(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、ディスクドライヤをはじめとするディスク型処理装置は、多くの産業分野で使用されている。例えば、一般工業製品や、フィッシュミールの等の飼料製造用として、合成樹脂等の化学製品製造用として、あるいは工場廃水や下水処理にともなって排出される産廃スラッジ、汚泥などの処理対象物の処理用等として使用されている。
【0003】
ディスク型処理装置は、例えば、両端部に側壁部が設けられ、内部に所定容量の空間を有し、外周に蒸気等の熱媒体が流通可能なジャケットが形成された横置筒型の密閉状のドラムと、そのドラムの軸心位置においてドラムを貫通するように設けられ回転自在とされた中空回転軸と、その中空回転軸の軸線方向に所定の間隔を保って設けられ、その中空回転軸の内部と連通されている複数個の中空円盤状のディスクとを備えた構成ものが開示されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
上記複数個の中空円盤状のディスクは、例えば、ステンレス鋼などからなり中央が膨出して形成された2枚のドーナツ板を互いに膨出した側が、軸方向の反対側を向くように用いて構成されており、2枚のドーナツ板を重ね合わせた状態で外周縁部が溶接によって接合されている。
【0005】
また、各ディスクは、2枚のドーナツ板の間に配置されるステーによって、互いに所定の間隔を保って配置されており、内部に所定容量の空間が形成されるように構成されている。また、各ディスクは、軸線方向に所定の間隔をあけて中空回転軸に挿入されるとともに、ディスクと中空回転軸とは、ディスク内部の空間と中空回転軸の内部とが連通可能な状態で取り付けられている。
【0006】
また、各ディスクの周囲には、ディスクの回転方向に対して所定の傾きをもって設けられた送り羽根と傾きのない平羽根が設けられていて、送り羽根によって、処理対象物を軸線方向に沿ってドラム内を移送可能に構成されている。
【0007】
ディスク型処理装置は、ドラムの軸線方向の一方側には処理対象物をドラム内に投入する投入口が設けられ、軸線方向の他方側には処理対象物をドラム内から排出する排出口が設けられている。
そして、投入口から投入された処理対象物は、中空回転軸とともに回転するディスクによってドラム内において撹拌されるとともに、送り羽根によってドラム内を投入口から排出口に向かって移送されるようになっている。
【0008】
また、ドラム内を移送される処理対象物は、中空回転軸を介してディスクに供給された水蒸気や温水等の熱媒体によって間接的に加熱されるようになっていて、処理対象物が加熱されることにより、乾燥物等の処理物が生成され、生成された処理物は、ドラム内を排出口に向かって移送され、排出口からドラム外に排出されるようになっている。
【0009】
また、ディスク型処理装置には、例えば、ドラムの軸線方向の他方側の上部には、キャリアガスとして空気を供給するキャリアガス供給口が設けられ、軸線方向の一方側の上部にはキャリアガス排出口が設けられている。
【0010】
そして、キャリアガス供給口から供給されたキャリアガスは、ドラム内を処理対象物と逆方向に移動しながら、処理対象物から放出された水蒸気等を、ドラム外に排出するようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、ディスク型処理装置は、中空回転軸の回転にともなって回転するディスクは、ドラム内において、処理対象物や処理対象物が処理されて生成された処理物を撹拌、移送する際に、ディスクが処理対象物及び処理物と接触することで、処理対象物等に含まれる硬質の含有物によってディスクが摩耗され、その結果、例えば、ディスクから蒸気等の熱媒体が漏れるという問題がある。
【0013】
ディスクに発生する摩耗は、回転するディスクの周速が、ディスクの内周側よりも外周側が大きいことから、ディスクの外周縁部分において、ディスクの摩耗は速く進行し、ディスクの外周縁部以外の部位が充分に使用可能であるにも拘わらず、ディスクを補修する必要が生じたり、ディスクが寿命となるという問題がある。
【0014】
そこで、ディスク型処理装置に適用されるディスクが処理対象物等と接触してディスクの外周縁部が摩耗することに起因して、蒸気等の熱媒体がディスクから漏れるのを抑制可能な技術に対する強い要請がある。
【0015】
この発明は、このような事情を考慮してなされたものであって、ディスクが処理対象物等と接触することに起因するディスクの外周縁部における摩耗を抑制して、ディスクから熱媒体が漏れるのを抑制するとともにディスクの寿命、ひいてはディスク型処理装置の寿命を延長することが可能なディスク構造、ディスク用プロテクタ及びディスク型処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、筒状に形成された筒状体と、前記筒状体の両端に形成された固定部材と、を有するドラムと、前記回転軸に配置され中央が膨出する2枚のドーナツ板を互いに膨出した側を前記軸線方向の反対側に向けて配置するとともに、内周側が周方向に間隔をあけて配置された補強支持部材によって接続され回転自在とされる中空円盤状のディスクと、を備え、前記ディスクが回転することにより、前記ドラム内において処理対象物を撹拌するとともに前記軸線方向に移送するように構成されたディスク型処理装置に用いるディスク構造であって、前記ディスクの径方向において中空部を含む外周縁部を
全周にわたって被覆する被覆部材を備えることを特徴とする。
【0017】
この発明に係るディスク構造によれば、ドラムと、ドラム内において軸線の周りに回転される回転軸と、回転軸に配置され前記回転軸とともに回転自在とされるディスクとを備え、ディスクが回転することにより、ドラム内において処理対象物を撹拌するとともに軸線方向に移送するように構成されたディスク型処理装置に用いられるディスク構造が、ディスクの外周縁部を被覆する被覆部材を備えている。
その結果、周速度が最も大きいディスクの外周縁部が、被覆部材を介して処理対象物等と接触するので、ディスクの外周縁部が処理対象物等と直接接触しなくなり、ディスクが摩耗することに起因する補修を低減することが可能となり、ひいてはディスクの寿命を延長することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のディスク構造であって、前記被覆部材は、前記ディスクの外周縁部に形成されたプロテクタにより構成されることを特徴とする。
【0019】
この発明に係るディスク構造によれば、ディスク構造に用いられる被覆部材が、ディスクの外周縁部に形成されたプロテクタにより構成されているので、プロテクタを取付けることにより、ディスクの外周縁部を容易に被覆することができる。
また、プロテクタが摩耗した場合に、摩耗したプロテクタを容易に取り外して交換することが可能である。
また、既設のディスク型処理装置のディスクに対して、容易に取り付けてディスクの外周縁部を被覆することができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のディスク構造であって、前記プロテクタは、前記ディスクの周方向に複数に分割して形成されていることを特徴とする。
【0021】
この発明に係るディスク構造によれば、プロテクタが、ディスクの周方向に複数に分割して形成されているので、ディスクに対してプロテクタを効率的に取付けることができる。また、プロテクタを容易かつ効率的に製造することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載のディスク構造であって、前記プロテクタは、前記ディスクの
最外周側を連結する補強支持部材よりも内周側の領域を含む両側面を被覆するように形成されていることを特徴とする。
【0023】
この発明に係るディスク構造によれば、ディスクの外周縁部近くの両側面が、プロテクタによって被覆されるので、ディスクの外周縁部近傍の両側面における摩耗が抑制されて、ディスクの寿命を効率的に延長することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、ディスク用プロテクタであって、請求項2〜4のいずれか1項に記載のディスク構造を構成することを特徴とする。
【0025】
この発明に係るディスク用プロテクタによれば、ディスク外周縁部(外周縁部近傍)がプロテクタにより被覆するように構成されているので、ディスクにプロテクタを容易に取付けることができる。
【0026】
また、既設のディスク型処理装置に対してプロテクタを取り付けることにより、既設のディスク型処理装置におけるディスクの摩耗を容易に抑制して、ディスクの寿命を効率的に延長することができる。
また、プロテクタが摩耗した場合に、ディスクから容易に取り外してプロテクタを取換えることができる。
【0027】
請求項6に記載の発明は、ディスク型処理装置であって、請求項1〜4のいずれか1項に記載のディスク構造を備えることを特徴とする。
ディスク用プロテクタ
【0028】
この発明に係るディスク型処理装置によれば、周速度が最も大きいディスクの外周縁部が、被覆部材を介して処理対象物等と接触するので、ディスクの外周縁部が処理対象物等と直接接触することがなくなり、ディスクの摩耗が抑制され、ひいてはディスクの寿命を延長することができる。
【発明の効果】
【0029】
この発明に係るディスク構造、ディスク用プロテクタ及びディスク型処理装置によれば、ドラム内において、回転軸により回転されるディスクにより、ドラム内において処理対象物を撹拌するディスク型処理装置に関して、ディスクの外周縁部を被覆する被覆部材を備えているので、周速度が最も大きいディスクの外周縁部が、被覆部材を介して処理対象物等と接触して、ディスクの外周縁部が処理対象物等と直接接触することがなくなり、ディスクの摩耗が抑制され、ひいてはディスクの寿命を延長することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、
図1〜
図6を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係るディスク型処理装置の概略構成の一例を正面から見た一部断面図であり、符号Aは、ディスク型処理装置を、符号3はディスクを、符号4はディスク用プロテクタを示している。
【0032】
第1の実施形態に係るディスク型処理装置Aは、
図1に示すように、ドラム1と、中空回転軸(回転軸)2と、ディスク3と、ディスク3の外周縁部を被覆するディスク用プロテクタ4とを備えている。
【0033】
ドラム1は、筒状に形成された筒状体1Aと、筒状体1Aの両端に形成された固定側壁部(固定部材)1B、1Cとを備え、所定量容の空間を有する横置筒型に構成されている。
【0034】
また、ドラム1は、回転軸2の軸線方向から見たときの断面が、
図2に示すように、下部に形成された略円筒形状の部分と、略円筒形状の部分の上方に形成された略矩形のキャリアガス流路とを備えていて、ディスク3の周囲には、円筒形状とされた部分の間に適度な間隙が形成されている。
【0035】
ドラム1の軸線方向の一方側(
図1では左側)の上部には、処理対象物を投入する投入口10が設けられているとともに、その軸線方向の他方側(
図1では右側)には、処理対象物が処理されて生成された乾燥物等の処理物をドラム1の外部に排出するための処理物排出機構11が設けられている。以下、ドラム1の左側をドラム1の一方側、右側をドラム1の他方側として説明する。
【0036】
処理物排出機構11は、例えば、仕切板が配置されていて、処理物が仕切板を超えることにより、生成された処理物が、ドラム1の外部に排出されるように構成されている。
また、仕切板は、上下動可能とされていて、ドラム1内における処理対象物及び処理物の両及び滞留時間を調整できるようになっている。
【0037】
また、ドラム1の周囲にはジャケット14が設けられており、ドラム1の上流側の側壁に形成された熱媒体供給口14Aから供給された熱媒体がジャケット14内を流通してドラム1の下流側の下方に形成された熱媒体排出口14Bから排出されることで、ドラム1の内壁を通じて、処理対象物を加熱するようになっている。
【0038】
また、ドラム1の他方側の上部には、キャリアガス供給口12が設けられるとともに、一方側の上部にキャリアガス排出口13が設けられていて、キャリアガス供給口12から供給された空気等からなるキャリアガスは、処理対象物の移送方向と対向する方向に移動することにより、処理対象物が乾燥されて生じた水蒸気等をキャリアガス排出口から排出するようになっている。
【0039】
中空回転軸2は、
図2に示すように、ドラム1の軸心位置に配置されていて、固定側壁部1B及び固定側壁部1Cを貫通し、ドラム1の一方側から他方側に向かって形成されている。
そして、中空回転軸2の一方側(
図1では左側)は、ドラム1の外側においてスプロケット20が連結されている。
【0040】
また、このスプロケット20は、チェーン等の伝達機構を介して、モータ等からなる図示しない駆動源と連結されていて、この駆動源が駆動されて、スプロケット20を回転することにより、
図3に示す矢印T方向に、中空回転軸2が回転するように構成されている。以下、中空回転軸2の左側を中空回転軸2の一方側、右側を中空回転軸2の他方側という。
【0041】
中空回転軸2は、他方側に回転ジョイントを介して蒸気や温水等からなる熱媒体を供給するための熱媒体供給口21が設けられるとともに、一方側に回転ジョイントを介してドレン排出口22が設けられている。
【0042】
かかる構成により、熱媒体供給口22から供給された熱媒体は、処理対象物の移送方向とは逆の方向に移動されて、ドレン排出口22から排出されるように構成されている。
また、中空回転軸2内を流通する熱媒体は、各ディスク3に供給されるようになっている。
【0043】
ディスク3は、例えば、
図3(A)に示すように、中空回転軸2に対して、軸線方向に所定の間隔をあけて複数配列された構成とされている。
【0044】
また、各ディスク3の外周には、
図3(B)に示すように、ディスク3の外周に、送り羽根25が取付けられている。
送り羽根25は、
図3(B)に示すように、中空回転軸2の軸線方向に対して、所定のリード角θを形成するように配置されている。
【0045】
中空回転軸2が矢印T方向に回転されると、処理対象物及び処理物は、送り羽根25により、回転軸2の軸線方向に沿って、
図3(A)に矢印Sで示すドラム1の一方側から他方側に向って移送されるようになっている。
【0046】
なお、送り羽根25は、例えば、
図3(B)に示すように、搬送方向の後方側において、送り羽根25の数が少なくなる範囲が設定されるとともに、羽根の面が回転軸2の軸線と平行に形成される平羽根25aが複数個配置されている。
【0047】
かかる構成により、ドラム1内における処理対象物及び処理物の滞留時間が調整可能となり、送り羽根25及び平羽根25aの位置、数は、例えば、処理対象物の種類や中空回転軸2の回転速度等に基づいて設定することができる。
【0048】
また、それぞれのディスク3は、例えば、ステンレス鋼からなり、
図4(A)に示すように、中央に中空回転軸2を挿入する貫通孔が形成されるとともに中央部が膨出する2枚のドーナツ板30a、30bを、互いに外方が膨出する向きに配置して、外周縁部を溶接して、溶接部W1により接続されている。
【0049】
また、2枚のドーナツ板30a、30bとを接続する溶接部W1は、
図4に示すように、例えば、ドーナツ板30aの外周縁近傍の内周側の凹側面にドーナツ板30bの凹側面の外周縁を当接させ、ドーナツ板30bの外周縁からドーナツ板30aの外周縁にかけて肉盛溶接することで形成されている。
図4(B)の溶接部W1内に示した破線は、溶接前のドーナツ板30bの凹側面の外周縁を表している。なお、溶接部W1の形成方法及び態様は任意に設定可能である。
【0050】
また、
図4、
図5、
図6に示すように、ディスク3の内周側には、ドーナツ板30aとドーナツ板30bとを接続する補強支持部材31が、ディスク3の周方向に間隔をあけて配置され、補強支持部材31によりドーナツ板30aとドーナツ板30bは回転軸2の軸線方向に間隔をあけて接続されている。
【0051】
かかる構成により、蒸気等、圧力を有する熱媒体がディスク3の内部に供給された場合に、2枚のドーナツ板30a、30bが、蒸気の内圧によって変形され又は分離されるのを抑制することができるようになっている。ここで、
図5は、
図1におけるX2−X2矢視した図である。
【0052】
また、ディスク3は、内部に所定容量の空間32が形成され、ドーナツ板30a、30bに形成された貫通孔に中空回転軸2に挿入されるとともに、中空回転軸2とディスク3の内部とは、パイプ23により連通されていて、中空回転軸2からディスク3内に熱媒体が供給されるようになっている。
【0053】
パイプ23は、
図4(A)、
図5に示すように、中空回転軸2の周方向に間隔をあけて複数配置され、それぞれ中空回転軸2の外周面に開口されるとともに、外周面から内方に向かって延在された構成とされている。
この実施形態では、パイプ23は、中空回転軸2の周方向に、90°の間隔をあけて4本配置されている。
【0054】
また、パイプ23は、中空回転軸2を貫通して、一端側がディスク3の空間32に開口されるとともに、他端側が中空回転軸2の内方に開口されている。
また、パイプ23は、一端側が中空回転軸2に溶接されていて、他端側が、例えば、中空回転軸2の軸線に向かうように配置されている。
【0055】
また、パイプ23は、中空回転軸2内に供給された熱媒体が冷却されて生成されるドレンの量によって設定されていて、
図5に示すように、パイプ23の他端側の開口部がドレンDの上面位置より高くなるように設定されれている。
【0056】
かかる構成により、ディスク3が回転しても、中空回転軸2内に貯留されたドレンDが、パイプ23を介してディスク3内の空間32に逆流するのを防止することができるようになっている。
【0057】
また、ディスク3の周囲には、
図5に示すように、周方向に間隔をあけて複数のブラケット24が設けられており、この実施形態では、例えば、周方向に90°間隔で4つのブラケット24が配置されている。
ブラケット24は、必要に応じて、先端部に送り羽根25又は平羽根25aが配置されており、送り羽根25は、ディスク3の回転方向に対して所定の角度で傾斜されて送り面が形成されて構成されている。
【0058】
ディスク用プロテクタ4は、
図4〜
図6に示すように、ディスク3の外周縁部を被覆するように構成されていて、ディスク3の周方向に複数個に分割された分割プロテクタを、ディスク3の外周縁部に配列して、溶接されている。
第1の実施形態では、例えば、周方向に8分割された分割プロテクタ40aを備えた構成とされている。
【0059】
分割プロテクタ40aは、ディスク3の外周縁部を被覆する外周縁部被覆部材41と、ディスク3の外周縁部近傍の両側を被覆する一対の側板部材42とを備えている。
【0060】
外周縁部被覆部材41は、例えば、ステンレス鋼などからなる帯板をディスク3の外周の曲率半径と対応する円弧状に湾曲させることにより形成されていて、円弧の長さは、ディスク3の周長の1/8に対応している。
【0061】
また、外周縁部被覆部材41の幅は、ディスク3の外周端の幅、すなわちディスク3を形成する2枚のドーナツ板30a、30bの外周縁部における幅を合計した長さと対応して形成され、厚さは、例えば、6mmとされている。
【0062】
また、側板部材42は、
図5、
図6に示すように、ディスク3の外周縁部近傍の両側面を被覆可能するように構成されていて、例えば、ステンレス鋼などからなる板材を、ディスク3の外周縁部の曲率半径及び両側面の被覆範囲内周側の曲率半径に対応する幅の円弧状に形成することで構成されている。
【0063】
この実施形態において、側板部材42の幅は、例えば、ディスク3の最外周側を連結する補強支持部材31よりも外周側の領域を被覆するように設定されている。なお、側板部材42が、補強支持部材31より内周側の領域を被覆するように設定してもよい。
【0064】
また、側板部材42を構成する円弧の長さは、例えば、ディスク3の周長の1/8に対応して形成され、厚さは、例えば、6mmとされている。
第1の実施形態では、側板部材42の幅、厚さは、ディスク3の両側面において等しく形成されているが、異なる構成とすることも可能である。
【0065】
以下、上記構成からなる分割プロテクタ40aを、ディスク3に取付ける手順について説明する。
まず、外周縁部被覆部材41の幅方向の両端部に、側板部材42の上端部(ディスク3の外周縁部側に相当)を溶接して接続し、
図4(B)に示すような、断面チャネル状の分割プロテクタ40aを形成する。
【0066】
次いで、形成した断面チャネル状の分割プロテクタ40aを、ディスク3の外周部に装着し、ディスク3の両側面において、側板部材42の下端部(ディスク3の内周側)を溶接して、それぞれの側をディスク3に取付ける。
【0067】
なお、分割プロテクタ40aは、
図6に示すように、ディスク3の両側面の補強支持部材31近傍を避けて、支持部材31よりも外周側に溶接部W2を形成して接続することが好適である。
以上のように、補強支持部材31に近傍を避けて溶接することにより、ディスク3の補強支持部材31近傍が、補強支持部材31をディスク3に溶接する際の熱によって鋭敏化されていても、プロテクタ4を取付ける際の熱影響を抑制することができて好適である。
【0068】
次に、ディスク型処理装置Aの作用について説明する。
この実施形態において、例えば、処理対象物は水分を含んだ乾燥対象物、熱媒体は水蒸気、キャリアガスは空気とされている。
【0069】
(1)まず、ディスク型処理装置Aに対し、投入口10からドラム1内に処理対象物が投入される。
また、熱媒体供給口21から、中空回転軸2内に蒸気が供給されるとともに、キャリアガス供給口12からドラム1内に空気が供給される。
【0070】
(2)また、熱媒体供給口21から供給された蒸気は、ディスク3内で凝集してドレンとなり、パイプ23を介して中空回転軸2に排出された後にドレン排出口22から中空回転軸2外に排出される。
【0071】
(3)次に、投入された処理対象物は、中空回転軸2の回転にともなって回転されるディスク3によって撹拌されるとともに、ドラム1内を他方側の処理物排出機構11に向かって移送される。
このとき、ディスク3の外周縁部は、プロテクタ4により被覆されていて、ディスク3の外周縁が、処理対象物と直接接触することがないので、ディスク3の外周縁の摩耗が発生することが抑制される。
【0072】
(4)処理対象物は、ドラム1内において撹拌、移送される際にディスク3と接触し、中空回転軸2を通じてディスク3に供給された蒸気の熱により間接的に加熱されて、処理対象物が含んでいた水分は、水蒸気になって処理対象物から放出される。また、処理対象物が含んでいた水分が放出されることにより処理物が生成される。
【0073】
(5)次に、処理対象物から放出された水分は、キャリアガス供給口12から供給された空気によってキャリアガス排出口13側に移動されて、キャリアガス排出口13からドラム1外に排出される。
【0074】
(6)次いで、生成された処理物は、ドラム1の他方側に設けられた処理物排出機構11まで移送されて、処理物排出機構11からドラム1外に排出される。
【0075】
第1の実施形態に係るディスク型処理装置A及びディスク用プロテクタ4によれば、ディスク3において周速度が最も大きい外周縁部が、ディスク用プロテクタ4により被覆されているので、ディスク3が処理対象物及び処理物と直接接触することが防止され、ディスク3の外周縁部の摩耗が抑制される。
【0076】
以上のように、ディスク3の外周縁部の摩耗が抑制されることにより、摩耗に起因するディスク3を補修する必要性を低減することができる。
その結果、ディスク3の寿命を延長することが可能となり、ひいては、ディスク型処理装置Aの寿命を延長することができる。
【0077】
第1の実施形態に係るディスク型処理装置Aによれば、ディスク3を被覆する被覆部材が、ディスク3の外周縁部に形成されたプロテクタ4により構成されているので、ディスク3への取り付けを容易に行うことができる。
【0078】
また、ディスク型処理装置Aによれば、プロテクタ4が摩耗した場合は、摩耗したプロテクタ4を取り外して交換することが可能であるので、プロテクタ4を容易に交換することができる。
また、既設のディスク型処理装置が備えるディスクに対しても、容易に取り付けることができる。
【0079】
また、ディスク型処理装置Aによれば、プロテクタ4が、ディスクの周方向に複数に分割された分割プロテクタ40aにより構成されているので、ディスク3に対して、容易に取付けることができる。また、プロテクタ4を容易に製造することができる。
【0080】
また、ディスク型処理装置Aによれば、プロテクタ4が側板部材42aを備えていて、ディスクの外周縁部近くの両側面が被覆するように構成されているので、ディスク4の外周縁部近傍の両側面も摩耗から保護されて、ディスクの寿命を効率的に延長することができる。
【0081】
また、既設のディスク型処理装置に対してプロテクタを取り付けることにより、既設のディスク型処理装置におけるディスクの摩耗を容易に抑制して、ディスクの寿命を効率的に延長することができる。
また、プロテクタ4が摩耗した場合に、プロテクタ4をディスク3から容易に取り外してプロテクタ4を取換えることができる。
【0082】
次に、
図7を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7は、第2の実施形態に係るディスク用プロテクタ4Aを示す図であり、ディスク用プロテクタ4Aが第1の実施形態に係るディスク用プロテクタ4と異なるのは、ディスク用プロテクタ4がディスク3の軸線を含む断面において略チャネル形状に形成されていたのに対して、このディスク用プロテクタ4Aは、ディスク3の軸線を含む断面が略U字状に形成された構成とされている点である。その他は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0083】
ディスク用プロテクタ4Aは、例えば、ステンレス鋼などからなる板材をプレス加工することにより断面U字状に形成されている。
ディスク用プロテクタ4Aは、第1の実施形態に係るディスク用プロテクタ4と同様に、ディスク3の周方向において複数に分割された分割プロテクタ45により構成されていて、ディスク3の外周縁部に複数配置することにより、外周縁部近傍を全周にわたって被覆するように構成されている。
【0084】
ディスク用プロテクタ4Aによれば、略チャネル形状の断面を有するディスク用プロテクタ4と同様の効が効率的に確保されるとともに、側板部材を用いることなくディスク3の側面を被覆することができる。
【0085】
なお、上記の実施形態において記載した技術的事項については、上記実施形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0086】
例えば、上記実施の形態においては、ディスク用プロテクタ4、4Aが、ディスク3の外周縁部側に構造物からなる被覆部材を取り付けて摩耗を防止する場合について説明したが、被覆部材を耐摩耗性に優れた材料を溶射して形成してもよい。例えば、ケミカル工場で使用されるディスク型処理装置用として、耐摩耗性及び耐薬品性が優れたセラミック等の材料をディスクに溶射することにより、薬品とともに使用してもコンタミの発生を抑制しつつディスク寿命を延長できる点において好適なものとすることができる。
【0087】
また、上記実施の形態においては、ディスク用プロテクタ4が、外周縁部被覆部材41の幅の両端部に側板部材42を溶接することにより、断面チャネル状に形成する場合について説明したが、側板部材42が接合されていない外周縁部被覆部材41のみによりディスク用プロテクタを構成してもよい。
【0088】
また、上記実施の形態においては、側板部材42がディスク3の両側面において同じ構成とされる場合について説明したが、両側面を異なる構成としてもよいし、側板部材42をディスク3のいずれか一方の側面のみに配置する構成としてもよい。
また、断面U字型に代えて、J字型のほか、プロテクタの顔面形状は、任意に設定することができる。
【0089】
また、上記実施の形態においては、分割プロテクタ40aを、予め、外周縁部被覆部材41及び側板部材42を溶接により接合し、断面チャネル状に形成したうえで、ディスク3に取付ける場合について説明したが、外周縁部被覆部材41をディスク3の外周縁部に溶接し、側板部材42を、外周縁部に溶接された外周縁部被覆部材41及びディスク3に対して溶接するようにしてもよい。
【0090】
また、上記実施の形態においては、ディスク用プロテクタ4が、中空回転軸2に取付けられたすべてのディスク3に装着される場合について説明したが、処理対象物を処理する場合に、摩耗が大きいディスク3のみを対象として、プロテクタを取付ける構成としてもよい。
【0091】
また、上記実施の形態においては、ディスク用プロテクタ4が、ディスク3の周方向に8等分された分割プロテクタ40aにより構成される場合について説明したが、周方向において分割されていない一体構成としてもよいし、7個以下又は9個以上の任意の数に分割してもよい。