特許第6238365号(P6238365)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238365
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】公共空間に配置することができる座席
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/62 20060101AFI20171120BHJP
   A47C 13/00 20060101ALI20171120BHJP
   B61D 33/00 20060101ALI20171120BHJP
   B61D 37/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   A47C7/62 Z
   A47C13/00 B
   B61D33/00 E
   B61D37/00 D
   B61D37/00 F
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-527708(P2014-527708)
(86)(22)【出願日】2012年9月3日
(65)【公表番号】特表2014-531229(P2014-531229A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】FI2012000036
(87)【国際公開番号】WO2013030431
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2015年9月3日
(31)【優先権主張番号】20115865
(32)【優先日】2011年9月2日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】514052313
【氏名又は名称】ゴースリープ オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】ピースパネン ユシ
(72)【発明者】
【氏名】コイッカライネン エスコ
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−312470(JP,A)
【文献】 特開平06−200642(JP,A)
【文献】 特開平11−081723(JP,A)
【文献】 特開2006−061309(JP,A)
【文献】 実開昭55−153971(JP,U)
【文献】 実開平02−023661(JP,U)
【文献】 実開平03−009652(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0066121(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0209417(US,A1)
【文献】 米国特許第05177912(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/62
A47C 13/00
B61D 33/00
B61D 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席であって、
座部(1)と、
前記座部(1)に対して角度を調整することができる背もたれ(3)と、
固定された座席本体(25)と、
接合アタッチメント(6)によって前記背もたれ(3)及び前記座席本体(25)に取り付けられて、モータ(12)によって伸縮し、前記背もたれ(3)を回転させる機構(9)と、
使用料金を徴収するための装備と、
休息用空間を覆う装備であって、前記座席の後方から前方に動かすことができる幅のカバー装置(16)を含み、このカバー装置(16)は、必要とされる休息用空間が前記カバー装置(16)の下に形成される高さで前記座席の両側に設置された制御要素(7)を含む、前記休息用空間を覆うための装備と、を有し、
前記座席は、前記使用料金の支払いを認識するように調整されると共にそのことに基づいて前記座席を動かして休息用空間にすることを可能にするように調整された制御ユニット(27)を有し、前記休息用空間内で、ユーザの物品を保持する収納室(19)が保護され、前記休息用空間は、前記カバー装置(16)で閉ざすことができ、
前記制御ユニット(27)は、支払われた分の使用時間が終了すると、前記カバー装置(16)を前記休息用空間を閉ざす位置から開放する方向に動かすように調整されるものであり、
前記制御要素(7)は、カバー装置用の溝(7)を含み、この溝(7)によって、前記カバー装置(16)は、開放状態のときに一部は前記座席の背もたれ側の下まで後方に動くことができ、また、閉ざされた状態になるまで前方に動くことができることを特徴とする座席。
【請求項2】
壁際はドア(29)の後ろに配置することができる座席であって、
横方向に倒して着座面/休息用座面(30)にすることができる座部(30)と、
垂直方向に配置された背もたれ(31)と
使用料金を徴収するための装備と、
休息用空間を覆うための装備であって、前記座席の後方から前方に動かすことができる幅のカバー装置を含み、このカバー装置は必要とされる休息用空間が前記カバー装置の下に形成される高さで前記座席の両側に設置された制御要素(7)を含、前記休息用空間を覆うための装備と、を有し、
前記座席は、前記使用料金の支払いを認識するように調整されると共にそのことに基づいて前記座席を動かして休息用空間にすることを可能にするように調整された制御ユニット(27)を含み、前記休息用空間内で、ユーザの物品を保持する収納室(19)が保護され、前記休息用空間は、前記カバー装置で閉ざすことができ、
前記制御ユニット(27)は、前記ドア(29)に取り付けられており、このドア(29)によって前記使用料金の課金が行われ、前記座部(30)は、支払った分の時間にわたって下に倒されたままになり、
前記制御要素(7)は、前記ドア(29)に取り付けられた制御溝(7)を含み、この制御溝(7)は、壁に近接して且つ上方に配置された機構(34)から出てくる前記カバー装置を制御し、このカバー装置を引き出して、後部(34)及び前記ドア(29)により形成される休息用空間を覆うことができることを特徴とする座席。
【請求項3】
前記カバー装置(16)は、作動装置(14)を含み、この作動装置(14)は、前記モータ(12)によるストラップ(22)の回転によって回転されるものである請求項記載の座席。
【請求項4】
前記座席が前記休息用空間にあるときには、前記収納室(19)が前記座部(1,30)の下に形成され、前記収納室(19)にアクセスすることができない請求項1又は2に記載の座席。
【請求項5】
ユーザが落としがちな物品を回収する桶形装置をさらに有しこの桶形装置は、前記(座部(1)と前記背もたれ(3)との間、及び、前記座席の側部に配置された本体部分の間に落下した物品を回収する桶(28)又は特定の場所に導く誘導プレートを備えている請求項1記載の座席。
【請求項6】
前記座席は、互いに距離をおいて配置された側部本体として機能する垂直プレート要素(11)を備え、前記プレート要素(11)同士、前記座席本体(25)によって下部で互いに取り付けられている請求項1記載の座席。
【請求項7】
前記座席は、際に配置され、この壁に近接して機構(34)が配置され、前記座部(30)は、前記ドア(29)が90°開いた状態で、前記ドア(29)の後ろから出て、前記壁から下方に倒すことができて前記休息用座面としての役割を果たす請求項2記載の座席。
【請求項8】
前記カバー装置(16)は、ホイール(14、15)の回転により作動するものである請求項1記載の座席。
【請求項9】
前記カバー装置(16)のモータ(12)は、前記座席の下部に配置され、前記カバー装置(16)を動かすためのストラップ(22)が、サイドカバー(23)の内側の垂直プレート要素(11)の外側に配置される請求項1記載の座席。
【請求項10】
前記座席の前記制御ユニット(27)に属する機構は、接合アーム及びバー(21)を備え、この接合アーム及びバー(21)は、前記座席の幅及び前記収納室(19)を最大にするために垂直プレート要素(11)の外側に配置される請求項1記載の座席。
【請求項11】
前記休息用空間への空気循環、前記カバー装置(16)の通気性材料により整えることができ、及び/又は、前記座席の前側且つ下方に位置する穴(26)によって作り出される請求項記載の座席。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公共の場所に配置することができるコンバーチブル座席に関し、この座席は、座部と背もたれとを含み、この背もたれは座部に対して回転させることができ、該座席は、座席を本質的に水平面に変換して休息用座面にさせるための機構と、ユーザの物品を守るための装備と、使用料金を徴収するための装備と、少なくとも休息用座面に変えられた座席を覆って少なくとも部分的に閉ざされた休息用空間にするための装備とを含み、ここで、休息用の空間を覆うための装備は、座席の後部から前方に動かすことができる標準的な幅のカバー装置を含み、このカバー装置は、必要とされる休息用空間がカバー装置の下に形成される高さで座席の両側に設置された制御要素を含む。
【背景技術】
【0002】
上記の序文に従う座席は、特許文献1から既に知られている。特許文献1には、休息用座面に変換することができる座席に関連したスクリーンが示されており、このスクリーンは、ばねで引っ張られてロール状に巻き取られた状態で座席の後部に配置されている。スクリーンをロールから引き出して、座席を部分的に覆うことができる。スクリーンは、空気で加圧することにより剛性にすることができる。この装備は、操作パネルを含み、この操作パネルにより、座席を倒して水平面にすることができ、持ち上げて着座位置にすることもできる。スクリーンは、人の上半身のみを覆うことを意図しているのでかなり小さい。提示された解決法にスクリーン用の支持体は示されていないので、スクリーンをそれ以上大きくすることはできない。
【0003】
特許文献1による座席の欠点は、サイズが比較的大きいにもかかわらず、ユーザが、主としてその人の顔しか覆わないどちらかといえば小さい被覆面積でしか保護されないことである。ユーザの身体は大部分が覆われないままであり、物品用の保護空間も施錠空間も存在しない。空気により補剛することができる可撓性スクリーンの取り付けはかなり弱いので、先端部が簡単に持ち上がってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−061309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の欠点を解消するために、独立請求項1及び独立請求項2に示す特徴を有する新しいコンバーチブル座席を開発した。本発明の他の実施形態は、従属請求項に示される。
【0006】
本発明によるコンバーチブル座席の利点は、可動の保護装置によって休息用空間の開放した上部を覆うことができる場合に達成できる十分なプライバシー保護である。休息用空間への空気循環は、覆われた領域であるにもかかわらず、座席の下部に位置する穴を通して、例えばカバー装置の通気性材料により整えることができる。座席は電化されており、その使用に課金することができる。この座席はまた、座席が休息用空間にあるときにはアクセスできない収納室を含む場合に安全に使用できる。ユーザに関しては、支払った分の時間が終了すると、制御ユニットで制御されたカバー装置が動いて開放状態になることもまた安全である。座席は、ホール区域/その内、壁際、又は開放可能なドアの後ろに配置することができる。
以下で添付の図面を参照することによって、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】側面部分を除去した状態で座席を横から見た側面図を示す。
図2】休息用位置に変換された図1の座席を示す。
図3】斜めから見た座席の本体部分を示す。
図4】反対側から見た座席の本体部分を示す。
図5】カバー装置の作動機構を示す。
図6】カバー装置が閉じた状態の、本発明による座席の外観モデルを示す。
図7】座席を壁際に配置することができる本発明による座席を示す。
図8】着座面/休息用座面が横向きになった図7の座席を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
着座位置にあるコンバーチブル座席を図1に示し、図1では座席の主要部が見えている。座席は、座部1及び背もたれ3で形成される。さらに、座席は、座部1の延長部2を含み、この延長部は、背もたれ3が倒れて水平面になると、水平面になる。背もたれ3は、モータによって伸縮する機構9によって回転する。機構9は、接合アタッチメント6によって背もたれ3及び座席本体25に取り付けられている。座部1の下には、手荷物5を置くトランクがある。座席は足部4を含む。閉ざされた休息用空間を形成するカバー装置用の溝7が設けられ、この溝によって、カバー装置は、開放状態のときに一部は座席の下まで後方に動くことができ、また、閉ざされた状態になるまで前方に動くことができ、そのときカバー装置の先端部は隙間26に達する。座席の後部には支持プレート8が設けられ、この支持プレートは、カバー装置が前方に動いて休息用空間を閉ざした状態になったときには、同時に後部の保護部にもなる。図1には制御センター27も示されており、そこには、支払を実行する装置と、例えば座席を倒して休息用空間にすることを選択するか又は着座位置若しくは中間位置にすることを望む場合の機能を選択するスイッチとが設けられる。ヘッドフォン及びラジオ及び/又は音楽の再生装置を制御センター27に接続することができる。
【0009】
休息用位置に変換された図1の座席を図2に示し、ここで、背もたれ3は、機構9の長さがモータによって短くなったときに倒されて水平面になっている。同時に、座部1の延長部2も水平面になっている。カバー装置は、溝7の中にあって座席上方の領域を隙間26からプレート8まで覆う。
【0010】
図3及び図4には座席の本体部分が示され、ここで、垂直プレート要素11は、互いに距離をおいて配置された側部本体として機能する。プレート要素11同士は、固定の座席本体25によって下部で互いに取り付けられている。座部1の本体18、背もたれ3の本体、及び座部1の延長部の本体17は、可動の座席本体である。モータ12は、カバー装置16の作動装置14をストラップ22によって回転させる。カバー装置16の作動は、その両側でピンチロール14によって行われる。背もたれの本体13及び座部1の延長部2の本体17は、背もたれの回転運動が座部1の延長部2の回転運動としての役割も果たして作動するようにこれらを結合する、接合アーム及びバー21によって互いに接合されている。
【0011】
ユーザが落とすかもしれない物品を回収するための樋形装置を図3に示す。ユーザが用いる物品は、座部1と背もたれ3との間、及び側部に配置された本体部分の間に落下したり嵌まったりすることがある。これを防ぐ1つの方法は、可能性のある隙間の下で物品を回収する樋28を配置するか、又は、落ちた物品を容易に見つけることができる特定の場所に導く誘導プレートを配置することである。
【0012】
モータから導かれた動力伝達によるカバー装置16の作動の例を図5に示す。動力伝達ベルト22(図4)がホイール15を回転させ、支持ロール14がカバー装置16をホイール15に押し付ける。カバー装置16が可撓性材料で作られている場合、カバー装置16を動かすには単に摩擦力で十分である。摩擦力を高めるために、ある種のホイール14、15は、短いスパイク又は交差溝若しくは類似した交差ハンドルを含むことができる。
【0013】
図6は、閉ざされた休息用空間にある座席を示す。サイドカバー23は外すことができ、1つの実施形態において、サイドカバーは、異なる形態を有するように変更することもできる。
【0014】
図7は、壁際に配置される本発明による座席を示す。機構のための部分を表す部分34が、壁に近接して配置される。壁から下方に倒すことができて休息用座面としての役割も果たす座部30が、開いたドアの後ろから出てくる。ドア29は90°開き、そのとき座部30を下方に倒すことができる。制御溝7などの制御要素がドア29に取り付けられており、この制御溝が、上方に配置された機構室から出てくるカバー装置を制御し、このカバー装置を引き出して、後部34及びドア29により形成される休息用空間を覆うことができる。プレート32が座部30の表面上にヒンジ33によって取り付けられており、このプレートは、座部30が下方に倒されると、座部30の下に収納室19を形成するために図8に従って下方に倒される。制御ユニット27がドア29に取り付けられており、このドアよって使用料の課金が行われ、座部30は支払った分の時間にわたって下に倒されたままになる。同様に、休息用空間を覆うためにカバー装置を引き出すことができる。
【0015】
制御ユニット27は、座席が随意モードを有することを可能にする。支払いに対して座席として保持することができる。図1乃至図6の座席は、座部1を自動的に持ち上げて、支払いが無ければ着座できないようにすることができる。ユーザは、支払い後に背もたれ3の様々な角度を選ぶことができる。カバー装置は、背もたれ3がほぼ水平面まで倒されたときだけ引き出して背もたれの保護部とすることができる。図7及び図8による座席に関しては、カバー装置は、支払後は座席が使用されているときには常に引き出して保護部とすることができる。
【0016】
図1乃至図6による座席の側部本体の高さ、及びカバー装置16用の溝7が位置する高さは、この座席に関しても、着座位置が選択されているときでもカバー装置16を引き出して保護部とすることができるような高さにすることができる。
【符号の説明】
【0017】
1,30 座部
2 延長部
3,31 背もたれ
4 足部
5 手荷物
6 接合アタッチメント
7 制御要素、制御溝、又はガイドバー
8 支持プレート
9 機構
11 垂直プレート要素
12 モータ
16 カバー装置又は保護装置
19 収納室
21 接合アーム及びバー
22 ストラップ又は動力伝達部
26 隙間
27 制御ユニット
29 ドア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8