(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6238500
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】遠隔監視システム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20171120BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20171120BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20171120BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
H04N7/18 D
G08B25/00 510M
H04M11/00 301
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-45814(P2017-45814)
(22)【出願日】2017年3月10日
【審査請求日】2017年8月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516100746
【氏名又は名称】MTES株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592145268
【氏名又は名称】ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114269
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貞喜
(72)【発明者】
【氏名】原田 隆朗
(72)【発明者】
【氏名】槇 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】永井 基孝
(72)【発明者】
【氏名】濱田 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】森岡 修
(72)【発明者】
【氏名】永野 篤
【審査官】
山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/021042(WO,A1)
【文献】
特開2006−279927(JP,A)
【文献】
特開2015−168378(JP,A)
【文献】
特開2010−187165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 13/00−15/02
19/00−31/00
G08C 13/00−25/04
H03J 9/00− 9/06
H04B 7/24− 7/26
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
H04N 7/10
7/14− 7/56
21/00−21/858
H04Q 9/00− 9/16
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台の監視装置と、該監視装置と接続されるゲートウェイ機器と、前記監視装置を制御するアプリケーションが格納されたサーバと、該サーバにアクセスすることにより前記監視装置を制御することが可能なユーザの端末とが、ネットワーク回線を介して相互に通信可能に接続された遠隔監視システムであって、
前記ゲートウェイ機器と前記ネットワーク回線との間は有線又は無線で接続され、
前記監視装置は、モバイル通信モジュールと特定小電力無線通信モジュールとを内蔵した通信制御装置と、該通信制御装置と接続され、監視領域の画像を取得し、取得された前記画像から異常発生の有無を検知し、異常を検知したときに前記通信制御装置を介して前記サーバに異常信号を配信することが可能な監視カメラとを備えるとともに、
前記通信制御装置と前記ゲートウェイ機器との間の通信を前記特定小電力無線通信モジュールによる特定小電力無線通信で行い、前記異常信号を前記サーバを介して前記端末で受信した前記ユーザから、前記異常が発生した監視領域の監視カメラの画像蓄積データの取得要求を前記サーバが受けると、
前記サーバは、前記異常信号を配信した前記通信制御装置に対して前記画像蓄積データの取得要求指令を送信し、
該取得要求指令を受信した前記通信制御装置は、前記サーバとの間の通信を前記モバイル通信モジュールによるモバイル通信に切り換え、前記モバイル通信によって前記ネットワーク回線を介して前記サーバに前記画像蓄積データを送信することを特徴とする遠隔監視システム。
【請求項2】
複数台の監視装置と、前記監視装置を制御するアプリケーションが格納されたサーバと、該サーバにアクセスすることにより前記監視装置を制御することが可能なユーザの端末とが、ネットワーク回線を介して相互に通信可能に接続された遠隔監視システムであって、
前記監視装置は、ゲートウェイとモバイル通信モジュールと特定小電力無線通信モジュールとを内蔵した通信制御装置と、該通信制御装置と接続され、監視領域の画像を取得し、取得された前記画像から異常発生の有無を検知し、異常を検知したときに前記通信制御装置を介して前記サーバに異常信号を配信することが可能な監視カメラとを備え、
前記複数ある監視装置のうちの1台を所定の条件に基づいて選択し、該選択された監視装置の通信制御装置のゲートウェイをイネーブル化して親機となし、他の全ての監視装置を子機となすとともに、
前記子機と前記親機との間の通信を前記特定小電力無線通信モジュールによる特定小電力無線通信で行い、かつ、前記親機と前記ネットワーク回線との間はモバイル通信で行い、
前記異常信号を前記サーバを介して前記端末で受信した前記ユーザから、前記異常が発生した監視領域の監視カメラの画像蓄積データの取得要求を前記サーバが受けると、
前記サーバは、前記異常信号を配信した前記通信制御装置に対して前記画像蓄積データの取得要求指令を送信し、
該取得要求指令を受信した前記通信制御装置は、前記サーバとの間の通信を前記モバイル通信モジュールによるモバイル通信に切り換え、前記モバイル通信によって前記ネットワーク回線を介して前記サーバに前記画像蓄積データを送信することを特徴とする遠隔監視システム。
【請求項3】
さらに、前記監視装置が、前記監視領域の気象データを取得し、取得された前記気象データから異常発生の有無を検知し、異常を検知したときに前記通信制御装置を介して前記サーバに異常信号を配信することが可能な気象センサを備え、
前記異常信号を前記サーバを介して前記端末で受信した前記ユーザから、前記異常が発生した監視領域の監視カメラの現在の画像の取得要求を前記サーバが受けると、
前記サーバは、前記異常信号を配信した前記通信制御装置に対して前記現在の画像の取得要求指令を送信し、
該取得要求指令を受信した前記通信制御装置は、前記サーバとの間の通信を前記モバイル通信モジュールによるモバイル通信に切り換え、前記モバイル通信によって前記ネットワーク回線を介して前記サーバに前記現在の画像を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔監視システム。
【請求項4】
前記通信制御装置が、モバイル通信の電波強度を計測する電波強度計測手段を備え、該電波強度計測手段で計測された電波強度を前記サーバに送信するとともに、
前記サーバが、前記親機の電波強度が所定の値以下となった時に、前記子機のうちで一番電波強度の強いものを親機に設定し、元の親機を子機に変更することを特徴とする請求項2に記載の遠隔監視システム。
【請求項5】
前記通信制御装置が、電源オン時においては、前記モバイル通信モジュールによるモバイル通信によって前記サーバと通信を行い、前記端末によって前記監視カメラの設定を行うことを可能とする初期設定モードを備えていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の遠隔監視システム。
【請求項6】
1台の親機と、該親機に紐づけされ、前記親機との間で特定小電力無線通信を行う複数の子機から成るグループが複数存在する請求項4に記載の遠隔監視システムであって
前記一のグループ内のすべての監視装置のモバイル通信電波強度が所定の値以下になった時に、当該グループの親機から緊急通信用に予め設定された前記特定小電力通信用の共通チャネルを介して他のグループに緊急事態信号をブロードキャストするとともに、
前記緊急事態信号を受信した近隣のグループの子機から、該子機が紐づけられている親機を介して前記サーバとモバイル通信を行うことを特徴とする遠隔監視システム。
【請求項7】
前記監視装置の電源が太陽電池である請求項1乃至6のいずれかに記載の遠隔監視システム。
【請求項8】
前記監視装置の電源が交流を直流に変換した電源であり、かつ、前記電源に蓄電池(二次電池)を接続したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の遠隔監視システム。
【請求項9】
前記端末がモバイル端末であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の遠隔監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノのインターネット(以下「IoT」という。)技術を利用した遠隔監視ステムに関する。特に、無線通信機能を備えたIoTデバイスをインターネットに接続する際のデータ通信料を節減することな可能な遠隔監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、遠隔地の施工現場などの状況を確認するために必要な画像データを取得するための遠隔画像データ取得システムが開示されている。
すなわち、特許文献1の
図4に記載されているように、遠隔地にある現場から離れた操作側端末装置30を操作することにより現場の状況を示す静止画データを現場側端末装置20が備えるカメラによって撮像して取得することができ、静止画データは高解像度で送信することができる。
【0003】
かかる遠隔画像データ取得システムでは、静止画データを高解像度で送信するために、現場側端末装置20を施工現場内の無線LANを介して有線の高速インターネット回線により操作側端末装置30と接続する必要があった。
しかしながら、現場側端末装置20が少ないか又は設置範囲が狭い場合は、かかるシステムでも遠隔画像データを取得して操作側端末装置に送ることは可能であるが、例えば、鉄道線路の監視を行うような場合、現場側端末装置であるカメラ付き監視装置を数十台、多い時では数百台設置して、線路内の画像データを取得する必要がある。
そのような場合、屋外の線路においては、監視装置は電池で駆動できるものでなければならず、電池の交換も頻繁にはできないことから、消費電力の少ないことが要求される。
【0004】
近年、モバイル通信技術である3G/LTE等が高速無線通信のためのインフラとして確立されており、これを利用したIoTによる監視装置も試験的に運用されている。
IoTデバイスである監視装置をインターネットに接続させるための方法は大きく分けると2種類ある。一方は「直接通信方式」であり、他方は「ゲートウェイ方式」である。
【0005】
図1に示すのは、カメラ及びセンサ等を備えた監視装置1を直接インターネットに無線接続する「直接通信方式」の場合である。
監視装置1は無線通信のためのモバイル通信モジュール2を備えており、基地局3を介してネットワーク回線であるインターネット4に、3G/LTE回線により接続される。
しかしながら、直接通信方式の場合、常時接続しているため通信コストがネックになる。携帯電話事業者が展開する3G回線やLTE回線を使う場合、相対料金で値下げ交渉した場合でも、1回線当たり月300〜500円程度のコストがかかる。年換算すると最低でも3,600円/回線かかり、監視装置が数十台〜数百台となると莫大なコストがかかることになる。しかも、監視装置1とは常時高速で通信を行う必要はなく、監視対象に異常が発生した場合にのみ詳細な画像情報等を高速で通信すればよいのであるから、ほとんどの時間は無駄な通信料を消費していることになる。
また、3G/LTE等のブロードバンド回線は大きな電力が必要なため、屋外で電池駆動される監視装置での年単位の使用には、この直接通信方式は向いていない。
【0006】
かかる直接通信方式のコスト及び消費電力上の問題点を解消するために導入を検討されているのが、次に述べる「ゲートウェイ方式」である。モノとして利用するIoTデバイスは、インターネットへのゲートウェイとなる機器とIP(インターネットプロトコル)を使わずに、特定小電力無線通信技術を使って接続して通信するものである。非IPの通信なので、インターネットとのやり取りをゲートウェイで変換する必要がある。IoTデバイスには必要最低限のセンサなどの機能を載せ、消費電力の少ない通信方式を採用するのがこの「ゲートウェイ方式」の特徴である。ゲートウェイは、IoTデバイス側から見ると非IPとIPの接続を変換する役割を果たし、インターネット側から見るとIoTデバイスのルータの役割を果たす。
【0007】
図2に示すのは、カメラ及びセンサ等を備えた監視装置1をゲートウェイを介してインターネット接続する「ゲートウェイ方式」の場合である。
監視装置1は、例えば特定小電力無線通信技術の一つである低消費電力で長距離通信を実現する低電力広域(Low Power Wide Area、以下「LPWA」という。)通信のためのLPWA通信モジュール6を備えており、ゲートウェイ7との間をLPWAによって通信を行い、ゲートウェイ7からインターネット4へは有線又は無線(モバイル通信)により接続される。
これにより、監視装置1とゲートウェイ7の間の通信コストはかからず、また、監視装置1の消費電力も少なくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−87774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記ゲートウェイ方式の場合は、通信コストや消費電力の点では優れているが、監視領域に異常が発生した場合などに、高解像度の静止画や動画等を用いて現場の状況を確認する必要が生じたとき、LPWA通信では対応できないという問題がある。すなわち、LPWAで通信可能なデータ量及び通信速度が高解像度の動画転送には不向きであるということである。
監視カメラを備えた監視装置を用いた遠隔監視システムにおいては、異常が発生した場合、現場の状況を連続した動画で確認することが求められているから、上記の「直接通信方式」や「ゲートウェイ方式」では問題がある。
【0010】
本発明は、上述のようなIoT技術を利用した遠隔監視ステムにおける問題を解決するために為されたものであり、通信コストや消費電力を抑えつつ、異常が発生した場合には、現場の状況を高解像度の画像(動画を含む)で確認することが可能な遠隔監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数台の監視装置と、該監視装置と接続されるゲートウェイ機器と、前記監視装置を制御するアプリケーションが格納されたサーバと、該サーバにアクセスすることにより前記監視装置を制御することが可能なユーザの端末とが、ネットワーク回線を介して相互に通信可能に接続された遠隔監視システムであって、前記ゲートウェイ機器と前記ネットワーク回線との間は有線又は無線で接続され、前記監視装置は、モバイル通信モジュールと特定小電力無線通信モジュールとを内蔵した通信制御装置と、該通信制御装置と接続され、監視領域の画像を取得し、取得された前記画像から異常発生の有無を検知し、異常を検知したときに前記通信制御装置を介して前記サーバに異常信号を配信することが可能な監視カメラとを備えるとともに、
前記通信制御装置と前記ゲートウェイ機器との間の通信を前記特定小電力無線通信モジュールによる特定小電力無線通信で行い、前記異常信号を前記サーバを介して前記端末で受信した前記ユーザから、前記異常が発生した監視領域の監視カメラの画像蓄積データの取得要求を前記サーバが受けると、
前記サーバは、前記異常信号を配信した前記通信制御装置に対して前記画像蓄積データの取得要求指令を送信し、
該取得要求指令を受信した前記通信制御装置は、前記サーバとの間の通信を前記モバイル通信モジュールによるモバイル通信に切り換え、
前記モバイル通信によって前記ネットワーク回線を介して前記サーバに前記画像蓄積
データを送信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、複数台の監視装置と、前記監視装置を制御するアプリケーションが格納されたサーバと、該サーバにアクセスすることにより前記監視装置を制御することが可能なユーザの端末とが、ネットワーク回線を介して相互に通信可能に接続された遠隔監視システムであって、
前記監視装置は、ゲートウェイとモバイル通信モジュールと特定小電力無線通信モジュールとを内蔵した通信制御装置と、該通信制御装置と接続され、監視領域の画像を取得し、取得された前記画像から異常発生の有無を検知し、異常を検知したときに前記通信制御装置を介して前記サーバに異常信号を配信することが可能な監視カメラとを備え、
前記複数ある監視装置のうちの1台を所定の条件に基づいて選択し、該選択された監視装置の通信制御装置のゲートウェイをイネーブル化して親機となし、他の全ての監視装置を子機となすとともに、
前記子機と前記親機との間の通信を前記特定小電力無線通信モジュールによる特定小電力無線通信で行い、かつ、前記親機と前記ネットワーク回線との間はモバイル通信で行い、
前記異常信号を前記サーバを介して前記端末で受信した前記ユーザから、前記異常が発生した監視領域の監視カメラの画像蓄積データの取得要求を前記サーバが受けると、
前記サーバは、前記異常信号を配信した前記通信制御装置に対して前記画像蓄積データの取得要求指令を送信し、
該取得要求指令を受信した前記通信制御装置は、前記サーバとの間の通信を前記モバイル通信モジュールによるモバイル通信に切り換え、
前記モバイル通信によって前記ネットワーク回線を介して前記サーバに前記画像蓄積
データを送信することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係る前記遠隔監視システムは、前記監視装置が、前記監視領域の気象データを取得し、取得された前記気象データから異常発生の有無を検知し、異常を検知したときに前記通信制御装置を介して前記サーバに異常信号を配信することが可能な気象センサをさらに備え、前記異常信号を前記サーバを介して前記端末で受信した前記ユーザから、前記異常が発生した監視領域の監視カメラの現在の画像の取得要求を前記サーバが受けると、前記サーバは、前記異常信号を配信した前記通信制御装置に対して前記現在の画像の取得要求指令を送信し、該取得要求指令を受信した前記通信制御装置は、前記サーバとの間の通信を前記モバイル通信モジュールによるモバイル通信に切り換え、前記親機を介さずに前記モバイル通信によって前記ネットワーク回線を介して前記サーバに前記現在の画像を送信することを特徴とする。
【0014】
またさらに、本発明に係る前記遠隔監視システムは、前記通信制御装置が、モバイル通信の電波強度を計測する電波強度計測手段を備え、該電波強度計測手段で計測された電波強度を前記サーバに送信するとともに、前記サーバが、前記親機の電波強度が所定の値以下となった時に、前記子機のうちで一番電波強度の強いものを親機に設定し、元の親機を子機に変更することを特徴とする。
これにより、親機のモバイル通信の電波強度が低下したときに、その親機を子機に変更するとともに、他の子機のうち一番電波強度の高い子機を親機に変更できるので、安定したモバイル通信を確保することができる。
【0015】
さらにまた、本発明に係る前記遠隔監視システムは、前記通信制御装置が、電源オン時においては、前記モバイル通信モジュールによるモバイル通信によって前記サーバと通信を行い、前記端末によって前記監視カメラの設定を行うことを可能とする初期設定モードを備えていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る前記遠隔監視システムは、1台の親機と、該親機に紐づけされ、前記親機との間で特定小電力無線通信を行う複数の子機から成るグループを複数含んでいる前記遠隔監視システムであって、前記一のグループ内のすべての監視装置のモバイル通信電波強度が所定の値以下になった時に、当該グループの親機から緊急通信用に予め設定された前記特定小電力通信用の共通チャネルを介して他のグループに緊急事態信号をブロードキャストするとともに、前記緊急事態信号を受信した近隣のグループの子機から、該子機が紐づけられている親機を介して前記サーバとモバイル通信を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上記構成による遠隔監視システムによれば、監視領域に異常が発生した場合には、通信コストや消費電力を抑えつつ、現場の状況を高解像度の画像(動画を含む)で確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】従来の遠隔監視システムの例(直接通信方式)を示す図である。
【
図2】従来の遠隔監視システムの他の例(ゲートウェイ方式)を示す図である。
【
図3】本発明に係る遠隔監視システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図4】監視装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本発明に係る遠隔監視システムの初期設定のシーケンスの例を示す図である。
【
図6】本発明に係る遠隔監視システムの定常時のシーケンスの例を示す図である。
【
図7】本発明に係る遠隔監視システムにおける気象異常時のシーケンスの例を示す図である。
【
図8】本発明に係る遠隔監視システムにおける異常イベント発生時のシーケンスの例を示す図である。
【
図9】本発明に係る遠隔監視システムにおけるリレーモードについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図3は、本発明に係る遠隔監視システムの全体構成を示すブロック図である。
図3において、監視装置のうち1台を親機10、残りの複数の監視装置を子機11に設定し、親機10と子機11との間を特定小電力無線通信技術の一つである低消費電力で長距離通信を実現するLPWA通信でスター型接続する。なお、ここでは、LPWAの一種であるLoRaアライアンスの提唱する「LoRa」(Semtech Corpoationの商標。国際登録第1262667号)を利用する。
【0020】
親機10は、3G/LTE通信(以下「モバイル通信」という。)で携帯電話の基地局(以下「基地局」という)3を介してネットワーク回線(以下「インターネット」という。)4に常時接続されている。また、インターネット4には、監視装置10、11を制御するアプリケーションが格納されたサーバ5と、サーバ5にアクセスすることにより監視装置10、11を制御することが可能なユーザの端末12とが接続されている。
【0021】
図4は、監視装置10、11のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4において、監視装置10、11は、通信制御装置20と、それに接続された監視カメラ27及び気象センサ28を備えている。
さらに、通信制御装置20は、モバイル通信モジュール21、ゲートウェイ22、LPWA通信モジュール23、制御部24、カメラI/F25及びセンサI/F26を備えている。
【0022】
このうちモバイル通信モジュール21は、インターネット4とモバイル通信を行う機能を備えたモジュールである。このモバイル通信モジュールは公知のものが利用可能である。例えば、ソフトバンク株式会社の製品「WLSLQ50」等が利用可能である。
また、ゲートウェイ22は、インターネットとの通信を行うためのプロトコル変換を行う機能を有するものである。なお、ソフトウェアで構成してもよい。
【0023】
LPWA通信モジュール23は、親機10との通信を行うための機能を備えたモジュールである。LPWA通信モジュールとしては、例えば、LoRa用のLoRaモジュール「ES920LR」(株式会社EASEL製)が利用可能である。
LoRaは最大8kmという長い距離を低い出力の電波を使って通信ができるという特長がある。なお、距離が長くなればそれだけ電力を消費するため、電池の性能を勘案しながら、配置距離を決定する。線路監視の場合、約70mおきに設置する。使用される周波数は、日本では免許の不要な特定小電力無線局が利用できる920MHz帯である。この帯域は、Wifi(登録商標)等で使用されている2.4GHz帯よりも低い周波数であり、その分長距離を飛び、建物などを回り込むことができ、雨などの影響や電波干渉を受けにくい。
【0024】
制御部24は、CPU24a、RAM24b及びROM24cを備え、通信制御装置20全体を制御する制御手段である。CPU24aが、ROM24c等に記憶されている所要のプログラムを実行して、モバイル通信とLPWA通信を切り替えてインターネット4に接続したり、親機10に監視カメラ27の画像や気象センサ28のデータを送信したりする機能を有する。
また、制御部24は、図示しない電波強度センサと協働してモバイル通信モジュール21の電波強度を計測する電波強度計測手段としても機能する。
【0025】
カメラI/F25は、監視カメラ27との接続のためのインタフェースである。また、センサI/F26は気象センサとの接続のためのインタフェースである。
また、監視カメラ27は、監視領域の画像を取得し、取得された画像から異常発生の有無を検知し、異常を検知したときに通信制御装置20を介してサーバ5に異常信号を配信する機能を備えている。監視カメラ27は、画像認識機能を搭載した公知のものが利用可能である。なお、監視カメラ27は画像(動画を含む)を保存する例えばSDメモリカード等の記憶手段(不図示)を備えている。
さらに、気象センサ28は、温湿度、雨量、気圧及び風速等の気象データを取得可能なデバイスである。気象センサ28は、監視領域の気象データを取得し、取得された気象データから異常発生の有無を検知し、異常を検知したときに通信制御装置20を介してサーバ5に異常信号を配信する機能を備える。なお、気象センサ28は計測した気象データを保存する例えばSDメモリカード等の記憶手段(不図示)を備えている。
【0026】
なお、親機10及び子機11もハードウェアとしては同じものであるが、所定の条件(例えば、モバイル通信の電波強度が一番強い、位置的にすべての監視装置の中心にある等)に基づいて親機10として設定する。具体的には、ゲートウェイ22の機能をイネーブルにして親機とし、他の監視装置のゲートウェイ22の機能をディセーブルにすることにより子機11として機能させる。本発明に係る遠隔監視システムの一つの特長としては、親機10として機能させる監視装置を適宜選択できるという点である。
【0027】
監視カメラ27からの異常信号を親機10からサーバ5を介して端末12で受信したユーザから、異常が発生した監視領域の監視カメラの画像蓄積データの取得要求をサーバ5が受けると、サーバ5は、異常信号を配信した通信制御装置20に対して画像蓄積データの取得要求指令を送信し、取得要求指令を受信した通信制御装置20は、サーバ5との間の通信をモバイル通信モジュールによるモバイル通信に切り換えるべくゲートウェイ22をイネーブルにし、親機10を介さずにモバイル通信によってインターネット4を介してサーバ5に画像蓄積
データを送信する。以下、このシーケンスについて説明する。
【0028】
図5は、本発明に係る遠隔監視システムの初期設定のシーケンスの例を示す図である。
まず、設置現場にいるユーザが、親機10に付されたQRコード(登録商標)を端末(ここでは、例えばカメラ機能の付いたスマートホンとする。)で読み取り、親機に付されたIDを読み取る(S101)。同様に、子機に付されたQRコード(登録商標)を端末で読み取り、子機に付されたIDを読み取る(S102)。
ユーザは、サーバにアクセスして、監視装置の制御アプリのログイン画面を表示させ(S103)、自分のユーザID及びパスワードを用いてログインする(S104)。そして、親機のIDがシステムに登録されたものであれば認証OK(S105)、同様に子機のIDが登録されたものであれば認証OKとする(S106)。
そして、決定された親機と紐づけられる子機の登録を端末から行う(S107)。紐づけ登録が完了すると、端末の画面に「親機/子機紐付登録」の内容が表示される(S108)。このようにして、親機を除くすべての監視装置が子機として登録される(S109)。
親機と子機の紐づけが終了すると、親機を中心とする一つのグループが形成されるので、そのグループに名前を付けて登録する(S110)。
【0029】
そして、端末12から、親機におけるデータ(気象データ、太陽電池発電量、蓄電量、電波強度情報、正常信号等)収集の間隔及びサーバへのアップロード間隔の設定を入力する(S111)。サーバ5はその情報を親機に伝えて親機を設定する(S112)。
次に、子機からサーバ5に対してモバイル通信の電波強度情報がモバイル通信を用いてアップロード(UP)される(S113)。後述のように、端末からサーバを経由して子機に接続されている監視カメラの初期設定を行うため、十分な電波強度があるかを確認する必要があるからである。なお、すべての通信制御装置は、電源投入時は親機/子機にかかわらず、ゲートウェイ22はイネーブルになっているので、サーバ5とモバイル通信により通信を行うことができる。
【0030】
次に、親機に接続された監視カメラの設定登録を端末から行う(S114)。端末から設定登録の指令を受けたサーバは、親機との間で監視カメラの設定情報のやりとりを行う(S115)。親機はその設定情報に基づいて監視カメラの初期設定を行う(S116)。
次に、同様に、子機に接続された監視カメラの設定登録を端末から行う(S117)。端末から設定登録の指令を受けたサーバは、子機との間で監視カメラの設定情報のやりとりを行う(S118)。子機はその設定情報に基づいて監視カメラの初期設定を行う(S119)。そして、監視カメラの初期設定が終了すると、端末12からサーバ5を介して(S120)、初期設定完了コマンドが子機に送られ(S121)、子機のCPU24aは子機のゲートウェイ22をイネーブルの状態(以下「GWモード」という。)からディセーブルの状態(以下「子機モード」という。)に戻す(S122)。以降定常状態に移行する。
【0031】
図6は、本発明に係る遠隔監視システムの定常時(異常が発生しない時間)のシーケンスの例を示す図である。
親機は子機から定期的にデータを収集する(S201)。収集のタイミングは初期設定で設定したとおりである。子機に接続された監視カメラは常時監視を続け、(異常が発生しない限り)正常動作信号が子機に送られる(S202)。カメラの正常動作信号はLPWA通信により親機に送られる(S203)。すべての子機の正常動作信号は、親機からモバイル通信によってサーバ5に送られ(S204)、サーバ5に蓄積される。
【0032】
同様に、子機に接続されている太陽電池(不図示)の発電量情報がLPWA通信により親機に送られる(S205)。すべての子機の太陽電池の発電量情報は、親機からモバイル通信によってサーバ5に送られ(S206)、サーバ5に蓄積される。
また、同様に、子機に接続されている太陽電池(不図示)の発電量情報がLPWA通信により親機に送られる(S205)。すべての子機の太陽電池の発電量情報は、親機からモバイル通信によってサーバ5に送られ(S206)、サーバ5に蓄積される。
さらに、子機に接続されている蓄電池(不図示)の蓄電量情報がLPWA通信により親機に送られる(S207)。すべての子機の太陽電池の蓄電量情報は、親機からモバイル通信によってサーバ5に送られ(S208)、サーバ5に蓄積される。
【0033】
次に、子機のモバイル通信(3G/LTE)の電波強度情報が子機から親機にLPWA通信により送られる(S209)。すべての子機の電波強度情報は、親機からモバイル通信によってサーバ5に送られ(S210)、サーバ5に蓄積される。この電波強度情報は、親機の電波強度が所定の値以下になったときに、子機の中から電波強度の強いものを選んで親機に変更する際の参考情報として利用される。
また、親機のモバイル通信の電波強度情報もモバイル通信によりサーバに送られる(S211)。
【0034】
一方、子機に接続された気象センサからは、気象センサで計測された情報が子機に送られ(S212)、子機はその情報をLPWA通信によって親機に送り(S213)、親機はそれらを逐次サーバにモバイル通信によって送信する(S214)。
さらに、親機がおかれた周囲の状況を親機に接続された監視カメラで撮像し、親機はその画像をモバイル通信によってサーバ5にUPする(S215)。サーバはその画像を端末に表示する(S216)。
ユーザが端末から閲覧したい情報を要求すると(S217)、サーバは必要な情報を端末の画面に表示する(S218)。また、必要なデータをCSV形式で要求すると(S219)、サーバは必要なデータをCSV形式にして端末からダウンロードできるようにする(S220)。
【0035】
図7は、本発明に係る遠隔監視システムにおける気象異常時のシーケンスの例を示す図である。
気象センサから雨量又は風速異常信号が子機に送信されると(S301)、子機はLPWA通信によって気象異常信号を親機にUPする(S302)。親機はすべての子機の気象異常信号をサーバにモバイル通信によってUPする(S303)。
サーバは、気象異常信号に基づいて気象異常警報を端末に報知する(S304)。
【0036】
端末で気象異常警報を受信したユーザが、気象異常が発生した監視領域の監視カメラの現在の画像の取得要求(カメラ画像確認要求)をサーバに送ると(S305)、サーバは、カメラ画像確認要求を親機に送り(S306)、親機は、異常信号を配信した子機に対してカメラ画像確認要求をLPWA通信により送信する(S307)。
カメラ画像確認要求指令を受信した子機のCPU24aは、ゲートウェイ22をイネーブルにしてGWモードにし、サーバとの間の通信をモバイル通信モジュールによるモバイル通信に切り換え(S308)、親機を介さずにモバイル通信によってサーバに現状のカメラ画像を送信できるようにする。
【0037】
次に、子機は監視カメラに対して現状のカメラ画像の送信を要求し(S309)、要求された監視カメラは現状のカメラ画像を子機に送信する(S310)。
子機はその現状カメラ画像をモバイル通信によって(親機を介さずに)直接サーバにUPする(S311)。サーバはその画像を端末に表示し(S312)、画像を見たユーザがカメラ画像の表示を完了すると(S313)、現状のカメラ画像のUP停止指令がサーバから子機にモバイル通信で送られ(S314)、子機が監視カメラに対して現状のカメラ画像の送信停止を指令する(S315)。と同時に、子機のCPU24aは、ゲートウェイ22をディセーブルにして子機モードに戻す(S316)。子機はその後定常状態に復帰する。
【0038】
図8は、本発明に係る遠隔監視システムにおける異常イベント発生時のシーケンスの例を示す図である。
監視対象領域に人の侵入や異物の落下等の異常イベントが発生すると、監視カメラは画像認識等によって異常と判断し、子機に対して異常信号を送信する(S401)。監視カメラから異常信号が子機に送信されると、子機はLPWA通信によって異常信号を親機にUPする(S402)。
と同時に、子機は監視カメラに対して、異常発生の5秒前から発生時までの動画の保存を要求すると共に(S403)、異常発生後60秒間の動画データの蓄積を要求する(S404)。
【0039】
子機から異常信号を受信した親機は、異常が発生したすべての子機の異常信号をモバイル通信によりサーバ5にUPする(S405)。サーバ5は異常が発生したすべての子機の異常信号に基づく異常警報を端末に報知する(S406)。
端末で異常警報を受信したユーザが、異常イベントが発生した監視領域の監視カメラの画像確認要求をサーバに送ると(S407)、サーバは、カメラ画像確認要求を親機に送り(S408)、親機は、異常信号を配信した子機に対してカメラ画像確認要求をLPWA通信により送信する(S409)。
カメラ画像確認要求指令を受信した子機のCPU24aは、ゲートウェイ22をイネーブルにしてGWモードにし、サーバとの間の通信をモバイル通信モジュールによるモバイル通信に切り換え(S410)、親機を介さずにモバイル通信によってサーバに現状のカメラ画像を送信できるようにする。
【0040】
次に、子機は監視カメラに対して現状のカメラ画像の送信を要求し(S411)、要求された監視カメラは現状のカメラ画像を子機に送信する(S412)。
子機はその現状カメラ画像をモバイル通信によって(親機を介さずに)直接サーバにUPする(S413)。サーバはその画像を端末に表示する(S414)。
画像を見たユーザがさらに異常発生5秒前から発生時までの動画(以下「異常5秒前からの動画」という。)を要求すると(S415)、サーバは、異常5秒前からの動画要求を子機に対してモバイル通信により行う(S416)。
異常5秒前からの動画要求を受けた子機は監視カメラに対して異常5秒前からの動画要求を行う(S417)。そこで監視カメラは異常5秒前からの動画を子機に送信し(S418)、子機は異常5秒前からの動画をサーバ5にモバイル通信でUPする(S419)。
サーバは受信した異常5秒前からの動画を端末に表示する(S420)。
【0041】
異常5秒前からの動画を見たユーザがさらに異常発生後60秒間の動画データ(以下「異常後60秒間の動画」という。)を要求すると(S421)、サーバは、異常後60秒間の動画要求を子機に対してモバイル通信により行う(S422)。
異常後60秒間の動画要求を受けた子機は監視カメラに対して異常後60秒間の動画要求を行う(S423)。そこで監視カメラは異常後60秒間の動画を子機に送信し(S424)、子機は異常後60秒間の動画をサーバ5にモバイル通信でUPする(S425)。
サーバは受信した異常後60秒間の動画を端末に表示する(S426)。
カメラ画像の表示を完了すると(S427)、カメラ画像のUP停止指令がサーバから子機にモバイル通信で送られ(S428)、子機が監視カメラに対してカメラ画像の送信停止を要求する(S429)。と同時に、子機のCPU24aは、ゲートウェイ22をディセーブルにして子機モードに戻す(S430)。子機はその後定常状態に復帰する。
【0042】
図9は、本発明に係る遠隔監視システムにおけるリレーモードについて説明するための図である。
リレーモードとは、気象条件など万が一、モバイル通信回線の不具合や電波強度低下があった場合でも、ロバストなLPWA通信を用いた情報リレーを実現し、近接した異なるグループを経由して、通信可能な親機から異常イベント発生などを漏らさず通知する機能である。
【0043】
図9において、例えばグループAの親機10Aが悪天候等の理由でモバイル通信の電波強度が低下し、通信NGになった場合、サーバが、同じグループ内の子機11Aのうちで一番電波強度の強いものを新たな親機に設定し、元の親機を子機に変更することが可能な場合は問題がないが、同じグループ内にそのような子機が存在しない場合が問題となる。
この場合、親機10AからLPWA通信でブロードキャストされた緊急情報は近接する他のグループBの子機11Bのなかで、送信エリアはかならず重複して被覆して構成されるため、かならず受信できる子機11Bが存在することを利用するものである。
【0044】
これを利用してLPWA通信で(自分が不調であることを)ブロードキャストし、それを受けた近接するグループBの子機11Bは緊急事態を理解して、たとえば緊急情報を緊急回線として割り当てたチャンネルを使って正常に動作している親機が存在するグループまで情報のリレーを行い、正常に動作している親機(図の場合は親機10Bが正常)を介して緊急情報をサーバ5にUPするものである。
それにより、たとえば、集中豪雨などで、たとえある地域でモバイル通信が使えなくても、緊急情報はLPWA通信でリレーされ、雨の影響がないたとえば40km遠方の親機からサーバ5にUPされるため、ほんの少しの遅延は生ずるが、この仕組みでロバストな長距離ネットワークを構成でき、確実な情報通信が可能となる。
【0045】
以上で実施形態の説明を終了するが、この発明において、各装置の具体的な構成、処理の内容、データの構成、使用する装置の台数等は、実施形態で説明したものに限るものではない。
例えば、定常状態におけるゲートウェイ機能は、複数ある監視装置の中から選ばれた親機10が果たしているが、専用のゲートウェイ機器を用いて、それを有線あるいは無線(モバイル通信)でインターネットに接続してもよい。サーバ5は自立型サーバ又はクラウドサーバのいずれでもよい。
また、監視装置の初期設定の際にQRコード(登録商標)を読み取ることにより監視装置のIDを読み取ったが、RFIDタグのようなものでも構わなく、あるいは最初から紐づけしたものをリストにして、それを現場に運んで設置してもよい。
さらに、監視装置の電源は太陽電池の場合で説明したが、これに限らず、交流を直流に変換した電源で、かつ、電源に蓄電池(二次電池)を接続したもので構成してもよい。
また、端末はモバイル端末が好ましいが、有線接続の端末でもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0046】
3:基地局、4:ネットワーク回線、5:サーバ、10:監視装置(親機)、11:監視装置(子機)、12:端末、20:通信制御装置、21:モバイル通信モジュール、22:ゲートウェイ、23:LPWA通信モジュール、24:制御部、27:監視カメラ、28:気象センサ
【要約】 (修正有)
【課題】通信コストや消費電力を抑えつつ、異常が発生した場合には、現場の状況を高解像度の画像で確認することが可能な遠隔監視システムを提供する。
【解決手段】通信制御装置と接続された監視カメラを備えた複数台の監視装置のうち1台を親機10、残りを子機11に設定し、子機11と親機10との間の通信をLPWA通信モジュールによる特定小電力無線通信で行い、かつ、親機とネットワーク回線4との間はモバイル通信で行う。監視カメラからの異常信号をサーバ5を介して端末12で受信したユーザから、異常が発生した監視領域の監視カメラの画像蓄積データの取得要求をサーバ5が受けると、サーバ5は監視装置11に対して画像蓄積データの取得要求指令を送信する。監視装置11は、サーバ5との間の通信をモバイル通信モジュールによるモバイル通信に切り換え、親機10を介さずにサーバ5に画像蓄積データ情報を送信する。
【選択図】
図3