【実施例】
【0042】
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
なお、以下の実施例1〜4及び6は参考例である。
(合成例1)
撹拌機、分溜コンデンサー、温度計及び窒素導入管を備えた5Lのフラスコに、1693質量部のテレフタル酸、1350質量部のプロピレングリコールを加え、窒素気流下で加熱撹拌しながら160℃まで昇温させた後、210℃まで徐々に昇温させて、エステル化反応を行った。酸価が8.8mgKOH/gになった時点で冷却し、666質量部の無水マレイン酸をさらに加えてエステル化反応を行なった。酸価が26.6mgKOH/gになった時点で冷却して反応を終了させ、3170質量部の不飽和ポリエステルを得た。この不飽和ポリエステルの重量平均分子量を前記の条件にて測定したところ、12,600であった。また、この不飽和ポリエステルは、ベンゼン環を有する全残基中、テレフタル酸残基が100モル%であった。
次に、3170質量部の上記不飽和ポリエステルに、0.80質量部のハイドロキノン、1質量部のヒンダードフェノール系酸化防止剤(IRGANOX 245)を配合した後、これを2040質量部のスチレン(分子量104)に溶解させることにより、25℃での粘度が7.8dPa・sの樹脂組成物PE−1を得た。
【0043】
(合成例2)
撹拌機、コンデンサー、温度計及び乾燥空気導入管を備えた5Lのフラスコに、2238質量部のビスフェノールA型エポキシ樹脂(AER 2603、旭化成エポキシ株式会社、エポキシ当量186.2)、258質量部のビスフェノールA、3.8質量部のトリエチルアミン(触媒)を加え、乾燥空気雰囲気下で攪拌しながら昇温させた後、145℃で1時間反応させた。次に、1.0質量部のメチルハイドロキノン、828質量部のメタクリル酸、10質量部の2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(セイクオールTDMP)(触媒)をさらに加え、120℃〜130℃でエステル化反応を行なった。酸価が9.5mgKOH/gになった時点で冷却して反応を終了させ、3338質量部のビニルエステルを得た。このビニルエステルの重量平均分子量を前記の条件にて測定したところ、990であった。また、このビニルエステルは、ベンゼン環を有する全残基中、ビスフェノールA残基が100モル%であった。
次に、3338質量部の上記ビニルエステルに、1.0質量部のハイドロキノン、1質量部のヒンダードフェノール系酸化防止剤(IRGANOX 259)、1707質量部のスチレン(分子量104)を加えることにより、25℃での粘度が3.1dPa・sの樹脂組成物VE−1を得た。
【0044】
(合成例3)
スチレン(分子量104)の代わりにメチルメタクリレート(分子量100)を用いたこと以外は合成例2と同様にして、25℃での粘度が7.2dPa・sの樹脂組成物VE−2を得た。
【0045】
(比較合成例1)
撹拌機、分溜コンデンサー、温度計及び窒素導入管を備えた5Lのフラスコに、1130質量部のイソフタル酸、1350質量部のプロピレングリコールを加え、窒素気流下で加熱撹拌しながら160℃まで昇温させた後、210℃まで徐々に昇温させて、エステル化反応を行った。酸価が8.8mgKOH/gになった時点で冷却し、1000質量部の無水マレイン酸をさらに加えてエステル化反応を行なった。酸価が26.6mgKOH/gになった時点で冷却して反応を終了させ、3170質量部の不飽和ポリエステルを得た。この不飽和ポリエステルの重量平均分子量を前記の条件にて測定したところ、13,100であった。なお、この不飽和ポリエステルは、ベンゼン環を有する全残基中、イソフタル酸残基が100モル%であり、テレフタル酸残基、ビスフェノールA残基又はビスフェノールF残基を有していない。
次に、3170質量部の上記不飽和ポリエステルに、0.80質量部のハイドロキノンを配合した後、これを2040質量部のスチレン(分子量104)に溶解させることにより、25℃での粘度が8.9dPa・sの樹脂組成物PE−2を得た。
【0046】
(比較合成例2)
合成例2で調製したビニルエステル3338質量部に、1.0質量部のハイドロキノン、2719質量部のフェノキシエチルメタクリレート(分子量206)を加えることにより、25℃での粘度が12dPa・sの樹脂組成物VE−3を得た。
【0047】
(比較合成例3)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(IRGANOX 245)を配合しなかったこと以外は合成例1と同様にして、25℃での粘度が7.6dPa・sの樹脂組成物PE−3を得た。
【0048】
(比較合成例4)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(IRGANOX 259)を配合しなかったこと以外は合成例2と同様にして、25℃での粘度が3.1dPa・sの樹脂組成物VE−4を得た。
【0049】
(比較合成例5)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(IRGANOX 259)を配合しなかったこと以外は合成例3と同様にして、25℃での粘度が7.1dPa・sの樹脂組成物VE−5を得た。
【0050】
(実施例1)
100質量部の樹脂組成物PE−1に、1.0質量部のビスアシルホスフィンオキサイド(光重合開始剤、イルガキュア1800、チバスペシャルティーケミカルズ株式会社)、0.8質量部のアエロジェル200(揺変剤、日本アエロジェル株式会社)を加えて混合することにより、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、透明なポリウレタンで片面が被覆されたポリエステル繊維製のフェルト様織物(10mm厚、コーティングフェルト、日本バルカー工業株式会社)のフェルト層に、上記の光硬化性樹脂組成物をローラーで含浸及び脱泡させた後、常温で1時間放置することにより、光硬化性材料を得た。ここで、光硬化性樹脂組成物の使用量は、10質量部のフェルト様織物に対して100質量部とした。
【0051】
次に、2kWメタルハライドランプ(商品名ダイナビーム2:東芝ライテック株式会社)を用い、上記の光硬化性材料のポリウレタン被覆面から1mの距離を空けて10mW/cm
2の照度で光照射したところ、7分で裏面まで完全に硬化した。
得られた硬化物について、バーコール硬度(934−1型を使用)を測定したところ、硬化物の表裏ともに35以上の値を示した。
また、得られた硬化物についてJIS K7116「プラスチック−クリープ特性の試験方法−第2部:3点負荷による曲げクリープ」に従ってクリープ試験を行った後、クリープ弾性率−時間線図を作成し、回帰曲線を基に50年後の推定弾性率を求めた。そして、現時点の弾性率と50年後(438000時間後)の推定弾性率とを基に、50年後の弾性率保持率を算出した。なお、クリープ試験は、以下の条件で行った。
試験片形状:幅15mm×長さ150mm×厚さ6mm
支点間距離:96mm
測定時間:0〜1000時間
試験加重:以下の式により算出
試験加重M=b・d
2・s・9.80665/14.71L
(式中、M:試験加重(N)、b:試験片の幅(mm)、d:試験片の厚さ(mm)、s:0.025E
0(E
0:初期曲げ弾性率)、L:支点間距離(mm))
その結果、50年後の弾性率保持率は、81%であった。なお、以下の実施例及び比較例における弾性率保持率の評価は、上記と同様の方法で行った。
【0052】
(実施例2)
100質量部の樹脂組成物VE−1に、0.8質量部のビスアシルホスフィンオキサイド(光重合開始剤、イルガキュア184、チバスペシャルティーケミカルズ株式会社)、0.8質量部のアエロジェル200(揺変剤、日本アエロジェル株式会社)を加えて混合することにより、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、透明なポリウレタンで片面が被覆されたポリエステル繊維製のフェルト様織物(10mm厚、コーティングフェルト、日本バルカー工業株式会社)のフェルト層に、上記の光硬化性樹脂組成物をローラーで含浸及び脱泡させた後、常温で1時間放置することにより、光硬化性材料を得た。ここで、光硬化性樹脂組成物の使用量は、10質量部のフェルト様織物に対して100質量部とした。
【0053】
次に、上記の光硬化性材料に対して実施例1と同様の条件で光照射を行った結果、7分で裏面まで完全に硬化した。
得られた硬化物について、バーコール硬度(934−1型を使用)を測定したところ、硬化物の表裏ともに35以上の値を示した。
また、得られた硬化物について、クリープ試験を行い、50年後の弾性率保持率を算出したところ、86%であった。
【0054】
(実施例3)
50質量部の樹脂組成物PE−1と50質量部の樹脂組成物VE−1との混合物に、1.5質量部のパーブチルO、0.8質量部のアエロジェル200(揺変剤、日本アエロジェル株式会社)を加えて混合することにより、熱硬化性樹脂組成物を得た。
次に、透明なポリウレタンで片面が被覆されたポリエステル繊維製のフェルト様織物(10mm厚、コーティングフェルト、日本バルカー工業株式会社)のフェルト層に、上記の熱硬化性樹脂組成物をローラーで含浸及び脱泡させた後、常温で8時間放置することにより、熱硬化性材料を得た。ここで、熱硬化性樹脂組成物の使用量は、10質量部のフェルト様織物に対して100質量部とした。
【0055】
次に、上記の熱硬化性材料を80℃で2時間加熱することにより完全に硬化させた。
得られた硬化物について、バーコール硬度(934−1型を使用)を測定したところ、硬化物の表裏ともに35以上の値を示した。
また、得られた硬化物について、クリープ試験を行い、50年後の弾性率保持率を算出したところ、83%であった。
【0056】
(実施例4)
100質量部の樹脂組成物VE−2に、0.8質量部のビスアシルホスフィンオキサイド(光重合開始剤、イルガキュア184、チバスペシャルティーケミカルズ株式会社)、0.8質量部のアエロジェル200(揺変剤、日本アエロジェル株式会社)を加えて混合することにより、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、透明なポリウレタンで片面が被覆されたポリエステル繊維製のフェルト様織物(10mm厚、コーティングフェルト、日本バルカー工業株式会社)のフェルト層に、上記の光硬化性樹脂組成物をローラーで含浸及び脱泡させた後、常温で1時間放置することにより、光硬化性材料を得た。ここで、光硬化性樹脂組成物の使用量は、10質量部のフェルト様織物に対して100質量部とした。
【0057】
次に、上記の光硬化性材料に対して実施例1と同様の条件で光照射を行った結果、7分で裏面まで完全に硬化した。
得られた硬化物について、バーコール硬度(934−1型を使用)を測定したところ、硬化物の表裏ともに35以上の値を示した。
また、得られた硬化物について、クリープ試験を行い、50年後の弾性率保持率を算出したところ、88%であった。
【0058】
(比較例1)
100質量部の樹脂組成物PE−2に、1.0質量部のビスアシルホスフィンオキサイド(光重合開始剤、イルガキュア1800、チバスペシャルティーケミカルズ株式会社)、0.8質量部のアエロジェル200(揺変剤、日本アエロジェル株式会社)を加えて混合することにより、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、透明なポリウレタンで片面が被覆されたポリエステル繊維製のフェルト様織物(10mm厚、コーティングフェルト、日本バルカー工業株式会社)のフェルト層に、上記の光硬化性樹脂組成物をローラーで含浸及び脱泡させた後、常温で1時間放置することにより、光硬化性材料を得た。ここで、光硬化性樹脂組成物の使用量は、10質量部のフェルト様織物に対して100質量部とした。
【0059】
次に、上記の光硬化性材料に対して実施例1と同様の条件で光照射を行った結果、7分で裏面まで完全に硬化した。
得られた硬化物について、バーコール硬度(934−1型を使用)を測定したところ、硬化物の表裏ともに35以上の値を示した。
また、得られた硬化物について、クリープ試験を行い、50年後の弾性率保持率を算出したところ、53%であった。
【0060】
(比較例2)
100質量部の樹脂組成物PE−3に、1.0質量部のビスアシルホスフィンオキサイド(光重合開始剤、イルガキュア1800、チバスペシャルティーケミカルズ株式会社)、0.8質量部のアエロジェル200(揺変剤、日本アエロジェル株式会社)を加えて混合することにより、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、透明なポリウレタンで片面が被覆されたポリエステル繊維製のフェルト様織物(10mm厚、コーティングフェルト、日本バルカー工業株式会社)のフェルト層に、上記の光硬化性樹脂組成物をローラーで含浸及び脱泡させた後、常温で1時間放置することにより、光硬化性材料を得た。ここで、光硬化性樹脂組成物の使用量は、10質量部のフェルト様織物に対して100質量部とした。
【0061】
次に、上記の光硬化性材料に対して実施例1と同様の条件で光照射を行った結果、7分で裏面まで完全に硬化した。
得られた硬化物について、バーコール硬度(934−1型を使用)を測定したところ、硬化物の表裏ともに35以上の値を示した。
また、得られた硬化物について、クリープ試験を行い、50年後の弾性率保持率を算出したところ、56%であった。
【0062】
(比較例3)
100質量部の樹脂組成物VE−3に、1.0質量部のビスアシルホスフィンオキサイド(光重合開始剤、イルガキュア1800、チバスペシャルティーケミカルズ株式会社)、0.8質量部のアエロジェル200(揺変剤、日本アエロジェル株式会社)を加えて混合することにより、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、透明なポリウレタンで片面が被覆されたポリエステル繊維製のフェルト様織物(10mm厚、コーティングフェルト、日本バルカー工業株式会社)のフェルト層に、上記の光硬化性樹脂組成物をローラーで含浸及び脱泡させた後、常温で1時間放置することにより、光硬化性材料を得た。ここで、光硬化性樹脂組成物の使用量は、10質量部のフェルト様織物に対して100質量部とした。
【0063】
次に、上記の光硬化性材料に対して実施例1と同様の条件で光照射を行った結果、7分で裏面まで完全に硬化した。
得られた硬化物について、バーコール硬度(934−1型を使用)を測定したところ、硬化物の表裏ともに35以上の値を示した。
また、得られた硬化物について、クリープ試験を行い、50年後の弾性率保持率を算出したところ、51%であった。
【0064】
(比較例4)
100質量部の樹脂組成物PE−3に、1.0質量部のビスアシルホスフィンオキサイド(光重合開始剤、イルガキュア1800、チバスペシャルティーケミカルズ株式会社)、0.8質量部のアエロジェル200(揺変剤、日本アエロジェル株式会社)を加えて混合することにより、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、透明なポリウレタンで片面が被覆されたポリエステル繊維製のフェルト様織物(10mm厚、コーティングフェルト、日本バルカー工業株式会社)のフェルト層に、上記の光硬化性樹脂組成物をローラーで含浸及び脱泡させた後、常温で1時間放置することにより、光硬化性材料を得た。ここで、光硬化性樹脂組成物の使用量は、10質量部のフェルト様織物に対して100質量部とした。
【0065】
次に、上記の光硬化性材料に対して実施例1と同様の条件で光照射を行った結果、7分で裏面まで完全に硬化した。
得られた硬化物について、バーコール硬度(934−1型を使用)を測定したところ、硬化物の表裏ともに35以上の値を示した。
また、得られた硬化物について、クリープ試験を行い、50年後の弾性率保持率を算出したところ、59%であった。
【0066】
(比較例5)
100質量部の樹脂組成物VE−4に、0.8質量部のビスアシルホスフィンオキサイド(光重合開始剤、イルガキュア184、チバスペシャルティーケミカルズ株式会社)、0.8質量部のアエロジェル200(揺変剤、日本アエロジェル株式会社)を加えて混合することにより、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、透明なポリウレタンで片面が被覆されたポリエステル繊維製のフェルト様織物(10mm厚、コーティングフェルト、日本バルカー工業株式会社)のフェルト層に、上記の光硬化性樹脂組成物をローラーで含浸及び脱泡させた後、常温で1時間放置することにより、光硬化性材料を得た。ここで、光硬化性樹脂組成物の使用量は、10質量部のフェルト様織物に対して100質量部とした。
【0067】
次に、上記の光硬化性材料に対して実施例1と同様の条件で光照射を行った結果、7分で裏面まで完全に硬化した。
得られた硬化物について、バーコール硬度(934−1型を使用)を測定したところ、硬化物の表裏ともに35以上の値を示した。
また、得られた硬化物について、クリープ試験を行い、50年後の弾性率保持率を算出したところ、64%であった。
【0068】
(比較例6)
100質量部の樹脂組成物VE−5に、0.8質量部のビスアシルホスフィンオキサイド(光重合開始剤、イルガキュア184、チバスペシャルティーケミカルズ株式会社)、0.8質量部のアエロジェル200(揺変剤、日本アエロジェル株式会社)を加えて混合することにより、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、透明なポリウレタンで片面が被覆されたポリエステル繊維製のフェルト様織物(10mm厚、コーティングフェルト、日本バルカー工業株式会社)のフェルト層に、上記の光硬化性樹脂組成物をローラーで含浸及び脱泡させた後、常温で1時間放置することにより、光硬化性材料を得た。ここで、光硬化性樹脂組成物の使用量は、10質量部のフェルト様織物に対して100質量部とした。
【0069】
次に、上記の光硬化性材料に対して実施例1と同様の条件で光照射を行った結果、7分で裏面まで完全に硬化した。
得られた硬化物について、バーコール硬度(934−1型を使用)を測定したところ、硬化物の表裏ともに35以上の値を示した。
また、得られた硬化物について、クリープ試験を行い、50年後の弾性率保持率を算出したところ、61%であった。
【0070】
(実施例5)
100質量部の樹脂組成物VE−1に、0.8質量部のビスアシルホスフィンオキサイド(光重合開始剤、イルガキュア184、チバスペシャルティーケミカルズ株式会社)、0.03質量部の1,1,5,5−テトラキス(p−ジエチルアミノフェニル)−2,4−ペンタジエニル・トリフェニルn−ブチルボレート(昭和電工株式会社)、0.15質量部のテトラn−ブチルアンモニウム・トリフェニルn−ブチルボレート(昭和電工株式会社)を加えて混合することにより、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、上記の光硬化性樹脂組成物を#450チョップドストランドマット(旭ファイバーグラス株式会社、10cm×10cm)3プライに含浸させることにより、光硬化性材料を得た。ここで、光硬化性樹脂組成物の使用量は、30質量部の#450チョップドストランドマットに対して70質量部とした。次に、この光硬化性材料をマイラーフィルムで被覆して390〜1200nmの波長域を含む光源であるAL−スポットライト(ALF−10)1kW(アールディーエス株式会社)に600nm以下カットフィルターであるSC60(富士フィルム株式会社)を併用し、50cmの距離で照射することにより、Bステージ化した光硬化性材料を得た。
【0071】
次に、上記のBステージ化した光硬化性材料に対して実施例1と同様の条件で光照射を行った結果、8分で裏面まで完全に硬化した。
得られた硬化物について、バーコール硬度(934−1型を使用)を測定したところ、硬化物の表裏ともに35以上の値を示した。
また、得られた硬化物について、クリープ試験を行い、50年後の弾性率保持率を算出したところ、83%であった。
【0072】
(実施例6)
コンクリート製マンホールの内面をサンディング処理した後、その処理面に可視光硬化型プライマー(リポキシLC−720PT、昭和電工株式会社)を塗布し、2kWメタルハライドランプ(岩崎電気株式会社、アイ水銀ランプ2000W)を用い、20mW/cm
2の照度で360・光照射を10分間行うことにより、プライマーを硬化させた。
次に、硬化したプライマーの表面に可視光硬化型下塗り材(リポキシLC3300P、昭和電工株式会社)を塗布した後、実施例4で作製した光硬化性材料をさらに貼り付けた。
次に、2kW水銀灯(岩崎電気株式会社、アイ水銀ランプ2000W)を用い、20mW/cm
2の照度で360・光照射を行ったところ、10分という短時間で光硬化性材料を完全に硬化させることができた。
得られた光硬化性材料の被覆層について、バーコール硬度(934−1型を使用)を測定したところ、硬化物の表裏ともに35以上の値を示した。
また、得られた被覆層について、クリープ試験を行い、50年後の弾性率保持率を算出したところ、81%であった。
【0073】
上記の結果からわかるように、本発明によれば、50年という長期間にわたって耐久性に優れた被覆層を形成することが可能な管状成形体内面の補修用硬化性材料及び補修方法を提供することができる。