特許第6238520号(P6238520)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6238520-画像記録方法 図000011
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238520
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】画像記録方法
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/00 20060101AFI20171120BHJP
   B41M 5/52 20060101ALI20171120BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20171120BHJP
   C09D 11/00 20140101ALI20171120BHJP
【FI】
   B41M5/00 132
   B41M5/52 100
   B41J2/01 501
   C09D11/00
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-266544(P2012-266544)
(22)【出願日】2012年12月5日
(65)【公開番号】特開2013-144437(P2013-144437A)
(43)【公開日】2013年7月25日
【審査請求日】2015年12月7日
(31)【優先権主張番号】特願2011-271677(P2011-271677)
(32)【優先日】2011年12月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】金杉 勇一郎
(72)【発明者】
【氏名】辻 新祐
(72)【発明者】
【氏名】鳥阪 吉敬
【審査官】 後藤 亮治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−247381(JP,A)
【文献】 特開2011−046035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/00 − 5/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクに含有される色材を析出又は凝集させる反応剤を含有する液体組成物を中間転写体に付与する液体組成物付与工程と、
前記液体組成物が付与された領域の少なくとも一部にインクを付与して中間画像を記録する中間画像記録工程と、
前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程と、を有する画像記録方法であって、
前記中間転写体は、基材層と表面層とを有し、
前記基材層は、シリコーンゴムを含有し、
前記表面層は、加水分解性の有機ケイ素化合物の縮合物であるシロキサン化合物を含有し、
前記中間転写体の表面の水に対する接触角が40度以上であり、
前記液体組成物のpHが6.0以下であり、
前記液体組成物が、下記式(1)で表されるポリエーテルシロキサン化合物を含有し、
前記式(1)で表されるポリエーテルシロキサン化合物の重量平均分子量が500以上10000以下であることを特徴とする画像記録方法。
【化1】

(式(1)において、R〜R及びR〜R11は水素又は有機基であり、Rは有機基である。x、y及びaは1以上の整数であり、z及びbは0以上の整数である。)
【請求項2】
前記液体組成物における、前記式(1)で表されるポリエーテルシロキサン化合物の含有量が、3.0質量%以上である請求項1に記載の画像記録方法。
【請求項3】
前記液体組成物のpHが、4.0以下である請求項1または2に記載の画像記録方法。
【請求項4】
前記シロキサン化合物が、グリシドキシプロピルトリエトキシシランとメチルトリエトキシシランとの縮合物である請求項に記載の画像記録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中間転写体に、インクを付与することで中間画像を記録し、この中間画像を記録媒体に転写して画像を記録する画像記録方法(以下、「中間転写型画像記録方法」という)において、中間画像の記録に先立って、中間転写体において、インクと接触した際に、インクに含有される色材を析出又は凝集させるような反応剤を含有した液体組成物を付与しておくことが知られている。また、中間転写型画像記録方法の転写性を向上させる方法として、中間転写体に離型性の高い材料を用いたり、中間転写体に離型性を高めるような液体を付与したりすることが知られている。
【0003】
ところが、そのような方法で離型性を高めた中間転写体に対して液体組成物を付与すると、液体組成物が中間転写体上で弾かれて均一に付与できない場合があった。液体組成物が均一に付与されていない中間転写体に、インクを付与すると、色材の析出又は凝集反応が不均一に起こることに伴い、中間画像に濃度ムラが発生し、記録媒体に転写された画像の画像品位が低くなってしまった。
【0004】
従来、離型性の高い中間転写体に対して液体組成物を均一に付与する方法が検討されてきた(特許文献1)。特許文献1には、中間転写体に対する液体組成物の濡れ性を高めるために、特定のフッ素系アニオン界面活性剤を含有する液体組成物を用い、中間転写体に液体組成物が均一に付与されるようにすることで、記録媒体に転写された画像の画像品位が改善することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−234219号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の中間転写型画像記録方法は、液体組成物が均一に付与できるために良好な中間画像が得られるものの、高速記録をした場合に中間画像の転写性が十分ではなく、中間転写体に中間画像の一部が転写されずに残存する現象、所謂「転写残り」が発生し、記録媒体に転写された画像の画像品位が低い場合があることが分かった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、液体組成物を中間転写体上に均一に付与することにより濃度ムラの抑制された中間画像を記録することと、高速記録をした場合に中間画像の転写性が高い中間転写型画像記録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像記録方法は、インクに含有される色材を析出又は凝集させる反応剤を含有する液体組成物を中間転写体に付与する液体組成物付与工程と、前記液体組成物が付与された領域の少なくとも一部にインクを付与して中間画像を記録する中間画像記録工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程と、を有し、前記中間転写体は、基材層と表面層とを有し、前記基材層は、シリコーンゴムを含有し、前記表面層は、加水分解性の有機ケイ素化合物の縮合物であるシロキサン化合物を含有し、前記中間転写体の表面の水に対する接触角が40度以上であり、前記液体組成物のpHが6.0以下であり、前記液体組成物が、下記式(1)で表されるポリエーテルシロキサン化合物を含有し、前記式(1)で表されるポリエーテルシロキサン化合物の重量平均分子量が500以上10000以下であることを特徴とする。
【0009】
【化1】
【0010】
(式(1)において、R〜R及びR〜R11は水素又は有機基であり、Rは有機基である。x、y及びaは1以上の整数であり、z及びbは0以上の整数である。)
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像記録方法によれば、液体組成物を中間転写体上に均一に付与することにより濃度ムラの抑制された中間画像を記録することと、高速記録をした場合に中間画像の転写性が高い中間転写型画像記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に用いられる記録装置の構成の一例を示す断面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
出願人は上述したような課題の認識のもとで鋭意検討を繰り返した結果、以下のような構成を有する液体組成物を転写体表面に付与することによって、中間転写体表面が離型性と濡れ性という相反する性質を示すことができることを見出した。
【0014】
即ち、本発明は、中間転写型画像記録方法において、中間転写体及び液体組成物が以下の3つの技術的要件を満たすものである。
第1に、中間転写体の表面の水に対する接触角が40度以上であること。
第2に、液体組成物のpHが6.0以下であること。
第3に、液体組成物は、式(1)で表される化合物を含有すること。
【0015】
【化2】
【0016】
(式(1)において、R〜R及びR〜R11は水素又は有機基であり、Rは有機基である。x、y及びaは1以上の整数であり、z及びbは0以上の整数である。)
【0017】
これらの要件を満たすことで、液体組成物が付与された転写体表面は適度な離型性及び適度な濡れ性を有するために、転写体表面に高品位な中間画像が記録されるとともに、該中間画像を記録媒体へ良好に転写させることを可能とする。
【0018】
図1は本発明に用いられる記録装置の構成の一例を示す断面の模式図である。図1において、中間転写体は、基材層1と表面層2から構成されている。中間転写体の周囲には、基本プロセスを行うユニットして、液体組成物を付与する液体組成物付与部3、中間画像6を記録するインクジェットヘッド5、中間画像6を記録媒体に転写する転写ローラ10が設けられている。インクジェットヘッド5と転写ローラ10の間には、付与されたインクの溶剤を短時間に減少させるために、溶剤除去部7と加熱部8が設けられていてもよい。転写ローラ10と液体組成物付与部3の間には、転写後に中間転写体上に残存したインクを除去するために、クリーニング部12が設けられていてもよい。更に、記録媒体9に転写された画像を短時間に定着させるために、定着ローラ11が設けられていてもよい。
【0019】
中間転写体は図中の矢印方向に回転し、液体組成物付与部3によって液体組成物が付与される。次いで、複数色に対応した複数のノズル列を有するインクジェットヘッド5から、画像データに応じてインクが付与され、中間画像6が記録される。記録された中間画像6は、溶剤除去部7及び加熱部8によって、転写に適した粘度とすることで、転写性がより向上する。そして、転写ローラ10によって記録媒体9に中間画像が転写される。転写後は、クリーニング部12により中間転写体の表面をクリーニングしてもよい。以上を1サイクルとして、中間転写体が回転を繰り返すことで、記録媒体9に画像が繰り返し記録される。
【0020】
中間転写体は、ローラ状、ベルト状のものを使用することができる。転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度、回転のイナーシャ軽減等の要求特性から、例えばアルミニウム合金等の軽量金属製のドラム形状の中間転写体を用いる。上述の通り、中間転写体は、基材層と表面層から構成されていてもよい。
【0021】
本発明における第1の技術的要件は、中間転写体の表面の水に対する接触角が40度以上であることである。本発明において、接触角は「静的接触角」を意味する。具体的な測定方法としては、接触角計(CA−V 協和界面科学社製)などを用いればよい。
【0022】
この第1の技術的要件によって、中間転写体は中間画像に対して適度な離型性を有し、中間画像の転写性が高まる。ここで、「離型性」とは、表面に付与されたインクや液体組成物の成分が剥離しやすい特性を示すものである。また、水に対する接触角が高すぎると、中間画像がはじかれやすくなるために、120度以下であることが好ましく、105度以下であることがより好ましい。
【0023】
中間転写体の表面は、紙などの記録媒体に画像を圧着させて画像を転写させるため、ある程度の弾性を有していることが好ましい。例えば記録媒体として紙を用いる場合には、中間転写体表層部材の硬度はデュロメータ・タイプA(JIS・K6253準拠)硬度10°以上100°以下の範囲のものが好ましく、特に20°以上60°以下の範囲のものがより好ましい。
【0024】
中間転写体の表面の材質としてはポリマー、セラミック、金属など各種材料を適宜用いる事ができるが、前記特性及び加工特性より各種ゴム材料、及びエラストマー材料が好ましく用いられる。例えば、ポリブタジエン系ゴム、ニトリル系ゴム、クロロプレン系ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、フルオロシリコーン系ゴム、ウレタン系ゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー等が好適である。またポリエーテル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、シロキサン化合物、パーフルオロカーボン化合物等も好適に用いることができる。尚、中間転写体の表面の材質として、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、加水分解性有機ケイ素化合物を原料とするシロキサン化合物といった材料を用いることで、後述する表面処理をすることなく、水に対する接触角を所望の範囲とすることができる。
【0025】
中間転写体が、基材層と表面層から構成される場合、の表面層は、複数の材料を積層することで形成されていてもよい。例えば、無端ベルト状のウレタンゴムにシリコーンゴムを被膜させた物、PETフィルム上にシリコーンゴムを積層したシート、ウレタンゴムシート上にシロキサン化合物を成膜させた積層材料等が好適に用いられる。シロキサン化合物の例として、加水分解性の有機ケイ素化合物を原料とする縮合物からなるシロキサン化合物等が挙げられる。また綿布やポリエステル、レーヨン等の織布を基布とし、そこにニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム等のゴム材料を含浸させたシートも好適に用いることができる。
【0026】
また、中間転写体の表面に適当な表面処理を施して用いることができる。例として、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線(UV・IR・RFなど)照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理が挙げられる。またこれらの処理を複数組み合わせて施すことも好適である。
【0027】
また、中間転写体に記録された中間画像が流動することを抑制するために、中間転写体の表面が凹凸を有することが好ましい。具体的に、中間転写体の表面の凹凸は、平均表面粗さRaで表すことができ、Raは0.01μm以上3μm以下であることが好ましい。
【0028】
本発明の中間転写型画像記録方法は、大きく4つの工程(a)〜(d)に分けられる。以下、各工程について説明する。
【0029】
(a)液体組成物付与工程
液体組成物付与工程では、液体組成物付与部3を用いて、中間転写体に反応剤を含有する液体組成物を付与する。液体組成物付与部3は、図1においてはロールコータを例示しているが、これに限定されるものではなく、その他には、スプレーコータ、スリットコータ等が挙げられる。
【0030】
本発明において、反応剤とは、中間転写体において、インクと接触することで、インクに含有される色材を析出又は凝集させる材料である。具体的には、色材として染料を用いた場合は、反応剤によってインク中に溶解している染料が析出し、色材として顔料を用いた場合は、反応剤によってインク中に分散している顔料が凝集する反応が起きる。このような反応剤によって、インクの粘性が高まり、中間画像を中間転写体上に保持しやすくなる。反応剤としては、多価金属イオンや有機酸が挙げられる。本発明においては、インク中の色材との反応速度が高いことから有機酸を反応剤として使用することが好ましい。
【0031】
多価金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+及びZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+及びAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。これらの多価金属イオンは液体組成物に塩として添加することが好ましい。多価金属イオンと共に塩を形成するイオンとしては、Cl、NO、SO2−、I、Br、ClO、RCOO(Rは、炭素数が1〜20のアルキル基)等が挙げられる。多価金属イオンの含有量は、液体組成物の全量を基準として5.0質量%以上70.0質量%以下が好ましい。
【0032】
有機酸としては、従来公知のものを何れも好適に用いることができる。具体的には、有機カルボン酸、有機スルホン酸等などが挙げられる。更に、具体的には、ポリアクリル酸、酢酸、メタンスルホン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、レブリン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の中から選ばれることが好ましい。中でも、液体組成物中で析出しにくいレブリン酸を用いることが、液体組成物の保存安定性の観点から好ましい。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。有機酸の含有量は、液体組成物の全量を基準として5.0質量%以上90.0質量%以下が好ましい。
【0033】
また、有機酸を反応剤として用いる場合は、液体組成物のpHは4.0以下であることが好ましい。更には、1.0以上3.5以下であることがより好ましく、1.0以上3.0以下であることが特に好ましい。
【0034】
本発明における第2の技術的要件は、液体組成物のpHが6.0以下であることである。
後述の通り、式(1)で表される化合物が、中間転写体表面に規則的に配向することで、中間転写体に適度な濡れ性をもたらす。本発明者らが検討したところ、式(1)で表される化合物が、中間転写体表面に規則的に配向するには、液体組成物のpHが6.0以下であることが必要であることが分かった。更には、液体組成物のpHは4.0以下であることがより好ましい。また、液体組成物のpHは1.0以上であることが好ましい。
【0035】
本発明における第3の技術的要件は、液体組成物が、下記式(1)で表される化合物を含有することである。
【0036】
【化3】
【0037】
(式(1)において、R〜R及びR〜R11は水素又は有機基であり、Rは有機基である。また、x、y及びaは1以上の整数であり、z及びbは0以上の整数である。)
【0038】
上記式(1)において、側鎖のポリアルキルオキサイド骨格は、エチレンオキサイドユニット(CO)及び、プロピレンオキサイドユニット(CO)を有する。上記式(1)で表される化合物において、エチレンオキサイドユニットとプロピレンオキサイドユニットとがその構造中に存在する状態は、エチレンオキサイドユニットとプロピレンオキサイドユニットがランダムに並んだランダムポリマー状態でも、エチレンオキサイドユニットの繰り返し構造とプロピレンオキサイドユニットの繰り返し構造が連結しているようなブロックポリマー状態でもよい。
【0039】
式(1)で表される側鎖型シロキサン化合物は、主鎖のポリシロキサン骨格と側鎖のポリアルキルオキサイド骨格とが機能分離することによって、中間転写体に離型性と濡れ性という相反する性質を付与することができる。具体的には、側鎖のポリアルキルオキサイド骨格が適度な濡れ性を呈し、主鎖のポリシロキサン骨格が適度な離型性を呈すると考えられる。このように相反する性質を共に付与することができるのは、ポリシロキサン骨格とポリアルキルオキサイド骨格とをそれぞれ主鎖と側鎖としていることが重要であり、例えば、主鎖にポリシロキサン骨格とポリアルキルオキサイド骨格とを共に有するような場合では、同様の効果は得られない。
【0040】
また、式(1)においてR〜R及びR〜R11は水素又は有機基であるが、炭化水素基であることが好ましく、炭素数が1以上10以下のアルキル基であることがより好ましい。更にはメチル基であることが特に好ましい。また、Rは有機基であるが、炭化水素基であることが好ましく、炭素数1以上10以下のアルキレン基であることがより好ましく、更には、エチレン基、プロピレン基、及びブチレン基であることが特に好ましい。Rは水素又は有機基であるが、炭化水素基であることが好ましく、炭素数1以上10以下の炭化水素基であることがより好ましい。尚、R〜R11が有機基である場合は、置換基を有していてもよい。置換基としては、炭化水素基、ヒドロキシ基、アルコキシ基が好ましい。
【0041】
式(1)において、xは1以上500以下が好ましく、1以上100以下がより好ましく、1以上10以下が特に好ましい。yは1以上100以下が好ましく、1以上50以下がより好ましい。zは0以上500以下が好ましく、0以上100以下がより好ましく、0以上10以下が特に好ましい。aは1以上500以下が好ましく、1以上100以下がより好ましい。bは0以上500以下が好ましく、0以上100以下がより好ましい。
【0042】
式(1)で表される化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が、10,000以下が好ましく、500以上が好ましい。重量平均分子量が10,000を超えると、中間転写体の濡れ性が十分に得られない場合がある。また、重量平均分子量が500未満であると、離型性の向上効果が十分に得られない場合がある。尚、本発明において、式(1)で表される化合物は、種々の分子量を有する化合物の混合物であるため、平均分子量で表すことが適当である。
【0043】
液体組成物における、式(1)で表される化合物の含有量は、3.0質量%以上が好ましく、10.0質量%以上がより好ましい。また、75.0質量%以下が好ましく、70.0質量%以下がより好ましい。含有量が3.0質量%未満であると、中間転写体の濡れ性が十分に得られない場合がある。75.0質量%を超えると、反応剤の含有量が相対的に少なくなることで、色材の凝集・析出反応が十分に起きない場合がある。
【0044】
液体組成物中において式(1)で表される化合物は溶解した状態で存在しても、分散した状態で存在してもよい。また、溶解した状態と分散した状態が混在した状態でもよい。
【0045】
式(1)で表される化合物としては、具体的には、例えばBYK347、BYK348、BYK349、BYK331、BYK307、BYK3455(以上、ビックケミー社製)が挙げられる。
【0046】
また、記録媒体に転写された画像の堅牢性の観点から、液体組成物が更に樹脂を含有することが好ましい。樹脂としては、液体組成物中において反応剤や式(1)で表される化合物と共存できるものであればよい。
【0047】
中間転写体への液体組成物の付与量は、0.1g/m以上であることが好ましく、5.0g/m以下であることが好ましい。液体組成物の付与量が0.1g/m未満であると、反応剤の量が少なく、色材の凝集・析出反応が十分に起きない場合がある。液体組成物の付与量が5.0g/mを超えると、更にインクを付与した際に中間画像に含まれる液体成分が多く、中間画像が流動しやすく、得られる画像の画像品位が十分でない場合がある。
【0048】
(b)中間画像記録工程
液体組成物が付与された中間転写体に、画像データに応じてインクジェットヘッド5から所望の色に対応したインクを吐出する。これによって、工程(b)に先立って付与された液体組成物に含まれる反応剤とインクが反応することでインクが増粘する。尚、中間画像は、最終的に記録媒体に記録する画像をミラー反転させたミラー画像であることが好ましい。
【0049】
[インクの組成]
本発明において、インクの組成は特に限定されるものではなく、従来、インクに用いられてきた成分を含有することができる。以下にインクに用いる各種成分について説明する。
【0050】
<色材>
本発明において、インクに含有する色材としては、公知の顔料や染料が挙げられる。特に、得られる画像の堅牢性の観点から、色材としては顔料を用いることが好ましい。顔料としては、自己分散顔料や樹脂分散顔料が挙げられる。本発明に用いることのできる顔料としては、公知の無機顔料・有機顔料を用いることができる。具体的にはC.I.(カラーインデックス)ナンバーで表される顔料を用いることができる。特に、ブラックインクを用いる場合は顔料としてカーボンブラックを用いることが、画像の堅牢性の観点から好ましい。インク中の顔料の含有量は、インク全質量に対し0.5質量%以上であることが好ましく、更には1.0質量%以上であることがより好ましい。また、15.0質量%以下であることが好ましく、更には、10.0質量%以下であることがより好ましい。
【0051】
色材として樹脂分散顔料を用いる場合は、顔料を分散させる顔料分散剤とし親水性部と疎水性部とを有する樹脂分散剤を用いることが好ましい。特に、親水性のモノマーと疎水性のモノマーの共重合体を用いることが好ましい。
【0052】
疎水性モノマーとしては、具体的には、スチレン、スチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。親水性モノマーとしては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。
【0053】
このような樹脂分散剤の酸価は50mgKOH/g以上、550mgKOH/g以下であることが好ましい。また、樹脂分散剤の重量平均分子量は1,000以上、50,000以下であることが好ましい。
【0054】
また、インク中の顔料分散剤の含有量は顔料の含有量に対して、0.1倍以上3倍以下であることが好ましい。
【0055】
<樹脂粒子>
本発明において、画像品位や定着性の観点から、インクは樹脂粒子を含有することが好ましい。樹脂粒子としては、従来インクに用いられてきた樹脂粒子を適宜用いることができる。具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリジエン等の単独重合物もしくはこれらを複数組み合わせた共重合物が挙げられる。
【0056】
このような樹脂の重量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下が好ましい。また、インク中の樹脂粒子の含有量は、インク全質量に対して1.0質量%以上であることが好ましく、更には2.0質量%以上であることがより好ましい。また、50質量%以下であることが好ましく、更には40質量%以下であることがより好ましい。
【0057】
樹脂粒子は、インク中に分散した状態、所謂、樹脂粒子分散体として含有されることが好ましい。樹脂粒子を分散させる方法については特に限定されないが、親水性基を有する樹脂を用いて分散させた自己分散樹脂粒子分散体を用いることが好ましい。親水性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。親水性基を有する樹脂は、アクリル酸やメタクリル酸などを重合したものが挙げられる。また、乳化剤により樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散体を用いてもよい。乳化剤としては、公知の界面活性剤が好適に用いられる。界面活性剤はノニオン性か、樹脂粒子と同じ電荷を持つものが好ましい。
【0058】
樹脂粒子の体積平均粒子径は、10nm以上であることが好ましく、更には100nm以上であることがより好ましい。また、1000nm以下であることが好ましく、更には500nm以下であることがより好ましい。尚、樹脂粒子の体積平均粒子径は動的光散乱法で測定すればよい。
【0059】
また、樹脂粒子分散体を調製する際、樹脂粒子の分散を安定化するために添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば、n−ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン、オリーブ油、青色染料(Blue70)、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
【0060】
<界面活性剤>
本発明において、インクは界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、具体的には、アセチレノールAE100(川研ファインケミカル製)等が挙げられる。インク中の界面活性剤の含有量は、インク全質量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
【0061】
<溶剤>
本発明において、インクは溶剤を含有してもよい。溶剤としては、水及び/又は水溶性有機溶剤を使用することができる。水はイオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、インク中の水の含有量は、インク全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましい。
【0062】
水溶性有機溶剤としては、具体的には、グリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン等が挙げられる。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク全質量に対して3質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
【0063】
<その他の添加剤>
本発明において、インクは、上記の各種成分以外にも、必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂及び粘度調整剤など種々の添加剤を含有してもよい。
【0064】
(c)溶剤除去工程
本発明において、中間画像記録工程の後、転写工程に先立って、中間転写体上に記録された中間画像が含有する溶剤を適量、除去する工程を設けることが好ましい。このような工程によって、中間画像が適度に高粘度化して転写性が向上する。
【0065】
溶剤除去の方法としては中間転写型画像記録方法において公知の方法をいずれも用いることができる。例えば、加熱によって溶剤を揮発させる方法、低湿の空気を送風する方法、減圧する方法、またこれらの方法を組み合わせる方法が挙げられる。
【0066】
(d)転写工程
転写工程では、中間画像を記録媒体に転写する。使用する記録媒体は特に制限されず、印刷用紙やフィルム等の記録媒体も用いることができる。
【0067】
転写する際には、中間画像と接触した記録媒体に適度な圧力をかけることが好ましい。具体的には、中間転写体の回転動作に連動して動作するローラ状のもので圧力をかける方法や、中間転写体に対向するように設けられて転写体の移動方向に対して垂直な方向に往復動作する押圧体によって瞬間的に圧力をかける方法が挙げられる。このとき、圧力を付与する時間としては、1msec以上100,000msec以下が好ましい。
【実施例】
【0068】
<実施例1>
次に、より具体的な実施例及び比較例について説明する。尚、文中の「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。中間転写体表面の水に対する接触角は、接触角計(CA−V 協和界面科学社製)を用いて、中間転写体とインク滴との静的な接触角を測定した。
【0069】
(a)液体組成物付与工程
[中間転写体1の作製]
実施例1においては、シリコーンゴム上に加水分解性有機ケイ素化合物を原料とするシロキサン化合物の表面層を約0.7μmの厚さでコーティングした中間転写体1を用いた。
【0070】
加水分解性有機ケイ素化合物を原料とするシロキサン化合物の表面層は、以下のようにして得られた。先ず、グリシドキシプロピルトリエトキシシランとメチルトリエトキシシランとをモル比1:1で混合し、塩酸を触媒として水溶媒中で24時間以上加熱還流を行うことで得られる加水分解性縮合物溶液を得た。得られた加水分解性縮合物溶液をメチルイソブチルケトンにより15質量%に希釈したのち、光カチオン重合開始剤SP150(ADEKA社製)を5質量%添加することで得られた液状のものをコーティング液とした。表面にプラズマ処理を行ない塗布性及び密着性を向上させたシリコーンゴム上に、得られたコーティング液を塗布しUV照射した後に125℃にて3時間の加熱を行ない、表面層を得た。このようにして得られた表面層は、表3に示すように、水に対する接触角が50度のシロキサン化合物表面層を積層したシリコーンゴムとなった。
【0071】
[液体組成物1の調製]
実施例1に用いられる液体組成物1は、以下に示す成分を混合することにより調整した。このようにして調製した液体組成物1のpHは2.0となった。
・レブリン酸 40部
・界面活性剤1:側鎖型ポリエーテル変性シロキサン
(ビックケミー社製 BYK347分子量1500) 30部
・1,5−ペンタンジオール 5部
・イオン交換水 25部
上記で調製した液体組成物1はロールコータを用いて、付与量0.8g/mで中間転写体のインクを付与する面を含む全面に付与した。
【0072】
(b)中間画像記録工程
次に、インクジェットヘッド5からインクを吐出し、中間転写体上に記録デューティが100%のベタ画像となるようにインクを付与し、中間画像を記録した。本実施例では電気熱変換素子を用いオンデマンド方式にてインク吐出を行うタイプのラインヘッド形態のインクジェットヘッドを使用した。
【0073】
[インク1の調製]
本実施例においては、顔料分散液および樹脂粒子分散体を個別に調整したのち、各々を混合してインクを調製した。
【0074】
(ブラック顔料分散液の調製)
カーボンブラック(製品名:モナク1100、キャボット社製)10部、顔料分散剤水溶液(スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体<酸価150、重量平均分子量8,000>;固形分20%;水酸化カリウムにて中和済み)15部、純水75部を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去し、顔料濃度が約10質量%のブラック顔料分散液を得た。
【0075】
(樹脂粒子分散体の作製)
エチルメタクリレート18部、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)2部、n−ヘキサデカン2部を混合し、0.5時間攪拌した。この混合物を、乳化剤であるNIKKOL BC20(日光ケミカルズ製)の6%水溶液78部に滴下して、0.5時間攪拌した。次に超音波照射機で超音波を3時間照射した。続いて、窒素雰囲気下で85℃、3時間重合反応を行い、室温冷却後にろ過して濃度約20質量%の樹脂粒子分散体を得た。該樹脂粒子の重量平均分子量は約1,100,000、分散粒径は約140nmであった。
【0076】
(インクの調製)
上記のブラック顔料分散液および樹脂粒子分散体を用いて以下のような成分比で混合した。
・ブラック顔料分散液 20%
・樹脂粒子分散体 50%
・ジエチレングリコール 10%
・アセチレノールAE100 1%
・イオン交換水 19%
また、混合されたこれらの成分を十分攪拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過することによりブラックインクを調整した。
【0077】
(c)溶剤除去工程
実施例1においては、中間画像を記録したのち、送風装置及び加熱ヒータによって加熱乾燥することで記録した中間画像のインク粘度を適度なものに調整してから転写する。送風装置では、25℃の温風を50秒間あてることで中間画像に含まれる溶剤を適量揮発させた。また、加熱ヒータは50℃とした。
【0078】
(d)転写工程
その後、転写ローラ10を用いて、中間転写体に記録した中間画像を記録媒体18に接触させ、加圧し、中間画像を転写した。このときの転写圧付与時間は10msec(搬送速度1m/secでローラーニップ長10mm)、記録媒体は印刷用紙(商品名;オーロラコート、127.9g/m、日本製紙製)を用いた。尚、記録媒体の形状としては本例では長尺・ロール状のシートを用いたが、規定の形状にカットされた枚葉シートでも良い。
【0079】
<実施例2〜5、7〜12、参考例1〜3、及び比較例1〜4>
(液体組成物2〜12及び比較液体組成物1〜3の調製)
実施例1において使用した液体組成物1を表1に示す液体組成物に変更した以外は実施例1と同様にして、液体組成物2〜12及び比較液体組成物1〜3を調製した。尚、液体組成物に使用する界面活性剤に関しては表2に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
13C−NMRスペクトル法(使用装置;JNM−ECA400(商品名)、日本電子製)、H−NMRスペクトル法(使用装置;JNM−ECA400(商品名)、日本電子製)、29Si−NMRスペクトル法(使用装置;JNM−ECA400(商品名)、日本電子製)、HMBC(H−13C)を用いて、各界面活性剤の同定を行った。その結果、界面活性剤1〜6は、一般式(1)で表される化合物であることが確認された。一方、比較界面活性剤1、2は、一般式(1)で表される化合物ではないことが確認された。
【0083】
(中間転写体2、中間転写体3、比較中間転写体1の作製)
表3に示す表層部材を用いること以外は、中間転写体1と同様にして中間転写体2、中間転写体3、比較中間転写体1を作製した。
【0084】
【表3】
【0085】
(実施例2〜5、7〜12、参考例1〜3、及び比較例1〜4の画像の記録)
上記で調製した液体組成物及び作製した中間転写体を表4の組合せて用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜5、7〜12、参考例1〜3、及び比較例1〜4の画像を記録した。
【0086】
【表4】
【0087】
<評価>
(液体組成物が中間転写体に均一に付与されているかどうかの評価)
実施例及び比較例における(a)液体組成物付与工程において、液体組成物が均一に付与されているかどうかを下記の方法で評価した。液体組成物が全面に付与された中間転写体の任意の50mm×50mmの領域を光学顕微鏡で観察し、50mm×50mmの領域に占める、中間転写体が露出している露出面積を算出した。得られた露出面積から下記の基準で評価した。評価結果を表5に示す。
A:露出面積が0%以上2%未満
B:露出面積が2%以上5%未満
C:露出面積が5%以上10%未満
D:露出面積が10%以上15%未満
E:露出面積が15%以上25%未満
F:露出面積が25%以上
【0088】
(中間画像の濃度ムラの評価)
実施例及び比較例における(b)中間画像記録工程後の中間画像の濃度ムラを以下の方法で評価した。中間画像の任意の20mm×20mmの領域について、平面分光測定器(JFEテクノリサーチ社製PSA−700E)を用いて0.1mm四方ごとに約40,000点の光学濃度(O.D.)を測定した。そして、O.D.の全測定個数に対して、「全測定値の平均値−0.2」から「全測定値の平均値+0.2」までの範囲に相当する測定値の個数を算出した。得られた測定値の個数から下記の基準で評価した。評価結果を表5に示す。
A:測定値の個数が95%以上100%以下
B:測定値の個数が90%以上95%未満
C:測定値の個数が85%以上90%未満
D:測定値の個数が75%以上85%未満
E:測定値の個数が75%未満
【0089】
(中間画像の転写性の評価)
実施例及び比較例において、(d)転写工程の後に、光学顕微鏡を用いて、中間転写体のインクを付与した領域に占める、転写されずに中間転写体に残存した中間画像の面積の割合(残存面積率)を算出し、中間画像の転写性を評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表5に示す。
A:残存面積率が0%以上10%未満
B:残存面積率が10%以上20%未満
C:残存面積率が20%以上
【0090】
【表5】

図1