(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1インターフェースは、所定の物質を介して、前記被検者の皮膚と電気的にインターフェーシングされ、前記第2インターフェースは、前記被検者の皮膚に直接電気的にインターフェーシングされることによって、前記第2インターフェースのインピーダンスが、前記第1インターフェースのインピーダンスより大きいことを特徴とする請求項1に記載の生体信号測定装置。
前記第1インターフェースは、尖った突起状の一つ以上の電極からなり、該突起が前記被検者の皮膚の角質層に入り込んでいき、皮膚と電気的にインターフェーシングされ、前記第2インターフェースは、平板状の一つ以上の電極が、皮膚の表面と電気的にインターフェーシングされることによって、前記第2インターフェースのインピーダンスが、前記第1インターフェースのインピーダンスより大きいことを特徴とする請求項1に記載の生体信号測定装置。
前記信号処理部は、前記第2インターフェースから検出された信号を利用し、前記モーションアーチファクトに比例する信号を抽出するモーションアーチファクト抽出部と、
前記モーションアーチファクト抽出部で抽出された信号を利用し、前記検出された生体信号から、前記モーションアーチファクトを除去する生体信号抽出部と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の生体信号測定装置。
前記生体信号抽出部は、前記第1wインターフェースと、前記第2wインターフェースとを介して検出された生体信号の電位値を差動増幅することによって、前記モーションアーチファクトを含んだ生体信号を抽出し、
前記生体信号抽出部は、前記抽出されたモーションアーチファクトを含んだ生体信号から、前記モーションアーチファクトに比例する信号を除去する演算を行うことによって、前記モーションアーチファクトが除去された生体信号を測定することを特徴とする請求項8に記載の生体信号測定装置。
前記生体信号抽出部は、前記モーションアーチファクトに比例する信号を、適応型フィルタを利用してフィルタリングし、モーションアーチファクトを除去する演算を行うことによって、前記モーションアーチファクトが除去された生体信号を測定することを特徴とする請求項7に記載の生体信号測定装置。
前記第1wインターフェース及び前記第2wインターフェースの電極は、湿式電極であり、前記第1dインターフェース及び前記第2dインターフェースの電極は、乾式電極であることを特徴とする請求項12に記載の生体信号測定方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の生体信号測定装置100について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による生体信号測定装置100の構成図である。
図1の生体信号測定装置100は、インターフェース120乃至150、モーションアーチファクト抽出部160及び生体信号抽出部170から構成される。そして、モーションアーチファクト抽出部160と生体信号抽出部170は、
図1の信号処理部180を構成する。
図1に示した生体信号測定装置100は、本発明の一実施形態に過ぎず、
図1に示した構成要素を基礎として、さまざまな変形が可能であるということを本実施形態が属する技術分野で当業者であるならば、理解できるであろう。
【0012】
図1に示す生体信号測定装置100は、被検者110の生体信号(bioelectric signals)を測定する装置である。生体信号は、身体の筋肉細胞や神経細胞から生じる電位形態又は電流形態の信号であり、生体電位(bioelectric potentials)又は生体電流(bioelectric currents)ともいう。以下、説明の便宜のために、生体信号測定装置100を利用して検出される生体信号は、電位の形態で示されるとして説明する。
【0013】
図1を参照すれば、生体信号測定装置100は、被検者110の身体に付着されたインターフェース120乃至150を利用して生体信号を検出する。このとき、被検者110の身体に付着されたインターフェース120乃至150は、被検者110の皮膚との接触によって、被検者110の皮膚と電気的に連結(以下、電気的にインターフェーシング、とする)され、被検者110の生体信号を検出する。即ち、インターフェース120乃至150は、生体と生体信号を測定する回路との間で電気的信号を授受できるように、生体と電気的に接触する電極(electrode)を指す。1つのインターフェース120乃至150は、同じ電位を有する、即ち、電気的に同じノード(node)に該当する少なくとも一つの電極から構成される。1つのインターフェースを構成する一つ以上の電極は、生体信号の正確な検出のために、多様な形態に配列されて被検者110の皮膚と接触する。1つのインターフェースを構成する電極の配列形態に関連しては、以下に
図4、
図5及び
図7を参照して説明する。
【0014】
一般的に、生体信号は、一定距離だけ離れたところに位置したそれぞれ異なる電位値を有する2つのインターフェースE1w,E2w 120,140から検出された電位値の差、即ち、電圧を利用して測定される。具体的に生体信号は、被検者110の皮膚で、一定距離離れたところに付着された2つのインターフェースE1w,E2w 120,140から獲得された電位値を、差動増幅器(differential amplifier)を利用して差動増幅し、生体信号に該当する電圧値の波形を獲得することによって測定される。このとき、獲得された生体信号の電圧値の波形は、雑音(noise)が含まれた値である。
【0015】
神経細胞又は筋肉細胞で発生する電位又は電流に該当する生体信号は、非常に微細なサイズの電気信号であり、雑音の影響を大きく受ける。特に、生体信号測定装置100は、身体に付着されたインターフェースE1w,E2w 120,140の電極を利用して生体信号を測定するものであるから、生体信号の測定時、付着された電極を介して、身体の動きの影響を受け、雑音が含まれた生体信号が測定される。身体の動きによる雑音を、モーションアーチファクト(motion artifact)といい、このようなモーションアーチファクトは、測定された生体信号の正確性を低下するので、被検者110の正確な状態の把握と、疾病の診断及び治療とを困難にする。
【0016】
具体的には、モーションアーチファクトは、身体の動きの影響を受け、皮膚と電極との接触インピーダンス(electrode−skin contact impedance、以下、単に、接触インピーダンスという)が変化することによって引き起こされる。即ち、被検者110の皮膚に付着されたインターフェースE1w,E2w 120,140の電極と皮膚との間に生成された接触インピーダンスが、被検者110の動きに影響を受けて変化し、このような接触インピーダンスの変動(variation)が測定される生体信号に影響を及ぼし、雑音として作用する。モーションアーチファクトは、測定される生体信号の波形を歪曲するので、正確な生体信号の測定のためには、このような身体の動きによるモーションアーチファクトを除去する必要がある。
【0017】
モーションアーチファクトは、一定のパターンで発生するものではなく、動きによって随時変化し、測定しようとする生体信号と類似した周波数帯域の信号であるから、単純なフィルタリングでは除去されない。従って、生体信号測定装置100は、生体信号と別個に、モーションアーチファクトを示す信号を測定し、モーションアーチファクトが含まれた生体信号からこれを除去することによって始めて、モーションアーチファクトが除去された生体信号を獲得できる。
【0018】
モーションアーチファクトは、被検者110の動きによって引き起こされた被検者110の皮膚と電極との接触インピーダンスの変化、及び電極と電極周辺とで発生する電位の変化が、雑音として作用して発生する。このようなモーションアーチファクトは、モーションアーチファクトと関連度の高い接触インピーダンスの変化を利用して測定する。即ち、動きによる接触インピーダンスの変化を示す信号を測定することによって、生体信号に影響を与えるモーションアーチファクトを測定できる。動きによる接触インピーダンスの変化を示す信号は、被検者の身体に電流(io)を流し、これに係わる電位の変化(Δv)を、身体に付着された電極を利用して検出し、一定距離離れた電極から検出された電位の変化(Δv)を差動増幅することによって測定できる。
【0019】
数式(1)を参考にすれば、一定の電流(io)に起因する電位の変化(Δv)は、接触インピーダンスの変化を反映する。従って、モーションアーチファクトは、被検者の皮膚に電流(io)を流し、皮膚に付着された電極から検出された電位の変化(Δv)を利用して測定する。被検者の皮膚に流す電流(io)には、生体信号の周波数帯域と重ならない周波数(fc)を持たせることによって、測定されるモーションアーチファクトに対する生体信号の影響を減少できる。周波数(fc)を有する電流(io)を流せば、検出される電位の変化(Δv)は、周波数(fc)の交流信号を変調した(以下、「周波数(fc)に変調された」という)信号になり、周波数(fc)に変調された信号を検出し、これを復調(demodulation)することにより、本来の信号を獲得できる。
【数1】
【0020】
このような電位の変化(Δv)(以下、電位信号Δv)は、生体信号の測定と別個に、被検者110の皮膚に付着された一つ以上の電極から構成されたインターフェースE1d,E2d 130,150を利用して検出できる。即ち、生体信号測定装置100は、生体信号を検出するインターフェースE1w,E2w 120,140とは別個のインターフェースE1d,E2d 130,150を利用して電位信号Δvを検出する。
【0021】
生体信号を検出するインターフェースE1w,E2w 120,140の電極は、ハイドロゲル(hydrogel)270(後述の
図2を参照)を介して、被検者110の皮膚と電気的にインターフェーシングする。ハイドロゲル270は、電解質成分のゲル(gel)であり、ハイドロゲルを介して、電極と皮膚とが接触する場合、伝導性金属からなる電極が皮膚と直接接触することと比較して、電極と皮膚との間の電気的抵抗である接触インピーダンスを低くする。即ち、ハイドロゲルを利用すれば、電極と皮膚との接触インピーダンスを相対的に低くし、微細なサイズの生体信号に対する接触インピーダンスの影響を減少するので、生体信号測定に有利である。即ち、被検者110の動きによって接触インピーダンスが変わっても、接触インピーダンスの平均値が小さいならば、生体信号に及ぼす影響が少なくなり、検出される生体信号は、相対的に、モーションアーチファクトの影響をさらに受けにくくなる。即ち、生体信号を検出するのに適切な信号対雑音比(SNR:signal to noise ratio)を有することができる。従って、ハイドロゲルを利用して生体信号を検出する場合、生体信号に対するモーションアーチファクトの影響が減り、相対的に、均一(uniform)且つ安定な生体信号を得ることができる。
【0022】
電位信号Δvを検出するインターフェースE1d,E2d 130,150の電極は、ハイドロゲルを介さずに、電極が皮膚と直接接触して信号を検出する。従って、ハイドロゲルを介して、電気的インターフェーシングを行うインターフェースE1w,E2w 120,140の電極と比較して、ハイドロゲルを介さずに皮膚に直接接触するインターフェースE1d,E2d 130,150の電極は、高い接触インピーダンスを有することになる。
【0023】
即ち、生体信号を検出するインターフェースE1w,E2w 120,140と、電位信号Δvを検出するインターフェースE1d,E2d 130,150は、異なる状態の電気的インターフェーシングを行い、異なる電気的条件を有し、これは、電位信号Δvを検出するインターフェースE1d,E2d 130,150が、生体信号を検出するインターフェースE1w,E2w 120,140と比較して、高いインピーダンスを有することになる。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態による生体信号測定装置100の断面図である。
図2を参照すれば、電位信号Δvを検出するインターフェースE1d,E2d 130,150の電極231,232,251,252は、接着シート210の孔を介して、被検者110の皮膚と直接接触する一方、生体信号を検出するインターフェースE1w,E2w 120,140の電極221,222,241,242は、被検者110の皮膚と直接接触せずに、ハイドロゲル270を介して、被検者110の皮膚と連結されている。ハイドロゲル270は、前述のように、電解質成分のゲル(gel)であり、生体信号を検出するインターフェースE1w,E2w 120,140の電極221,222,241,242と、被検者110の皮膚とを電気的にインターフェーシングする役割を行う。
【0025】
このように、伝導性金属の電極が、ハイドロゲルを介して皮膚と電気的にインターフェーシングされる形態の電極は、湿式(wet−type)電極といい、伝導性金属の電極が、被検者110の皮膚に直接接触して電気的にインターフェーシングされる形態の電極は、乾燥式(dry−type)電極という。一般的には、湿式電極は、銀(Ag)からなる平板を塩化銀(Agcl)でコーティングしたものであり、乾燥式電極は、金(Au)からなる平板からなっている。ただし、これに限定されるものではない。
【0026】
電位信号Δvを検出するインターフェースE1d,E2d 130,150は、接触インピーダンスの高い乾式電極を利用するが、乾式電極は、湿式電極と比較して、接触インピーダンスの変化と、モーションアーチファクトとの相関関係(correlation)が高い。従って、電位信号Δvの検出に乾式電極を利用することによって、モーションアーチファクトが除去された、さらに正確な生体信号の測定が可能である。
【0027】
図3は、乾式電極と湿式電極との電極の種類による、インピーダンス変化とモーションアーチファクトとの相関関係を示したグラフである。相関関係は、2つの変数間の関連した程度を示す。即ち、インピーダンス変化とモーションアーチファクトとの相関関係は、インピーダンス変化とモーションアーチファクトとが関連している程度を示す。相関関係が大きいということは、インピーダンス変化とモーションアーチファクトとの関連した程度が大きいということであり、被検者身体との接触による電極でのインピーダンス変化が、生体信号測定時に、生体信号に含まれるモーションアーチファクトをさらに反映するというのである。
【0028】
図3のグラフのx軸は、電極の種類を示すものであり、湿式電極と乾式電極とをそれぞれ示し、y軸は、電極インピーダンス変化とモーションアーチファクトとの相関関係を、相関係数(correlation coefficient)で示したものである。相関係数は、インピーダンス変化とモーションアーチファクトとの相関関係の程度を数量的に示した値であり、−1から+1までの値を有する。相関係数の絶対値が大きいほど、相関関係が高く、相関係数の値が0であるときは、少しも関係がないということを示す。
【0029】
符号330は、乾式電極の平均相関係数値を示したものであり、符号310は、湿式電極の平均相関係数の値を示したものである。また、符号340は、乾式電極の平均的な相関係数の値330に係わる標準偏差の範囲を示したものであり、符号320は、湿式電極の平均的な相関係数の値310に係る標準偏差の範囲を示したものである。
【0030】
図3のグラフによれば、乾式電極の平均相関係数値330は、湿式電極の平均相関係数の値310と比較し、インピーダンス変化とモーションアーチファクトとの相関係数の値が大きい。それぞれの標準偏差値320,340を考慮しても、乾式電極のインピーダンス変化とモーションアーチファクトとの相関係数の絶対値が、湿式電極のインピーダンス変化とモーションアーチファクトとの相関係数の絶対値より大きいことが分かる。即ち、乾式電極を利用し、電位信号Δvを検出してモーションアーチファクトを測定する場合、インピーダンス変化がモーションアーチファクトを良く反映し、より正確なモーションアーチファクトの測定が可能になる。乾式電極のモーションアーチファクトに係わる相関関係が相対的に高いということは、ハイドロゲルを介して皮膚と接触する湿式電極と比較し、直接皮膚に接触する乾式電極の接触インピーダンスが、相対的に高いからであり、動きによる接触インピーダンスの変化値が、湿式電極を利用して測定するときよりも、乾式電極を利用して測定するときに、より大きく示されるからである。従って、モーションアーチファクトとの相関関係の高い乾式電極を利用し、電位信号Δvを測定することによって、モーションアーチファクトが除去された、より正確な生体信号検出が可能である。
【0031】
従って、生体信号測定装置100は、生体信号を検出するインターフェースE1w,E2w 120,140の電極は、低い接触インピーダンスを有する湿式電極を使用し、電位信号Δvを測定するインターフェースE1d,E2d 130,150の電極は、モーションアーチファクトとの相関関係が相対的に高い乾式電極を使用して測定する。
【0032】
また、モーションアーチファクトが除去された正確な生体信号を測定するために、インターフェースE1w,E2w 120,140の電極を介して測定されるモーションアーチファクトは、生体信号に含まれたモーションアーチファクトと同じ形態でなければならない。従って、電位信号Δvを測定するインターフェースE1d,E2d 130,150の電極は、生体信号を測定するインターフェースE1w,E2w 120,140の電極から臨界距離内に位置する。即ち、モーションアーチファクトは、動きによる接触インピーダンスの変化によって生じるものであり、生体信号に含まれたモーションアーチファクトと同じ形状(shape)のモーションアーチファクトを検出するためには、電位信号Δvを検出する電極での接触インピーダンスの変化が、生体信号を検出する電極での接触インピーダンスの変化と同じ形状でなければならない。
従って、臨界距離は、被検者110の動きによる接触インピーダンスの変化が、生体信号を測定するインターフェースE1w,E2w 120,140の電極と、電位信号Δvを検出するインターフェースE1d,E2d 130,150の電極とにおいて、実質的に同一の形状を呈するほどの短い距離である。
図2を参照すれば、電位信号Δvを測定するインターフェースE1d,E2d 130,150の電極231,232,251,252と、生体信号を測定するインターフェースE1w,E2w 120,140の電極221,222,241,242は、臨界距離内に位置する。
【0033】
上述の、生体信号を測定するインターフェースの電極と電位信号Δvを測定するインターフェースの電極の具体的な構成については、
図2を参照して説明する。
図2の断面図は、接着シート(attachment sheet)210、生体信号を測定するインターフェースE1w,E2w 120,140の電極221,222,241,242、電位信号Δvを測定するインターフェースE1d,E2d 130,150の電極231,232,251,252、基準インターフェースE3w 260、ハイドロゲル270、絶縁層280を示す。
【0034】
接着シート210は、両面に接着物質が塗布されている絶縁体物質から構成されたシートであり、生体信号測定装置100と皮膚が接触した状態を維持する。即ち、生体信号測定装置100は、接着シート210を介して皮膚に接触し、接着シート210の接着物質を介して、接触した状態が維持される。生体信号測定装置100と、被検者110の皮膚との電気的な連結のために、生体信号測定装置100が、皮膚と電気的に接触する部分の接着シート210には、孔があいている。即ち、生体信号測定装置100は、インターフェース120乃至150を介して、被検者110の皮膚と電気的にインターフェーシングされて生体信号を検出するので、生体信号測定装置100が、皮膚と電気的に接触する部分、即ち、接着シート210に孔があいている箇所は、インターフェース120乃至150を構成する電極221,222,231,232,241,242,251,252が位置する箇所である。
【0035】
電極221,222,241,242は、生体信号を測定するインターフェースE1w,E2w 120,140を構成する電極であり、前述のように、生体信号に及ぼすモーションアーチファクトの影響を減らすために、相対的に低い接触インピーダンスを有する電極を使用する。電極231,232,251,252は、電位信号Δvを測定するインターフェースE1d,E2d 130,150を構成する電極であり、前述のように、生体信号の測定時、インピーダンス変化とモーションアーチファクトとの相関関係がより高い電極を使用する。
図2の断面図に示したように、生体信号を測定する電極221,222,241,242は、ハイドロゲル270を介して、被検者の皮膚と電気的インターフェーシングを行う湿式電極であり、他方、電位信号Δvを測定する電極231,232,251,252は、乾式電極である。
【0036】
生体信号測定装置100は、一定距離離れたところに位置した2つのインターフェースE1w,E2w 120,140で測定された電位値の差を利用して生体信号を測定するので、インターフェースE1w 120を構成する電極221,222と、インターフェースE2w 140を構成する電極241,242は、生体信号の電圧を測定するために、一定距離離れたところに位置する。
生体信号を測定するインターフェースE1w 120で発生するモーションアーチファクトを測定するためのインターフェースE1d 130の電極231,232は、生体信号を測定するインターフェースE1w 120の電極221,222と同じ形状のモーションアーチファクトを有するように、臨界距離内に交互に配置されている。同様に、インターフェースE2w 140で発生するモーションアーチファクトを測定するインターフェースE2d 150の電極251,252は、生体信号を測定するインターフェースE2w 140の電極241,242と同じ形状のモーションアーチファクトを有するように、臨界距離内に交互に配置されている。
【0037】
以上のように、1つのインターフェースを複数の電極から構成すれば、生体信号を測定する電極と電位信号Δvを測定する電極とを交互に配置できるので、平均して同じ形状のモーションアーチファクトを獲得できるだけではなく、同じ面積を有する1つの大きい電極と比較するとき、生体信号の測定時、皮膚と密着した状態をより容易に維持できる。
【0038】
基準インターフェースE3w 260は、生体信号の測定時、基準になる電位を測定するためのものであり、少なくとも一つの電極から構成される。基準インターフェースE3w 260を構成する一つ以上の電極は、生体信号を測定する電極と同じ構造を有する。基準インターフェースE3w 260は、基準になる電位を測定するために、生体信号を測定するインターフェースE1w,E2w 120,140と一定距離離れたところに位置する。
図2の断面図において、基準インターフェースE3w 260の位置は、一実施形態に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0039】
絶縁層280は、絶縁物質からなる基板の形状を有し、隣接した電極が電気的に連結されて電流が流れることを防止する。生体信号測定装置100の内部において、電極とハイドロゲル270とが位置する領域を除外した残りの領域は全部絶縁層280からなっている。生体信号測定装置100の一実施形態によれば、湿式電極と湿式電極に密着するハイドロゲル270とが位置する領域は凹状に構成され、ハイドロゲル270と乾式電極とが電気的に連結されることを防止する。
乾式電極と湿式電極とは基板上に交互に配置されており、絶縁層280の断面は
図2の場合、凹凸状の構造になっている。
図2に示したような凹凸状の構造は、一実施形態に過ぎず、これに限定されるものではない。例えば、
図11(a)に示した生体信号測定装置100の断面図のように、絶縁層の断面が平らな形状であることも可能である。
【0040】
上述したように、
図2の断面図は、接触シート、生体信号を測定するインターフェースE1w,E2wの電極、電位信号Δvを測定するインターフェースE1d,E2dの電極、基準インターフェースの電極、ハイドロゲル270を示す。しかし、生体測定装置100の接触部材の形態、電極の種類、電極の配列形態は、
図2に提示された図面に限定されるものではなく、実施形態によっては、多様な形態に配列される。
【0041】
図4、
図5及び
図7(a)は各々、本発明の実施形態による生体測定装置100のインターフェースを構成する電極の配置を示す底面図である。
【0042】
図4の底面図は、接着シート410、生体信号を測定するインターフェースE1wの電極421乃至428、生体信号を測定するインターフェースE2wの電極441乃至448、電位信号Δvを測定するインターフェースE1dの電極431乃至438、電位信号Δvを測定するインターフェースE2dの電極451乃至458、基準インターフェースE3wの電極460を示す。
【0043】
図2で説明した通り、生体信号を測定する2つのインターフェースE1w,E2wは、一定距離離れたところで、生体信号の電位値を測定する。電位信号Δvを測定するインターフェースE1dの電極431乃至438は、生体信号を測定するインターフェースE1wの電極421乃至428と、臨界距離内に交互に配置される。1つのインターフェースを電気的に同じ複数の電極から構成し、インターフェースE1wの電極421乃至428と、インターフェースE1dの電極431乃至438とを交互に配置することによって、生体信号を測定する電極421乃至428と、電位信号Δvを測定する電極431乃至438とに、平均して同じ形態のモーションアーチファクトが入力される。これと同様に、インターフェースE2wの電極441乃至448と、インターフェースE2dの電極451乃至458とを、臨界距離内に交互に配置する。
【0044】
生体信号の基準になる電位を測定する基準インターフェースE3w 460の電極は、生体信号を測定するインターフェースE1w,E2wの影響を受けないように、一定距離離れて位置する。生体信号を測定するインターフェースE1w,E2w,E3wの電極421乃至428,441乃至448,460は、ハイドロゲルを介して皮膚と接触する湿式電極であり、電位信号Δvを測定するインターフェースE1d,E2dの電極431乃至438,451乃至458は、皮膚と直接接触する乾式電極である。
【0045】
図4の底面図を参照すれば、それぞれの電極が位置する領域には、接着シート410に孔があいており、これを除外した残りは、絶縁体物質を接着シート410が被覆する領域である。
図2に示した断面図と同じように、湿式電極の領域と乾式電極領域との間は、絶縁物質からなる絶縁層によって分離されており、湿式電極と乾式電極との電気的インターフェーシング(電気的連結、電気的接触)を防止する。
【0046】
図5の底面図も、
図4と同様に、接着シート510、生体信号を測定するインターフェースE1wの電極521乃至528、生体信号を測定するインターフェースE2wの電極541乃至548、電位信号Δvを測定するインターフェースE1dの電極531乃至538、電位信号Δvを測定するインターフェースE2dの電極551乃至558、基準インターフェースE3wの電極561乃至564を示す。
【0047】
図5に示す場合、生体信号を測定するインターフェースE1w,E2wと、電位信号Δvを測定するインターフェースE1d,E2dと、は、各々、
図4のE1w,E2w,E1d,E2dと同様に配置される。ただし、
図4とは異なり、
図5の生体信号の基準電位を測定する基準インターフェースE3wは、同じ電位を有する一つ以上(本図では4つ)の電極561乃至564から構成されている。これは、基準インターフェースE3wが複数個の電極から構成される一実施形態であり、必ずしもこれに限定されない。
【0048】
図4の電極と異なり、
図5の生体信号を測定するインターフェースE1w,E2w,生体信号の基準電位を測定する基準インターフェースE3wの電極、521乃至528,541乃至548,561乃至564は、ハイドロゲルを介して皮膚と電気的にインターフェーシングされる湿式電極ではなく、モーションアーチファクトの電位信号Δvを測定するインターフェースE1d,E2dの電極と同じ導電性物質から構成された電極である。皮膚と低い接触インピーダンスを維持するハイドロゲルを介することなく生体信号に対するモーションアーチファクトの影響を低減できるように、インターフェースE1w,E2w,E3wの電極521乃至528,541乃至548,561乃至564は、尖った突起状の形状を有する。インターフェースE1w,E2w,E3wの電極521乃至528,541乃至548,561乃至564が備える尖った突起が皮膚の角質層に入り込んでいき、その下の表皮層と電気的接点をなし、同じ導電性物質から構成されたインターフェースE1d,E2dの電極に比べ、低い接触インピーダンスを有する。
次に
図6を参照すると、インターフェースE1w,E2w,E3wを構成する電極の底面図と断面図であって、インターフェースE1w,E2w,E3wを構成する電極の突起の形状と、該突起状の電極が皮膚の角質層に入り込んでいき、その下の表皮層と電気的接点をなす様子とを示す。
【0049】
図7(a)の底面図も、
図4と同様に、生体信号を測定するインターフェースE1wの電極720、生体信号を測定するインターフェースE2wの電極740、電位信号Δvを測定するインターフェースE1dの電極731乃至734、電位信号Δvを測定するインターフェースE2dの電極751乃至754、基準インターフェースE3wの電極760を示す。
【0050】
図4、
図5とは異なり、
図7(a)の場合、生体信号を測定する2つのインターフェースE1w 720,E2w 740は、それぞれ1つの電極から構成される。インターフェースE1w 720,E2w 740は、一定距離離れたところで生体信号の電位値を測定する。電位信号Δvを測定するインターフェースE1d 730の電極731乃至734と、E2d 750の電極751乃至754とは、それぞれ、生体信号を測定する電極E1w 720,E2w 740の周囲を取り囲んで配置されている。生体信号を測定するインターフェースE1w 720を取り囲んでいる電位信号Δvを測定するインターフェースE1dの電極731乃至734は、それぞれ臨界距離内に配置され、両インターフェースに平均して、同じ形状のモーションアーチファクトが入力される。生体信号を測定するインターフェースE2w 740と、電位信号Δvを測定するインターフェースE2dの電極751乃至754とについても同様である。
図7(a)の基準インターフェースE3w 760の電極は、
図4の基準インターフェースE3w 460と同様に、生体信号を測定するインターフェースE1w 720,E2w 740の影響を受けないように、インターフェースE1w 720,E2w 740から一定距離離れて位置する。
【0051】
生体信号を測定するインターフェースE1w,E2w,E3wの電極720,740,760は、
(i)
図4の場合と同様に、ハイドロゲルを介して皮膚と接触する湿式電極から構成されるか、あるいは、
(ii)
図5の場合と同様にハイドロゲルを介することなく、尖った突起を備え、該突起が皮膚の角質層に入り込んでいき、その下の表皮層と電気的接点をなす電極から構成される。
いずれの場合でも、電位信号Δvを測定するインターフェースE1d,E2dの電極731乃至734,751乃至754は、皮膚と直接接触する乾式電極である。
【0052】
図7(b)は、
図7(a)における生体信号を測定するインターフェースの電極が上記(i)の場合であって、生体信号測定装置100の生体信号を測定する各インターフェースを被検者110の皮膚に付着させ該付着状態を維持する接着シート710と、を示した図面である。接着シート710において、
図7(a)のそれぞれの電極が位置する領域には、孔があいており、接着シート710のあいた孔を介して、生体信号測定装置100の電極が皮膚と接触する。
【0053】
再び
図1に戻り、モーションアーチファクト抽出部160は、インターフェースE1d 130,E2d 150から電位信号Δvを入力され、モーションアーチファクトに比例する信号を抽出する。前述のように、電位信号Δvは、インターフェースE1d 130とE2d 150に各々、或る一定の電流(io)を流し、これに係わる電位の変化を獲得することによって測定できる。インターフェースE1d 130,E2d 150から検出された電位信号Δvを利用し、モーションアーチファクトに比例する信号を抽出するモーションアーチファクト抽出部160の具体的な動作は、次に
図8の回路図を参照して説明する。
【0054】
図8は、本発明の一実施形態によって、
図1に示した生体信号測定装置100を構成する回路の一例を示した図面である。
図8の生体信号測定装置100は、インターフェースE1w 821,E2w 822及びE3w 823,E1d 831及びE2d 832を介して、被検者110の皮膚810と接触する。
図8の生体信号測定装置100は、生体信号を測定するインターフェースE1w 821,E2w 822及びE3w 823、電位信号Δvを測定するインターフェースE1d 831及びE2d 832、バイアス(bias)電流源841乃至842、差動増幅器(differential amplifier)850乃至860、復調器(demodulator)870、及び、プロセッサ880から構成される。
【0055】
図8を参照すれば、モーションアーチファクト抽出部160は、バイアス電流源841乃至842、差動増幅器860、復調器870から構成される。モーションアーチファクト抽出部160は、外部バイアス電流源841乃至842を利用し、生体信号の周波数帯域と重ならない周波数(fc)に変調された一定の電流(io)を、電位信号Δvを測定するインターフェースE1d 831及びE2d 832に印加する。これにより、インターフェースE1d 831,E2d 832から検出される電位信号Δvは、印加された電流(io)に依存すると共に、周波数(fc)に変調される。このとき、インターフェースE1d 831,E2d 832から検出される電位信号Δvは、その振幅が非常に小さいので、増幅が必要である。従って、モーションアーチファクト抽出部160は、インターフェースE1d 831,E2d 832から獲得された電位値を、差動増幅器860を利用して差動増幅し、復調器870を利用して前記増幅された信号を本来の信号に復調し、モーションアーチファクトに比例する信号を抽出する。モーションアーチファクト抽出部160は、このように増幅されたアナログ形態の信号を、デジタル形態の信号に変換するためのA/Dコンバータ(analog−to−digital converter)と、変換されたデジタル形態の信号に対する演算を行う演算器(operator)とをさらに含んでもよい。
【0056】
モーションアーチファクト抽出部160は、前記のような過程を経て抽出された信号を、生体信号抽出部170に出力する。
【0057】
図1の生体信号抽出部170は、インターフェースE1w 120,E2w 140から獲得された信号を利用し、モーションアーチファクトが含まれた生体信号を抽出し、これからモーションアーチファクトを除去することによって、被検者110の実際生体信号を検出する。モーションアーチファクト抽出部160で抽出された信号は、インターフェースE1w 120,E2w 140から獲得された生体信号のモーションアーチファクトに比例するために、生体信号抽出部170は、モーションアーチファクト抽出部160によって抽出された信号を利用し、モーションアーチファクトを除去できる。インターフェースE1w 120,E2w 140で獲得された生体信号のモーションアーチファクトを除去する生体信号抽出部170の具体的な動作は、
図8の回路図を参照して説明する。
【0058】
図8を参照すれば、生体信号抽出部170は、差動増幅器850と、プロセッサ880とから構成される。生体信号抽出部170の差動増幅器850は、生体信号を測定するインターフェースE1w 821,E2w 822を介して測定された電位値を入力され、これを差動増幅し、モーションアーチファクトが含まれた生体信号を出力する。生体信号抽出部170は、インターフェースE1w 821,E2w 822を介して測定された信号が、増幅過程で、低周波雑音の影響を受けて歪曲されることを避けるために、増幅する前に、高い周波数の信号に変調した後でこれを増幅し、増幅された信号を、復調器を利用して本来の信号に復調する方法を利用できる。測定された信号を変調する際の周波数は、電位信号Δvの周波数帯域と重ならないようにするために、モーションアーチファクト抽出部160のバイアス電流源841乃至842の出力する一定電流(io)の周波数(fc)と異なる周波数帯域を利用する。
【0059】
生体信号抽出部170のプロセッサ880は、差動増幅器850から出力されたモーションアーチファクトが含まれた生体信号と、モーションアーチファクト抽出部160から出力されたモーションアーチファクトに比例する信号とを受信し、生体信号からモーションアーチファクトを除去する過程を処理する。即ち、プロセッサ880は、モーションアーチファクトが含まれた生体信号からモーションアーチファクトを除去するのに必要な演算を行う。
【0060】
このとき、生体信号抽出部170のプロセッサ880は、モーションアーチファクトを効果的に除去するために、適応型フィルタ(adaptive filtering)をさらに含むことができる。適応型フィルタは、フィルタにフィードバック(feedback)された値によって、フィルタ係数(filter coefficients)を調整できるデジタル・フィルタであり、一定のパターンのないランダムな雑音に対して、入力信号、環境、結果信号の特性を考慮し、フィルタ係数を調整することによって、実際変化する雑音を推定して雑音を除去する。
即ち、適応型フィルタは、モーションアーチファクト抽出部160によって抽出されたモーションアーチファクトに比例する信号と、フィードバックされたモーションアーチファクトが除去された生体信号を入力としてフィルタ係数を調整し、このように、調整されたフィルタ係数を利用し、モーションアーチファクトに比例する信号をフィルタリングすることによって、実際モーションアーチファクトに近接したモーションアーチファクト信号を予測して出力する。プロセッサ170は、適応型フィルタから出力されたモーションアーチファクト信号を入力され、増幅された生体信号からこれを除去し、モーションアーチファクトが除去された、実際の生体信号を獲得する。
【0061】
図9は、本発明の一実施形態によって、適応型フィルタ900が具現された生体信号測定装置100のプロセッサ880の動作(operation)を示した図面である。
図9に示したように、プロセッサ880は、適応型フィルタ900と演算器(operator)910とから構成される。
【0062】
生体信号測定装置100のプロセッサ880は、モーションアーチファクト抽出部160から出力されたモーションアーチファクトに比例する信号920と、増幅器850から出力されたモーションアーチファクトを含む生体信号930とを入力される。適応型フィルタ900は、モーションアーチファクトに比例する信号920と、モーションアーチファクトが除去された信号950がフィードバックされた信号とを入力され、適応型フィルタ900のフィルタ係数を調整する。適応型フィルタ900は、このように調整されたフィルタ係数を利用し、入力されたモーションアーチファクトに比例する信号920をフィルタリングすることによって、実際モーションアーチファクトに近似したモーションアーチファクト信号940を予測して出力する。
演算器910は、増幅器850からモーションアーチファクトが含まれた生体信号930と、実際モーションアーチファクトに近似したモーションアーチファクト信号940とを入力され、増幅器850からモーションアーチファクトが含まれた生体信号930から、実際モーションアーチファクトに近似したモーションアーチファクト信号940を除去する演算を行う。このような演算の結果として、演算器910は、モーションアーチファクトが除去された信号950を出力する。生体信号抽出部170のプロセッサ880は、このような過程を経て、モーションアーチファクトが除去された実際生体信号を獲得する。
【0063】
このようにして測定された生体信号は、身体の状態をモニタし、多種の疾病を診断し、又は、多種の疾病を治療するのに使われる。例えば、生体信号測定装置100は、被検者110の身体に付着されたインターフェース120乃至150を介して、生体信号の1つの心電図(ECG:electrocardiogram)データを測定する。被検者の心臓が心拍(heartbeat)によって弛緩及び収縮を反復すると、被検者の皮膚には、非常に小さい電位変化が発生するが、このような電気的活動(electrical activity)をグラフ状に示したものを心電図という。専門家は、生体信号測定装置100によって測定された心電図データを受信すると、心筋梗塞や不整脈のような心臓疾患を診断、治療し、被検者の心臓の電気的活動をモニタリングし、心臓疾患による事故を予防できる。このような疾病の診断と治療とのためには、測定された生体信号の高い信頼性が要求される。従って、実際のモーションアーチファクトに最大限類似したモーションアーチファクトを測定し、これを除去して正確な生体信号を獲得することが重要である。
【0064】
従来の生体信号を測定する装置では、生体信号と電位信号Δvとを測定する電極を、電極の種類によるインピーダンス変化とモーションアーチファクトとの相関関係を考慮せずに、同じ電極を利用したり、あるいは同じ構造の電極を利用して測定していたので、正確な生体信号の測定が行われなかった。
図10は、従来の生体信号測定装置を構成する回路1000の一例を示した図面である。
図8にその回路の一例を示した本発明の一実施形態による生体信号測定装置100とは異なり、
図10にその回路1000の一例を示した生体信号測定装置は、生体信号と電位信号Δvとを同じ電極1020,1030を利用して測定する。従来の生体信号測定装置1000は、生体信号と電位信号Δvとを測定する電極として、ハイドロゲルを介して皮膚に接触する湿式電極を主に使用した。このように、ハイドロゲルを利用して生体信号を測定すると、電極と皮膚との低い接触インピーダンスによって、モーションアーチファクトが生体信号に及ぼす影響が減り、乾式電極を利用したものと比較し、相対的に均一であって安定した生体信号を獲得できる。
【0065】
しかし、生体信号を測定する電極と同じ電極を利用して電位信号Δvを測定する場合、又は同じ種類の電極、即ち、ハイドロゲルを介して皮膚と接触する湿式電極を利用して電位信号Δvを測定する場合、電極と皮膚との接触インピーダンスが低く、モーションアーチファクトの影響を正確に測定し難いので、測定された生体信号からモーションアーチファクトが、正しく除去されない。例えば、生体信号測定装置を利用して前記のような心電図波形をモニタリングする場合、モーションアーチファクトの影響で生体信号が歪曲されると、正確な心臓の状態を判断し難く、患者の生命が危険になる状況が発生しうる。従って、実際モーションアーチファクトの影響を最大限反映した、正確な生体信号の測定が重要である。本発明の生体信号測定装置100を利用して生体信号を測定する場合、電極の種類によるインピーダンス変化とモーションアーチファクトとの相関関係を考慮したインターフェースを利用し、正確な生体信号の測定が可能である。
【0066】
図11(a)は、
図7(a)に示した生体信号測定装置100をA−A’方向に切り取った断面図である。
図11(a)は、絶縁層1110、モーションアーチファクトの電位信号Δvを測定する電極1121乃至1124、生体信号を測定する電極1131乃至1133、集積回路1140、伝導性配線1150、及び、各種受動素子1160を示す。
【0067】
絶縁層1110は、
図2に示した絶縁層280と同様に、生体信号を測定する電極1131乃至1133と、モーションアーチファクトの電位信号Δvを測定する電極1121乃至1124との電気的インターフェーシングを防止する。また、絶縁層1110は、生体信号測定回路100を構成する集積回路1140と、伝導性配線1150との電気的結合や干渉の発生を防止する。
【0068】
モーションアーチファクトの電位信号Δvを測定する電極1121,1122は、インターフェースE1dを構成する電極と同じ電位を有し、生体信号を測定する電極1131と臨界距離内に近接して位置しており、平均して同じ形状のモーションアーチファクトを有する。これと同様に、電極1123,1124は、インターフェースE2dを構成する電極であり、生体信号を測定する電極1133に入力されるモーションアーチファクトと、平均して同じ形状のモーションアーチファクトを有する。モーションアーチファクトの電位信号Δvを測定する電極1121乃至1124は、ハイドロゲルなしに被検者の皮膚1110に直接接触する乾式電極である。乾式電極の平板は、伝導性の良好な金属から構成されて、主に金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)などの金属が利用される。ただし、これに限定されるものではない。
【0069】
生体信号を測定する電極1131,1133は、それぞれインターフェースE1w,E2wに該当する電極であり、一定距離離れて位置し、それら電極1131,1133で測定された電位値を差動増幅した値が生体信号となる。
図11(a)に示した生体信号を測定する電極1131乃至1133は、ハイドロゲルを介して皮膚と接触する湿式電極である。これは、本発明による一実施形態に過ぎず、生体信号を測定する電極1131乃至1133は、ハイドロゲルを介することなく、尖った突起を備え、該突起が皮膚の角質層に入り込んでいき、その下の表皮層と電気的接点をなす電極から構成されてもよい。一般的に、生体信号を測定する電極1131乃至1133は、金属からなる平板に伝導性の良好な物質でコーティングされたものであり、一般的に、銀(Ag)からなる平板を塩化銀(Agcl)でコーティングしたものである。ただし、これに限定されるものではない。
【0070】
集積回路1140は、デジタル回路又はアナログ回路が具現された特定用途の半導体チップをいう。
図8に示した差動増幅器850,860、復調器870、プロセッサ880などが集積回路1140に位置しうる。
図1に示した生体信号測定装置100のモーションアーチファクト抽出部160、生体信号抽出部170は、集積回路1140、伝導性配線1150、各種受動素子1160を利用して具現される。
【0071】
図11(b)は、
図7(b)に示した接着シート710(ここでは接着シート1170とする)を、B−B’を基準に切り取った断面図であり、この場合、ハイドロゲル1180は接着シート1170に付着されている。
接着シート1170は、
図2に示した接着シート210と同様に、両面が接着物質で塗布されている絶縁体物質から構成されたシートであり、生体信号測定装置100と皮膚が接触した状態を維持する。
図11(b)から分かるように、電位信号Δvを測定する電極1121乃至1124が位置する領域には、接着シート210に孔があけられており、電位信号Δvを測定する電極1121乃至1124が直接皮膚に接触する。生体信号を測定する電極1131乃至1133が湿式電極である場合、ハイドロゲルを介して皮膚と接触するので、生体信号を測定する電極1131乃至1133が位置する領域は、ハイドロゲル1180で充填されている。
このように、
図2の場合と異なり、インターフェースを構成する電極1131乃至1133、及び1121乃至1124は、生体信号測定装置100の下面に突出して設けられ、かつハイドロゲル1180は接着シート1170に付着され、生体信号測定装置100を完成する。
【0072】
図12は、本発明の一実施形態による
図1に示した生体信号測定方法のフローチャートである。
図12に示した実施形態による生体信号測定方法は、
図1に示した生体信号測定装置100で、時系列的に処理される段階から構成される。従って、以下で省略された内容であっても、
図1に示した生体信号測定装置100について、以上で記述された内容は、
図12に示した生体信号測定方法にも適用される。
【0073】
1201段階で、生体信号測定装置100は、被検者110の皮膚に接触したインターフェースE1d 130,E2d 150を介して、生体信号の周波数帯域と重ならない周波数(fc)を有する電流(io)を印加する。
1202段階で、生体信号測定装置100は、1201段階で印加された電流(io)に起因する、周波数(fc)に変調された電位信号Δvを、被検者の皮膚と電気的インターフェーシングし、所定のインピーダンスを有するインターフェースE1d 130,E2d 150を介して検出し、生体信号の電位値を被検者の皮膚と電気的インターフェーシングし、前記所定のインピーダンスより低いインピーダンスを有するインターフェースE1w 120,E2w 140を介して検出する。
1203段階で、生体信号測定装置100のモーションアーチファクト抽出部160は、1202段階で検出された電位信号Δvの電位値を差動増幅する。
1204段階で、モーションアーチファクト抽出部160は、1203段階で増幅された信号を本来の信号に復調し、モーションアーチファクトに比例する信号を生成する。
1205段階で、生体信号抽出部170は、1202段階で検出された生体信号の電位値を差動増幅し、モーションアーチファクトが含まれた生体信号を生成する。
1206段階で、生体信号抽出部170は、1204段階で生成されたモーションアーチファクトに比例する信号を利用し、1205段階で生成されたモーションアーチファクトが含まれた生体信号からモーションアーチファクトを除去し、実際生体信号を抽出する。
【0074】
一方、生体信号測定方法は、コンピュータで実行できるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用し、前記プログラムを動作させる汎用デジタル・コンピュータで具現できる。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read−only memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、及び光学的判読媒体(例えば、CD−ROM、DVD(digital versatile disc))のような記録媒体を含む。
【0075】
以上、本発明について、その望ましい実施形態を中心に説明した。本発明が属する技術分野で当業者であるならば、本発明が本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態で具現可能であるということを理解できるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる差異点は、本発明に含まれるものであると解釈されねばならない。
【符号の説明】
【0077】
100 生体信号測定装置
110 被検者
120,140 生体信号を検出するインターフェース
130,150 電位信号を検出するインターフェース
160 モーションアーチファクト抽出部
170 生体信号抽出部
180 信号処理部
210,410,510,710,1170 接着シート
221,222 電位信号Δvを検出するインターフェースE1dの電極
231,232 生体信号を検出するインターフェースE1wの電極
241,242 生体信号を検出するインターフェースE2wの電極
251,252 電位信号Δvを検出するインターフェースE2dの電極
260,460 基準インターフェースE3wの電極
270,1180 ハイドロゲル
280,1110 絶縁層
421〜428,521〜528,821 生体信号を測定するインターフェースE1wの電極
431〜438,531〜538,831 電位信号Δvを測定するインターフェースE1dの電極
441〜448,541〜548,822 生体信号を測定するインターフェースE2wの電極
451〜458,551〜558,832 電位信号Δvを測定するインターフェースE2dの電極
561〜564,823 基準インターフェースE3wの電極
810,1010 皮膚
841,842,1041,1042 バイアス電流源
850,860,1050,1060 差動増幅器
870,1070 復調器
880,1080 プロセッサ
900 適応型フィルタ
910 演算器
920 モーションアーチファクトに比例する信号
930 モーションアーチファクトを含む生体信号
940 実際モーションアーチファクトに近似したモーションアーチファクト信号
950 モーションアーチファクトが除去された信号
1000 従来の生体信号測定装置を構成する回路
1020,1030 電極Ep1,Ep2
1110 絶縁層
1121〜1124 モーションアーチファクトの電位信号Δvを測定する電極
1131〜1133 モーションアーチファクトの電位信号Δvを測定する電極
1140 集積回路
1150 伝導性配線
1160 各種受動素子
1170 接着シート
1180 ハイドロゲル