【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明の扉枠構造体は、方形枠の少なくとも3辺の外周に沿って第1の溝部が凹設されるとともに、該第1の溝部の近傍に第1の結合部を有する第1の枠体と、前記第1の溝部の所定の位置に設置され、凸条部が形成された第1の補強部材と、方形枠の少なくとも3辺の外周に沿って第2の溝部が凹設されるとともに、該第2の溝部の近傍に、前記第1の枠体と互いに対向した状態で結合可能な第2の結合部を有する第2の枠体と、前記第2の溝部の所定の位置に設置され、凸条部が形成された第2の補強部材とを備える。
【0015】
ここで、方形枠の第1の枠体の少なくとも3辺の外周に沿って第1の溝部が凹設されることにより、後述する第1の補強部材を設置することができる。従って、第1の枠体の剛性を高め、第1の枠体の内周に設置される扉の開閉動作、又は地震発生時の横揺れ等に起因する第1の枠体の変位を最小限に抑えることができる。
【0016】
また、第1の溝部の近傍に第1の結合部を有することにより、後述する第2の枠体を第1の枠体と対向した状態で結合させることができる。従って、第1の枠体と第2の枠体を一体化して、扉枠全体としての剛性を高めることができる。
【0017】
また、第1の補強部材に凸条部が形成されることにより、第1の補強部材自体の剛性を高めることができる。従って、地震発生時の激しい横揺れが生じた場合でも、第1の補強部材の破断を防止することができる。
【0018】
また、方形枠の第2の枠体の少なくとも3辺の外周に沿って第2の溝部が凹設されることにより、後述する第2の補強部材を設置することができる。従って、第2の枠体の剛性を高め、第2の枠体の内周に設置される扉の開閉動作、又は地震発生時の横揺れ等に起因する第2の枠体の変位を最小限に抑えることができる。
【0019】
また、該第2の溝部の近傍であって、前記第1の枠体と互いに対向した状態で結合可能な第2の結合部を有することにより、第1の枠体と第2の枠体を対向した状態で一体化し、扉枠全体としての剛性を高めることができる。
【0020】
また、第2の補強部材に凸条部が形成されることにより、第2の補強部材自体の剛性を高めることができる。従って、地震発生時の激しい横揺れが生じた場合でも、第2の補強部材の破断を防止することができる。
【0021】
上記の目的を達成するために、本発明の扉枠構造体は、3方枠の外周に沿って第1の溝部が凹設されるとともに、該第1の溝部の近傍に第1の結合部を有する第1の枠体と、前記第1の溝部の所定の位置に設置され、凸条部が形成された第1の補強部材と、3方枠の外周に沿って第2の溝部が凹設されるとともに、該第2の溝部の近傍に、前記第1の枠体と互いに対向した状態で結合可能な第2の結合部を有する第2の枠体と、前記第2の溝部の所定の位置に設置され、凸条部が形成された第2の補強部材とを備えている。
【0022】
ここで、第1の枠体の3方枠の外周に沿って第1の溝部が凹設されることにより、後述する第1の補強部材を設置することができる。従って、第1の枠体の剛性を高め、第1の枠体の内周に設置される扉の開閉動作、又は地震発生時の横揺れ等に起因する第1の枠体の変位を最小限に抑えることができる。
【0023】
また、第1の溝部の近傍に第1の結合部を有することにより、後述する第2の枠体を第1の枠体と対向した状態で結合させることができる。従って、第1の枠体と第2の枠体を一体化して、扉枠全体としての剛性を高めることができる。
【0024】
また、第1の補強部材に凸条部が形成されることにより、第1の補強部材自体の剛性を高めることができる。従って、地震発生時の激しい横揺れが生じた場合でも、第1の補強部材の破断を防止することができる。
【0025】
また、第2の枠体の3方枠の外周に沿って第2の溝部が凹設されることにより、後述する第2の補強部材を設置することができる。従って、第2の枠体の剛性を高め、第2の枠体の内周に設置される扉の開閉動作、又は地震発生時の横揺れ等に起因する第2の枠体の変位を最小限に抑えることができる。
【0026】
また、該第2の溝部の近傍であって、前記第1の枠体と互いに対向した状態で結合可能な第2の結合部を有することにより、第1の枠体と第2の枠体を対向した状態で一体化し、扉枠全体としての剛性を高めることができる。
【0027】
また、第2の補強部材に凸条部が形成されることにより、第2の補強部材自体の剛性を高めることができる。従って、地震発生時の激しい横揺れが生じた場合でも、第2の補強部材の破断を防止することができる。
【0028】
また、第1の結合部が第1の溝部から延設される場合には、第1の結合部と第1の溝部を一体形成できるため、扉の開閉動作、又は地震発生時の横揺れ等により第1の枠体に応力が加わっても、第1の結合部が第1の枠体から外れたりする虞がない。更に、第1の溝部と第1の結合部を、一連の工程において製造できるため、製造コスト、及び製造工数も低減することができる。
【0029】
また、第2の結合部が第2の溝部から延設さる場合には、第2の結合部と第2の溝部を一体形成できるため、扉の開閉動作、又は地震発生時の横揺れ等により第2の枠体に応力が加わっても、第2の結合部が第2の枠体から外れたりする虞がない。また、第2の溝部と第2の結合部を、一連の工程において製造できるため、製造コスト、及び製造工数も低減することができる。
【0030】
また、第1の結合部、及び第2の結合部が、第1の溝部、及び第2の溝部から延設され、一方が凹片部、他方が凹片部に嵌合可能な凸片部である場合には、凹片部、又は凸片部を目印として嵌合させればよいため、第1の枠体と第2の枠体を対向させた状態で確実に結合させることができる。更に、凹片部と凸片部を嵌合させるだけで、第1の枠体と第2の枠体を結合することができるため、結合に際して特別な工具等が必要なく、建て付けが容易なものとなる。
【0031】
また、第1の枠体、及び第2の枠体が嵌め込まれる壁面開口部が形成された壁面と、少なくとも2面を含み、一方の面が第1の補強部材に固定され、他方の面が前記壁面の内周に固定される取付アングルと、を有する場合には、第1の補強部材を含む第1の枠体、及び第1の枠体に結合された第2の枠体が、取付アングルを介して壁面に取り付けることができる。
【0032】
また、第1の補強部材が第1の溝部に対して摺動可能に設置される場合には、例えば、地震発生時の大きな横揺れにより、壁面が大きく層間変位した場合でも、取付アングルに結合された第1の補強部材が第1の溝部を摺動するため、第1の枠体、及び第1の枠体と結合された第2の枠体は、壁面の層間変位に追従することがない。また、第2の補強部材は第2の溝部内に固定されているため、第2の枠体の剛性は保たれた状態となる。従って、地震発生時の横揺れによる第1の枠体、及び第2の枠体の変形を最小限に抑えることができるため、緊急時においても扉の開閉が可能となる。
【0033】
また、第1の補強部材が、第1の溝部の少なくとも一方の側壁に当接する第1の当接面を有する場合には、地震発生時の横揺れにより、第1の補強部材に所定以上の力が加わっても、第1の補強部材に加わる力を第1の当接面から分散させることができるため、第1の補強部材の破断を防止することができる。
【0034】
また、第1の補強部材が、取付アングルに当接する第2の当接面を有する場合には、第1の補強部材が設置される第1の枠体を、取付アングルを介して、壁面開口部に取り付けることができる。
【0035】
更に、第1の枠体が壁面に直接的に取り付けられていないため、例えば、地震発生時の大きな横揺れにより、壁面が大きく層間変位した場合でも、取付アングルに固定された第1の補強部材が第1の溝部を摺動し、第1の枠体、及び第2の枠体は壁面の層間変位に追従することがない。従って、地震発生時の横揺れによる第1の枠体、及び第2の枠体の変形を最小限に抑えることができるため、緊急時においても扉の開閉が可能となる。
【0036】
また、第1の当接面と第2の当接面を連結し、第1の溝部を横断する第1の連結板を有する場合には、この第1の連結板が縦リブとして機能するため、第1の枠体の剛性を高めることができる。
【0037】
また、第1の連結板に凸条部が形成されている場合には、第1の連結板の剛性を高めることができるため、例えば、地震発生時の激しい横揺れが生じた場合でも、第1の補強部材の破断を防止することができる。
【0038】
また、第1の連結板に形成される凸条部が、連結板の30〜70%の面積に形成されている場合には、凸条部を加工する際の加工性と、第1の連結板の剛性の両立を最もバランスよくすることができる。即ち、凸条部の面積が、第1の連結板の30%よりも小さいと、第1の連結板の剛性を所定以上に保つことができず、70%よりも大きいと、凸条部を形成するための加工が困難となる。
【0039】
また、第2の補強部材が、第2の溝部の一方の側壁に当接する第3の当接面と、他方の側壁に当接する第4の当接面を有する場合には、第2の補強部材が、第2の溝部内に当接した状態で設置されるため、第2の枠体の剛性を高めることができる。
更に、地震発生時の横揺れにより、第2の補強部材に所定以上の力が加わっても、第2の補強部材に加わる力を第2の当接面から分散させることができるため、第2の補強部材の破断を防止することができる。
【0040】
また、第3の当接面と第4の当接面を連結し、第2の溝部を横断する第2の連結板を有する場合には、この第2の連結板が縦リブとして機能するため、第2の枠体の剛性を高めることができる。
【0041】
また、第2の連結板に凸条部が形成されている場合には、第2の連結板の剛性を高めることができるため、例えば、地震発生時の激しい横揺れが生じた場合でも、第2の補強部材の破断を防止することができる。
【0042】
また、第2の連結板に形成される凸条部が、連結板の30〜70%の面積に形成されている場合には、凸条部を加工する際の加工性と、第2の連結板の剛性の両立を最もバランスよくすることができる。即ち、凸条部の面積が、第2の連結板の30%よりも小さいと、第2の連結板の剛性を所定以上に保つことができず、70%よりも大きいと、凸条部を形成するための加工が困難となる。
【0043】
また、第1の補強部材、又は第2の補強部材が、凸片部を凹片部に嵌合した際に、凹片部の外側面に当接する切欠き部を有する場合には、第1の枠体と第2の枠体の結合を、より強固なものとすることができる。更に、地震発生時の横揺れにより、第1の補強部材、又は第2の補強部材に所定以上の力が加わっても、第1の補強部材、又は第2の補強部材に加わる力を、当接する凹片部の外周面から分散させることができるため、第1の補強部材、又は第2の補強部材の破断を防止することができる。
【0044】
また、第1の枠体が、一対の第1の枠材と、第1の枠材の一端同士を連結する第2の枠材とから構成されている場合には、第1の枠体の運搬、組み立て、及び分解が容易になるとともに、第1の枠体の再利用も可能となる。
【0045】
また、第2の枠体が、一対の第3の枠材と、該第3の枠材の一端同士を連結する第4の枠材とから構成されている場合には、第2の枠体の運搬、組み立て、及び分解が容易になるとともに、第2の枠体の再利用も可能となる。
【0046】
また、第1の補強部材が、第1の枠材、及び第2の枠材にそれぞれ均等の数だけ配置されている場合には、第1の枠体全体としての剛性のバランスを均一にすることができる。
【0047】
また、第2の補強部材が、第3の枠材、及び第4の枠材にそれぞれ均等の数だけ配置されている場合には、第2の枠体全体としての剛性のバランスを均一にすることができる。
【0048】
上記の目的を達成するために、本発明の扉枠構造体の取付方法は、方形枠の第1の枠体の、少なくとも3辺の外周に沿って形成された第1の溝部に、第1の補強部材を設置する工程と、少なくとも2面を有する取付アングルの、一方の面を前記第1の補強部材に固定し、他方の面を壁面開口部が形成された壁面の内周に固定する工程と、方形枠の第2の枠体の、少なくとも3辺の外周に沿って形成された第2の溝部に、第2の補強部材を設置する工程と、前記第1の枠体と、前記第2の枠体を互いに対向する状態となるように結合する工程とを備える。
【0049】
ここで、方形枠の少なくとも3辺の外周に沿って形成された第1の溝部に、第1の補強部材を設置する工程を有することにより、第1の枠体の剛性を高め、第1の枠体の内周に設置される扉の開閉動作、又は地震発生時の横揺れ等に起因する第1の枠体の変位を最小限に抑えることができる。
【0050】
また、第1の補強部材に凸条部が形成されることにより、第1の補強部材自体の剛性を高めることができる。従って、地震発生時の激しい横揺れが生じた場合でも、第1の補強部材の破断を防止することができる。
【0051】
また、少なくとも2面を有する取付アングルの、一方の面を第1の補強部材に固定し、他方の面を壁面開口部が形成された壁面の内周に固定する工程を有することにより、取付アングルを介して、第1の補強部材を含む第1の枠体を壁面に結合することができる。
【0052】
また、方形枠の第2の枠体の、少なくとも3辺の外周に沿って形成された第2の溝部に、第2の補強部材を設置する工程を有することにより、第2の枠体の剛性を高め、第2の枠体の内周に設置される扉の開閉動作、又は地震発生時の横揺れ等に起因する第2の枠体の変位を最小限に抑えることができる。
【0053】
また、第2の補強部材に凸条部が形成されることにより、第2の補強部材自体の剛性を高めることができる。従って、地震発生時の激しい横揺れが生じた場合でも、第2の補強部材の破断を防止することができる。
【0054】
また、第1の枠体と第2の枠体を互いに対向する状態で結合する工程を有することにより、第1の枠体と第2の枠体を一体化して、扉枠全体としての剛性を高めることができる。
【0055】
上記の目的を達成するために、本発明の扉枠構造体の取付方法は、3方枠の
第1の枠体の外周に沿って形成された第1の溝部に、第1の補強部材を設置する工程と、少なくとも2面を有する取付アングルの、一方の面を前記第1の補強部材に固定し、他方の面を壁面開口部が形成された壁面の内周に固定する工程と、3方枠の
第2の枠体の外周に沿って形成された第2の溝部に、第2の補強部材を設置する工程と、前記第1の枠体と、前記第2の枠体を互いに対向する状態となるように結合する工程とを備える。
【0056】
ここで、3方枠の
第1の枠体の外周に沿って形成された第1の溝部に、第1の補強部材を設置する工程を有することにより、第1の枠体の剛性を高め、第1の枠体の内周に設置される扉の開閉動作、又は地震発生時の横揺れ等に起因する第1の枠体の変位を最小限に抑えることができる。
【0057】
また、第1の補強部材に凸条部が形成されることにより、第1の補強部材自体の剛性を高めることができる。従って、地震発生時の激しい横揺れが生じた場合でも、第1の補強部材の破断を防止することができる。
【0058】
また、少なくとも2面を有する取付アングルの、一方の面を第1の補強部材に固定し、他方の面を壁面に形成された壁面開口部の内周に固定する工程を有することにより、取付アングルを介して、第1の補強部材を含む第1の枠体を壁面に結合することができる。
【0059】
また、
3方枠の第2の枠体
の外周に沿って形成された第2の溝部に、第2の補強部材を設置する工程を有することにより、第2の枠体の剛性を高め、第2の枠体の内周に設置される扉の開閉動作、又は地震発生時の横揺れ等に起因する第2の枠体の変位を最小限に抑えることができる。
【0060】
また、第2の補強部材に凸条部が形成されることにより、第2の補強部材自体の剛性を高めることができる。従って、地震発生時の激しい横揺れが生じた場合でも、第2の補強部材の破断を防止することができる。
【0061】
また、第1の枠体と第2の枠体を互いに対向する状態で結合する工程を有することにより、第1の枠体と第2の枠体を一体化して、扉枠全体としての剛性を高めることができる。
【0062】
また、第1の補強部材を設置する工程は、第1の補強部材を第1の溝部に対して摺動可能に設置する工程を含み、第2の補強部材を設置する工程は、第2の補強部材を第2の溝部に対して固定する工程を含む場合には、例えば、地震発生時の大きな横揺れにより、壁面が大きく層間変位した場合でも、取付アングルに固定された第1の補強部材が第1の溝部を摺動するため、第1の枠体、及び第1の枠体と結合された第2の枠体は、壁面の層間変位に追従することがない。また、第2の補強部材は第2の溝部内に固定されているため、第2の枠体の剛性は保たれた状態となる。従って、地震発生時の横揺れによる第1の枠体、及び第2の枠体の変形を最小限に抑えることができるため、緊急時においても扉の開閉が可能となる。