特許第6238345号(P6238345)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238345
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】計測装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   G01B11/02 Z
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-200748(P2013-200748)
(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公開番号】特開2015-68658(P2015-68658A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】302069930
【氏名又は名称】NECエンベデッドプロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】岡 博幸
【審査官】 八木 智規
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−43409(JP,A)
【文献】 特開2005−222413(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/70085(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
B07C 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物が所定位置に位置決めされた状態で載置される載置面を具備する載置台と、
前記載置面上に載置された前記被測定物の幅方向、長さ方向又は高さ方向のうち、いずれかの検出方向における、前記被測定物の基準となる第1の端部に対して、それとは反対側に位置する第2の端部が位置する範囲を検出する第1の検出部と、
前記検出方向に沿って移動自在に設けられて、前記第1の検出部が検出した範囲内において、前記第2の端部の位置を検出する第2の検出部と
を備える計測装置。
【請求項2】
前記第1の検出部が範囲を検出した場合に、前記範囲の両側の端点のうち、前記第2の端部に近い方の端点に対応する位置まで、前記第2の検出部を、検出動作を行わせることなく移動させた後に、前記範囲内において前記第2の端部の位置を検出させるように制御する制御部
を更に備える請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記第1の検出部の検出結果により、前記被測定物が存在する範囲と存在しない範囲との境界を判別し、前記境界の前後の前記第2の検出部のデータから前記被測定物の寸法を算出する算出部
を更に備える請求項1又は2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記載置台は、前記被測定物の測定原点を設定するための第1のガイド部材及び第2のガイド部材
を更に備える請求項1から3のいずれか一項に記載の計測装置。
【請求項5】
前記第1のガイド部材は、前記載置面に対して直交する位置と、前記載置面に沿う位置との間を回動可能である
請求項4に記載の計測装置。
【請求項6】
前記載置台は、重量測定用の計測素子
を更に備える請求項4又は5に記載の計測装置。
【請求項7】
前記第2のガイド部材は、前記計測素子による重量計測の際に、前記載置面から飛び出さない位置に収納される
請求項6に記載の計測装置。
【請求項8】
前記第2の検出部は、所定方向に沿って複数設けられて、被測定物の存在する範囲の一部ずつを移動しながら測定し、
前記算出部は、前記境界を測定範囲とする第2の検出部のデータと該第2の検出部の位置データとから被測定物の寸法を算出する
請求項3に記載の計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
宅配便の荷物を取り扱う業務は、荷物の寸法を担当者がメジャーを用いて、縦、横、高さの寸法を測定し、更に、台秤によって重量を測定し、これらのデータから換算表を使用して、荷物のサイズ及び行き先別の料金を算出している。
【0003】
したがって、荷物の形状測定は、手作業による形状寸法の測定によっても可能である。
【0004】
しかしながら、手作業による測定によっては、荷物を測定する担当者の個人差が発生したり、箱型以外の異形荷物に対してのサイズ決定基準がまちまちになったり、繁忙期に寸法の測定を怠り、適正な料金が決定されない等の問題が発生してくる。
【0005】
また、手作業による測定によっては、サイズ、配送先等のデータが取り扱い荷物のデータとして蓄積されることがないため、せっかく測定したデータが無駄になっている。
【0006】
このような背景に関連する技術としては、様々なものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
例えば、特許文献1には、宅配便貨物のサイズの計測等に使用する荷物形状測定装置が記載されている。より具体的に説明すると、この荷物形状測定装置は、被測定荷物の投影面積を測定する。そして、この荷物形状測定装置は、被測定荷物の高さを測定する。そして、この荷物形状計測装置は、測定した高さと投影面積から被測定荷物の縦、横、高さのデータを算出する。そして、この荷物形状測定装置は、被測定荷物の重量を測定する。そして、この荷物形状測定装置は、測定された重量と算出されたデータとから被測定荷物の配送先の料金を計算する。そして、この荷物形状測定装置は、計算結果を上位処理系に伝送する。このようにして、この荷物形状測定装置によっては、今までまちまちであった荷受け料金の基準を統一にすることができ、更に、無駄になっていた荷物の測定データ等を集中的に収集管理できるといった利点を持つと共に、簡単な操作によって荷物サイズの測定ができる。
【0008】
また、宅配等の荷物の輸送において、荷物を荷主から受け付ける際には、集めた荷物をまとめて運ぶにはどの程度の大きさのトラックが必要であるか、輸送料金をいくらにするかを決定するために、それぞれの荷物の重量と、荷物の縦、横、高さ寸法を測る必要がある。
【0009】
この種の荷物の縦、横、高さ寸法を測る技術としては、縦、横、高さのそれぞれの方向に受発光素子を直線状に並べて、位置決めガイド部材に合わせて計量搬送コンベア上に直方体の荷物を載せることによって、これらの測定を一度に行うことができる装置がある。
【0010】
しかしながら、宅配荷物の受け付けはコンビニエンスストア等においても行っており、上記のような装置は、アルバイト等の操作を熟知していない人が操作する場合が多い。このような人は、荷物の重量、寸法を測定する際に、正しく荷物の位置決め作業を行わない可能性があり、荷物の正確な重量、寸法の測定が行われない可能性がある。
【0011】
上記のような位置決め作業が不要な技術としては、テレビカメラを設置し、荷物の縦、横、寸法を画像処理によって求めるようにした装置がある。
【0012】
しかしながら、上記のような装置によっては、荷物の色によっては測定できない可能性があり、また、画像処理を可能にするために、高度な演算装置やテレビカメラを備える必要があり、高価なものになるという問題もある。
【0013】
このような背景に関連する技術としては、様々なものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0014】
例えば、特許文献2には、直方体形状の宅配等の荷物の重量及び寸法を測定する重量寸法測定装置が記載されている。より具体的に説明すると、この重量寸法測定装置は、載置台状に載置された荷物の重量を測定する計量部を備える。また、この重量寸法測定装置は、載置台に載置された荷物の高さ寸法を測定する高さセンサを備える。また、この重量寸法測定装置は、載置台上に配設された荷物の底面の寸法を測定する底面センサ部を備える。そして、底面センサ部は、マトリックス状に配置した多数の接点を具備するメンブレンスイッチシートから成り、メンブレンスイッチシートの上面を所定厚さの柔軟材によって覆っている。このようにして、この重量寸法測定装置によっては、載置台上に測定すべき直方体形状の荷物を任意に載置するだけで、その重量、底面寸法及び高さを正確に測定することができ、不慣れな人でも、荷物を受け付けその重量、寸法を測定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平03−246406号公報
【特許文献2】特許第3460624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、被測定荷物の投影面積と高さを測定し、測定した投影面積と高さから被測定荷物の縦、横、高さのデータを算出するため、測定に時間が掛かる。
【0017】
また、特許文献2に記載の発明は、底面センサ部に、マトリックス状に配置した多数の接点を具備するメンブレンスイッチシートを配置しているため、多くの計測時間を必要として、計測時間を短縮することができない。
【0018】
本発明の目的は、上述した課題を解決する計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、計測装置であって、被測定物が所定位置に位置決めされた状態で載置される載置面を具備する載置台と、載置面上に載置された被測定物の幅方向、長さ方向又は高さ方向のうち、いずれかの検出方向における、被測定物の基準となる第1の端部に対して、それとは反対側に位置する第2の端部が位置する範囲を検出する第1の検出部と、検出方向に沿って移動自在に設けられて、第1の検出部が検出した範囲内において、第2の端部の位置を検出する第2の検出部とを備える。
【0020】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0021】
以上の説明から明らかなように、この発明によっては、被測定物の寸法を、短時間にて測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1の実施形態に係る計測装置100の形態の一例を示す斜め上方から視た外観斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る計測装置100の形態の一例を示す平面図である。
図3】第1固定センサ12の正面図である。
図4】計測装置100の測定動作を説明する平面図である。
図5】第2の実施形態に係る計測装置300の測定動作を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0024】
図1及び図2は、第1の実施形態に係る計測装置100の形態の一例を示す。計測装置100は、小包Pの寸法及び重量を測定する装置である。なお、小包Pは、この発明における「被測定物」の一例であってもよい。
【0025】
計測装置100は、載置台11、第1固定センサ12、第2固定センサ13、第3固定センサ14、移動センサ15及び制御部16を備える。
【0026】
計測装置100の測定にあたり、宅配業においては、小包Pの場合、三辺の長さ寸法の和と、重量との総和に基づいて料金が設定される。そのため、測定は、小包Pの三辺の長さ寸法と重量とを同時的に取得する必要がある。
【0027】
載置台11は、矩形のブロック形状に形成されており、小包Pが載せられる載置面18を有する。小包Pは、Y方向に幅寸法L1を有し、X方向に長さ寸法L2を有し、Z方向に高さ寸法L3を有する。
【0028】
第1固定センサ12は、載置台11の−X方向の端部寄りに、Y方向に沿って配置されており、載置面18に沿うY方向に沿って配置された複数の反射センサ単位センサ列S1により構成されている。第1固定センサ12は、制御部16に電気的に接続されている。第1固定センサ12は、載置面18上に置かれた小包PのY方向の幅寸法L1を検出する。第1固定センサ12は、小包Pに対してX方向に検出光を照射し、小包Pに衝突して反射してきた反射光によって小包Pの存在を検出する。第1固定センサ12は、小包Pの幅方向における小包Pの基準となる第1の端部N1に対して、第1の端部N1とは反対側に位置する第2の端部N2が位置する範囲Q1を検出する。このとき、制御部16は、反射光がなくなった反射センサ単位センサ列S1の位置を概算値として認識する。概算値については、後述する。第1固定センサ12は、本発明の「第1の検出部」の一例であってもよい。
【0029】
第2固定センサ13は、載置台11の−Y方向の端部寄りに配置されており、載置面18に沿うX方向に沿って配置された複数の反射センサ単位センサ列S2により構成されて、載置面18において第1固定センサ12に直交する−Y方向の端部寄りに配置されている。第2固定センサ13は、制御部16に電気的に接続されている。第2固定センサ13は、載置面18上に置かれた小包PのX方向の長さ寸法L2を検出する。第2固定センサ13は、小包Pに対してY方向に検出光を照射し、小包Pに衝突して反射してきた反射光によって小包Pの存在を検出する。第2固定センサ13は、小包Pの長さ方向における小包Pの基準となる第1の端部N3に対して、第1の端部N3とは反対側に位置する第2の端部N4が位置する範囲Q2を検出する。このとき、制御部16は、反射光がなくなった反射センサ単位センサ列S2の位置を概算値として認識する。第2固定センサ13は、本発明の「第1の検出部」、「第2のガイド部材」の一例であってもよい。
【0030】
第2固定センサ13は、通常の計測時に載置面18上に突出しており、重量の計測時に載置面18の下方に格納されるようになっている。これにより、第2固定センサ13は、小包Pを安定的に載置できる平坦な載置面18を形成できる。
【0031】
第3固定センサ14は、載置台11の−Y方向及び−X方向の端部寄りに配置されており、載置面18に直交するZ方向に沿って配置された複数の反射センサ単位センサ列S3により構成されている。第3固定センサ14は、制御部16に電気的に接続されている。第3固定センサ14は、載置面18上に置かれた小包PのZ方向の高さ寸法L3を検出する。第3固定センサ14は、小包Pに対してY方向(または、X方向でもよい。)に検出光を照射し、小包Pに衝突して反射してきた反射光によって小包Pの存在を検出する。第3固定センサ14は、小包Pの高さ方向における小包Pの基準となる第1の端部N5に対して、第1の端部N5とは反対側に位置する第2の端部N6が位置する範囲Q3を検出する。このとき、制御部16は、反射光がなくなった反射センサ単位センサ列S3の位置を概算値として認識する。第3固定センサ14は、本発明の「第1の検出部」、「第1のガイド部材」の一例であってもよい。
【0032】
第3固定センサ14は、水平断面視L字形状に形成されており、載置面18の−X方向及び−Y方向の端部に配置された支持台19に回動可能に取り付けられている。第3固定センサ14は、支持台19に支持されながら、載置面18に対して直交する計測位置A1と、載置面18に沿う収納位置A2との間を回動される。第3固定センサ14は、計測装置100を車両に搭載したり、手で持ったりする場合、収納位置A2に折り畳まれる。これにより、計測装置100は、突出物のないコンパクトな外形にされて、容易に持ち運びすることができる。
【0033】
移動センサ15は、制御部16に電気的に接続された反射センサであって、載置台11の−Y方向の端部寄りにおいてX方向に移動可能に取り付けられている。移動センサ15は、載置面18の−Y方向の端部寄りにX方向に形成された支持部20に支持されながら、例えば、不図示のモータ等の駆動源と歯車減速機構等との組み合わせにより、第2固定センサ13に平行のX方向に小包Pの存在する全部の範囲を移動される。すなわち、移動センサ15は、第2固定センサ13が検出した範囲内において、第2の端部N4の位置を検出する。このとき、移動センサ15は、小包Pに対してY方向に検出光を照射し、小包Pに衝突して反射してきた反射光によって小包Pの存在を検出する。制御部16は、移動センサ15からの反射光が帰ってきている状態から帰ってこなくなった境界を測定点としている。ここで、移動センサ15は、第2固定センサ13により計測された概算値に近づくまでの間は、高速モードに設定されることによりX方向に高速で移動される。その後、移動センサ15は、第2固定センサ13により計測された概算値に近づいた時点で高速モードから低速モードに設定変更されることによりX方向に低速で移動される。そして、制御部16は、低速モードで移動中の移動センサ15において反射光が帰ってこなくなった境界を測定点として、その位置データを演算する。すなわち、制御部16は、第2固定センサ13が範囲Q2を検出した場合に、範囲Q2内において、範囲Q2の両側の端点R3及び端点R4のうち、第2の端部N4に近い方の端点R4に対応する位置まで、移動センサ15を、検出動作を行わせることなく移動させた後に、範囲Q2内において第2の端部N4の位置を検出させる制御を行う。移動センサ15は、本発明の「第2の検出部」の一例であってもよい。
【0034】
載置台11には、底面の四角の脚部21にロードセル22が内装されている。ロードセル22は、制御部16に電気的に接続されている。そのため、ロードセル22によって小包Pの重量を測定することができる。ロードセル22は、本発明の「計測素子」の一例であってもよい。
【0035】
図2に示すように、第2固定センサ13と、第3固定センサ14とは、載置面18上に、測定原点Mを設定する。そのため、小包Pは、−Y方向に第2固定センサ13及び第3固定センサ14に当接されるとともに、−X方向に第3固定センサ14に当接されることにより測定原点Mを基準として測定される。
【0036】
タブレット機器17は、制御部16に無線接続されており、ハンディーであって料金を決める担当者が手で持って使用する。タブレット機器17には、料金解析ソフトウェアがあらかじめ搭載されているために、制御部16によって算出された長さ情報及び事前に入力されている送付先や送付条件等の他のデータとにより、自動で料金を算出する。タブレット機器17は、算出した料金を表示部23に表示することにより、担当者によって、その料金を小包Pの依頼人に伝えるのに使用される。
【0037】
制御部16は、算出部24を内蔵しており、一般的な100V交流電源や充電式等のバッテリーを電源としている。制御部16は、各固定センサ12、13、14の各反射センサ単位センサ列S1、S2、S3の途中の位置で小包Pを検出しない状態である場合、各反射センサ単位センサ列S1、S2、S3の両端の検出を優先して小包Pの寸法を検出する。すなわち、制御部16は、例えば、小包Pに凹みがあって各固定センサ12、13、14からの検出光が反射しなかったり、小包Pが黒色であって各固定センサ12、13、14からの検出光が反射しなかったりした場合でも寸法を検出することができる。
【0038】
図3は、第1固定センサ12の正面図を示す。図3に示すように、第1固定センサ12の反射センサ単位センサ列S1は、X方向に、位置D0、位置D1、位置D2、位置D3、位置D4、位置D5、位置D6、位置D7、位置D8、位置D9、位置D10、に配置されている。位置D0からD10は、例えば、25mmのピッチ長さL3を有し、位置D10は、測定原点Mから、例えば、325mmの長さ寸法L4だけ離れて配置されている。そのため、算出部24は、第1固定センサ12の反射センサ単位センサ列S1の検出位置にピッチ長さL3を乗算した概算値を算出する。なお、他の、第2固定センサ13、第3固定センサ14も第1固定センサ12と同様の構成を有するために、それらの説明は省略する。
【0039】
図4は、計測装置100の測定動作を説明する平面図を示す。図4に示すように、まず、計測装置100を起動させた後に、小包Pを載置面18上に載せ、各固定センサ13、14に当接させる。これにより、小包Pは、載置面18上の測定原点Mを基準として所定位置に位置決めされる。すると、各固定センサ12、13、14が駆動されることにより、制御部16は、第1固定センサ12によってY方向の幅寸法L1の概算値が得られ、第2固定センサ13によってX方向の長さ寸法L2の概算値が得られ、第3固定センサ14によってZ方向の高さ寸法L3の概算値が得られる。制御部16は、Y方向、X方向、Z方向の概算値を演算して概算寸法を得る。
【0040】
同時に、移動センサ15は、第2固定センサ13により計測されたX方向の長さ寸法L2の概算値に近づくまでの間に高速モードでX方向に高速で移動され、その後、第2固定センサ13により計測されたX方向の長さ寸法L2の概算値に近づいた時点C1で高速モードから低速モードに変更されてX方向に低速で移動される。そして、制御部16は、低速モードで移動中の移動センサ15において反射光が帰ってこなくなった境界点C2を測定点として、その位置データを演算し、正確な計測値を取得する。移動センサ15は、Y方向、Z方向にも取り付けられており、Y方向の長さ寸法L1、Z方向の長さ寸法L3の正確な計測値を取得する。
【0041】
ここで、図1に示すように、第2固定センサ13は、範囲Q2を検出し、移動センサ15は、範囲Q2内において、範囲Q2の両側の端点R3及び端点R4のうち、第2の端部N4に近い方の端点R4に対応する位置まで、検出動作を行うことなく移動した後に、範囲Q2内において第2の端部N4の位置を検出する。このとき、算出部24は、第2固定センサ13の検出結果により、範囲Q2内において第2の端部N4の位置を算出する。具体的に、算出部24は、第2固定センサ13の検出結果により、小包Pが存在する範囲Q2と小包Pが存在しない範囲Q4との境界を判別し、境界の前後の第2固定センサ13のデータから小包Pの寸法を算出する。そして、制御部16は、ロードセル22によって計測された重量値を得る。
【0042】
つまり、移動センサ15は、概略値に近い値に相当する位置C1まで高速で移動され、位置C1に近づくと、高速モードから低速モードに切り換られて移動を続ける。そして、制御部16は、移動センサ15において反射光が帰ってこなくなった境界位置C2を測定点として、その位置データを演算して計測値を算出する。そのため、制御部16は、移動センサ15によって得られたL1、L2、L3の正確な計測値と、ロードセル22によって計測された重量値と、の算出結果をタブレット機器17に転送し、作業者は、タブレット機器17の表示部23に表示された小包Pの料金を小包Pの依頼人に伝える。
【0043】
以上説明したように、本実施形態の計測装置100によれば、第2固定センサ13は、小包Pの長さ方向の検出方向における、小包Pの基準となる第1の端部N3に対して、それとは反対側に位置する第2の端部N4が位置する範囲Q2を検出し、移動センサ15は、第2固定センサ13が検出した範囲Q2内において、第2の端部N4の位置を検出する。従って、計測装置100は、小包Pの寸法を、短時間にて測定することができる。
【0044】
また、計測装置100によれば、制御部16は、第2固定センサ13が範囲Q2を検出した場合に、範囲Q2の両側の第1の端部N3の端点R3及び第2の端部N4の端点R4のうち、第2の端部N4に近い方の端点R4に対応する位置まで、移動センサ15を、検出動作を行わせることなく移動させた後に、範囲Q2内において第2の端部N4の位置を検出させる制御を行う。従って、制御部16は、最小限の電力をセンジングに用いて省エネな計測を行うことができる。
【0045】
また、計測装置100によれば、算出部24は、第2固定センサ13の検出結果により、小包Pが存在する範囲Q2と小包Pが存在しない範囲Q4との境界を判別し、境界の前後の第2固定センサ13のデータから小包Pの寸法を算出する。従って、算出部24は、小包Pの正確な寸法を算出できる。
【0046】
また、計測装置100によれば、載置面18上に載せた小包Pを、各固定センサ13、14に当接させることにより、小包Pを、載置面18上の測定原点Mを基準として所定位置に位置決めできる。
【0047】
また、計測装置100によれば、第3固定センサ14を収納位置A2に折り畳むことにより、計測装置100は、突出物のないコンパクトな外形にされて、容易に持ち運びすることができる。
【0048】
また、計測装置100によれば、ロードセル22により、小包Pの寸法の測定と同時的に重量の測定を行うことができる。
【0049】
また、計測装置100によれば、ロードセル22による重量計測の際に、第2固定センサ13を載置面18から飛び出さない位置に収納することにより、小包Pを安定的に載置できる平坦な載置面18を形成できる。
【0050】
次に、第2の実施形態について図5を参照しながら説明するが、第1の実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。図5は、第2の実施形態に係る計測装置300の測定動作を説明する平面図を示す。図5に示すように、計測装置300は、3個の、第1移動センサ31と、第2移動センサ32と、第3移動センサ33と、を備える。各移動センサ31、32、33は、制御部16に電気的に接続された反射センサであって、載置台11の−Y方向の端部寄りにおいてX方向に間隔を置いて並べて取り付けられている。各移動センサ31、32、33は、載置台11の−Y方向の端部寄りにX方向に形成された支持部20に支持されながら、X方向に独立して移動される。このとき、第1移動センサ31は、測定範囲の一部である測定原点Mから第1境界点E1までを測定範囲としている。第2移動センサ32は、第1境界点E1に続く測定範囲の続きの一部である第1境界点E1から第2境界点E2までを測定範囲としている。第3移動センサ33は、第2境界点E2に続く測定範囲の残りの一部である第2境界点E2から載置台11のX方向の端部の第3境界点E3までを測定範囲としている。
【0051】
計測装置300は、小包PのX方向の長さ寸法L2を計測するに際し、第2固定センサ13により計測された概算値が、第1移動センサ31の測定範囲を超えており、且つ、第2移動センサ32の測定範囲を超えている場合、第1移動センサ31及び第2移動センサ32は不動となり、第3移動センサ33のみが第2境界点E2から、X方向に低速で移動される。このとき、算出部24は、各境界点E1、E2、E3を測定範囲とする各移動センサ31、32、33のデータと各移動センサ31、32、33の位置データとから小包Pの寸法を算出する。そして、制御部16は、第3移動センサ33において反射光が帰ってこなくなった第4境界点E4を測定点として、その位置データを演算して計測値を算出する。
【0052】
本実施形態の計測装置300によれば、小包Pの寸法に応じ、概略値に近い各移動センサ31、32、33のうちの一つだけを移動させるために、計測時間の大幅な短縮を図れるとともに、連続して電力を使用しないので、消費電力の大幅な減少を図ることができる。
【0053】
なお、計測装置は、前述し各実施形態に限定するものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【0054】
例えば、各固定センサは、図示した3個に限定されず、少なくとも1個でよい。
【0055】
また、反射センサ単位センサ列は、図示した数に限定されず、コストを考慮した数を選択するのが良い。
【0056】
また、ロードセルに代えて、バネ式や電磁式の重量測定機構を用いてもよく、ロードセルの数については、コストを考量して、少なくとも1個であればよく、2個、3個、4個であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
100、300 計測装置
11 載置台
12 第1固定センサ
13 第2固定センサ
14 第3固定センサ
15 移動センサ
16 制御部
17 タブレット機器
18 載置面
19 支持台
20 支持部
21 脚部
22 ロードセル
23 表示部
24 算出部
31 第1移動センサ
32 第2移動センサ
33 第3移動センサ
A1 計測位置
A2 収納位置
C1 時点
C2 境界点
D0、D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7、D8、D9、D10 位置
E1 第1境界点
E2 第2境界点
E3 第3境界点
E4 第4境界点
M 測定原点
N1、N3、N5 第1の端部
N2、N4、N6 第2の端部
P 小包
Q1、Q2、Q3 範囲
R3、R4 端点
S1、S2、S3 単位センサ列
図1
図2
図3
図4
図5