特許第6238527号(P6238527)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ワイ・イー・シーの特許一覧

<>
  • 特許6238527-複写装置 図000002
  • 特許6238527-複写装置 図000003
  • 特許6238527-複写装置 図000004
  • 特許6238527-複写装置 図000005
  • 特許6238527-複写装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238527
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】複写装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/06 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   G06F3/06 304K
   G06F3/06 304F
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-31445(P2013-31445)
(22)【出願日】2013年2月20日
(65)【公開番号】特開2014-160425(P2014-160425A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2015年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】396014636
【氏名又は名称】株式会社ワイ・イー・シー
(74)【代理人】
【識別番号】100095289
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 弘
(72)【発明者】
【氏名】横川 龍雄
【審査官】 田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−192068(JP,A)
【文献】 特開平02−210643(JP,A)
【文献】 特開平06−095942(JP,A)
【文献】 特開2005−208906(JP,A)
【文献】 特開2001−250324(JP,A)
【文献】 特開2012−221055(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/198529(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複写元記憶手段に接続される第1インターフェースと、
複写先記憶手段に接続される第2インターフェースと、
第1インターフェースに接続された複写元記憶手段から読み取ったデータを第2インターフェースに接続された複写先記憶手段に書き込むことにより、複写元記憶手段から複写先記憶手段へのデータコピーを行うコピー制御手段とを備えた複写装置であって、
予め選択された複写元記憶手段を特定する固有識別情報が予め記憶されている複写元識別情報記憶手段と、
予め選択された複写先記憶手段を特定する固有識別情報が予め記憶されている複写先識別情報記憶手段と、
コピー処理を開始する前に、第1インターフェースに接続されている記憶手段の固有識別情報を取得する第1識別情報取得手段と、
コピー処理を開始する前に、第2インターフェースに接続されている記憶手段の固有識別情報を取得する第2識別情報取得手段と、
前記第1識別情報取得手段によって取得された固有識別情報が、複写元識別情報記憶手段に記憶されている固有識別情報に合致するか否かを判断する複写元識別情報判定手段と、
前記第2識別情報取得手段によって取得された固有識別情報が複写先識別情報記憶手段に記憶されている固有識別情報に合致するか否かを判断する複写先識別情報判定手段と、
前記複写元識別情報判定手段が合致すると判断し、かつ前記複写先識別情報判定手段が合致すると判断した場合のみコピー処理の開始を許可するコピー処理許可手段とを有することを特徴とする複写装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写元の記憶装置に記憶されているデータを他の複写先の記憶装置に複写する複写装置にかかり、詳しくは複写先記憶装置と複写元記憶装置の取り違いによるマスターデータの消失を防止する複写装置に関するものである。
【背景の技術】
【0002】
従来、ハードディクスドライブ装置に記録されているデータを他のハードディスクドライブ装置に複写する複写装置が使用されている。このような複写装置は、例えば、ディスクトップパソコン用のオペレーティングシステムが記録されたハードディスクドライブ装置を用意し、これを複数のハードディスクドライブ装置に複写することで、一時に多数のパソコン搭載用のハードディスクドライブ装置を作成する、といった用途に使われ、或いは、証拠物件として押収されたディスクトップパソコンのハードディスクドライブ装置を解析するために、押収物のハードディスクドライブ装置のデータを、解析用のハードディスクドライブ装置にコピーする場合などに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−108410
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ハードディスクドライブ装置のデータをコピーする場合、複写元のハードディスクドライブ装置の記憶容量と同程度の記憶容量を有するハードディスクドライブ装置にデータをコピーする場合が多く、外見のみでは複写元ハードディスクドライブ装置と、複写先ハードディスクドライブ装置とを見分けられない場合がある。このような場合、誤って複写先ハードディスクドライブ装置を複写元ハードディスクドライブ装置の接続端子に接続し、複写元ハードディスクドライブ装置を複写先ハードディスクドライブ装置の接続端子に接続してコピー処理してしまい、複写元ハードディスクドライブ装置のデータを消失させてしまう、といったトラブルが発生し得る。
【0005】
このようなトラブルは、複写装置の接続端子の色を、複写元を接続する端子と、複写先を接続する端子とで異なるものとするなどの工夫により、低減されてはいるが、接続作業に人が介在するために、根本的な解決には至っていない。
特に、証拠物件として押収されたハードディスクドライブ装置に記録されているデータを解析するためには、証拠物件であるハードディスクドライブ装置自体の記録内容を直接解析することなく、一旦、押収されたハードディスクドライブ装置のデータを、他のハードディスクドライブ装置にコピーし、その複写したデータについて解析を行う。このような解析作業で行われるコピーは、誤コピーによって複写元ハードディスクドライブ装置のデータが消失すると、証拠物件の価値が失われるため、多大の損害を被ることとなる。
【0006】
この発明は、複写元記憶装置から複写先記憶装置へデータをコピーする際に、接続の間違いによって、誤って複写元記憶装置にデータを書き込んでしまうトラブルを抑制する複写装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、以下の本発明により達成される
【0009】
)複写元記憶手段に接続される第1インターフェースと、
複写先記憶手段に接続される第2インターフェースと、
第1インターフェースに接続された複写元記憶手段から読み取ったデータを第2インターフェースに接続された複写先記憶手段に書き込むことにより、複写元記憶手段から複写先記憶手段へのデータコピーを行うコピー制御手段とを備えた複写装置であって、
予め選択された複写元記憶手段を特定する固有識別情報が予め記憶されている複写元識別情報記憶手段と、
予め選択された複写先記憶手段を特定する固有識別情報が予め記憶されている複写先識別情報記憶手段と、
コピー処理を開始する前に、第1インターフェースに接続されている記憶手段の固有識別情報を取得する第1識別情報取得手段と、
コピー処理を開始する前に、第2インターフェースに接続されている記憶手段の固有識別情報を取得する第2識別情報取得手段と、
前記第1識別情報取得手段によって取得された固有識別情報が、複写元識別情報記憶手段に記憶されている固有識別情報に合致するか否かを判断する複写元識別情報判定手段と、
前記第2識別情報取得手段によって取得された固有識別情報が複写先識別情報記憶手段に記憶されている固有識別情報に合致するか否かを判断する複写先識別情報判定手段と、
前記複写元識別情報判定手段が合致すると判断し、かつ前記複写先識別情報判定手段が合致すると判断した場合のみコピー処理の開始を許可するコピー処理許可手段とを有することを特徴とする複写装置。
【発明の効果】
【0012】
請求項に記載の本発明によれば、複写元記憶手段が有する固有の識別情報を確認し、第1インターフェースに接続されている記憶手段の固有識別情報が、予め登録された複写元記憶手段の固有識別情報と合致した場合に、コピー処理が許可されるので、誤って複写元記憶手段以外の記憶手段が第1インターフェースに接続されてコピー処理が開始されるといったトラブルが防止される。また、複写先記憶手段が有する固有の識別情報を確認し、第2インターフェースに接続されている記憶手段の固有識別情報が、予め登録された複写先記憶手段の固有識別情報と合致した場合に、コピー処理が許可されるので、誤って複写先記憶手段以外の記憶手段が第2インターフェースに接続されてコピー処理が開始されるといったトラブルが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の複写装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態の装置における処理動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の本発明の第1実施形態の装置における禁止条件を示す表である。
図4】本発明の第2実施形態の装置における処理動作を示すフローチャートである。
図5】本発明の本発明の第2実施形態の装置における禁止条件を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の複写装置1の構成を示すブロック図である。本発明の複写装置1は、複写装置1は、複写元記憶手段としてのマスターハードディスクドライブ装置MHDDが接続される第1インターフェース21と、複写先記憶手段としてのターゲットハードディスクドライブ装置THDD1〜3が接続される第2インターフェース221〜223と、コピー処理やハードディスクドライブ装置の識別情報を確認する制御手段としてのコントローラ3と、識別情報を記憶している識別情報メモリM1と、コピー処理の際に読み取ったデータを一時的に格納するメモリM2と、第1インターフェース21、第2インターフェース221〜223、コントローラ3、識別情報メモリM1及びメモリM2は、それぞれ相互にバスライン31で接続されている。識別情報メモリM1は、第3インターフェース23を介して着脱自在に接続されており、他の書込み装置によって、ハードディスクドライブ装置の固有識別情報が予め記録されている。
【0015】
コントローラ3は、例えば、PLD(Programmable Logic Device)等の論理回路及びメモリ等を備え、マスターハードディスクドライブ装置MHDDに記録されているデータをターゲットハードディスクドライブ装置THDD1〜3にコピーするコピー処理や、接続されている各ハードディスクドライブ装置の固有識別情報を取得し、予め識別情報メモリM1に記憶されている情報との照合、などの処理を実行する。
【0016】
メモリM1、M2は、データの書込みや読み出しの速度の速いフラッシュメモリであることが好ましく、特にメモリM1は、外部接続可能で、着脱操作が容易にできるものであることが好ましい。メモリM1は上記の他、LAN接続されたメモリであっても良く、コントローラ3に内蔵されたメモリであってもよい。
【0017】
次に、本発明の第1の実施形態の複写装置の動作について説明する。この実施形態の複写装置においては、ターゲットハードディスクドライブ装置THDDとして使用されるハードディスクドライブ装置に予めマークデータが記録されている。このマークデータは、予め決められた内容のデータであって、ハードディスクドライブ装置の予め決められた位置に記録される。マークデータは、どのような内容でデータでも良いが、ターゲットとして選ばれたハードディスクドライブ装置と、そうでないハードディスクドライブ装置とを区別するために、所定のアルゴリズムや法則に基づいて決められ内容のデータであることが好ましい。
マークデータのハードディスクドライブ装置への書込みは、他の書込み装置によって行なわれ、ターゲットハードディスクドライブ装置として選ばれたハードディスクドライブ装置のみを集めた所で、書込み処理が実行される。
【0018】
以上のように用意されたハードディスクドライブ装置に対して、マスターハードディスクドライブ装置MHDDのデータをコピーする動作について、図2に示されているフローチャートに基づいて説明する。
マスターハードディスクドライブ装置MHDD、ターゲットハードディスクドライブ装置THDD1〜3及びメモリM1がそれぞれインターフェース21、221〜223、23に接続されていることを確認する(ステップS101)。
【0019】
次に、メモリM1からマークデータと、マークデータが記録さているアドレスに関するデータを読み出し(ステップS102)、さらに、各第2インターフェース221〜223に接続されているハードディスクドライブ装置、及び第1インターフェース21に接続されているハードディスクドライブ装置に対して、ステップS102で読み出したアドレスデータに基づいて、該アドレスに記録されているデータを読み出す(ステップS103)。
【0020】
次にステップS102で取得したマークデータと、ステップS103で取得した各読取りデータとを照合する(ステップS105)。図3に示されているのは、コピー許可条件を示す表である。第1のインターフェース21に接続されたハードディスクドライブ装置から読み取った読取データが、ステップS102で取得したマークデータと合致した場合には、マスターハードディスクドライブ装置MHDDが接続されるべき第1のインターフェース21に、ターゲットハードディスクドライブ装置THDDが接続されていることを意味し、誤った接続であることが判明するので、第2インターフェース221〜223に接続されているハードディスクドライブ装置の如何にかかわらず、コピー処理は許可せず、エラー表示を行う(ステップS107)。エラー表示には、第1のインターフェース21にマスターハードディスクドライブ装置MHDDが接続されていない旨、及びコピー処理は行われない旨の内容が表示される。
【0021】
また、第2インターフェース221〜223に接続されているハードディスクドライブ装置から読み取った各読取データと、ステップS102で取得したマークデータとを照合し、接続されているハードディスドライブ装置の1つ以上で、データが合致しない場合には、少なくとも1つのハードディスクドライブ装置がターゲットハードディスクドライブ装置でないことが判明するので、コピー処理は許可せず、エラー表示を行う(ステップS107)。なお、エラー表示では、マークデータが合致しなかったハードディスクドライブ装置が接続されているインターフェースの番号を表示する。
【0022】
第1のインターフェース21に接続されたハードディスクドライブ装置にマークデータが記録されておらず、第2インターフェース221〜223に接続されているハードディスクドライブ装置の総てにマークデータが記録されている場合には、コピー処理を許可する(ステップS105、S109)。
【0023】
コピー処理が開始され(ステップS111)、コピー終了を確認して(ステップS113)、処理が終了する。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態の複写装置の動作について説明する。この実施形態の複写装置においては、マスターハードディスクドライブ装置MHDD及びターゲットハードディスクドライブ装置THDDの固有識別情報が予め取得されている。この固有識別情報は、各ハードディスクドライブ装置が有する固有の情報であって、その使用者が変更できない情報である。例えば、ハードディスクドライブ装置の「モデル名にシリアル番号を加えた情報」、WWN(World Wide Name)などが挙げられる。このようなデータは、ハードディスクドライブ装置にコマンドを発行することにより、引き出すことができる。この固有識別情報は、メモリM1に記録され、或いは本発明の複写装置にLANケーブル等の通信手段で接続されている他の装置に記録されている。
【0025】
ハードディスクドライブ装置からの固有識別情報の読み出しは、他の本発明の複写装置とは別の読み出し装置によって行なわれ、ターゲットハードディスクドライブ装置として選ばれたハードディスクドライブ装置のみを集めた所と、マスターハードディスクドライブ装置とされたハードディスクドライブ装置のみを集めた所とを別に設け、それぞれの場所で、固有識別情報の読み出しが実行され、記憶される。メモリM1には、マスターハードディスクドライブ装置の固有識別情報として記憶された情報と、ターゲットハードディスクドライブ装置の固有識別情報として記憶された情報とが、それぞれ記録されている。
【0026】
以上のように各固有識別情報を読み出して記憶済みのハードディスクドライブ装置を用い、第1のインターフェース21にはマスターハードディスクドライブ装置MHDDを、第2のインターフェース221〜223にはターゲットハードディスクドライブ装置THDD1〜3を、それぞれ接続し、データのコピー処理を行う。以下、データのコピー処理動作について、図4に示されているフローチャート及び図5に示されている表に基づいて説明する。
【0027】
マスターハードディスクドライブ装置MHDD、ターゲットハードディスクドライブ装置THDD1〜3及びメモリM1がそれぞれインターフェース21、221〜223、23に接続されていることを確認する(ステップS201)。次に、接続されている各ハードディスクドライブ装置にコマンドを発行し、各ハードディスクドライブ装置の固有識別情報を取得する(ステップS203)。取得された固有識別情報に基づいて、メモリM1に記録されているデータと照合する(ステップS205)。
【0028】
その結果、第2のインターフェース221〜223に接続されているハードディスクドライブ装置から取得した固有識別情報が、メモリM1にターゲットハードディスクドライブ装置の固有識別情報として記録されているか判断する(ステップS207)。複数のハードディスクドライブ装置の内、1つ以上のハードディスクドライブ装置から取得した固有識別情報が、メモリM1に未登録の情報である場合には、第2のインターフェース221〜223にターゲットハードディスクドライブ装置でないハードディスクドライブ装置が接続されていることを意味するので、この状態でコピーを実行すると、ターゲットハードディスクドライブ装置でないハードディスクドライブ装置のデータが失われるため、エラー表示し(ステップS209)、コピー処理は実行されない。
また、エラー表示の際には、ターゲットハードディスクドライブ装置として登録されていないハードディスクドライブ装置が接続されているインターフェース221の番号(No1〜No3)を表示する。
【0029】
第2のインターフェース221〜223に接続されているハードディスクドライブ装置の各固有識別情報が、メモリM1にターゲットハードディスクドライブ装置の固有識別情報として登録されている場合には、第1のインターフェース21に接続されているハードディスクドライブ装置から取得した固有識別情報が、メモリM1にターゲットハードディスクドライブ装置の固有識別情報として記録されているか判断する(ステップS211)。ターゲットハードディスクドライブ装置の固有識別情報として登録されている場合には、マスターハードディスクドライブ装置が接続されるべきインターフェース21に、ターゲットハードディスクドライブ装置が誤って接続されていることを意味するので、この状態でコピーを実行すると、マスターハードディスクドライブ装置のデータがターゲットハードディスクドライブ装置にコピーされないため、エラー表示し(ステップS209)、コピー処理は実行されない。エラー表示には、第1のインターフェース21に接続されたハードディスクドライブ装置が、マスターハードディスクドライブ装置でない旨の指示が表示される。
【0030】
第1のインターフェース21に接続されているハードディスクドライブ装置の各固有識別情報が、メモリM1にターゲットハードディスクドライブ装置の固有識別情報として登録されていない場合には、第1のインターフェース21に接続されているハードディスクドライブ装置から取得した固有識別情報が、メモリM1にマスターハードディスクドライブ装置の固有識別情報として記録されていないか判断する(ステップS213)。
【0031】
記録されていない場合には、第1のインターフェース21に接続されているハードディスクドライブ装置は、マスターハードディスクドライブ装置としても、ターゲットハードディスクドライブ装置としても登録されていないことを意味するので、そのハードディスクドライブ装置をこのままマスターハードディスクドライブ装置として接続してよいか確認するメッセージが表示手段に表示される(ステップS215)。マスターハードディスクドライブ装置である確認が取れた場合には、このハードディスクドライブ装置の固有識別情報をマスターハードディスクドライブ装置の固有識別情報として登録する(ステップS217)。
【0032】
ステップS217での登録処理の後、及び、ステップS213で、第1のインターフェース21に接続されているハードディスクドライブ装置から取得した固有識別情報が、メモリM1にマスターハードディスクドライブ装置の固有識別情報として記録されていると判断した場合には、コピー処理許可される(ステップS219)。
また、ステップS215で、接続されているハードディスクドライブ装置がマスターハードディスクドライブ装置でない確認が取れた場合には、エラー表示され(ステップS209)、コピー処理は実行されない。
【0033】
ステップS219のコピー処理許可によって、コピー処理が開始され(ステップS221)、マスターハードディスクドライブ装置MHDDに記録されているデータが総てのターゲットハードディスクドライブ装置THDD1〜3にコピーされた後、コピー処理が終了する(ステップS223)。
この実施形態では、第1のインターフェース21に接続されたハードディスクドライブ装置が、マスターハードディスクドライブ装置として登録されている場合で、かつ、第2のインターフェース221〜223に接続されたハードディスクドライブ装置が総てターゲットハードディスクドライブ装置THDD1〜3である場合のみ、コピー処理が許可される。
【0034】
以上説明したステップS207〜217までの処理を図5に示されている表に基づいて説明すると、第1のインターフェース21にマスターハードディスクドライブ装置として固有識別情報が登録されているハードディスクドライブ装置が接続されていない場合には、原則してコピー処理は許可されない。例外として、第1のインターフェース21に接続された未登録のハードディスクドライブ装置については、マスターであることが確認できた場合には、コピー処理禁止の原因とはならない。第2のインターフェース221〜223にターゲットハードディスクドライブ装置として固有識別情報が登録されているハードディスクドライブ装置が接続されていない場合には、コピー処理は許可されない。
【0035】
以上説明した複写元記憶手段及び複写先記憶手段は、ハードディスクドライブ装置であるが、第1の実施形態については、他の磁気記憶方式の記憶装置や、半導体メモリ、光学記憶装置などであってもよい。第2の実施形態においても、SDカード等の半導体メモリやDVD-R等の光学メディアについて、固有識別情報を予め取得し、複写元記憶手段や複写先記憶手段として用いることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 複写装置
21 第1のインターフェース
221〜223 第2のインターフェース
3 コントローラ
31 バスライン
MHDD マスターハードディスクドライブ装置
THDD1〜3 ターゲットハードディスクドライブ装置
図1
図2
図3
図4
図5