(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238528
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20171120BHJP
H04W 12/06 20090101ALI20171120BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20171120BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20171120BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20171120BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
G06F3/12 328
G06F3/12 336
G06F3/12 392
G06F3/12 302
H04W12/06
H04W84/12
H04W84/18
H04W88/02 110
H04M1/00 U
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-33423(P2013-33423)
(22)【出願日】2013年2月22日
(65)【公開番号】特開2014-164422(P2014-164422A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2016年2月19日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 宏記
【審査官】
三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−255603(JP,A)
【文献】
特開2008−72368(JP,A)
【文献】
特開2013−5095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09−3/12
H04B 7/24−7/26
H04M 1/00
1/24−1/82
99/00
H04W 4/00−8/24
8/26−16/32
24/00−28/00
28/02−72/02
72/04−74/02
74/04−74/06
74/08−84/10
84/12−88/06
88/08−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データに基づいて印刷処理を実行し、ダイレクト無線通信機能を有する印刷装置であって、
有線インタフェースと、
前記ダイレクト無線通信機能による通信を実行する無線インタフェースと、
通信での使用が許可されるポートとして、第1のポート番号が指定されていて、第2のポート番号は指定されていない第1のポート条件を前記有線インタフェースによる通信に適用し、通信での使用が許可されるポートとして、前記第1のポート番号と前記第2のポート番号が指定された第2のポート条件を前記ダイレクト無線機能による通信に適用する制御手段とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第2のポート番号は、ユーザが設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第2のポート番号をユーザが設定するための設定画面を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第1のポート番号と前記第2のポート番号は、ユーザが設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第1のポート番号と前記第2のポート番号をユーザが設定するための設定画面を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記ダイレクト無線通信機能は、前記印刷装置と外部装置とがアクセスポイントを介さずに無線通信を実行する機能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に印刷装置。
【請求項7】
前記ダイレクト無線通信機能は、Wi−Fi Directであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
ダイレクト無線通信機能を有する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Wi−Fi AllianceによりWi−Fi Direct(登録商標)という規格が制定されている。Wi−Fi Directでは、印刷装置やPC等の情報処理装置がアクセスポイントまたはクライアントのいずれで動作するかを決定するためのプロトコルが規定されている。このプロトコルを実行することにより、アクセスポイントになる情報処理装置、クライアントになる情報処理装置を自動的に決定できる。このWi−Fi Directを利用することで、アクセスポイントを別途用意する必要がなくなり、情報処理装置同士が直接無線通信を実行することができる。
【0003】
図1はWi−Fi Directの処理シーケンスを簡単に説明した図である。印刷装置と携帯端末は、それぞれWi−Fi Directをサポートしている情報処理装置の一例である。
【0004】
まず初めに、印刷装置と携帯端末はそれぞれ通信相手を特定するために機器探索を行う(ステップS101)。機器探索によって通信相手を特定すると、どちらがアクセスポイント(GroupOwner)になり、どちらがクライアント(Client)になるかを決定する(ステップS102)。このステップS102の処理を役割決定と呼ぶ。
図1では、ステップS102の役割決定の結果、印刷装置がGroupOwnerに、携帯端末がClientになったこととする。
【0005】
次に、Wi−Fi Allianceにより制定されたWPS(Wi−Fi Protected Setup)を用いて、GroupOwnerである印刷装置からClientである携帯端末へ接続を行うためのパラメータを提供することで、印刷装置と携帯端末との間でパラメータを共有する(ステップS103)。そしてそのパラメータを用いてセキュア接続を行う(ステップS104)。
【0006】
セキュア接続が完了すると、印刷装置と携帯端末との間でIP通信を行うためのアドレッシングを行う(ステップS105)。この際、GroupOwnerである印刷装置がDHCPサーバとして動作し、Clientである携帯端末に対してIPアドレスを付与する。
【0007】
以上の処理を行うことで、印刷装置と携帯端末との間で無線通信が確立する。そしてこの無線通信を使用することで、別途アクセスポイントを用意することなく、印刷装置と携帯端末が直接通信を行うことが可能になる。特許文献1には、このWi−Fi Directを利用して音声データや写真データを送受信することが記載されている。
【0008】
また、印刷装置やPC等の情報処理装置において、セキュリティを向上させるために通信で使用することを許可されるポート(許可ポート)を予め設定している場合がある。このような情報処理装置では、通信で使用するポートが許可ポートではない場合に受信したデータの処理を拒否することで、情報処理装置のセキュリティを向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2012−199884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、
図1のように例えばWi−Fi Directを用いて携帯端末が印刷装置にデータを送信する場合、印刷装置の許可ポートを指定して携帯端末が印刷データを印刷装置に送信するとは限らない。例えば印刷装置の許可ポートとは異なるポートを指定することが携帯端末において予め定められている場合、携帯端末から送信されたデータは印刷装置において処理されない。
【0011】
そこで本発明では、
印刷装置にポート条件を適切に適用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明が提供する印刷装置は、印刷データに基づいて印刷処理を実行し、ダイレクト無線通信機能を有する印刷装置であって、有線インタフェースと、前記ダイレクト無線通信機能による通信を実行する無線インタフェースと、通信での使用が許可されるポート
として、
第1のポート番号が指定されていて、第2のポート番号は指定されていない第1のポート条件を
前記有線インタフェースによる通信に適用し、
通信での使用が許可されるポートとして、前記第1のポート番号と前記第2のポート番号が指定された第2のポート条件を
前記ダイレクト無線通信機能による通信に適用する制御手段とを備え
ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、
印刷装置にポート条件を適切に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】Wi−Fi Directの処理シーケンスを示す図である。
【
図3】印刷装置200のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】実施形態1において印刷装置200が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態2において印刷装置200が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0017】
(実施形態1)
図2は、本実施形態に係る印刷システム全体の構成を示す図である。
【0018】
印刷装置200と携帯端末210は、Wi−Fi Direct等の無線通信によって通信可能である。印刷装置200は、携帯端末210やPC220等の外部装置と通信を実行可能な情報処理装置の一例であり、PCやスマートフォン、携帯電話、タブレット、デジタルカメラ等の装置にも本発明を適用することができる。また、本実施形態では印刷装置200を複合機として説明するが、スキャナを備えないプリンタであってもよい。
【0019】
携帯端末210は、Wi−Fi Direct等の無線通信によって印刷データを印刷装置200に送信することができる。携帯端末210は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット、デジタルカメラ等の装置である。
【0020】
印刷装置200は、有線LAN230を介してPC220とも通信可能である。PC220は、有線LAN230を介して印刷データを印刷装置200に送信することができる。
【0021】
なお、本実施形態では、後述する
図4のポート設定画面400によって、通信を許可する許可ポート(例えば80番ポート)が予め印刷装置200に登録されている。また、PC220は、印刷装置200の許可ポートを指定して印刷装置200と通信を実行するように設定されている。一方、携帯端末210は、印刷装置200の許可ポートとは異なるポート(例えば600番ポート)を指定して印刷装置200と通信を実行する。
【0022】
図3は、印刷装置200のハードウェア構成を示す図である。
【0023】
CPU302を含む制御部301は、印刷装置200全体の動作を制御する。CPU302は、ROM304に記憶された制御プログラムを読み出して通信制御などの各種制御を行う。RAM303は、CPU302の主メモリ、ワークエリア等の一時領域として用いられる。HDD305は、データや各種プログラム、或いは各種情報テーブルを記憶する。
【0024】
プリンタI/F306は、プリンタ307(プリンタエンジン)と制御部301とを接続する。プリンタ307は、プリンタI/F306を介して入力された印刷データに基づいて、不図示の給紙カセットから給紙されたシートに印刷処理を実行する。
【0025】
スキャナI/F308は、スキャナ309と制御部301とを接続する。スキャナ309は、載置された原稿を読み取り、そして画像データを生成する。スキャナ309が生成した画像データは、プリンタ307で印刷されたり、HDD305に記憶されたり、無線LANI/F312や有線LANI/F313を介して外部装置に送信されたりする。
【0026】
操作パネルI/F310は、操作パネル311と制御部301とを接続する。操作パネル311にはタッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボード、各種ファンクションキー等が備えられている。ユーザは操作パネル311に表示された画面を確認したり、またタッチパネルを用いて様々な指示を印刷装置200に入力することができる。
【0027】
無線LANI/F312は、携帯端末やPC等の外部装置と無線通信を実行する。この無線通信によって、印刷装置200は外部装置から印刷データを受信し、受信した印刷データに基づいてプリンタ307が印刷処理を実行する。また、スキャナ309が生成した画像データを、無線LANI/F312を介して外部装置に送信することもできる。
【0028】
有線LANI/F313は、不図示のLANケーブルが接続され、不図示の外部装置と通信を実行することができる。
【0029】
なお、印刷装置200は1つのCPU302が1つのメモリ(RAM303)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のCPUや複数のメモリを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行するようにすることもできる。
【0030】
図4(a)のポート設定画面400は、印刷装置200の操作パネル311に表示される画面である。このポート設定画面400を用いることで、ユーザは印刷装置200において通信が許可される特定のポート(以降では許可ポートと呼ぶ)を設定することができる。
【0031】
項目401には、許可ポートとして設定されているポートの番号が示されている。ポート設定画面400では、許可ポートとして80番ポートが指定されている。ポート設定画面400では許可ポートとして1つのポートが設定されているが、複数のポートを許可ポートとして設定してもよい。ユーザが許可ポートの設定を変更する(許可ポートの追加や削除)場合、ユーザはアイコン402を押下する。
【0032】
ユーザがアイコン402を押下すると、操作パネル311は
図4(b)のポート設定画面410を表示する。項目411に変更後の許可ポートを入力してアイコン412をユーザが押下すると、項目411に入力されたポートが項目401に反映される。そしてユーザがアイコン403を押下すると、項目401に表示されているポート番号が印刷装置200の許可ポートとしてHDD305等のメモリに記憶される。
【0033】
なお、本実施形態ではポート設定画面400の設定はどのユーザでも行えることとするが、印刷装置200にユーザ認証機能を導入することで特定のユーザ(例えば管理者権限を有するユーザ)のみがポート設定画面400の設定を行えるようにしてもよい。
【0034】
次に、外部装置から送信されたデータを印刷装置200が受信する際に実行される処理を、
図5のフローチャートを用いて説明する。
図5のフローチャートに示す各ステップは、CPU302がROM304等のメモリに記憶されたプログラムをRAM303に展開して実行することによって処理される。
【0035】
まずステップS501において、無線LANI/F312、又は有線LANI/F313が外部装置から送信された印刷データを受信する。無線LANI/F312が印刷データを受信する場合、Wi−Fi Directを用いて確立した無線通信によって携帯端末210から送信された印刷データを受信する。一方、有線LANI/F313が印刷データを受信する場合、有線LAN230を介してPC220から送信された印刷データを受信する。
【0036】
次にステップS502において、CPU302は、通信で使用するポートが許可ポートとして設定されたポートであるか否かを判定する。本実施形態では、ポート設定画面400によって許可ポートとして80番ポートが予め設定されていることとする。また、外部装置から送信されたデータを印刷装置200が受信する場合、外部装置において通信で使用するポートが指定されていることとする。通信で使用するポートが許可ポートとして設定されたポートであるとステップS502においてCPU302が判定すると、ステップS503に進む。一方、通信で使用するポートが許可ポートとして設定されたポートではないとステップS502においてCPU302が判定すると、ステップS504に進む。
【0037】
次にステップS503について説明する。ステップS503において、CPU302はステップS501で受信したデータの処理を許可する。例えばステップS501で受信したデータが印刷データであれば、CPU302は当該印刷データに基づく印刷処理を実行するようにプリンタ307を制御する。
【0038】
次にステップS504について説明する。ステップS504において、CPU302は受信したデータを解析する。そしてステップS505において、CPU302は、ステップS501で受信したデータについて、Wi−Fi Directを用いた無線通信で受信したか否かを判定する。この判定は、ステップS504の解析の結果に基づいて行われる。例えばステップS504の解析の結果、受信したデータのヘッダ部に特定の文字列(例えばWi−Fi Directを示す文字列)が含まれていれば、ステップS505においてWi−Fi Directを用いた無線通信で受信したと判定し、ステップS503に進む。
【0039】
一方、ステップS504の解析の結果、受信したデータのヘッダ部に前記特定の文字列が含まれていなければ、ステップS505においてWi−Fi Directを用いた無線通信で受信していないと判定し、ステップS506に進む。ステップS505においてNoと判定される場合は、例えば許可ポートとは異なるポートが指定されたデータを、PC220が有線LAN230を介して印刷装置200に送信した場合である。また、許可ポートとは異なるポートが指定されたデータを、携帯端末210が不図示のアクセスポイントを介して印刷装置200に送信した場合(Wi−Fi Directを用いない無線通信)も、ステップS505においてNoと判定される。
【0040】
次にステップS506において、CPU302はステップS501で受信したデータの処理を許可しない。例えばステップS501で受信したデータが印刷データであったとしても、CPU302は当該印刷データに基づく印刷処理を実行しないように印刷装置200を制御し、受信した印刷データを破棄する。なお、ステップS506においてCPU302が印刷処理を実行しないように印刷装置200を制御する際に、外部装置に対してエラーを通知するようにしてもよい。
【0041】
以上のように、本実施形態によれば、通信で使用するポートが許可ポートではない場合であっても、特定の条件を満たすことを条件(
図5ではWi−Fi Directを用いた無線通信でデータを受信した場合)に受信したデータの処理を許可する。これにより、携帯端末210において印刷装置200に許可ポートを指定して通信をしなくても、印刷装置200は携帯端末210から受信したデータを処理することができる。
【0042】
(実施形態2)
実施形態1では、通信で使用するポートが許可ポートではないと判定された場合に、受信したデータを解析することで特定の条件を満たすか否かを判定する(
図5のステップS504とS505)。しかしながら、通信で使用するポートが許可ポートではないと判定された場合に受信したすべてのデータを解析すると、CPU302の負荷が増加してしまい、外部装置との通信速度が低下してしまう可能性がある。そこで実施形態2では、このCPU302の負荷の軽減するための仕組みを提供する。なお、印刷装置200の構成は実施形態1と同様の構成(
図3で説明した構成)のため、説明は省略する。
【0043】
図6(a)のポート設定画面600は、印刷装置200の操作パネル311に表示される画面である。ポート設定画面600では、
図4で説明した許可ポートに加えて、特定の条件を満たした場合に通信が許可される特定のポート(以降では特別許可ポートと呼ぶ)を設定することができる。
【0044】
項目601には、許可ポートとして設定されているポートの番号が示されている。ユーザが許可ポートの設定を変更する(許可ポートの追加や削除)場合、ユーザはアイコン602を押下する。これらは
図4(a)のポート設定画面400と同様である。また、アイコン602の押下によって表示される画面は
図4(b)のポート設定画面410と同様である。
【0045】
項目603には、特別許可ポートとして設定されているポートの番号が示されている。ポート設定画面600では、特別許可ポートとして890番ポートが設定されているが、設定可能な特別許可ポートの数は複数であってもよい。ユーザが特別許可ポートの設定を変更する(特別許可ポートの追加や削除)場合、ユーザはアイコン604を押下する。
【0046】
ユーザがアイコン604を押下すると、操作パネル311は
図6(b)のポート設定画面610を表示する。項目611に変更後の特別許可ポートを入力してアイコン612をユーザが押下すると、項目611に入力されたポートが項目603に反映される。そしてユーザがアイコン605を押下すると、項目601に表示されているポート番号が印刷装置200の許可ポートとして、また、項目603に表示されているポート番号が印刷装置200の特別許可ポートとしてHDD305等のメモリに記憶される。
【0047】
ポート設定画面600では、特別許可ポートとして890番ポートが指定されているが、例えば指定可能なポートが携帯端末210の仕様で決まっている場合等に特別許可ポートとして設定することができる。
【0048】
なお、本実施形態ではポート設定画面600の設定はどのユーザでも行えることとするが、印刷装置200にユーザ認証機能を導入することで特定のユーザ(例えば管理者権限を有するユーザ)のみがポート設定画面600の設定を行えるようにしてもよい。
【0049】
次に、外部装置から送信されたデータを印刷装置200が受信する際に実行される処理を、
図7のフローチャートを用いて説明する。
図7のフローチャートに示す各ステップは、CPU302がROM304等のメモリに記憶されたプログラムをRAM303に展開して実行することによって処理される。なお、
図7の各ステップのうち、
図5のステップと同様の番号のステップは
図5と同様の処理を行うため、詳細な説明は省略する。
【0050】
ステップS502において、CPU302は、通信で使用するポートが許可ポートとして設定されたポートであるか否かを判定する。通信で使用するポートが許可ポートとして設定されたポートであるとステップS502においてCPU302が判定すると、ステップS503に進む。一方、通信で使用するポートが許可ポートとして設定されたポートではないとステップS502においてCPU302が判定すると、ステップS701に進む。
【0051】
次にステップS701において、CPU302は、通信で使用するポートが特別許可ポートとして設定されたポートであるか否かを判定する。本実施形態では、ポート設定画面600によって特別許可ポートが予め設定されている。通信で使用するポートが特別許可ポートとして設定されたポートであるとステップS701においてCPU302が判定すると、ステップS504に進む。そしてS504以降は、実施形態1と同様の処理を実行する。
【0052】
一方、S701において、通信で使用するポートが特別許可ポートとして設定されたポートではないとCPU302が判定する場合、ステップS506に進み、CPU302はステップS501で受信したデータの処理を許可しない。例えばステップS501で受信したデータが印刷データであったとしても、CPU302は当該印刷データに基づく印刷処理を実行しないように印刷装置200を制御し、受信した印刷データを破棄する。またS701において、通信で使用するポートが特別許可ポートとして設定されたポートではないとCPU302が判定する場合、CPU302は受信したデータの解析(ステップS504)を行うことなくステップS506に進む。つまり、印刷装置200にしてみれば、実施形態1と比較してCPU302の負荷を軽減することができる。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、許可ポートだけではなく特別許可ポートも印刷装置200に設定することで、CPU302の負荷の増加の要因となる受信パケットの解析の頻度を少なくすることができる。これにより、実施形態1と比較してCPU302の負荷を軽減することができる。
【0054】
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、印刷装置200及び携帯端末210が、無線通信としてWi−Fi Directを実行すると説明したが、無線通信はWi−Fi Directに限らない。Wi−Fi Directのように複数の通信装置が直接通信できる無線通信であれば、本発明を適用することができる。
【0055】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0056】
200 印刷装置
210 携帯端末
220 PC
302 CPU
312 無線LANI/F
313 有線LANI/F
400 ポート設定画面
600 ポート設定画面