特許第6238526号(P6238526)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238526
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】電子装置及びその駆動制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/34 20060101AFI20171120BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20171120BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H02J7/34 E
   H01M10/48 P
   H01M10/44 P
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-21361(P2013-21361)
(22)【出願日】2013年2月6日
(65)【公開番号】特開2013-162745(P2013-162745A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2016年1月14日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0012054
(32)【優先日】2012年2月6日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朴 正 圭
(72)【発明者】
【氏名】崔 榮 福
【審査官】 猪瀬 隆広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−091629(JP,A)
【文献】 特開平04−165515(JP,A)
【文献】 特開平10−268986(JP,A)
【文献】 特開平10−003333(JP,A)
【文献】 特開2007−226617(JP,A)
【文献】 特開2012−033044(JP,A)
【文献】 特開2004−248487(JP,A)
【文献】 特開2011−259625(JP,A)
【文献】 特開2004−341755(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0234151(US,A1)
【文献】 特開2011−211894(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0001489(US,A1)
【文献】 特表2013−529346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00− 1/16
H02J 7/00− 7/12
H02J 7/34− 7/36
H01M 10/42−10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動作モードを有する電子装置であって、
外部のアダプタからDC電源が入力される入力部と、
前記入力されるDC電源を蓄える電池部と、
第1動作モード時に前記電池部の電源又は前記入力部から入力される電源を用いて駆動し、第2動作モード時に前記電池部及び前記入力部から入力される電源を同時に用いて駆動する第1制御部と、
前記電池部の状態に応じて、前記電子装置が前記第2動作モードに切り替わることを制限する電源制御部と、を備え、
前記電源制御部は、
前記電子装置の動作モードに応じて、前記入力部を介して入力される電源が選択的に前記第1制御部に提供されるようにし、
前記電子装置の動作モード及び前記電池部の充電状態に応じて、前記入力部を介して入力される電源を通じて前記電池部が充電されるようにする、
ことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記電源制御部は、
前記電池部の充電状態を検知し、該検知された充電状態が予め設定された容量以下である場合、前記電子装置が前記第2動作モードに切り替わることを制限することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記電池部は、前記電子装置と分離自在であり、
前記電源制御部は、
前記電池部の装着有無を検知し、前記電池部が前記電子装置に装着されていない場合、前記電子装置が前記第2動作モードに切り替わることを制限することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記入力部を介して入力される電源の電流を検知し、該検知された電流が予め設定された電流以上である場合、前記第1制御部が前記第1動作モードの電力消費より低い電力を消費する第3動作モードで作動するようにする比較回路部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記比較回路部は、
前記入力部を介して入力される電源の電流値に対応する電圧値を生成する第1電圧生成部と、
前記予め設定された電流に対応する予め設定された基準電圧値を生成する第2電圧生成部と、
前記第1電圧生成部及び前記第2電圧生成部の各々の出力電圧を比較し、該比較結果を前記第1制御部に提供する比較器と、を含むことを特徴とする請求項に記載の電子装置。
【請求項6】
前記電源制御部は、
前記アダプタの定格電力の情報を取得し、該取得された情報に対応する予め設定された基準電圧値を生成するように前記第2電圧生成部を制御することを特徴とする請求項に記載の電子装置。
【請求項7】
前記電子装置が第3動作モードに切り替わると、前記電子装置が第3動作モードで作動することを表示するユーザインターフェース部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項8】
前記電子装置が第2動作モードに切り替わり、第2動作モードへの動作が予め設定され
た時間以上維持されると、警告メッセージを表示するユーザインターフェース部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項9】
前記電池部の状態及び前記入力部の状態に対する情報を、前記第1制御部に提供する第2制御部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項10】
前記第1動作モードは、
前記第1制御部が予め設定された第1熱設計電力(Thermal Design Power)で作動するモードであり、
前記第2動作モードは、
前記電池部の電源及び前記入力部から入力される電源を同時に用いて、前記第1制御部が前記第1熱設計電力より高い第2熱設計電力で作動するモードであることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項11】
複数の動作モードを有する電子装置の駆動制御方法であって、
制御部が予め設定された第1熱設計電力で作動する第1動作モードで駆動するステップと、
前記電子装置の動作負荷に応じて外部のアダプタから提供されるDC電源及び電池部の電源を用いて、前記第1熱設計電力より高い第2熱設計電力で作動する第2動作モードに切り替えるステップと、を有し、
前記第2動作モードに切り替えるステップは、
前記電池部の状態に応じて、前記電子装置が前記第2動作モードに切り替わることが制限され、
前記電子装置の動作モードに応じて、前記DC電源及び前記電池部の電源が前記制御部に選択的に提供され、
前記電子装置の動作モード及び前記電池部の充電状態に応じて、前記DC電源を通じて前記電池部が充電されるようにする、
ことを特徴とする駆動制御方法。

【請求項12】
前記第2動作モードに切り替えるステップは、
前記電池部の充電状態を検知し、該検知された充電状態が予め設定された容量以下である場合、前記電子装置が前記第2動作モードに切り替わることを制限することを特徴とする請求項11に記載の駆動制御方法。
【請求項13】
前記電池部は、前記電子装置と分離自在であり、
前記第2動作モードに切り替えるステップは、
前記電池部の装着有無を検知し、前記電池部が前記電子装置に装着されていない場合、
前記電子装置が前記第2動作モードに切り替わることを制限することを特徴とする請求項11に記載の駆動制御方法。
【請求項14】
前記入力部を介して入力される電源の電流を検知するステップと、
前記検知された電流が予め設定された電流以上である場合、前記制御部が前記第1動作モードの電力消費より低い電力を消費する第3動作モードに切り替えるステップと、を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の駆動制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及びその駆動制御方法に関し、より詳細には、電池部の状態及び負荷条件に応じて安定的に電源を供給することができる電子装置及びその駆動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコンは、携帯が便利で、ユーザが持ち歩けるノートサイズのパソコンのことをいう。最近のノートパソコンは、システム負荷が瞬時に増加する場合に、システムにバッテリとアダプタとが同時に電力を供給するハイブリッド電力システムを導入している。
【0003】
しかし、ハイブリッド電力システムによる動作時に、バッテリがノートパソコンに装着されていなかったり、装着された充電容量が極めて低かったりする場合には、アダプタに高い負荷がそのままかかり、アダプタが損傷してしまうケースが存在する。
【0004】
具体的に、従来のハイブリッド電力システムを有するノートパソコンは、アダプタから入力される電源に対する遅いレイテンシ(latency)があるため、アダプタがOCP(過電圧保護)レベルにまで達することでアダプタ電圧が落ち、それによってシステムが異常シャットダウン(shot down)してデータを損失したり、アダプタの定格電力を超過したりすることが生じるという問題があった。このような問題点については、図8を参照して以下に説明する。
【0005】
図8は、従来のハイブリッド電力システムの問題点を説明するための波形図である。
【0006】
図8を参照すると、ノートパソコンがアダプタとバッテリの電源を同時に利用するハイブリッド電力システム(即ち、ターボモード)に切り替える過程において、瞬時にアダプタからノードパソコンに流入する電流が急激に増加することが確認できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−072962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、電池部の状態及び負荷条件に応じて安定的に電源を供給できる電子装置及びその駆動制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による複数の動作モードを有する電子装置は、外部のアダプタからDC電源が入力される入力部と、前記入力されるDC電源を蓄える電池部と、第1動作モード時に前記電池部の電源又は前記入力部から入力される電源を用いて駆動し、第2動作モード時に前記電池部及び前記入力部から入力される電源を同時に用いて駆動する第1制御部と、前記電池部の状態に応じて、前記電子装置が前記第2動作モードに切り替わることを制限する電源制御部と、を備える。
【0010】
前記電源制御部は、前記電池部の充電状態を検知し、該検知された充電状態が予め設定された容量以下である場合、前記電子装置が前記第2動作モードに切り替わることを制限し得る。
前記電池部は、前記電子装置と分離自在であり、前記電源制御部は、前記電池部の装着有無を検知し、前記電池部が前記電子装置に装着されていない場合、前記電子装置が前記第2動作モードに切り替わることを制限し得る。
前記電源制御部は、前記電子装置の動作モードに応じて、前記入力部を介して入力される電源が選択的に前記第1制御部に提供されるようにし、前記電子装置の動作モード及び前記電池部の充電状態に応じて、前記入力部を介して入力される電源を通じて前記電池部が充電されるようにし得る。
前記電子装置は、前記入力部を介して入力される電源の電流を検知し、該検知された電流が予め設定された電流以上である場合、前記第1制御部が前記第1動作モードの電力消費より低い電力を消費する第3動作モードで作動するようにする比較回路部を更に含むことができる。
この場合、前記比較回路部は、前記入力部を介して入力される電源の電流値に対応する電圧値を生成する第1電圧生成部と、前記予め設定された電流に対応する予め設定された基準電圧値を生成する第2電圧生成部と、前記第1電圧生成部及び前記第2電圧生成部の各々の出力電圧を比較し、該比較結果を前記第1制御部に提供する比較器と、を含み得る。
この場合、前記電源制御部は、前記アダプタの定格電力の情報を取得し、該取得された情報に対応する予め設定された基準電圧値を生成するように前記第2電圧生成部を制御し得る。
前記電子装置は、前記電子装置が第3動作モードに切り替わると、前記電子装置が第3動作モードで作動することを表示するユーザインターフェース部を更に含むことができる。
前記電子装置は、前記電子装置が第2動作モードに切り替わり、第2動作モードへの動作が予め設定された時間以上維持されると、警告メッセージを表示するユーザインターフェース部を更に含むこともできる。
前記第1制御部は、中央処理装置(Central Processing Unit)、グラフィック処理装置(Graphics Processing Unit)、及びグラフィック処理装置が内蔵された中央処理装置のうちの少なくともいずれか一つであり得る。
前記電子装置は、前記電池部の状態及び前記入力部の状態に対する情報を、前記第1制御部に提供する第2制御部を更に含むことができる。
この場合、前記第2制御部は、メインボードチップセット(Main Board Chipset)であり得る。
前記第1動作モードは、前記第1制御部が予め設定された第1熱設計消費電力(Thermal Design Power)で作動するモードであり、前記第2動作モードは、前記電池部の電源及び前記入力部から入力される電源を同時に用いて、前記第1制御部が前記第1熱設計消費電力より高い第2熱設計消費電力で作動するモードであり得る。
【0011】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による複数の動作モードを有する電子装置の駆動制御方法は、制御部が予め設定された第1熱設計消費電力で作動する第1動作モードで駆動するステップと、前記電子装置の動作負荷に応じて外部のアダプタから提供されるDC電源及び電池部の電源を用いて、前記第1熱設計消費電力より高い第2熱設計消費電力で作動する第2動作モードに切り替えるステップと、を有し、前記第2動作モードに切り替えるステップは、前記電池部の状態に応じて、前記電子装置が前記第2動作モードに切り替わることが制限される。
【0012】
前記第2動作モードに切り替えるステップは、前記電池部の充電状態を検知し、該検知された充電状態が予め設定された容量以下である場合、前記電子装置が前記第2動作モードに切り替わることを制限し得る。
前記電池部は、前記電子装置と分離自在であり、前記第2動作モードに切り替えるステップは、前記電池部の装着有無を検知し、前記電池部が前記電子装置に装着されていない場合、前記電子装置が前記第2動作モードに切り替わることを制限し得る。
前記駆動制御方法は、前記入力部を介して入力される電源の電流を検知するステップと、前記検知された電流が予め設定された電流以上である場合、前記制御部が前記第1動作モードの電力消費より低い電力を消費する第3動作モードに切り替えるステップと、を更に含むことができる。
前記駆動制御方法は、前記アダプタの定格電力の情報を取得するステップを更に含むことができ、前記予め設定された電流は前記取得された情報に対応する電流値であり得る。
前記駆動制御方法は、前記電子装置が第3動作モードに切り替わると、前記電子装置が第3動作モードで作動することを表示するステップを更に含むことができる。
前記制御部は、中央処理装置(Central Processing Unit)、グラフィック処理装置(Graphics Processing Unit)、及びグラフィック処理装置が内蔵された中央処理装置のうちの少なくともいずれか一つであり得る。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電子装置及びその駆動制御方法によれば、ハードウェアで具現される別途の比較回路部を備えるため、1mS以内に瞬時に急変動するシステムの負荷変動に対応して迅速にシステムの負荷を制限することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による電子装置の構成図である。
図2図1の電源部の具体的な構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態による電子装置の回路図である。
図4】本発明の一実施形態による電子装置の動作モードの例を示す図である。
図5】第2動作モードにおける動作時の従来の出力電圧と本実施形態による電子装置の出力電圧との波形図である。
図6】本発明の一実施形態による電源供給方法を示すフローチャートである。
図7図6の電源供給方法を具体的に示すフローチャートである。
図8】従来のハイブリッド電力システムの問題点を説明するための波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による電子装置の構成図である。
【0017】
図1によると、電子装置100は、通信インターフェース部110、保存部120、ユーザインターフェース部130、制御部140、及び電源部200で構成される。ここで、電子装置とは、ハイブリッド電力システムを適用することが可能なノートパソコンやタブレットパソコン等である。
【0018】
このような電子装置100は、複数の動作モードを有する。ここで、複数の動作モードは、予め設定された第1熱設計消費電力で作動する第1動作モード(又は、ノーマルモード)及び第1熱設計消費電力より高い第2熱設計消費電力で作動する第2動作モード(又は、ターボモード)を含む。第2動作モードは、第1熱設計消費電力より高い第2熱設計消費電力で作動することから、電子装置100はアダプタからの電源及びバッテリの電源を同時に利用するハイブリッド電力システムによる電源の供給を受ける。
【0019】
通信インターフェース部110は、電子装置100を外部装置に接続するために設けられ、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)及びインターネット網を通じて外部装置に接続される形態だけでなく、無線通信(例えば、GSM(登録商標)、UMTS、LTE、WiBRO等の無線通信)方式によって接続され得る。
【0020】
保存部120は、電子装置100の駆動のためのプログラムを保存する。具体的に、保存部120は、電子装置100の駆動時に必要な各種命令語の集合であるプログラムを保存する。ここで、プログラムは、特定のサービスを提供するための応用プログラムだけでなく、応用プログラムを駆動させるための運営(オペレーティング)プログラムを含む。保存部120は、電子装置100内の記憶媒体、及び外部記憶媒体、例えばUSBメモリを含むリムーバブルディスク、ネットワークを通じたウェブサーバ(Web Server)等で具現される。
【0021】
ユーザインターフェース部130は、電子装置100がサポートする各種機能をユーザが設定又は選択できる複数の機能キーを備え、電子装置100が提供する各種情報を表示する。ユーザインターフェース部130は、タッチパッド等のように、入力と出力とが同時に提供される装置で具現され、マウス及びモニタの結合を通した装置でも具現可能である。
【0022】
ユーザインターフェース部130は、電子装置100の現在の動作モードに対する情報を表示する。具体的に、ユーザインターフェース部130は、電子装置100が第3動作モードに切り替わる場合、電子装置100が第3動作モードに切り替わることを表示する。そして、ユーザインターフェース部130は、電子装置100が第2動作モードに切り替わる場合、電子装置100が第2動作モードに切り替わることを表示し、第2動作モードへの動作時間を表示する。ここで、第3動作モードは、第1動作モードの電力消費より低い電力を消費する動作モードである。
【0023】
ユーザインターフェース部130は、電源状態に対する情報を表示する。具体的に、ユーザインターフェース部130は、アダプタの接続有無、電池部の装着有無、電池部の充電状態等に対する電源状態情報をユーザに表示する。
【0024】
制御部140は、電子装置100内の各構成に対する制御を行う。具体的に、制御部140は、第1制御部141及び第2制御部143で具現される。ここで、制御部141は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、グラフィック処理装置(GPU:Graphics Processing Unit)、又はグラフィック処理装置が内蔵された中央処理装置であり得、第2制御部143は、メインボードチップセットであり得る。第1制御部141及び第2制御部143の具体的な構成及び動作については、図3を参照して後述する。
【0025】
電源部200は、電子装置100に含まれる各構成に電源を供給する。電源部200の具体的な構成及び動作については、図2を参照して説明する。
【0026】
図2は、図1の電源部の具体的な構成を示す図である。
【0027】
図2を参照すると、電源部200は、入力部210、電池部220、電源制御部230、比較回路部240、第1出力部250、及び第2出力部260で構成される。
【0028】
入力部210には、外部のアダプタ10からDC電源が入力される。
【0029】
電池部220は、入力されるDC電源を蓄える。具体的に、電池部220は、二次電池を含み、入力部210を介して入力されるDC電源を二次電池に充電する。ここで、二次電池は、ニッケル電池、カドミウム電池、ニッケル−カドミウム電池等である。そして、電池部220は、電子装置100内の各構成に電源を供給する。
【0030】
電源制御部230は、電子装置の動作モード及び電池部の充電状態に応じて入力部210を介して入力される電源を通じて電池部220が充電されるようにする。具体的に、電源制御部230は、電子装置100が第1動作モードで作動し(より詳細には、第2動作モード以外の動作モードで作動する場合)、入力部210を介してDC電源が入力されると、入力部210を介して入力されるDC電源を用いて電池部220が充電されるようにする。
【0031】
電源制御部230は、電子装置100の動作モードが第2動作モードであるか、或いは電池部220の充電状態がフル充電状態(又は、充電済み状態)である場合、入力部210を介してDC電源が入力される場合に、電池部220に充電が行われないようにする。
【0032】
電源制御部230は、電子装置100の動作モードに応じて入力部210を介して入力される電源が選択的に第1制御部141に提供されるようにする。具体的に、電源制御部230は、電子装置100が第2動作モードで作動する場合に、入力部210を介して入力される電源と電池部220の電源が第1制御部141に同時に提供されるようにする。即ち、電源制御部230は、第2動作モード時にハイブリッド電力システムとして、第1制御部141に電源が供給されるように、電源部200内の各構成を制御する。
【0033】
電源制御部230は、電池部220の状態に応じて電子装置100が第2動作モードに切り替わることを制限する。具体的に、電源制御部230は、電池部220の充電状態及び装着状態を検知し、検知された充電状態が予め設定された容量以下である場合や、電池部220が電子装置100に装着されていない場合、電子装置100が第2動作モードに切り替わることを制限する。本実施形態では、電源制御部230が、電子装置100が第2動作モードに切り替わることを防止するものとして説明したが、実施形態に応じて、このような機能は後述する第1制御部141又は第2制御部143で行う形態で具現される。
【0034】
電源制御部230は、入力部210を介して接続されたアダプタのID情報を受信することができる。そして、電源制御部230は、取得したID情報に対応する基準電圧が生成されるように、比較回路部240を制御する。
【0035】
比較回路部240は、入力部210を介して入力される電源が予め設定された電流値以上である場合、電子装置100が第3動作モードで作動するように、それに対する情報を制御部140に提供する。具体的に、比較回路部240は、入力部を介して入力される電源の電流を検知し、検知された電流が予め設定された電流以上である場合、第1制御部が第3動作モードで作動するようにする。ここで、第3動作モードは、第1動作モードの電力消費より低い電力を消費する動作モードである。比較回路部240の具体的な構成及び動作については、図3を参照して後述する。
【0036】
第1出力部250は、電子装置100内の各構成に電源を供給する。具体的に、第1出力部250は、電子装置100が第1動作モードで作動時に入力部210を介して入力される電源又は電池部220の電源を選択的に電子装置100内の各構成に供給する。そして、第1出力部250は、電子装置100が第2動作モードで作動時に入力部210を介して入力される電源及び電池部220の電源を同時に制御部140に提供する。一方、本実施形態では、一つの第1出力部250を介して電子装置100内の各構成に電源が供給されるものとして図示して説明しているが、複数の出力部を介して電子装置100内の各構成に電源を供給する形態でも具現可能である。
【0037】
第2出力部260は、電池部220の状態及び入力部210の状態に対する情報を制御部140に提供する。
【0038】
第2出力部260は、入力部210を介して入力される電流が予め設定された電流値以上である場合、第3動作モードに切り替わるべきであることを報知する情報を制御部140に、より詳細には第1制御部141に提供する。本実施形態では、第2出力部260を介して各種情報が制御部に提供されると説明したが、実施形態として、各種情報は直接制御部140に提供される形態でも具現可能である。
【0039】
図3は、本発明の一実施形態による電子装置の回路図である。
【0040】
図3を参照すると、電子装置100は、電池部220、電源制御部230、比較回路部240、第1制御部141、及び第2制御部143で構成される。
【0041】
第1制御部141は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、グラフィック処理装置(GPU:Graphics Processing Unit)、又はグラフィック処理装置が内蔵された中央処理装置である。
【0042】
第1制御部141は、電子装置100の動作モードを決定する。具体的に、第1制御部141は、通常、電子装置100が第1動作モードで作動するように制御し、高い負荷が必要な場合に選択的に電子装置100が第2動作モードで作動するように制御し、負荷軽減が必要な場合に選択的に電子装置100が第3動作モードで作動するように制御する。
【0043】
このとき、第1制御部141は、電池部220及び入力部210の状態に基づいて、第2動作モードへの切り替えを決定する。上述のように、第2動作モードで作動時には、アダプタの電源及びバッテリの電源を同時に用いるハイブリッド電力システムとして電源を受けるが、このとき、電池部220が電子装置100に装着されていないか、又は電池部220の充電容量が予め設定された量以下である場合には、アダプタの定格電力の超過が発生しかねないため、第1制御部141は、電池部220が電子装置100に装着されており、電池部220の充電容量が予め設定された容量以上であり、入力部210を介してDC電源が供給されている場合にのみ、電子装置100の動作モードを第1動作モードから第2動作モードに切り替わるようにする。電池部220及び入力部210の状態による具体的な第1制御部141の動作状態について、図4に示している。
【0044】
第1制御部141は、高い負荷が必要な状況であると判断される場合にも、電池部220が電子装置100に装着されていないか、或いは装着されている場合でも、電池部220の充電容量が予め設定された容量以下であり、入力部210を介してDC電源が供給されていない場合には、第2動作モードへの切り替えを制限する。
【0045】
第1制御部141は、高い負荷が必要な状態が終了するか、或いは第2動作モードへの動作が予め設定された時間以上維持された場合に、電子装置100の動作モードが、第2動作モードから第1動作モードに切り替わるようにする。
【0046】
第1制御部141は、比較回路部240から第3動作モードへの切り替えが必要であることを報知する情報が入力されると、電子装置100の動作モードが第3動作モードに切り替わるようにする。ここで、第3動作モードは、第1動作モード時の第1制御部の性能に比べておよそ75%で作動させる動作モードである。
【0047】
第2制御部143は、電源制御部230から電池部及び入力部の状態に対する情報が入力され、入力された電池部及び入力部の状態に対する情報を第1制御部141に提供する。このような第2制御部143は、メインボードチップセット(Main Board Chipset)であり得る。
【0048】
電源制御部230は、アダプタ電流検知部231、充電電流検知部233、比較回路制御部235、及びアダプタ制御部237で構成される。
【0049】
アダプタ電流検知部231は、入力部210を介して入力される電源の電流の大きさを検知する。具体的に、アダプタ電流検知部231は、外部の抵抗を用いて入力部210を介して入力される電源の電流値を検知する。検知された電流値は第2制御部143に提供される。一方、本実施形態では、検知された電流値が第2制御部143に提供されるものとして説明したが、実施形態として、検知された電流値が予め設定された範囲内か否かだけを第2制御部143に提供する形態で具現され得る。
【0050】
充電電流検知部233は、電池部220に供給される電流の大きさを検知する。具体的に、充電電流検知部233は、電池部220に供給される電源の充電電流値を外部の抵抗を用いて検知する。検知された充電電流値は第2制御部143に提供される。一方、本実施形態では、検知された充電電流値が第2制御部143に提供されるものとして説明したが、実施形態として、検知された充電電流値が予め設定された範囲内であるか否かだけを第2制御部143に提供する形態で具現され得る。
【0051】
比較回路制御部235は、アダプタから提供されたID情報に基づいてアダプタの定格電力を判断し、定格電力に対応する定格電流を計算し、計算された定格電流に対応する基準電圧が生成されるように、比較回路部240の第2電圧生成部242を制御する。本実施形態では、アダプタからID情報を受けて、それを用いて基準電圧を調整するものとして説明したが、実施形態として、アダプタから直接定格電力又は定格電流の情報を受信する形態で具現され得、アダプタ電流検知部231で検知された電流に基づいて基準電圧を調整する形態でも具現され得る。
【0052】
アダプタ制御部237は、アダプタからの入力電流を制限させる情報をアダプタに提供する。具体的に、アダプタ制御部237は、DAC(dedicated administrator connection)ポートを用いてアダプタ10からの入力電流が制限されるようにする。
【0053】
比較回路部240は、アダプタからの入力電流が予め設定された電流値以上である場合、それに対する情報を第1制御部141に直接ハードウェア方式で提供する。具体的に、比較回路部240は、第1電圧生成部241、第2電圧生成部242、及び比較器243で構成される。
【0054】
第1電圧生成部241は、入力部210を介して入力される電源の電流値に対応する電圧値を生成する。具体的に、第1電圧生成部241は、アダプタ電流検知部231で検知された電流の大きさに対応する電圧値を生成する。本実施形態では、アダプタ電流検知部231で検知された電流の大きさを用いる例のみを説明したが、実施形態として、アダプタ電流検知部231に接続された抵抗の電圧値を直接用いる形態でも具現可能である。
【0055】
第2電圧生成部242は、予め設定された電流に対応する予め設定された基準電圧を生成する。具体的に、第2電圧生成部242は、接続されたアダプタ10の定格電力に対応する電圧値を生成する。図示した例のように、直列接続された複数の抵抗ラインの左側に別途のスイッチング素子及び抵抗244を用いて電圧値を変更する形態のみを示しているが、実施形態として、可変抵抗を用いることもでき、複数のスイッチング素子及び抵抗を用いて電圧値を変更する形態でも具現可能である。
【0056】
比較器243は、第1電圧生成部241及び第2電圧生成部242のそれぞれの出力電圧を比較し、比較結果を第1制御部141に提供する。具体的に、比較器243は、第1電圧生成部241の出力電圧が第2電圧生成部242の出力電圧より大きい場合、アダプタ10の定格電力より大きい電力を出力していると判断し、それに対する情報(PROCHOT#)を第1制御部141に提供する。
【0057】
このように、本実施形態では、ハードウェアで具現される別途の比較回路部を備えるため、1mS以内に瞬時に急変動するシステムの負荷変動に対応して迅速にシステムの負荷を制限することができるようになる。このような本発明の効果については、図5を参照して以下で説明する。
【0058】
図5は、第2動作モードにおける動作時の従来の出力電圧と本実施形態による電子装置の出力電圧との波形図である。具体的に、図5(a)は、従来の出力電圧であり、図5(b)は、本実施形態による電子装置の出力電圧の波形図である。図5(a)を参照すると、従来はアダプタ定格を遥かに超過する80Wのパワーが出力される。
【0059】
しかし、図5(b)を参照すると、アダプタ定格を超過する状況が瞬時に発生する場合であっても、比較回路部の動作によってアダプタの出力が60Wに制限されることを確認することができる。
【0060】
図6は、本発明の一実施形態による電源供給方法を示すフローチャートである。
【0061】
図6を参照すると、先ず、電子装置100は予め設定された第1熱設計消費電力で作動する第1動作モードで駆動中である。
【0062】
第1動作モードで駆動時に電池部の状態を判断する(ステップS610)。具体的に、電子装置100に電池部が装着されているか、或いは電池部が装着されている場合に電池部の充電容量が予め設定された容量以上であるかを判断する。
【0063】
次に、判断された電池部の状態に応じて動作モードを調整する(ステップS620)。具体的に、電子装置100の動作負荷が高いために第2動作モードに切り替わる必要がある場合、電池部が装着されており、電池部の充電容量が予め設定された容量以上である場合にのみ、第2動作モードに切り替える。
【0064】
次に、入力部210を介して入力される電源の電流を検知する(ステップS630)。
【0065】
次に、検知された入力電流に基づいて動作モードを調整する(ステップS640)。具体的に、検知された電流が予め設定された電流以上である場合、制御部が第1動作モードの電力消費より低い電力を消費する第3動作モードに切り替える。
【0066】
図7は、図6の電源供給方法を具体的に示すフローチャートである。
【0067】
図7を参照すると、アダプタが接続されているか否かを判断する(ステップS705)。
【0068】
アダプタが接続されていない場合(ステップS705のN)、電子装置100は正常モード(即ち、第1動作モード)で作動する(ステップS710)。このとき、電子装置100は、電池部220の電源を用いて駆動される。
【0069】
一方、アダプタが接続されている場合(ステップS705のY)、バッテリが装着されているか否かを判断し(ステップS715)、バッテリが装着されている場合(ステップS715のY)、バッテリの充電容量以上であるか否かを判断する(ステップS720)。
【0070】
バッテリが装着されておらず、バッテリの充電容量が予め設定された容量未満である場合(ステップS715のN、ステップS720のN)には、ハイブリッド電力システムによる電力供給がなされないように設定する(ステップS750)。
【0071】
一方、予め設定された容量以上が充電されたバッテリが装着されている場合には、システムの消費電力がアダプタの消費電力以下であるか否かを判断し(ステップS725)、システムの消費電力がアダプタの消費電力以下である場合(ステップS725のY)、ハイブリッド電力システムによる電力供給をする(ステップS735)。即ち、第2動作モードで作動する。
【0072】
次に、第2動作モードに切り替わると、第2動作モードの動作が予め設定された時間以上維持されているか否かを判断し(ステップS740)、予め設定された時間以上維持されている場合、第2動作モードから第1動作モードに切り替わるようにする警告メッセージを表示する(ステップS745)。
【0073】
一方、ハイブリッド電力システムによる電力供給がなされないように設定されている場合にも、システムの消費電力がアダプタの消費電力以下であるか否かを判断し(ステップS753)、システムの消費電力がアダプタの定格電力以下である場合には、通常モードで作動するように設定する(ステップS765)。
【0074】
一方、システムの消費電力がアダプタの定格電力以上である場合には、第3動作モードに切り替わるように、Prochot#を作動させる(ステップS760)。
【0075】
このように、本実施形態による電子装置の駆動制御方法は、安定的に電子装置100に電源を供給することができ、比較的に簡単な回路構成を用いて瞬時に急変動するシステムの負荷変動に対しても容易に対処することができるようになる。図6及び図7のような電子装置の駆動制御方法は、図1の構成を有する電子装置上で実行され得、その他の構成を有する電子装置上で実行され得る。
【0076】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0077】
10 アダプタ
100 電子装置
110 通信インターフェース部
120 保存部
130 ユーザインターフェース部
140 制御部
141 第1制御部
143 第2制御部
200 電源部
210 入力部
220 電池部
230 電源制御部
231 アダプタ電流検知部
233 充電電流検知部
235 比較回路制御部
237 アダプタ制御部
240 比較回路部
241 第1電圧生成部
242 第2電圧生成部
243 比較器
244 スイッチング素子及び抵抗
250 第1出力部
260 第2出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8