(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238524
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】車両灯具用ユニット及び車両灯具用ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
F21S 8/10 20060101AFI20171120BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20171120BHJP
F21V 29/74 20150101ALI20171120BHJP
F21V 29/83 20150101ALI20171120BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20171120BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20171120BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20171120BHJP
【FI】
F21S8/10 531
F21S2/00 100
F21V29/74
F21V29/83
F21V19/00 170
F21V19/00 150
F21V23/06
F21S8/10 352
F21S8/10 353
F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-13015(P2013-13015)
(22)【出願日】2013年1月28日
(65)【公開番号】特開2014-146440(P2014-146440A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2015年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087826
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀人
(72)【発明者】
【氏名】伊東 範明
【審査官】
安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】
実開平04−012209(JP,U)
【文献】
特開2008−171688(JP,A)
【文献】
特開平08−212809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
F21S 2/00
F21V 19/00
F21V 23/06
F21V 29/74
F21V 29/83
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプボディの背面側内面上に、半導体発光素子が表面に搭載された回路基板が該ランプボディの背面側内面に沿わせた状態で配設され、該回路基板と前記ランプボディの背面側内面との間に放熱部材が介在されている車両灯具用ユニットであって、
前記ランプボディとして、該ランプボディの背面側内面に前記放熱部材を一体化したものが用いられ、
前記ランプボディに、前記放熱部材を外部に露出させるための開口が形成され、
前記回路基板に挿入孔が形成されていると共に、前記放熱部材に保持孔が形成され、
前記ランプボディの開口の周縁部に位置決め突部が、該開口を跨ぐように設けられる位置決め突部用支持部材を介して支持されて、該位置決め突部が、該開口が臨む領域内において、前記回路基板に向けて突出するように配置され、
前記位置決め突部が、前記保持孔を貫通して前記挿入孔に挿入されている、
ことを特徴とする車両灯具用ユニット。
【請求項2】
請求項1において、
前記回路基板に、前記半導体発光素子に給電するためのコネクタ端子が、該回路基板の裏面側から突出させた状態をもって設けられ、
前記ランプボディに、該ランプボディの背面側外方に突出する筒体形状のコネクタボディ部が設けられていると共に、該コネクタボディ部内と該ランプボディ内とを連通する端子挿入孔が形成され、
前記コネクタ端子が、前記放熱部材上に前記回路基板が載置されている状態において、前記端子挿入孔を介して前記コネクタボディ部内に進入されている、
ことを特徴とする車両灯具用ユニット。
【請求項3】
請求項1において、
前記放熱部材に突出部が設けられ、
前記突出部が、前記開口を貫通して外部に突出している、
ことを特徴とする車両灯具用ユニット。
【請求項4】
ランプボディとして、該ランプボディの背面側内面に放熱部材を一体化していると共に該放熱部材を外部に露出させる開口を有し、且つ、該開口の周縁部に位置決め突部が、該開口を跨ぐように設けられる位置決め突部用支持部材を介して支持されて、該位置決め突部が、該開口が臨む領域において該放熱部材を貫通して該放熱部材の外部に突出するものを用意し、回路基板として、その表面に半導体発光素子が搭載されていると共に挿入孔を有するものを用意し、
その上で、前記ランプボディにおける放熱部材上に前記回路基板を、該放熱部材から突出する位置決め突部を前記挿入孔に挿入しながら、該回路基板の裏面が該放熱部材に当接するように載置する、
ことを特徴とする車両灯具用ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱性に優れた車両灯具用ユニット及び車両灯具用ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両灯具用ユニットとして、特許文献1に示すように、半導体発光素子が表面に搭載された回路基板を、その回路基板の裏面がランプボディの背面側内面に対向するようにした状態で配設し、その回路基板とランプボディの背面側内面との間に空間を確保したものが知られている。このものによれば、回路基板上の半導体発光素子が熱を発生すれば、その熱は回路基板から上記空間に放熱される。しかし、その放熱が回路基板から上記空間への対流伝熱となっていることに加えて、その放熱空間がランプボディ内の内部空間とされ、対流伝熱に空気の流れを活用することができない。このため、このような構造の下では、放熱効果は決して高くなく、半導体発光素子の寿命は短くなる傾向にある。
【0003】
このため、本件発明者は、上記内容を考慮し、回路基板とランプボディの背面側内面との間に放熱部材を介在させた車両灯具用ユニットを開発している。このものによれば、半導体発光素子が発生させる熱は、回路基板から放熱部材に伝導をもって速やかに伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−135198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記車両灯具用ユニットにおいては、放熱部材がランプボディの背面側内面に当接しており、半導体発光素子が発生させる熱は、回路基板、放熱部材及びランプボディを介して外部に放熱されることになる。このため、放熱効果は、ランプボディの材質(熱抵抗特性)次第により左右されることになり、特にランプボディの材質が樹脂材等である場合には、外部への放熱効果は低いものとならざるを得ない。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、半導体発光素子が表面に搭載された回路基板とランプボディの背面側内面との間に放熱部材が介在されている車両灯具用ユニットにおいて、ランプボディの材質に左右されることなく高い放熱効果を得ることにある。
第2の目的は、上記車両灯具用ユニットを製造するための車両灯具用ユニットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記第1の目的を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
ランプボディの背面側内面上に、半導体発光素子が表面に搭載された回路基板が該ランプボディの背面側内面に沿わせた状態で配設され、該回路基板と前記ランプボディの背面側内面との間に放熱部材が介在されている車両灯具用ユニットであって、
前記ランプボディとして、該ランプボディの背面側内面に前記放熱部材を一体化したものが用いられ、
前記ランプボディに、前記放熱部材を外部に露出させるための開口が形成され、
前記回路基板に挿入孔が形成されていると共に、前記放熱部材に保持孔が形成され、
前記ランプボディの開口の周縁部に位置決め突部が
、該開口を跨ぐように設けられる位置決め突部用支持部材を介して支持されて、該位置決め突部が、該開口が臨む領域内において、前記回路基板に向けて突出するように配置され、
前記位置決め突部が、前記保持孔を貫通して前記挿入孔に挿入されている、
構成とされている。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2、3に記載の通りとなる。
【0008】
前記第2の目的を達成するために本発明(請求項4に係る発明)にあっては、
ランプボディとして、該ランプボディの背面側内面に放熱部材を一体化していると共に該放熱部材を外部に露出させる開口を有し、且つ、該開口の周縁部に位置決め突部が
、該開口を跨ぐように設けられる位置決め突部用支持部材を介して支持されて、該位置決め突部が、該開口が臨む領域において該放熱部材を貫通して該放熱部材の外部に突出するものを用意し、回路基板として、その表面に半導体発光素子が搭載されていると共に挿入孔を有するものを用意し、
その上で、前記ランプボディにおける放熱部材上に前記回路基板を、該放熱部材から突出する位置決め突部を前記挿入孔に挿入しながら、該回路基板の裏面が該放熱部材に当接するように載置する、
ことを特徴とする車両灯具用ユニットの製造方法とした構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明(請求項1に係る発明)によれば、回路基板とランプボディの背面側内面との間に放熱部材が介在され、ランプボディに、放熱部材を外部に露出させるための開口が形成されていることから、放熱部材とランプボディ外の空気との間で対流をもって伝熱を行うことができ、その際に、ランプボディ外の空気の流れを活用して、放熱部材とランプボディ外の空気との間の境膜伝熱係数を高めることができる。このため、ランプボディの材質に左右されることなく、外部への放熱効果を効果的に高めることができる。
また、ランプボディとして、その背面側内面において放熱部材を一体的に備えたものが用いられていることから、ランプボディが放熱部材としての機能をも併せ持つことになり、ランプボディと放熱部材とをそれぞれ独立した部品として用いる場合に比して部品点数を減らすことができる。
【0010】
さらに、回路基板に挿入孔が形成され、放熱部材から回路基板に向けて突出する位置決め突部が設けられ、位置決め突部が、挿入孔に挿入されていることから、位置決め突部と回路基板の挿入孔とを利用して、回路基板をランプボディに対して位置決め保持できることになり、これに伴い、当該車両灯具として、半導体発光素子を所定の位置に確実に配置できるものを提供できる。
請求項2に係る発明によれば、回路基板に、半導体発光素子に給電するためのコネクタ端子が、その回路基板の裏面側から突出させた状態をもって設けられ、ランプボディに、そのランプボディの背面側外方に突出するコネクタボディ部が設けられ、コネクタ端子が、放熱部材上に回路基板が載置されている状態において、コネクタボディ部内に進入されていることから、高い放熱効果を得る構造の車両灯具用ユニットであっても、給電のためのコネクタを的確に構成して、半導体発光素子に対して給電を行うことができる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、放熱部材に突出部が設けられ、突出部が、開口を貫通して外部に突出していることから、放熱部材の放熱面積を増大させることができるだけでなく、ランプボディ外の空気の流れを有効に利用して対流伝熱を促進することができる。このため、半導体発光素子が発生する熱を、一層高い放熱効果をもって外部に放熱することができる。
【0012】
【0013】
請求項4に係る発明によれば、ランプボディとして、そのランプボディの背面側内面に放熱部材を一体化していると共にその放熱部材を外部に露出させる開口を有しているものを用意し、回路基板として、その表面に半導体発光素子が搭載されたものを用意し、その上で、ランプボディにおける放熱部材上に回路基板を、その回路基板の裏面がその放熱部材に当接するように載置することから、ランプボディの開口を利用して放熱部材を外部に露出させ、回路基板からの熱を、高い放熱効果をもって放熱することができる。このため、請求項1に係る車両灯具用ユニットを具体的に製造できる。
また、ランプボディとして、そのランプボディの背面側内面において放熱部材を一体的に備えているものを用いることから、組付け工数を減らして組付け性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る車両灯具用ユニットが用いて組み立てられた車両灯具を示す縦断面図。
【
図3】第1実施形態に係る車両灯具用ユニットを説明する分解構造図。
【
図4】第1実施形態に係る車両灯具用ユニットの組み立てを説明する斜視図。
【
図5】第1実施形態に係る車両灯具用ユニットの組み立てを説明する縦断面図。
【
図6】第2実施形態に係る車両灯具用ユニットを用いて組み立てられた車両灯具を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1、
図2は、第1実施形態に係る車両灯具1を示しており、この車両灯具1は、本実施形態においては、車体の後方側に設けられるリアコンビネーションランプとして用いられる。この車両灯具1には、車両灯具用ユニット1Aが用いられており、その車両灯具用ユニット1Aの前面側には、該車両灯具用ユニット1Aと協働して灯室2を区画する透明樹脂製前面カバー3が配置され、その前面カバー3と車両灯具用ユニット1Aとが区画する灯室2には、インナーレンズ4が配置されている。
【0016】
前記車両灯具用ユニット1Aは、
図1〜
図3に示すように、ランプボディ5と、回路基板6と、を備えている。
ランプボディ5としては、ランプボディ本体7と放熱部材(ヒートシンク)8とが一体成形されたものが用いられている。このため、ランプボディ5は、インサート成形、アウトサート成形、溶着等を用いることにより、ランプボディ本体7と放熱部材8とが予め一体化されている。本実施形態においては、インサート成形を用いることにより、ランプボディ本体7と放熱部材8とが一体化されている。
【0017】
ランプボディ本体7は、本実施形態においては、
図1〜
図3に示すように、帯板状の基板部9と、その基板部9の長手方向両端部からそれぞれ起立する一対の対向壁部10と、基板部9の長手方向中央部において、該基板部9から前記対向壁部10と反対方向に突出するコネクタボディ部11と、を一体的に備えている。
【0018】
基板部9は、その内面(背面側内面)9a及び外面(背面側外面)9bが平坦面として形成されており、その基板部9には、コネクタボディ部11を基準として、該基板部9の長手方向両側において開口12a,12bがそれぞれ形成されている。各開口12a(12b)は、極力、大きな面積を確保すべく、コネクタボディ部11から基板部9の長手方向各端部側に向けてそれぞれ延びており、基板部内面9a側と基板部外面9b側とは、その各開口12a(12b)を介して連通している。
【0019】
本実施形態においては、各開口12a(12b)内に格子構造13が設けられ、その格子構造13を利用して位置決め突部14が基板部9に一体的に設けられている(
図1〜
図3参照)。格子構造13は、各開口12a(12b)において、開口12a(12b)の幅方向両側縁部をその開口12a(12b)の長手方向に対して傾斜した状態で跨ぐ2本の平行な格子を、その延び方向を対称に変えた状態で2組設け、その各組の格子を、それぞれ交差させる構造となっており、各開口12a(12b)には、交差部15が、各開口12a(12b)の幅方向中央において各開口12a(12b)の長手方向に間隔をあけて2つずつ設けられている。位置決め突部14は、上記各交差部15を利用して、そこから基板部内面9aに対して離間する方向にそれぞれ突出されている。
【0020】
一対の対向壁部10は、互いに対向した状態で配置されている。この一対の各対向壁部10の先端には、前記前面カバー3が保持され、各対向壁部10の内面には、前記インナーレンズ4が基板部内面9aを覆うように保持されている。
【0021】
コネクタボディ部11は、その開口断面が四角形状とされた筒体形状をもって形成されており、その基板部9の長手方向中央部には、コネクタボディ部11内外が連通するように一対の端子挿入孔16が形成されている。
【0022】
前記放熱部材8としては、本実施形態においては、板状の2枚の放熱板8a,8bが用いられている。各放熱板8a(8b)は、コネクタボディ部11を基準として基板部9の長手方向両側において、基板部内面9a上にそれぞれ配置されており、その各放熱板8a(8b)により各開口12a(12b)は覆われている。このため、各放熱板8a(8b)は、基板部外面9b側において、各開口12a(12b)(格子構造13の目)を介して外部に露出することになっている。この各放熱板8a(8b)には保持孔8hが形成されており、位置決め突部14はその保持孔8hを貫通して放熱部材8から突出している。勿論、この位置決め突部14は、ランプボディ5のインサート成形時に形成され、その位置決め突部14等を利用することにより、各放熱板8a(8b)は、基板部内面9aに一体化されている。この各放熱板8a(8b)としては、金属等の材質からなるものを用いることが好ましい。
【0023】
前記回路基板6は、
図1に示すように、基板部9の内面9a上に各放熱板8a(8b)を介して載置されている。回路基板6は、前記基板部内面9aに対応して、帯板状に延びており、その回路基板6には、前記基板部内面9a上の各位置決め突部14に対応して、挿入孔17が形成されている。その各挿入孔17内に、放熱板8a(8b)から突出する各位置決め突部14がそれぞれ挿入されており、回路基板6はランプボディ5(ランプボディ本体7と放熱部材8)に保持されている。本実施形態では、各挿入孔17に各位置決め突部14がそれぞれ挿入された後、熱カシメが行われて、回路基板6がランプボディ5に固定される。
【0024】
この回路基板6の表面には、複数のLED18(半導体発光素子)18が搭載されている。その複数のLED18は、回路基板6の表面上において、その回路基板6の長手方向両側に間隔をあけて2つずつ配置されており、その各2つのLED18は、1つの集合グループを構成して、各放熱板8a(8b)の上方領域内に配置されている。
すなわち、回路基板6の表面上において、LED18が複数の集合グループに分けられるようにして複数設けられていると共に、放熱部材としての放熱板8が、各集合グループにそれぞれ応じて複数設けられ、その各放熱板8a(8b)が、各集合グループの配設領域に応じて、回路基板6の裏面にそれぞれ当接され、その各放熱板8a(8b)をランプボディ本体7の開口12a,12bが外部に露出させている。これにより、LED18が複数設けられて複数の集合グループに分けられる場合においても、そのLED18が発生する熱を、高い放熱効果をもって的確に外部に放熱することができる。
【0025】
回路基板6には、複数のLED18に対して給電可能とすべく、一対のコネクタ端子20が設けられている。この一対のコネクタ端子20は、回路基板6の長手方向中央部において、その回路基板6の裏面側から突出させた状態とされており、放熱部材8上に回路基板6が載置されている状態においては、この一対のコネクタ端子20は、コネクタボディ部11内に一対の端子挿入孔16を介して進入されている。
【0026】
したがって、このような車両灯具1(車両灯具用ユニット1A)においては、各放熱板8a(8b)が基板部9の各開口12a(12b)を介して外部に露出されていることから、各放熱板8a(8b)とランプボディ本体7外部の空気との間で対流をもって伝熱を行うことができ、その際、ランプボディ本体7外部の空気の流れを活用して、放熱部材8とランプボディ本体7外部の空気との間の境膜伝熱係数を高めることができる。このため、ランプボディ本体7が樹脂製であっても、複数のLED18に基づく熱の放熱効果を効果的に高めることができる。
また、ランプボディ5として、ランプボディ本体7と各放熱板8a(8b)とをインサート成形により予め一体化したものが用いられていることから、ランプボディ本体7と放熱部材8とをそれぞれ独立した部品として用いる場合に比して部品点数を減らすことができる。
【0027】
また、ランプボディ5の各位置決め突部14が、回路基板6の各挿入孔17に挿入される構成とされていることから、各位置決め突部14と回路基板6の各挿入孔17とを利用して、回路基板6をランプボディ5に対して位置決め保持できることになる。このため、当該車両灯具1(車両灯具用ユニット1A)においては、複数のLED18を所定の位置に確実に配置できる。
【0028】
このような車両灯具1に用いられる車両灯具用ユニット1Aは、次のようにして製造される。
先ず、車両灯具用ユニット1Aの構成部品として、前述のランプボディ5及び回路基板6を用意する。すなわち、ランプボディ5は、ランプボディ本体7の基板部内面9aに各放熱板8a(8b)を一体化していると共に各放熱板8a(8b)を外部に露出させる開口12a,12bを有しており、回路基板6は、その表面に複数のLED18を搭載している。
そして、これら車両灯具用ユニット1Aの構成部品を用意した上で、
図4、
図5に示すように、ランプボディ本体7における各放熱板8a(8b)上に回路基板6を、その回路基板6の裏面が各放熱板8a(8b)に当接するように載置する。
これにより、ランプボディ本体7の各開口12a(12b)を利用して各放熱板8a(8b)から放熱することができ、前述の車両灯具ユニット1Aを具体的に製造できる。
また、ランプボディ5として、そのランプボディ本体7の基板部内面9aにおいて各放熱板8a(8b)を予め一体的に備えているものを用いることから、組付け工数を減らして組付け性を向上させることができる。
【0029】
勿論この場合、回路基板6として、挿入孔17が形成されたものを用意すると共に、ランプボディ5として、放熱部材8から突出する位置決め突部14を有するものを用意した上で、ランプボディ5における各放熱板8a(8b)上に回路基板6を載置するに際して、回路基板6における各挿入孔17に各位置決め突部14を挿入してもよい(
図4、
図5参照)。
これにより、各挿入孔17と、その各挿入孔17に挿入する各位置決め突部14とを利用して、回路基板6をランプボディ5(ランプボディ5及び各放熱板8a(8b))に対して簡単に位置決め保持することができ、これに伴い、複数のLED18を所定位置に確実に配置できる。
【0030】
図6、
図7は第2実施形態を示す。この第2実施形態において、前記第1実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0031】
図6、
図7に示す第2実施形態においては、各放熱板8a(8b)に複数の突出部19が設けられ、その各突出部19が、各開口12a(12b)を貫通して外部に突出されている。このため、この第2実施形態においては、各放熱板8a(8b)の放熱面積を増大させることができるだけでなく、ランプボディ本体7外部の空気の流れを有効に利用して対流伝熱を促進することができる。このため、複数のLED18が発生する熱を、一層高い放熱効果をもって外部に放熱することができる。
【0032】
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次の態様を包含する。
(1)ランプボディ5(基板部9及びその基板部9上に載置される放熱部材8)及び回路基板6を、種々の形状、例えば円板形状等とすること。
(2)放熱部材8を1枚の板状のものとすること。
(3)挿入孔17に挿入するための位置決め突部を放熱板8a(8b)に独自に設けること。これに伴い、位置決め突部14は、ランプボディ本体7と放熱板8a(8b)とを保持するためだけに用いればよくなる。
(4)第2実施形態において、各放熱板8a(8b)の突出部19をフィン形状とすること。
(5)当該車両灯具用ユニット1Aを、種々の用途、例えば、ランプハウジング内に収納して用いること。
(6)当該車両灯具用ユニット1Aはリアコンビネーションランプの他、例えばハイマウントストップランプ等、種々の車両灯具に用いること。
(7)回路基板6は、FPC等を用いること。
【符号の説明】
【0033】
1 車両灯具
1A 車両灯具用ユニット
5 ランプボディ
6 回路基板
7 ランプボディ本体
8 放熱部材
8a,8b 放熱板
9a 基板部内面(背面側内面)
11 コネクタボディ部
12a,12b 開口
13 格子構造(位置決め突部用支持部材)
14 位置決め突部
17 挿入孔
18 LED(半導体発光素子)
19 突出部
20 コネクタ端子