(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238470
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】イオン注入機を保守する方法
(51)【国際特許分類】
H01J 27/02 20060101AFI20171120BHJP
H01J 37/08 20060101ALI20171120BHJP
H01J 37/317 20060101ALI20171120BHJP
H01L 21/265 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
H01J27/02
H01J37/08
H01J37/317 Z
H01L21/265 603A
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-535717(P2015-535717)
(86)(22)【出願日】2013年9月30日
(65)【公表番号】特表2016-500898(P2016-500898A)
(43)【公表日】2016年1月14日
(86)【国際出願番号】US2013062642
(87)【国際公開番号】WO2014055417
(87)【国際公開日】20140410
【審査請求日】2016年9月13日
(31)【優先権主張番号】61/710,017
(32)【優先日】2012年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/033,642
(32)【優先日】2013年9月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500324750
【氏名又は名称】バリアン・セミコンダクター・エクイップメント・アソシエイツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リーヴァイ、ウィリアム、ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ガンメル、ジョージ、エム.
(72)【発明者】
【氏名】コー、ボン−ウーング
(72)【発明者】
【氏名】ビンス、ブラント、エス.
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト、リチャード、エム.
【審査官】
右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭60-138247(JP,U)
【文献】
特開平2-33846(JP,A)
【文献】
特開2004-363050(JP,A)
【文献】
特表2008-518482(JP,A)
【文献】
特開2011-113714(JP,A)
【文献】
特開2012-156243(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0016838(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0154835(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 27/02
H01J 37/08
H01J 37/317
H01L 21/265
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン注入機を保守する方法であって、
第1の期間通常動作モードで前記イオン注入機を操作する段階と、
グリッチ率を低減させるべく前記第1の期間の後、第1のプラズマアシストコンディショニングを行う段階であり、プラズマアシストコンディショニングは、前記イオン注入機内の複数の引出電極に印加される電圧を変更することによって行われる段階と、
前記第1のプラズマアシストコンディショニングの後、第2の期間通常動作モードで前記イオン注入機を操作する段階と、
前記第2の期間の後、プラズマアシストクリーニングを行う段階であり、プラズマアシストクリーニングは、イオン源チャンバと前記複数の引出電極との間の距離を変更すること、および前記イオン源チャンバにおいて用いられるソースガスを変更すること、によって行われる段階と、を備える
方法。
【請求項2】
前記イオン注入機の前記グリッチ率はモニタされ、前記第1のプラズマアシストコンディショニングは、前記モニタされるグリッチ率が第1の閾値を超える場合に開始される
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の期間の後、第2のプラズマアシストコンディショニングを行う段階と、
前記第2のプラズマアシストコンディショニングの後、第3の期間通常動作モードで前記イオン注入機を操作する段階であって、前記プラズマアシストクリーニングは前記第3の期間の後に行われる段階と、をさらに備える
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記イオン注入機の前記グリッチ率はモニタされ、前記第1のプラズマアシストコンディショニングおよび前記第2のプラズマアシストコンディショニングは、前記モニタされるグリッチ率が第1の閾値を超える場合に開始される
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の期間は、第1の予め定められた時間長を含み、前記第2の期間は、第2の予め定められた時間長を含み、前記第2の予め定められた時間長は前記第1の予め定められた時間長未満である
請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記プラズマアシストコンディショニングを行う段階および前記通常動作モードで操作する段階は、それぞれ予め定められた回数行われ、前記プラズマアシストクリーニングは前記予め定められた回数の後開始される
請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の引出電極に印加される前記電圧を変更する段階は、前記通常動作モード中に用いられる電圧より正側の負の電圧で前記複数の引出電極をバイアスする段階を備え、前記プラズマアシストコンディショニングは、通常動作モード中に用いられる電力レベルより大きい電力レベルで前記イオン源内のプラズマ発生器を操作する段階をさらに備える
請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記距離を変更する段階は、前記イオン源チャンバと前記複数の引出電極との間の前記距離を増加させる段階を備える
請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
イオン注入機を保守する方法であって、
通常動作モードで前記イオン注入機を操作する段階と、
前記イオン注入機内のグリッチ率をモニタする段階であり、複数のグリッチは、材料が前記イオン注入機内に配置された引出電極を覆う結果である段階と、
前記グリッチ率を低減させるべく、前記モニタされるグリッチ率が予め定められた閾値を超えるときはいつもプラズマアシストコンディショニングを行うべく前記通常動作モードを中断する段階であり、前記プラズマアシストコンディショニングは、前記イオン注入機内の複数の引出電極に印加される電圧を変更することによって行われる段階と、
前記引出電極上の材料の厚さが予め定められた値を超えると決定される場合にプラズマアシストクリーニングを行う段階であり、前記プラズマアシストクリーニングは、イオン源チャンバと前記複数の引出電極との間の距離を増加させること、および前記イオン源チャンバにおいて用いられるソースガスを変更すること、によって行われる段階と、を備える
方法。
【請求項10】
前記決定は、行われるプラズマアシストコンディショニングの回数に基づいて成される
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記決定は、連続するプラズマアシストコンディショニング間の時間の期間が予め定められた値未満である場合に成される
請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の引出電極に印加される前記電圧を変更する段階は、前記通常動作モード中に用いられる電圧より正側の負の電圧で前記複数の引出電極をバイアスする段階を備え、前記プラズマアシストコンディショニングは通常動作モード中に用いられる電力レベルより大きい電力レベルで前記イオン源内のプラズマ発生器を操作する段階をさらに備える
請求項9から11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
イオン注入機を保守する方法であって、
通常動作モードで前記イオン注入機を操作する段階であり、ソースガスはイオン源チャンバへ供給され、前記イオン注入機内のプラズマ発生器は第1の電力レベルで操作され、前記イオン注入機内の複数の引出電極は、イオンビームを形成するように、前記イオン源チャンバの複数の壁に印加される電圧より負の第1のセットのバイアス電圧にバイアスされる段階と、
前記イオン注入機内のグリッチ率をモニタする段階であり、複数のグリッチは、材料が前記イオン注入機内に配置された前記複数の引出電極を覆う結果である段階と、
前記複数の引出電極から材料を除去すべく、前記モニタされるグリッチ率が予め定められた閾値を超えるときはいつもプラズマアシストコンディショニングを行うべく前記通常動作モードを中断する段階であり、前記プラズマアシストコンディショニング中、前記プラズマ発生器は、前記第1の電力レベルより大きい第2の電力レベルで操作され、イオンビームが形成されないように、前記複数の引出電極は前記第1のセットより正側の負の電圧である第2のセットのバイアス電圧にバイアスされる段階と、
前記複数の引出電極上の材料の厚さが予め定められた値を超えると決定される場合にプラズマアシストクリーニングを行う段階であり、前記プラズマアシストクリーニング中、前記複数の引出電極は、それらの通常位置から、前記イオン源チャンバよりさらに遠くの位置へと移動させられ、前記ソースガスはクリーニングガスへと変更される段階と、を備える
方法。
【請求項14】
前記決定は、行われるプラズマアシストコンディショニングの回数に基づいて成される
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記決定は、連続するプラズマアシストコンディショニング間の時間の期間が予め定められた値未満である場合に成される
請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2012年10月5日出願の米国仮特許出願シリアル番号第61/710,017号の優先権を主張し、その開示は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明はイオン注入に関し、特に、イオン注入機におけるグリッチングの低減に関する。
【背景技術】
【0003】
イオン注入は、ワークピースに伝導性を変化させる複数の不純物を導入する標準技術である。所望の不純物材料がイオン源においてイオン化され、複数のイオンは加速されて定められたエネルギーのイオンビームを形成し、イオンビームはワークピース表面に向けられる。イオンビーム内の複数のエネルギーイオンは、ワークピース材料の大部分に入り込み、ワークピース材料の結晶格子に埋め込まれて所望の伝導性の領域を形成する。
【0004】
太陽電池製造業の2つ関心事は、製造スループットおよび電池効率である。電池効率は、電気に変換されるエネルギー量を表す。太陽電池製造業で競争力を保つためには、より高い電池効率が必要であると言える。しかしながら、電池効率の向上を棄てて、製造スループットが犠牲にされ得ない。
【0005】
イオン注入は複数の太陽電池をドープする実行可能な方法として立証されてきた。イオン注入の使用は、複数の拡散炉などの既存の技術に必要な複数の工程段階を除去する。例えば、炉拡散の代わりにイオン注入が用いられる場合、レーザーエッジアイソレーション段階は除去される。なぜなら、イオン注入は所望の表面のみをドープするからである。複数の工程段階の除去の他に、イオン注入を用いて、より高い電池効率が立証されてきた。イオン注入は、太陽電池の表面全体のブランケット注入、または太陽電池の一部のみの選択的(またはパターンのある)注入を行う能力も提供する。イオン注入を用いた高スループットでの選択注入は、炉拡散に用いられる高価で時間のかかるリソグラフィ段階またはパターニング段階を回避する。選択注入は、複数の
新しい太陽電池のデザインも可能にする。イオン注入機の製造スループット、またはその信頼性のいかなる向上も、世界中の複数の太陽電池製造業者にとって有益であろう。これは、代替エネルギー源としての複数の太陽電池の採用を加速すると言ってよい。
【0006】
複数の「グリッチ」は、イオン注入工程中に起こりうる。グリッチとは、一般に動作電圧の変動による、イオン注入工程中のビーム品質の突然の劣化と定義される。そのようなグリッチは、一般にビーム経路に沿った複数の構成要素間の複数の相互作用によって引き起こされる。この複数の相互作用は、1または複数の動作電圧に影響を及ぼし、ビーム経路に沿った様々な場所において引き起こされ得る。例えば、複数のイオン注入機は一般にこのビーム経路に沿っていくつかの電極を使用する。このいくつかの電極はビームを加速、ビームを減速、または動作中に生成される偽の複数の電子の複数の流れを抑制する。これらの電極の各々は、予め定められた電圧に維持される。しばしば、異なる電圧の複数の電極は互いに近接して配置されるので、複数の電極間でアーク放電が起こりうる。一般に、アーク放電は、複数の加速ギャップ、複数の減速ギャップ、または複数の抑制ギャップに渡って起こるが、アーク放電は他の所でも起こりうる。例えば、ソース引出電圧、ソース抑制電圧、とソースビーム電流間との相互作用は、グリッチを引き起こしうる。これらのグリッチは、複数の電源のうちの1つからの電流の急激な変化として検出されうる。注入がグリッチによって中断される、または影響を受ける場合、注入された太陽電池または他のワークピースは悪影響を受ける、または使用不可能になることすらありうる。例えば、太陽電池は、グリッチによって引き起こされるより低い注入量により、より低い効率を有しうる。
【0007】
注入中のフッ化物含有ガスの使用は、このグリッチングによりスループットを制限しうる。BF
3などのフッ化物含有ガスのために、このグリッチングは、イオン源と複数の引出電極との間などの注入機内の様々な電極におけるアーク放電を含みうる。イオン注入機内のグリッチングを低減させる任意の方法は、スループットを向上させ、注入された複数のワークピースの品質を向上させるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
イオン注入機内のグリッチ率を低減させる方法が説明される。一実施形態において、複数の引出電極へのバイアス電圧がイオンビームの形成を抑制するように変更される、プラズマアシストコンディショニングが行われる。イオン源内のプラズマ発生器へ供給される電力は増やされ、それにより、複数の引出電極によって引き出されない高密度プラズマを生成する。このプラズマは、イオン源チャンバから引出開口部を通って延在する。エネルギーイオンはそれから複数の引出電極をコンディショニングする。別の実施形態においては、プラズマアシストクリーニングが行われる。このモードにおいて、複数の引出電極はイオン源チャンバからさらに遠くへ移動させられ、異なるソースガスが用いられてプラズマを生成する。いくつかの実施形態において、これらのモードの組み合わせが用いられて、イオン注入機内のグリッチを低減させる。
【0009】
一実施形態において、イオン注入機を保守する方法が開示される。この方法は、第1の期間通常動作モードでイオン注入機を操作する段階と、グリッチ率を低減させるべく、第1の期間の後に第1のプラズマアシストコンディショニングを行う段階であり、プラズマアシストコンディショニングはイオン注入機内の複数の引出電極に印加される電圧を変更することによって行われる段階と、第1のプラズマアシストコンディショニングの後に第2の期間通常動作モードでイオン注入機を操作する段階と、第2の期間の後にプラズマアシストクリーニングを行う段階であり、プラズマアシストクリーニングは、イオン源チャンバと複数の引出電極との間の距離を変更すること、およびイオン源チャンバにおいて用いられるソースガスを変更すること、によって行われる段階と、を備える。
【0010】
第2の実施形態において、イオン注入機を保守する方法が開示される。この方法は、通常動作モードで注入機を操作する段階と、イオン注入機内のグリッチ率をモニタする段階であり、複数のグリッチは、材料がイオン注入機内に配置された引出電極を覆う結果である段階と、グリッチ率を低減させるべく、モニタされるグリッチ率が予め定められた閾値を超えるときはいつもプラズマアシストコンディショニングを行うべく通常動作モードを中断する段階であり、プラズマアシストコンディショニングは、イオン注入機内の複数の引出電極に印加される電圧を変更することによって行われる段階と、引出電極上の材料の厚さが予め定められた値を超えると決定される場合にプラズマアシストクリーニングが行われる段階であり、プラズマアシストクリーニングは、イオン源チャンバと複数の引出電極との間の距離を変更すること、およびイオン源チャンバにおいて用いられるソースガスを変更すること、によって行われる段階と、を備える。
【0011】
第3の実施形態において、イオン注入機を保守する方法が開示される。この方法は、通常動作モードで注入機を操作する段階であり、ソースガスはイオン源チャンバに供給され、イオン注入機内のプラズマ発生器は第1の電力レベルで操作され、イオン注入機内の複数の引出電極はイオンビームを形成するようにイオン源チャンバの複数の壁に印加される電圧よりも負の、第1のセットのバイアス電圧にバイアスされる段階と、イオン注入機内のグリッチ率をモニタする段階であり、複数のグリッチは、材料がイオン注入機内に配置された複数の引出電極を覆う結果である段階と、複数の引出電極から材料を除去すべく、モニタされるグリッチ率が予め定められた閾値を超えるときはいつもプラズマアシストコンディショニングを行うべく通常動作モードを中断する段階であり、プラズマアシストコンディショニング中は、プラズマ発生器は第1の電力レベルより大きい第2の電力レベルで操作され、複数の引出電極は、イオンビームが形成されないように、第1のセットよりも
正側の負の電圧である第2のセットのバイアス電圧でバイアスされる段階と、複数の引出電極上の材料の厚さが予め定められた値を超えると決定される場合に、プラズマアシストクリーニングを行う段階であり、プラズマアシストクリーニング中、複数の引出電極はそれらの通常位置から、イオン源チャンバよりさらに遠くの位置へと移動させられ、ソースガスはクリーニングガスへと変更される段階と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示のより良い理解のために、複数の図面を参照する。これらの図面は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0013】
【
図1】第1の実施形態における、グリッチ率、スループット、および処理されたウェハ数、を経時的に表すグラフである。
【
図2】第2の実施形態における、グリッチ率、スループット、処理されたウェハ数、を経時的に表すグラフである。
【
図3A】代表的なイオン注入機において用いられるいくつかの構成要素を示す。
【
図3B】プラズマアシストコンディショニングサイクル中の
図3Aのイオン注入機を示す。
【
図3C】プラズマアシストクリーニングサイクル中の
図3Aのイオン注入機を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
これらの方法は、イオン注入機に関して本明細書にて説明される。しかしながら、これらの方法は、半導体製造、またはプラズマまたはイオンビームを使用する他の複数のシステム、に関わる他の複数のシステムおよび複数のプロセスで用いられ得る。よって、本発明は以下に説明される特定の複数の実施形態に限定されるものではない。
【0015】
材料がイオン注入機内の複数の引出電極に蓄積するので、グリッチ率(すなわちグリッチングの頻度)は増大する。材料の蓄積は電極の表面を「荒く」しうる。この荒れた表面は、局所的な静電場を増大させ得て、それがアーク放電をもたらすと言ってよい。
【0016】
図3Aは、イオン源300の引出開口部305に近接して配置される1または複数の引出電極310と共にイオン源300を含む、代表的なイオン注入機のいくつかの構成要素を示している。イオン源は、複数のチャンバ壁302によって画定されるイオン源チャンバ301を含む。イオン源は、RFアンテナなどにより、エネルギーがイオン源チャンバ301に注入される誘電体窓(図示せず)を含んでよい。別の実施形態においては、イオン源チャンバ301にプラズマ330を生成すべく、間接加熱陰極(IHC)が用いられてよい。言うまでもなく、イオン源チャンバ301内にプラズマ330を生成すべく、ほかの複数のメカニズムが用いられてよい。当技術分野で既知の、RFアンテナ、IHC、ベルナス(Bernas)ヒータ、および、ほかの複数の装置を含む異なる複数のメカニズムが、プラズマ発生器として用いられてよい。イオン源チャンバ301の複数のチャンバ壁302のうちの1または複数は、バイアス電圧がこれらのチャンバ壁302に印加されうるように、導電性材料で作られてよい。これらの導電性チャンバ壁の1つはフェースプレート307と呼ばれ、イオン源チャンバ301内で生成される複数のイオンが通過する引出開口部305を含む。これらのイオンは、ビーム光学系を使用してワークピースに向けられる。ビーム光学系はフェースプレート307および引出電極310を含む。例えば、複数の引出電極310は抑制電極310aおよびグランド電極310bを含んでよい。通常動作中、イオン源チャンバ301の複数のチャンバ壁302は、約+10kVなどの、通常動作電圧にバイアスされてよい。言うまでもなく、ほかの複数の電圧が用いられてよく、本開示はこの実施形態に限定されるものではない。抑制電極310aは、約−36kVなどの、一層負の電位にバイアスされてよい。グランド電極310bは、−30kVなどの、より
正側の負のバイアス電圧にバイアスされてよい。このセットのバイアス電圧は、通常動作電圧と呼ばれてよい。通常動作中、一般に1または複数の所望のドーパントを含むソースガスは、ノズル(図示せず)を通してイオン源チャンバ301に供給される。このソースガスの流量は、約5sccmであってよい。RFアンテナまたはIHCなどのプラズマ発生器は、ソースガスにエネルギーを与え、イオン源チャンバ301内にプラズマ330を生成すべく用いられる。複数の引出電極310に印加された複数の負の電圧は、引出開口部305を通して陽イオンを引きつけてイオンビーム320を形成する。言うまでもなく、ほかの複数の電圧、および複数の流量が用いられてよく、本開示は特定の実施形態に限定されるものではない。
【0017】
グリッチ率を低減させるべく用いられ得る2つの異なる方法がある。第1に、プラズマアシストコンディショニングが行われてよい。これは通常1分かからないが、他の複数の実施形態においては、より長くかかることもある。
【0018】
プラズマアシストコンディショニング中、
図3Bに示すように、プラズマ350の境界は振動し、イオン源チャンバ301内から、引出開口部305と抑制電極310aおよびグランド電極310bとの間の引出領域308へと拡張する。コンディショニングを始めるべく、複数の引出電極310に印加される複数の電圧が変更されてよい。例えば、一実施形態において、これらのバイアス電圧は通常動作中に用いられる電圧より一層
正側の負であってよい。例えば、一実施形態において、グランド電極310bが0Vにバイアスされる間、抑制電極310aは−6kVにバイアスされてよい。別の実施形態において、抑制電極310aに印加されるバイアス電圧もまた0Vであってよい。これらの低減されたバイアス電圧は、イオンビーム生成においては無効と言ってよい。いくつかの実施形態において、プラズマ発生器は、その電力レベルが、測定されたイオンビーム電流に基づいて変調されるように、閉ループ態様で操作されてよい。ゆえに、この実施形態においては、複数の引出電極310に印加される複数のバイアス電圧の変更は、プラズマ発生器が所望のイオンビーム電流の維持を試みるとき、追加的な電力をプラズマ発生器に供給させうる。この増大された電力はイオン源チャンバ301内に高密度プラズマを生成しうる。ほかの複数の実施形態において、プラズマ発生器は開ループ構成で操作されてよい。この実施形態においては、プラズマ発生器に印加される電力は、本明細書において説明される効果を生むべく変調されてよい。プラズマアシストコンディショニング中、イオン源チャンバ301のチャンバ壁302およびフェースプレート307は、それらの通常動作電圧にバイアスされてよく、または0Vなどの異なる電圧にバイアスされてよい。
【0019】
変更された複数の引出電圧によるこの高密度プラズマは、プラズマ発生器が所望の引出電流の維持を試みるとき、プラズマ350を振動させる。これは、同様に、プラズマ電位およびプラズマの境界の両方を振動させる。振動するプラズマは引出領域308(すなわち、フェースプレート307と複数の引出電極310との間の領域)において複数の振動するバイアス電圧を形成する。拡張されたプラズマおよび複数のバイアス電圧の組み合わせは、取り囲む複数の引出電極310上へのイオン衝撃を引き起こす。このメカニズムはプラズマアシストコンディショニングと呼ばれる。所望の継続時間が経過した後、複数の引出電極310の複数のバイアス電圧、およびイオン源チャンバ301の複数のチャンバ壁302は、それらの通常動作電圧に戻され、イオンビーム320が再び形成される。この短い中断はプロセスガス、ソースの状態、またはビーム光学系を変更
しなくてよい。ゆえに、いくつかの例においては、約2分またはそれより短い間に元のイオンビーム320は復元されうる。いくつかの実施形態において、コンディショニングは1分未満で完了される。このコンディショニングは複数の引出電極310からいくらかの材料を除去しうる。しかしながら、いくつかの実施形態において、短い継続時間およびコンディショニング中に用いられる複数の低い電圧は、相当量の材料を除去しえない。むしろ、複数の引出電極310の複数の表面がコンディショニングされ得るのみであり、それにより、これらの表面は、コンディショニングが始まる前よりなめらかになりうる。換言すると、一般的にアークが始まる、複数の引出電極310の表面上の複数の小さな尖りは、プラズマアシストコンディショニングによってなめらかにされうる。これらの表面のなめらかさは、それらのアークの傾向を低減させ得て、それにより、グリッチ率を低減させる。材料が特定の厚さを有している場合、プラズマアシストコンディショニングは全ての材料を除去しえず、望むようにグリッチ率に強い影響を与え得ないことはあり得る。一例において、約100ミクロンの厚さを有する材料は、厚すぎて、プラズマアシストコンディショニングで全ては除去され得ないと言ってよい。言うまでもなく、より厚い材料堆積物を除去できる、プラズマアシストコンディショニングの複数のパラメータの複数の変更は可能である。
【0020】
プラズマアシストコンディショニングの1つの特定の実施形態において、IHCがプラズマ発生器として用いられる場合、イオン源300において用いられるIHCのアーク電流は、20アンペアと40アンペアとの間で振動し、一方で他の複数のバイアス電圧は、例えば0Vで一定のままである。これは、ソースプラズマ密度、プラズマ電位、およびプラズマの境界が経時的に変化することを示し、複数のソースイオンを引出領域308へ向けて様々な角度で引き出させる。ソース/引出しの上昇した温度と共に、複数の引出電極310の複数の表面に衝突する複数のイオンの機械的振動は、複数の引出電極310の複数の表面に堆積した複数の材料のいくつかを除去しうる。これは、特にイオンビーム操作の初期段階中のグリッチ性能をリセットする。これは、特に、BF
3から生成されるイオンビームなどの、ボロンイオンビームと共に用いられうる。これは、複数の引出電極310から、すでに堆積した材料を除去する複数のフッ素イオンの化学的能力のおかげであると言ってよい。
【0021】
第2に、プラズマアシストクリーニングが行われてよい。これは、通常、様々な表面をスパッタリングするアルゴンプラズマを用いたクリーニングプロセスであるが、他の複数の希ガス、他の複数の不活性な種、または他の複数の種が用いられてよい。それは一般に、15分から60分の間の時間かかるが、より長い、またはより短いクリーニングプロセスが可能である。複数のソースガスおよび複数のビーム光学系のセッティングを変更するために、プラズマアシストコンディショニングと比較してさらなる時間が必要であると言ってよい。例えば、所望の注入種にリセットするために、追加の15分から60分が必要であると言ってよい。いくつかの実施形態において、プラズマアシストクリーニングはソースガスの変更を必要とする。上述したように、プラズマアシストクリーニングに適したガスは、アルゴンなどの希ガスを含む。このクリーニングガスの流量は、通常動作モードにおいて用いられたものと同じ、5sccmなどであってよい。これは、
図3Cにおいて示されるように、クリーニングプラズマ370を生成すべく用いられる。
【0022】
加えて、複数の引出電極310は、
図3Cにおいて示されるように、イオン源チャンバ301に対して物理的に移動させられてよい。この実施形態において、複数の引出電極310は、イオン源チャンバ301から、具体的にはフェースプレート307から、さらに離れて移動させられてよい。例えば、通常動作モード中、抑制電極310aはフェースプレート307から約10mmであってよい。プラズマアシストクリーニング中、この分離距離は、例えば22mmへ増大させてよい。加えて、プラズマアシストコンディショニングに関して上述したように、イオン源チャンバ301の複数のチャンバ壁302およびフェースプレート307と、複数の引出電極310と、に印加される複数のバイアス電圧は変更されてもよい。例えば、一実施形態において、グランド電極310b、チャンバ壁302、およびフェースプレート307は全て0Vにバイアスされてよい。抑制電極310aはこれらの構成要素に対して、−3kVなどの負にバイアスされてよい。さらに、プラズマ発生器に供給される電力は変更されてよい。複数の引出電極310がフェースプレート307から離れて移動させられたので、それらは、通常動作において成されたように陽イオンを引きつけることは不可能である。結果として、閉ループ制御が用いられる場合、プラズマ発生器が所望のイオンビーム電流を維持すべく試みるとき、プラズマ発生器に供給される電力は増大される。開ループ構成においては、所望の高密度プラズマを生成すべく、プラズマ発生器に追加的な電力が供給されてよい。プラズマアシストコンディショニングよりも継続時間がより長い限り、プラズマアシストクリーニングは複数の引出電極310から、プラズマアシストコンディショニングが除去不可能、または妥当な時間で除去不可能であり得る堆積物を除去できる。プラズマアシストクリーニングはスパッタリングメカニズムを使用してよいので、複数の効果はエネルギー、密度、および時間に比例しうる。1つの特定の実施形態において、スパッタされた材料は抑制電極310aの前面(すなわち、引出開口部305に面する表面)を被覆する。スパッタされた材料は、その表面に堆積した、覆われなければグリッチ率の増加に寄与することもある、複数の粒子を覆う。
【0023】
換言すると、引出領域308内のグリッチ動作をリセットする2つの異なる方法が開示される。第1の方法は、プラズマアシストコンディショニングと呼ばれ、プラズマ発生器に供給される電力を変更することにより、および、イオン源チャンバ301と引出電極310とに印加される複数のバイアス電圧を変更することにより、ソースプラズマ330の操作を通して複数の引出電極310をコンディショニングする。この方法中、ソースガスは変更されず、動作モードへ戻る迅速な移行を可能にする。第2の方法は、プラズマアシストクリーニングと呼ばれ、コンディショニングモードにおいて成されたように、様々な構成要素に印加される複数の電圧を変更する。しかしながら、さらに、複数の引出電極から材料を除去する能力を増大させるべく、プラズマが生成されるソースガスが変更される。加えて、複数の引出電極310の物理的位置はより完全なクリーニングを可能にすべく変更される。
【0024】
B+イオンビームを用いる一実験において、1分間のプラズマアシストコンディショニングの実行は、グリッチ率を毎時67から毎時30へと低減させた。1時間のアルゴンプラズマアシストクリーニングの実行は、
B+イオンビームに対するグリッチ率を毎時80から毎時38へと低減させた。別の試験において、グリッチ率は毎時約34から毎時約8へと低減された。各方法を用いる複数の利点は、各々を実行する相対的な継続時間、または各々に対する相対的なスループットの影響に比較されうる。
【0025】
図1は、第1の実施形態における、グリッチ率、スループット、および処理されたウェハ数を経時的に表すグラフである。この実施形態において、プラズマアシストクリーニングは時間T
CLにおいて実行される。T
PMはイオン源300および複数の引出電極310の予防的メンテナンスを表し、一例においては、3から4時間の間かかりうる。
【0026】
一実施形態において、予防的メンテナンスは、イオン源チャンバのベント、イオン源300内の複数の部分のクリーニングまたは置き換え、イオン源チャンバの真空排気、および、次にイオンビーム320のキャリブレーション、を含む。ライン100は、
図1に示された方法を用いて処理されたウェハ数を表す。T
2aからT
2cは、複数のクリーニング(すなわち、
図3Aに示される動作のモード)の間の連続ビーム操作期間を表す。いくつかの実施形態において、T
2aからT
2cの継続時間は予め定められる。例えば、複数の連続ビーム操作期間の複数の継続時間は、用いられるソースガスのタイプ、および所望のイオンビーム電流などの、複数の動作パラメータに基づきうる。さらなる実施形態においては、各連続ビーム操作期間の継続時間は、先行するものより短い。これは、複数のクリーニングは複数の引出電極310から材料の全てを除去し得ず、材料の蓄積が毎回より急速に起こるという事実によるものと言ってよい。ほかの複数の実施形態において、複数のクリーニングの開始はグリッチ検出器に基づいて決定されてよい。このように、クリーニングは、グリッチ率が予め定められた率を超えたときはいつも行われる。よって、連続ビーム操作期間、T
2aからT
2cに関連付けられる予め定められた時間はない。
【0027】
比較として、ライン101は、プラズマアシストクリーニング無しに、予防的メンテナンスのみが行われる場合の処理されたウェハ数を表わしている。複数の定期的なクリーニングが無ければ、グリッチ率が増え続けるので、全体的なスループットは減少することに注意されたい。例えば、たとえ複数のクリーニング中にワークピースが処理されなくとも、プラズマアシストクリーニングを用いる全体的なスループット(ライン100)は、予防的メンテナンスのみを用いるスループット(ライン101)よりもなお大きい。加えて、2回のT
CLによる全体的な中断時間は1回のT
PMより短いと言ってよい。
【0028】
別の例として、60ミリアンペアで操作されるボロンビーム電流を検討したい。この場合、ソースは60時間毎に置換されなければならず、それは完全な動作に戻るのに〜3時間かかる。プラズマアシストクリーニングを用いれば、ソースは、1時間未満の総中断時間で120時間持続可能である。結果として、ツールの動作可能期間は95%から97%へ改善可能であろう。
【0029】
いくつかの実施形態において、予防的メンテナンスは、96時間毎などの、複数の固定の時間間隔で行われる。ほかの複数の実施形態においては、予防的メンテナンスはN回のクリーニング毎にその後に行われる。ここでNは設定可能な値である。
図1に示される例において、Nは2の値に指定される。さらに別の実施形態において、前の連続ビーム操作期間の継続時間(すなわち、T
2c)が予め定められた閾値未満である場合、予防的メンテナンスが行われてよい。この実施形態は、連続ビーム操作がグリッチ率に基づいて決定される場合に用いられてよい。換言すると、前のクリーニングの終了とグリッチ率がその予め定められた閾値を超える時間との間の期間が短すぎる場合、複数のクリーニングはもはや効果的でないと見做されうる。この場合、予防的メンテナンスが行われてよい。別の実施形態において、予防的メンテナンスはイオン注入機の複数の動作条件に基づいて開始されてよい。例えば、一実施形態において、いったんグリッチ率が予め定められた閾値を超える、またはスループットが予め定められた閾値より下に低下すると、予防的メンテナンスが予定されてよい。
【0030】
さらに、図示してはいないが、より頻繁な予防的メンテナンスによって達成されたスループットは、ライン100に示されるもの未満であると言ってよいことにも注意されたい。例えば、プラズマアシストクリーニングに代えた予防的メンテナンスの実行は、T
CLと比較してT
PMの継続時間が長いために、全体的なスループットを低減させうる。換言すると、予防的メンテナンスは、複数の引出電極310からの材料の除去においてはプラズマアシストクリーニングより効果的であると言ってよいが、その継続時間の長さは結局スループットを低減させうる。
【0031】
図2は、第2の実施形態における、グリッチ率、スループット、および処理されたウェハ数を経時的に表すグラフである。この実施形態は、プラズマアシストコンディショニングおよびプラズマアシストクリーニングの組み合わせを使用する。プラズマアシストクリーニングはT
CLによって表され、プラズマアシストコンディショニングはT
SCによって表される。T
3aからT
3gは、複数のコンディショニングと複数のクリーニングとの間の複数の連続ビーム操作期間を表している(すなわち、
図3Aに示される動作のモード)。プラズマアシストコンディショニングは複数の引出電極310上のいくらかの材料の蓄積を除去でき、プラズマアシストクリーニングと組み合わされることができる。これらの2つの方法の組み合わせは、スループットおよび処理されたウェハ数を増やすべく組み合わされることが可能である。ライン102は、
図2に示されるプラズマアシストクリーニングおよび複数のプラズマアシストコンディショニングを組み合わせるこの方法を用いて処理されたウェハ数を表している。ライン102は
図1からのライン101またはライン100と比較されうる。
図2において見られるように、ライン102で示される組み合わせの方法は、最高数の処理されたウェハを与える。プラズマアシストコンディショニングの使用は、1から2分のみしかかからないと言ってよく、それはスループットに対し、プラズマアシストクリーニングより著しく小さい影響を有する。
【0032】
いくつかの実施形態において、プラズマアシストコンディショニングは複数の予め定められた時間間隔で起きる。いくつかのさらなる実施形態において、これらの時間間隔は、各後続の連続ビーム操作期間で減少しうる。これは、複数のコンディショニングは複数の引出電極310から材料の全てを除去しえないので、材料の蓄積が毎回より急速に起こるという事実によると言ってよい。ほかの複数の実施形態においては、プラズマアシストコンディショニングは、予め定められた閾値を超えるグリッチ率の検出によって開始される。
【0033】
いくつかの実施形態において、プラズマアシストクリーニングは、予め定められた回数のプラズマアシストコンディショニングが行われた後に起こる。つまり、プラズマアシストクリーニングはN回のプラズマアシストコンディショニングの後に起こりうる。ここで、Nは設定可能な値である。別の実施形態において、プラズマアシストコンディショニングはグリッチ率に基づいて開始される。この実施形態において、プラズマアシストクリーニングは、2つの連続するプラズマアシストコンディショニング間の時間が予め定められた時間未満である場合に開始されてよい。これは、グリッチ率をより低くするために十分な材料の、複数の引出電極310からの除去において、コンディショニングが無効になったことを暗示していると言ってよい。さらに、この実施形態においては、2つのプラズマアシストクリーニングの間の時間が予め定められた時間未満である場合に、予防的メンテナンスが開始されてよい。あるいは、予防的メンテナンスは2つのプラズマアシストコンディショニングの間の時間に基づいて開始されてもよい。
【0034】
ほかの複数の実施形態において、特定の回数のクリーニング、または特定の回数のコンディショニングおよびクリーニングの後に、予防的メンテナンスが行われてよい。さらに別の実施形態において、予防的メンテナンスは、96時間などの特定された時間長の後行われてよく、クリーニングおよびコンディショニングの回数によって影響されない。
【0035】
図2の特定の実施形態において、プラズマアシストクリーニングの前に、3回のプラズマアシストコンディショニング段階が行われる。3回のプラズマアシストコンディショニングおよびプラズマアシストクリーニングのこのサイクルが2度繰り返される。しかしながら、2回目は、プラズマアシストクリーニングは予防的メンテナンスで置き換えられる。言うまでもなく、これらの段階のほかの複数の変形物または複数の組み合わせが可能であり、
図2は単に例として示されるにすぎない。例えば、追加的なプラズマアシストコンディショニングは、同様な回数のプラズマアシストクリーニング段階または予防的メンテナンス段階で行われてよい。
【0036】
本開示は、本明細書にて説明される特定の複数の実施形態によって範囲が限定されるものではない。実際に、本開示のほかの様々な実施形態および変更形態は、本明細書にて説明されるそれらに加えて、前述の説明および複数の添付の図面から当業者には明らかになるであろう。これらのほかの複数の実施形態および複数の変更形態は、本開示の範囲に含まれることが意図される。さらに、本開示は特定の目的のための特定の環境における特定の実施という状況で本明細書にて説明されてきたが、本開示の有用性はそれに限定されるものではなく、本開示はいかなる数の目的のためにいかなる数の環境においても有益に実施されうることを当業者は認識するであろう。したがって、下記の特許請求は、本明細書にて説明されるような本開示の全範囲および趣旨を考慮して解釈されるべきである。