、組織、筋肉の中に食い込むことを意味する。特に第二のストラップ24bは肘の内部においてその下にある組織の中に深く食い込み、その下の動脈に影響を与える可能性があるが、第一のストラップ24aと第二のストラップ24cもまた、特に固定具が張力を受けると、締付作用を提供する。
【0039】
それゆえ、動脈は部分的にストラップによって締め付けられ、これは動脈に挿入されるべきカテーテルが動脈の前記締め付けられた部分を通過しにくくなることを意味する。また、カテーテルを挿入し、又は操作する際に、動脈が擦られ、又は損傷する危険もある。
【0040】
それゆえ、動脈を締め付けない固定具が求められている。
【0041】
固定具の第一の実施形態において、上記の問題には、
図5に示されるように、第一の部分21と第二の部分の一部が肘の内側に配置されるような固定具を提供することによって対処できる。このようにすると、固定具から腕の内面に向かう力は固定具の表面全体にわたり、腕と皮膚に向かって分散され、ストラップの締付作用は、締付作用が動脈に影響を与えない腕の外側に加わる。
【0042】
第一の実施形態による固定具40は、相互に接続された3つの部分、すなわち第一の部分41と、第二の部分42と、第三の部分43と、を含む。
【0043】
第一の部分41は、
図5に示されるように肘の内側に配置され、上腕部3に沿って延びることが意図される。第一の部分41は第二の部分42に第一の角度で接続され、これは約150度であってもよい。第三の部分43は第二の部分42に第二の角度で接続され、これは約210度であってもよい。
【0044】
第二の部分42は2つの部品、すなわち第一の部分41に接続される第一の部品44と第三の部分43に接続される第二の部品45に分けられる。第一の部品44と第二の部品45は、半分の輪帯46によって相互接続され、これは、
図6に示されるように、前腕4の外側等において、前腕4の半分、すなわち約180度にわたり取り囲む。それゆえ、半分の輪帯を以下、半周輪帯と呼ぶ。半周輪帯は比較的硬く、第一の部品44と第二の部品45の両方に接続されて固定される。それゆえ、固定具40は一体の、比較的硬い単体を形成する。
【0045】
輪帯により、第一の部品46と第二の部品45は、平行であるが、ある距離だけずらして配置される。この距離は実質的に腕の直径に対応する。このような配置により、第一の部品46は腕の内側に配置され、その一方で第二の部品45は腕の外側に配置される。
【0046】
しかしながら、第二の部品45と輪帯46との取付部は、長手方向に調節して異なる長さの腕に対応させてもよい。
【0047】
あるいは、第一の部品44又は、第一と第二の部品の両方は、調節を目的として輪帯に調節可能に接続される。
【0048】
第一、第二、第三の部分は、腕の一部、例えば腕の周囲の約6分の1(60度)を取り囲むような横方向の寸法を有していてもよい。固定具の腕との対向部分に柔らかい材料を設けて、固定具から腕への力が均一に分散されるようにしてもよい。固定具の、腕の対称軸に垂直な、又はこれを横切る幅は約4〜12cm、例えば約6〜10cm、例えば8cmであってもよい。
【0049】
固定具の腕との対向表面には、長手方向に延びる浅い窪みを設けてもよく、それによって腕が窪みの中に都合よく納まる。
【0050】
固定具40は、
図5に示されるように、適当な位置において複数のストラップで患者に接続されてもよい。それゆえ、第一のストラップ47は上腕3の中央の位置に配置されてもよい。第二のストラップ48は手の付近に配置されてもよい。第三のストラップ(図示せず)は半周輪帯の付近に、固定具の外側の全周を取り囲むように配置されてもよい。
【0051】
固定具は患者に、腕が患者の側部に沿って安静状態にある時に配置されてもよい。あるいは、腕を所望の姿勢にして、固定具を腕に配置する。
【0052】
第一の実施形態による固定具は、体の曲線に好都合に追従でき、体を干渉しない。
【0053】
第一の実施形態による固定具が、
図6において側面図で示されている。第三のストラップ49は、半周輪帯46のわずかに横に示されているが、それが前腕を固定具に取り付ける何れの所望の位置に配置されてもよい。
【0054】
腕を、固定具の中に配置した後で、腕と手首がより好都合に利用できるような位置に移動させたい場合がある。この目的のために、ストラップ50が第一の部分41及び/又は第二の部分42、例えば第一の部品44の半周輪帯46の付近に取り付けられる。ストラップ50は患者の右側へと体を越えて延び、外科医が腕を自分の方に引き寄せるためにストラップ50を引くことができる。
【0055】
ストラップ50は、患者のベッドに取り付けて、ベッドの外まで延びないようにしてもよい。
【0056】
ストラップ50は、腕を所望の位置に配置し、腕が体の左側に戻るようにずり落ちる傾向に対抗するために、腕に引張力をかけるように配置されてもよい。
【0057】
このような引張力は同時に、腕の内面への固定具からの圧力をすべて解除し、それによってその下にある動脈に如何なる影響が及ぶのもさらに防止する。
【0058】
ストラップ50は体にできるだけ近い位置で固定具に取り付けられ、腕が望ましくない方向、すなわち手首がより利用しにくくなる方向に回転しないようにする。
【0059】
ストラップ50は、これに加えて、破線51で示されるように、反対方向にも延びていてよく、それによって患者の左側にいる看護師がストラップを操作して、例えばストラップを伸ばすことができる。
【0060】
ストラップ50はベッドの下を通ってベッドの右側へと配置してもよく、それによって外科医は固定具と腕を両方向に移動させることができる。この配置では、患者の左側にいる看護師がストラップ部分51を操作して、ベッドの下に延びている部分を引っ張ることにより、腕を外科医に向かって移動させることができる。
【0061】
ストラップ50は固定具に、それを所望の通りに動作させる何れの位置でも取り付けることができる。しかしながら、ストラップが第三の部分の付近に、又は第三の部分43に取り付けられると、ストラップ50は患者の動脈に挿入されるカテーテルと相互作用する可能性があり、それゆえ、このような位置は望ましくないことがある。これに加えて、ストラップが血液で汚れる可能性がある。
【0062】
現在、固定具を滅菌する必要はないものの、固定具をできるだけ汚染されていない状態に保ち、カテーテルの挿入地点の付近に病原菌や細菌が導入されるのを回避する理由がありうる。
【0063】
図8に示される第二の実施形態において、固定具は2つの別々の部材から構成され、第一の部材61は第一の部分41と、第二の部分42の第一の部品44と、半周輪帯と、を含む。第二の部材62は第二の部分42の第二の部品45と、第三の部分43と、を含む。第二の部材は第一の部材に、あらゆる種類の留め付け具、例えばスナップファスナ、Welcroファスナ又は、
図11に関して後述する留め付け具と同様の留め付け具で取り付けられる。
【0064】
固定具を2つの部材61と62に分けることにより、カテーテルの挿入地点に近い第二の部材62を滅菌することが可能である。それゆえ、第二の部材62は使い捨てとしてもよい。これはまた、血液で第二の部材が汚れた場合に有利である。
【0065】
第一の部材61は再使用可能であってもよく、適当な方法でクリーニングできる材料で構成してもよい。
【0066】
固定具全体が金属を除くX線透過性材料で構成されることがわかる。それゆえ、固定具はプラスチック材料、例えば強化エポキシプラスチック材料で構成してもよい。第二の部材62は滅菌可能な材料で構成される。
【0067】
固定具は、不透明材料の小さい細部、例えば、ねじやリベット又は金属を含んでいてもよいが、このような細部は、それらが検査対象の、又は使用される血管と干渉しない領域に配置されるべきである。
【0068】
第一と第二の実施形態において、半周輪帯は剛性である必要はない。半周輪帯は、特定のばね作用を有する柔軟な材料で構成されてもよく、それによって輪帯を異なる大きさの前腕に配置できる。
【0069】
図8に示される代替的な設計では、半周輪帯46が完全にストラップ63に置き換えられ、これは前腕の略中央を取り囲む。ストラップ63は柔軟であるが非弾性である。ストラップ63は前腕に、前腕を所望の回転姿勢に保持するのに十分に剛体的に取り付けられるが、その下にある動脈を締め付けず、これは、部品44の内側の面積が十分に大きく、力を分散させるからである。
【0070】
第二の部材62は、クイックリリースファスナでストラップ49に取り付けられる。第二の部材62は、長手方向の適当な位置でストラップ63に取り付けられてもよく、それにより、接続された状態の第一の部品44と第二の部品45は前腕の長さに対応する。
【0071】
1つの構成では、第二の部品45は、上側の部分44を所定の場所に配置された後でのみ、ストラップ63と前腕との間に挿入される。
【0072】
固定具に対する要求がそれほど厳しくないような特定の用途においては、第一の部材61だけを使用すれば十分かもしれない。この場合、前腕は、前腕の周囲にしっかりと配置されるストラップ63によって所望の回転姿勢に固定される。
【0073】
ストラップ63には、腕と対向する表面において摩擦材料を設けて、前腕を所望の回転姿勢に保持してもよい。摩擦材料はゴム又はエラストマであってもよい。ストラップの何れにも、このような摩擦材料を設けてよい。
【0074】
固定具の第三の実施形態が
図9に示されている。固定具70は、例えば尺骨動脈14がより浅い場合に、それを好都合に利用できる姿勢に腕を配置するようになされている。あるいは、この姿勢では橈骨動脈もまた利用できる。第三の実施形態において、手は、
図1の矢印11により示されるものと反対の方向に回転される。それゆえ、掌は依然として腹部に対して縦方向で、実質的に垂直であるが、親指は腹部に向かって下向きである。
【0075】
固定具70は、上腕と肘の内側に沿って、さらに前腕の内側に沿って、最後に捻られた手の外側、すなわち甲に沿って配置される。
【0076】
構成は第二の実施形態と同様であるが、第二の角度が第一の角度と同じ方向であり、すなわち第二の角度は約150度である。
【0077】
第三の実施形態による固定具は、上腕の内側に延びる第一の部分71と、回転された前腕に沿って延びる第二の部分72と、手の外側に沿って延びる第三の部分73と、を含む。複数のストラップ74、75、76で固定具が腕に取り付けられる。
【0078】
ストラップは柔軟な材料で構成されてもよく、長さはそれぞれの腕部分の直径に対応する。ストラップの端には留め付け手段、例えばベルクロストラップが設けられていてもよい。固定具には、ベルクロストラップと相互作用するのに適した位置に面ファスナが設けられてもよい。
【0079】
あるいは、2本のストラップを、反対方向に延びて、端に係合用の面ファスナを有するように配置してもよい。
【0080】
固定具を腕に関して支持するために、追加の半周輪帯が配置されてもよい。支持用の半周輪帯は180度にわたって、又はこれよりはるかに小さい角度、例えば120度又は90度にわたって延びていてもよい。それゆえ、支持用輪帯は第二の部品44の中心に配置されて、その外側で腕の半分を取り囲んでもよい。
【0081】
固定具は、グラスファイバ強化プラスチック材料、例えばエポキシプラスチック材料で構成されてもよい。その他の適当な材料はPVCとポリウレタンであってもよい。材料は、医療用に使用されることが許可されていれば、どのような種類であってもよい。材料はX線透過性であるべきである。
【0082】
固定具は、腕又は体に対向する表面を繊維材料で被覆してもよい。ストラップもまた、柔らかい材料又は、腕又は皮膚に対して摩擦を起こす材料、例えばゴム又はエラストマで被覆してよい。
【0083】
図10に示されるように、ベルトを患者の腰の周囲に配置してもよい。
図10は、腰にベルト81が巻かれた患者を示している。ベルトは患者に緩く配置され、それを円周方向に移動させることができる。プレート82がベルトの、患者の臍に対応する位置に取り付けられる。ベルトは臍の付近の位置に留め付け部材(図示せず)を含む。固定具はそれと係合する留め付け部材(図示せず)を含んでいてもよく、それによって固定具をベルトの留め付け部材に取り付けてもよい。ベルト81は、患者の右側と左側で利用できる。それゆえ、固定具の正確な円周方向の位置は、使用中にベルト81を引くことによって調節してもよい。それゆえ、留め付け手段は、カテーテルの挿入中に、ベルトを患者の右側で引くことによって、患者の右側にいる外科医に近づけてもよい。カテーテルが留置されたら、患者の左側でベルトを引くことによって、留め付け手段を外科医から遠ざけてもよい。
【0084】
ベルトプレート82の留め付け部材は、プレート82に取り付けられ、その両側に逃げ溝を有する突起83であってもよい。固定具の留め付け部材は、
図11に示されるように、ベルトの突起83と嵌合するような係合形状の突起84であってもよい。
【0085】
他の代替的な留め付け部材は鉤フックであってもよい。また別の代替的な留め付け部材は面ファスナであってもよい。
【0086】
固定具を前記ベルトによって臍の付近に固定することにより、固定具は、緊急時、例えば除細動が必要な場合に邪魔にならない。
【0087】
特定の用途において、
図8に示されるようにベルトプレート82に取り付けられた第二の部材62を使用するだけでよく、それによって第一の部材61をなくすことができる。
【0088】
異なる実施形態において示された異なる特徴のまた別の代替的な組み合わせも、本発明の範囲内で可能である。
【0089】
第一の角度は約170度〜約110度であってもよい。第二の角度は約190度〜約250度であってもよい。第三の実施形態において、第二の角度は約170度〜110度であってもよい。第一と第二の角度は調節可能であってもよい。
【0090】
異なる実施形態を、カテーテルを左腕の橈骨又は尺骨動脈に導入するべき用途において説明した。このようなカテーテルは、心臓の検査と介入に使用されてもよい。
【0091】
例えば、迅速かつ好都合に腕の動脈又は静脈を確保することが望ましい緊急の状況等、図のような姿勢に左腕を固定することが望ましい他の医学的な方法がある。
【0092】
その他の医学的な方法としては、脳内出血や脳卒中等の脳損傷の後できるだけ早く体温を下げるために腕の動脈に低温の生理食塩水を導入する方法がありうる。できるだけ早く約500〜1000mlの低温生理食塩水を体内に注入して、低体温症を誘発する。
【0093】
固定具を使用できる他の医学的な方法は、心臓以外の場所での血栓又は閉塞の位置特定と溶解である。
【0094】
特許請求の範囲において、「〜を含む(comprises/comprising)」という用語は、他の要素又はステップの存在を排除しない。さらに、個々に列挙されていても、複数の手段、要素又は方法ステップは単独のユニットで実施されてもよい。これに加えて、個々の特徴が別の特許請求項又は実施形態に含められていても、これらを有利に複合させることができ、また異なる請求項に含められていることが、特徴を組み合わせることが実現可能及び/又は有利ではないと示唆していることにはならない。これに加えて、単数形は複数形を排除しない。「ある(a、an)」、「第一の」、「第二の」等の用語は複数形を排除しない。請求項の参照符号は例を明確にするために設けられているにすぎず、請求項の範囲を如何様にも限定しないと解釈するものとする。
【0095】
本発明を具体的な実施形態と実験に関して上述したが、これが本明細書に示された具体的な形態に限定されることは意図されていない。むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、上で明示したもの以外の実施形態も、これらの付属の特許請求項の範囲内で同等に可能である。