特許第6238418号(P6238418)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6238418眼科手術用のための滅菌外科手術用ドレープ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238418
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】眼科手術用のための滅菌外科手術用ドレープ
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/40 20160101AFI20171120BHJP
   A61G 10/00 20060101ALI20171120BHJP
   A61F 9/007 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   A61B90/40
   A61G10/00 C
   A61F9/007 200Z
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-526610(P2015-526610)
(86)(22)【出願日】2013年8月5日
(65)【公表番号】特表2015-530897(P2015-530897A)
(43)【公表日】2015年10月29日
(86)【国際出願番号】US2013053652
(87)【国際公開番号】WO2014025702
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2016年7月29日
(31)【優先権主張番号】61/680,192
(32)【優先日】2012年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517357701
【氏名又は名称】アルコン ファーマシューティカルズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALCON PHARMACEUTICALS LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(72)【発明者】
【氏名】カーンズ ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】フーマヤン マーク
(72)【発明者】
【氏名】マッコーミック マシュー ティ.
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 仏国特許出願公開第02878428(FR,A1)
【文献】 特開昭59−181152(JP,A)
【文献】 特表2012−506291(JP,A)
【文献】 実開昭57−084912(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3159341(JP,U)
【文献】 国際公開第2005/074854(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0325704(US,A1)
【文献】 米国特許第8001632(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/40
A61F 9/007
A61G 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドレープであって、前記ドレープは第1穴部を含み、前記第1穴部は、少なくとも1つのアクセサリデバイスを前記第1穴部内に配置することおよび前記ドレープによって被覆された外科手術部位へアクセスすることを可能にする、ドレープと、
側リム、下側リムおよび4つの脚部を含むフレームであって、前記4つの脚部のそれぞれは、前記下側リムを第1ヒンジを用いて接続すると共に、前記上側リムを第2ヒンジを用いて接続し、前記フレームは、前記上側リムと前記下側リムとが互いに実質的に接触した折り畳み形態から前記上側リムと前記下側リムとが離れるように前記4つの脚部を立ち上がりロックした拡張形態へと折り畳むことのできる構成であり、前記フレームは、前記第1ヒンジ及び前記第2ヒンジにおける前記4つの脚部のそれぞれの回転により、折り畳み形態から拡張形態に動き、前記ドレープは、前記フレームへ接続されるように構成されて、内部外科手術用チャンバーを規定する、フレームと、
前記ドレープの第2穴部内に配置された電動ファンであって、前記電動ファンは、前記内部外科手術用チャンバー内に加圧空気の流れを生成するように構成され、前記電動ファンはフィルタを含み、前記フィルタは、前記加圧空気から汚染物質を除去するように構成される、電動ファンと、
前記下側リムに接続される外科手術トレイであって、前記ドレープは、前記外科手術トレイに接続され、前記外科手術トレイは、解放可能に前記ドレープへ取り付けられるように構成され、前記外科手術トレイは、前記電動ファンに電力を供給するための電源を含む、外科手術トレイと、
を含む、外科手術を行うためのデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つのアクセサリデバイスは顕微鏡を含む、請求項1のデバイス。
【請求項3】
前記電動ファンは、前記フレームの側部上に配置されるように構成される、請求項1のデバイス。
【請求項4】
前記電動ファンは、前記フレームの上部上に配置されるように構成される、請求項1のデバイス。
【請求項5】
前記電動ファンはエアーディレクターを含み、前記エアーディレクターは、前記電動ファンの気流の方向を調節するように構成される、請求項1のデバイス。
【請求項6】
前記ドレープは、少なくとも1つのスリットをさらに含む、請求項1のデバイス。
【請求項7】
前記外科手術トレイは、前記外科手術トレイの1つ以上の縁部に沿って前記ドレープと前記外科手術トレイとの間にシールを実質的に形成するようにさらに構成される、請求項のデバイス。
【請求項8】
前記外科手術トレイは、トレイ支持部へ接続されるように構成される、請求項のデバイス。
【請求項9】
前記トレイ支持部は支持バーを含み、前記外科手術トレイは、前記支持バーに接続されるように構成される、請求項のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願
本出願は、「眼科手術のための滅菌外科用ドレープ」と題され、2012年8月6日に出願された米国仮出願第61/680,192号の恩恵を主張し、参照することにより、そのデバイスに限定されず、滅菌外科手術用ドレープを対称とするシステムおよび方法を含むその全体が本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示の実施形態は、主に眼科手術に関し、より詳細には、滅菌眼科手術用ドレープシステムに関する。

説明
【0003】
新規技術の発展により、眼科手術のために多様な型および種類のドレープが開発されている。これらのドレープは典型的には、患者上に配置されて患者の皮膚へ付着する薄い材料からなる。眼科手術用ドレープは、まつげ、眉毛、鼻および口などの隣接する顔構造から手術部位を隔離することを支援する。この材料は一般的には、円形または矩形形状の切り欠き部を有し、この切り欠き部を通じて、例えば、医師、外科医または看護師などのユーザが眼を観察し、医療処置を行うことができる。医療処置における眼科手術用ドレープの使用にもかかわらず、医師および外科医は、滅菌術野の必要性に起因して医療処置を行うことができる時期および/または場所が制限される。滅菌野は一般的には、眼科手術を含む多数の医療処置のために確立される。一般的には、滅菌野とは、外科手術部位、並びに微生物を含まないとみなされる領域を特定する周囲領域を指す。このような滅菌野を用いることにより、手術時における眼への汚染物質の感染を回避することができる。従来の場合、医師または外科医は、病院内の高コストな滅菌手術室を予約することにより滅菌術野へアクセスするしかなかった。

要旨
【0004】
眼科手術用ドレープシステム技術の発展により、例えば、医師のオフィスや戦争環境における軍用手術室などの場所において、手術室の外の滅菌術野内において、例えば、眼科手術などの医療処置を行うことが可能となっている。
【0005】
一態様によれば、外科手術を行うためのデバイスは、穴部を含むドレープであって、穴部は、少なくとも1つのアクセサリデバイスを穴部内に配置させ、ドレープによって被覆された外科手術部位へアクセスすることを可能にするように構成されるドレープと、上側リム、下側リムおよび1つ以上の脚部を含むフレームであって、1つ以上の脚部は、フレームの下側リムを上側リムへ接続することができ、ドレープは、内部外科手術用チャンバーを規定するように、フレームへ接続されるように構成されるフレームと、ファンであって、ファンは、内部外科手術用チャンバー内に加圧空気を生成するように構成され、ファンはフィルタを含み、フィルタは、加圧空気を消毒するように構成されるファンを含む。いくつかの実施形態において、ファンは、フレームへ接続される。いくつかの実施形態において、ドレープは、フレームへ解放可能に接続される。いくつかの実施形態において、フレームは折り畳み式である。いくつかの実施形態において、1つ以上の脚部は、変形可能に構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのアクセサリデバイスは、顕微鏡を含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、ファンは、約0.5psiの加圧空気を生成するように構成される。いくつかの実施形態において、ファンは、約1psiの加圧空気を生成するように構成される。いくつかの実施形態において、ファンは、約2psiの加圧空気を生成するように構成される。いくつかの実施形態において、ファンは、内部外科手術用チャンバー中に空気を引き込むように構成される。いくつかの実施形態において、ファンは、フレームの側部上に配置されるように構成される。いくつかの実施形態において、ファンは、フレームの上部上に配置されるように構成される。いくつかの実施形態において、フィルタは、加圧空気から汚染物質を除去するように構成される。いくつかの実施形態において、ファンは、エアーディレクターを含み、エアーディレクターは、ファンの気流の方向を調節するように構成される。いくつかの実施形態において、ドレープは、少なくとも1つのスリットをさらに含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのスリットにより、少なくとも1つのファンによって生成された気流を排気するための出口が提供される。
【0007】
いくつかの実施形態において、デバイスは、外科手術トレイをさらに含み、ドレープは、外科手術トレイへ接続されるように構成され、外科手術トレイは、ドレープへ解放可能に取りつけられるように構成される。いくつかの実施形態において、外科手術トレイは、外科手術トレイの1つ以上の縁部に沿ってドレープと外科手術トレイとの間にシールを実質的に形成するように、さらに構成される。いくつかの実施形態において、外科手術トレイは、ファンへ電力を供給する電源を含む。いくつかの実施形態において、外科手術トレイは、ファンを制御する制御システムを含む。いくつかの実施形態において、ファンは、外科手術トレイ上に配置される。
【0008】
いくつかの実施形態において、ドレープは、外科手術患者プラットフォーム上に配置されるように、構成される。いくつかの実施形態において、外科手術トレイは、トレイ支持部へ接続されるように構成される。いくつかの実施形態において、トレイ支持部は、外科手術患者プラットフォームを取り囲む。いくつかの実施形態において、トレイ支持部は、外科手術患者プラットフォームに隣接する。いくつかの実施形態において、トレイ支持部は、支持バーを含み、外科手術トレイは、支持バーへ接続されるように構成される。
【0009】
本要旨の目的のために、本明細書中、本発明の特定の態様、利点および新規な特徴について述べる。本発明の任意の特定の実施形態に従ってこのような利点のうち必ずしも全てが達成されるわけではないことが理解されるべきである。よって、例えば、当業者であれば、本発明は、本明細書中に教示または提示されるような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書中に教示されるような1つの利点または一群の利点を達成する様態で具現化または実行が可能であることを認識する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の上記および他の特徴、態様および利点について、多様な実施形態の図面を参照して以下に詳述する。これらの図面は、本発明を例示するためのものであり、制限するものではない。図面は、以下の図面を含む。
【0011】
図1Aは、眼科手術のための外科手術トレイと共に用いられるように構成された滅菌外科手術用ドレープシステムの一実施形態の例を示す。
【0012】
図1Bは、滅菌外科手術用ドレープシステムの一実施形態の例を示す。
【0013】
図1Cは、滅菌外科手術用ドレープシステムの一実施形態の例の平面図を示す。
【0014】
図1D図1Eは、滅菌外科手術用ドレープシステムの一実施形態の例の側面図を示す。
【0015】
図1Fは、外科手術トレイ上にファンを備えた滅菌外科手術用ドレープシステムの一実施形態の一例を示す。
【0016】
図1Gは、ファンを用いた滅菌外科手術用ドレープシステム内の気流の一実施形態の一例を示す。
【0017】
図1Hは、外科手術トレイへシールされた滅菌外科手術用ドレープシステムの一実施形態の一例を示す。
【0018】
図2A図2Cは、滅菌外科手術用ドレープシステムのフレームの一実施形態の一例を示す。
【0019】
図2D図2Eは、脚部を備えた滅菌外科手術用ドレープシステムのフレームの一実施形態の一例を示す。
【0020】
図2Fは、滅菌外科手術用ドレープシステムのドレープおよびフレームシステムの一実施形態の一例を示す。
【0021】
図2Gは、滅菌外科手術用ドレープシステムのフレームの脚部の一実施形態の一例を示す。


実施形態の詳細な説明
【0022】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書中に提示される記載において用いられる用語は、いかなる限定されたまたは制限的な方法として解釈されることを意図するものではなく、単に、用語は本発明の特定の実施形態の詳細な説明と共に用いられるというだけである。さらに、本発明の実施形態は、いくつかの新規の特徴を含み得、そのうちいずれも、その所望の特性を単独で担うものではなく、本明細書中に記載される本発明の実施に不可欠でもない。
【0023】
本明細書中に用いられるように、用語「ドレープシステム」は、ドレープ、フレームおよび/またはさらなる特徴を含むデバイスまたは装置を指し得る広範な用語である。
【0024】
本明細書中の開示は、滅菌野内において眼科手術を行うための方法、システムおよびデバイスを提供する。滅菌眼科手術用ドレープシステムにより、例えば、医師、外科医、看護師または助手などのユーザに対し、医療処置実行のための滅菌環境を有利に提供することができる。眼科手術用ドレープシステムは、滅菌作業空間を提供することができ、また、フレームの開口および/またはドレープの取付の後に使用する準備ができている構成であり得る。
【0025】
ドレープシステムの使用は、滅菌野を設けることにより、手術室の外部において医療処置を行うことを可能とすることができる。例えば、医師、外科医、看護師、助手などは、例えば、医師のオフィスまたは戦争環境における軍用手術室などの従来とは異なる場所において手術を行うことができる。
【0026】
外科手術を行うためには滅菌環境の必要性は、医師、外科医および看護師のようなユーザが例えば、自身のオフィスのような場所において行う柔軟性を低減する。また、手術室処置のスループットの最適化のためには、手術室の経済性を考慮することが必要になる。そのため、医師は、高コストの手術室における手術時間を予約する際、自身の可用性だけでなく病院全体の可用性も考慮に入れる必要がある。滅菌した眼科手術用ドレープシステムは、スタッフの配置および滅菌手術室の維持に関連する高コストの低下、及び施術者が実行可能な手術数とヘルスケア効率における制限因子を構成する施術者が手術を実行することが可能な場所の数の増加に対応する効果を有する。

外科手術において用いるための外科手術用ドレープシステム
【0027】
いくつかの実施形態において、眼科手術用ドレープシステムは、患者の眼(単数または複数)の上に実質的に配置され、ドレープの下側に滅菌野を提供するように構成される。眼科手術用ドレープシステムは、制御された気流をドレープの下側の領域を通じて生成するように構成されたファンを含み、ドレープの下側の領域中への汚染物質の進入を実質的に回避することができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、ドレープシステムは、単独でおよび/または滅菌外科手術トレイおよびシステムと共に用いられ得る。図1Aは、眼科手術のために外科手術トレイ106と共に用いられるように構成された滅菌眼科手術用ドレープシステム100の一実施形態を示す。図示の実施形態において、外科手術用ドレープシステム100は、外科手術トレイ106の実質的に上方に取りつけられるように構成されて、滅菌野を外科手術用ドレープシステム100の下側に提供する。いくつかの実施形態において、外科手術用ドレープシステム100は、外科手術トレイ106を覆い、外科手術トレイ106の1つ以上の縁部に沿ってシールを実質的に形成する
【0029】
ドレープシステム100および外科手術トレイ106を組み合わせは、追加の材料または支援を得ること無く、医師、外科医、看護師、助手などが眼科医療処置を手術室の外部の滅菌野において行うことを可能にする。あるいは、医師、外科医、看護師、助手などは、最低限の追加の材料または支援を必要としてもよい。いくつかの実施形態において、医療処置に必要な1つ以上の外科手術用器具を提供することに加えて、トレイ106は、ドレープシステム100によって作成される滅菌された外科手術野内に収容されるこれらの器具のための電源および制御システムも提供することができる。
【0030】
例えば、眼科手術などの医療処置において、外科手術トレイ106または少なくとも1つ以上のその表面は、滅菌眼科手術用ドレープシステム100によって作成される滅菌野の一部となり得る。このような構成において、外科手術トレイ106は、事前に滅菌された医療器具、機器または薬剤をその上に配置または保持することが可能な場所として機能することができる。いくつかの実施形態において、眼科手術用ドレープシステム100を外科手術トレイおよびシステム106の外周に適合させることにより、例えば、医師、外科医、看護師、助手などのユーザは、医療処置のための最も効率的な編成に調節された方法で、滅菌野内の必要な外科手術用器具、機器または薬剤全てにアクセスすることが可能になる。
【0031】
外科手術トレイ106は、任意の種類のもの、現在公知のもの、または将来開発されるものであり得る。例えば、外科手術トレイ106は、外科手術に必要な滅菌機器および材料を含み、看護師または外科医にそれらを容易に利用できるようにすることができる。特定の実施形態において、外科手術トレイ106は、電気コネクタ、流体コネクタ、ポンプおよび/または制御ユニットも含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、ドレープシステム100は、外科手術トレイ106へ取付機構を介して取り付けられ得る。例えば、取付機構は、ネジ、ベルクロ、機械的結合などを含み得る。特定の実施形態において、組み立ておよび/または分解を容易にするために、取付機構は、永久的、半永久的および/または一時的なものである。いくつかの実施形態において、取付機構は、患者の上部から不注意で浮き上がる事態が無いよう、ドレープシステム100を十分に固定するように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態において、ドレープシステム100は、外科手術トレイ106から取り外され持ち上げられることができ、患者を取り外すことを可能とする。特定の実施形態において、患者は、ドレープシステム100を外科手術トレイ106から取り外す必要無く、ドレープシステム100の側壁を通じて横方向に引き出され得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、滅菌眼科手術用ドレープシステム100は、ユーザ、例えば、医師、外科医、看護師または助手に、患者頭部への最大のアクセスを提供するため、患者と接触しない。例えば、特定の実施形態において、ドレープシステム100は、トレイの外周上に適合し、一般的には上方に延びる。
【0035】
いくつかの実施形態において、ドレープシステム100を単独でおよび/または外科手術トレイ106と共に外科手術用椅子102、テーブルなどの上に配置するかまたは外科手術用椅子102、テーブルなどに接続することができる。他の実施形態において、ドレープシステム100を単独でおよび/または外科手術トレイ106と共に、外科手術用椅子102、テーブルなどを取り囲むかまたは外科手術用椅子102、テーブルなどに隣接する例えばトレイ支持部104などの装置の上に配置するかまたは当該装置に接続することができる。特定の実施形態において、ドレープシステム100およびトレイ106は、トレイ支持部104の支持バー上に配置するか、トレイ支持部104の支持バーに接続することができる。ドレープシステム100および外科手術トレイ106は、多数の異なる方法のうちの1つにおいて、例えば、トレイ支持部104またはトレイ支持部104の支持バーなどの装置上に配置するか、あるいは当該装置に接続することができる。
【0036】
トレイ支持部104またはトレイ支持部の支持バーは、接続先である外科手術用椅子102、テーブルなどに対して固定されたまたは調節可能な位置を持ち得る。トレイ支持部104は、患者が外科手術用椅子102などの上に頭部をヘッドレスト上に載せて横たわっている状態で、ドレープシステム100およびトレイ106を患者頭部の上方に位置決めするために用いられ得る。トレイ支持部104は、例えば、医師、外科医、看護師、助手などのユーザが例えば、眼科手術などの医療処置を行うドレープシステム100の滅菌野を固定することができる。
【0037】
トレイ支持部104は、患者頭部を取り囲み得る。これは、医師、外科医、看護師、助手などが自身の手または腕を医療処置時に配置することが可能なドレープシステム100によって作成される滅菌野における休息構造として機能することができる。
【0038】
トレイ支持部104の支持バーは、多数の異なる形状のうちの1つを持ち得る。図1Aにおける実施形態の一例に示すように、トレイ支持部104は、U字型のリングを備えた支持バーを持ち得る。他の実施形態において、支持バーは、実質的に円形であるか、半円形、V字型またはL字型または3つの側部を備えた箱状であり得る。
【0039】
トレイ支持部104の支持バーは、実質的に円形または四角形の棒、管またはパイプから製造され得る。例えば、図1Aに示すように、U字型リングを備えた支持バーを、実質的に四角形の管から製造することができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、ドレープシステム100を単独でまたは外科手術トレイ106と組み合わせて製造し、予め滅菌されたパッケージ、例えばエチレンオキシド滅菌プロセスを通じたパッケージにて、製造業者から例えば、病院、医師のオフィス、軍用場所などの顧客へ出荷することができる。ドレープシステム100は、外科医、医師、看護師、助手などによって、限定されないが眼科手術を含む任意の医療処置を行うために用いられ得る。
【0041】
特定の実施形態において、ドレープシステム100全体を使用後に廃棄することができる一方、他の実施形態において、ドレープシステム100の1つ以上の個々のコンポーネントを使用後に廃棄し、1つ以上の個々のコンポーネントを再利用することができる。例えば、1つ以上の個々のコンポーネントは、加圧ファン、フレーム脚部(単数または複数)およびドレープなどを含み得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、滅菌外科手術用ドレープシステム100は、滅菌環境の提供および/または医療処置(例えば、眼科手術)の支援のための1つ以上の特徴を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、滅菌外科手術用ドレープシステム100は、顕微鏡のためのドレープ中の穴部、加圧ファン、エアーディレクターおよび/またはドレープなどの中のスリットを含み得る。図1B図1Eは、滅菌外科手術用ドレープシステム100の一実施形態の異なる図を示す。特に、図1Bは、滅菌外科手術用ドレープシステム100の一実施形態の一例の三次元図を示す。
【0043】
実施形態において、滅菌外科手術用ドレープシステム100は、フレーム118と、フレーム上に配置されたドレープ120とを含む。いくつかの実施形態において、ドレープ120は、組み立ておよび/または分解を容易にするために、フレーム118へ永久的、半永久的および/または一時的に取り付けられる。例えば、ドレープ120は、フレーム118へ接着され得る。他の実施形態において、ドレープ120は接着されず、フレーム118の上部に単に配置される。ドレープ120は、ドレープ120とフレーム118との間の摩擦の結果として、フレーム118の上方に安定化させられる。特定の実施形態において、ドレープ120は、限定されないが、クリップ、ヒンジ、穿孔などを含む1つ以上の機械的特徴を介してフレーム118へ取り付けられる。
ドレープ
【0044】
外科手術用ドレープ120を外科手術時に患者上に設けることにより、滅菌された外科手術野を維持することができる。図1Bは、滅菌外科手術用ドレープシステムの一実施形態の一例を示す。ドレープ120は、例えば、椅子または外科手術用テーブルなどの患者または患者支持装置に向いている近位側部を持ち得る。ドレープの遠位側部は、外科医または医療専門家に対して上方に向いている。ドレープ120は、支持構造またはフレーム118上に設けられ得る。ドレープ120は、形状がフレーム118の任意の形状に適合する可撓性または弾性材料であり得る。フレーム118は、図1Bに示すような脚部114を持ち得る。フレーム118および脚部114は、ドレープの近位側部と接触し、ドレープ内に内部チャンバーを作成するドレープのための構造または支持を提供することができる。例えば、ドレープを矩形フレーム上に設け、壁部および上部がドレープによって形成される矩形のチャンバーを作成することができる。さらに、いくつかの実施形態において、ドレープおよびフレームシステムの上面は、プレキシグラスまたは他の剛性材料によって形成され得る。チャンバーの底部は、雰囲気に対して開口し得、ドレープによって被覆されない。いくつかの実施形態において、ドレープおよびフレームを外科手術トレイ上に配置することにより、本明細書中に詳述するように、チャンバーの底部を外科手術トレイによって囲むかまたは部分的に囲むことができる。ドレープおよびフレームシステムは、トレイに対して外縁の周囲に全体にシールされ得る。いくつかの実施形態において、ドレープ120および/またはフレーム118システムは、図1Hに示すように、外科手術トレイ106に対してシールされるかまたは実質的にシールされ得る。外科手術用チャンバーからの気流が穴部108を通過することを確実にするために、患者の頭部140を取り囲む領域と、スリット110および/または外科医の手のための開口部とは、ドレープ/トレイインターフェースを通過しない。
【0045】
眼科手術用ドレープ120は、多様な材料から製造され得る。例えば、いくつかの実施形態において、ドレープ120は、限定されないが、任意の透明なポリマーを含む透明な材料から製造され得る。その結果、例えば、医師、外科医、看護師、助手などのユーザが医療処置時において最適な視界を得ることができる。他の実施形態において、ドレープ120は、例えば、布または不透明なポリマーなどの不透明な材料から製造され得る。透明なドレープの代わりに不透明なドレープ120をパネル上に用いた場合、ユーザの視界が制限され得る。いくつかの実施形態において、ドレープ120は、不透明な材料から製造されたドレープ120中の1つ以上のパネルと、透明な材料から製造されたドレープ120中の1つ以上のパネルとを持ち得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、ドレープ120は、使い捨て型であり得る。いくつかの実施形態において、ドレープ120は、事前に滅菌されたパッケージにおいて製造され、例えば、病院、医師のオフィス、軍用場所などの顧客へ出荷された事前に滅菌されたドレープ120であり得る。例えば、ドレープ120は、エチレンオキシド滅菌プロセスを通じて滅菌され得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、ドレープ120の厚さは、約0.001インチ、約0.002インチ、約0.003インチ、約0.004インチ、約0.005インチ、約0.006インチ、約0.007インチ、約0.008インチ、約0.009インチ、約0.010インチ、約0.020インチ、約0.030、約0.040インチ、約0.050インチ、約0.060インチ、約0.070インチ、約0.080インチ、約0.090インチ、約0.100インチまたは他の任意の厚さであり得る。
【0048】
特定の実施形態において、ドレープ120は、1つ以上の顕微鏡、ファン、フィルタ、エアーディレクターおよび/またはスリットなどのための1つ以上の穴部118をさらに含み得る。ドレープの壁部または側部は、図1Bに示すようなスリット110を持ち得る。スリット110は、ドレープの側部上に垂直に配置され得る。スリット110により、ドレープによって形成されたチャンバーの内部へユーザがアクセスすることが可能になる。いくつかの実施形態において、ドレープ120は、ドレープ120を通じて設けられた穴部108を持ち得る。穴部108によっても、ドレープチャンバーの内部へのアクセスが可能になる。ドレープは、ドレープチャンバーの上部および/または側部上に設けられ得る。図1Bは、ドレープ120の上部上に配置された穴部108を示す。穴部108は、ドレープの中心にあってもよいし、あるいは、穴部108の意図される用途に応じて中心からオフセットさせてもよい。いくつかの実施形態において、穴部108は、ドレープ120の側部パネル上に配置され得る。穴部108により、アクセサリデバイスがドレープチャンバーの内部へアクセスすることが可能になる。アクセサリデバイスは、顕微鏡、ファン、外科手術用器具、エアーディレクター、フィルタ、または本明細書中に記載のような任意のアクセサリデバイスであり得る。例えば、図1Bに示すように、ファン112は、ドレッシング中の穴部108内に配置され得る。ファン112は、本明細書中により詳述するように、ファンと共に動作して、加圧され方向付けられた気流を外科手術用ドレープの下側およびチャンバー内に提供するエアーディレクター116を持ち得る。

顕微鏡のためのドレープ内開口部
【0049】
ドレープ120が透明な材料および/または不透明な材料によって構成されるかにかかわらず、外科医、看護師などがドレープの下側の外科手術領域を顕微鏡を介して可視化することが有利であり得る。ドレープ材料は半透明であっても、材料に起因してクリアでないまたは不透明である顕微鏡により視界を作り出すことができる。よって、いくつかの実施形態において、ドレープ120が1つ以上の穴部を含むことにより、図1Bに示すように、ドレープの覆い隠す効果無しに、顕微鏡(単数または複数)130をドレープ中に進入させおよび/または外科手術領域を視認することができる。
【0050】
図1Cは、医療処置時において患者頭部を取り囲むドレープシステム100の一実施形態と共に、仰向けに横たわっている患者の平面図である。このような患者は、例えば、眼科手術処置を含む患者の片眼または両眼上における任意の医療処置のために準備され得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、ドレープ120は、患者の片眼または両眼上に配置される1つ以上の開口部または穴部108を含む。穴部108のサイズは、眼科手術において一般的に用いられる外科手術用顕微鏡と実質的に同じサイズかまたはより大きい。顕微鏡108用のドレープにおける穴部が、例えば眼中の光ファイバーとドレープ材料との間の反射の危険性を低減させることにより、滅菌野中への可視性を可能とすることができる。他の実施形態において、顕微鏡108のための1つ以上の開口部は、ドレープの側面または角部のいずれかの上に配置することができる。特定の実施形態において、1つ以上の開口部は、他の外科手術用器具の挿入に用いられるようにさらに構成され得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、穴部108は、図2Fに示すように、ドレープチャンバーの内部中に延びる凹部を持ち得る。いくつかの実施形態において、ドレープ穴部108は、穿孔であってもよいし、あるいは、凹部の底部においてドレープ材料中に穿孔切り欠き部を持ってもよい。これらの穿孔により、手術領域上のドレープ材料を容易に除去することが可能になり、その結果、直接的アクセスおよび顕微鏡による外科手術領域の視認が可能になる。例えば、顕微鏡130は、例えば、眼などの患者の外科手術領域の真上の穴部108の上方に配置することができる。穴部108中の凹部は、底部に2組の穿孔切り欠き部を持ち得、1組は右眼用であり、他方の1組は左眼用である。手術対象の眼に応じて、切り欠き部を除去することができる。この切り欠き部が除去されると、顕微鏡は、外科手術時において眼をさえぎるもの無い視界を持つことができる。
ファン
【0053】
ドレープ120の下側に滅菌野を提供するためには、安定した加圧空気をドレープ120の下側に設けることが有利であり得る。ファンは、本明細書中に詳述するように、ドレープに進入する空気を滅菌または洗浄するフィルタと共に動作し得る。いくつかの実施形態において、ファンは電動式であり得る。よって、いくつかの実施形態において、眼科手術用ドレープシステム100は、ドレープ中に空気を引き込む1つ以上の加圧ファンを含む。いくつかの実施形態において、図1B図1Dに示すように、穴部108により、ファン112を穴部108内に位置決めすることができる。ファン112を穴部108中の周囲にシールすることにより、外科手術野中への空気進入を回避することができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、ファン112は、ドレープシステム100へ永久的に取りつけられ得る。ドレープおよびフレームシステムおよび取りつけられたファンをパッケージし、単一の統合ユニットとして用いることができる。例えば、単一の統合ユニットにより、ユーザはドレープシステムを箱から取り出し、システムを拡張し、外科手術領域上に配置することができ、これにより、外科手術において従来必要となる準備および追加の装置が簡略化される。さらに、この統合ファンにより、ドレープシステムから外科手術時において外科医と干渉し得る遠隔の圧力源への延びるチューブまたはラインの使用が排除され得る。さらに、統合ファンは、占有空間量および外部ファンまたは圧力源に必要な組み立てが低減することにより、野または医師のオフィス内において、システムの組み立ておよび使用を容易にすることが可能になる。例えば、ユーザは、ドレープおよびフレームシステムを統合ファンによりトレイへ簡単に取りつけることができ、追加の組み立てまたは取付は不要である。また、組み込まれたファンにより、外科医が医師のオフィスに高価な加圧システムを所有する必要も軽減される。必要な滅菌環境を作成しつつ、野内または医師のオフィス内において容易に展開可能であるので、外科医が高価な手術室の使用を回避できるため、このシステムは、さらに有利である。
【0055】
ファン112は、ドレープ120の側部または上部上に設けることができる。図1Dは、滅菌外科手術用ドレープシステム100の一実施形態の一例の側面図を示す。図示の実施形態において、ファン112は、眼科手術用ドレープシステム100の左側パネル上に配置される。他の実施形態において、ファン112は、眼科手術用ドレープシステム100の右側パネルおよび/または他の任意のパネル上に配置され得る。この場所は、例えば、助手が外科手術用ドレープの右側または左側に居ることを望み得る医師または外科医の傾きによって異なり得る。外科手術用ドレープシステム100の左側パネルまたは右側パネルは、医師または外科医が手を挿入して患者を実質的に見下ろしつつ医療処置を行うパネルに直接隣接するパネルとして規定される。別の実施形態において、ファンは、図1Fに示すようにトレイ上に配置され得る。ファンをトレイに組み入れて、ドレープに追加の穴部を設けずに、加圧空気をドレープのチャンバーへ提供することができる。ファンは、トレイから電力を引き出すように構成され得る。さらに、ファンをトレイに組み入れる実施形態により、ドレープおよびフレームシステムの設計を簡略化することができる。ファンは、トレイの上面および/または側面上に配置され得る。いくつかの実施形態において、ファンは、トレイ内に配置してもよい。実施形態において、トレイ中のファンによって生成された滅菌空気をトレイ中および/またはトレイ上の溝部を通じて、トレイ上の多様な位置に配置された複数のポートへ誘導することができる。これらのポートは、トレイの側部、外側パラメータおよび/または上面上に配置され得る。これら複数のポートにより、滅菌空気を均等に内部外科手術用チャンバー中の全体に分散させることが可能になる。実施形態において、これら複数のポートは、滅菌空気を内部外科手術用チャンバー内において多様な方向に誘導することができるように、構成され得る。実施形態において、複数のポートは、滅菌空気の内部外科手術用チャンバーへの送達をより均等に分配することにより、外科手術時における有害な気流ドラフトを軽減するように、構成され得る。
【0056】
いくつかの実施形態において、ファン112は、図2Aに示すようにフレーム118の部分へ取り付けられ得る。フレームは、下側リム206および上側リム204を持ち得る。いくつかの実施形態において、下側リム2006は、患者頭部が設けられる部分を除いて、ドレープシステムの外周全体にわたって延び得る。いくつかの実施形態において、上側リム204は、患者の身体または頭部にわたって延びる部分を含むドレープシステムの外周全体にわたって延び得る。いくつかの実施形態において、ファン112は、滅菌眼科手術用ドレープシステムのフレーム206の下側リムおよび滅菌眼科手術用ドレープシステム100のフレーム118の1つ以上の脚部114の部分へ取り付けられ得る。ファン112をこの位置に取りつけることによる利点は、滅菌眼科手術用ドレープシステム100のフレームの上側リム204への重量の追加をもたらさないことである。他の実施形態において、ファン112は、滅菌眼科手術用ドレープシステム100のフレーム206の下側リムに取り付けられ得る。他の実施形態において、ファン112は、フレーム118の1つ以上の脚部114の部分へ取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、ファンは、フレーム204の上側リムへ取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、ファン112は、フレーム204の上側リムおよびフレーム118の1つ以上の脚部114の部分に取り付けられ得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、ファン112は、外科手術トレイ106とプラグを通じて電気連通し得、トレイ106からの電力へアクセスし得る。他の実施形態において、滅菌ドレープシステム100は、ファン112がそこから電力を引き出すことができる1つ以上のバッテリー源を持ち得る。例えば、1つ以上のバッテリー源を、滅菌ドレープシステム100中のフレーム118の脚部114のうちの1つの内部に配置することができる。別の例において、1つ以上のバッテリー源は、フレームの上側リム204または下側リム206上に配置することができる。特定の実施形態において、ファン112は、ファン112内にそこから電力を引き出すことができる1つ以上のバッテリー源を持ち得る。
【0058】
さらに、いくつかの実施形態において、エアーディレクター116を用いることにより、ファンからの空気をチャンバー内の特定の方向において配置または方向付けることができる。図1Cに示すように、いくつかの実施形態において、ファン112は、ファン112に隣接して配置された1つ以上のエアーディレクター116を持ち得る。これらのエアーディレクター116は、ファン112のいずれかの側部、上部および/または底部上に配置され得る。ファン112は、多数の方向のうちの1つに配置され得る。いくつかの実施形態において、ファン112は、本明細書中に詳述するように、患者の眼上に気流を提供するように配置され得る。例えば、図1B図1Dは、ファン112をドレープシステム100の脚部114の縁部へ向かって配置する一実施形態の例を示す。他の実施形態において、ファン112は、眼科手術用ドレープシステム100の左パネルまたは右パネルの中心に実質的に配置され得る。いくつかの実施形態において、ファン112は、ドレープシステム100の脚部114の縁部の間に配置され得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、スリット110をドレープ120上に設けることにより、チャンバー中の空気をスリットを通じて排気することが可能になる。いくつかの実施形態において、外科医または他のユーザがスリットを用いて手または器具をドレープチャンバー中に装入することもきる。さらに、いくつかの実施形態において、ファン112およびエアーディレクター116によって提供される加圧空気の流れにより、滅菌された外科手術野をチャンバー内に作り出すことができる。
【0060】
いくつかの実施形態において、ドレープ120およびトレイ106へ接続されたフレーム206によって作成される内部外科手術用チャンバーは、周囲の環境へ完全にシールされないかまたは密閉されないが、安定しかつ連続した加圧空気の流れおよび環境をドレープ120の内部チャンバー内に設けることにより、内部外科手術用チャンバー内に滅菌野を作成することができる。米国病院協会(AHA)によれば、手術室の空気を常に循環させ続けることを推奨している。空気循環の欠如は、特に眼科手術の文脈において、外科手術部位および/または外科手術用材料の感染または汚染の危険性が増大させるため、手術室内に空気は、よどむべきではない。AHAは、手術室換気の要件を定めており、AHAによれば、室内における空気交換速度は、1時間あたり約20〜300回である。実施形態において、気流を患者の顔の上方または患者の顔の上に誘導することができ、これにより、外科手術の要件を満たすことができる。本明細書中に記載される外科手術用ドレープシステムにより、内部外科手術用チャンバー内における上記の空気循環要件を満たす内部外科手術用チャンバー内における気流および空気交換速度が可能となる。本明細書中に記載されるようなチャンバー内の空気循環により、換気システムを備えた追加の高価な装置または手術室を必要とせずに、医師のオフィスまたは野内において用いることが可能な、規制に準拠した外科手術領域を作成することができる。外科手術用ドレープシステムは、電動ファンによって生成される気流が作成することができ、ここで、気流は、およそ22m/時間、24m/時間、26m/時間、28m/時間、30m/時間または32m/時間である。
【0061】
図1Gは、電動ファンによって生成されるような滅菌外科手術用ドレープシステム内の気流の一実施形態の例を示す。いくつかの実施形態において、加圧空気151は、ファン112によってチャンバー中へ解放される。ファン112を通じてチャンバー内に進入した空気151はフィルタリングされ得、ファン112は、汚染物質を含まずおよび/または汚染物質が除去された空気151を生成することができる。外科手術において、患者141は、患者141の汚染空気を鼻および/または口152から解放し得るかまたは吐き出し得る。汚染空気は、外科手術部位の感染または汚染の危険性を増加させ得る。図1Gに示すように、吐き出された空気が外科手術用ドレープシステム中の開口部を通じて内部チャンバーから流出することを可能にすることにより、吐き出された汚染空気152を、内部室の外科手術部位から離れる方へ向かわせることができる。ファン112によって内部チャンバー中へ解放された汚染物質を含まない加圧気流が、十分に高い流量を作りだして、ドレープ120内の空気を強制的に外へ押しだし、汚染物質を含まないフィルタリングされた空気をドレープ120内に残留させることが可能になる。図1Gに示すように、空気は、図1G中の気流矢印150に示すように、穴部108、患者の頭部140を取り囲む領域、ならびに外科医の手のためのスリット110および/または開口部を通じてドレープチャンバーから流出し得る。このような空気の動きおよび気流により、手術室要件を満たすことが可能な空気交換速度をドレープ内に作り出すことが可能になる。
【0062】
さらに、加圧環境の生成により、ドレープの内部チャンバーと外科手術室の雰囲気環境との間に空気圧力差が発生する。この圧力差が雰囲気空気のドレープの内部室への進入を防ぐので、この圧力差は、外科手術(特に、眼科手術)において有利である。特定の場合において、雰囲気空気は、汚染物質または外科手術部位における感染の原因となり得る他の材料を含み得る。圧力差を発生させることにより、このような汚染空気がドレープの滅菌外科手術領域に進入することを防ぐことができる。ファンから供給される加圧気流の圧力範囲は、約0.5psi、約1psi、約2psi、約3psi、約4psi、約5psi、約6psi、約7psi、約8psi、約9psiおよび約10psiであり得る。いくつかの実施形態において、圧力は、約1psi〜約2psiであり得る。
【0063】
ファン112は、ファン112の使用を除いて滅菌チャンバー中への気流が実質的に無くドレープシステム100の内部から周囲領域への送出気流が存在するように、加圧されたドレープを維持することができる。滅菌チャンバーに進入する空気を実質的にファン112に限定することにより、ファン112は、患者が滅菌された外科手術野内にいるときに汚染物質が外科手術部位、例えば、患者の眼(単数または複数)に進入する事を防止することができる。いくつかの実施形態において、ファン112は、選択可能な量の気流を密閉チャンバーへ提供するための1つ以上の選択可能な速度を含む。ファン112の1つ以上の選択可能な速度は、毎分20〜45立方フィートの任意の値であり得る。いくつかの実施形態において、ドレープシステム100から実質的に正の空気の流れが存在するように、ファン112は、チャンバー内の空気圧力を十分に維持することができることができる。いくつかの実施形態において、ファン112は、層流を生成するように構成され得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、ドレープシステムは、1つよりも多くのファン112を含む。特定の実施形態において、1つよりも多くのファン112は、気流が同一方向に流れるように、配置される。
【0065】
特定の実施形態において、ドレープシステム100は、ドレープシステム100の振動を最小化するための振動フリーファン112を含む。いくつかの実施形態において、ドレープシステム100は、ドレープシステム100の振動を最小化するように構成された振動吸収材料へ接続された振動ファン112を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、ドレープシステムは、ファンではなくチューブを含む。滅菌眼科手術用ドレープの滅菌チャンバーの外部に配置された空気源に接続されたチューブは、眼科手術用ドレープの側部パネル上の開口部中へ挿入することができる。空気源、例えば滅菌空気または酸素をチューブを通じて活性化することができる。空気源により、正の空気圧を滅菌チャンバー中に提供することができ、また、実質的に外へ向かう空気流れを滅菌チャンバーから外部環境へ提供することができる。酸素および滅菌空気双方を用いることが可能であるが、酸素を用いると場合によっては引火性の危険があるため、滅菌空気が酸素よりも好適である。

フィルタ
【0067】
滅菌野をさらに提供および維持するために、1つ以上の空気フィルタをドレープシステムに取りつけて、手術が実行されているチャンバー内への汚染物質侵入を実質的に回避することが有利である。よって、いくつかの実施形態において、ドレープシステムは、本明細書中に開示されるようなファンの多様な実施形態へ取り付けられおよび/または接続される1つ以上の空気清浄フィルタを含む。例えば、フィルタは、高効率粒子空気(「HEPA」)フィルタなどであり得る。特定の実施形態において、取りつけることが可能な1つ以上のフィルタは、直径が0.3ミクロン以上である全ての浮遊微小粒子物質上の少なくともおよそ99.97パーセントの効率を備えるHEPAフィルタであり得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、1つ以上のフィルタの断面積は、ファンの断面積に実質的に等しい。特定の実施形態において、1つ以上のフィルタの断面積は、ファンの断面積よりも大きい。
【0069】
いくつかの実施形態において、1つ以上のフィルタは、ファンの外部側面上に設けられ得る。特定の実施形態において、1つ以上のフィルタをファンの内部側面上に設けることができる。他の実施形態において、1つ以上のフィルタは、ファンの外部側面と内部側面との間に配置され得る。

エアーディレクター
【0070】
ドレープシステム100が1つ以上のファン112を含む実施形態において、異なる患者および/または状況に対して、異なる経路を有する気流が好まれ得ることが想定され得る。よって、いくつかの実施形態において、滅菌眼科手術用ドレープシステム100の1つ以上のファン112の気流は、調節可能である。図1B図1Dは、ファン112を1つ以上のエアーディレクター116と共に用いた実施形態を示す。
【0071】
特定の実施形態において、ドレープシステム100は、1つ以上のファン112へ接続された1つ以上のエアーディレクター116を含む。例えば、1つ以上のエアーディレクター116は、ドレープシステム100の内部および/または外部において1つ以上のファン112へ取りつけることができる。いくつかの実施形態において、1つ以上のエアーディレクター116により、ユーザ、例えば、医師、外科医、看護師または助手がエアーディレクター116をドレープシステム100の内部から制御することができる。他の実施形態において、ファン112は、例えば、医師または外科医の助手により外部上において制御することができる。気流方向の制御により、外科手術用ドレープシステムは、本明細書中に記載する手術室要件を満たす外科手術野、例えば、患者の顔上に気流または加圧気流を提供することができる。

スリット
【0072】
図1B図1Eは、ドレープ120のパネル中に実質的に垂直なスリット110を備えた滅菌眼科手術用ドレープシステム100の一実施形態の例を示す。他の実施形態において、ドレープ120のパネル中のスリット110は、例えば、実質的に水平または斜め方向などの多数の位置のうちの1つの位置に方向付けられ得る。スリット110は、ドレープ内の気流が退出することが可能なように、構成され得る。いくつかの実施形態において、ドレープ120は、ファン(単数または複数)によって生成された気流を排気することを可能にする1つ以上の出口を含む。
【0073】
いくつかの実施形態において、1つ以上のスリット110は、ユーザが自身の手を滅菌野に挿入することが可能なようにさらに構成される。いくつかの実施形態において、図1B図1Cおよび図1E中の例に示すように、外科医に向いているドレープ120のパネル中に1つ以上のスリット110が存在し得る。例えば、外科医に向いているドレープ120のパネルは、2つのスリットを含み得、これにより、外科医が両手をドレープに挿入することができる。
【0074】
図1Cは、顕微鏡108に対して十分なサイズの穴部を備えた上部パネル上にスリットが無い実施形態の一例を示す。しかし、他の実施形態において、上部パネルに1つ以上のスリット110があってもよい。
【0075】
図1Dは、ファン112を含むドレープシステム100の側部パネルの下方にスリットが無い実施形態を示す。他の実施形態において、ファン112を含むドレープシステム100の側部パネル中に1つ以上のスリット110が設けられ得る。いくつかの実施形態において、ファン112が配置されたドレープシステム100の側部パネルは、ファン中への空気流入を可能にする1つ以上の穴部を含む。
【0076】
ファン112を備えたパネルの反対側において、1つ以上のスリット110が設けられ得る。これらのスリットにより、例えば、助手または看護師などのユーザが滅菌チャンバー中に手を伸ばして、例えば医師または外科医を支援することができる。
【0077】
図1Eを参照して、医師に向いているパネルの反対側のパネルは、ドレープシステム100および外科手術トレイ106の下側の患者の頭が置かれる場所にスリットを提供しない。他の実施形態において、医師に向いているパネルの反対側のパネルは、1つ以上のスリット110を持ち得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、滅菌眼科手術用ドレープ120の1つ以上のパネル中の1つ以上のスリット110は、外科手術用ドレープ120の底部へ実質的に延びる。他の実施形態において、スリットは、外科手術用ドレープ120の底部へ実質的に延びない。

フレーム
【0079】
ドレープの位置を患者上において維持し、外科医または他の医療専門家が作業するための十分な空間を提供するためにフレームまたは他の剛性構造をドレープシステムが含むことは有利であり得る。よって、いくつかの実施形態において、ドレープシステムは、フレーム上に位置するドレープを備えたフレームを含む。
【0080】
眼科手術用ドレープシステム100のフレーム装置118は、他の材料のうち、射出成形されたアクリロニトリルブタジエン(「ABS」)プラスチックを含む事前にパッケージされた滅菌フレームとして製造されかつ組み立てられた滅菌フレームであり得る。特定の実施形態において、フレーム118は、外科手術領域のより良好な可視化を可能にするために実質的に透明であり得る。
【0081】
フレーム118は、多数の異なる形状のうちの1つを持ち得る。例えば、フレーム118は、実質的に球状、ピラミッド形の、円錐形または矩形であり得る。図2A図2Fは、フレーム118が実質的に矩形である実施形態を示す。別の実施形態において、フレーム204の上側リムは、ユーザがユーザの真下以外の位置からユーザが患者を視認することができるように、増加された曲率を持ち、ユーザに追加の有利な地点を提供することができる。
【0082】
図2A図2Fは、眼科手術用ドレープシステム100のフレーム装置118の一実施形態の例を示す。フレーム118は、フレームおよびドレープを外科手術トレイへ取りつけることが可能なように、構成され得る。フレームは、上側リム204、下側リム206および脚部114を持ち得る。ドレープは、フレーム118の上側リム204上に設けられ得る。いくつかの実施形態において、フレームが拡張形態にあるとき、図2Aに示すように、脚部114は、患者から最も遠くに配置された遠位端部と、患者の最も近くに配置された近位端部とを含む。脚部114の遠位端部は、拡張形態時においてフレーム204の上側リムと接触するように構成される。上側リム204および脚部114により、外科手術用ドレープの支持が提供される。脚部114の近位端部は、拡張形態時においてフレームの下側リム206へ接続されるように、構成される。下側リム206は、本明細書中に記載のような外科手術トレイへ取りつけることができる。
【0083】
いくつかの実施形態において、上側リム204および下側リム206は、外科手術トレイと同じまたは実質的に同じ外周を持ち得る。いくつかの実施形態において、上側リム204および下側リム206は、外科手術トレイよりも小さな外周または大きな外周を持ち得る。いくつかの実施形態において、上側リム204および下側リム206は、実質的に同じ外周を持ち得る。他の実施形態において、上側リム204および下側リム206は、実質的に異なる外周を持ち得る。図2Aは、フレーム206の下側リムが、患者の頭部が配置された場所を除いて、接続先である外科手術トレイ106の外周全体にわたって延び得る実施形態を示す。フレーム204の上側リムは、患者の頭部が配置された場所を含むトレイ118の外周全体にわたって延び得る。
【0084】
フレーム118は、1つ以上の実質的に垂直な脚部114を含み得る。特定の実施形態において、1つ以上の脚部114は、フレーム206の下側リムをフレーム204の上側リムへ接続させることができる。例えば、図2Aにおいて、4つの脚部114により、フレーム206の下側リムがフレーム204の上側リムへ接続され得る。
【0085】
いくつかの実施形態において、フレーム118は折り畳み式であり得る。フレーム118は製造され、パッケージ中に折り畳まれた形態で製造業者から、例えば、病院、医師のオフィス、軍用場所などの顧客へ出荷することができる。パッケージは、事前に滅菌されたパッケージであり得る。例えば、パッケージは、エチレンオキシド滅菌プロセスを通じて滅菌され得る。図2Cは、折り畳み形態のフレーム装置118の一実施形態の例を示す。フレーム118が折り畳まれている場合、フレーム204の上側リムおよびフレーム206の下側リムを実質的に相互に接触させることができる。
【0086】
いくつかの実施形態において、フレーム118を付けるために、当事者は、フレーム装置118を外科手術トレイ106へ接続し、フレーム204の上側リムを持ち上げる。図2Aおよび図2Bに示すように、1つ以上の脚部114は、実質的に直立した垂直な位置において、立ち上がりロックされて、フレーム装置118を固定する。1つ以上の脚部114により、フレーム206の下側リムは、フレーム206の下側リム上に設けられたヒンジ202においてフレーム204の上側リムへ接続される。
【0087】
いくつかの実施形態において、フレーム装置118を分解するには、フレーム装置を外科手術トレイ106またはトレイ支持部104などから接続解除すればよい。当事者は、力をフレーム装置へ付加して、フレーム206の下側リムをフレーム204の上側リムへ接続するヒンジ202において1つ以上の脚部114をロック解除する。フレーム装置118の1つ以上の脚部114は、多数の異なる方向のうちの1つの方向において折りたたむことができる。例えば、図2Cに示すように、1つ以上の脚部は、フレーム装置118に対して実質的に内方に折りたたむことができる。あるいは、1つ以上の脚部をフレーム装置118に対して実質的に外側方向に折りたたんでもよい。
【0088】
他の実施形態において、ヒンジ202は、1つ以上の脚部114の2つの端部間に配置され得る。例えば、図2D図2Fは、ヒンジ202が1つ以上の脚部114の実質的に中央に配置され得るフレーム装置118の一実施形態の例を示す。ヒンジ202は、図2Gを参照して本明細書中に述べたように動作し得る。
【0089】
図2Fは、拡張形態においてフレーム上に配置されたドレープ120を備えたフレーム118の一実施形態の例を示す。フレームは、本明細書中に詳述するように、上側リム204と、下側リム206と、両者間のおよび脚部114とを持ち得る。さらに、いくつかの実施形態において、例えば、ヒンジ202または本明細書中に記載のような他の取付機構などの取付機構により、脚部114を上側リム204および下側リム206へ接続することができる。いくつかの実施形態において、穴部108をドレープの中央に配置することにより、例えば、顕微鏡、ファン、または本明細書中に記載のような他の外科手術用器具などの外科手術用器具またはアクセサリデバイスのアクセスが可能となる。さらに、いくつかの実施形態において、ドレープおよびフレームシステムは、チャンバー内への気流の制御されたアクセスを可能にすることができるファン112を持ち得る。
【0090】
図2Gは、1つ以上の脚部が変形可能である一実施形態の例を示す。脚部114は屈曲するかまたは折りたたむことにより、フレームをつぶすか折り畳むことが可能になる。このような変形可能な脚部により、フレームを容易に移動させおよび/または保管することができる。いくつかの実施形態において、脚部114は、1つ以上の脚部114の実質的に中央に配置され得るヒンジ202において折りたためる。脚部114は、フレーム装置118に対して実質的に内方に折りたためる。他の実施形態において、1つ以上の脚部114は、折り畳みフレーム装置118に対して実質的に外方において、1つ以上の脚部114の実質的に中央に配置され得るヒンジ202において折りたためる。ヒンジ202を脚部114の中央に設けることにより、フレームを完全に折り畳むことができ、フレームの下側リムと上側リムとの間において折りたたまれた脚部によって拡張させることができる。脚部中のヒンジ202により、脚部114の一部を上側リムまたは下側リムから取り外すことを必要とせずに、フレームをつぶして平坦な形状にすることができる。よって、脚部114は、フレームへ永久的に固定された状態にすることができる。これにより、外科医は、脚部114をフレームに固定するための追加の器具を必要とせずに、オフィスまたは現場で拡張することができる、容易に拡張可能かつ折り畳み可能な滅菌された外科手術野を得ることができる。
【0091】
いくつかの実施形態において、フレーム206の下側リムと、下側リム206を上側リム204へ接続させることが可能な1つ以上の脚部114とが外科手術トレイ106へ取り付けられた構成において、フレーム118を製造し、出荷することができる。このフレームは、事前に滅菌され得る。フレームを付加するには、いくつかの実施形態において、フレーム204の上側リムをフレーム206の下側リムと、下側リム206を上側リム204へ接続することができる1つ以上の脚部114とに別々に取り付けられ得る。
【0092】
例えば、「can」、「could」、「might」または「may」などの条件付きの文言は、他に明記無き限りまたは用いられる文脈内において理解される限り、一般的には、特定の特徴、要素および/またはステップが特定の実施形態には含まれる一方、他の実施形態には含まれないことを示唆することを意図する。よって、このような条件付きの文言は、特徴、要素および/またはステップが1つ以上の実施形態に必要とされる任意の方法にあること、または、ユーザの入力または指示の有りまたは無しに、これらの特徴、要素および/またはステップが含まれるかまたは任意の特定の実施形態において行われるべきかを決定するための論理を1つ以上の実施形態が必ず含むことを一般的に意味しない。本明細書中において用いられる見出しは、あくまで読者の便宜のためのものであり、本発明の範囲または特許請求の範囲を制限することを意図しない。
【0093】
本発明の実施形態について、特定の好適な実施形態および例の文脈において開示してきたが、当業者であれば、具体的に開示された実施形態を超えて他の代替的実施形態および/または本発明の利用および本発明の自明な改変またはその同等のものにまで本発明が及ぶことを理解するであろう。また、多数の本発明の変更について図示および詳述してきたが、本発明の範囲内の他の改変は、本開示に基づいて、当業者に容易に明らかであろう。また、実施形態の特定の特徴および態様の多様な組み合わせまたはサブコンビネーションが本発明の1つ以上の中でなされ、かつ当てはまることが期待される。よって、開示の発明のさまざまな態様を形成するため、開示の実施形態の多様な特徴および態様を組み合わせるかまたは相互に置換することが可能であることが理解されるべきである。よって、本明細書中に開示される本発明の範囲は、上記した特定の開示の実施形態によって制限されるべきではないことが意図される。


図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G