【実施例】
【0021】
ここで本発明を、以下の実施例および添付図面を参照して、より詳しく説明する。
実施例1:N-ペンチルピロリジンのC4ジ-四級体(diquat)の調製
初めに、以下の手順に従い、ペンタナールのピロリジンによる還元的アミノ化により、N-ペンチルピロリジンを調製する。
500mLのテトラヒドロフラン(THF)を、窒素ガス流を備えた1Lの吸引フラスコに入れた。31.9gのペンタナール(0.37M)および次に24.9gのピロリジン(0.35M)を該THFに混合した。該窒素流を止め、次いで100gのナトリウムトリアセトキシボロハイドライド粉末を、該溶液に5〜10g刻みで添加した。この添加の際、激しい攪拌を利用して、確実に該フラスコの底において該粉末が凝集しないようにし、また該懸濁液の効果的な混合を保証した。該ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド粉末の各添加後に、該粉末の次の添加に先立って均一なスラリーを形成するように、十分な時間を確保した。該粉末の全てを添加してしまったら、次いで該窒素流の流通を開始した。2日後、275gの24%水酸化カリウム(KOH)溶液を徐々に添加しつつ、該懸濁液を急冷することにより、生成物を仕上げた。次に、該生成物を、ペンタンを用いてこの溶液から抽出した。次に、その有機画分を分液ロートで集め、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、該アミン生成物を、減圧下で該THFおよびペンタン溶媒をロータリーエバポレータで処理することにより単離した。
【0022】
上記C4ジ-四級体を、N-ペンチルピロリジンと1,4-ジブロモブタンとの間の反応により形成した。20.0gのN-ペンチルピロリジン(0.14M)を、125mLのテフロン(登録商標)(Teflon)ライナー内の65mLのアセトニトリルに添加した。13.93gの1,4-ジブロモブタン(0.064M)を該混合物に添加した。次に、該ライナーに栓を施し、パール(Parr)スチールオートクレーブ内に封じ込め、また次に80℃にて4日間加熱した。次いで、固体沈殿を濾過により集め、またアセトンで洗浄した。このアセトンによる洗浄後に、追加の生成物が該濾液内に沈殿した。次いで、併合した固体をエーテルで洗浄し、また乾燥させた。清浄な生成物の全収量は18.8gであった。
1Hおよび
13C NMRは、この生成物が純粋であることを示した。次に、該ジブロミド塩を水に溶解し、これをダウエックス(Dowex) LC NGヒドロキシド型交換樹脂のカラムに通すことによりイオン交換処理して、ヒドロキシド型とした。該水性溶液の濃度は、0.1N塩酸(HCl)からなる標準溶液で滴定することにより決定した。
N-ペンチルピロリジンのC5およびC6ジ-四級体の塩は、同様な方法で、1,4-ジブロモブタンの代わりに、夫々1,5-ジブロモペンタンおよび1,6-ジブロモヘキサンを使用することにより調製した。
【0023】
実施例2:N-ペンチルピロリジンのC4ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
この合成は、上記N-ペンチルピロリジンのC4ジ-四級体のヒドロキシド-交換型(1,4-ジブロモブタンとN-ペンチルピロリジンとの反応により製造)を使用して実施した。55.1gの該ジ-四級体溶液([OH
-]=1.02mM/g)を、49.1gの1N KOHおよび22.4gの脱イオン水と混合した。1.59gのヒュームドアルミナを添加し、この混合物を十分に混合して、均一な懸濁液を生成した。次いで、41.6gのルドックス(Ludox) AS-40コロイド状シリカを、該懸濁液と混合した。この混合物をテフロン(登録商標)ライナー内に配置し、またオーバーヘッド攪拌機を備えた、300mL容量のパールオートクレーブ内に封じ込めた。該オーバーヘッド攪拌機は150rpmに設定した。得られたゲルを160℃にて4時間の期間に渡り加熱した。3日後に、サンプルを該オートクレーブから取出し(オンライン)、粉末X-線回折(XRD)分析のために仕上げした。この生成物は、専ら、2θ4.5度近傍に高強度のピークを持つ層状の相であり、痕跡量の超微細ZSM-5を含んでいた。この時点において、温度は150℃まで下げられた。150℃にて更に22時間後に、該生成物は、少量の層状不純物を含む超微細なZSM-5であった。更に2時間後、該生成物は純粋なZSM-5であった。
図2は3日目、完了の2時間前、および4日後の完了時点にとった、連続するサンプリング時点に係る粉末X-線パターンを比較したものである。
次いで、上記4日間の合成の生成物を濾過により回収し、少なくとも500mLの脱イオン水で洗浄し、アセトンで洗浄し、かつ60℃にて一夜、真空オーブン内で乾燥した。次いで、該ゼオライトをマッフル炉内で、窒素気流中で周囲温度乃至400℃の温度に、2時間の期間に渡り加熱し、この温度にて15分間維持し、該ガス流を空気に切換え、2時間の期間をかけて該温度を400℃から600℃に高め、温度600℃にて2時間維持し、次いで該炉を周囲条件まで冷却することにより焼成した。
図3は、該製造したままのおよび焼成した生成物の粉末XRDパターンを比較したものである。
【0024】
上記4日間の合成に係る製造したままの生成物に関する走査型電子顕微鏡(SEM)像を
図4に示す。また、これらの像は大部分の物質が結晶性であることを立証している。透過型電子顕微鏡(TEM)は、該結晶が、その端部において約20〜60nmの板状形態を持つ超微細の一次微結晶の形状にあることを示している。これら結晶の顕微鏡用の切片は、該粒子の厚みが100Å未満であることを示している。これら微結晶は凝集して、約1μmの平均サイズを持つ大きな二次粒子となっている。
上記4日間合成に係る焼成された生成物は、7.0gのゼオライトを、等質量の硝酸アンモニウム(7.0g)および10-倍質量の脱イオン水(70g)を含む溶液に添加することにより、イオン-交換処理してそのアンモニウム型とした。該スラリーをポリプロピレン製のビンに入れ、スチームボックス内で98℃にて一夜加熱した。次に、該ゼオライトを濾過し、少なくとも300mLの脱イオン水で洗浄した。該ゼオライトを、周囲温度乃至500℃にて2時間の期間に渡り焼成し、該温度にて4時間維持し、次いでこの炉を周囲条件近傍まで冷却することにより、該ゼオライトをその酸-型に転化した。t-プロット法による窒素の物理吸着データの解析は、該調製物が外部表面積124m
2/g、および微細孔容積0.13cc/g(内部表面積318m
2/g)を持つことを示した。
【0025】
実施例3:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
この合成は、N-ペンチルピロリジンの上記C5ジ-四級体のヒドロキシド-交換型(1,5-ジブロモブタンとN-ペンチルピロリジンとの反応により製造した)を用いて実施した。87.2gの該ジ-四級体の溶液([OH
-]=0.58mM/g)を、44.03gの1N KOHと混合した。1.05gのヒュームドアルミナを添加し、得られる混合物を十分に混合して、均一な懸濁液を製造した。次いで、37.7gのルドックスAS-40コロイド状シリカを、該懸濁液に混合した。この混合物をテフロン(登録商標)ライナー内に配置し、オーバーヘッド攪拌機を備えた300mL容量のパールオートクレーブ内に封じ込めた。該オーバーヘッド攪拌機を150rpmに設定した。得られたゲルを160℃まで4時間の期間をかけて加熱した。24時間後、該オートクレーブからサンプルを取出し(オンライン)、また粉末XRD解析のために仕上げした。該生成物は純粋な(XRDによる)超微細ZSM-5であった。
図5はこの生成物の粉末XRDを示す。
実施例4:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
5.21gの、実施例3で使用したジ-四級体溶液([OH
-]=0.58mM/g)を、2.63gの1N KOHと混合した。0.063gのスペクトラル(SpectrAl)ヒュームドアルミナ(カボット(Cabot)社)を添加し、またこの混合物を十分に混合して、均一な懸濁液を製造した。次いで、2.25gのルドックスAS-40コロイド状シリカを、該懸濁液に混合した。この混合物をテフロン(登録商標)ライナー内に入れ、また23mL容量のパールオートクレーブ内に封じ込めた。該オートクレーブを、150℃にてロティッセリー(rotisserie)を備えたオーブン内に配置し、50rpmにて転動させた。得られたゲルを24時間加熱し、次いで取出し、サンプリングした。次に、該オートクレーブをオーブン内に戻し、更に6時間加熱した。該生成物は、全体として30時間に及ぶ加熱の後には、幾分かの残留するアモルファス物質を含む超微細ZSM-5であった。
図6は、これら生成物の粉末XRDを示す。
【0026】
実施例5:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
実施例3を繰返した。但し、合成温度を130℃に維持した。24時間後に、該反応からサンプリングした。その生成物は、XRDによればアモルファスであった。2日後に、該生成物は依然として殆どアモルファスであったが、幾分かのZSM-5が出現した。次いで、全体として6日間の加熱後に、該反応から再度サンプリングした。その生成物のXRDは、これが純粋な超微細ZSM-5であることを示した。
図7は、加熱の1、2および6日後に採取されたサンプルに関する粉末XRDを示す。
実施例6:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
実施例3の方法の更なる4つの反復実験を行った。その第一実験においては、結晶化を160℃にて66時間実施し、一方第二および第三実験においては、結晶化を夫々150℃にて30時間および130℃にて5日間実施した。該第四実験においては、該シリカを添加する前に、上記混合物を160℃にて約45分間加熱することにより、ヒュームドアルミナを上記KOH/ジ-四級体溶液中に予め溶解した。次いで、結晶化を130℃にて7日間加熱し、引続き150℃にて6日間加熱することにより行った。結果を
図8に示す。これらの結果は、結晶化温度の低減が、該結晶の粉末XRDパターンにおけるピークのブロード化から推量される如く、著しく減じられた結晶サイズを持つ生成物の生成を結果することを明らかにしている。
【0027】
上記第四実験の生成物を、実施例1のように焼成し、また窒素物理吸着測定に供した。上記t-プロット法による該データの解析は、該生成物が内部表面積247m
2/g(微小孔容積0.107cc/g)および外部表面積370m
2/gを持つことを示した。該第四実験の生成物に係る
27Al MAS NMRスペクトルを
図9に与える。この図は、該焼成された生成物が、>95%の四面体アルミニウムを含むことを示す。対照的に、上記ヒュームドシリカを予備加熱することのない合成(実施例4を参照のこと)により得た生成物は、僅かに約10%の四面体アルミニウムを含む。
上記第四実験の生成物に係るSEM像を
図10に示す。
図11(a)および(b)におけるTEM像は、上記結晶の多くが伸長されており、その長さは一般には30nm未満でありまたその幅は10nm未満である。他のTEM像(
図11(c))は、
図11(a)および(b)における結晶よりも短い長さ(10〜20nm)を持つ、より等方的形状の結晶を示している。平均およびメジアン結晶長さは、夫々15および14nmであり、また該結晶の平均およびメジアン幅は、夫々8.2および8.0nmであった。
図11(d)は、第四実験の生成物に係るサンプルのミクロトーム処理された検体のTEM像を示す。該ミクロトーム処理された結晶の像は、該結晶の厚みを明らかにし、該結晶の寸法は、ここでは殆どの場合5〜7nmである。その平均およびメジアン厚は、夫々6.4および6.0nmであった。
図12の棒グラフは、結晶学的エッジ各々に関する結晶寸法の分布を示す。
【0028】
実施例7:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
5.21gの上記N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.58mM/g)と、2.63gの1N KOHとを、23-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。0.063gのスペクトラルヒュームドアルミナ(カボット)を該溶液に混合して、均一な懸濁液を製造した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLのオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で約45分間、転動条件(約50rpm)の下で160℃にて加熱して該アルミナの大部分を溶解させた。次に、該反応器を冷却し、また次いで2.25gのルドックスAS-40を該懸濁液に混合した。該ライナーに栓を施し、該23-mLのオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で8日間に渡り、転動条件(約50rpm)の下で160℃にて加熱した。次に、得られた固体をブフナー漏斗を通して濾過し、脱イオン水で洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することにより単離した。
図13(a)は、この生成物の粉末XRDを示す。
実施例8:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
実施例7の方法を繰返した。但し、上記製造由来の種結晶0.04gを添加し、また得られたゲルを8日間の代わりに全体で6日間に渡り加熱した。
図13(b)に示すその粉末XRDは、痕跡レベルのMCM-68を含む超微細ZSM-5である生成物と一致している。
【0029】
実施例9:N-ペンチルピロリジンのC6ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
3.51gの、上記N-ペンチルピロリジンのC6ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.86mM/g)と2.63gの1N KOHとを、23-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。0.063gのスペクトラルヒュームドアルミナ(カボット)を該溶液に混合して、均一な懸濁液を製造した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLのオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で約45分間、転動条件(約50rpm)の下で160℃にて加熱して該アルミナの大部分を溶解させた。次に、該反応器を冷却し、また次いで2.25gのルドックスAS-40を該懸濁液に混合した。該ライナーに栓を施し、該23-mLのオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で9日間に渡り、転動条件(約50rpm)の下で125℃にて加熱した。次いで、得られた固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、脱イオン水で洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することによって単離した。
図13(c)は、この生成物の粉末XRDを示す。
上記ゼオライトを、窒素雰囲気の下で4℃/分にて周囲温度から400℃までマッフル炉内で加熱し、次いで空気中で4℃/分にて600℃まで加熱し、また空気中で600℃にて2時間維持した。該サンプルを周囲温度まで冷却した後、該ゼオライトを10-倍の質量の水に添加し、また等質量の硝酸アンモニウムを添加することにより、該サンプルをアンモニウム-交換処理した。該アンモニウム-交換体処理を、98〜99℃の温度にてスチームボックス内で一夜に渡り実施した。次いで、該ゼオライトを濾別し、また脱イオン水で徹底的に洗浄して、過剰量の塩を除去した。次に、該ゼオライトを500℃まで焼成して、該ゼオライトの完全な酸型を得た。窒素の物理吸着のためのt-プロット法による解析は、該サンプルが222m
2/gの外部表面積および0.14cc/gの微小孔容積(内部表面積:326m
2/g)を持つことを示す。
【0030】
実施例10:N-ペンチルピロリジンのC6ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
3.51gの、上記N-ペンチルピロリジンのC6ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.86mM/g)と0.15gの50%KOHとを、23-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。0.063gのスペクトラルヒュームドアルミナ(カボット)を該溶液に混合して、均一な懸濁液を製造した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で約45分間、転動条件(約50rpm)の下で160℃にて加熱して、該アルミナの大部分を溶解させた。次に、該反応器を冷却し、また次いで2.25gのルドックスAS-40を該懸濁液に混合した。実施例7からの種結晶0.04gを添加した。次に、該ライナーに栓を施し、該23-mLのオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で14日間に渡り、転動条件(約50rpm)の下で125℃にて加熱し、次いで140℃にて更に4日間加熱した。次に、得られた固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、脱イオン水で洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することにより単離した。この生成物の粉末XRDを
図13(d)に示す。
実施例11:N-ペンチルピロリジンのC6ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
3.51gの、上記N-ペンチルピロリジンのC6ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.86mM/g)と2.63gの1N KOHとを、23-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。0.097gのアルコア(Alcoa)-C31アルミナ三水和物を該溶液に混合して、均一な懸濁液を製造した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で約45分間、転動条件(約50rpm)の下で160℃にて加熱して、該アルミナを溶解させた。次に、該反応器を冷却し、また次いで2.25gのルドックスAS-40を該懸濁液に混合した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLのオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で7日間に渡り、転動条件(約50rpm)の下で140℃にて加熱した。次に、得られた固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、脱イオン水で洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することにより単離した。この生成物の粉末XRDを
図13(e)に示す。
【0031】
実施例12:N-ペンチルピロリジンのC6ジ-四級体を用いたボロシリケートZSM-5の合成
3.51gの、上記N-ペンチルピロリジンのC6ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.86mM/g)と2.63gの1N KOHとを、23-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。次に、0.046gのホウ酸を、該ヒドロキシド溶液中に溶解させた。次いで、2.25gのルドックスAS-40を添加し、混合して、均一な懸濁液を製造した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLのオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で9日間に渡り、静的条件の下で100℃にて加熱した。次に、得られた固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、脱イオン水で洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することにより回収した。この生成物の粉末XRDを
図14(a)に示す。
実施例13:N-ペンチルピロリジンのC6ジ-四級体を用いたボロシリケートZSM-5の合成
実施例12の方法を、転動条件(50rpm)の下で6日間に渡り125℃にて繰り返した。
図14(b)は、この生成物の粉末XRDを示す。
実施例14:N-ペンチルピロリジンのC6ジ-四級体を用いた全シリカ(All Silica)ZSM-5の合成
3.51gの、上記N-ペンチルピロリジンのC6ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.86mM/g)と2.63gの1N KOHとを、23-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。次いで、2.25gのルドックスAS-40をこの懸濁液に混合した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLのオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で4日間に渡り、静的条件の下で100℃にて加熱した。次に、得られた固体を遠心分離処理に掛け、3回洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することにより単離した。この生成物の粉末XRDを
図14(c)に示す。
【0032】
実施例15:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いた全シリカZSM-5の合成
4.92gの、上記N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.61mM/g)と2.63gの1N KOHとを、23-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。次いで、2.25gのルドックスAS-40をこの懸濁液に混合した。次に、該ライナーに栓を施し、該23-mLのオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で5日間に渡り、静的条件の下で100℃にて加熱した。次いで、得られた固体を遠心分離処理に掛け、3回洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することにより単離した。この生成物の粉末XRDを
図14(d)に示す。
実施例16:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたBZSM-5の合成
4.92gの、上記N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.61mM/g)と2.63gの1N KOHとを、23-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。次いで、0.046gのホウ酸を、該ヒドロキシド溶液中に溶解させた。次に、2.25gのルドックスAS-40をこの懸濁液に混合した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLのオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で13日間に渡り、転動条件(50rpm)の下で125℃にて加熱した。次に、得られた固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、脱イオン水で洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することによって単離した。この生成物の粉末XRDを
図14(e)に示す。
【0033】
実施例17:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたBZSM-5の合成
実施例16の方法を繰返したが、得られた反応混合物は、140℃にて11日間加熱した。
図14(f)はこの生成物の粉末XRDパターンを示す。
実施例18:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
4.93gの、上記N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.61mM/g)と2.63gの1N KOHとを、23-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。0.063gのスペクトラルヒュームドアルミナ(カボット)を該溶液に混合して、均一な懸濁液を製造した。次に、該ライナーに栓を施し、該23-mLオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で約45分間、転動条件(約50rpm)の下で160℃にて加熱して、該アルミナの大部分を溶解させた。次に、該反応器を冷却し、また次いで2.25gのルドックスAS-40を該懸濁液に混合した。次いで、実施例7からの種結晶0.04gを添加した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLのオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で3日間に渡り、転動条件(約50rpm)の下で175℃にて加熱した。次いで、得られた固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、脱イオン水で洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することにより単離した。粉末XRDは、この生成物がZSM-5とMCM-68との混合物であることを示した。
【0034】
実施例19:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
実施例18の方法を繰返した。但し、僅かに0.032gのヒュームドアルミナを添加し、また得られた反応混合物を、熱対流炉内で9日間に渡り、転動条件(約50rpm)の下で160℃にて加熱した。
図15(a)は、この生成物の粉末XRDを示す。
実施例20:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
3.95gの、上記N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.76mM/g)と、2.63gの1N KOHおよび0.88gの脱イオン水とを、23-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。0.015gのスペクトラルヒュームドアルミナ(カボット)を該溶液に混合して、均一な懸濁液を製造した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で約45分間、転動条件(約50rpm)の下で160℃にて加熱して、該アルミナの大部分を溶解させた。次に、該反応器を冷却し、また次いで2.12gのルドックスAS-40を該懸濁液に混合した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で11日間、転動条件(約50rpm)の下で110℃にて加熱した。次に、得られた固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、脱イオン水で洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することにより単離した。
図15(b)における粉末XRDパターンは、純粋で超微細なZSM-5である生成物と一致している。
【0035】
実施例21:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
35.96gの、上記N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.76mM/g)と、23.91gの1N KOHおよび11.4gの脱イオン水とを、125-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。0.57gのスペクトラルヒュームドアルミナ(カボット)を該溶液に混合して、均一な懸濁液を製造した。次いで、該ライナーに栓を施し、該125-mLオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で約45分、転動条件(約50rpm)の下で160℃にて加熱して、該アルミナの大部分を溶解させた。次に、該反応器を冷却し、また次いで20.45gのルドックスAS-40を該懸濁液に混合した。次に、該ライナーに栓を施し、該125-mLオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で7日間、転動条件(約50rpm)の下で150℃にて加熱した。次に、得られた固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、脱イオン水(約1L)で徹底的に洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することにより単離した。
図15(c)における粉末XRDパターンは、超微細なZSM-5である生成物と一致している。
【0036】
実施例22:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
3.95gの、上記N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.76mM/g)と、2.63gの1N KOHおよび0.90gの脱イオン水とを、23-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。2.08gのルドックスAS-40および0.13gのメタカオリン(ヌシーン(Nusheen))を該溶液と混合した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で3日間、転動条件(約50rpm)の下で140℃にて加熱した。次に、得られた固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、脱イオン水で洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することにより単離した。
図15(d)における粉末XRDパターンは、上記メタカオリン反応体由来のアナターゼ不純物(2θ約25.2度にピークを持つ)を痕跡レベルで含むZSM-5である生成物と一致している。該生成物のSEM像を
図16に示す。該生成物は、大きさ1μm未満の回転楕円体型多結晶質凝集体で構成されている。個々のこれら微結晶の大きさは、該SEM像の解像度内で解像することは不可能である。該最低倍率の像において、少数のフレークが観測でき、これらは幾分かの未反応のメタカオリンによるものである。未反応のメタカオリンの存在は、
27A1 MAS NMR(
図17)によって立証され、該図は該製造したままの生成物のアルミニウムの約27%が非-四面体であることを示している。
【0037】
実施例23:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
実施例22の方法を繰返した。但し、僅かに0.065gのメタカオリンを使用し、またこの反応は130℃にて3日間行った。
図15(e)における得られた生成物の粉末XRDは、実施例22由来の生成物に係るものよりも幾分より鮮明である。
図18は該生成物のSEM像を示す。該生成物の
27A1 MAS NMR(
図19)は、該メタカオリン反応体由来のアルミニウムの76%が、四面体型アルミニウムとして該生成物に組込まれていることを示す。
実施例24:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
実施例22の方法を再び繰返した。但し、僅かに0.033gのメタカオリンを使用し、またこの反応は130℃にて3日間行った。得られた生成物の粉末XRDのピーク(
図20(a))は、実施例22由来の生成物に係るものよりも幾分より鮮明である。該生成物のSEM像を
図21に示す。
実施例25:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
実施例22の方法を再び繰返した。但し、この反応は130℃にて4日間行った。得られた生成物の粉末XRDを
図20(b)に示す。
実施例26:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
実施例23の方法を繰返した。但し、この反応は120℃にて3日間行った。得られた生成物の粉末XRD(
図20(c))は、実施例23の生成物に関するものよりも、よりブロードである。
【0038】
実施例27:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
実施例24の方法を繰返した。但し、この反応は120℃にて3日間行った。得られた生成物の粉末XRD(
図20(d))は、実施例24の生成物に関するものよりもよりブロードである。該生成物を実施例9に記載の如く焼成した。
図20(e)は、この焼成された物質の粉末XRDパターンを示す。
実施例28:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
実施例23の方法を繰返した。但し、この反応は110℃にて6日間行った。
図22(a)は得られた生成物の粉末XRDパターンを示す。
実施例29:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
実施例24の方法を繰返した。但し、この反応は110℃にて6日間行った。
図22(b)は得られた生成物の粉末XRDを示す。
【0039】
実施例30:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
3.95gの、上記N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体のヒドロキシド溶液([OH]=0.76mM/g)と、2.63gの1N KOHおよび0.90gの脱イオン水とを、23-mLのスチール製パールオートクレーブ用テフロン(登録商標)ライナー内で混合することにより溶液を調製した。0.022gのスペクトラルヒュームドアルミナ(カボット)を該溶液に混合して、均一な懸濁液を製造した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で約30分間、転動条件(約50rpm)の下で160℃にて加熱して、該アルミナの大部分を溶解させた。次に、該反応器を冷却し、また次いで2.05gのルドックスAS-40および0.092gのメタカオリンを該懸濁液に混合した。次いで、該ライナーに栓を施し、該23-mLオートクレーブ内に封じ込め、また熱対流炉内で22日間、転動条件(約50rpm)の下で130℃にて加熱した。次に、得られた固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、脱イオン水で洗浄し、また100℃にてオーブン内で乾燥することにより単離した。粉末XRDは、この生成物が超微細結晶のZSM-5であることを示した。
実施例31:N-ペンチルピロリジンのC5ジ-四級体を用いたZSM-5の合成
実施例30の方法を繰返した。但し、僅かに0.015gのヒュームドアルミナおよび0.097gのメタカオリンを使用し、またこの反応は15日間行った。
図22(c)は、粉末XRDパターンを示す。2θ10〜15度のブロードな小丘は、粉末XRD測定のために使用したプラスチック製のサンプルホルダによる。
【0040】
本発明を特定の態様を参照して記載し、また説明してきたが、当業者は、本発明が必ずしも本明細書に説明されていない様々な変法に対して適していることを理解するであろう。即ち、この理由のために、本発明の真の範囲を決定するためには、添付した特許請求の範囲のみを参照すべきである。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕X-線回折パターンを有する結晶性モレキュラーシーブであって、該モレキュラーシーブが少なくとも以下の特徴:
(i) 2θ8.90(±0.30)度で最大値を有する第一のピーク、該ピークはバックグラウンドを超える強度ImaxAを有し、および2θ7.96(±0.30)度で最大値を有する第二のピークと交差して、バックグラウンドを超える強度IminAを有し、IminA/ImaxAの比が>0.33となるような極小値を形成しており;ならびに
(ii) 2θ24.0(±0.30)度で最大値を有する第三のピーク
を有する結晶性モレキュラーシーブ。
〔2〕前記第三のピークが、バックグラウンドを超える強度ImaxBを有し、および2θ23.2(±0.20)度で最大値を有する第四のピークと交差しており、該第三および第四ピークの交差が、バックグラウンドを超える強度IminBを有し、IminB/ImaxBの比が>0.90となるような極小値を形成する、前記〔1〕に記載のモレキュラーシーブ。
〔3〕100m2/gを超える外部表面積(窒素の物理吸着のためのt-プロット法により決定される)を有する結晶を含む、前記〔1〕または前記〔2〕に記載のモレキュラーシーブ。
〔4〕前記第三のピークがバックグラウンドを超える強度ImaxBを有し、および2θ23.2(±0.20)度で最大値を有する第四のピークと交差して、該第三および第四ピークの交差点で変曲点を示す複合ピークを形成する、前記〔1〕に記載のモレキュラーシーブ。
〔5〕IminA/ImaxAの比が少なくとも0.40である、前記〔1〕〜〔4〕の何れかに記載のモレキュラーシーブ。
〔6〕モレキュラーシーブがZSM-5の骨組構造を有する、前記〔1〕〜〔5〕の何れかに記載のモレキュラーシーブ。
〔7〕ZSM-5の骨組構造を有するモレキュラーシーブであって、該モレキュラーシーブが、窒素の物理吸着のためのt-プロット法により決定された100m2/gを超える外部表面積および2θ24.0(±0.30)度で最大値を有する複合ピークを有するX-線回折パターンを有する結晶を含み、該複合ピークはバックグラウンドを超える強度ImaxBを有し、および2θ23.2(±0.20)度で最大値を有する複合ピークと交差して、バックグラウンドを超える強度IminBを有し、IminB/ImaxBの比が>0.90となるような極小値を形成するモレキュラーシーブ。
〔8〕前記モレキュラーシーブが、200m2/gを超える外部表面積(窒素の物理吸着のためのt-プロット法により決定される)を有する結晶を含む、前記〔1〕〜〔7〕の何れかに記載のモレキュラーシーブ。
〔9〕ZSM-5の骨組構造を有するモレキュラーシーブであって、該モレキュラーシーブが、200m2/gを超える外部表面積(窒素の物理吸着のためのt-プロット法により決定される)、および2θ21.5〜26度の範囲内に単一の拡散した複合的特徴を有するX-線回折パターンを有する結晶を含むモレキュラーシーブ。
〔10〕前記モレキュラーシーブが、250m2/gを超える外部表面積(窒素の物理吸着のためのt-プロット法により決定される)を有する結晶を含む、前記〔1〕〜〔9〕の何れかに記載のモレキュラーシーブ。
〔11〕前記モレキュラーシーブが、その内部表面積を超える外部表面積(窒素の物理吸着のためのt-プロット法により決定される)を有する結晶を含む、前記〔1〕〜〔10〕の何れかに記載のモレキュラーシーブ。
〔12〕前記モレキュラーシーブが、550m2/gを超える全表面積(窒素の物理吸着のためのt-プロット法により決定される)を有する結晶を含む、前記〔1〕〜〔11〕の何れかに記載のモレキュラーシーブ。
〔13〕前記モレキュラーシーブが、モル関係:
X2O3:(n)YO2
(ここで、nは少なくとも約20であり、Xは三価の元素であり、およびYは四価の元素である)
を含む組成を有する、前記〔1〕〜〔12〕の何れかに記載のモレキュラーシーブ。
〔14〕Xがアルミニウムを含み、かつYがケイ素および/またはゲルマニウムを含む、前記〔11〕に記載のモレキュラーシーブ。
〔15〕有機化合物を含む供給原料を転化生成物に転化する方法であって、該方法が、有機化合物転化条件で、該供給原料を、活性形態の前記〔1〕〜〔14〕の何れかに記載のモレキュラーシーブ材料を含む触媒と接触させて、該転化生成物を形成する工程を含む方法。