特許第6238441号(P6238441)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238441
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】付着物除去装置および軸流回転機械
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/70 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   F04D29/70 Q
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-248374(P2013-248374)
(22)【出願日】2013年11月29日
(65)【公開番号】特開2015-105619(P2015-105619A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2016年9月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 邦雄
【審査官】 岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−215500(JP,A)
【文献】 特開平03−206400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線を中心とする放射状に配置された複数の翼体を有して該軸線回りに相対回転する第一翼群及び第二翼群のうち第一翼群の翼体の少なくとも一つに設けられて、前記第二翼群の翼体に向かって延びて該第二翼群の翼体に摺接する第一付着物除去部と、
前記第一翼群の翼体を覆うカバーと、を備え、
前記第一付着物除去部は、前記カバーの外面に設けられている付着物除去装置。
【請求項2】
前記第一付着物除去部は、前記カバーに対して前記軸線の径方向に移動可能であることを特徴とする請求項に記載の付着物除去装置。
【請求項3】
前記カバーに設けられて、外周面が前記第一翼群及び第二翼群を囲うケーシングの内面に接触することで、前記第一翼群の前記軸線回りの回転に伴って中心軸回りに回転するローラと、
第一端部が前記第一付着物除去部に回動可能に接続されるとともに、前記第一端部の反対側の第二端部が前記ローラの中心軸から偏心して該ローラに回動可能に接続されたリンク部材とを備える請求項に記載の付着物除去装置。
【請求項4】
前記カバーの内面に設けられて、前記第一翼群の翼体に摺接する第二付着物除去部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の付着物除去装置。
【請求項5】
軸線から放射状に延びる複数の翼体を有して該軸線回りに相対回転する第一翼群及び第二翼群と、
これら第一翼群及び第二翼群を囲うように配置されたケーシングと、
請求項1からのいずれか一項に記載の付着物除去装置とを備える軸流回転機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は付着物除去装置および軸流回転機械に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、軸流式の送風機等の回転機械は、環状流路を形成するケーシングと、ケーシング内部で回転する回転軸と、回転軸に固定され回転軸とともに回転する動翼と、ケーシング内面に形成されるとともに回転軸方向において動翼と交互に配接される静翼と、を備えている。軸流式の送風機等の回転機械はケーシング内部に環状流路を形成し、環状流路に流れ込んだ空気を動翼により圧送する。このような軸流式の送風機等の回転機械は、空気中の塵埃などの固形物が動翼の翼面や翼縁に付着することで翼の面粗度が悪化するため、運転により大幅な性能低下を招くことがある。よって軸流式の送風機等の回転機械の性能を維持するために、定期的に動翼の翼面や翼縁の付着物を除去する必要がある。
【0003】
例えば、回転機械の動翼の翼面や翼縁に付着物を除去する装置としては、特許文献1に開示されているものが知られている。この装置は、ケーシングに設けられた貫通孔から挿入されるブラシ状の付着物除去部材を備えている。そして、該付着物除去部材が、回転軸とともに回転する動翼の前縁部と接触することで、動翼の翼縁や翼面の付着物が除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−206400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、回転機械の静翼は回転軸とともに回転することはないため、上記特許文献1に記載の翼面上付着物除去装置では、回転機械の回転を利用して静翼に付着した付着物を効率的に除去することはできない。
【0006】
また、動翼の前縁部に代えて後縁部の付着物を除去しようとした場合、当該後縁部に対応する箇所に改めて付着物除去部材を挿入し直す必要があり作業が煩雑となる。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、回転機械の翼の付着物を効率的に除去することができる付着物除去装置、及び、該付着物除去装置を備えた軸流回転機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための発明に係る一態様としての付着物除去装置は、軸線から放射状に延びる複数の翼体を有して該軸線周りに相対回転する第一翼群および第二翼群のうち第一翼群の翼体の少なくとも一つに設けられて、前記第二翼群の翼体に向かって延びて前記第二翼群の翼体に摺接する第一付着物除去部と、前記第一翼群の翼体を覆うカバーと、を備え、前記第一付着物除去部は、前記カバーの外面に設けられている
【0009】
このような特徴の付着物除去装置によれば、第一翼群と第二翼群とが相対回転することで、第一翼群の翼体に設けられた第一付着物除去部が、第二翼群の複数の翼体に順次摺接する。また、第一翼群が回転して第二翼群が静止している場合、第一翼群が静止して第二翼群が回転している場合のいずれであっても、第二翼群の複数の翼体に第一付着物除去部が順次修正する。
また、第一付着物除去部を容易に第一翼群の翼体に設けることができる。また、付着物除去部材を翼体に取り付ける際に位置調整等を行う必要がなく、取付作業が煩雑となることを回避できる。
【0012】
また、上記付着物除去装置において、前記第一付着物除去部は、前記カバーに対して前記軸線の径方向に移動可能であってもよい。
【0013】
上記構成により、第一翼群と第二翼群とが相対回転する際に第一付着物除去部をカバーに対して径方向に移動させれば、第二翼群の翼体からの付着物除去効果を向上させることができる。また、第一付着物除去部の径方向の寸法が短い場合であっても、該第一付着除去部を翼体の翼高方向の全体に摺接させることができる。
【0014】
また、上記付着物除去装置は、前記カバーに設けられて、外周面が前記第一翼群及び第二翼群を囲うケーシングの内面に接触することで、前記第一翼群の前記軸線回りの回転に伴って中心軸回りに回転するローラと、第一端部が前記第一付着物除去部に回動可能に接続されるとともに、前記第一端部の反対側の第二端部が前記ローラの中心軸から偏心して該ローラに回動可能に接続されたリンク部材とを備えている。
【0015】
上記構成により、第一翼群が軸線回りに回転するとカバーに設けられたローラがケーシングの内面に沿って回転する。これに伴い、ローラの中心軸から偏心して接続されたリンク部材の一端がローラの中心軸を中心として偏心回転する。これにより、リンク部材の他端は軸線の径方向に往復移動するため、該他端に接続された第一付着物除去部も同様にカバーに対して軸線の径方向に往復移動する。
【0016】
さらに、上記付着物除去装置は、前記カバーの内面に前記第一翼群の翼体に摺接する第二付着物除去部を備えていてもよい。
【0017】
上記構成により、翼体にカバーを取り付ける際に、カバーの内面に設けられた第二付着物除去部が翼体に摺接する。
【0018】
本発明に係る軸流回転機械は、軸線から放射状に延びる複数の翼体を有して該軸線回りに相対回転する第一翼群及び第二翼群と、これら第一翼群及び第二翼群を囲うように配置されたケーシングと、上記いずれかの付着物除去装置とを備える。
【0019】
このような軸流回転機械でも、以上のいずれかの付着物除去装置を備えているので、動翼および静翼の翼体に付着した付着物を除去することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、付着物除去部が第二翼群の複数の翼体に順次摺接することで、回転機械の翼体に付着した付着物を効率的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る第一実施形態の軸流回転機械における軸線を含む子午面断面図である。
図2】本発明の第一実施形態に係る付着物除去装置の子午面断面図である。
図3】本発明に係る第一実施形態の軸流回転機械における付着物除去装置が取り付けられた動翼及び該動翼と隣り合う静翼の径方向に直交する断面図である。
図4】本発明の第一実施形態に係る軸流回転機械における付着物除去装置の取付手順を説明する図である。
図5】本発明に係る第二実施形態に係る軸流回転機械の軸線に直交する模式断面図である。
図6】本発明に係る第三実施形態に係る付着物除去装置の子午面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態に係る軸流回転機械および付着物除去装置を図1図4を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の軸流回転機械1は例えば軸流式の送風機である。この軸流回転機械1は、軸線Oに沿って延びる円筒形状のケーシング2と、このケーシング2の内部で軸線O回りに回転する回転軸3と、回転軸3に固定され該回転軸3とともに回転する動翼(翼体)4と、ケーシング2の内面に形成されるとともに軸線O方向において動翼4と交互に配接される静翼(翼体)5と、動翼4に設けられた付着物除去装置6とを備えている。
【0024】
ケーシング2は回転軸3との間に圧送対象となる気体の環状流路を形成するために、気密性の高い略円筒状の部材で形成される。ケーシング2には該ケーシング2の内面にアクセス可能な検査孔10が設けられると共に、検査孔10を塞いで気密性を保持することができる検査蓋11が設けられている。本実施形態では、検査孔10及び検査蓋11は、特定の動翼4に対して、軸線O方向の同一位置に設けられている。
【0025】
回転軸3は軸線Oに沿って延びる円柱状をなしており、図示しない電動機等の動力源によって軸線O回りに回転させられる。
【0026】
動翼4は、回転軸3から径方向外側に向かって延びる翼体である。この動翼4は、複数が軸線O方向の同一位置に周方向に間隔をあけて放射状に配置されることで動翼群(第一翼群)を形成している。このような動翼群は軸線O方向に間隔をあけて複数配置されている。これら動翼4は、回転軸3の回転に伴って、軸線Oを中心に回転することで環状流路内部の気体を圧送する。
【0027】
静翼5は、ケーシング2の内面から径方向内側に向かって延びる翼体である。この静翼5は軸線O方向の同一位置に周方向に間隔をあけて放射状に配置されることで静翼群(第二翼群)を形成している。このような静翼群は軸線O方向に間隔をあけて、動翼群と交互に複数配置されている。これら静翼5は環状流路内部を流れる流体を整流して動翼へと送り込む。
静翼5には、軸流回転機械1の運転により、例えば図3に示すように空気中の塵埃などの固形物が付着物Sとして翼面や翼縁に付着する。この付着物を除去するために、付着物除去装置6が使用される。
【0028】
付着物除去装置6は、図2及び図3に示すように動翼4を覆うカバー6aと、カバー6aの外面に設けられた第一付着物除去部6bを有する。
カバー6aは付着物Sの除去を行う際に、動翼4の翼体から外れ難い形状、材質であればよく、例えば、内面が動翼4の翼体形状に沿って形成される金属や樹脂等から形成される。
【0029】
第一付着物除去部6bは、カバー6aの外面に設けられ、軸線O方向一方側及び他方側に隣り合う静翼5に向かって延びている。これにより第一付着物除去部6bは、軸線方向一方側及び他方側の静翼5に摺接可能とされている。第一付着物除去部6bは例えば、ブラシ状部材であり、動翼4が回転軸3とともに軸線Oを中心に回転することでその先端が静翼5に摺接する。なお、本実施形態では、第一付着物除去部6bは軸線O方向一方側及び他方側の双方の静翼5に向けて設けられているが、軸線O方向一方側又は他方側の片側の静翼5のみに向けて延びるように設けられていてもよい。
【0030】
次に図4を用いて本実施形態の付着物除去装置6を使用して静翼5に付着した付着物Sを除去する場合の手順を説明する。
【0031】
付着物Sを除去する際には、まず軸流回転機械1の運転を停止した後に、図4(a)に示すように、ケーシングの検査孔10に設置された検査蓋11を取り外す。
【0032】
その後、図4(b)に示すように、付着物除去装置6を検査孔10からケーシング2の内部に挿入する。そして、図4(c)に示すように、ケーシング2の内部でカバー6aを動翼4の外面に被せるようにして、付着物除去装置6を動翼4に装着する。この際、ケーシング2の内部に挿入される付着物除去装置6は一の動翼群の一の動翼4のみに装着すべく1つであってもよいし、一の動翼群の複数の動翼4に装着すべく複数であってもよい。即ち、付着物除去装置6を複数用いて付着物Sの除去を行う場合は、一の動翼群の複数の動翼4のそれぞれに付着物除去装置6が装着される。
【0033】
次に、図4(d)に示すように、動翼4の翼体に付着物除去装置6を装着した後に検査蓋11によって検査孔10を閉塞する。そして、その後に回転軸3を回転させることによって、付着物除去装置6に設けられた第一付着物除去部6bが軸線O方向に隣り合う静翼群の各静翼5に順次摺接する。これによって、これら静翼5の付着物Sが除去される。
【0034】
以上のように、本実施形態の付着物除去装置6は動翼4の翼体を覆うカバー6aを備えているため、付着物Sを除去する際に動翼4に付着物除去装置6を装着するのみで、静翼5に付着した付着物を除去することができる。したがって煩雑な作業を要することなく、付着物を容易に除去することが可能となる。
また、動翼4の翼体に付着物除去装置6を装着した際に、第一付着物除去部6bが軸線O方向に隣り合う静翼5のと摺接するため、付着物除去装置6の位置合わせ等の煩雑な作業を別途行うことなく付着物Sの除去を行うことができる。
【0035】
<第二実施形態>
次に本発明の第二実施形態軸について図5を用いて説明する。なお、第二実施形態では第一実施形態と同様の構成要素については、第一実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第二実施形態の付着物除去装置60は、第一付着物除去部60bが回転軸3の回転とともに可動する点で第一実施形態と相違する。
【0036】
本実施形態の付着物除去装置60は、カバー60aと、第一付着物除去部60bと、ローラ支持部7aと、ローラ7と、リンク部材8とを備えている。
カバー60aは、第一実施形態のカバー6aと同様の構成をなしている。
また、第一付着物除去部60bは、カバー6aの外面に該カバー6aに対して軸線Oの径方向にスライド移動可能に設けられている。即ち、第一付着物除去部60bは、カバー6aの径方向の寸法の範囲内で径方向の任意の位置に移動可能とされている。
【0037】
ローラ支持部7aは、カバー60aに固定された部材であって、該カバー60aの径方向外側の先端から該径方向及び軸線O方向の双方に直交する方向に突出するように設けられている。
【0038】
ローラ7は、ローラ支持部7aにおけるカバー60a側とは反対側の端部に支持された円板状の部材である。このローラ7は、軸線Oに平行な軸線を中心軸として回転可能にローラ支持部7aに設けられている。ローラ7の外周面は、軸線Oに直交する断面形状が円形をなすケーシング2の内面に当接している。
なお、ローラ7は必ずしも円盤である必要はなく、例えば楕円のように中心から円周までの距離が一定でない円盤であってもよいし、ケーシング2の内面に損傷を与えないようであれば多角形盤であってもよい。
【0039】
リンク部材8は棒状をなす部材である。このリンク部材8の第一端部は、第一付着物除去部の径方向内側の端部に、軸線Oと平行な軸回りに回動可能に接続されている。また、リンク部材8の第一端部とは反対側の第二端部は、ローラ7に対してその中心軸から偏心した位置に、ローラ7の中心軸と平行な軸回り、即ち、軸線Oと平行な軸回りに回動可能に接続されている。
なお、このリンク部材8は、回転軸3の回転する際にローラ支持部7aやローラ7の中心軸に対して干渉しないように設けられている。
【0040】
本実施形態の付着物除去装置60は、付着物Sを除去する際に回転軸3が回転することにより、カバー60aに設けられたローラ7もケーシング2の内面に沿って回転する。これに伴い、ローラ7の中心軸から偏心して接続されたリンク部材8の第二端部がローラ7の中心軸を中心として回転する。これにより、リンク部材8は径方向を往復移動するため、このリンク部材8の第一端部に接続された付着物除去部60bもカバー60に対して軸線の径方向に往復移動する。
【0041】
このように、第二実施形態の付着物除去装置60は、付着物除去部60bが軸線の径方向を往復移動するため、付着物除去部60bが静翼5の翼体の翼高の全体に摺接することとなる。これにより第一実施形態の付着物除去装置6と比較して付着物Sの除去効果をさらに高めることができる。
【0042】
<第三実施形態>
本発明の第三実施形態について図6を用いて説明する。
第三実施形態では、付着物除去装置600を構成するカバー600aの内面にさらに第二付着物除去部600cを備える点で第一及び第二実施形態と相違する。
【0043】
即ち、本実施形態の付着物除去装置600は、カバー600a、第一付着物除去部600b及び第二付着物除去部600cを備えている。
カバー600a及び第一付着物除去部600bは第一及び第二実施形態のカバー6a,60a、第一付着物除去部6b,60bと同様の構成をなしている。
【0044】
第二付着物除去部600cは、カバー600aの内面に設けられた例えばブラシ状部材であり、動翼4に付カバー600aを被せる際にその先端が動翼4に摺接可能となるように設けられている。
【0045】
本実施形態の付着物除去装置600は、付着物Sを除去する際に付着物除去装置600を動翼4に取り付けることで、カバー600aの内面に設けられた付着物除去部600dが動翼4の外面に摺接する。これにより、付着物除去装置600を動翼4に装着するだけで動翼4に付着した付着物Sを除去することができる。即ち、静翼5の付着物S除去と同時に動翼4の付着物除去も可能となるため、さらに効率的に付着物Sを除去することができる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、付着物除去装置6、600は、静翼5に取り付けられてもよい。静翼5に付着物除去装置6、600を取り付ける場合には、付着物除去装置6,600のカバー6a、600aは例えば、ゴムのような弾性体で形成されていてもよい。これにより、静翼5に付着した付着物Sのみならず、動翼4の翼体に付着した付着物Sも効率的に除去することができる。また、静翼5の翼体に付着物除去装置6,600を装着した際に、第一付着物除去部6b、600bが軸線O方向において隣り合う動翼4の外面と摺接するため、第一付着物除去装置6b、600bの位置あわせを行うことなく付着物Sの除去を行うことができる。
【0047】
また上記では、動翼群のうちの一つの動翼4に付着物除去装置6、600を取り付けた例について説明したが、一の動翼群の複数の動翼4に付着物除去装置6、600が取り付けられていてもよい。即ち、動翼群の複数の動翼4のうちの少なくとも一つに付着物除去装置6、600が取り付けられていればよい。さらに、静翼群の複数の静翼5のうちの少なくとも一つに付着物除去装置6、600が取り付けられていてもよい。
【0048】
また、付着物除去部6a、60a、600aは必ずしもブラシ状部材である必要はなく、付着物Sを除去でき、かつ軸方向で隣り合う翼体に損傷を与えないような部材であればよい。
さらに、以上の各実施形態のそれぞれを組み合わせた形態を採用しても良い。
【0049】
また、各実施形態では、軸流回転機械1として送風機に適用した例を説明したが、例えば圧縮機等の他の軸流回転機械に適用してもよい。さらに、圧送対象は気体に限られず、液体を圧送する軸流式のポンプを軸流回転機械として本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 軸流回転機械
2 ケーシング
3 回転軸
4 動翼(第一翼群の翼体)
5 静翼(第二翼群の翼体)
6 付着物除去装置
6a カバー
6b 第一付着物除去部
7 ローラ
7a ローラ支持部
8 リンク部材
10 検査孔
11 検査蓋
60 付着物除去装置
60a カバー
60b 第一付着物除去部
600 付着物除去装置
600a カバー
600b 第一付着物除去部
600c 第二付着物除去部
図1
図2
図3
図4
図5
図6